説明

加熱調理器

【課題】加熱室の清掃性を高くすることができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器は、ケーシングと、ケーシング内に設けられ、被調理物を収容する加熱室102と、ケーシングの上部と加熱室102の上部との間に配置され、加熱室102内の被調理物を輻射熱で加熱する上ヒータ118,118とを備える。上ヒータ118,118は加熱室102内に露出していなくて、加熱室102の上部のうち、上ヒータ118,118に対向する対向部135は、加熱室102内に向かって凸形状となるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加熱調理器としては、特開2004−360988号公報(特許文献1)に開示されたものがある。この加熱調理器は、ケーシングと、このケーシング内に設けられた加熱室と、加熱室内の被調理物を上方から輻射熱で加熱する上ヒータと、加熱室内の被調理物を下方から輻射熱で加熱する下ヒータとを備えている。
【0003】
上記加熱室の上部には、上ヒータを収容する上ヒータ収容部が設けられている。この上ヒータ収容部は加熱室の内壁に設けられた凹部であって、上ヒータが加熱室内に露出する構成となっている。
【0004】
一方、上記下ヒータ上には加熱室の底板があって、下ヒータは加熱室内に露出しない構成となっている。これにより、被調理物から出た屑や油を底板で受けてその屑や油の清掃を容易にしている。仮に、上記底板を無くしたなら、下ヒータが加熱室内に露出し、下ヒータが邪魔になって、加熱室の下側の内壁面の清掃性は悪くなってしまう。
【0005】
このように、上記従来の加熱調理器では、加熱室の下側の内壁面の清掃性は良好であるが、上ヒータが加熱室内に露出する構成であるので、被調理物から出た屑や油が上ヒータ収容部に付着すると、上ヒータが邪魔になって、その付着した屑や油の清掃は非常に困難である。
【0006】
すなわち、上記従来の加熱調理器には、加熱室の上側の内壁面の清掃性が悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−360988号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、加熱室の清掃性を高くすることができる加熱調理器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられ、被調理物を収容する加熱室と、
上記ケーシングの上部と上記加熱室の上部との間に配置され、上記加熱室内の被調理物を輻射熱で加熱する加熱部と
を備え、
上記加熱部は上記加熱室内に露出していなくて、上記加熱室の上部のうち、上記加熱部に対向する対向部は、上記加熱室内に向かって凸形状となるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
上記構成の加熱調理器によれば、上記加熱部は加熱室内に露出していないので、加熱室の内壁面の清掃に邪魔とならない。したがって、上記加熱室の清掃性を高くすることができる。
【0011】
また、上記加熱室の上部のうち、加熱部に対向する対向部は、加熱室内に向かって凸形状となるように形成されているので、加熱部からの輻射熱を広範囲に放射することができる。したがって、上記加熱室内の被調理物を加熱ムラを低減できる。
【0012】
また、上記対向部は加熱部からの輻射熱を広範囲に放射することができるので、加熱部の個数を例えば2個にしても、加熱室内の被調理物の加熱ムラを低減できる。
【0013】
また、上記加熱室の上部のうち、加熱部に対向する対向部は、加熱室内に向かって凸形状となるように形成されているので、補強リブと同様の効果を奏し、加熱室の強度を高くすることができる。
【0014】
一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱物上に配置され、上記加熱部からの輻射熱を反射する第1の反射板を備え、
上記第1の反射板は上記加熱室内に対して凹形状である。
【0015】
ここで、「加熱室内に対して凹形状」とは、加熱室内側から第1の反射板を見たとき、凹形状となっていることを意味する。
【0016】
上記実施形態の加熱調理器によれば、上記加熱部上の第1の反射板は加熱室内に対して凹形状であるので、加熱部からの輻射熱を加熱室内へ効率良く反射できる。したがって、加熱部に投入するエネルギを少なくして、省エネ効果が得られる。
【0017】
一実施形態の加熱調理器は、
上記第1の反射板上に配置された断熱材を備える。
【0018】
上記実施形態の加熱調理器によれば、上記第1の反射板上に断熱材を配置しているので、加熱室外へ漏れる輻射熱を低減できる。
【0019】
一実施形態の加熱調理器では、
上記断熱材上に配置され、上記加熱部からの輻射熱を反射する第2の反射板を備え、
上記第2の反射板は上記加熱室内に対して凹形状である。
【0020】
ここで、「加熱室内に対して凹形状」とは、加熱室内側から第1の反射板を見たとき、凹形状となっていることを意味する。
【0021】
上記実施形態の加熱調理器によれば、上記断熱材上の第2の反射板は加熱室内に対して凹形状であるので、断熱材から漏れ出た輻射熱を加熱室内へ効率良く反射できる。したがって、加熱部に投入するエネルギをより少なくして、省エネ効果をより高くすることができる。
【0022】
一実施形態の加熱調理器では、
上記第2の反射板の輻射熱の反射面は、上記対向部の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する材料からなっている。
【0023】
上記実施形態の加熱調理器によれば、上記第2の反射板の輻射熱の反射面は、上記対向部の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する材料からなっているので、第2の反射板を介して漏れ出る輻射熱を低減できる。
【0024】
一実施形態の加熱調理器では、
上記第1の反射板の輻射熱の反射面は、上記対向部の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する材料からなっている。
【0025】
上記実施形態の加熱調理器によれば、上記第1の反射板の輻射熱の反射面は、対向部の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する材料からなっているので、第1の反射板を介して漏れ出る輻射熱を低減できる。
【0026】
一実施形態の加熱調理器では、
上記対向部の室内側の表面と、上記対向部の室外側の表面とに、上記対向部の材料の輻射率よりも輻射率が高くなるように塗装または表面処理が施されている。
【0027】
上記実施形態の加熱調理器によれば、
上記対向部の室内側の表面と、対向部の室外側の表面とに、対向部の材料の輻射率よりも輻射率が高くなるように塗装または表面処理が施されているので、加熱室内への輻射熱の供給効率を向上させることができる。
【0028】
一実施形態の加熱調理器では、
上記加熱部は石英管ヒータである。
【0029】
上記実施形態の加熱調理器によれば、上記石英管ヒータはセラミック管ヒータに比べて安価である。したがって、上記加熱部は石英管ヒータであることにより、製造コストを低減できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の加熱調理器によれば、加熱部は、加熱室内に露出していないことによって、加熱室の内壁面の清掃に邪魔とならないので、加熱室の清掃性を高くすることができる。
【0031】
また、上記加熱室の上部のうち、加熱部に対向する対向部は、加熱室内に向かって凸形状となるように形成されていることによって、加熱部からの輻射熱を広範囲に放射することができるので、加熱室内の被調理物の加熱ムラを低減できる。
【0032】
また、上記対向部は加熱部からの輻射熱を広範囲に放射することができるので、加熱部の個数を例えば2個にしても、加熱室内の被調理物の加熱ムラを低減できる。
【0033】
また、上記加熱室の上部のうち、加熱部に対向する対向部は、加熱室内に向かって凸形状となるように形成されているので、補強リブと同様の効果を奏し、加熱室の強度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は本発明の一実施形態の加熱調理器の模式正面図である。
【図2】図2は上記加熱調理器の模式断面図である。
【図3】図3は図2の要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の加熱調理器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態の加熱調理器100を前面側から見た模式図である。なお、図1では、後述する排気ダクト126および希釈排気口128の図示を省略している。
【0037】
上記加熱調理器100は、直方体形状のケーシング101と、ケーシング101内に設けられた加熱室102(図2参照)と、ケーシング101の前方に回動自在に設けられた開閉扉103とを備えている。
【0038】
上記開閉扉103の回動により、加熱室102の前面側の開口部102aが開閉されるようになっている。また、開閉扉103の上部にはハンドル110が取り付けられている。そして、開閉扉103の略中央部には耐熱ガラス111が配置されており、ユーザが耐熱ガラス111を通して加熱室102内の状態を視認できるようになっている。また、開閉扉103の後面には、耐熱ガラス111を取り囲むように耐熱樹脂製のパッキン(図示せず)が固着されている。
【0039】
上記パッキンは、開閉扉103の全閉時、加熱室102の開口部102aの周縁部に強く押し付けられるようになっている。これにより、開閉扉103と加熱室102の開口部102aの周縁部との間から、加熱室102内の水蒸気などが漏れ出るのを防ぐようにしている。
【0040】
上記ケーシング101の前面の右側には操作パネル105を設けている。この操作パネル105は、液晶表示部106、ダイヤル107および複数のボタン108を有している。また、ダイヤル107の下側には給水タンク112の前面が露出している。この給水タンク112はケーシング101に対して着脱可能なタンクである。
【0041】
図2は上記加熱調理器100の模式断面図である。
【0042】
図2において、109は被調理物であり、114は露受容器であり、115は水位センサであり、116は給水ポンプであり、117は給水管であり、118,118は加熱部の一例としての上ヒータであり、119,119は第1の反射板の一例としての第1の上ヒータカバーであり、120はトレイであり、121は下ヒータであり、122は遮熱板であり、123は排気口であり、124は排気口カバーであり、125は排気サーモセンサであり、126は排気ダクトであり、126aは冷気導入用開口部であり、127は冷気経路であり、128は希釈排気口であり、129は蒸気発生部である。また、図示しないが、被調理物109の高周波加熱を行えるように、マイクロ波を発生するマグネトロンをケーシング101内に設置している。
【0043】
上記給水ポンプ116は、給水タンク112内の水を吸い込み、その水を給水管117を介して蒸気発生部129に送る。この蒸気発生部129は、給水ポンプ116からの水を加熱して水蒸気にして加熱室102内に供給したり、その水蒸気を過熱して過熱水蒸気にして加熱室102内に供給したりすることができる。ここで、上記過熱水蒸気とは、100℃以上の過熱状態にまで加熱された水蒸気を意味する。
【0044】
上記被調理物109は、蒸気発生部129からの水蒸気や過熱水蒸気で加熱可能であり、上ヒータ118および下ヒータ121の輻射熱でも加熱可能である。また、上ヒータ118下には加熱室102の天壁133があり、下ヒータ121上には加熱室102の底壁134があって、上ヒータ118および下ヒータ121は共に加熱室102内に露出していない。なお、天壁133は加熱室の上部の一例である。
【0045】
上記上ヒータ118,118はそれぞれ石英管ヒータである。この石英管ヒータは、石英管内にニクロム線等のヒータ線をコイル状にして挿入し、石英管内に窒素ガスを所定の圧力で封入した構造となっている。
【0046】
図3は図2の要部の拡大図である。
【0047】
図3において、130は断熱材であり、131は第2の反射板の一例としての第2の上ヒータカバーであり、132は室温センサである。
【0048】
上記断熱材130は、第1の上ヒータカバー119,119と第2の上ヒータカバー131との間、および、第2の上ヒータカバー131と加熱室102の天壁133との間に配置されている。この断熱材130は、グラスウール、ロックウールまたは発泡ガラス等で構成される。
【0049】
上記天壁133は、上ヒータ118,118に対向する対向部135,135を有している。この対向部135,135は、加熱室102内に向かって凸形状となるように形成されており、対向部135,135の断面形状は略台形形状となっている。
【0050】
また、上記対向部135,135の下面および上面には例えば黒色の塗料を塗っている。この塗料は、天壁133の材料の輻射率よりも輻射率が高い塗料である。また、対向部135,135の下面および上面に塗る塗料は、黒色の塗料の限定されず、天壁133の材料の輻射率よりも輻射率が高い塗料であれば、どんな色の塗料であってもよい。ここで、「対向部135,135の下面」とは、室内側の表面、つまり、被調理物109側の表面を指す。また、「対向部135,135の上面」とは、室外側の表面、つまり、上ヒータ118,118側の表面を指す。
【0051】
上記第1の上ヒータカバー119,119はアルスター鋼板からなっている。また、第1の上ヒータカバー119,119は、上ヒータ118,118上に配置されており、上ヒータ118,118からの輻射熱を加熱室102内へ反射する。また、第1の上ヒータカバー119,119の形状は加熱室102内に対して凹形状であり、かつ、第1の上ヒータカバー119,119の断面形状は略台形形状である。
【0052】
また、上記第1の上ヒータカバー119,119の輻射熱の反射面(上ヒータ118,118側の表面)は、対向部135,135の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する。
【0053】
上記第2の上ヒータカバー131は、アルスター鋼板で形成されており、上ヒータ118,118上に位置する反射部136,136を有している。この反射部136,136は、上ヒータ118,118からの輻射熱を加熱室102内へ反射する。また、反射部136,136の形状は加熱室102内に対して凹形状であり、かつ、反射部136,136の断面形状は略台形形状である。
【0054】
また、上記反射部136,136の輻射熱の反射面(断熱材130側の表面)は、対向部135,135の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する。
【0055】
上記室温センサ132は、上ヒータ118からの輻射熱の温度と加熱室102内の室温との両方を検出できるように、前側の対向部135の下面に取り付けられている。室温センサ132によって前側の対向部135上の上ヒータ118の異常を検知した場合、図示しない制御部がその上ヒータ118への電源供給を停止する。これは、前側の対向部135はユーザが触る可能性が高いため、ユーザが前側の対向部135で火傷する危険を下げるためである。なお、後側の対向部135はユーザが触る可能性が低いので、後側の対向部135に温度センサを取り付けていない。
【0056】
上記構成の加熱調理器100によれば、加熱室102の天壁133を清掃する際、上ヒータ118,118は、加熱室102内に露出していないので、清掃の邪魔にならない。
【0057】
したがって、上記加熱室102の天壁133の清掃作業は、上ヒータ118,118を意識することなく行えて良好である。
【0058】
また、上記上ヒータ118,118に対向する対向部135,135は、加熱室102内に向かって凸形状となるように形成されているので、上ヒータ118,118からの輻射熱を広範囲に放射することができる。
【0059】
したがって、上記加熱室102上には2つの上ヒータ118,118しか配置していないが、上ヒータ118と上ヒータ118との間のピッチを適切に設定することによって、加熱室102内の被調理物109をムラ無く加熱することができる。
【0060】
また、上記上ヒータ118,118に対向する対向部135,135は、加熱室102内に向かって凸形状となるように形成されているので、補強リブと同様の効果を奏し、加熱室102の強度は高くなっている。
【0061】
また、上記第1の上ヒータカバー119,119は加熱室102内に対して凹形状であるので、上ヒータ118,118からの輻射熱を加熱室102内へ効率良く反射できる。
【0062】
したがって、上記上ヒータ118,118に投入するエネルギを少なくして、省エネ効果を高くすることができる。
【0063】
また、上記第1の上ヒータカバー119,119と第2の上ヒータカバー131との間に断熱材130を配置しているので、加熱室102外へ漏れる輻射熱を低減できる。
【0064】
また、上記第2の上ヒータカバー131の反射部136,136は加熱室102内に対して凹形状であるので、断熱材130から漏れ出た輻射熱を加熱室102内へ効率良く反射できる。
【0065】
したがって、上記上ヒータ118,118に投入するエネルギをより少なくして、省エネ効果をより高くすることができる。
【0066】
また、上記第1の上ヒータカバー119,119の輻射熱の反射面は、対向部135,135の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有するので、第1の上ヒータカバー119,119を介して漏れ出る輻射熱を低減できる。
【0067】
また、上記第2の上ヒータカバー119,119が有する反射部136,136の輻射熱の反射面は、対向部135,135の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有するので、反射部136,136を介して漏れ出る輻射熱を低減することができる。
【0068】
また、上記上ヒータ118,118に対向する対向部135,135の下面および上面には、天壁133の材料の輻射率よりも輻射率が高い黒色の塗料を塗っているので、加熱室102内への輻射熱の供給効率を向上させることができる。
【0069】
また、上記上ヒータ118,118は石英管ヒータであるので、セラミック管ヒータを用いる場合よりも、製造コストを低減できる。
【0070】
仮に、上記上ヒータ118,118が加熱室102内に露出する構成であるとしたなら、石英管ヒータはセラミック管ヒータよりも強度が低くて割れる危険があるので、上ヒータ118,118として石英管ヒータを採用することはできない。
【0071】
上記実施形態では、対向部135,135の下面および上面に、天壁133の材料の輻射率よりも輻射率が高い塗料を塗っていたが、対向部135,135の下面および上面に、天壁133の材料の輻射率よりも輻射率が高くなるように表面処理を施してもよい。
【0072】
上記実施形態では、加熱室102上には2つの上ヒータ118,118を配置していたが、上ヒータ118の個数は2個に限定されず、1個でも、3個以上であってもよい。
【0073】
上記実施形態では、断面形状が略台形形状の対向部135,135を用いていたが、断面形状が例えば略円弧形状の対向部を用いてもよい。この対向部は、加熱室102内に向かって凸形状となるように形成するのが好ましい。
【0074】
上記実施形態では、断面形状が略台形形状の第1の上ヒータカバー119,119を用いていたが、断面形状が例えば略円弧形状の第1の上ヒータカバーを用いてもよい。この第1の上ヒータカバーは、加熱室102内に対して凹形状となるように形成するのが好ましい。
【0075】
上記実施形態では、断面形状が略台形形状の反射部136,136を用いていたが、断面形状が例えば略円弧形状の反射部を用いてもよい。この反射部は、加熱室102内に対して凹形状となるように形成するのが好ましい。
【0076】
上記実施形態では、室温センサ132は、対向部135,135の下面に取り付けられていたが、加熱室102の底壁134または後壁に取り付けてもよいし、あるいは、加熱室102の左側または右側の側壁に取り付けてもよい。
【0077】
上記実施形態では、室温センサ132の個数は1個であったが、複数にしてもよい。
【0078】
上記実施形態では、上ヒータ118,118として石英管ヒータを採用していたが、上ヒータ118,118として例えばセラミック管ヒータを採用してもよい。
【0079】
上記実施形態では、加熱調理器100に、過熱水蒸気を生成する機能を有する蒸気発生部129を搭載していたが、加熱調理器100に、水蒸気を発生させるだけで過熱水蒸気を生成する機能を有さない蒸気発生装置を搭載してもよい。
【0080】
本発明は、例えば、過熱水蒸気を使用するオーブンレンジのみならず、過熱水蒸気を使用しないオーブン、レンジ、オーブンレンジまたはIHクッキングヒータ等の加熱調理器にも適用できるし、過熱水蒸気を使用するオーブン、レンジまたはIHクッキングヒータ等の加熱調理器にも適用できる。
【0081】
本発明の加熱調理器では、クッキングヒータ(IHヒータや電気ヒータなどの電気コンロまたはガスコンロを用いたものを含む)やオーブンレンジなどにおいて、過熱水蒸気または飽和水蒸気を用いることによって、ヘルシーな調理を行うことができる。例えば、本発明の加熱調理器では、温度が100℃以上の過熱水蒸気または飽和水蒸気を食品表面に供給し、食品表面に付着した過熱水蒸気または飽和水蒸気が凝縮して大量の凝縮潜熱を食品に与えるので、食品に熱を効率よく伝えることができる。また、凝縮水が食品表面に付着して塩分や油分が凝縮水と共に滴下することにより、食品中の塩分や油分を低減できる。さらに、加熱室内は過熱水蒸気または飽和水蒸気が充満して無酸素状態となることにより、食品の酸化を抑制した調理が可能となる。
【符号の説明】
【0082】
100 加熱調理器
101 ケーシング
102 加熱室
135 対向部
118 上ヒータ
119 上ヒータカバー
130 断熱材
131 第2の上ヒータカバー
133 天壁
135 対向部
136 反射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、
上記ケーシング内に設けられ、被調理物を収容する加熱室と、
上記ケーシングの上部と上記加熱室の上部との間に配置され、上記加熱室内の被調理物を輻射熱で加熱する加熱部と
を備え、
上記加熱部は上記加熱室内に露出していなくて、上記加熱室の上部のうち、上記加熱部に対向する対向部は、上記加熱室内に向かって凸形状となるように形成されていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
上記加熱物上に配置され、上記加熱部からの輻射熱を反射する第1の反射板を備え、
上記第1の反射板は上記加熱室内に対して凹形状であることを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
請求項2に記載の加熱調理器において、
上記第1の反射板上に配置された断熱材を備えることを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項3に記載の加熱調理器において、
上記断熱材上に配置され、上記加熱部からの輻射熱を反射する第2の反射板を備え、
上記第2の反射板は上記加熱室内に対して凹形状であることを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
請求項4に記載の加熱調理器において、
上記第2の反射板の輻射熱の反射面は、上記対向部の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する材料からなっていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
請求項2から5までのいずれか一項に記載の加熱調理器において、
上記第1の反射板の輻射熱の反射面は、上記対向部の輻射熱の反射率よりも高い反射率を有する材料からなっていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の加熱調理器において、
上記対向部の室内側の表面と、上記対向部の室外側の表面とに、上記対向部の材料の輻射率よりも輻射率が高くなるように塗装または表面処理が施されていることを特徴とする加熱調理器。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載の加熱調理器において、
上記加熱部は石英管ヒータであることを特徴とする加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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