説明

加熱調理機器

【課題】 例えば視力が弱いといった身体的特徴を持っている使用者が使用する場合でも、天板の温度が高い旨の報知を確実に行えて、高温になった天板の加熱部付近や五徳に触れて火傷してしまうのを防止することができる加熱調理機器を提供する。
【解決手段】本体ケーシング10の天板11に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板11の温度を検知する天板11温度検知手段と、天板11温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段4とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段4は、高温の旨を点灯表示する点灯表示部41と高温の旨を音声により報知する音声報知部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス調理器(例えば特許文献1)や電磁調理器といった加熱調理器の多くは、本体ケーシングの天板に加熱部を備えている。このため、天板の加熱部付近や加熱部の五徳が高温になっている状態で不用意に天板の加熱部付近や五徳に触れてしまい、火傷してしまう惧れがあった。
【特許文献1】特公昭63−67106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、天板の温度が高い時に、天板の温度が高い旨を表示する表示部を設けた加熱調理機器が考えられている。
【0004】
しかしながら、このような加熱調理機器にあっても、例えば視力が弱いといった身体的特徴を持っている使用者が使用する場合には、天板の温度が高い旨を普通に表示部に表示するだけでは前記表示に気付かず、上述したように高温になった天板の加熱部付近や五徳に触れてしまい、火傷してしまう惧れがあった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば視力が弱いといった身体的特徴を持っている使用者が使用する場合でも、注意喚起して天板の温度が高い旨の報知に強制的に気付かせて、高温になった天板の加熱部付近や五徳に触れて火傷してしまうのを防止することができる加熱調理機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために請求項1に係る発明にあっては、本体ケーシング10の天板11に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板11の温度を検知する天板11温度検知手段と、天板11温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段4とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段4は、高温の旨を点灯表示する点灯表示部41と高温の旨を音声により報知する音声報知部とを備えて成ることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成とすることで、注意喚起して報知手段4による報知に強制的に気付かせることができて、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまうのを防止することが可能となる。
【0008】
また請求項2に係る発明にあっては、本体ケーシング10の天板11に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板11の温度を検知する天板11温度検知手段と、天板11温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段4とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段4は、高温の旨を点灯表示および点滅表示する点滅表示部を備えて成ることを特徴とするものである。
【0009】
このような構成とすることで、注意喚起して報知手段4による報知に強制的に気付かせることができて、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまうのを防止することが可能となる。
【0010】
また請求項3に係る発明にあっては、本体ケーシング10の天板11に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板11の温度を検知する天板11温度検知手段と、天板11温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段4とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段4は、高温の旨を点灯照度を変化させて点灯表示する照度可変点灯表示部41を備えて成ることを特徴とするものである。
【0011】
このような構成とすることで、注意喚起して報知手段4による報知に強制的に気付かせることができて、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまうのを防止することが可能となる。
【0012】
また請求項4に係る発明にあっては、請求項1乃至3のいずれか一項に係る発明において、天板11の加熱部に使用者の身体9が近づいたことを検知する近接検知手段7を設け、天板11温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上で且つ近接検知手段7により身体9の近接が検知された場合に報知手段4による報知を行うことを特徴とするものである。
【0013】
天板11の温度が所定温度以上となっていても、近接検知手段7にて使用者の身体9の近接が検知されていない状態では、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまう惧れはなく、音声や点滅や点灯の照度を変えて使用者に注意喚起するような報知は無駄でありむしろ煩わしいため、そのような無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0014】
また請求項5に係る発明にあっては、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、加熱部における調理容器の有無を検知する調理容器検知手段8を備え、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された場合に報知手段4による報知を行うことを特徴とするものである。
【0015】
調理容器が加熱部に有る場合、使用者は用心して、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に触れて火傷してしまう可能性は低く、高温の旨を報知する必要性もあまりないため、調理容器検知手段8にて調理容器が無いと判断された場合に注意喚起する報知を行うようにして、無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0016】
また請求項6に係る発明にあっては、請求項5に係る発明において、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された後一定時間は報知手段4による報知を行わないことを特徴とするものである。
【0017】
調理容器が無しとなってから一定時間は、調理容器を加熱部から移動させた後で、使用者の手等の身体9が天板11の近傍等にあっても天板11が高温であることを自分で認識して既に用心しているため、この間は報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0018】
また請求項7に係る発明にあっては、請求項5に係る発明において、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された場合に加熱部の加熱を停止又は出力を弱くさせる空焚防止手段を備えると共に、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された場合でも空焚防止手段による加熱部の加熱の停止又は出力の低下を解除して加熱を行える空焚防止解除手段を備えた加熱調理機器において、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された状態で空焚防止解除手段により加熱部の加熱の停止又は出力の低下が解除されて加熱が行われている場合、報知手段4による報知を行わないことを特徴とするものである。
【0019】
この場合は、調理容器を用いない加熱調理(例えばあぶりもの)をするような使用状態であるため、特に報知を行う必要がなく、無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明にあっては、天板の温度が高い場合に通常の一定照度の点灯表示のみで報知を行う場合に、例えば視力が弱いといった身体的特徴を持っている使用者は報知に気付かずに天板や五徳や加熱部付近に触れて火傷してしまう可能性が高かったのを、注意喚起して報知手段による報知に強制的に気付かせることができて、高温となった天板や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまうのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明について添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本発明の加熱調理機器としては、ガスこんろを備えたガス調理器や、誘導加熱により容器を加熱する所謂IH電磁調理器が挙げられるが、限定はされない。
【0022】
まず、ガス調理器の場合について、その基本的な構成を以下に説明する。図1、図2に一般的なガス調理器1の例を示す。
【0023】
図1に示すガス調理器1は、本体ケーシング10にガスこんろ12とグリル13とを備えているが、グリル13は備えていなくてもよい。グリル13は本体ケーシング10の左右方向の中央部の内部に配設してあり、その前面にグリル扉13aが開閉自在に配置してある。本体ケーシング10の天板11には、左側と右側とにガスこんろ12が一つづつ計二つ配設してある。ガスこんろ12は、バーナ本体21の上にバーナキャップ22を載置して周囲に炎口を有するガスバーナ2で加熱手段が構成され、本体ケーシング10の天板11部に形成したこんろ開口を介して上方に露出している。天板11の前記開口の周囲には、複数の五徳爪14aを環状に配置した五徳14が設けてあり、この五徳14と加熱手段とで加熱部が構成してある。このガスこんろ12は、五徳14上に載置される調理物を収容した調理容器(図示せず)の底部の温度を計測してガスバーナ2の燃焼制御を行うための温度計測手段としての温度センサー3を備えている。温度センサー3は、測温手段としてのサーミスタ等の感温部を上端部に設けてあり、ガスこんろ12の略中央部に配置されて、五徳14上に載置される調理容器の底部に接触して温度を計測する。
【0024】
本体ケーシング10の前面には、左右の各ガスこんろ12を手動で操作するためのこんろ操作部15がそれぞれ設けてあると共に、グリル13を手動で操作するためのグリル操作部16が設けてあり、これらの操作部からの操作指令は内蔵した制御部5により処理される。こんろ操作部15は、制御部5に対してガスバーナ2の点火・消火指令を与えるこんろ点火・消火操作部と、制御部5に対してガスバーナ2の燃焼量を調整するための指令を与えるこんろ加熱量調節操作部とからなるもので、本実施形態では前記こんろ点火・消火操作部とこんろ加熱量調節操作部とを同一のダイヤル式のつまみ部15aにて兼用している。更に詳しく説明すると、前記つまみ部15aは、押し操作により通常位置と押込位置とが切り替えられ、通常位置から押込位置とすることで点火指令が制御部5に与えられ、押込位置から通常位置とすることで消火指令が制御部5に与えられ、このように押し操作することでこんろ点火・消火操作部として機能する。更につまみ部15aは、前記のように通常位置と押込位置とが切り替えられるのに加えて、回転自在となっており、押込位置にして点火した状態で回転させることで、燃焼を調節して加熱量を調節するためのこんろ加熱量調節操作部として機能する。
【0025】
また、グリル操作部16についても、グリル点火・消火操作部とグリル加熱量調節操作部とを上記こんろ操作部15のつまみ部15aと同様のつまみ部16aにて構成してある。
【0026】
次に、ガスの流れ及び燃焼を制御する制御部5について、図2に示す概略構成図に基づいて説明する。なお、ガスこんろ12のとグリル13とは、ガスの流れ及び燃焼の基本的な部分は同様であるためグリル13についての説明は省略し、ガスこんろ12について説明する。
【0027】
ガスバーナ2にはそれぞれ、点火プラグ23と、バーナが燃焼しているか否かを検知する熱電対からなる温度検知手段24と、上記温度センサー3とが設けてあり、これらは制御部5に接続してある。
【0028】
各ガスバーナ2には、都市ガス等のガス燃料を供給する燃料供給路6から分岐する分岐供給路62が接続してある。燃料供給路6には元ガス弁61が設けてあると共に、各分岐供給路62には、ガス燃料の供給と停止とを切り替える電磁式の開閉弁63と、ガス燃料の供給量の調節を行うため停止角度の微調整が可能なステッピングモータにより駆動される流量制御弁64とが設けてある。前記開閉弁63と流量制御弁64は制御部5に接続してあり、制御部5からの指令により動作する。
【0029】
制御部5は、こんろ点火・消火操作部又はグリル点火・消火操作部から点火指令が送られると、開閉弁63を開くと共に点火プラグ23を作動させ、熱電対によって燃焼状態が検出されると、点火プラグ23の作動を停止して、点火処理を終了する。そして、こんろ加熱量調節操作部から送られる燃焼量指令に基づいて加熱量を調節する。また、消火指令が送られると、開閉弁63を閉じてガスバーナ2の消火を行う。
【0030】
また、天板11には天板温度検知手段が設けてある。天板温度検知手段は、熱電対やサーミスタ等の温度センサー3からなるもので、天板11に装着して天板11の温度を計測することができる。なお、天板温度検知手段として、ガスこんろ12に設けた調理容器の温度を計測する温度センサー3やガスバーナ2の温度検知手段にて計測された温度を基に推測して天板11の温度を算出するものであってもよい。
【0031】
そして、本発明の加熱調理機器は、前記天板温度検知手段にて検知された天板11の温度を取得して、天板11の温度が所定温度以上であるか否かを判定する判定部を備え、判定部にて天板11の温度が所定温度以上と判定された場合に高温の旨を報知する報知手段4を備えている。報知手段4は、光の照射により天板11の温度が高温である旨を報知する点灯表示部41を備えており、これに加えて音声により天板11の温度が高温である旨を報知する音声報知部を備えているか、あるいは、点灯表示部41が高温である旨を点滅表示可能な点滅機能を備えた点滅表示部となっているか、あるいは、点灯表示部41が高温の旨を点灯照度を変化させる機能を備えた照度可変点灯表示部41となっているか、あるいは、音声報知部および点滅表示部、音声報知部および照度可変点灯表示部41、点滅表示部および照度可変点灯表示部41、音声報知部と点滅表示部と光量可変点灯表示部41の全てを備えている。
【0032】
点灯表示部41は、天板11等に天板11の温度が高温である(所定温度以上である)旨を表示するLED等の発光部を備え、判定部にて天板11の温度が所定温度以上と判定された場合に発光部で発光を行って報知する。発光部での発光は一定の照度での点灯表示を行うもので、これを「通常表示」というものとする。音声報知部はスピーカ部を備え、判定部にて天板11の温度が所定温度以上と判定された場合にスピーカ部から高温の旨を報知する音声(言葉や警報音)を発する「注意喚起」を行うことが可能である。
【0033】
点滅表示部は、点灯表示部41と同様に天板11等に天板11の温度が(所定温度以上となって)熱い旨を表示するLED等の発光部を備え、判定部にて天板11の温度が所定温度以上と判定された場合に、通常表示ができるだけでなく、発光部で発光・停止を繰り返す点滅表示を行って報知する「注意喚起」を行うことも可能である。
【0034】
照度可変点灯表示部41は、点灯表示部41と同様に天板11等に天板11の温度が(所定温度以上となって)熱い旨を表示するLED等の発光部を備え、判定部にて天板11の温度が所定温度以上と判定された場合に、通常表示ができるだけでなく、発光部で連続的または段階的に照度を変えて点灯表示を行って報知する「注意喚起」を行うことも可能である。
【0035】
これらの注意喚起は、上述したように単独で行うかまたは複数組み合わせて行うことができる。
【0036】
従来のように天板11の温度が高い場合に通常表示で報知を行う場合、例えば視力が弱いといった身体的特徴を持っている使用者は報知に気付かずに天板11や五徳や加熱部付近に触れて火傷してしまう可能性が高かったが、上記本発明のような構成とすることで、音声や、点滅や、点灯の照度が変わることで報知に注意喚起を行うことができて、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまうのを防止(抑制)することが可能となる。
【0037】
次に、他の実施形態について説明する。この実施形態では、上実施形態に加えて、天板11に使用者の身体9が近づいたことを検知する近接検知手段7を設けたものである。近接検知手段7は、図3(a)に示すように、天板11に赤外線の送信部71aおよび受信部71bを備え、使用者の身体9により送信部71aから送信された赤外線が反射して受信部71bに受信された際に、使用者の身体9が天板11の近傍に存在することを検知するものである。あるいは、図3(b)に示すように、天板11の前端部に静電容量式センサー72を備え、天板11の前端部に使用者の手指等が触れた場合に、天板11の加熱部の近傍に使用者の身体9が存在することを検知するものであってもよい。
【0038】
本実施形態では、天板温度検知手段にて検知された天板11の温度が所定温度以上である場合でも、近接検知手段7にて使用者の身体9の近接が検知されていない状態では、報知部は点灯表示部41または点滅表示部または照度可変点灯表示部41にて高温の旨の通常表示を行い、天板温度検知手段にて検知された天板11の温度が所定温度以上であり且つ近接検知手段7にて使用者の身体9の近接が検知された状態で、上述した注意喚起を行うものである。
【0039】
天板11の温度が所定温度以上となっていても、近接検知手段7にて使用者の身体9の近接が検知されていない状態では、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に誤って触れて火傷してしまう惧れはないため、音声や点滅や点灯の照度を変えて使用者に注意喚起するような報知は無駄でありむしろ煩わしい。そこで本実施形態のような構成とすることで、天板温度検知手段にて検知された天板11の温度が所定温度以上となっていても、近接検知手段7にて使用者の身体9の近接が検知されていない状態では上述した注意喚起する報知を行わないようにして、無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0040】
次に、更に他の実施形態について説明する。この実施形態では、上述したいずれかの形態に加えて、調理容器検知手段8を設けたものである。調理容器検知手段8は、加熱部における調理容器の有無を検知するもので、赤外線の送信部71aおよび受信部71bを備え、送信部71aから送信された赤外線が調理容器に反射して受信部71bに受信されて調理容器が有ることを検知するものや、調理容器の底部の温度を計測する上述した温度計測手段としての温度センサー3を代用したものであってもよい。この場合、温度センサー3が調理容器に接触する際のプローブの没入や押圧等を検知したりすることで調理容器の有無を検知する。
【0041】
調理容器が加熱部に有る場合、使用者は加熱部に調理容器が有るのを見て、調理容器および加熱部や天板11が高温になっているかもしれないと思って用心するため、高温となった天板11や五徳や加熱部付近に触れて火傷してしまう可能性は低く、高温の旨を報知する必要性もあまりなく、音声や点滅や点灯の照度を変えて使用者に注意喚起するような報知は無駄でありむしろ煩わしい。そこで本実施形態のような構成とすることで、天板温度検知手段にて検知された天板11の温度が所定温度以上となっていて、なお且つ調理容器検知手段8にて調理容器が有りと判断された場合には上述した注意喚起する報知を行わないようにして、無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0042】
次に、更に他の実施形態について説明する。この実施形態では、上述した調理容器検知手段8を設けた実施形態において、調理容器検知手段8にて調理容器が有ると検知されている状態から無しと検知された時点より一定時間は、報知手段4による報知を行わないようにしたものである。
【0043】
この間は、調理容器を加熱部から移動させた後で、使用者の手等の身体9が天板11の近傍等にあっても天板11等が高温であることを自分で認識して、既に用心しているため、高温の旨を報知する必要性もあまりなく、音声や点滅や点灯の照度を変えて使用者に注意喚起するような報知は無駄でありむしろ煩わしい。そこで本実施形態のような構成とすることで、この間は上述した注意喚起するような報知を行わないようにして、無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0044】
次に、更に他の実施形態について説明する。この実施形態では、上述した調理容器検知手段8を設けた実施形態において、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された場合に加熱部の加熱を停止又は出力を弱くさせる空焚防止手段を備えると共に、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された場合でも空焚防止手段による加熱部の加熱の停止又は出力の低下を解除して加熱を行える空焚防止解除手段を備え、調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された状態で空焚防止解除手段により加熱部の加熱の停止又は出力の低下が解除されて加熱が行われている場合には、報知手段4による報知を行わないようにするものである。
【0045】
この場合は、調理容器を用いない加熱調理、例えば、こんろのガスバーナ2の炎であぶりものをするような使用状態であることがほとんどで、特に報知を行う必要がなく、報知を行うとむしろ煩わしいものである。このため、本実施形態のような構成とすることで、無駄な報知をなくして報知の効率を上げることができる。
【0046】
図4に、動作の一例のフローチャートを示す。(1)まず、天板温度検知手段にて天板11の温度が高温であるか否かを判定する。高温である場合、(2)近接検知手段7にて天板11に使用者の身体9が近接しているか否かを判定する。近接検知をしていなければ、通常表示を行い、近接検知している場合には、(3)調理容器検知手段8にて調理容器の有無が検知される。そして、調理容器が検知されている場合、(4)近接検知手段7による天板11の近接検知レベル(使用者の身体9までの距離)を1秒前と比較して近接検知レベルが大きくなっている(近接している)か否かを判定し、近接検知レベルが大きくなっていなければ、通常表示を行い、近接検知レベルが大きくなっていれば、注意喚起する報知を行う。また、(3)調理容器検知手段8にて調理容器が無しと判定された場合、(5)空焚防止解除手段により調理容器が無しの場合でも空焚防止手段による加熱部の加熱の停止又は出力の低下を解除して加熱を行っている状態か否かを判定し、前記状態である場合には通常表示を行い、前記状態でない場合には、(6)調理容器検知手段8にて調理容器が無しと検知された時点より一定時間(10秒間)以上経過しているか否かを判定し、経過している場合には注意喚起する報知を行い、経過していない場合には通常表示を行う。
【0047】
なお、加熱調理機器として電磁調理器を用いるものであってもよい。電磁調理器の場合、本体ケーシングの天板の下側に加熱用コイルが配設してあり、加熱用コイルの上方の天板上面が調理容器が載置されて加熱される加熱部となる。調理容器の底部は金属で形成されるか又は金属を備えており、加熱用コイルに交流電流を通電して調理容器の底部の金属内に電磁誘導による渦電流を発生させ、そのジュール熱により調理容器の加熱を行う。また、天板の下面に温度計測手段としての温度センサーを設けてあり、容器の温度を天板を介して間接的に計測している。また、本体ケーシングの前面には操作部を備えており、加熱開始・停止の操作や、加熱量調節の操作が可能となっている。
【0048】
電磁調理器の場合でも、上述したガス調理器と同様の報知手段、近接検知手段、調理容器検知手段、空焚防止手段および空焚防止解除手段を備え、上述したガス調理器と同様に天板が高温の旨を通常表示による報知や注意喚起して報知するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態のガス調理器の斜視図である。
【図2】同上のガス調理器のガスの流れ及び燃焼の制御系統の概略構成図である。
【図3】(a)(b)は他の実施形態の概略断面図である。
【図4】動作の一例のフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
10 本体ケーシング
11 天板
4 報知手段
41 点灯表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケーシングの天板に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板の温度を検知する天板温度検知手段と、天板温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段は、高温の旨を点灯表示する点灯表示部と高温の旨を音声により報知する音声報知部とを備えて成ることを特徴とする加熱調理機器。
【請求項2】
本体ケーシングの天板に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板の温度を検知する天板温度検知手段と、天板温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段は、高温の旨を点灯表示および点滅表示する点滅表示部を備えて成ることを特徴とする加熱調理機器。
【請求項3】
本体ケーシングの天板に設けられて調理容器を加熱する加熱部と、天板の温度を検知する天板温度検知手段と、天板温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上である場合に高温の旨を報知する報知手段とを備えた加熱調理機器であって、前記報知手段は、高温の旨を点灯照度を変化させて点灯表示する照度可変点灯表示部を備えて成ることを特徴とする加熱調理機器。
【請求項4】
天板の加熱部に使用者の身体が近づいたことを検知する近接検知手段を設け、天板温度検知手段にて検知した温度が所定温度以上で且つ近接検知手段により身体の近接が検知された場合に報知手段による報知を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理機器。
【請求項5】
加熱部における調理容器の有無を検知する調理容器検知手段を備え、調理容器検知手段にて調理容器が無しと検知された場合に報知手段による報知を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の加熱調理機器。
【請求項6】
調理容器検知手段にて調理容器が無しと検知された後一定時間は報知手段による報知を行わないことを特徴とする請求項5記載の加熱調理機器。
【請求項7】
調理容器検知手段にて調理容器が無しと検知された場合に加熱部の加熱を停止又は出力を弱くさせる空焚防止手段を備えると共に、調理容器検知手段にて調理容器が無しと検知された場合でも空焚防止手段による加熱部の加熱の停止又は出力の低下を解除して加熱を行える空焚防止解除手段を備えた加熱調理機器において、調理容器検知手段にて調理容器が無しと検知された状態で空焚防止解除手段により加熱部の加熱の停止又は出力の低下が解除されて加熱が行われている場合、報知手段による報知を行わないことを特徴とする請求項5記載の加熱調理機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−224162(P2008−224162A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65541(P2007−65541)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】