説明

加熱調理器

【課題】受け皿の洗浄の有無を判断することができる加熱調理器を得る。
【解決手段】本体に設けられた加熱室1と、加熱室1に設けられ、被加熱物4を加熱するヒータと、加熱室1内に着脱可能に配置され、被加熱物4が載置される受け皿6と、受け皿6の有無を検知する受け皿検知手段100と、ヒータの加熱動作と受け皿検知手段100の検知結果とに基づき、受け皿6の洗浄の有無を判断する制御手段200とを備え、受け皿検知手段100は、磁束を発生する磁束発生手段110を有し、磁束の変化により、受け皿6の有無を検出するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器においては、例えば、「加熱室に収納した食品を加熱する加熱手段と、前記食品を載置する受け皿と、前記加熱室の開口を開閉する扉体と、前記加熱手段を制御するとともにメニュー選択手段でクリーニング動作が選択されると前記加熱室を高温に維持して汚れを焼き切る動作をする制御手段と、前記加熱室の温度を検知する温度検知手段と、前記温度検知手段の検出温度の微分値が所定の値以上であると前記受け皿が前記加熱室内に収納されていないと判別し、前記微分値が前記所定の値未満であると前記受け皿が前記加熱室内に収納されていると判別する受け皿判別手段とを備え、前記制御手段は、前記クリーニング動作が選択されたときに、前記受け皿判別手段が、前記受け皿があることを判別したら、表示装置または発音装置により前記受け皿が前記加熱室内に収納されていることを報知する構成とした」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4207014号公報(請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加熱調理器においては、食品等の被加熱物から垂れる油や屑等を受ける受け皿を設けている。この受け皿に油や屑等が溜まった状態で調理を行うと、調理時の熱によって発煙や発火が生じる場合がある。
このため、受け皿が使用者によって洗浄されたか否かを判断できる加熱調理器が望まれていた。
【0005】
上記特許文献1では、クリーニング動作時に温度検知手段の検出温度の微分値により、受け皿が加熱室内に収納されているか否かを判断している。
しかし、検出温度の微分値を用いるため、判断アルゴリズムが煩雑であり、また検知精度が低い、という問題点があった。
【0006】
他方、受け皿の有無を検知するものとしては光学式センサが考えられる。
しかし、検知対象となる受け皿は加熱室内に配置されるため、食品等からの油や煙などによる汚染や、調理による熱に対して、光学式センサでは十分な信頼性を得ることができない、という問題点があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、受け皿の洗浄の有無を判断することができる加熱調理器を得るものである。
また、受け皿の有無を検知する検知精度を向上することができる加熱調理器を得るものである。
また、加熱室内の汚染や熱に対して、受け皿の有無の検知の信頼性を向上することができる加熱調理器を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る加熱調理器は、本体に設けられた加熱室と、前記加熱室に設けられ、被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱室内に着脱可能に配置され、前記被加熱物が載置される受け皿と、前記受け皿の有無を検知する受け皿検知手段と、前記加熱手段の加熱動作と前記受け皿検知手段の検知結果とに基づき、前記受け皿の洗浄の有無を判断する制御手段とを備え、前記受け皿検知手段は、磁束を発生する磁束発生手段を有し、前記磁束の変化により、前記受け皿の有無を検出するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、受け皿の洗浄の有無を判断することができる。
また、受け皿の有無を検知する検知精度を向上することができる。
また、加熱室内の汚染や熱に対して、受け皿の有無の検知の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る加熱調理器の側断面図である。
【図3】実施の形態1に係る制御回路の主要ブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態1に係る受け皿検知手段100の検知動作を示す図である。
【図6】実施の形態1に係る磁気コア112の配置位置を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る受け皿検知手段100の配置位置を説明する図である。
【図8】実施の形態1に係るヒータの加熱動作と受け皿検知手段100の検知結果を示す図である。
【図9】実施の形態1に係る受け皿6の洗浄の有無を判断する動作のフローチャートである。
【図10】実施の形態2に係る加熱禁止・報知動作を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態3に係る加熱禁止・報知動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態4に係る加熱禁止・報知動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態5に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
【図14】実施の形態6に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
【図15】実施の形態7に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
【図16】実施の形態7に係る磁気回路の磁束の位相差を説明する図である。
【図17】実施の形態8に係る励磁コイル111に供給する交流電流を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る加熱調理器の斜視図である。
図2は実施の形態1に係る加熱調理器の側断面図である。
図に示すように、本実施の形態1における加熱調理器は、本体20の上面にトッププレート24が設けられている。
また、本体20の中央下部には、魚や肉などの被加熱物4を出し入れ可能に前面が開口した加熱室1が設けられている。
本実施の形態1における加熱調理器は、トッププレート24上に載置された鍋(図示せず)などを誘導加熱し、煮込み調理などの各種の調理を行う誘導加熱調理と、加熱室1内に魚などの被加熱物を載置し、後述するヒータにて焼き上げるロースター調理とを行う。
なお、本実施の形態1では、加熱調理器として、ロースター付き誘導加熱調理器を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、例えば電気抵抗体等の加熱体により被加熱物を加熱するようにしても良いし、ガスを熱源として被加熱物を加熱するようにしても良い。
【0012】
加熱室1の手前側には、加熱室1を開閉する引き出し式の扉2が設けられている。
この扉2には、とって3が設けられ、とって3を把持して扉2を開閉することにより、加熱室1内への被加熱物の出し入れが可能となる。
【0013】
本体20の後方側には、排気口13が設けられている。
また、排気口13には、複数の連通孔が形成された排気口カバー14が設置されている。
加熱室1内に載置した魚などの被加熱物を後述するヒータにより焼成すると、その焼成状態に従い煙などが発生する。この煙が混合した加熱室1内の空気は、排気ダクト50を通って、本体20後方に設けられた排気口13から排出される。
【0014】
本体20の上面手前側には操作・表示パネル23が設けられている。この操作・表示パネル23により、調理の設定操作を行う設定入力手段と、表示や音による報知手段とを兼ねている。
なお、本実施の形態の「操作・表示パネル23」は、本発明における「報知手段」に相当する。
【0015】
トッププレート24の下には、誘導加熱を実施するための誘導加熱コイル21と、輻射加熱による熱源であるラジエントヒータ26が設置されている。
いずれもトッププレート24上に載置された鍋やフライパンなどを加熱することで、食品などを調理するための熱源である。
【0016】
誘導加熱コイル21およびラジエントヒータ26は、中位平面板18をベースとして、中位平面板18の上に設定される。
この中位平面板18は、本体20の上部と下部とを仕切るための板である。
また、中位平面板18の下には加熱室1が配置され、加熱室1から漏洩熱を上部の誘導加熱コイル21等に直接伝えないための遮熱板としての役割も果たしているものである。
【0017】
加熱室1内には、加熱源として上ヒータ9と下ヒータ8とが設置されている。
上ヒータ9および下ヒータ8は、例えばシーズヒータからなり、加熱室1内に載置された被加熱物4を加熱する。
【0018】
なお、本実施の形態の「上ヒータ9」および「下ヒータ8」は、本発明における「加熱手段」に相当する。
なお、以下の説明において「上ヒータ9」および「下ヒータ8」を区別しない場合には、単に「ヒータ」と言う。
【0019】
下ヒータ8の下部には、受け皿6が、加熱室1内に着脱可能に配置されている。
受け皿6の上には、焼き網7が設置されている。被加熱物4は焼き網7上に載置され、上ヒータ9および下ヒータ8により焼成される。
この受け皿6は、例えば磁性体により形成され、焼成中に被加熱物4から垂れる油や屑を受けるものである。
【0020】
また、加熱室1の両側面には、扉2と接続され、受け皿6を所定範囲で加熱室1外に引き出し可能に支持するガイドレール10が設けられている。
受け皿6はガイドレール10上に設置され、使用者が扉2を引き出すことで、受け皿6および焼き網7が加熱室1外に引き出される。これにより、使用者が被加熱物4を取り出し易くなっている。
また、受け皿6の下方には、受け皿6の有無を検知する受け皿検知手段100が設置されている。詳細は後述する。
【0021】
加熱室1の後方側には、加熱室1内の空気を排気する排気ダクト50が設けられている。そして、この排気ダクト50からの排気は、上述した排気口13から本体20の外へ排出される。
【0022】
図3は実施の形態1に係る制御回路の主要ブロック図である。
図3において、受け皿検知手段100は、磁束を発生する磁束発生手段110と、受け皿6の少なくとも一部を含む磁気回路120と、磁束の変化を検出する磁束検出手段130とを有している。
制御手段200は、ヒータの加熱動作と受け皿検知手段100の検知結果とに基づき、受け皿6の洗浄の有無を判断する。
また、制御手段200は、受け皿6の洗浄の有無を判断結果に基づき、ヒータの加熱動作の制御を行い、また、所定の情報を操作・表示パネル23に表示させる。
次に、受け皿検知手段100の具体的構成例について説明する。
【0023】
図4は実施の形態1に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
図4(a)は受け皿6が有る状態を示す図であり、図4(b)は受け皿6が無い状態を示す図である。
図4に示すように、受け皿検知手段100は、磁束発生手段110を構成する励磁コイル111と、励磁コイル111が巻かれた磁気コア112と、励磁コイル111に交流電流を供給する交流信号113と、磁束検出手段130を構成する電流検知手段131とを有している。
磁気コア112は、例えば強磁性体により断面略U字状に形成される。この磁気コア112は、受け皿6が有る状態において、U字の開放側が受け皿6と対向するように配置されている。
このような構成により、図4(a)のように受け皿6が有る状態において、受け皿6の一部と磁気コア112とにより環状の磁気回路120が形成される。
また、図4(b)のように受け皿6が無い状態においては、磁気コア112の端部間の空間を隔てて磁気回路120が形成される。
なお、本実施の形態の「励磁コイル111」は、本発明における「コイル」に相当する。
【0024】
図5は実施の形態1に係る受け皿検知手段100の検知動作を示す図である。
図5において、受け皿6が有る状態では、受け皿6の一部と磁気コア112とにより環状の磁気回路120が形成されるため、磁路のインダクタンスが大きくなる。その結果、交流信号113から供給された励磁コイル111を流れる電流は小さくなる。
一方、受け皿6が無い状態では、磁気コア112の端部間の空間を隔てて磁気回路120が形成されるため、磁路のインダクタンスが小さくなる。その結果、交流信号113から供給された励磁コイル111を流れる電流は大きくなる。
このようなことから、受け皿検知手段100は、電流検知手段131により検出した励磁コイル111に流れる電流が、所定の判定基準値を超えたか否かにより、受け皿6の有無を検出する。
【0025】
図6は実施の形態1に係る磁気コア112の配置位置を説明する図である。
図6において、磁気コア112のU字の開放側の両端部間の距離をL1とし、受け皿6が有る状態における、磁気コア112のU字の開放側の端部と受け皿6との距離をL2とすると、磁気コア112は、L1>L2となるように配置されている。
つまり、受け皿6が有る状態における、磁気コア112のU字の開放側の端部と受け皿6との距離(L2)が、磁気コア112のU字の開放側の両端部間の距離(L1)より近く配置されている。
このような配置とすることで、受け皿6の有無による磁路のインダクタンスが大きく変化することとなり、受け皿6の有無の検出精度を向上させることができる。
【0026】
図7は実施の形態1に係る受け皿検知手段100の配置位置を説明する図である。
図7(a)は扉2を閉じた状態を示す図である。図7(b)は扉2を開き、受け皿6を最大に引き出した状態を示す図である。図7(c)は受け皿6を取り外した状態を示す図である。
図7(a)に示すように、受け皿検知手段100は、扉2を閉じた状態において受け皿6が上方に配置される位置に配設される。
また、図7(b)に示すように、受け皿検知手段100は、ガイドレール10により受け皿6を最大に引き出した状態においても、受け皿6が上方に配置される位置に配設される。
これにより、被加熱物4を取り出すために受け皿6を最大に引き出しても、受け皿6が有る状態と判断することが可能となる。
一方、図7(c)に示すように、受け皿6を取り外した状態においては、受け皿検知手段100の上方には、受け皿6が配置されないため、上述の動作により、受け皿6が無い状態を判断することが可能となる。
【0027】
なお、受け皿検知手段100の位置はこれに限るものではない。例えば、加熱室1の側面に受け皿6と対向するように配置しても良い。
【0028】
なお、本実施の形態では、受け皿6を磁性体により形成する場合を説明するが、本発明はこれに限るものではない。例えば、アルミ等の非磁性体により受け皿6を形成しても良い。この場合には例えば、励磁コイル111に供給する交流電流を高周波とすることで、上述したように磁路のインダクタンスに応じた電流変化により、受け皿6の有無を検知することが可能である。
【0029】
なお、受け皿検知手段100の構成は、上述した構成に限るものではない。例えば、磁束発生手段110として永久磁石を用いても良いし、磁束検出手段130としてホール素子等を用いても良い。
【0030】
次に、本実施の形態における受け皿6の洗浄の有無を判断する動作について説明する。
【0031】
図8は実施の形態1に係るヒータの加熱動作と受け皿検知手段100の検知結果を示す図である。
図9は実施の形態1に係る受け皿6の洗浄の有無を判断する動作のフローチャートである。
以下、図9の各ステップ基づき、図8を参照しつつ説明する。
【0032】
(S101)
制御手段200は、ヒータによる加熱が停止状態(調理オフ)であるか否かを判断する。
ヒータによる加熱が動作状態(調理オン)の場合は、当該ステップS101を繰り返す。
【0033】
(S102)
ヒータによる加熱が停止状態である場合には、制御手段200は、受け皿検知手段100により、受け皿6が無い状態を検出したか否かを判断する。
受け皿6が有る状態の場合、ステップS105に進む。
【0034】
(S103)
一方、受け皿6が無い状態の場合、制御手段200は、所定時間以上経過したか否かを判断する。
所定時間を経過していない場合、ステップS105に進む。
ここで、所定時間としては、例えば、使用者が受け皿6を取り外して洗浄を行う場合に想定される時間を設定する。これにより受け皿6の有無の検知により、洗浄の有無を判断することが可能となる。
なお、所定時間の情報を、例えば操作・表示パネル23などから設定するようにしても良い。
【0035】
(S104)
ステップS103で、所定時間以上経過した場合、すなわち、ヒータによる加熱が停止中であって、且つ、受け皿6が無い状態が所定時間以上継続した場合、制御手段200は、受け皿6が洗浄されたと判断し、ステップS101に戻り上記ステップを繰り返す。
【0036】
(S105)
ステップS102で受け皿6が有る状態の場合、または、ステップS103で所定時間以上経過していない場合には、制御手段200は、受け皿6が洗浄されていないと判断し、ステップS101に戻り上記ステップを繰り返す。
【0037】
このような動作により、例えば図8(a)に示すように、ヒータの動作にかかわらず、受け皿6が無い状態が検知されない場合には、受け皿6が洗浄されていないと判断する。
また、例えば図8(b)に示すように、ヒータによる加熱が停止中に、受け皿6が無い状態が時間t1(t1<所定時間)検出された場合には、受け皿6が洗浄されていないと判断する。これにより、例えば洗浄が行われないような短時間の取り外しの場合には、受け皿6が洗浄されていないと判断することが可能となる。
一方、例えば図8(c)に示すように、ヒータによる加熱が停止中に、受け皿6が無い状態が時間t2(t2≧所定時間)検出された場合には、受け皿6が洗浄されたと判断する。これにより、使用者が受け皿6を取り外して洗浄を行ったと想定される場合には、受け皿6が洗浄されたと判断することが可能となる。
【0038】
上述した動作により、受け皿6が洗浄されていない場合、制御手段200は、以後、ヒータによる加熱を開始しないようにしても良い。
また、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、制御手段200は、受け皿6の洗浄を促す旨の情報を操作・表示パネル23により報知するようにしても良い。
この洗浄を促す旨の情報としては、例えば「受け皿に付着した食品カス・油等を取り除いてください。食品カス等が付着したまま加熱を継続すると炭化し、発煙する場合があります。」などの情報がある。
【0039】
以上のように本実施の形態においては、受け皿検知手段100により受け皿6の有無を検知し、ヒータの加熱動作と受け皿検知手段100の検知結果とに基づき、受け皿6の洗浄の有無を判断する。
このため、受け皿6の洗浄の有無を判断することができる。
また、受け皿検知手段100は、磁束を発生する磁束発生手段110を有し、磁束の変化により、受け皿6の有無を検出する。
このため、受け皿6の有無を検知する際に演算等を行う必要が無く、判断アルゴリズムを簡易化することができる。
また、受け皿6の有無を検知する検知精度を向上することができる。
【0040】
また、本実施の形態においては、励磁コイル111に交流電流を供給し、受け皿6が有る状態において、この受け皿6の少なくとも一部と磁気コア112とにより環状の磁気回路120を形成し、励磁コイル111に流れる電流に基づき、受け皿6の有無を検出する。
このため、受け皿6や受け皿検知手段100が油や煙などにより汚染された場合であっても、受け皿6の有無を検知することができる。また、受け皿検知手段100を構成する磁気コア112や励磁コイル111は、比較的熱に強いため、高温となる加熱室1内に配置しても信頼性が低下することがない。よって、加熱室1内の汚染や熱に対して、受け皿6の有無の検知の信頼性を向上することができる。
【0041】
また、本実施の形態においては、磁気コア112は、断面略U字状に形成され、受け皿6が有る状態において、U字の開放側が受け皿6と対向するように配置されている。
このため、受け皿6の有無により、受け皿6を一部に含む磁気回路120と、空間を隔てた磁気回路120とが形成され、磁気回路120の磁路のインダクタンスが大きく変化することとなり、受け皿6の有無を精度良く検知することができる。
【0042】
また、本実施の形態においては、受け皿6が有る状態における、磁気コア112のU字の開放側の端部と受け皿6との距離(L2)が、磁気コア112のU字の開放側の両端部間の距離(L1)より近く配置されている。
このため、受け皿6の有無による磁路のインダクタンスが大きく変化することとなり、受け皿6の有無の検出精度を向上させることができる。
【0043】
また、本実施の形態においては、加熱室1の開口を開閉する扉2と、扉2と接続され、受け皿6を所定範囲で加熱室1外に引き出し可能に支持するガイドレール10とを備えている。そして、受け皿検知手段100は、所定範囲で受け皿6を引き出した状態において、受け皿6が有る状態を検知する。
このため、被加熱物4を取り出すために扉2を最大に引き出した場合であっても、受け皿6が有る状態と判断することができ、受け皿6の有無の検知を正しく判断することができる。
【0044】
また、本実施の形態においては、ヒータによる加熱が停止中であって、且つ、受け皿6が無い状態が所定時間以上継続した場合、受け皿6が洗浄されたと判断する。
このため、受け皿6の有無を検出することで、受け皿6の洗浄の有無を判断することができる。
また、受け皿6に溜まった油や屑等を直接検出するための手段が不要となり構成を簡易化することができる。
【0045】
また、本実施の形態においては、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、ヒータによる加熱を開始しない。
このため、受け皿6に被加熱物4からの油や屑が溜まった可能性が高い場合には、加熱されることを防止することができる。
よって、受け皿6に溜まった油や屑等からの発煙や発火を防止することができる。
【0046】
また、本実施の形態においては、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、受け皿6の洗浄を促す旨の情報を操作・表示パネル23により報知する。
このため、受け皿6に被加熱物4からの油や屑が溜まった可能性が高い場合には、使用者に対して受け皿6の洗浄を促すことができる。
よって、受け皿6に溜まった油や屑等からの発煙や発火を防止することができる。
【0047】
実施の形態2.
本実施の形態では、受け皿6が洗浄されていない状態での調理回数が所定回数以上となった場合に、加熱動作の禁止や報知を行う形態について説明する。
なお、本実施の形態の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
また、受け皿6の洗浄の有無を判断する動作は、上記実施の形態1(図9)と同様である。
【0048】
図10は実施の形態2に係る加熱禁止・報知動作を示すフローチャートである。
以下、図10の各ステップに基づき説明する。
【0049】
(S201)
制御手段200は、ヒータによる加熱が停止されたか否かを判断し、加熱が停止するまで待機する。
【0050】
(S202)
ヒータによる加熱が停止(調理オンから調理オフに遷移)された場合、制御手段200は、カウンタ値nをインクリメントする。
【0051】
(S203)
次に制御手段200は、カウンタ値nが所定回数以上であるか否かを判断する。
所定回数未満である場合にはステップS201に戻り、上記ステップを繰り返す。
一方、所定回数以上である場合、つまり、ヒータによる加熱の回数が所定回数以上の場合、ステップS204に進む。
ここで、所定回数としては、例えば、一般的な調理において受け皿6の洗浄が必要となる調理回数などを設定する。
なお、所定回数の情報を、例えば操作・表示パネル23などから設定するようにしても良い。
【0052】
(S204)
制御手段200は、上述した実施の形態1と同様の動作により、受け皿6の洗浄の有無を判断する。
【0053】
(S205)
ステップS204で洗浄されたと判断した場合には、制御手段200は、カウンタ値nをゼロとし(リセット)、ステップS201に戻り、上記ステップを繰り返す。
【0054】
(S206)
一方、ステップS204で洗浄されていないと判断した場合には、制御手段200は、以後、ヒータによる加熱を開始しないようにする(加熱禁止)。
【0055】
(S207)
制御手段200は、受け皿6の洗浄を促す旨の情報を操作・表示パネル23により報知する。
【0056】
以上のように本実施の形態においては、ヒータによる加熱の回数を計数し、この回数が所定回数以上であって、且つ、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、ヒータによる加熱を開始しない。
このため、受け皿6に被加熱物4からの油や屑が溜まった可能性が高い場合には、加熱されることを防止することができる。
また、調理回数(加熱の回数)が所定回数未満の場合には、加熱を行うことができ、使い勝手を向上することができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、ヒータによる加熱の回数を計数し、回数が所定回数以上であって、且つ、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、受け皿6の洗浄を促す旨の情報を操作・表示パネル23により報知する。
このため、受け皿6に被加熱物4からの油や屑が溜まった可能性が高い場合には、使用者に対して受け皿6の洗浄を促すことができる。よって、受け皿6に溜まった油や屑等からの発煙や発火を防止することができる。
【0058】
実施の形態3.
本実施の形態では、受け皿6が洗浄されていない状態での調理の積算時間が所定時間以上となった場合に、加熱動作の禁止や報知を行う形態について説明する。
なお、本実施の形態の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
また、受け皿6の洗浄の有無を判断する動作は、上記実施の形態1(図9)と同様である。
【0059】
図11は実施の形態3に係る加熱禁止・報知動作を示すフローチャートである。
以下、図11の各ステップに基づき説明する。
【0060】
(S301)
制御手段200は、ヒータによる加熱がオン状態であるか否かを判断し、加熱がオフ状態の場合には、ステップS301を繰り返す。
【0061】
(S302)
ヒータによる加熱がオン状態である場合、制御手段200は加熱時間tを積算する。
【0062】
(S303)
次に制御手段200は、加熱時間tが所定の積算時間以上であるか否かを判断する。
所定の積算時間未満である場合にはステップS301に戻り、上記ステップを繰り返す。
一方、所定の積算時間以上である場合、ステップS304に進む。
ここで、所定の積算時間としては、例えば、一般的な調理において受け皿6の洗浄が必要となる調理時間の合計値などを設定する。
なお、所定の積算時間の情報を、例えば操作・表示パネル23などから設定するようにしても良い。
【0063】
(S304)
制御手段200は、上述した実施の形態1と同様の動作により、受け皿6の洗浄の有無を判断する。
【0064】
(S305)
ステップS304で洗浄されたと判断した場合には、制御手段200は、加熱時間tをゼロとし(リセット)、ステップS301に戻り、上記ステップを繰り返す。
【0065】
(S306)
一方、ステップS304で洗浄されていないと判断した場合には、制御手段200は、以後、ヒータによる加熱を開始しないようにする(加熱禁止)。
【0066】
(S307)
制御手段200は、受け皿6の洗浄を促す旨の情報を操作・表示パネル23により報知する。
【0067】
以上のように本実施の形態においては、ヒータによる加熱の時間を積算し、積算した時間が所定時間以上であって、且つ、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、ヒータによる加熱を開始しない。
このため、受け皿6に被加熱物4からの油や屑が溜まった可能性が高い場合には、加熱されることを防止することができる。
また、調理回数(加熱の回数)が所定回数未満の場合には、加熱を行うことができ、使い勝手を向上することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、ヒータによる加熱の時間を積算し、積算した時間が所定時間以上であって、且つ、受け皿6が洗浄されたと判断していない場合、受け皿6の洗浄を促す旨の情報を操作・表示パネル23により報知する。
このため、受け皿6に被加熱物4からの油や屑が溜まった可能性が高い場合には、使用者に対して受け皿6の洗浄を促すことができる。よって、受け皿6に溜まった油や屑等からの発煙や発火を防止することができる。
【0069】
実施の形態4.
本実施の形態では、受け皿6が無い状態でのヒータの加熱は誤使用であるとして、加熱動作の禁止や報知を行う形態について説明する。
なお、本実施の形態の構成は上記実施の形態1と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
また、受け皿6の洗浄の有無を判断する動作は、上記実施の形態1(図9)と同様である。
【0070】
図12は実施の形態4に係る加熱禁止・報知動作を示すフローチャートである。
以下、図12の各ステップに基づき説明する。
【0071】
(S401)
制御手段200は、操作・表示パネル23からヒータによる加熱開始の操作の有無を判断し、加熱開始の操作がされるまで待機する。
【0072】
(S402)
使用者は、操作・表示パネル23を操作し、加熱室1内のヒータによる加熱を開始させる。
制御手段200は、受け皿検知手段100により受け皿6が有る状態を検出したか否かを判断する。
【0073】
(S403)
受け皿6が無い状態の場合、制御手段200は、当該操作を無効にし、ヒータによる加熱を開始しないようにする(加熱禁止)。
【0074】
(S404)
制御手段200は、誤使用である旨の情報を操作・表示パネル23により報知し、ステップS402に戻り、上記ステップを繰り返す。
この誤使用である旨の情報としては、例えば「受け皿を設置してください。受け皿が無い状態では加熱できません。」などの情報がある。
【0075】
(S405)
一方、ステップS402で、受け皿6が有る状態の場合、制御手段200は、操作・表示パネル23からの操作に基づき、ヒータの加熱を開始させる。
【0076】
以上のように本実施の形態においては、受け皿6が無い状態の場合、ヒータによる加熱を行わない。
このため、受け皿6が無い状態でヒータが加熱される誤使用を防止することができる。
【0077】
また、本実施の形態においては、受け皿6が無い状態の場合、誤使用である旨の情報を操作・表示パネル23により報知する。
このため、誤使用の場合には、使用者に対して受け皿6を設置すべきことを促すことができる。
【0078】
実施の形態5.
上記実施の形態1では、U字状に形成した磁気コア112を用いた場合を説明した。本実施の形態では、同心円状に形成した磁気コア112を用いる形態について説明する。
【0079】
図13は実施の形態5に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
図13(a)は正面断面図を示し、図13(b)は側面断面図を示している。図13(c)は磁気コア112の配置位置を説明する図である。
図に示すように、本実施の形態における磁気コア112は、棒状に形成され、励磁コイル111が巻かれた中心コア112aと、円筒状に形成され、中心コア112aと同心円状に配置された外周コア112bとを有している。
中心コア112aは、例えば円柱形状に形成されている。
外周コア112bは、その一方が閉塞され、他方側(受け皿6側)が開口した有底円筒形状であり、中心コア112aと閉塞端側で接続されている。
この磁気コア112は、受け皿6が有る状態において、中心軸が受け皿6と略直交するように配置されている。
【0080】
このような構成により、受け皿6が有る状態においては、中心コア112aと、受け皿6の一部と、外周コア112bとにより環状の磁気回路120が形成される。
また、受け皿6が無い状態においては、中心コア112aと外周コア112bとの間の空間を隔てて磁気回路120が形成される。
これにより、上記実施の形態1と同様に、受け皿6が有る状態では磁路のインダクタンスが大きくなり、受け皿6が無い状態では磁路のインダクタンスが小さくなることから、受け皿検知手段100は、励磁コイル111に流れる電流に基づき受け皿6の有無を検出する。
【0081】
また、図13(c)に示すように、中心コア112aと外周コア112bとの間の距離をL1とし、受け皿6が有る状態における、磁気コア112の端部(中心コア112aおよび外周コア112bの端部)と受け皿6との距離をL2とすると、磁気コア112は、L1>L2となるように配置されている。
つまり、受け皿6が有る状態における、磁気コア112と受け皿6との距離(L2)が、磁気コア112の中心コア112aと外周コア112bとの距離(L1)より近く配置されている。
このような配置とすることで、受け皿6の有無による磁路のインダクタンスが大きく変化することとなり、受け皿6の有無の検出精度を向上させることができる。
【0082】
なお、その他の構成および受け皿6の有無の検出動作は、上記実施の形態1と同様である。
また、受け皿6の洗浄の有無の判断や、加熱動作の禁止や報知の動作は上記実施の形態1〜4の何れかと同様である。
【0083】
以上のような構成においても、上記実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
【0084】
実施の形態6.
図14は実施の形態6に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
図14(a)は正面断面図を示し、図14(b)は側面断面図を示している。図14(c)は磁気コア112の配置位置を説明する図である。
図に示すように、本実施の形態における磁気コア112は、棒状に形成され、励磁コイル111が巻かれた中心コア112aと、中心コア112aを挟んで配置された一対の外側コア112c1、112c2とを有している。
中心コア112aは、例えば角柱形状に形成されている。
外側コア112c1、112c2は、それぞれ角柱形状に形成され、それぞれの一方の端部と中心コア112aの端部とが接続されてれいる。つまり、中心コア112aおよび外側コア112c1、112c2は、受け皿6側が開口した断面E字形状である。
この磁気コア112は、受け皿6が有る状態において、中心コア112aおよび外側コア112c1、112c2の端部が受け皿6と対向するように配置されている。
【0085】
このような構成により、受け皿6が有る状態においては、中心コア112aと、受け皿6の一部と、外側コア112c1により環状の磁気回路120aが形成され、中心コア112aと、受け皿6の一部と、外側コア112c2により環状の磁気回路120bが形成される。
また、受け皿6が無い状態においては、中心コア112aと外側コア112c1との間の空間を隔てて磁気回路120aが形成され、中心コア112aと外側コア112c2との間の空間を隔てて磁気回路120bが形成される。
これにより、上記実施の形態1と同様に、受け皿6が有る状態では磁路のインダクタンスが大きくなり、受け皿6が無い状態では磁路のインダクタンスが小さくなることから、受け皿検知手段100は、励磁コイル111に流れる電流に基づき受け皿6の有無を検出する。
【0086】
また、図14(c)に示すように、中心コア112aと外側コア112c1、112c2との間の距離をL1とし、受け皿6が有る状態における、磁気コア112の端部(中心コア112aおよび外側コア112c1、112c2の端部)と受け皿6との距離をL2とすると、磁気コア112は、L1>L2となるように配置されている。
つまり、受け皿6が有る状態における、磁気コア112と受け皿6との距離(L2)が、磁気コア112の中心コア112aと外側コア112c1、112c2との距離(L1)より近く配置されている。
このような配置とすることで、受け皿6の有無による磁路のインダクタンスが大きく変化することとなり、受け皿6の有無の検出精度を向上させることができる。
【0087】
なお、その他の構成および受け皿6の有無の検出動作は、上記実施の形態1と同様である。
また、受け皿6の洗浄の有無の判断や、加熱動作の禁止や報知の動作は上記実施の形態1〜4の何れかと同様である。
【0088】
以上のような構成においても、上記実施の形態1〜4と同様の効果を得ることができる。
【0089】
実施の形態7.
上記実施の形態1〜6では、励磁コイル111に交流電流を供給して磁束を発生させる形態を説明した。
受け皿6が有る状態においては、励磁コイル111からの磁束により受け皿6に吸引力(反発力)が生じる。
励磁コイル111に供給する交流電流の極性が変化する場合には、磁束がゼロになる瞬間がある。磁束がゼロとなる瞬間にはこの吸引力(反発力)もゼロとなる。
このように交流電流の極性が変化すると、受け皿6に対する吸引力(反発力)の発生・消滅が繰り返され、受け皿6に振動が発生する。この振動は音の発生の原因となる。
本実施の形態では、このような振動を抑制する形態について説明する。
【0090】
図15は実施の形態7に係る受け皿検知手段100の構成を模式的に示す図である。
図15(a)は正面断面図を示し、図15(b)は側面断面図を示している。
図15に示すように、本実施の形態における受け皿検知手段100は、上記実施の形態6の構成(図14)に加え、外側コア112c2に巻かれた閉コイル114を有している。この閉コイル114は、巻線の端部同士を接続して閉回路を形成している。
その他の構成は上記実施の形態6と同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
【0091】
なお、ここでは外側コア112c2に閉コイル114を巻いた場合を説明するが本発明はこれに限るものではない。一対の外側コア112c1、112c2の何れか一方に閉コイル114を設ければよい。
【0092】
図16は実施の形態7に係る磁気回路の磁束の位相差を説明する図である。
図16において、磁束Aは、外側コア112c1と中心コア112aとにより形成された磁気回路120aの磁束を示している。また、磁束Bは、閉コイル114が巻かれた外側コア112c2と中心コア112aとにより形成された磁気回路120bの磁束を示している。
図16に示すように、磁束Aおよび磁束Bは共に、励磁コイル111に供給された交流電流に応じて、大きさ・極性(向き)が変化するが、閉コイル114を設けたことで磁束Aと磁束Bとに位相差が生じる。
このような位相差により、磁束Aおよび磁束Bが共にゼロとならないようにすることができる。
【0093】
以上のように本実施の形態においては、一対の外側コア112cの一方に閉コイル114を設けたので、外側コア112cの一方と中心コア112aとにより形成された磁気回路120aの磁束Aと、外側コア112cの他方と中心コア112aとにより形成された磁気回路120bの磁束Bとの間に位相差が生じる。
よって、受け皿6に対する吸引力(反発力)を継続して発生させることができ、受け皿6に生じる振動を抑制することができる。
【0094】
実施の形態8.
本実施の形態では、励磁コイル111に供給する交流電流の極性が一定となるように、交流電流に直流電流(バイアス)を重畳する形態について説明する。
【0095】
なお、本実施の形態の構成は上記実施の形態1〜7の何れかと同様であり、同一部分には同一の符号を付する。
また、受け皿6の有無の検出動作、受け皿6の洗浄の有無を判断する動作は、上記実施の形態1〜7の何れかと同様である。
【0096】
図17は実施の形態8に係る励磁コイル111に供給する交流電流を示す図である。
本実施の形態においては、交流信号113から励磁コイル111に供給する交流電流の極性が一定となるように、交流電流に直流電流を重畳する。
例えば、図17に示すように、交流電流の最大振幅より大きい直流電流(バイアス)を重畳する。
なお、直流電流の極性はプラス・マイナスの何れであっても良い。
【0097】
以上のように本実施の形態においては、励磁コイル111に供給する交流電流の極性が一定となるように、交流電流に直流電流を重畳するので、受け皿6に対する吸引力(反発力)を継続して発生させることができ、受け皿6に生じる振動を抑制することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 加熱室、2 扉、3 とって、4 被加熱物、6 受け皿、7 焼き網、8 下ヒータ、9 上ヒータ、10 ガイドレール、13 排気口、14 排気口カバー、18 中位平面板、20 本体、21 誘導加熱コイル、23 操作・表示パネル、24 トッププレート、26 ラジエントヒータ、50 排気ダクト、100 受け皿検知手段、110 磁束発生手段、111 励磁コイル、112 磁気コア、112a 中心コア、112b 外周コア、112c 外側コア、113 交流信号、114 閉コイル、120 磁気回路、130 磁束検出手段、131 電流検知手段、200 制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に設けられた加熱室と、
前記加熱室に設けられ、被加熱物を加熱する加熱手段と、
前記加熱室内に着脱可能に配置され、前記被加熱物が載置される受け皿と、
前記受け皿の有無を検知する受け皿検知手段と、
前記加熱手段の加熱動作と前記受け皿検知手段の検知結果とに基づき、前記受け皿の洗浄の有無を判断する制御手段と
を備え、
前記受け皿検知手段は、
磁束を発生する磁束発生手段を有し、
前記磁束の変化により、前記受け皿の有無を検出する
ことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記磁束発生手段は、磁気コアに巻かれたコイルにより構成され、
前記受け皿検知手段は、
前記コイルに交流電流を供給し、前記受け皿が有る状態において、該受け皿の少なくとも一部と前記磁気コアとにより環状の磁気回路を形成し、
前記コイルに流れる電流に基づき、前記受け皿の有無を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記磁気コアは、
断面略U字状に形成され、
前記受け皿が有る状態において、前記U字の開放側が前記受け皿と対向するように配置された
ことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記受け皿が有る状態における、前記磁気コアの前記U字の開放側の端部と前記受け皿との距離(L2)が、
前記磁気コアの前記U字の開放側の両端部間の距離(L1)より近い
ことを特徴とする請求項3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記磁気コアは、
棒状に形成され、前記コイルが巻かれた中心コアと、
円筒状に形成され、前記中心コアと同心円状に配置された外周コアとを有し、
前記受け皿が有る状態において、中心軸が前記受け皿と直交するように配置された
ことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記受け皿が有る状態における、前記磁気コアと前記受け皿との距離(L2)が、
前記磁気コアの前記中心コアと前記外周コアとの距離(L1)より近い
ことを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記磁気コアは、
棒状に形成され、前記コイルが巻かれた中心コアと、
前記中心コアを挟んで配置された一対の外側コアとを有し、
前記受け皿が有る状態において、前記中心コアおよび前記外側コアの端部が前記受け皿と対向するように配置された
ことを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記受け皿が有る状態における、前記磁気コアと前記受け皿との距離(L2)が、
前記磁気コアの前記中心コアと前記外側コアとの距離(L1)より近い
ことを特徴とする請求項7記載の加熱調理器。
【請求項9】
一対の前記外側コアの一方に巻かれた閉コイルを有し、
前記外側コアの一方と前記中心コアとにより形成された磁気回路の磁束と、
前記外側コアの他方と前記中心コアとにより形成された磁気回路の磁束との間に、位相差が生じる
ことを特徴とする請求項7または8記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記受け皿検知手段は、
前記コイルに供給する交流電流の極性が一定となるように、該交流電流に直流電流を重畳する
ことを特徴とする請求項2〜9の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記加熱室の開口を開閉する扉と、
前記扉と接続され、前記受け皿を所定範囲で前記加熱室外に引き出し可能に支持するガイドレールとを備え、
前記受け皿検知手段は、
前記所定範囲で前記受け皿を引き出した状態において、該受け皿が有る状態を検知する
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記制御手段は、
前記加熱手段による加熱が停止中であって、且つ、前記受け皿が無い状態が所定時間以上継続した場合、前記受け皿が洗浄されたと判断する
ことを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記制御手段は、
前記受け皿が洗浄されたと判断していない場合、前記加熱手段による加熱を開始しない
ことを特徴とする請求項12記載の加熱調理器。
【請求項14】
報知手段を備え、
前記制御手段は、
前記受け皿が洗浄されたと判断していない場合、前記受け皿の洗浄を促す旨の情報を前記報知手段により報知する
ことを特徴とする請求項12または13記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記制御手段は、
前記加熱手段による加熱の回数を計数し、
前記回数が所定回数以上であって、且つ、前記受け皿が洗浄されたと判断していない場合、前記加熱手段による加熱を開始しない
ことを特徴とする請求項12記載の加熱調理器。
【請求項16】
報知手段を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段による加熱の回数を計数し、
前記回数が所定回数以上であって、且つ、前記受け皿が洗浄されたと判断していない場合、前記受け皿の洗浄を促す旨の情報を前記報知手段により報知する
ことを特徴とする請求項12または15記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記制御手段は、
前記加熱手段による加熱の時間を積算し、
前記積算した時間が所定の積算時間以上であって、且つ、前記受け皿が洗浄されたと判断していない場合、前記加熱手段による加熱を開始しない
ことを特徴とする請求項12記載の加熱調理器。
【請求項18】
報知手段を備え、
前記制御手段は、
前記加熱手段による加熱の時間を積算し、
前記積算した時間が所定の積算時間以上であって、且つ、前記受け皿が洗浄されたと判断していない場合、前記受け皿の洗浄を促す旨の情報を前記報知手段により報知する
ことを特徴とする請求項12または17記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記制御手段は、
前記受け皿が無い状態の場合、前記加熱手段による加熱を行わない
ことを特徴とする請求項1〜18の何れか1項に記載の加熱調理器。
【請求項20】
報知手段を備え、
前記制御手段は、
前記受け皿が無い状態の場合、誤使用である旨の情報を前記報知手段により報知する
ことを特徴とする請求項1〜19の何れか1項に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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