動物による餌の摂取をモニタするための装置とシステム
餌の断片を収容するホッパーを備える動物給餌装置が提供される。ホッパーは、開口部を備えるとともに、このホッパーに対して移動可能であって動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動できるゲートを備えている。ゲートが動くと作動するスイッチが接続されている。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
実験動物で測定したたいていの生物学的な値は、餌摂取が定性的、定量的に変動するのに応じて変化する。したがって餌の品質と量を評価して変化させる方法が、あらゆる生物学研究者、その中でも特に栄養生物学者にとって重要である。例えば実験動物の摂食行動を測定して評価することが、動物の行動や代謝の研究と、病気や治療的介入に起因する行動や代謝の乱れの研究には重要である。
【0002】
しかし行動を評価しているときに人間が存在していると、動物の自然な行動を乱すことによって評価に誤りが入り込む可能性がある。したがって実験動物の自然な行動をより乱さないように動物に餌を与えてモニタするためのいろいろなシステムが提案されてきた。
【0003】
例えばUlmanらに付与されたアメリカ合衆国特許第6,748,898号(その開示内容は、参考としてその全体がこの明細書に組み込まれているものとする)には、動物給餌装置と、給餌装置のマウントと、給餌装置のモニタと、給餌装置のモニタ・ネットワークが開示されている。アメリカ合衆国特許第6,748,898号に開示されているシステムは、特に、(1)餌を自由に摂取できる状態にされた動物の自然な餌摂取を制限したり妨げたりしないこぼれ防止餌ホッパーと;(2)このホッパーの重量を連続的にモニタし、各食事の時刻、所要時間、量を検出して記録するハードウエアおよびソフトウエア・システムと;(3)時刻と量の一方または両方によって餌の摂取を制限するゲート・システムと;(4)1匹、数十匹、数百匹の動物に対して同時にそうするための手段とを備えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アメリカ合衆国特許第6,748,898号に開示されているシステムは従来のシステムよりも顕著に改善されているが、動物による餌の摂取をモニタするための改良されたシステムが相変わらず必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴によれば、餌の断片を収容するホッパーを備える動物給餌装置が提供される。ホッパーは、開口部と、このホッパーに対して移動可能であって、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動できるゲートとを備えている。例えばゲートが動くと作動するスイッチが接続されている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:動物によるスイッチの作動が、その動物がホッパーに収容されている餌を食べたいという欲求を示す;スイッチが、動物がゲートを押すか引くかすると作動する;給餌装置は、動物がゲートに接触してスイッチを作動させた後にそのゲートが開く構成にされている;給餌装置は、動物がゲートにあらかじめ決めた回数接触した後にそのゲートが開く構成である;カムがゲートに接続され、アームがスイッチに接続され、そのカムがそのアームに対して移動する;スイッチが、振動センサー、加速度計、変位スイッチ、光ビーム・スイッチ、他の検出器のいずれかである。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、動物給餌装置は、ホッパーに接続されていてその内部に餌を保持させ、動物がその餌にアクセスできるようにするスクリーンを備えている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:スクリーンの少なくとも一部がホッパーの中にあり、そのホッパーの中に餌が収容されていて、動物がその餌にアクセスできるようにされている;メッシュがスクリーンの表面によって支持されている;メッシュはスクリーンに取外し可能に取り付けられているため、取り外したり交換したりできる;メッシュは少なくとも1本のワイヤで形成されている;ワイヤの細長い部分が実質的に水平な方向に延びている;ワイヤの細長い部分が実質的に鉛直な方向に延びている;ワイヤは丸くされているか、円形断面を有する;スクリーンは金属製である;スクリーンは単一の部材である;スクリーンは、このスクリーンとホッパーの表面の相互接続を容易にするための少なくとも1つのフランジを備える;スクリーンは、互いに向かい合ったヘッダに接続された複数の成形ワイヤを備える;互いに向かい合ったヘッダが、上記ホッパーに留められるか引っ掛かる構成である;スクリーンは、収容されている餌に動物がホッパーの上部、側部、底部のうちの少なくとも1つからアクセスできる形状である;スクリーンは、動物の鼻口部よりも大きいが餌のペレットよりも小さい開口部を有する。
【0007】
本発明のさらに別の特徴によれば、動物給餌装置は、液体を収容するためホッパーによって規定されているリザーバを備えている。バルブが、リザーバから液体を選択的に流すことのできる構成にされている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:ホッパーに収容されている液体の重量を伝える手段を備える;リザーバの上端が大気に向かって開放されている;リザーバは、ホッパーの本体部によって規定されている;バルブがホッパーの本体部に接続されている;バルブは、バルブ・ハウジングと、このバルブ・ハウジングに対して移動可能に取り付けられていてリザーバから液体を選択的に流すことのできる乳首状部材とを備えている;乳首状部材にバネが取り付けられている;シールが、乳首状部材とバルブ・ハウジングの間を選択的に封止する位置にある;シールは乳首状部材とバルブ・ハウジングの界面を閉じてバルブを閉鎖状態にする;実験動物の頭部の少なくとも一部が通り抜けられるよう、ホッパーの本体部に凹部が設けられている;凹部は、リザーバからの消費されない液体を捕獲する傾斜壁を備えている。
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、動物給餌装置は、ホッパーに対して移動可能であって、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動でき、その開放位置と閉鎖位置の間を枢軸回転できるゲートを備えている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:カムがゲートに接続されている;アームがサーボに接続されていて、そのアームに対してカムが移動する;カムは、ゲートの閉鎖位置において機械仕掛けでアームに接している;サーボは、ゲートの1つ以上の位置において作動を停止する構成である;サーボが作動していないときにゲートとサーボが1つ以上の位置を維持する構成である;ゲートは、あらかじめ選択した位置に捕らえられる構成である;カムまたはゲートに表面が付随していてそのゲートをあらかじめ選択した位置に捕らえる;ゲートは、重力を受けて望む位置に向かう;ゲートがシャフトのまわりを枢軸回転することができ、開放位置と閉鎖位置の間で回転する。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、動物の摂食活動を通知する方法が提供される。この方法は、個別の摂食量に対応するデータを記憶するステップと、その個別の摂食量を表示するステップを含んでいる。この方法は、場合によっては、以下の1つ以上のステップを含んでいる:グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)で個別の摂食量を表示する操作を含む表示ステップ;累積摂食量に対応するデータを記憶するステップ;少なくとも1つのグループの動物に関して累積摂食量のデータを記憶するステップ(ただし少なくとも1匹の動物が、1つのグループの動物のメンバーである);1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を計算するステップ;1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を表示するステップ;環境条件が変化したときに累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップ;あらかじめ決めた期間が経過した後に累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップ;累積摂食量を表示するステップ;1回ごとの摂食量と、環境条件の時間変化を表示するステップ;個別の摂食量のデータにフィルタをかけて所定のデータ範囲にするステップ;所定のデータ範囲にある個別の摂食量を表示するステップ;所定のデータ範囲から外れた個別の摂食量を表示するステップ。
【0010】
本発明のさらに別の特徴によれば、動物の摂食活動をモニタする方法が提供される。この方法は、個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップと、その遠隔位置でその個別の摂食量を表示するステップを含んでいる。この方法は、場合によっては、以下の1つ以上のステップを含んでいる:複数の動物の個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップ;ネットワークを通じてデータを通信するステップ。
【0011】
本発明の別の特徴によれば、モニタ方法は、データを収集し、そのデータを離れた場所で受信する操作を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読んだときに最もよく理解される。一般的な慣習に従い、図面のさまざまな要素は実際のスケール通りではないことを強調しておく。逆に、さまざまな要素のサイズは、図面を見やすくするため、自由に拡大したり縮小したりしてある。図面には、この明細書の末尾に示した図が含まれる。
【0013】
本発明は、説明を目的として選択した本発明の実施態様を示す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読んだときに最もよく理解される。これから本発明を図面を参照して説明する。その図面は、本発明を制限するのではなく説明を目的としており、本発明の説明を容易にするために含まれている。
【0014】
一般に、本発明の特徴による摂食行動モニタは集積化された一連の機械的要素と電気的要素からなり、これらの要素によってヒトとの相互作用が実質的にない状態で摂食行動が定量的に記録される。このシステムは、自分の住処となるケージにいる動物に提示される餌供給源の重量をモニタする。このシステムは、重量測定値の安定性を測定することによって動物と餌の相互作用を検出する。動物が餌を得るために装置と相互作用すると、摂食行動が検出される。
【0015】
正確なひずみゲージが餌装置との間の機械的な連続的インターフェイスになる。重量の履歴を得るため重量が定期的に(ほぼ1秒間に1回)サンプリングされる。モニタは、この履歴を数学的に評価することにより、動物の摂食行動を日付/時刻/重量/継続時間のデータ流として例えば1秒の分解能で全期間を通じて記録することができる。モニタは、急性病または慢性病を研究するための研究動物の収容に用いる認可された動物の部屋または実験室の中に設置することができる。モニタは、設備環境全体にあまり影響を与えないように設計される。モニタは、一般に部屋の中に収容した集団を毎日維持するのに用いる通常の方法に耐えることができる。餌摂取モニタ装置の多くの要素はステンレス鋼とポリカーボネートで構成されており、他の材料も考えられるが、典型的な動物管理装置の洗浄に用いるのと同じ方法で清掃することができる。
【0016】
この明細書では、“餌摂取期間”という用語は、動物が実際に餌をホッパーから取り出している期間を意味し;“餌摂取イベントまたは食事”という用語は、動物が能動的に食べている期間を意味し、一般に、短い休止期間、噛んでいる期間などを挟んだ1つ以上の餌摂取期間で構成され;“餌摂取休止期間”(IBI)という用語は、1つの餌摂取イベントが終わるまでの時間を意味し;“トリップ”という用語は、動物が餌を食べているという活動レベルを意味し;“ノイズ”という用語は、ホッパーの重量測定値が不安定であるという活動レベルを意味し、食事の開始時または終了時の重量測定値を決めるのに用いられる。
【0017】
図面全体を参照すると、本発明の1つの特徴により、動物による餌の摂取をモニタするシステムが提供される。図1Aは、本発明の1つの特徴による動物用ケージの一実施態様の部分端面図であり、図1Bは、図1Aに示した動物用ケージの一部を断面図にした側面図である。
【0018】
一実施態様によれば、モールディング(例えばステンレス鋼チャネル)がケージの開口部のまわりを覆って動物がケージの材料(場合によってはプラスチック)を噛めないようにされていて、アダプタ組立体のための取付面として機能する。モールディングは、ケージのサイズと元の状態を顕著には変えず、動物が外をはっきりと見ることも妨げない。したがってモールディングは、接続機構のための安全な取付面を提供するとともに、ケージの縁部を覆って噛みつけないようにされている。また、モールディングを用いて多数の機構(例えば餌のモニタ機構、穴明け、手動記録機構、他の機構)が容易に交換される。また、モールディングによっていろいろな機構を素早く交換することが容易になる。
【0019】
特に図1Aと図1Bに示した実施態様を参照すると、本発明の1つの特徴による動物用ケージ組立体は、全体を参照番号10で表わしてある。動物用ケージ組立体10は、動物用ケージ12とモールディング14を備えている。一般に、動物用ケージ12は、動物(例えば実験マウスまたは実験ラット)のための囲いを提供する。動物用ケージ12は、場合によってはプラスチック材料(透明または半透明であることが好ましい)で形成されるが、いろいろなプラスチック材料および非プラスチック材料のうちの任意のもので形成することもできる。動物用ケージの例は、現在、アレンタウン・ケージング・イクイップメント社(ルート526、P.O.ボックス698、アレンタウン、ニュージャージー州08501-0698)から入手でき、このようなケージは、Coiroらに付与されたアメリカ合衆国特許第5,894,816号に開示されている(その開示内容は、参考としてその全体がこの明細書に組み込まれているものとする)。
【0020】
動物用ケージ12には側壁16と底部18があり、それらが合わさって内部20を規定している。動物用ケージ12の少なくとも1つの側壁16に開口部22が設けられている。開口部22の目的については、あとでより詳細に説明する。
【0021】
すでに述べたように、動物用ケージ12の側壁16に開口部22によって規定される縁部の表面を保護するためモールディング14が設けられている。モールディング14は、開口部22の領域において動物用ケージ12の側壁16を支持する機能も有する。あとでより詳しく説明するが、モールディング14は取付面を提供し、この取付面によって動物用ケージ組立体10にさまざまな要素、組立体、機構を取り付けることができる。
【0022】
モールディング14は、複数のフランジ24A、24B、24C、24Dを有する。また、モールディング14は、周縁部26も有する。図1Bから最もよくわかるように、モールディング14の周縁部26は、開口部22の領域に位置して動物用ケージ12の側壁16の内面に接しており、フランジ24Aないし24Dが側壁16の内面から開口部22を通過して外側に向かって側壁16の外面を超えて延びている。フランジ24Aないし24Dは、その後、開口部22の中心から離れる方向に曲げられるか変形され、動物用ケージ12の側壁16の外面に接した状態になる。開口部22に対してこのような位置にあるモールディング14は、そうなっていることによってフレーム・モールディングまたは縁部モールディングを形成し、フランジ24Aないし24Dの露出している面は露出したままで、動物用ケージ12の側壁16に開口部22によって規定される縁部を保護している。言い換えるならば、モールディング14のフランジ24Aないし24Dと周縁部26は、側壁16に開口部22によって規定される縁部の表面を実質的に覆っている。
【0023】
モールディング14は、動物用ケージ12と組み合わされて動物用ケージ組立体10を形成すると、少なくとも3つの機能を有する。第1に、モールディング14は、(周縁部26とフランジ24Aないし24Dによって)動物用ケージ組立体10の中にいる動物が、動物用ケージ12の開口部22の領域に噛みついたり、その領域を噛み切ったり、その領域を引っ掻いたり、その領域にそれ以外の損傷を与えたりするのを防止する。第2に、モールディング14は、開口部22の領域における動物用ケージ12の側壁16の構造的支持体または補強部を提供する。第3に、モールディング14は、(やはり周縁部26とフランジ24Aないし24Dによって)1つ以上の取付面を提供し、この取付面によって動物用ケージ12の開口部22の領域に要素、組立体、機構を取り付けることができる。モールディング14の他の機能は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0024】
図2A、図2B、図2Cは、本発明の1つの特徴による動物用ケージで使用するフレーム要素の一実施態様のそれぞれ正面図、側面図、上面図である。このフレーム要素またはモールディング要素は、ケージの開口部の周囲に取り付けられるグロメットとして機能する。このモールディング要素は、すでに述べた機能(例えば、ケージに取り付けるさまざまな部材を受け入れる固定取付面を提供したり、プラスチックは動物が噛み切ることができないため、プラスチックで縁部を覆ったりすること)を持つことに加え、保管と清掃のためにケージを通常通り積み重ねることができるよう、ケージに対して実質的に平坦にされている。また、2つ以上のモールディング要素をケージに取り付けることができる。
【0025】
図2A、図2B、図2Cに示した実施態様を参照すると、モールディング14は、動物用ケージ12と組み合わされて動物用ケージ組立体10を形成する前の状態が示してある。図2Aないし図2Cに示したモールディング14は図1Aと図1Bに示したものと異なっているが、図1A、図1B、図2A、図2B、図2Cでは同じ参照番号を用いてモールディング14の特徴を示してある。
【0026】
図2Aに示してあるように、モールディング14の周縁部26は、フランジ24Aないし24Dによって補強された内部開口部28を規定している。図2Bと図2Cからわかるように、フランジ24Aないし4Dは、モールディング14の周縁部26が存在する平面に対して実質的に垂直な方向に延びている。フランジ24Aないし24Dの方向は、最初に取り付けられた方向である(すなわち、モールディング14を動物用ケージ12に取り付けて動物用ケージ組立体10を形成するためにフランジ24Aないし24Dを径方向外側に向かって曲げたり折ったりする前の方向)。
【0027】
図1Aと図1Bを図2Aないし図2Cと比較するとわかるように、(周縁部26とフランジ24Aないし24Dによって規定される)モールディング14の形状は、動物用ケージの側壁(または他の任意の壁部)に形成された開口部の実質的にあらゆる形状に合うように選択できる。言い換えるならば、モールディングは、任意の形状の開口部に合わせることができる。4辺あるモールディング14を図1Aないし図2Cに示してあるが、モールディング14の辺をより少数またはより多数にすること、モールディング14により少数またはより多数のフランジを設けることができる。さらに、モールディングの形状は、アーチ状の幾何学的形状(例えば縁、楕円、長円、または他の任意の構成)にすることができる。
【0028】
モールディング14の周縁部26の形状をどう選択するにせよ、開口部22の位置で動物用ケージ12にモールディングを取り付けるため、1つ以上のフランジを周縁部に沿ったさまざまな位置に配置することができる。また、モールディングの周縁部は、開口部28のように囲まれた開口部を規定している必要はなく、モールディングの予定する用途と動物用ケージ12における開口部(例えば開口部22)の位置に応じ、一端またはそれ以外の部分が開いていてもよい。
【0029】
多彩な材料をモールディング14のために選択できるが、可鍛性のある金属材料が好ましい。一実施態様によれば、モールディング14はステンレス鋼材料(例えば304ステンレス鋼)で形成することができる。あるいはモールディングの用途と他の基準に応じ、他の金属材料または非金属材料をモールディング14のために選択できる。また、モールディング14を形成する材料の厚さは、場合によっては約0.28インチである。しかしモールディングを形成するために選択した材料と他の基準に基づいてさまざまなサイズを選択することができる。別の一実施態様では、モールディング14のフランジは、開口部22の領域で側壁にスナップまたはクリップで取り付ける構成にされている。モールディングを単一の部材で形成して所定の位置に配置するのではなく、いくつかの部材(例えば周縁部部材と、その周縁部部材またはケージを挟み込む1つ以上のフランジ)で構成し、それを組み立てて所定の位置に配置することも考えられる。
【0030】
図3Aないし図3Kは、本発明の1つの特徴によるアダプタ組立体の一実施態様を示している。このアダプタ組立体は、動物用ケージ組立体に取外し可能に組み合わせることができる。一般に、アダプタ組立体は、ケージと接続したりケージから外したりできる機構の一例である。好ましいことにアダプタ組立体は、ケージを傾けたり持ち上げたりすることなく平坦な表面に載せた状態でケージと接続できる。ユーザーが望む場合には、1つ以上のアダプタ組立体を単一の動物用ケージと取外し可能に取り付けることができる。今後、アダプタ組立体を周辺制御ユニット(PSC)とも呼ぶ。
【0031】
これから特に図3Aないし図3Kを参照してより詳しく説明するように、アダプタ組立体は、ケージに取り付けられて餌ホッパーを保持する金属箱の形態にできるロード・セルの囲いを備えている。この囲いは、内部にロード・セルと、サーボと、他の装置を収容していて、例えばラットとマウス両方のホッパーのためのアダプタ組立体のL-ブラケット要素に取り付けられる。ロード・セルの囲いには、ひずみゲージとコンセント(例えばセンサー・ケーブル用コンセント)が収容されている。この囲いは、柱を餌ホッパーに接続できる穴を中心部に備えている。囲いの表面に位置する留め具を用いて装置を給餌装置に固定する。
【0032】
アダプタ組立体(または取り付ける他の部分)は、いくつかの部分(例えば上部のクリップと底部近くのフック)に取り付けられる。アダプタ組立体は、まず最初にフックによって取り付けられ、次いでクリップによって所定の位置に来る。フックは、さまざまな製造者から提供される可能性のあるさまざまなケージで見られる可能性のある傾斜角度に合わせるため前後に調節することができる。図示していないが、別の実施態様により、フックの代わりにクリップを前後に調節していろいろな傾斜角度に合わせること、またはクリップとフックを開口部の中心から鉛直にではなく水平に移動させること、または上部にフックを、底部にクリップを備えることができる。さらに、図示した実施態様には単一のフックとクリップが示してあるが、同様に配置した複数のフックまたはクリップを用いるいくつかの実施態様が考えられる。この取付機構を利用し、餌供給装置、水供給装置、運動装置や、実験動物が利用する可能性のある他のあらゆる装置を取り付けることができる。
【0033】
連結装置により、ホッパーをロード・セルに素早く取り付けることができる。連結装置は、場合によっては、ホッパーの回転またはトルクに実質的に抵抗する“拍車”または他の要素を備えている。アダプタ組立体のケージ取付モジュールは、場合によっては、一体化したケージ取付クリップおよび手動式ゲートと、支持体(例えばポリカーボネート製ブロック)に取り付けられたステンレス鋼製L-ブラケットを備えている。
【0034】
このシステムによって自動制御できるゲートには、餌が収容されたホッパーの開口部から動物を遠ざける枢軸機構が設けられていることが好ましい。ゲートが開いている(例えば下がっている)と、ゲートはホッパーを所定の位置にロックする位置にあり、そのことによってホッパーをボルト止めすることなく保持している。アダプタ組立体のゲートは、サーボに接続されたカムとアームによって制御される。ゲートは、自然落下して開く構成にされている。ゲートは、場合によっては所定の位置にロックされるため、望むのであればゲートが開放または閉鎖されたときにサーボをオフにすることができる。
【0035】
ホッパーには、場合によってはさまざまなメッシュが取り付けられる。例えばワイヤをベースにした複数の部分を製造し、摂食の“容易さ”を大きく、または小さくすることができる。したがって給餌の容易さは、動物の食欲と、摂食が容易か困難かに合わせて調節することができる。摂食が容易か困難かは、メッシュの開口部のサイズに対する餌のサイズと、メッシュの方向に依存する。同じホッパーに交換可能なメッシュを取り付けることができる。場合によってはワイヤの形態を利用することで、動物にとって“よりやさしく”なるようにする。
【0036】
したがってアダプタ組立体は、場合によっては以下の1つ以上の特徴を有する。すなわち、a)ゲートが重力によって開く;b)ゲートをアクチュエータ機構とは独立に閉じてロックできる(例えば手動オーバーライド);c)動物の体重によってゲートが開くが、動物の体重によってゲートが閉まることはない;d)ゲートが閉まると動物が安全に遠ざけられるため、怪我をする確率が小さくなる(例えばギロチンされない);e)受動的ロック(例えばゲートを下げることによってホッパーが取り除かれる);f)ゲートの軸が動物のつかまる場所になる;g)ゲート/玄関が小さすぎるため、動物はその上で寝たり休んだりできない;h)アダプタ要素を半透明な材料で形成できるため、そのことによって環境への影響が最小になるとともに、観察が可能になる;i)連結装置により、ホッパーの回転が阻止されるか、そのような回転が制限される;j)取付機構は、マウスとラット(と、他の実験動物)にとって共通である;k)手作業での研究または順化のためにダミー機構(例えばひずみゲージなしの機構)を使用できる;l)アダプタ組立体は、場合によっては交換可能なホッパー面を有する;m)ゲートが閉じているときに場合によってはゲート位置がロックされるため、ゲートがいずれかの位置に留まっている間はサーボ・モータをオフにできる;n)スイッチを用いて動物の食欲を評価できる;o)信号手段(例えば視覚刺激または聴覚刺激)を利用して動物の訓練を容易にする;p)信号手段(例えば視覚刺激または聴覚刺激)を利用して人に知らせる;r)人が信号をシステムに送るのに使用できるスイッチ機構;s)特定の動物またはホッパー(埋め込まれたRFIDタグ)だけを同定する機構。
【0037】
特に図3Aないし図3Kを参照すると、本発明の1つの特徴と本発明の一実施態様によるアダプタ組立体が、全体として参照番号30で示してある。一般に、アダプタ組立体30は、このアダプタ組立体30を動物用ケージ組立体(例えば図1Aと図1Bに示した動物用ケージ組立体10)に取り付けるための取付組立体32と、ひずみゲージ(あとで説明する)を収容する底部組立体34と、動物用ケージ組立体10の中に収容された動物に与える餌(図示せず)を収容するホッパー組立体36を備えている。アダプタ組立体30は特に餌を収容する構成にされていて、実験動物への給餌を容易にするとともに制御しているが、動物用ケージ組立体10には別のさまざまな組立体を取り付けることができる。
【0038】
アダプタ組立体30は、特に、サーボ(図3Aには図示せず)に接続されたアーム38を備えている。このアーム38は、シャフト42を回転させるカム40と接触した状態で移動できる位置にある。これについてはあとでより詳しく説明する。シャフト42が回転すると、ゲート(図3Aには図示せず)が、動物用ケージ組立体10の中にいる動物がホッパー組立体36の中にある餌にアクセスできる開放位置と、そのようなアクセスを妨げる閉鎖位置の間で枢軸運動をする。
【0039】
動物は、ゲートが閉鎖位置のときにはゲートを開けられない。閉鎖位置では、カム40は、機械仕掛けでアーム38に接しているため、動物がゲートを回転させて開放位置にすることが阻止される。この構成では、サーボ・モータの状態に関係なくアーム38とカム40の相対位置によってゲートの運動が阻止されるため、サーボ・モータをオフにできる。
【0040】
図3Bを参照すると、アダプタ組立体30の取付組立体32は複数の構造体を備えており、それらの構造体によってアダプタ組立体30を取外し可能に動物用ケージ組立体10に接続することができる。より詳細には、アダプタ組立体30の取付組立体32は、動物用ケージ組立体10のモールディング14に取外し可能に取り付けられているため、アダプタ組立体30は、動物用ケージ組立体10の動物用ケージ12の側壁16に形成された開口部22に対応する位置に取外し可能に取り付けられる。
【0041】
図3Bに示した実施態様では、取付要素は、クリップ44とフック46を備えている。クリップ44は、プレート48と複数の留め具50(1つだけを図示してある)によってアダプタ要素(図10Aないし図10Eを参照してあとで説明する)に取り付けられる。したがってクリップ44の上部は、アダプタ組立体30のアダプタ要素に対して可動である。
【0042】
取付組立体32のフック46は、複数の留め具52(1つだけを図示してある)によってアダプタ要素に取り付けられる。フック46に形成されていて留め具52の右隣に位置するスロットからわかるように、アダプタ要素に対するフック46の位置は調節可能である。フック46の位置がこのように調節可能であること(固定されたクリップ44に対してフック46の横方向の位置を変化させること)で、アダプタ組立体30をさまざまな動物用ケージ組立体に取り付ける際の調節が容易になる。より詳細には、そして図1Bに示してあるように、動物用ケージ12の側壁16は傾斜しているため、側壁16は、動物用ケージ12の底部18に対して垂直ではない平面内に位置する。動物用ケージ12の側壁16の傾斜をさまざまな角度にできることを考慮すると、クリップ44に対してフック46を調節できることで、動物用ケージ12の側壁16の傾斜角に関係なく、アダプタ組立体30を動物用ケージ組立体10に取り付けるのが容易になる。言い換えるならば、動物用ケージ12の側壁16が底部18に対して垂直であろうと、底部18に垂直な平面に対してある角度をなしていようと、アダプタ組立体30を調節して動物用ケージ12に適切に取り付けることができる。
【0043】
アダプタ組立体の取付組立体32は、複数の留め具56(1つだけを図示してある)によってシャフト42に接続されたゲート54も備えている。ゲート54の操作についてはあとで詳しく説明するが、図3Bには、シャフト42がそのシャフトの軸線のまわりを回転するとゲート54が取付組立体32の残りの部分に対して枢軸回転することが示してある。したがってゲート54は、開放位置(図3Bに示してあり、実験動物がホッパーの中にある餌にアクセスできる)から閉鎖位置(図示せず。そのようなアクセスが禁止される)に移動できる。アダプタ組立体30の取付組立体32には、アダプタ要素に形成された開口部に対応する開口部を有する正面プレート58も設けられている。
【0044】
アダプタ組立体30の底部組立体34は、ホッパー組立体36に収容される餌の重量測定に用いるひずみゲージのためのハウジングを備えている。より詳細には、底部組立体34のハウジングは、囲い60と、内部を区画するカバー62を備えている。囲い60はL-ブラケット64に取り付けられていて、アダプタ組立体30の底部組立体34とアダプタ組立体30の取付組立体32を相互に接続している。囲い60の中にはロード・セル66とブラケット68(その詳細に関しては図14Aないし図14Cを参照して説明する)が取り付けられている。先端部が丸いバネ・プランジャ70がブラケット68の内部を延びていて、連結装置(あとで説明する)との間で摩擦による取り外し可能な噛み合わせが実現している。また、一連の留め具(止めネジ72、留め具74、バネ座金76が含まれる)がブラケット68の内部に、またはブラケット68に取り付けられている。
【0045】
アダプタ組立体30のホッパー組立体36と底部組立体34を取り外し可能に接続するのは、2つのダウエル・ピン80を有する連結装置78であり、そのダウエル・ピン80が、連結装置78がホッパー組立体36と底部組立体34に対して回転するのを阻止している。連結装置78は、ホッパー組立体36を底部組立体34に取外し可能に取り付けていて、ホッパー組立体36に収容されている餌の重量を、底部組立体34の囲い60の内部に取り付けたひずみゲージまたはロード・セル66に伝達する。このようにして、ホッパー組立体36の中にある餌の重量をモニタすることができる。
【0046】
特にアダプタ組立体30のホッパー組立体36を参照すると、ホッパー組立体36は、留め具84によってホッパー86の底面に取り付けられたパックまたは支持体82を備えている。スクリーン(その詳細に関しては図5Aないし図5Dを参照して説明する)がホッパー86の中に取り付けられている。止め部材90がスクリーン88の底部の中に設けられていて、スクリーン88内にメッシュ(あとで説明する)を保持している。このメッシュは、餌をホッパー組立体36の中に保持する一方で、ゲートが開いたときに実験動物が餌にアクセスできるようにする。ホッパー組立体36のさらに詳しいことは、図4Aないし図4Cを参照してあとで説明する。
【0047】
ここで図3Cを参照すると、アダプタ組立体30の底部組立体34は、留め具92によってL-ブラケット64に接続され、留め具94が、カバー62を囲い60に接続している。また、囲い60には、コネクタまたはコンセント96が含まれている。コンセント96にはケーブルを接続し、信号を囲い60の中にあるロード・セル66から受信機に送ることができる。
【0048】
カム40を選択された位置に保持するためバネ・プランジャ91が取付組立体32のカム40に接続されていて、取付組立体32のゲート54をあらかじめ選択した位置に保持している。より詳細には、バネ・プランジャ91によってカム40を選択した位置に保持してゲート54を閉鎖位置に留めておくことで、交換または清掃のためホッパーを取り出したときに動物が逃げ出せないようにされている。バネ・プランジャ91に加え、ネジ、ピン、磁石のいずれか、またはカムを保持できる他の任意の部品または面を用い、カムを選択した位置に保持することができる。さらに、ゲート54が閉鎖位置に留まっていると、サーボ・モータをオフにできる。また、取付組立体32は、カム40が取付組立体32のアダプタに対して回転運動するのを制限する位置にダウエル・ピン93を備えている。
【0049】
図3Dを参照すると、アダプタ(参照番号95で表記)は、留め具97により、L-ブラケット64と正面プレート58の間に保持されている。図3Dには中心開口部99も示されており、この開口部99を通過して連結装置78(図示せず)が延びている。L-ブラケット64において留め具92に隣接する位置に開口部が形成されることで、囲い60へのL-ブラケット64の素早い取り付けと取り外しが容易になっている。特に、留め具92に隣接するスロット付きの開口部によって囲い60をL-ブラケット64から素早く取り外せるため、囲い60の清掃が容易になっている。そのためユーザーは取り扱いに注意を要する囲い60をシステムの他の要素とは独立に清掃できる。
【0050】
ここで図3Eを参照すると、サーボ100が囲い60の中から延びていて、アーム38に運動を伝える。するとアーム38はカム40に運動を伝えてシャフト42を回転させ、最終的にゲート54を枢軸運動させる。図3Eには、クリップ44に対するフック46の方向も示してある。より詳細には、クリップ44は、フック46に対し、アダプタ組立体30の取付組立体32から外に向かってさらに延びている。フック46にはスロットが形成されているため、留め具52を緩め、次いで再び締めることにより、アダプタ95に対してフック46を直線方向に調節できる。
【0051】
図3Fに示した囲い60の拡大図から、ブラケット68およびコネクタ96の構造と方向、ならびに囲い60の中に収容されている他の要素の構造と方向のさらなる詳細が明らかになる。
【0052】
底部組立体34をアダプタ組立体30の残りの部分に取り付けるため、囲い60に接続された留め具92を緩め、センサー・ケーブル用コンセント96がユーザーと向かい合うように囲いを配置する。L-ブラケット64の底部はユーザーに最も近い位置に保持される。次に底部を下げると、留め具92がL-ブラケット64の鍵穴の円形部分を通過する。次にL-ブラケット64を前方に滑らせ、開口部99が囲い60の開口部の中心に位置するとともに、留め具92が鍵穴のスロットの中に来るようにする。留め具92を締めてL-ブラケット64を囲い60に固定する。メンテナンスまたは籠の洗浄のために囲い60を外すには、上記のステップを逆に実施する。連結装置78を最初に外した後、囲い60を外す。
【0053】
ここで図3Gと図3Hを参照すると、ホッパー組立体36のスクリーン要素とホッパー組立体36のホッパー要素の関係が示してある。特に、ホッパー組立体36の中に餌が収容されていて、動物用ケージ(例えば動物用ケージ組立体10)の中にいる動物がその餌にアクセスできるような状態でスクリーン88がホッパー86の中に位置している。また、メッシュ要素102がスクリーン88の表面と止め要素によって保持されている。メッシュ102はしたがってスクリーン88に対して取外し可能に取り付けられているため、必要に応じて取り外したり交換したりできる。また、メッシュ102とスクリーン88は取外し可能に取り付けられているため、餌を与える動物と、動物に与える餌の性質と、他の考慮事項とに基づいて選択できるさまざまな構成のメッシュを利用するのが容易である。メッシュ102のさらに詳しいことは図6を参照して説明し、スクリーン88のさらに詳しいことは図5Aないし図5Dを参照して説明する。メッシュ102をスクリーン88に保持する方法は、特に図5Dを参照して説明する。
【0054】
図3Hを参照すると、メッシュ要素の別の一実施態様(メッシュ106と表記する)が利用されている。メッシュ106は、曲がったワイヤ材料で構成されている点がメッシュ102と似ているが、メッシュ106はワイヤの細長い部分が実質的に水平な方向に延びているのに対してメッシュ102は鉛直方向に延びている点がメッシュ102と異なっている。いずれの実施態様でも、メッシュ102とメッシュ106は取り外し可能な状態でスクリーン88の表面に保持されている。
【0055】
図3Gと図3Hに示してあるように、スクリーン88は、場合によってはホッパー86にスポット溶接される。この溶接により、スクリーン88とホッパー86の間に実質的に永久的または永続的な接続が形成される。スクリーン88とホッパー86の間の接続手段が実質的に永久的であれ、交換可能にするため一時的なものであれ、別の接続手段を考えることができる。
【0056】
図3Iと図3Jは、それぞれ、動物の籠組立体に接続されたアダプタ組立体の一実施態様の端面図と側面図である。アダプタ組立体30と動物用ケージ組立体10の関係を図3Iと図3Jに示してある。図3Iに示してあるように、アダプタ組立体30の境界は、動物用ケージ12の高さと幅を超えて延びていない。したがって動物用ケージ組立体は、隣り合わせになった状態で積み重ねること、または互いに上下に積み重ねること、または水平なテーブルの上に置くことができる。例えばアダプタ組立体30の底部が動物用ケージ12の底部を超えて延びていて、両者が水平なテーブルの上に置かれているのであれば、アダプタ組立体は動物用ケージ12の一辺だけを支持するため、動物はおそらく落ち着かないだろう。
【0057】
図3Jに示してあるように、クリップ44は、動物用ケージ組立体10のモールディング14のフランジ24Aおよび周縁部26に取り付けられる構成にされている。この構成では、フック46のフック部がモールディング14のフランジ24Cと周縁部26に引っ掛かる。クリップ44とフック46がこのように取り付けられていると、アダプタ組立体30は動物用ケージ組立体10に取り外し可能に取り付けられていることになる。フック46をクリップ44に対して調節できることで、動物用ケージ12の側壁16の傾斜角に関係なく、アダプタ組立体30を動物用ケージ組立体10に取り付けるのが容易になる。したがって図3Jに示した動物用ケージ12の側壁は傾斜角を維持しているとはいえ、アダプタ組立体30は動物用ケージ12の底部に対して実質的に平行に位置している。フック46はアダプタ組立体30の移動も実質的に阻止する。
【0058】
図3Kに示してあるように、スイッチ機構193がアダプタ組立体30のアーム38に接続されている。スイッチ機構193は、ゲート54がわずかでも動くと作動する。スイッチ193はカム40上のダウエル・ピン191とフック部分192を介して物理的に接触し、スイッチの働きをモニタするコンピュータ・モジュールに電気的に接続されている。スイッチは、動物がホッパーに収容されている餌を食べようとする動機を評価する。使用中は、動物がゲートを押したり引いたりすることによってスイッチが作動する。ユーザーは、動物がゲートに所定の回数接触することによってスイッチ機構193を作動させた後にゲート54が開くようにシステムを構成することができる。
【0059】
さらに、ゲートが開く前にスイッチが所定の回数作動する必要があるようにすることで、スイッチは、動物が餌を得るための障害をユーザーが創出することを可能にする。例えばユーザーは、ゲートが開いて動物が初めて餌を食べられるようになるまでにスイッチが5回作動する必要があるようにできる。さらに、動物が1日のうちに2回目の食事をしたい場合には、ユーザーは、ゲートが開いて動物が餌を食べられるようになるまでにスイッチが10回作動する必要があるようにできる。
【0060】
使用中は、動物がゲート54に接触すると、カム40がわずかにアーム38の方に回転する。カム40のダウエル・ピン191とスイッチ機構193のフック192は摩擦接触しているため、アーム194はスイッチ機構193を押し、そのことによってスイッチが作動する。スイッチ機構193は、このスイッチ機構193の状態をモニタするコンピュータに電気パルスを送る。スイッチ機構193は、任意のタイプの検出機構(例えば振動センサー、加速度計、スイッチなど)にすることができる。
【0061】
図4A、図4B、図4Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー組立体の一実施態様のそれぞれ側面図、正面図、底面図である。一実施態様によれば、餌ホッパーは、スロット式給餌インターフェイスと柱連結装置を備えたステンレス鋼製の立方体である。マウス用ホッパーは、固体の餌(例えば固体の餌を50g)を収容しているのに対し、ラット用ホッパーは、より多くの餌(例えば150g)を収容している。スクリーンの構成は、さまざまなタイプの餌が可能になるよう、場合によってはクリップ機構を利用して交換可能にされている。
【0062】
図4Aないし図4Cに示した実施態様を特に参照すると、ホッパー組立体36の一実施態様が示してある。特に、ホッパー組立体36のパック要素または支持要素82が2つの留め具84によってホッパー86の底面に固定されている。ホッパー組立体36のスクリーン88とホッパー86は、合わさってアクセス用の開口部108を規定する。この開口部108により、実験動物がホッパー組立体36に収容されている餌に選択的にアクセスすることができる。スクリーン88のさらに詳しいことは図5Aないし図5Dに示してあり、パック要素82のさらに詳しいことは図8Aと図8Bに示してある。
【0063】
図5A、図5B、図5C、図5Dは、図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の一実施態様のそれぞれ側面図、正面図、上面図、拡大図である。図5Aないし図5Dに示した実施態様を特に参照すると、ホッパー組立体36のスクリーン88は、場合によってはシート・メタルを選択した形態に曲げたもので形成される。図5Aから最もよくわかるように、スクリーン88は、その縁部に沿って複数のフランジ110を備えているため、ホッパー86(図5Aには図示せず)の内面への接続(例えばスポット溶接による)が容易になっている。また、スクリーン88は、メッシュ(例えばメッシュ106)を開口部108の隣に取外し可能に取り付けるための位置と形状にされた縁部112とブラケット114を備えている。したがって、そして図5Dに示してあるように、ワイヤで形成されたメッシュ106のいろいろな部分が、開口部108の上縁部の位置で縁部112とブラケット114の間に保持される。参照番号104で示した止め要素(図3Gと図3Hに図示)がメッシュ106の下部を支持していて、メッシュ106を縁部112とブラケット114の間に保持している。図5Dには示されていないが、止め要素104は、スクリーン88の底部においてメッシュ106の底部の右側に位置することになろう。止め要素104を取り除くと、清掃、交換、またはそれ以外の目的でメッシュ106を外すことができよう。
【0064】
図5Aに示したスクリーン要素とともに使用するメッシュ要素の一実施態様の正面図である図6を参照すると、メッシュ102は、場合によっては、端部116と、細長い部分118と、折り曲げ部120とを有する細長い区画から形成される。金属製ワイヤがメッシュ102のための材料として場合によっては選択されるが、他の金属材料または非金属材料も考えられる。しかしメッシュ102の細長い部分118が丸い断面または円形断面であるため、実験動物が餌を食べているときに接触するのに適した表面が提供される。言い換えるならば、メッシュ102から尖った縁部がなくなることで、この目的により適している。メッシュ要素はダイカスト法または射出成形法で形成できることを当業者は理解しているはずである。
【0065】
図7は、図5Aに示したスクリーン要素と合わせて使用するメッシュ要素の別の一実施態様の正面図である。図7に示したメッシュ106も、メッシュ102と同様、端部116と、細長い部分118と、折り曲げ部120を備えている。図6に示したメッシュ102と図7に示したメッシュ106の主な違いは、メッシュ102の細長い部分118が実質的に鉛直方向に延びているのに対し、メッシュ106の細長い部分118は実質的に水平方向に延びていることである。
【0066】
図8Aと図8Bは、図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素のそれぞれ側面図と底面図である。図8Aと図8Bに示した実施態様を特に参照すると、ホッパー組立体のパック要素82は、連結装置78(図3B)のダウエル・ピン80を受け入れるスロット122を備えているため、パック82が連結装置78に対して回転運動することが阻止される。連結装置78を受け入れるため、パック82はその中を貫通して延びる開口部124も備えている。パック82をホッパー86に接続する留め具84を取り付けるため、取付穴126が設けられている。
【0067】
図9A、図9B、図9Cは、ホッパー組立体36のホッパー86で使用できるスクリーン要素(全体を参照番号128で示す)の別の一実施態様のそれぞれ側面図、正面図、上面図である。スクリーン88はメッシュ102または106との組立体であるが、スクリーン128は1部材の要素である点が、スクリーン88と異なっている。スクリーン128は、スクリーン88と同様、場合によってはシート・メタルで形成され、望む形状に切断または形成された後、曲げられて望む形態にされる。スクリーン128は、このスクリーン128とホッパー86の内面の接続を容易にするため一連のフランジ130を備えている。実験動物がホッパー組立体36のスクリーン128の中にある餌にアクセスできるようにするため、スクリーン128の本体には複数の開口部132(図9Bと図9Cにはそのような開口部132が5つ示してある)が設けられている。例えば図9Aないし図9Cに示してあるように、ホッパーで使用するスクリーンは、さまざまな形状と形態を取ることができる。このようなスクリーンは、さまざまな金属材料と非金属材料から形成することもできる。
【0068】
図10Aないし図10Eは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するアダプタ要素を示している。アダプタは、場合によっては、ステンレス鋼製の正面プレートとL-ブラケットに挟まれた半透明なポリカーボネート・ブロックの形態を取るため、ホッパーが分離される。
【0069】
図10Aないし図10Dに示した実施態様を特に参照すると、アダプタ95は中心開口部134を備えており、その開口部134を通じて動物はホッパー組立体36の中にある餌にアクセスできる。アダプタ95は、留め具(例えば図3Dに示した留め具97)を受け入れる4つの取付穴136を備えている。アダプタ95は、ダウエル・ピン(例えば図3Cに示したダウエル・ピン93)を受け入れるため側面に設けられた取付穴138も備えている。図3Bに示したシャフト42を受け入れるための開口部140もアダプタ95に設けられている。
【0070】
凹部141がアダプタ95の上面に設けられていて、図3Bに示してあるようなクリップ44が収容される。取付穴142が凹部141の領域に設けられているため、留め具50を用いて取付組立体32のプレート48とクリップ44をアダプタ要素95に取り付けることができる。取付穴144がアダプタ95の底面の凹部146に設けられている。凹部146には図3Bに示してあるような調節可能なフック46が収容され、取付穴144には留め具52(やはり図3Bに示してある)が収容される。
【0071】
図11Aは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するフック要素の一実施態様の側面図である。フックはアダプタ95の底部の開口部146に取り付けられて、ケージの取付面の角度に合わせることができるようスロットの中に入っている。図11Aないし図11Cを参照すると、フック要素46の一実施態様が示してある。フック46は、取付部148とフック部150を備えている。取付部148によってフック46をアダプタ95に調節可能に取り付けることが容易になり、フック46のフック部150により、アダプタ組立体30の取付組立体32と動物用ケージ組立体10の間の取外し可能な取り付けがなされる。フック46の取付部148は、留め具52を収容するための細長い開口部またはスロット152(図11Bには2つ示してある)を備えている。スロット152は、アダプタ95に対してフック46の位置をうまく調節できるようにするため細長くなっている。すでに述べたように、フック46をこのように調節することで、いろいろな傾斜角または壁の形態を持つ可能性のあるさまざまな動物用ケージへのアダプタ組立体30の取り付けを調節することが可能になる。
【0072】
図12は、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するクリップ要素の一実施態様の側面図である。このクリップは、ケージの開口部の上部に取り付けられるため、ケージの開口部への素早い取り付けと取外しが可能になる。一実施態様によれば、クリップはステンレス鋼製バネ鋼で製造される。
【0073】
図12を参照すると、クリップ44は、折り曲げ部155によって取付部156と隔てられた取付部154を備えている。取付部は、クリップ44を取付組立体32のアダプタ95に接続する留め具50を受け入れるための少なくとも1つの開口部(図示せず)を備えている。動物用ケージの表面へのクリップ44の取り付けを容易にするため、取付部156は、取付部154に対して枢軸回転させるか撓ませることができる。クリップ44がこのような可撓性を持てるようにするため、クリップは、場合によってはステンレス鋼製バネ鋼、または他の適切な材料、または他の同等な材料で形成する。
【0074】
取付部156に形成された凹部158には、動物用ケージに形成された開口部の縁部が収容される。より詳細には、図1Aと図1Bを参照すると、凹部158は、動物用ケージ組立体10のモールディング14のフランジ24Aと周縁部26に対して取り付けられる構成にされている。このような構成では、図11Aないし図11Cに示したフック46のフック部150は、モールディング14のフランジ24Cと周縁部26に取り付けられることになろう。クリップ44とフック46によるこのような取り付けを通じ、アダプタ組立体30が動物用ケージ組立体10に取り外し可能に取り付けられる。
【0075】
動物用ケージの1つの構造部(例えば動物用ケージの蓋部)のための隙間を設けるため、場合によっては第2の凹部160が、クリップ44の取付部156に形成される。クリップ44は、場合によっては、パンチ要素と、輪郭がクリップの望む形状を形成しているダイス要素との間でステンレス鋼製バネ鋼を圧縮することによって形成される。他の形成法として、例えば鋳造、折り曲げ、切断などの方法も利用できる。
【0076】
図13A、図13B、図13Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するゲート要素の一実施態様の正面図、側面図、端面図である。ゲートは(上方に回転する)シャフトを中心として枢軸回転し、そのことによって動物をそっと押してホッパーから離す。カムがアダプタの外側にあるシャフトの端部に取り付けられているため、そのカムを手で動かすことができる。ゲートを閉鎖位置に固定するため、アダプタの側にある穴の中に位置するバネ・プランジャがカムに取り付けられている。ダウエル・ピンがアダプタの側に位置していてカムの移動を制限するとともに、ゲートを閉鎖位置に位置させている。閉鎖位置では、動物はホッパーの中にある餌にアクセスできず、開口部を通って逃げることもできない。開放位置では、ゲートはアダプタの内部チャネルの底部の上に平坦に横たわってホッパーのトレイの上部に重なるため、動物が連結装置を引っ張ってロード・セルから引き出すこと、動物が逃げ出すこと、収容されている餌がこぼれ続けることが阻止される。
【0077】
ゲートは、カムを手で操作して上下に運動させること、または囲いの側に取り付けられたサーボを用いて自動操作することができる。サーボのアームは、コンピュータのソフトウエアを通じて作動して決められた時刻に動作し、そのことによって餌ホッパーへのアクセスが可能になったり不可能になったりする。例えば一実施態様では、サーボのアームはコンピュータのソフトウエアから信号を受け取り、所定量の餌が消費された後にゲートを閉じることで、動物が消費することを許される合計量を制限する。餌を制限すると動物の寿命を長くできるため、アダプタ組立体の餌制限機能は、生物学では便利なツールである。アダプタ組立体は、動物に1日に1回給餌するだけではない。餌を動物に対して1日を通じてある間隔で提供すること、または餌を1日中提供することができる。ユーザーが、適切な給餌時刻と給餌継続時間を決定する。
【0078】
例えばマウス用組立体では、シャフトが動物にとっての発射台として機能し、動物をアダプタ・トンネルの中に入れて餌を1回食べさせる。ゲートは閉じるときにゆっくりと動いて挟まれる箇所はないため、動物はアダプタ・トンネルから安全に押し出される。例えばラット用組立体では、アダプタの開口部はより大きい。アダプタの2つの穴を通って滑る1本の固定ピンが小動物の逃亡防止用に設けられているが、動物が成長したときにはこの固定ピンを取り除いて動物が餌ホッパーに最大限にアクセスできるようにすることが可能である。
【0079】
図13Aないし図13Cに示した実施態様を特に参照すると、取付組立体32のゲート54は、フランジ164を側面に有する実質的に平坦な表面162を提供する。ゲート54の表面162は、開放位置では動物がその上に乗ることができるプラットフォームを提供し、動物の餌としてホッパーから落ちてくる餌を受け取ることができる。しかしゲート54の表面162は、閉鎖位置では阻止機能を提供して動物がホッパーの中にある餌にアクセスできなくすることで、餌摂取イベントまたは餌摂取期間を阻止するか、終了させる。
【0080】
ゲート54の形状は、動物にやさしくなるように選択されることが好ましい。特に、ゲート54が閉鎖位置から開放位置に移動するにつれて、または開放位置から閉鎖位置に移動するにつれて動物が捕まることがないようゲート54の縁部は丸くされていると同時に、フランジ164が設けられている。また、ゲート54の形状と動作は、餌ホッパーから動物を安全に押し出して給餌サイクルを終わらせる機能を有する。ゲート54のこのような枢軸回転作用は、ゲート54の形状と組み合わさり、動物が怪我をするリスクを最少にしている。
【0081】
ゲート54は、このゲート54を取付組立体32のシャフト42に接続する留め具(例えば図3Bに示した留め具56)を受け入れる開口部166を備えている。より詳細には、ゲート54の表面162にある開口部166によってゲート54をシャフト42に接続できるため、シャフト42の回転によってゲート54がシャフト42の軸のまわりを枢軸回転する。
【0082】
図14A、図14B、図14Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するブラケット要素の一実施態様のそれぞれ正面図、側面図、上面図である。図14Aないし図14Cに示した実施態様を特に参照すると、ブラケット68には盲穴168が設けられていて、アダプタ組立体30の底部組立体34からアダプタ組立体30のホッパー組立体36まで延びる連結装置78を取外し可能な状態で受け入れる。盲穴168の隣には、連結装置78のダウエル・ピン80を受け入れるスロット170があるため、ブラケット68に対して連結装置78が回転運動することに抵抗する、またはブラケット68に対して連結装置78が回転運動することが阻止される。(ブラケット68のスロット170とパック82のスロット122の両方による)連結装置78の回転に対するこのような抵抗があることで、ホッパー86がアダプタ組立体30の残りの部分に対して回転運動することが阻止または制限される。回転運動がこのように制限されることで、ホッパー86が他の構造と接触する機会が少なくなるため、ひずみゲージの読みが不正確になる可能性が小さくなる。
【0083】
ブラケット68は、図3Bに示した先端が丸いバネ・プランジャ70を受け入れる取付穴172も備えている。すでに説明したように、先端が丸いバネ・プランジャ70は、連結装置78と摩擦によって噛み合い、連結装置78がブラケット68から外れることに抵抗する。先端部が丸いバネ・プランジャ70は、連結装置78をブラケット68から取外せる状態を維持しつつ、ホッパー組立体36が連結装置78の頂部から外れようとするときに連結装置78をブラケット68の中に保持するのを助ける。言い換えるならば、先端部が丸いバネ・プランジャ70は、連結装置78とホッパー組立体36のパック82の間の摩擦力よりも大きな摩擦力を連結装置78とブラケット68の間に提供する。
【0084】
ブラケット68は、止めネジ(例えば図3Bに示した止めネジ72)を受け入れるネジ穴または開口部174も備えている。止めネジ72は、ブラケット68の位置を調節するため、またはブラケット68を囲い60またはカバー62の表面に対して安定化させるために設けられている。
【0085】
図15Aは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。連結装置は、場合によっては、ひずみゲージ・セルをホッパーまたは給水装置に接続する円筒形ロッドを備えている。連結装置は、ロッドのいずれかの端部をひずみゲージ・セルおよび/または餌ホッパーの中に挿入できるよう、場合によっては対称にされる。
【0086】
連結装置78の一実施態様を示す図15Aを参照すると、連結装置78は、場合によっては穴を有するシャフト176から形成され、その穴にはダウエル・ピン80が押し込まれる。連結装置78のシャフト176は、丸い形状または断面が丸い形状を提供するために場合によってはロッド材料から形成されるが、連結装置78はさまざまな形状を有するさまざまな材料から形成することができる。例えばダウエル・ピン80がシャフト176を貫通して取り付けられ、パック82のスロットおよびブラケット68と合わさって回転運動を阻止する。あるいは連結装置78に非円形断面のシャフトを取り付け、ダウエル・ピン80を必要とすることなくこのような回転を阻止することもできる。例えば連結装置78に、正方形のシャフト、または他の非円形断面形状のシャフトから形成したシャフト176を取り付けることができる。
【0087】
図15Bと図15Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の別の一実施態様である。連結装置187のこの実施態様は、場合によってはポリマー材料から形成することで、ブラケット68に対する潜在的な損傷を減らす。連結装置187のポリマー材料は、捻り負荷が加えられた状態では弾性を発生させるため、ブラケット68に加わる応力が実質的に少なくなる。連結装置は、パック82のスロットおよびブラケット68と協働して回転運動を阻止するフランジ部188を備えている。
【0088】
シール189が連結装置187の一端に取り付けられている。図15Cには示されていないが、外径表面189は、連結装置の本体の外面よりも先まで延びる構成にされていることが好ましい。シール189とブラケット68の間、またはシール189とパック82の間の摩擦接触により、連結装置187の方向に応じてこの連結装置に対する拘束力が増大する。連結装置187に対する拘束力をさらに大きくするため、この連結装置の両側にシールを取り付けることも考えられる。さらに、シール189を用いることで、連結装置78がブラケット68から外れるのに抵抗する摩擦を連結装置78との間にやはり与える穴172と先端が丸いバネ・プランジャ70を使用する必要がなくなる。
【0089】
図16は、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するカム要素の一実施態様の側方断面図である。図16に示したカム40の実施態様を参照すると、カム40は、図3Aに示してあるように、アーム38とカム40の間の接触に基づいてアーム38に対して必要な運動を提供する形状を有する。カム40にはシャフト142を受け入れる開口部178が設けられていて、留め具をカム40の開口部180を通じて挿入し、カム40とシャフト42が噛み合った状態にすることができる。また、カム40の開口部180を貫通する留め具を使用することで、シャフト42に対するカム40の回転滑りが阻止される。カム40には開口部182(ネジが切られていることが好ましい)も設けられていて、図3Cに示してあるようにバネ・プランジャ91が収容される。
【0090】
図17Aと図17Bは、図1Aに示した動物用ケージで使用するブロッカー組立体の一実施態様の正面図と側面図である。ブロッカー組立体のクリップ要素とフック要素は、ケージの開口部に取り付けられて開口部を封鎖し、アダプタ組立体を取り外したときに動物が逃げ出すことを阻止する。
【0091】
図17Aと図17Bを参照すると、ブロッカー組立体(全体を参照番号200で示す)が示してある。ブロッカー組立体200は、開口部(例えば開口部22)を塞ぐためケージ組立体(例えば動物用ケージ組立体10)とともに使用する構成にされている。したがってブロッカー組立体200は、アダプタ組立体30または他の装置をケージから取り外したときに動物が動物用ケージの開口部から逃げ出すことを阻止する障壁を提供する。ブロッカー組立体200から、多数ある組立体または要素のうちの任意のものをケージ組立体(例えば組立体10)に取り付けてさまざまな機能を提供できることもわかる。例えばいろいろな給餌組立体のうちの任意のものを動物用ケージに接続することができる。また、さまざまな障壁を、運動装置や、実験動物にとって有用な他の装置として設けることができる。
【0092】
ブロッカー組立体200は、動物用ケージの表面に取り付けるためにアダプタ組立体30のクリップ44と同様のクリップ244を備えている。クリップ244は、ブロッカー295のフック246と協働する位置にある。クリップ244は、プレート248と、支持部249と、クリップ244、プレート248、支持部249の三者を一体化する留め具250とからなる組立体によってブロッカー295に接続されている。ブロッカー組立体200のブロッカー295には、動物を阻止する連続面296が設けられている。面296には、スクリーン、メッシュ、または適切な他の任意の材料も含まれていてよい。
【0093】
図18を参照すると、アダプタ組立体230の別の一実施態様が示してある。このアダプタ組立体230は、図3Bに示したアダプタ組立体230と同様であるが、L-ブラケット220とホッパー組立体236が改変されている点が異なっている。
【0094】
ここで図18、図19A、図19Bを参照すると、L-ブラケット220は、図3Bないし図3Dを参照して説明したL-ブラケット64と同様であるが、L-ブラケット220は、L-ブラケットの取付面から突起した円筒形障壁222を備えている。円筒形障壁222は、ホッパーから漏れた餌粒子および/または液体が、図14Aないし図14Cに示したブラケット68に形成された盲穴168に入るのを制限する位置にある。上述したように、盲穴168は、底部組立体34からホッパー組立体36まで延びる連結装置78を受け入れる。
【0095】
盲穴168の中に液体が大量に蓄積すると底部組立体34のエレクトロニクス部品が故障する可能性がある。さらに、盲穴168に詰まった餌ペレットまたは餌粒子は、盲穴168への連結装置78の挿入および/または盲穴168からの連結装置78の取り出しを困難にする可能性がある。ユーザーが餌粒子を盲穴168または底部組立体34の内部から取り除くのは難しかろう。したがって円筒形障壁222により、餌粒子と水が盲穴168に入ることなくL-ブラケットの取付面224に集まるため、アダプタ組立体230の清掃が容易になる。円筒形障壁222は、餌粒子が盲穴168に入るのを制限するのに十分な高さでなければならないが、ホッパー236を底部組立体34に取り付けられるように十分低くなければならない。円筒形障壁222は、溶接すること、または締め付けること、またはL-ブラケットの取付面224に形成することができる。
【0096】
ここで図18、図20A、図20Bを参照すると、スクリーン288の別の一実施態様が示してある。スクリーン288は、餌をホッパー組立体236の中に保持するとともに、ゲートが開いているときに実験動物が餌にアクセスできるようにする。スクリーン288は、一般に、互いに向かい合ったヘッダ294に接続された複数のワイヤ292を備えている。互いに向かい合ったヘッダ294は、図18に示してあるように、ホッパー286の上端を挟む設計にされている。スクリーン288は、動物が、収容されている餌にホッパーの上部、側部、底部のいずれかからアクセスできる特別な形状にされている。
【0097】
動物に対して“よりやさしく”するため、場合によってはワイヤの形式を利用する。上述のように、ワイヤが丸い形状または円形断面形状であるため、実験動物が餌を食べているときに接触するのに十分適した表面が提供される。言い換えるならば、ワイヤ292から尖った縁部がなくなることで、この目的により適している。
【0098】
動物は、ワイヤ292の間からアクセスできる餌ペレットを噛み切ることによって餌を消費する。ワイヤ292間の距離は、動物の鼻口部よりも広いが、餌ペレットよりも小さくなるように設計することができる。ワイヤ292の直径とワイヤ同士を隔てる距離は、餌のサイズに合わせること、または摂食の“容易さ”を増大または低下させるように調節することができる。したがって給餌の容易さは、動物の食欲と、摂食が容易か困難かに合わせて調節することができる。摂食が容易か困難かは、隣り合ったワイヤ292間の距離に対する餌のサイズに依存する。ホッパーには交換可能なスクリーンを取り付けることができる。
【0099】
一実施態様では、ワイヤ292は、ステンレス鋼で形成されている。しかしワイヤはいろいろな金属材料または非金属材料で形成できること、押し出し、成形、ダイカストで製造できることを理解すべきである。各ワイヤ292は、ヘッダ294に溶接することができる。その様子を図20Bに溶接スポット295として示してある。ワイヤは、従来技術で知られている締め付け手段を用いてヘッダ294に取り付けることもできる。
【0100】
ここで図21を参照すると、アダプタ組立体330の別の一実施態様が示してある。アダプタ組立体330は、図18に示したアダプタ組立体230と同様だが、この実施態様では、餌ホッパー組立体236の代わりに水ホッパー組立体336になっている。実際には、水ホッパー組立体336は、水を収容するか、実験動物に水を与えるのに利用される他の任意の液体を収容している。水ホッパー組立体336は、餌ホッパー組立体236と同様、底部組立体34およびゲート54と協働するようにされている。
【0101】
すでに説明した餌ホッパーと同様、水ホッパー組立体336は、カップリング78を通じて底部組立体34に接続されている。カップリング78によって水ホッパー組立体336は底部組立体34に対して取外し可能に取り付けられているが、そのとき水ホッパー組立体336に収容されている液体の重量が、底部組立体34の囲い60の中に取り付けられたひずみゲージまたはロード・セル66に伝えられるようにする。このようにして、水ホッパー組立体336に収容されている液体の重量をモニタすることができる。
【0102】
ここで図22Aないし図22Cに示してある水ホッパー組立体336の詳細図を参照すると、水ホッパー組立体336は、一般に、本体部337と、その本体部337に接続されたバネ式バルブ組立体342とを備えている。本体部337は、動物に給水するのに十分な体積の水を収容するサイズのリザーバ338を備えている。リザーバ338は、あらかじめ決めた任意の体積の液体を保持するサイズにすることができる。リザーバ338の上端は、場合によっては図示してあるように大気に向かって開放されているため、実験室のスタッフは、リザーバに素早くかつ容易に再充填すること、またはリザーバに補充する必要があるかどうかを調べることができる。一体化された支持体350が、本体部337の底面に配置されている。一体化された支持体350に形成された開口部352は、図21に示してあるように、連結装置78を取外し可能に保持するサイズにされている。
【0103】
バネ式バルブ組立体342は、給餌を目的として動物用ケージの内側を向いた位置にあり、液体が制御された状態で動物に供給されるように構成されている。バルブ組立体342はバルブ・ハウジング343を備えていて、ホッパー組立体336の本体部337にクリップで留めるか、クランプで留めるか、スナップで留めるか、締め具で留めるか、本体部337と一体化している。ハウジング343の中に位置する圧縮バネ346が可動乳首状部材344(またはバルブ)の一端に取り付けられており、乳首状部材344の肩部351がハウジング343の弁座353の上に載っている。
【0104】
使用中は、ゲートが開放位置にあるときには、実験動物はバルブ組立体342の乳首状部材344を押し下げて水または他のあらゆる液体をリザーバ338から得る。より詳細には、動物が乳首状部材344を押し下げると、バルブ・ハウジング343の中に保持されているバネ346が圧縮され、弁座353と乳首状部材344の肩部351の隙間が広がる。リザーバからの液体は重力を受けてその隙間(図示せず)を流れ、乳首状部材344とバルブ・ハウジング343の間を流れ、実験動物の口に向かう。バネのバネ定数は、動物が乳首状部材344を容易に押し下げられるよう、十分に小さいことが望ましい。
【0105】
1回の水飲みが終了すると、動物は乳首状部材344を放す。するとバネ346は伸びた状態に戻り、乳首状部材344の肩部351が弁座353の上に載ることによって液体が流れなくなる。バルブ組立体の閉鎖状態が図22Aに示してある。バルブ組立体342の開放状態は示されていない。液体が意図しないのにリザーバ338から流出するのを制限するため、シール352が乳首状部材344の肩部351に位置している。そのためこの弾性シールによって乳首状部材344の肩部351と弁座353の界面が閉じられる。シール352は例えばO-リングまたはワッシャーにするか、乳首状部材344の肩部351と弁座353の界面を気密にできる他の任意の部品にすることができる。
【0106】
実験動物の頭部または鼻が十分に通れるよう、開口部340がホッパー組立体336の本体部337に形成されている。開口部340のサイズは、動物の頭部のサイズに合わせることができる。消費されなかったあらゆる液体を回収するため、傾斜壁348が開口部340の底部に位置している。バルブ組立体342から供給されるが動物によって消費されない液体は傾斜壁348に沿って移動し、傾斜壁348の底部に溜まる。したがってロード・セルは、傾斜壁348の底部に溜まった液体の重量を測定することができる。このようにして、動物が実際に消費した液体の重量を正確にモニタすることができる。
【0107】
水ホッパー組立体336の本体部337は、研削すること、鋳造すること、成形すること、ダイカストで製造することができ、液体を保持できる任意の非毒性材料で形成されている。この実施態様では、本体部337は射出成形されていて、ポリカーボネート材料からなる。本体部337は透明な材料で製造できるため、実験室のスタッフは、リザーバの中にある水の体積を素早く調べることができる。図示していないが、本体部337の外面に、リザーバの中にある液体のレベルに対応する目盛付きインディケータを備えることができる。
【0108】
全図面を参照し、ケージの組み立て手続きの例を以下に説明する。
【0109】
ケージ取付モジュール上のゲート機構を閉じ、ゲート・プレートを鉛直位置にしてロックするには、
(1)ケージ取付モジュールを左手で掴む。右手の親指と人差し指を用いてゲート・ロック機構のギザギザしたノブを引っ張り、それを引っ張った状態を続ける。
(2)カムが止めピンにぶつかるまでノブを引っ張りながらゲートを鉛直位置に移動させる。ノブに加えている力を緩める。
(3)柱がアダプタの穴に入る。ギザギザしたノブを、スロットの中に戻ってロックされるまで回す。
【0110】
ゲートを開くには、上記の手続きを逆に行なう。
【0111】
ロード・セルの囲いをケージ取付モジュールに取り付けるには、
(1)4本の指を鍵穴プレートの下に置き、親指をバネ式クリップの上に載せた状態でケージ取付モジュールを掴む。バネ式クリップを押し下げ、下がった状態を維持する。
(2)装置をケージに対して約45°の角度に保ちながら、バネ式クリップが最も上にあって、しかもケージのパッキングの頂部に最も近くなる状態にして、そのバネ式クリップの丸い部分を開口部に挿入することによってそのバネ式クリップを溝に嵌める。
(3)クリップの溝がケージのパッキングの上縁部の中にあって摂食した状態で、下部フックの縁部がケージのパッキングの下縁部の上方に来るまでケージ取付モジュールの底部を回転させる。親指の力をゆっくりと緩めることによってバネ式クリップを解放する。
(4)ケージ取付モジュールの鋼板を貫通している中心部の穴に柱を挿入し、さらにひずみゲージ・セルの開口部の中に入れる。
(5)スロットのある面がケージ取付モジュールのアダプタの開口部の方を向いた状態で餌ホッパーを挿入する。
(6)ゲートを閉じるための上記の指示を逆に実施することによってゲートを開いて給餌位置にする。
【0112】
モジュールを外すには、モジュールを上記のようにして掴み、バネ式クリップを親指で押し下げ、モジュールの底部を45°回転させてケージのパッキングから離し、フックの溝を下げてケージのパッキングの上縁部と噛み合った状態を解消する。
【0113】
動物による餌の摂取をモニタするこの明細書に記載したシステムは、エレクトロニクスのさまざまなハードウエア要素およびソフトウエア要素とともに用いるのに適している。このシステムは、例えば、遠隔ノード、センサー・ケーブル、ネットワーク・モジュール、コネクタ・ブロック、入力/出力モジュール、遠隔ノード・シリアル番号、データ回収コンピュータ、TCP/IPネットワークとともに使用される構成である。
【0114】
遠隔ノードは、場合によっては、ケージ・ラックの近くに取り付けられたエレクトロニクス・パッケージである。1つの遠隔ノードで例えば32個までのケージをモニタすることができる。遠隔ノードは、餌ホッパーの重量を連続的に測定する。ホッパーの重量が不安定になって動物が餌を食べていることを示すと、遠隔ノードはそれ以前の安定な重量を出発重量として記録する。重量が不安定である限り、餌を食べている最中であると考えられる。餌摂取休止期間において重量が安定すると、食事が終了したと考えられる。食事が終了すると、始点の重量と終点の重量を用いて食事の重量が計算され、開始と終了の時刻を用いて食事継続時間が決定される。
【0115】
望ましい一実施態様は、ひずみゲージを遠隔ノードに接続する単一のセンサー・ケーブルを備えている。他の実施態様として、1つのひずみゲージ・セルに対して複数のケーブルにすること、多数のひずみゲージ・セルに対して単一のケーブルにすること、無線接続にすることも考えられる。
【0116】
ネットワークに接続される遠隔ノードの1要素としてネットワーク・モジュールを提供することができる。これは、場合によっては最上位のモジュールであり、一実施態様ではAないしDと標識されたLEDを備えている。遠隔ノードのLEDは、システムの動作のさまざまな側面を反映する。例えば一実施態様では、“D”の光はシステムが動作していることを示す。“A”の光は、遠隔ノードと中央ステーションの間でメッセージ伝達活動があることを示す。“B”の光は、食事が記録されているときはいつでも点滅し、“C”の光は、保管されている餌を中央ステーションによるダウンロードに利用できるときはいつでもオンになっている。それぞれの遠隔ノードを1つのネットワーク・モジュールに割り当てることができる。
【0117】
遠隔ノードの1要素として、センサー・ワイヤーが接続されたコネクタ・ブロックが場合によっては提供される。コネクタ・ブロックは、遠隔ノードの電力を落とすことなく除去したり挿入したりすることができる。コネクタ・ブロックには、典型的には8個まで、またはそれ以上のセンサーを接続することができる。1つの遠隔ノードには1ないし4個のコネクタ・ブロックが一般に存在し、1ないし8個、またはそれ以上のコネクタ・ブロックの場合もある。
【0118】
遠隔ノードの1要素として、センサーから受け取った信号をネットワーク・モジュールが利用できる形態に変換する入力/出力(I/O)モジュールを提供することができる。I/Oモジュールは、遠隔ノードの電力を落とすことなく除去したり挿入したりすることができる。典型的には1つの遠隔ノードに1ないし4個のI/Oモジュールが存在し、8個まで、またはそれ以上のI/Oモジュールが存在する場合もある。一般に、コネクタ・ブロックと同数のI/Oモジュールが存在している。
【0119】
遠隔ノード・シリアル番号は、シリアル番号に基づいて各遠隔ノードに割り当てられる唯一の番号であり、ネットワーク・モジュールの側でプリントすることができる。シリアル番号は、アプリケーションの分布とこの実施態様に含まれるさまざまな特徴を制御するためにシステムに与えられるライセンス・キーとの関連でも使用される。この実施態様では、ライセンス・キーは、遠隔ノード・ネットワーク制御装置のシリアル番号だけに適用され、アプリケーションは、ライセンス・キーが正しいときだけ機能する。
【0120】
データ回収コンピュータは、操作者にとっての主要なインターフェイスとして、また永続的なデータ記憶位置として機能する。データ回収コンピュータとしては、ラップトップ・コンピュータ、またはデスクトップ・コンピュータ、または他の形態のコンピュータが可能である。TCP/IPネットワークは、データ回収コンピュータと遠隔ノードの間の通信手段を提供する。その形態は、遠隔ノードとデータ回収コンピュータの間の(クロスオーバー)ケーブルが可能である。より複雑なネットワークには、既存のコンピュータ・ネットワークの他の部分(例えばVPN、遠隔サイトへの接続)が含まれていてもよい。
【0121】
遠隔ノードと中央ステーションPCの間の通信チャネルとしては、TCP/IPをサポートする任意のチャネルが可能である。その中には、イーサネット(登録商標)(典型的なファシリティ・コンピュータ・ネットワーク)とインターネットが含まれる。必要な帯域幅は、遠隔ノード1つにつき約3ないし5キロビット/秒である。システムは、ファシリティ間のVPNでもうまく機能する。通信が中断したとき、遠隔ノードはモニタと記録を継続し、通信が回復したときに食事データをコンピュータに自動的にアップロードする。
【0122】
ここで図34ないし図36を参照すると、動物による餌の摂取をモニタするための3つの異なるシステムの実施態様が示してある。図34に示した第1の実施態様では、研究者のワークステーション、ノード・サーバ、構造化照会言語データベース(SQL db)は、データ回収コンピュータ(PC1と表記)に統合されている要素である。1つ以上の周辺制御ユニット(PSC)がノードに接続され(すなわちノードと通信し)、ノードは、ノード・サーバに接続され(すなわちノードと通信し)ている。
【0123】
図35に示したシステムの第2の実施態様では、研究者のワークステーションがデータ回収コンピュータ(PC2と表記)に統合された要素になっている。この実施態様では、2つのノード・サーバが研究者のワークステーションに接続され(すなわちワークステーションと通信し)、SQLデータベースがそれぞれのノード・サーバに接続され、3つのノードが2つのノード・サーバに接続され(すなわちノード・サーバと通信し)、複数のPSCが各ノードに接続され(すなわちノードと通信し)ている。この実施態様では、ユーザー・インターフェイス機能とデータ収集機能は異なるハードウエア・プラットフォームに分けられているため、ノード・サーバと構造化質問言語データベース(SQL db)は、研究者のワークステーションとは独立している。
【0124】
図36に示したシステムの第3の実施態様では、ノード・サーバがデータ回収コンピュータ(PC3と表記)に統合された要素になっている。この実施態様では、研究者のワークステーションと、2つのノードと、SQLデータベースが、ノード・サーバに接続され(すなわちノード・サーバと通信し)、複数のPSCが各ノードに接続され(すなわちノードと通信し)ている。図35に示した実施態様と同様、ユーザー・インターフェイス機能とデータ収集機能は異なるハードウエア・プラットフォームに分けられているため、研究者のワークステーションとSQL dbは、ノード・サーバとは独立している。
【0125】
図34ないし図36に示した3つのシステムに関し、データ回収コンピュータ(すなわちPC1、PC2、PC3)とノードの間の通信はTCP/IPであるため、通信は、例えばインターネットまたはイントラネット上で確立される。さらに、ノードとPSCユニットの間の通信は、短距離アナログ、ディジタル・シグナリング、TCP/IPのいずれかにすることが可能である。
【0126】
図23ないし図33に示した実施態様によれば、実験動物の餌消費を分析して報告するソフトウエア・ツールがデータ回収コンピュータにインストールされている。このソフトウエア・ツールのことを今後はBioDAQソフトウエア・ツールまたはBioDAQシステムと呼ぶ。BioDAQシステムは、餌消費のデータを記録し、統合し、表示する。このソフトウエア・ツールの機能を以下の図面を参照してこれから説明する。
【0127】
図23を参照すると、BioDAQソフトウエア・ツールのグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)500の一例である“開始”の1つのスクリーン図が示してある。開始GUI 500は、このソフトウエア・プログラムに入るためのスクリーンである。ユーザーは、遠隔ノードのIPアドレスとライセンス・キーをそれぞれテキスト・ボックス502と504に入力するよう求められる。遠隔ノード情報が入力されると、GUI 500は、特定の遠隔ノードが発見されたことをインディケータ506に“Y”(すなわちイエス)を表示することによってユーザーに知らせる。同様に、GUI 500は、テキスト・ボックス504に入力された遠隔ノードのライセンス・キーが有効であることを、図示してあるようにインディケータ508に“Y”(すなわちイエス)を表示することによってユーザーに知らせる。望むのであれば、ユーザーは、遠隔再ブートアイコン510を選択することによって遠隔ノードをブートし直すことができる。遠隔IPとライセンス・キーの数字が正確に入力されると、ユーザーは実験設定アイコン512を選択することによって実験の設定に進むことができる。図示していないが、実験設定アイコン512を選択した後、別のGUIが現われて、ユーザーに既存の実験を開かせるか、新しい実験を考案させる。既存の実験が選択されるか新しい実験が指定された後に、図24に示したネットワーク・ポピュレーションGUI 516が現われる。1つの実験は、少なくとも1匹の実験動物の餌摂取習慣に関するあらゆる分析操作として定義される。ユーザーは、図23に示した終了アイコン514を選択することによってこのソフトウエア・プログラムを終了させることができる。
【0128】
図24は、BioDAQソフトウエア・ツールのネットワーク・ポピュレーションGUI 516の一例に関する1つのスクリーン図である。この実施態様では、実験に、場合によっては、動物用ケージに取外し可能に取り付けられた32個の周辺制御ユニット(PSC)が含まれる。それぞれのPSCは、遠隔ノードに接続され(すなわち遠隔ノードと通信し)ている。32個の個々のPSCアイコン517からなるマトリックス(今後はPSCマトリックス518と呼ぶ)が、遠隔ノードに接続された32個のPSCのそれぞれに対応している。上述のように、1つ以上のPSC(アダプタ組立体30とも呼ぶ)を動物用ケージに取外し可能に取り付けることができる。32個のPSCアイコン517が必ずしも32個の動物用ケージに対応している必要はなく、むしろ32個のPSCアイコン517は、任意の数の動物用ケージに与えられた32個の異なるPSCに対応していることを理解すべきである。したがって例えば32個のPSCが実験に含まれていて2つのPSCがそれぞれの動物用ケージに与えられているのであれば、動物用ケージは16個存在している。さらに、それぞれのケージに動物が1匹だけとは限らず、複数の動物が1つのケージの中にいてもよい。しかし典型的な実験では、1匹の動物が1つのケージに住んでいて、1つのPSCが1つのケージに与えられている。
【0129】
PSCの番号は、PSCマトリックス518の左側と右側に表示される。例えばPSCマトリックス518に表示される個々のPSCアイコン517の一番上の行はPSC 1ないし8を示しており、個々のPSCアイコン517の最も左側の列は、上から下に向かってPSC 1、9、17、25を示している。この実施態様では、PSC 1ないし9が“オン”で、PSC 10ないし32が“オフ”の状態が示してある。“オン”という表示は、特定のPSCが実験に含まれることを意味し、“オフ”という表示は、特定のPSCが実験に含まれないことを意味する。任意のPSCの状態は、それぞれのPSCマトリックス・アイコン517を選択することによって“オン”から“オフ”に変えること、またはその逆のことができる。ユーザーは、“すべてオン”アイコン520を選択することによってすべてのPSCを1つの実験に含めることができる。同様に、ユーザーは、“すべてオフ”アイコン522を選択することによってすべてのPSCを1つの実験から除外することができる。ユーザーは、“選択放棄”アイコン524を選択することによって“開始”GUI 500に戻ることができる。
【0130】
ユーザーは、実験に関する独自の測定パラメータを定義するのに“測定パラメータ設定”アイコン528を選択することができる。したがってアイコン528を選択すると、図25に示した測定パラメータ設定GUI 530が現われる。
【0131】
ここで図25を参照する。実験の測定パラメータは、測定パラメータ設定GUI 530の“新パラメータ”区画532に設定される。この実施態様では、調節可能なパラメータは、“餌摂取”と“ノイズ”である。“餌摂取”は、1回の餌摂取記録を開始するためにロード・セルが感知した最小の重量変化を意味する。“ノイズ”は、1回の餌摂取記録を停止するためにロード・セルが感知した最大の重量変化を意味する。この実施態様では、ロード・セルが1.0グラム以上の重量変化を感知すると、BioDAQソフトウエア・ツールが1回の餌摂取量の記録を開始する。さらに、ロード・セルが1回の餌摂取の途中で0.1グラム以下の重量変化を感知すると、BioDAQソフトウエア・ツールが餌摂取量の記録を停止させる。“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータは、個々のPSCまたはすべてのPSCに対して設定することができる。
【0132】
特定の1つのPSC(例えばPSC 1)に対して“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータを設定するには、PSCマトリックス548に含まれる個々のPSCアイコン547を選択する。選択されたPSC(例えばPSC 1)は、図示してあるように、“選択されたケージ”表示549に自動的に表示される。次に、PSC 1の“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータが、それぞれテキストボックス542と544に入力する。最後に、“1ケージ更新”アイコン534を選択すると、そのPSCのためのパラメータが正式に設定される。すべてのPSCに関して“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータを設定するには、“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータをそれぞれテキストボックス542と544に入力する。次に、“全ケージ更新”アイコン536を選択してすべてのPSC(例えばPSC 1ないし32)に関するパラメータを正式に設定する。
【0133】
“餌摂取”と“ノイズ”の両方に関する複数のデフォルト値をBioDAQシステムに記憶させることができる。デフォルト値は、ソフトウエアのユーザーによって独自に定義される。例えばマウスに関する餌摂取パラメータとノイズ・パラメータは、それぞれ0.5gと0.05gに設定することができ、ラットに関する餌摂取パラメータとノイズ・パラメータは、それぞれ1.0gと0.5gに設定することができる。したがってラットまたはマウスを実験で一般に用いられる場合には、ユーザーがデフォルト入力値を用いて適切な“餌摂取”と“ノイズ”を設定するのは簡単である。デフォルト値のおかげで、ソフトウエア・ツールのユーザーは、それぞれのPSCに関して“餌摂取”と“ノイズ”のテキストボックス542と544に手で入力する必要がなくなる。本発明の発明者は、デフォルト値という特徴によって測定パラメータの設定を簡単にでき、“餌摂取”と“ノイズ”のテキストボックス542と544に不正確な情報が入力される可能性をなくせると考える。デフォルト設定は、ラットとマウスに限定されないことを理解すべきである。
【0134】
“餌摂取”および/または“ノイズ”のデフォルト値をPSCに適用するには、アイコン540またはアイコン538を選択するとよい。その後、“全ケージ更新”アイコン536を選択して“餌摂取”パラメータと“ノイズ”パラメータのデフォルト値をすべてのPSCに適用するか、“1ケージ更新”アイコン534を選択して“餌摂取”パラメータと“ノイズ”パラメータのデフォルト値を1つのPSCに適用する。現在記憶されている“餌摂取”パラメータと“ノイズ”パラメータは、測定パラメータ設定GUI 530の“現在のパラメータ”546に示されている。
【0135】
測定パラメータを測定パラメータ設定GUI 530で定義した後、ユーザーは戻るアイコン550を選択して図24に示したネットワーク・ポピュレーションGUI 516に戻る。ユーザーはネットワーク・ポピュレーションGUI 516の“記録開始”アイコン526を選択して実験を開始する。図示していないが、注意喚起メッセージが現われてユーザーに動物用ケージのゲートを開けさせ、動物が餌を食べられるようにする。注意喚起メッセージが認識されると、図26に示した“餌摂取記録”GUI 552が現われる。
【0136】
ここで図26に示した“餌摂取記録”GUI 552を参照する。遠隔ノードに接続された各PSCの餌摂取活動のデータは、PSC活動表示マトリックス554に表示される。PSCマトリックス518と同様、PSC活動表示マトリックス554の各PSCアイコン555は、個々のPSCを表わす。各PSCの餌摂取活動の現在の状態は、図示してあるようにPSCアイコン555に表示される。この実施態様では、BioDAQシステムは、各PSCの餌摂取活動の状態を餌摂取、休息、IBI、オフに表示することができる。そのことが、それぞれPSCアイコン3、1、2、10に表示されている餌摂取、休息、IBI(餌摂取休止期間)、オフというインディケータによって表示されている。
【0137】
“餌摂取”インディケータは、動物が活発に餌を摂取していて食事中であることを意味する。“IBI”インディケータは、食事中だが動物は活発には餌を食べておらず、したがってホッパーの重量は不安定でなくて餌摂取休止期間であることを意味する。“休息”インディケータは、食事中ではなく、動物が活発に餌を食べていないことを意味する。“オフ”インディケータは、PSCが実験に含まれていないことを意味する。これらのインディケータは、区別するため色分けすることができる。
【0138】
それぞれのPSCによって報告される個々の餌摂取は記録され、“餌摂取記録”GUI 552の餌摂取活動表示564に示される。2回の餌摂取が、図26に示した餌摂取活動表示564に示されている。1回ごとの餌摂取が、餌摂取活動表示564の1つの行に沿って表示される。表示564の個々の列を参照すると、PSCの番号が餌摂取活動表示564の“ケージ”の列に表示される。1回ごとの餌摂取で消費される餌の合計量は、“食事”の列に表示される。それぞれの餌摂取が始まる前にホッパーに収容されている餌の初期重量は、“初期重量”の列に表示される。1回ごとの餌摂取の継続時間は、“継続時間”の列に表示される。最後に、1回ごとの餌摂取の時刻と日付は、それぞれ“時刻”と“日付”の列に表示される。
【0139】
餌摂取のデータを記録して表示することに加え、環境条件が“餌摂取記録”GUI 552に記録されて表示される。特に、“餌摂取記録”GUI 552の表示ボックス558に温度が示され、表示ボックス560に湿度が示され、表示ボックス562に光のレベル(割合として記録され、表示される)が示され、表示ボックス556に記録時のおおまかな時刻と日付が示される。
【0140】
図示していないが、BioDAQソフトウエアは、実験データを、スプレッドシートを生成させることのできる任意のプログラム(例えばマイクロソフト社のエクセル(登録商標))にアップロードすることができる。“餌摂取記録”GUI 552の“.xlsファイル書き込み”アイコン568を選択するとスプレッドシートが自動的に生成する。実験記録に関係するあらゆる観察事項、メモ事項、コメントを記録するため、コメント・テキスト・ボックス570が設けられている。テキスト・ボックス570に入力されたコメントは、実験記録とともに記憶される。
【0141】
“ストップ”アイコン566を選択すると、実験の記録作業が停止する。実験が停止すると、システムは図23の“開始”スクリーンGUI 500に戻る。
【0142】
BioDAQソフトウエア・ツールは、各ロード・セルの精度を向上させるため較正を行なう。より詳細には、各ロード・セルを較正するためにユーザーが“餌摂取記録”GUI 552の“較正”アイコン572を選択すると、図27に示した“セル較正”GUI 590が現われる。
【0143】
ここで図27を参照する。1つのPSCのロード・セルを較正するため、PSCマトリックス594の個々のPSCアイコン592を選択する。図27に示した例では、PSC 1のロード・セルを較正のために選択する。選択されたPSCは、図示してあるように“選択されたケージ”表示596に自動的に表示される。その後、実際には、ユーザーが既知の重量(例えば10g)をPSC 1の餌ホッパーに入れる。既知の重量(例えば10g)は、“最小グラム数”テキスト・ボックス600に入力する。その後ユーザーは、“最小値更新”アイコン602を選択する。“平均更新”インディケータ608が色を変化させたりメッセージを表示したりした後(例えば図27に示してある“Y”)、ユーザーは、PSC 1のホッパーにある第1の既知の重量(例えば10g)を第2の既知の重量(例えば300g)で置き換える。次にユーザーは、“最大値更新”アイコン606を選択する。“平均更新”インディケータ608が色を変化させたりメッセージを表示したりした後(例えば図27に示してある“Y”)、ロード・セルが較正される。ロード・セルの現在のパラメータ(例えば2つの既知の重量に対応するロード・セルの電圧)は、“セル較正”GUI 590の現在のパラメータ区画610に表示される。入力が不適切だったり較正の範囲外だったりした場合のために“デフォルトにリセット”アイコン612が設けられている。“デフォルトにリセット”アイコン612を選択すると、ロード・セルはそのデフォルト較正値に戻る。さらに、処理中の較正作業をキャンセルするために“キャンセル”アイコン614が設けられている。上記の一連のステップを実施することで、“セル較正”GUI 590において任意の数のロード・セルを較正することができる。
【0144】
BioDAQソフトウエア・ツールにより、ユーザーが重量測定(読取値とも呼ぶ)をリアル-タイムで能動的かつ視覚的に観察できるようにして測定値を評価することもできる。あとで説明するように、測定値を評価するというこの特徴をシステムのトラブル-シューティング・ツールとして利用することができる。
【0145】
図26に戻ると、“バージョン”アイコン557を選択することにより、図28に示した“測定値評価”GUI 616が現われる。各PSCユニットに関係するリアル-タイムの重量測定値を評価するため、PSCマトリックス618の個々のPSCアイコン620がユーザーによって選択される。図28に示した例では、“選択されたケージ”表示ボックス619に示されているように、PSC 7が選択されている。PSC 7の重量測定結果はグラフ表示622に示され、重量測定のデータの時間変化が表示される。
【0146】
BioDAQシステムのこの実施態様では、選択されたPSCの重量測定の読取値は、ほぼ1秒に1回の割合でBioDAQソフトウエア・ツールに送られる。一般に、BioDAQは、連続した“n番目”の測定読取値ごとに一連の計算を実行する。連続した“n個”の測定読取値からなる各シリーズは、1つの測定期間を表わす。ユーザーは、1つの数値を“n”読取値テキストボックス630に入力することによって測定期間を定義できる。この実施態様では、図示してあるように、10個という読取値の数が“n”読取値テキストボックス630に入力される。したがって1つの測定読取値が1秒ごとにBioDAQソフトウエア・ツールに送られ、しかも“n”は10に設定されているため、測定期間は10秒であり、BioDAQは10秒ごとに一連の計算を実行する。
【0147】
BioDAQソフトウエア・ツールは、1つの測定期間ごとに所定のアルゴリズムによって3つの量を計算する。まず最初に、このソフトウエア・ツールは、ホッパーの中にある餌の平均重量(グラム数と呼ぶ)を、連続シリーズの最小測定読取値(最小グラム数と呼ぶ)と連続シリーズの最大測定読取値(最大グラム数と呼ぶ)を平均することによって計算する。第2に、この測定アルゴリズムは、連続シリーズの最大測定読取値(すなわち最大グラム数)から連続シリーズの最小測定読取値(すなわち最小グラム数)を差し引くことによって測定範囲(最大範囲と呼ぶ)を計算する。第3の計算は、グラフ表示622を参照して以下に説明する。
【0148】
やはり図28を参照すると、上に説明した最大グラム数と、最小グラム数と、グラム数と、最大範囲の値が、1つの測定期間ごとにグラフ表示622に表示される。“+”記号で表わされる最大グラム数のデータ点と、“×”記号で表わされる最小グラム数のデータ点は、それぞれ、各測定期間における重量測定の最大読取値と最小読取値を表わす。一連のグラム数データは、グラム数曲線624を形成する。グラム数のデータ点は、最大グラム数のデータ点と最小グラム数のデータ点の値の平均値を表わす。グラム数の最新の値が表示ボックス626に示される。“□”記号で表わされる最大範囲のデータ点は、最大グラム数のデータ点(“+”記号)と最小グラム数のデータ点(“×”記号)の差を表わす。最大範囲は、測定の分解能の1つの指標であると考えられる。
【0149】
上述のように、BioDAQソフトウエア・ツールは、1つの測定期間ごとに所定のアルゴリズムによって3つの量を計算する。そのうちの2つの量についてはすでに説明した。BioDAQソフトウエア・ツールによって1つの測定期間ごとに実行される3番目の計算は、平均グラム数と呼ばれる。平均グラム数は、例示したグラフ表示622に表示されるすべてのグラム数データ点の平均値を意味する。この例では、10回の測定期間がグラフ表示622に示してある。したがって平均グラム数曲線632は、10回の測定期間に関するグラム数データ点624の平均値を表わす。
【0150】
食事中曲線628は、読取値が食事中に記録されたか、それとも読取値が非活動状態のときに記録されたかを示す。この実施態様では、食事軸(すなわちグラフの右側に表示される鉛直軸)の1.0ハッシュ・マークに沿って表示される食事中曲線628は、食事中であることを示し、図28に示したように、食事軸の0.0ハッシュ・マークに沿って表示される628は、記録時に食事中ではなかったことを示す。
【0151】
BioDAQソフトウエア・ツールは、最大範囲の計算値を、記憶されている値と連続的に比較する。この実施態様では、3つのPSC食事状態が存在している。すなわち、図26を参照して上に説明した摂食中、IBI、休息である。まず最初に、最大範囲の値が摂食値よりも大きい状態は、特定のPSCに関して食事が開始されている、または食事中であることを示す。したがってBioDAQは、図26に示した対応するPSCアイコン555に“餌摂取”メッセージを表示する。第2に、最大範囲の数値がノイズ値よりも大きいが餌摂取値よりも小さい状態は、特定のPSCに関して食事中であることを示す。したがってBioDAQは、図26に示した対応するPSCアイコン555に“IBI”メッセージを表示する。第3に、最大範囲の数値がノイズ値よりも小さい状態は、食事が終了し、特定のPSCに関して“餌摂取休止期間”(IBI)が終了したことを示す。したがってBioDAQは、図26に示した対応するPSCアイコン555に“休息”メッセージを表示する。
【0152】
測定値を評価するというこの特徴をシステムのトラブル-シューティング・ツールとして利用することができる。すなわち“餌摂取記録”GUI 552により、ユーザーは、各PSCに関し、リアル-タイムの重量測定の読取値を、餌摂取とノイズに関して記憶されている値と容易に比較することができる。
【0153】
図26に戻ると、“餌摂取記録”GUI 552に表示されたPSCアイコン555のうちの任意の1つを選択すると、図29ないし図33に示した“データ・ビューア”GUI 640が現われる。“データ・ビューア”GUI 640は、動物の餌摂取活動の視覚的表示を提供する。図29に示した“データ・ビューア”GUI 6401は、時間と照明状態に関して2つの異なるグループの動物(すなわちグループAとグループB)の平均累積餌摂取習慣をグラフとして示す。例えばグループAは、対照マウスを代表し、グループBは投薬したマウスを代表することができる。比較のためにさまざまな動物の餌摂取習慣を別々に表示することが有用であると考えられる。さらに、分析を目的として動物の1回ごとの餌摂取または累積餌摂取習慣を、照明状態、温度、または他の任意の環境状態に関して表示することも有用であると考えられる。
【0154】
この実施態様では、グループAとグループBの平均累積餌摂取量が約15日間にわたって表示される(すなわち2005年12月14日ないし2005年12月28日)。グループAとグループBの平均累積餌摂取量は、それぞれ曲線642と644によって表わされ、光の状態(すなわち光%)は曲線646によって表わされる。時間はグラフの水平軸に表示される。照明状態(すなわち光%)はグラフの右側の垂直軸に表示される。累積餌摂取量(すなわち累積(g))はグラフの左側の垂直軸に表示される。“餌摂取A表示”アイコン648を選択すると、曲線642が表示される。“餌摂取B表示”アイコン650を選択すると、曲線644が表示される。“光表示”アイコン652を選択すると、曲線646が表示される。さまざまな曲線は、曲線の凡例653に示してあるように、異なる色、影、形状にすることができる。両方のグループに関する15日間の期間にわたる累積餌消費は、それぞれグループAとグループBについて、“最終期間の和”表示ボックス662に表示される。
【0155】
この例では、光%は、一般に、昼になるごとに85%に設定され、夜になるごとに0%に設定される。動物は昼よりも夜により多くの餌を消費することが観察できる。さらに、グループAは、平均してグループBよりも15日間の期間により多くの餌を消費した。
【0156】
図29に示した実施態様では、32個のPSCのうちの8個からの餌摂取データが例示した“データ・ビューア”GUI 6401に表示される。作動している8個のPSCは、グループAとグループBのいずれか、またはそのメンバーと関係している。1匹以上の動物を各PSCと関係づけられることを理解されたい。各PSCは、“データ・ビューア”GUI 6401のPSCマトリックス654の2つの独立したPSCアイコン656によって表わされる。PSCアイコン656の上の行はグループAに対応し、PSCアイコン656の下の行はグループBに対応する。上の行で1つのPSCアイコン656を選択することは、そのPSCをグループAと関係づけることを意味し、下の行で1つのPSCアイコン656を選択することは、そのPSCをグループBと関係づけることを意味する。グループの名称(すなわちAまたはB)は、図示してあるように個々のPSCアイコン上に表示される。この例では、PSC 1ないし4がグループAのメンバーであり、PSC 9ないし12がグループBのメンバーである。図示していないが、1つのPSCを2つ以上のグループと関係づけることができる。各グループに関係づけられたPSCの合計数は、“データ・ビューア”GUI 6401の表示ボックス658と660に表示される。表示ボックス658の隣にある“NA”という記号はグループAに関係づけられたPSCの合計数を表わし、表示ボックス660の隣にある“NB”という記号はグループBに関係づけられたPSCの合計数を表わす。
【0157】
BioDAQソフトウエア・ツールは、グループAとグループB両方のメンバーの平均餌消費量を計算する。グループAの4匹のメンバーの平均累積餌消費量は曲線642によって表わされ、グループBの4匹のメンバーの平均累積餌消費量は曲線644によって表わされる。グループに多数の動物が含まれてい(てグラフ上に曲線が多くあ)るとユーザーがグラフを正確に解釈することが難しくなる可能性があるが、そのような場合にこの特徴が有用であると考えられる。
【0158】
ここで図30に示した“データ・ビューア”GUI 6402の例を参照する。“ケージ表示”アイコン670を選択することで、グループAとグループBの個々のメンバーの累積餌消費量が表示される。グループAの4本の別々の曲線は、一連の曲線672によって示され、グループBの4本の別々の曲線は、一連の曲線674によって示される。この特徴は、1つのPSCに関係する1匹の動物または動物群の餌摂取習慣を見るのに有用である可能性がある。
【0159】
ここで図31に示した“データ・ビューア”GUI 6403の例を参照すると、グループBの累積餌消費と個々の餌摂取量が時間と照明条件に関して示してある。“餌摂取B表示”アイコン678を選択すると、“×”記号で示される個々の餌摂取データ点が、グラフ全体に散らばって表示される。この例では、グループBは、PSCマトリックス654に示してあるように、1つのPSCだけ(すなわちPSC 9)を含んでいる。
【0160】
ここで図32に示した“データ・ビューア”GUI 6404の例を参照すると、グループBの累積餌消費量を時間と照明条件に関して示してある。しかし“データ・ビューア”GUI 6404のこの例では、累積餌消費測定は、約3日間の期間(すなわち2005年12月17日ないし2005年12月20日)において光%の変化があるごとにリセットされる。累積餌消費測定曲線は曲線692によって示してあり、光%曲線は曲線646によって示してある。この例では、累積消費曲線692は、光%曲線646が変化したときにゼロにリセットされる。したがって2005年12月17日ないし2005年12月20日のほぼ7時00分と19時00分の時刻にゼロにリセットされる。この特徴は、変化する環境条件に関して1匹の動物または動物群の累積餌消費を分析するのに特に有用である。分析結果から、動物の習慣と健康に対する知見が得られる可能性がある。
【0161】
リセットするという特徴は、図32に示したリセット・ドロップ・ダウン・メニュー686を通じて制御される。図示してあるように、リセット・ドロップ・ダウン・ボックス686から“光変更”選択肢を選択すると、上述のように光の状態が変化するごとに累積餌消費測定がリセットされる。図示していないが、累積餌消費測定は、光をオンまたはオフにしたときにドロップ・ダウン・メニュー686のこの選択肢を選択することによってリセットできる。さらに、“繰り返し時間”ドロップ・ダウン・メニュー688の特定の期間を選択すると、特定の期間が経過すると累積餌消費測定がリセットされ、“リセットの時刻”ドロップ・ダウン・メニュー690の時刻を選択すると、特定の時刻に累積餌消費測定がリセットされる。
【0162】
ここで図33に示した“データ・ビューア”GUI 6405の例を参照すると、グループBの累積餌消費量を時間と温度に関して示してある。“温度表示”アイコン694を選択すると、“データ・ビューア”GUI 6405のグラフ上に温度曲線696が表示される。“温度表示”ツールは、餌消費を餌摂取環境の温度に関して分析するのに有効である可能性がある。ここには光と温度のデータだけを示して説明してあるが、他の環境パラメータ(例えば湿度)を“データ・ビューア”GUIに含めることができる。
【0163】
BioDAQソフトウエアは、PSCに餌が装填されているか再装填されている途中であるときや、実験室のスタッフがPSCを較正するときなどに間違った餌摂取を無視する構成にすることができる。このソフトウエア・ツールのこの特徴は、餌摂取フィルタと呼ぶことができる。特に、このソフトウエア・ツールは、“最大摂食量”テキスト・ボックス680に記録された閾値を超えるあらゆる餌摂取を無視する。同様に、このソフトウエア・ツールは、“最少摂食量”テキスト・ボックス682に記録された閾値よりも少ないあらゆる餌摂取を無視する。
【0164】
餌摂取フィルタは、図33に示したドロップ・ダウン・メニュー684のさまざまな設定に関係する。図示したようにドロップ・ダウン・メニュー684から“含める”を選択することにより、餌摂取フィルタは、それぞれ最大餌摂取閾値を超える餌摂取と最少餌摂取閾値よりも少ない餌摂取を無視する。ドロップ・ダウン・メニュー684から“除外する”を選択することにより、餌摂取フィルタは、それぞれそれぞれ最大餌摂取閾値を超える餌摂取と最少餌摂取閾値よりも少ない餌摂取だけを含める。“除外する”という特徴は、装填イベント、再装填イベント、較正イベントを追跡するのに役立つ可能性がある。最後に、ドロップ・ダウン・メニュー684から“フィルタなし”を選択することにより餌摂取フィルタが機能しなくなるため、データ・ビューアは記録されたすべての餌摂取を表示する。図29ないし図33に示したデータ・ビューアGUIの例では、餌摂取フィルタが“含める”に設定される。
【0165】
ここですべての図面を参照すると、実験動物の摂食行動の測定と評価は、動物の行動や代謝の研究と、病気や治療的介入に起因する行動や代謝の乱れの研究にとって重要であることがわかる。動物の健康状態を遠くからモニタすることによって多くの利点が得られるが、摂食行動を評価している間に人との相互作用があると、動物をケージから取り出したり、動物に餌を与える部屋に入れたりすることによって動物の本体の行動が乱されることでエラーが入り込む可能性がある。
【0166】
この明細書に記載した給餌とモニタを行なうシステムは、実験動物の摂食習慣を評価するための既存の方法およびシステムと比べていくつかの利点がある。本発明の動物給餌システムにより、ユーザーは、動物に影響を与えることなく摂食行動を測定し、評価することができる。例示した動物給餌システムは完全に自動化されているため、実験動物の摂食行動を測定し、評価するのに必要とされるマンパワーがより少ない。餌を与えて餌消費を測定する行為は、例示した給餌とモニタのためのシステムのおかげでより一貫性があってより再現性が大きくもなる。
【0167】
動物の健康と安全に関し、例示した給餌システムは、動物に餌が適切に与えられていないとき、問題を突き止めるのに人間に頼るのではなくユーザーに警告するように変えることができる。給餌システムがユーザーに給餌または健康に関する問題を警告できるという考え方は、健康な動物は一般に所定の期間に決まった量の餌を食べるというアイディアに基づいている。動物は、消費する水とほぼ同じ重量の餌を食べる。したがって動物が24時間の期間に“x”グラムの餌を食べるならば、一般に同じ期間にほぼ“x”グラムの水を飲むことになる。動物がなぜ食べていないかを説明できる多数の理由がある。それは例えば、ケージのゲートが閉まっている、餌がない、水がない、動物が餌またはホッパーに慣れていない、実験プロトコルのために動物が空腹でない、動物が死んだなどの理由である。餌摂取を遠隔モニタすると、ユーザーは、餌摂取、または水摂取と餌摂取の組み合わせだけに基づいて動物の健康を推測することができる。
【0168】
例示したモニタ・システムにより、餌摂取行動の記録と統合のための単一の集中モニタ・システムが与えられる。1匹の動物の生涯を通じた摂食歴をこの集中システムに記録することができる。1匹の動物の生涯を通じた摂食習慣と健康に関する知見は、さまざまな理由でその動物を特に有用および/または貴重なものにする。
【0169】
ここでは本発明を特別な実施態様を参照して説明してあるが、本発明がここに示した詳細な事柄に限定されることは想定していない。そうではなく、請求項と同等な範囲内で、本発明から逸脱することなく、細部に関してさまざまな変更を施すことができる。
【0170】
例えば給餌機構には、場合によっては総合行動設備(例えば押し棒、光、または他の刺激)が設けられる。また、給餌機構には、場合によっては周囲パラメータ(例えばケージの中の温度、湿度、光、他のパラメータ)の総合的環境モニタ装置が設けられる。さらに、給餌機構には、場合によっては、独立した総合活動モニタ、または餌摂取ロード・セルのデータ-マイニングによる総合活動モニタが設けられる。
【0171】
それに加え、そして本発明のさらに別の特徴により、本発明のシステムは、このシステムによって回収および/または記憶されたデータに基づいてユーザーが動物を容易に分類できるようにする構成にできる。例えば一実施態様によれば、このシステムは、数日間のデータに基づいてユーザーが動物を容易に分類できるようにする構成にできる。例えば一応用例では、限られたデータに基づいて動物を分類できるため、動物を“本来的に肥満”であるか“本来は肥満でない”に分類することが可能になる。
【0172】
例えば遠隔ノードは場合によってはなくすことができ、データ回収コンピュータは、場合によっては、ネットワーク、有線接続、無線接続を通じてひずみゲージ・セルと直接通信を行なう。さらに、別の実施態様には、単一のデータ回収コンピュータとともに用いる複数の遠隔ノードが含まれる。
【0173】
本発明の好ましい実施態様を示して説明してきたが、そのような実施態様は単なる例示として提示されていることが理解されよう。当業者は、本発明の精神を逸脱することなく、多数の変形、変更、置換を思いつくであろう。したがって添付の請求項は、本発明の精神と範囲に入るそのようなあらゆる変形をカバーする。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1A】本発明の1つの特徴による動物用ケージの一実施態様の部分端面図である。
【図1B】図1Aに示した動物用ケージの一部を断面図にした側面図である。
【図2A】本発明の1つの特徴による動物用ケージで使用するモールディング要素の一実施態様の正面図である。
【図2B】図2Aに示したモールディング要素の側面図である。
【図2C】図2Aに示したモールディング要素の立面図である。
【図3A】本発明の1つの特徴によるアダプタ組立体の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。
【図3B】図3Aに示したアダプタ組立体の反対側からの側方断面図である。
【図3C】図3Aに示したアダプタ組立体の後方からの部分断面図であり、別の特徴を明らかにするためアダプタ組立体のホッパー組立体が取り除かれている。
【図3D】図3Aに示したアダプタ組立体の上方からの部分断面図であり、別の特徴を明らかにするためアダプタ組立体のホッパー組立体と他の要素が取り除かれている。
【図3E】図3Aに示したアダプタ組立体の下方からの部分断面図であり、別の特徴を明らかにするためアダプタ組立体のプレート要素が取り除かれている。
【図3F】図3Eに示したアダプタ組立体の一部に関する拡大底面図である。
【図3G】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー要素の一実施態様の側方からと正面からの断面図である。
【図3H】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー要素の別の一実施態様の側方からと正面からの断面図である。
【図3I】本発明の1つの特徴による動物用ケージとアダプタ組立体の一実施態様の部分端面図である。
【図3J】図3Iに示した動物用ケージとアダプタ組立体の一部を断面図にした側面図である。
【図3K】本発明の別の特徴によるアダプタ組立体の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。
【図4A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー組立体の一実施態様の側方断面図である。
【図4B】図4Aに示したホッパー組立体の正面図である。
【図4C】図4Aに示したホッパー組立体の底面図である。
【図5A】図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の一実施態様の側方断面図である。
【図5B】図5Aに示したスクリーン要素の正面図である。
【図5C】図5Aに示したスクリーン要素の上面図である。
【図5D】図5Aに示したスクリーン要素の拡大側方断面図である。
【図6】図5Aに示したスクリーン要素とともに使用するメッシュ要素の一実施態様の正面図である。
【図7】図5Aに示したスクリーン要素とともに使用するメッシュ要素の別の一実施態様の正面図である。
【図8A】図4Aに示したホッパー組立体で使用する支持要素の側面図である。
【図8B】図8Aに示した支持要素の底面図である。
【図9A】図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の別の一実施態様の側方断面図である。
【図9B】図9Aに示したスクリーン要素の正面図である。
【図9C】図9Aに示したスクリーン要素の上面図である。
【図10A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するアダプタ要素の一部を断面図にした正面図である。
【図10B】図10Aに示したアダプタ要素の側面図である。
【図10C】図10Aに示したアダプタ要素の反対側からの側方断面図である。
【図10D】図10Aに示したアダプタ要素の一部を断面図にした上面図である。
【図10E】図10Aに示したアダプタ要素の底面図である。
【図11A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するフック要素の一実施態様の側面図である。
【図11B】図11Aに示したフック要素の上面図である。
【図11C】図11Aに示したフック要素の正面図である。
【図12】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するクリップ要素の一実施態様の側面図である。
【図13A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するゲート要素の一実施態様の正面図である。
【図13B】図13Aに示したゲート要素の側面図である。
【図13C】図13Aに示したゲート要素の端面図である。
【図14A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するブラケット要素の一実施態様の正面図である。
【図14B】図14Aに示したブラケット要素の側方断面図である。
【図14C】図14Aに示したブラケット要素の上面図である。
【図15A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。
【図15B】図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の別の一実施態様の端面図である。
【図15C】図15Bに示した連結要素の側方断面図である。
【図16】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するカム要素の一実施態様の側方断面図である。
【図17A】図1Aに示した動物用ケージで使用するブロッカー組立体の一実施態様の正面図である。
【図17B】図17Aに示したブロッカー組立体の側方断面図である。
【図18】アダプタ組立体の別の一実施態様の反対側からの側方断面図である。
【図19A】図18に示したホッパー組立体で使用するブラケットの側面図である。
【図19B】図19Aに示したブラケットの上面図である。
【図20A】図18に示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の側面図である。
【図20B】図20Aに示したスクリーン要素の正面図である。
【図21】水ホッパー組立体を含むアダプタ組立体の別の一実施態様の反対側からの側方断面図である。
【図22A】図21に示したアダプタ組立体で使用する水ホッパー組立体の側方断面図である。
【図22B】図22に示した水ホッパー組立体の上面図である。
【図22C】図22に示した水ホッパー組立体の透視図である。
【図23】BioDAQソフトウエア・ツールのグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)の一例である“スタートアップ”の1つのスクリーン図である。
【図24】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例であるネットワーク・ポピュレーションの1つのスクリーン図である。
【図25】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例である測定パラメータ設定の1つのスクリーン図である。
【図26】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例である餌摂取記録の1つのスクリーン図である。
【図27】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例であるセル較正の1つのスクリーン図である。
【図28】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例である測定値評価の1つのスクリーン図である。
【図29】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例であるデータ・ビューアの1つのスクリーン図であり、2つのグループの実験動物の平均累積餌消費を室内照明と時間の関数として示してある。
【図30】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、実験に含まれる各実験動物の累積餌消費量を室内照明と時間の関数として示してある。
【図31】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、1匹の実験動物の累積餌消費量と個別の餌摂取量を室内照明と時間の関数として示してある。
【図32】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、1匹の実験動物の累積餌消費量を室内照明と時間の関数として示してある。累積餌消費量の測定は、室内照明を変えるごとにリセットする。
【図33】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、1匹の実験動物の累積餌消費量を室内照明と時間の関数として示してある。
【図34】動物の摂食習慣をモニタするシステムの一例の概略図である。
【図35】動物の摂食習慣をモニタするシステムの別の一例の概略図である。
【図36】動物の摂食習慣をモニタするシステムのさらに別の一例の概略図である。
【背景技術】
【0001】
実験動物で測定したたいていの生物学的な値は、餌摂取が定性的、定量的に変動するのに応じて変化する。したがって餌の品質と量を評価して変化させる方法が、あらゆる生物学研究者、その中でも特に栄養生物学者にとって重要である。例えば実験動物の摂食行動を測定して評価することが、動物の行動や代謝の研究と、病気や治療的介入に起因する行動や代謝の乱れの研究には重要である。
【0002】
しかし行動を評価しているときに人間が存在していると、動物の自然な行動を乱すことによって評価に誤りが入り込む可能性がある。したがって実験動物の自然な行動をより乱さないように動物に餌を与えてモニタするためのいろいろなシステムが提案されてきた。
【0003】
例えばUlmanらに付与されたアメリカ合衆国特許第6,748,898号(その開示内容は、参考としてその全体がこの明細書に組み込まれているものとする)には、動物給餌装置と、給餌装置のマウントと、給餌装置のモニタと、給餌装置のモニタ・ネットワークが開示されている。アメリカ合衆国特許第6,748,898号に開示されているシステムは、特に、(1)餌を自由に摂取できる状態にされた動物の自然な餌摂取を制限したり妨げたりしないこぼれ防止餌ホッパーと;(2)このホッパーの重量を連続的にモニタし、各食事の時刻、所要時間、量を検出して記録するハードウエアおよびソフトウエア・システムと;(3)時刻と量の一方または両方によって餌の摂取を制限するゲート・システムと;(4)1匹、数十匹、数百匹の動物に対して同時にそうするための手段とを備えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アメリカ合衆国特許第6,748,898号に開示されているシステムは従来のシステムよりも顕著に改善されているが、動物による餌の摂取をモニタするための改良されたシステムが相変わらず必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴によれば、餌の断片を収容するホッパーを備える動物給餌装置が提供される。ホッパーは、開口部と、このホッパーに対して移動可能であって、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動できるゲートとを備えている。例えばゲートが動くと作動するスイッチが接続されている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:動物によるスイッチの作動が、その動物がホッパーに収容されている餌を食べたいという欲求を示す;スイッチが、動物がゲートを押すか引くかすると作動する;給餌装置は、動物がゲートに接触してスイッチを作動させた後にそのゲートが開く構成にされている;給餌装置は、動物がゲートにあらかじめ決めた回数接触した後にそのゲートが開く構成である;カムがゲートに接続され、アームがスイッチに接続され、そのカムがそのアームに対して移動する;スイッチが、振動センサー、加速度計、変位スイッチ、光ビーム・スイッチ、他の検出器のいずれかである。
【0006】
本発明の別の特徴によれば、動物給餌装置は、ホッパーに接続されていてその内部に餌を保持させ、動物がその餌にアクセスできるようにするスクリーンを備えている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:スクリーンの少なくとも一部がホッパーの中にあり、そのホッパーの中に餌が収容されていて、動物がその餌にアクセスできるようにされている;メッシュがスクリーンの表面によって支持されている;メッシュはスクリーンに取外し可能に取り付けられているため、取り外したり交換したりできる;メッシュは少なくとも1本のワイヤで形成されている;ワイヤの細長い部分が実質的に水平な方向に延びている;ワイヤの細長い部分が実質的に鉛直な方向に延びている;ワイヤは丸くされているか、円形断面を有する;スクリーンは金属製である;スクリーンは単一の部材である;スクリーンは、このスクリーンとホッパーの表面の相互接続を容易にするための少なくとも1つのフランジを備える;スクリーンは、互いに向かい合ったヘッダに接続された複数の成形ワイヤを備える;互いに向かい合ったヘッダが、上記ホッパーに留められるか引っ掛かる構成である;スクリーンは、収容されている餌に動物がホッパーの上部、側部、底部のうちの少なくとも1つからアクセスできる形状である;スクリーンは、動物の鼻口部よりも大きいが餌のペレットよりも小さい開口部を有する。
【0007】
本発明のさらに別の特徴によれば、動物給餌装置は、液体を収容するためホッパーによって規定されているリザーバを備えている。バルブが、リザーバから液体を選択的に流すことのできる構成にされている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:ホッパーに収容されている液体の重量を伝える手段を備える;リザーバの上端が大気に向かって開放されている;リザーバは、ホッパーの本体部によって規定されている;バルブがホッパーの本体部に接続されている;バルブは、バルブ・ハウジングと、このバルブ・ハウジングに対して移動可能に取り付けられていてリザーバから液体を選択的に流すことのできる乳首状部材とを備えている;乳首状部材にバネが取り付けられている;シールが、乳首状部材とバルブ・ハウジングの間を選択的に封止する位置にある;シールは乳首状部材とバルブ・ハウジングの界面を閉じてバルブを閉鎖状態にする;実験動物の頭部の少なくとも一部が通り抜けられるよう、ホッパーの本体部に凹部が設けられている;凹部は、リザーバからの消費されない液体を捕獲する傾斜壁を備えている。
【0008】
本発明のさらに別の特徴によれば、動物給餌装置は、ホッパーに対して移動可能であって、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動でき、その開放位置と閉鎖位置の間を枢軸回転できるゲートを備えている。動物給餌装置は、場合によっては、以下の1つ以上の特徴を備えている:カムがゲートに接続されている;アームがサーボに接続されていて、そのアームに対してカムが移動する;カムは、ゲートの閉鎖位置において機械仕掛けでアームに接している;サーボは、ゲートの1つ以上の位置において作動を停止する構成である;サーボが作動していないときにゲートとサーボが1つ以上の位置を維持する構成である;ゲートは、あらかじめ選択した位置に捕らえられる構成である;カムまたはゲートに表面が付随していてそのゲートをあらかじめ選択した位置に捕らえる;ゲートは、重力を受けて望む位置に向かう;ゲートがシャフトのまわりを枢軸回転することができ、開放位置と閉鎖位置の間で回転する。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、動物の摂食活動を通知する方法が提供される。この方法は、個別の摂食量に対応するデータを記憶するステップと、その個別の摂食量を表示するステップを含んでいる。この方法は、場合によっては、以下の1つ以上のステップを含んでいる:グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)で個別の摂食量を表示する操作を含む表示ステップ;累積摂食量に対応するデータを記憶するステップ;少なくとも1つのグループの動物に関して累積摂食量のデータを記憶するステップ(ただし少なくとも1匹の動物が、1つのグループの動物のメンバーである);1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を計算するステップ;1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を表示するステップ;環境条件が変化したときに累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップ;あらかじめ決めた期間が経過した後に累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップ;累積摂食量を表示するステップ;1回ごとの摂食量と、環境条件の時間変化を表示するステップ;個別の摂食量のデータにフィルタをかけて所定のデータ範囲にするステップ;所定のデータ範囲にある個別の摂食量を表示するステップ;所定のデータ範囲から外れた個別の摂食量を表示するステップ。
【0010】
本発明のさらに別の特徴によれば、動物の摂食活動をモニタする方法が提供される。この方法は、個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップと、その遠隔位置でその個別の摂食量を表示するステップを含んでいる。この方法は、場合によっては、以下の1つ以上のステップを含んでいる:複数の動物の個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップ;ネットワークを通じてデータを通信するステップ。
【0011】
本発明の別の特徴によれば、モニタ方法は、データを収集し、そのデータを離れた場所で受信する操作を含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読んだときに最もよく理解される。一般的な慣習に従い、図面のさまざまな要素は実際のスケール通りではないことを強調しておく。逆に、さまざまな要素のサイズは、図面を見やすくするため、自由に拡大したり縮小したりしてある。図面には、この明細書の末尾に示した図が含まれる。
【0013】
本発明は、説明を目的として選択した本発明の実施態様を示す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読んだときに最もよく理解される。これから本発明を図面を参照して説明する。その図面は、本発明を制限するのではなく説明を目的としており、本発明の説明を容易にするために含まれている。
【0014】
一般に、本発明の特徴による摂食行動モニタは集積化された一連の機械的要素と電気的要素からなり、これらの要素によってヒトとの相互作用が実質的にない状態で摂食行動が定量的に記録される。このシステムは、自分の住処となるケージにいる動物に提示される餌供給源の重量をモニタする。このシステムは、重量測定値の安定性を測定することによって動物と餌の相互作用を検出する。動物が餌を得るために装置と相互作用すると、摂食行動が検出される。
【0015】
正確なひずみゲージが餌装置との間の機械的な連続的インターフェイスになる。重量の履歴を得るため重量が定期的に(ほぼ1秒間に1回)サンプリングされる。モニタは、この履歴を数学的に評価することにより、動物の摂食行動を日付/時刻/重量/継続時間のデータ流として例えば1秒の分解能で全期間を通じて記録することができる。モニタは、急性病または慢性病を研究するための研究動物の収容に用いる認可された動物の部屋または実験室の中に設置することができる。モニタは、設備環境全体にあまり影響を与えないように設計される。モニタは、一般に部屋の中に収容した集団を毎日維持するのに用いる通常の方法に耐えることができる。餌摂取モニタ装置の多くの要素はステンレス鋼とポリカーボネートで構成されており、他の材料も考えられるが、典型的な動物管理装置の洗浄に用いるのと同じ方法で清掃することができる。
【0016】
この明細書では、“餌摂取期間”という用語は、動物が実際に餌をホッパーから取り出している期間を意味し;“餌摂取イベントまたは食事”という用語は、動物が能動的に食べている期間を意味し、一般に、短い休止期間、噛んでいる期間などを挟んだ1つ以上の餌摂取期間で構成され;“餌摂取休止期間”(IBI)という用語は、1つの餌摂取イベントが終わるまでの時間を意味し;“トリップ”という用語は、動物が餌を食べているという活動レベルを意味し;“ノイズ”という用語は、ホッパーの重量測定値が不安定であるという活動レベルを意味し、食事の開始時または終了時の重量測定値を決めるのに用いられる。
【0017】
図面全体を参照すると、本発明の1つの特徴により、動物による餌の摂取をモニタするシステムが提供される。図1Aは、本発明の1つの特徴による動物用ケージの一実施態様の部分端面図であり、図1Bは、図1Aに示した動物用ケージの一部を断面図にした側面図である。
【0018】
一実施態様によれば、モールディング(例えばステンレス鋼チャネル)がケージの開口部のまわりを覆って動物がケージの材料(場合によってはプラスチック)を噛めないようにされていて、アダプタ組立体のための取付面として機能する。モールディングは、ケージのサイズと元の状態を顕著には変えず、動物が外をはっきりと見ることも妨げない。したがってモールディングは、接続機構のための安全な取付面を提供するとともに、ケージの縁部を覆って噛みつけないようにされている。また、モールディングを用いて多数の機構(例えば餌のモニタ機構、穴明け、手動記録機構、他の機構)が容易に交換される。また、モールディングによっていろいろな機構を素早く交換することが容易になる。
【0019】
特に図1Aと図1Bに示した実施態様を参照すると、本発明の1つの特徴による動物用ケージ組立体は、全体を参照番号10で表わしてある。動物用ケージ組立体10は、動物用ケージ12とモールディング14を備えている。一般に、動物用ケージ12は、動物(例えば実験マウスまたは実験ラット)のための囲いを提供する。動物用ケージ12は、場合によってはプラスチック材料(透明または半透明であることが好ましい)で形成されるが、いろいろなプラスチック材料および非プラスチック材料のうちの任意のもので形成することもできる。動物用ケージの例は、現在、アレンタウン・ケージング・イクイップメント社(ルート526、P.O.ボックス698、アレンタウン、ニュージャージー州08501-0698)から入手でき、このようなケージは、Coiroらに付与されたアメリカ合衆国特許第5,894,816号に開示されている(その開示内容は、参考としてその全体がこの明細書に組み込まれているものとする)。
【0020】
動物用ケージ12には側壁16と底部18があり、それらが合わさって内部20を規定している。動物用ケージ12の少なくとも1つの側壁16に開口部22が設けられている。開口部22の目的については、あとでより詳細に説明する。
【0021】
すでに述べたように、動物用ケージ12の側壁16に開口部22によって規定される縁部の表面を保護するためモールディング14が設けられている。モールディング14は、開口部22の領域において動物用ケージ12の側壁16を支持する機能も有する。あとでより詳しく説明するが、モールディング14は取付面を提供し、この取付面によって動物用ケージ組立体10にさまざまな要素、組立体、機構を取り付けることができる。
【0022】
モールディング14は、複数のフランジ24A、24B、24C、24Dを有する。また、モールディング14は、周縁部26も有する。図1Bから最もよくわかるように、モールディング14の周縁部26は、開口部22の領域に位置して動物用ケージ12の側壁16の内面に接しており、フランジ24Aないし24Dが側壁16の内面から開口部22を通過して外側に向かって側壁16の外面を超えて延びている。フランジ24Aないし24Dは、その後、開口部22の中心から離れる方向に曲げられるか変形され、動物用ケージ12の側壁16の外面に接した状態になる。開口部22に対してこのような位置にあるモールディング14は、そうなっていることによってフレーム・モールディングまたは縁部モールディングを形成し、フランジ24Aないし24Dの露出している面は露出したままで、動物用ケージ12の側壁16に開口部22によって規定される縁部を保護している。言い換えるならば、モールディング14のフランジ24Aないし24Dと周縁部26は、側壁16に開口部22によって規定される縁部の表面を実質的に覆っている。
【0023】
モールディング14は、動物用ケージ12と組み合わされて動物用ケージ組立体10を形成すると、少なくとも3つの機能を有する。第1に、モールディング14は、(周縁部26とフランジ24Aないし24Dによって)動物用ケージ組立体10の中にいる動物が、動物用ケージ12の開口部22の領域に噛みついたり、その領域を噛み切ったり、その領域を引っ掻いたり、その領域にそれ以外の損傷を与えたりするのを防止する。第2に、モールディング14は、開口部22の領域における動物用ケージ12の側壁16の構造的支持体または補強部を提供する。第3に、モールディング14は、(やはり周縁部26とフランジ24Aないし24Dによって)1つ以上の取付面を提供し、この取付面によって動物用ケージ12の開口部22の領域に要素、組立体、機構を取り付けることができる。モールディング14の他の機能は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0024】
図2A、図2B、図2Cは、本発明の1つの特徴による動物用ケージで使用するフレーム要素の一実施態様のそれぞれ正面図、側面図、上面図である。このフレーム要素またはモールディング要素は、ケージの開口部の周囲に取り付けられるグロメットとして機能する。このモールディング要素は、すでに述べた機能(例えば、ケージに取り付けるさまざまな部材を受け入れる固定取付面を提供したり、プラスチックは動物が噛み切ることができないため、プラスチックで縁部を覆ったりすること)を持つことに加え、保管と清掃のためにケージを通常通り積み重ねることができるよう、ケージに対して実質的に平坦にされている。また、2つ以上のモールディング要素をケージに取り付けることができる。
【0025】
図2A、図2B、図2Cに示した実施態様を参照すると、モールディング14は、動物用ケージ12と組み合わされて動物用ケージ組立体10を形成する前の状態が示してある。図2Aないし図2Cに示したモールディング14は図1Aと図1Bに示したものと異なっているが、図1A、図1B、図2A、図2B、図2Cでは同じ参照番号を用いてモールディング14の特徴を示してある。
【0026】
図2Aに示してあるように、モールディング14の周縁部26は、フランジ24Aないし24Dによって補強された内部開口部28を規定している。図2Bと図2Cからわかるように、フランジ24Aないし4Dは、モールディング14の周縁部26が存在する平面に対して実質的に垂直な方向に延びている。フランジ24Aないし24Dの方向は、最初に取り付けられた方向である(すなわち、モールディング14を動物用ケージ12に取り付けて動物用ケージ組立体10を形成するためにフランジ24Aないし24Dを径方向外側に向かって曲げたり折ったりする前の方向)。
【0027】
図1Aと図1Bを図2Aないし図2Cと比較するとわかるように、(周縁部26とフランジ24Aないし24Dによって規定される)モールディング14の形状は、動物用ケージの側壁(または他の任意の壁部)に形成された開口部の実質的にあらゆる形状に合うように選択できる。言い換えるならば、モールディングは、任意の形状の開口部に合わせることができる。4辺あるモールディング14を図1Aないし図2Cに示してあるが、モールディング14の辺をより少数またはより多数にすること、モールディング14により少数またはより多数のフランジを設けることができる。さらに、モールディングの形状は、アーチ状の幾何学的形状(例えば縁、楕円、長円、または他の任意の構成)にすることができる。
【0028】
モールディング14の周縁部26の形状をどう選択するにせよ、開口部22の位置で動物用ケージ12にモールディングを取り付けるため、1つ以上のフランジを周縁部に沿ったさまざまな位置に配置することができる。また、モールディングの周縁部は、開口部28のように囲まれた開口部を規定している必要はなく、モールディングの予定する用途と動物用ケージ12における開口部(例えば開口部22)の位置に応じ、一端またはそれ以外の部分が開いていてもよい。
【0029】
多彩な材料をモールディング14のために選択できるが、可鍛性のある金属材料が好ましい。一実施態様によれば、モールディング14はステンレス鋼材料(例えば304ステンレス鋼)で形成することができる。あるいはモールディングの用途と他の基準に応じ、他の金属材料または非金属材料をモールディング14のために選択できる。また、モールディング14を形成する材料の厚さは、場合によっては約0.28インチである。しかしモールディングを形成するために選択した材料と他の基準に基づいてさまざまなサイズを選択することができる。別の一実施態様では、モールディング14のフランジは、開口部22の領域で側壁にスナップまたはクリップで取り付ける構成にされている。モールディングを単一の部材で形成して所定の位置に配置するのではなく、いくつかの部材(例えば周縁部部材と、その周縁部部材またはケージを挟み込む1つ以上のフランジ)で構成し、それを組み立てて所定の位置に配置することも考えられる。
【0030】
図3Aないし図3Kは、本発明の1つの特徴によるアダプタ組立体の一実施態様を示している。このアダプタ組立体は、動物用ケージ組立体に取外し可能に組み合わせることができる。一般に、アダプタ組立体は、ケージと接続したりケージから外したりできる機構の一例である。好ましいことにアダプタ組立体は、ケージを傾けたり持ち上げたりすることなく平坦な表面に載せた状態でケージと接続できる。ユーザーが望む場合には、1つ以上のアダプタ組立体を単一の動物用ケージと取外し可能に取り付けることができる。今後、アダプタ組立体を周辺制御ユニット(PSC)とも呼ぶ。
【0031】
これから特に図3Aないし図3Kを参照してより詳しく説明するように、アダプタ組立体は、ケージに取り付けられて餌ホッパーを保持する金属箱の形態にできるロード・セルの囲いを備えている。この囲いは、内部にロード・セルと、サーボと、他の装置を収容していて、例えばラットとマウス両方のホッパーのためのアダプタ組立体のL-ブラケット要素に取り付けられる。ロード・セルの囲いには、ひずみゲージとコンセント(例えばセンサー・ケーブル用コンセント)が収容されている。この囲いは、柱を餌ホッパーに接続できる穴を中心部に備えている。囲いの表面に位置する留め具を用いて装置を給餌装置に固定する。
【0032】
アダプタ組立体(または取り付ける他の部分)は、いくつかの部分(例えば上部のクリップと底部近くのフック)に取り付けられる。アダプタ組立体は、まず最初にフックによって取り付けられ、次いでクリップによって所定の位置に来る。フックは、さまざまな製造者から提供される可能性のあるさまざまなケージで見られる可能性のある傾斜角度に合わせるため前後に調節することができる。図示していないが、別の実施態様により、フックの代わりにクリップを前後に調節していろいろな傾斜角度に合わせること、またはクリップとフックを開口部の中心から鉛直にではなく水平に移動させること、または上部にフックを、底部にクリップを備えることができる。さらに、図示した実施態様には単一のフックとクリップが示してあるが、同様に配置した複数のフックまたはクリップを用いるいくつかの実施態様が考えられる。この取付機構を利用し、餌供給装置、水供給装置、運動装置や、実験動物が利用する可能性のある他のあらゆる装置を取り付けることができる。
【0033】
連結装置により、ホッパーをロード・セルに素早く取り付けることができる。連結装置は、場合によっては、ホッパーの回転またはトルクに実質的に抵抗する“拍車”または他の要素を備えている。アダプタ組立体のケージ取付モジュールは、場合によっては、一体化したケージ取付クリップおよび手動式ゲートと、支持体(例えばポリカーボネート製ブロック)に取り付けられたステンレス鋼製L-ブラケットを備えている。
【0034】
このシステムによって自動制御できるゲートには、餌が収容されたホッパーの開口部から動物を遠ざける枢軸機構が設けられていることが好ましい。ゲートが開いている(例えば下がっている)と、ゲートはホッパーを所定の位置にロックする位置にあり、そのことによってホッパーをボルト止めすることなく保持している。アダプタ組立体のゲートは、サーボに接続されたカムとアームによって制御される。ゲートは、自然落下して開く構成にされている。ゲートは、場合によっては所定の位置にロックされるため、望むのであればゲートが開放または閉鎖されたときにサーボをオフにすることができる。
【0035】
ホッパーには、場合によってはさまざまなメッシュが取り付けられる。例えばワイヤをベースにした複数の部分を製造し、摂食の“容易さ”を大きく、または小さくすることができる。したがって給餌の容易さは、動物の食欲と、摂食が容易か困難かに合わせて調節することができる。摂食が容易か困難かは、メッシュの開口部のサイズに対する餌のサイズと、メッシュの方向に依存する。同じホッパーに交換可能なメッシュを取り付けることができる。場合によってはワイヤの形態を利用することで、動物にとって“よりやさしく”なるようにする。
【0036】
したがってアダプタ組立体は、場合によっては以下の1つ以上の特徴を有する。すなわち、a)ゲートが重力によって開く;b)ゲートをアクチュエータ機構とは独立に閉じてロックできる(例えば手動オーバーライド);c)動物の体重によってゲートが開くが、動物の体重によってゲートが閉まることはない;d)ゲートが閉まると動物が安全に遠ざけられるため、怪我をする確率が小さくなる(例えばギロチンされない);e)受動的ロック(例えばゲートを下げることによってホッパーが取り除かれる);f)ゲートの軸が動物のつかまる場所になる;g)ゲート/玄関が小さすぎるため、動物はその上で寝たり休んだりできない;h)アダプタ要素を半透明な材料で形成できるため、そのことによって環境への影響が最小になるとともに、観察が可能になる;i)連結装置により、ホッパーの回転が阻止されるか、そのような回転が制限される;j)取付機構は、マウスとラット(と、他の実験動物)にとって共通である;k)手作業での研究または順化のためにダミー機構(例えばひずみゲージなしの機構)を使用できる;l)アダプタ組立体は、場合によっては交換可能なホッパー面を有する;m)ゲートが閉じているときに場合によってはゲート位置がロックされるため、ゲートがいずれかの位置に留まっている間はサーボ・モータをオフにできる;n)スイッチを用いて動物の食欲を評価できる;o)信号手段(例えば視覚刺激または聴覚刺激)を利用して動物の訓練を容易にする;p)信号手段(例えば視覚刺激または聴覚刺激)を利用して人に知らせる;r)人が信号をシステムに送るのに使用できるスイッチ機構;s)特定の動物またはホッパー(埋め込まれたRFIDタグ)だけを同定する機構。
【0037】
特に図3Aないし図3Kを参照すると、本発明の1つの特徴と本発明の一実施態様によるアダプタ組立体が、全体として参照番号30で示してある。一般に、アダプタ組立体30は、このアダプタ組立体30を動物用ケージ組立体(例えば図1Aと図1Bに示した動物用ケージ組立体10)に取り付けるための取付組立体32と、ひずみゲージ(あとで説明する)を収容する底部組立体34と、動物用ケージ組立体10の中に収容された動物に与える餌(図示せず)を収容するホッパー組立体36を備えている。アダプタ組立体30は特に餌を収容する構成にされていて、実験動物への給餌を容易にするとともに制御しているが、動物用ケージ組立体10には別のさまざまな組立体を取り付けることができる。
【0038】
アダプタ組立体30は、特に、サーボ(図3Aには図示せず)に接続されたアーム38を備えている。このアーム38は、シャフト42を回転させるカム40と接触した状態で移動できる位置にある。これについてはあとでより詳しく説明する。シャフト42が回転すると、ゲート(図3Aには図示せず)が、動物用ケージ組立体10の中にいる動物がホッパー組立体36の中にある餌にアクセスできる開放位置と、そのようなアクセスを妨げる閉鎖位置の間で枢軸運動をする。
【0039】
動物は、ゲートが閉鎖位置のときにはゲートを開けられない。閉鎖位置では、カム40は、機械仕掛けでアーム38に接しているため、動物がゲートを回転させて開放位置にすることが阻止される。この構成では、サーボ・モータの状態に関係なくアーム38とカム40の相対位置によってゲートの運動が阻止されるため、サーボ・モータをオフにできる。
【0040】
図3Bを参照すると、アダプタ組立体30の取付組立体32は複数の構造体を備えており、それらの構造体によってアダプタ組立体30を取外し可能に動物用ケージ組立体10に接続することができる。より詳細には、アダプタ組立体30の取付組立体32は、動物用ケージ組立体10のモールディング14に取外し可能に取り付けられているため、アダプタ組立体30は、動物用ケージ組立体10の動物用ケージ12の側壁16に形成された開口部22に対応する位置に取外し可能に取り付けられる。
【0041】
図3Bに示した実施態様では、取付要素は、クリップ44とフック46を備えている。クリップ44は、プレート48と複数の留め具50(1つだけを図示してある)によってアダプタ要素(図10Aないし図10Eを参照してあとで説明する)に取り付けられる。したがってクリップ44の上部は、アダプタ組立体30のアダプタ要素に対して可動である。
【0042】
取付組立体32のフック46は、複数の留め具52(1つだけを図示してある)によってアダプタ要素に取り付けられる。フック46に形成されていて留め具52の右隣に位置するスロットからわかるように、アダプタ要素に対するフック46の位置は調節可能である。フック46の位置がこのように調節可能であること(固定されたクリップ44に対してフック46の横方向の位置を変化させること)で、アダプタ組立体30をさまざまな動物用ケージ組立体に取り付ける際の調節が容易になる。より詳細には、そして図1Bに示してあるように、動物用ケージ12の側壁16は傾斜しているため、側壁16は、動物用ケージ12の底部18に対して垂直ではない平面内に位置する。動物用ケージ12の側壁16の傾斜をさまざまな角度にできることを考慮すると、クリップ44に対してフック46を調節できることで、動物用ケージ12の側壁16の傾斜角に関係なく、アダプタ組立体30を動物用ケージ組立体10に取り付けるのが容易になる。言い換えるならば、動物用ケージ12の側壁16が底部18に対して垂直であろうと、底部18に垂直な平面に対してある角度をなしていようと、アダプタ組立体30を調節して動物用ケージ12に適切に取り付けることができる。
【0043】
アダプタ組立体の取付組立体32は、複数の留め具56(1つだけを図示してある)によってシャフト42に接続されたゲート54も備えている。ゲート54の操作についてはあとで詳しく説明するが、図3Bには、シャフト42がそのシャフトの軸線のまわりを回転するとゲート54が取付組立体32の残りの部分に対して枢軸回転することが示してある。したがってゲート54は、開放位置(図3Bに示してあり、実験動物がホッパーの中にある餌にアクセスできる)から閉鎖位置(図示せず。そのようなアクセスが禁止される)に移動できる。アダプタ組立体30の取付組立体32には、アダプタ要素に形成された開口部に対応する開口部を有する正面プレート58も設けられている。
【0044】
アダプタ組立体30の底部組立体34は、ホッパー組立体36に収容される餌の重量測定に用いるひずみゲージのためのハウジングを備えている。より詳細には、底部組立体34のハウジングは、囲い60と、内部を区画するカバー62を備えている。囲い60はL-ブラケット64に取り付けられていて、アダプタ組立体30の底部組立体34とアダプタ組立体30の取付組立体32を相互に接続している。囲い60の中にはロード・セル66とブラケット68(その詳細に関しては図14Aないし図14Cを参照して説明する)が取り付けられている。先端部が丸いバネ・プランジャ70がブラケット68の内部を延びていて、連結装置(あとで説明する)との間で摩擦による取り外し可能な噛み合わせが実現している。また、一連の留め具(止めネジ72、留め具74、バネ座金76が含まれる)がブラケット68の内部に、またはブラケット68に取り付けられている。
【0045】
アダプタ組立体30のホッパー組立体36と底部組立体34を取り外し可能に接続するのは、2つのダウエル・ピン80を有する連結装置78であり、そのダウエル・ピン80が、連結装置78がホッパー組立体36と底部組立体34に対して回転するのを阻止している。連結装置78は、ホッパー組立体36を底部組立体34に取外し可能に取り付けていて、ホッパー組立体36に収容されている餌の重量を、底部組立体34の囲い60の内部に取り付けたひずみゲージまたはロード・セル66に伝達する。このようにして、ホッパー組立体36の中にある餌の重量をモニタすることができる。
【0046】
特にアダプタ組立体30のホッパー組立体36を参照すると、ホッパー組立体36は、留め具84によってホッパー86の底面に取り付けられたパックまたは支持体82を備えている。スクリーン(その詳細に関しては図5Aないし図5Dを参照して説明する)がホッパー86の中に取り付けられている。止め部材90がスクリーン88の底部の中に設けられていて、スクリーン88内にメッシュ(あとで説明する)を保持している。このメッシュは、餌をホッパー組立体36の中に保持する一方で、ゲートが開いたときに実験動物が餌にアクセスできるようにする。ホッパー組立体36のさらに詳しいことは、図4Aないし図4Cを参照してあとで説明する。
【0047】
ここで図3Cを参照すると、アダプタ組立体30の底部組立体34は、留め具92によってL-ブラケット64に接続され、留め具94が、カバー62を囲い60に接続している。また、囲い60には、コネクタまたはコンセント96が含まれている。コンセント96にはケーブルを接続し、信号を囲い60の中にあるロード・セル66から受信機に送ることができる。
【0048】
カム40を選択された位置に保持するためバネ・プランジャ91が取付組立体32のカム40に接続されていて、取付組立体32のゲート54をあらかじめ選択した位置に保持している。より詳細には、バネ・プランジャ91によってカム40を選択した位置に保持してゲート54を閉鎖位置に留めておくことで、交換または清掃のためホッパーを取り出したときに動物が逃げ出せないようにされている。バネ・プランジャ91に加え、ネジ、ピン、磁石のいずれか、またはカムを保持できる他の任意の部品または面を用い、カムを選択した位置に保持することができる。さらに、ゲート54が閉鎖位置に留まっていると、サーボ・モータをオフにできる。また、取付組立体32は、カム40が取付組立体32のアダプタに対して回転運動するのを制限する位置にダウエル・ピン93を備えている。
【0049】
図3Dを参照すると、アダプタ(参照番号95で表記)は、留め具97により、L-ブラケット64と正面プレート58の間に保持されている。図3Dには中心開口部99も示されており、この開口部99を通過して連結装置78(図示せず)が延びている。L-ブラケット64において留め具92に隣接する位置に開口部が形成されることで、囲い60へのL-ブラケット64の素早い取り付けと取り外しが容易になっている。特に、留め具92に隣接するスロット付きの開口部によって囲い60をL-ブラケット64から素早く取り外せるため、囲い60の清掃が容易になっている。そのためユーザーは取り扱いに注意を要する囲い60をシステムの他の要素とは独立に清掃できる。
【0050】
ここで図3Eを参照すると、サーボ100が囲い60の中から延びていて、アーム38に運動を伝える。するとアーム38はカム40に運動を伝えてシャフト42を回転させ、最終的にゲート54を枢軸運動させる。図3Eには、クリップ44に対するフック46の方向も示してある。より詳細には、クリップ44は、フック46に対し、アダプタ組立体30の取付組立体32から外に向かってさらに延びている。フック46にはスロットが形成されているため、留め具52を緩め、次いで再び締めることにより、アダプタ95に対してフック46を直線方向に調節できる。
【0051】
図3Fに示した囲い60の拡大図から、ブラケット68およびコネクタ96の構造と方向、ならびに囲い60の中に収容されている他の要素の構造と方向のさらなる詳細が明らかになる。
【0052】
底部組立体34をアダプタ組立体30の残りの部分に取り付けるため、囲い60に接続された留め具92を緩め、センサー・ケーブル用コンセント96がユーザーと向かい合うように囲いを配置する。L-ブラケット64の底部はユーザーに最も近い位置に保持される。次に底部を下げると、留め具92がL-ブラケット64の鍵穴の円形部分を通過する。次にL-ブラケット64を前方に滑らせ、開口部99が囲い60の開口部の中心に位置するとともに、留め具92が鍵穴のスロットの中に来るようにする。留め具92を締めてL-ブラケット64を囲い60に固定する。メンテナンスまたは籠の洗浄のために囲い60を外すには、上記のステップを逆に実施する。連結装置78を最初に外した後、囲い60を外す。
【0053】
ここで図3Gと図3Hを参照すると、ホッパー組立体36のスクリーン要素とホッパー組立体36のホッパー要素の関係が示してある。特に、ホッパー組立体36の中に餌が収容されていて、動物用ケージ(例えば動物用ケージ組立体10)の中にいる動物がその餌にアクセスできるような状態でスクリーン88がホッパー86の中に位置している。また、メッシュ要素102がスクリーン88の表面と止め要素によって保持されている。メッシュ102はしたがってスクリーン88に対して取外し可能に取り付けられているため、必要に応じて取り外したり交換したりできる。また、メッシュ102とスクリーン88は取外し可能に取り付けられているため、餌を与える動物と、動物に与える餌の性質と、他の考慮事項とに基づいて選択できるさまざまな構成のメッシュを利用するのが容易である。メッシュ102のさらに詳しいことは図6を参照して説明し、スクリーン88のさらに詳しいことは図5Aないし図5Dを参照して説明する。メッシュ102をスクリーン88に保持する方法は、特に図5Dを参照して説明する。
【0054】
図3Hを参照すると、メッシュ要素の別の一実施態様(メッシュ106と表記する)が利用されている。メッシュ106は、曲がったワイヤ材料で構成されている点がメッシュ102と似ているが、メッシュ106はワイヤの細長い部分が実質的に水平な方向に延びているのに対してメッシュ102は鉛直方向に延びている点がメッシュ102と異なっている。いずれの実施態様でも、メッシュ102とメッシュ106は取り外し可能な状態でスクリーン88の表面に保持されている。
【0055】
図3Gと図3Hに示してあるように、スクリーン88は、場合によってはホッパー86にスポット溶接される。この溶接により、スクリーン88とホッパー86の間に実質的に永久的または永続的な接続が形成される。スクリーン88とホッパー86の間の接続手段が実質的に永久的であれ、交換可能にするため一時的なものであれ、別の接続手段を考えることができる。
【0056】
図3Iと図3Jは、それぞれ、動物の籠組立体に接続されたアダプタ組立体の一実施態様の端面図と側面図である。アダプタ組立体30と動物用ケージ組立体10の関係を図3Iと図3Jに示してある。図3Iに示してあるように、アダプタ組立体30の境界は、動物用ケージ12の高さと幅を超えて延びていない。したがって動物用ケージ組立体は、隣り合わせになった状態で積み重ねること、または互いに上下に積み重ねること、または水平なテーブルの上に置くことができる。例えばアダプタ組立体30の底部が動物用ケージ12の底部を超えて延びていて、両者が水平なテーブルの上に置かれているのであれば、アダプタ組立体は動物用ケージ12の一辺だけを支持するため、動物はおそらく落ち着かないだろう。
【0057】
図3Jに示してあるように、クリップ44は、動物用ケージ組立体10のモールディング14のフランジ24Aおよび周縁部26に取り付けられる構成にされている。この構成では、フック46のフック部がモールディング14のフランジ24Cと周縁部26に引っ掛かる。クリップ44とフック46がこのように取り付けられていると、アダプタ組立体30は動物用ケージ組立体10に取り外し可能に取り付けられていることになる。フック46をクリップ44に対して調節できることで、動物用ケージ12の側壁16の傾斜角に関係なく、アダプタ組立体30を動物用ケージ組立体10に取り付けるのが容易になる。したがって図3Jに示した動物用ケージ12の側壁は傾斜角を維持しているとはいえ、アダプタ組立体30は動物用ケージ12の底部に対して実質的に平行に位置している。フック46はアダプタ組立体30の移動も実質的に阻止する。
【0058】
図3Kに示してあるように、スイッチ機構193がアダプタ組立体30のアーム38に接続されている。スイッチ機構193は、ゲート54がわずかでも動くと作動する。スイッチ193はカム40上のダウエル・ピン191とフック部分192を介して物理的に接触し、スイッチの働きをモニタするコンピュータ・モジュールに電気的に接続されている。スイッチは、動物がホッパーに収容されている餌を食べようとする動機を評価する。使用中は、動物がゲートを押したり引いたりすることによってスイッチが作動する。ユーザーは、動物がゲートに所定の回数接触することによってスイッチ機構193を作動させた後にゲート54が開くようにシステムを構成することができる。
【0059】
さらに、ゲートが開く前にスイッチが所定の回数作動する必要があるようにすることで、スイッチは、動物が餌を得るための障害をユーザーが創出することを可能にする。例えばユーザーは、ゲートが開いて動物が初めて餌を食べられるようになるまでにスイッチが5回作動する必要があるようにできる。さらに、動物が1日のうちに2回目の食事をしたい場合には、ユーザーは、ゲートが開いて動物が餌を食べられるようになるまでにスイッチが10回作動する必要があるようにできる。
【0060】
使用中は、動物がゲート54に接触すると、カム40がわずかにアーム38の方に回転する。カム40のダウエル・ピン191とスイッチ機構193のフック192は摩擦接触しているため、アーム194はスイッチ機構193を押し、そのことによってスイッチが作動する。スイッチ機構193は、このスイッチ機構193の状態をモニタするコンピュータに電気パルスを送る。スイッチ機構193は、任意のタイプの検出機構(例えば振動センサー、加速度計、スイッチなど)にすることができる。
【0061】
図4A、図4B、図4Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー組立体の一実施態様のそれぞれ側面図、正面図、底面図である。一実施態様によれば、餌ホッパーは、スロット式給餌インターフェイスと柱連結装置を備えたステンレス鋼製の立方体である。マウス用ホッパーは、固体の餌(例えば固体の餌を50g)を収容しているのに対し、ラット用ホッパーは、より多くの餌(例えば150g)を収容している。スクリーンの構成は、さまざまなタイプの餌が可能になるよう、場合によってはクリップ機構を利用して交換可能にされている。
【0062】
図4Aないし図4Cに示した実施態様を特に参照すると、ホッパー組立体36の一実施態様が示してある。特に、ホッパー組立体36のパック要素または支持要素82が2つの留め具84によってホッパー86の底面に固定されている。ホッパー組立体36のスクリーン88とホッパー86は、合わさってアクセス用の開口部108を規定する。この開口部108により、実験動物がホッパー組立体36に収容されている餌に選択的にアクセスすることができる。スクリーン88のさらに詳しいことは図5Aないし図5Dに示してあり、パック要素82のさらに詳しいことは図8Aと図8Bに示してある。
【0063】
図5A、図5B、図5C、図5Dは、図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の一実施態様のそれぞれ側面図、正面図、上面図、拡大図である。図5Aないし図5Dに示した実施態様を特に参照すると、ホッパー組立体36のスクリーン88は、場合によってはシート・メタルを選択した形態に曲げたもので形成される。図5Aから最もよくわかるように、スクリーン88は、その縁部に沿って複数のフランジ110を備えているため、ホッパー86(図5Aには図示せず)の内面への接続(例えばスポット溶接による)が容易になっている。また、スクリーン88は、メッシュ(例えばメッシュ106)を開口部108の隣に取外し可能に取り付けるための位置と形状にされた縁部112とブラケット114を備えている。したがって、そして図5Dに示してあるように、ワイヤで形成されたメッシュ106のいろいろな部分が、開口部108の上縁部の位置で縁部112とブラケット114の間に保持される。参照番号104で示した止め要素(図3Gと図3Hに図示)がメッシュ106の下部を支持していて、メッシュ106を縁部112とブラケット114の間に保持している。図5Dには示されていないが、止め要素104は、スクリーン88の底部においてメッシュ106の底部の右側に位置することになろう。止め要素104を取り除くと、清掃、交換、またはそれ以外の目的でメッシュ106を外すことができよう。
【0064】
図5Aに示したスクリーン要素とともに使用するメッシュ要素の一実施態様の正面図である図6を参照すると、メッシュ102は、場合によっては、端部116と、細長い部分118と、折り曲げ部120とを有する細長い区画から形成される。金属製ワイヤがメッシュ102のための材料として場合によっては選択されるが、他の金属材料または非金属材料も考えられる。しかしメッシュ102の細長い部分118が丸い断面または円形断面であるため、実験動物が餌を食べているときに接触するのに適した表面が提供される。言い換えるならば、メッシュ102から尖った縁部がなくなることで、この目的により適している。メッシュ要素はダイカスト法または射出成形法で形成できることを当業者は理解しているはずである。
【0065】
図7は、図5Aに示したスクリーン要素と合わせて使用するメッシュ要素の別の一実施態様の正面図である。図7に示したメッシュ106も、メッシュ102と同様、端部116と、細長い部分118と、折り曲げ部120を備えている。図6に示したメッシュ102と図7に示したメッシュ106の主な違いは、メッシュ102の細長い部分118が実質的に鉛直方向に延びているのに対し、メッシュ106の細長い部分118は実質的に水平方向に延びていることである。
【0066】
図8Aと図8Bは、図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素のそれぞれ側面図と底面図である。図8Aと図8Bに示した実施態様を特に参照すると、ホッパー組立体のパック要素82は、連結装置78(図3B)のダウエル・ピン80を受け入れるスロット122を備えているため、パック82が連結装置78に対して回転運動することが阻止される。連結装置78を受け入れるため、パック82はその中を貫通して延びる開口部124も備えている。パック82をホッパー86に接続する留め具84を取り付けるため、取付穴126が設けられている。
【0067】
図9A、図9B、図9Cは、ホッパー組立体36のホッパー86で使用できるスクリーン要素(全体を参照番号128で示す)の別の一実施態様のそれぞれ側面図、正面図、上面図である。スクリーン88はメッシュ102または106との組立体であるが、スクリーン128は1部材の要素である点が、スクリーン88と異なっている。スクリーン128は、スクリーン88と同様、場合によってはシート・メタルで形成され、望む形状に切断または形成された後、曲げられて望む形態にされる。スクリーン128は、このスクリーン128とホッパー86の内面の接続を容易にするため一連のフランジ130を備えている。実験動物がホッパー組立体36のスクリーン128の中にある餌にアクセスできるようにするため、スクリーン128の本体には複数の開口部132(図9Bと図9Cにはそのような開口部132が5つ示してある)が設けられている。例えば図9Aないし図9Cに示してあるように、ホッパーで使用するスクリーンは、さまざまな形状と形態を取ることができる。このようなスクリーンは、さまざまな金属材料と非金属材料から形成することもできる。
【0068】
図10Aないし図10Eは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するアダプタ要素を示している。アダプタは、場合によっては、ステンレス鋼製の正面プレートとL-ブラケットに挟まれた半透明なポリカーボネート・ブロックの形態を取るため、ホッパーが分離される。
【0069】
図10Aないし図10Dに示した実施態様を特に参照すると、アダプタ95は中心開口部134を備えており、その開口部134を通じて動物はホッパー組立体36の中にある餌にアクセスできる。アダプタ95は、留め具(例えば図3Dに示した留め具97)を受け入れる4つの取付穴136を備えている。アダプタ95は、ダウエル・ピン(例えば図3Cに示したダウエル・ピン93)を受け入れるため側面に設けられた取付穴138も備えている。図3Bに示したシャフト42を受け入れるための開口部140もアダプタ95に設けられている。
【0070】
凹部141がアダプタ95の上面に設けられていて、図3Bに示してあるようなクリップ44が収容される。取付穴142が凹部141の領域に設けられているため、留め具50を用いて取付組立体32のプレート48とクリップ44をアダプタ要素95に取り付けることができる。取付穴144がアダプタ95の底面の凹部146に設けられている。凹部146には図3Bに示してあるような調節可能なフック46が収容され、取付穴144には留め具52(やはり図3Bに示してある)が収容される。
【0071】
図11Aは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するフック要素の一実施態様の側面図である。フックはアダプタ95の底部の開口部146に取り付けられて、ケージの取付面の角度に合わせることができるようスロットの中に入っている。図11Aないし図11Cを参照すると、フック要素46の一実施態様が示してある。フック46は、取付部148とフック部150を備えている。取付部148によってフック46をアダプタ95に調節可能に取り付けることが容易になり、フック46のフック部150により、アダプタ組立体30の取付組立体32と動物用ケージ組立体10の間の取外し可能な取り付けがなされる。フック46の取付部148は、留め具52を収容するための細長い開口部またはスロット152(図11Bには2つ示してある)を備えている。スロット152は、アダプタ95に対してフック46の位置をうまく調節できるようにするため細長くなっている。すでに述べたように、フック46をこのように調節することで、いろいろな傾斜角または壁の形態を持つ可能性のあるさまざまな動物用ケージへのアダプタ組立体30の取り付けを調節することが可能になる。
【0072】
図12は、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するクリップ要素の一実施態様の側面図である。このクリップは、ケージの開口部の上部に取り付けられるため、ケージの開口部への素早い取り付けと取外しが可能になる。一実施態様によれば、クリップはステンレス鋼製バネ鋼で製造される。
【0073】
図12を参照すると、クリップ44は、折り曲げ部155によって取付部156と隔てられた取付部154を備えている。取付部は、クリップ44を取付組立体32のアダプタ95に接続する留め具50を受け入れるための少なくとも1つの開口部(図示せず)を備えている。動物用ケージの表面へのクリップ44の取り付けを容易にするため、取付部156は、取付部154に対して枢軸回転させるか撓ませることができる。クリップ44がこのような可撓性を持てるようにするため、クリップは、場合によってはステンレス鋼製バネ鋼、または他の適切な材料、または他の同等な材料で形成する。
【0074】
取付部156に形成された凹部158には、動物用ケージに形成された開口部の縁部が収容される。より詳細には、図1Aと図1Bを参照すると、凹部158は、動物用ケージ組立体10のモールディング14のフランジ24Aと周縁部26に対して取り付けられる構成にされている。このような構成では、図11Aないし図11Cに示したフック46のフック部150は、モールディング14のフランジ24Cと周縁部26に取り付けられることになろう。クリップ44とフック46によるこのような取り付けを通じ、アダプタ組立体30が動物用ケージ組立体10に取り外し可能に取り付けられる。
【0075】
動物用ケージの1つの構造部(例えば動物用ケージの蓋部)のための隙間を設けるため、場合によっては第2の凹部160が、クリップ44の取付部156に形成される。クリップ44は、場合によっては、パンチ要素と、輪郭がクリップの望む形状を形成しているダイス要素との間でステンレス鋼製バネ鋼を圧縮することによって形成される。他の形成法として、例えば鋳造、折り曲げ、切断などの方法も利用できる。
【0076】
図13A、図13B、図13Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するゲート要素の一実施態様の正面図、側面図、端面図である。ゲートは(上方に回転する)シャフトを中心として枢軸回転し、そのことによって動物をそっと押してホッパーから離す。カムがアダプタの外側にあるシャフトの端部に取り付けられているため、そのカムを手で動かすことができる。ゲートを閉鎖位置に固定するため、アダプタの側にある穴の中に位置するバネ・プランジャがカムに取り付けられている。ダウエル・ピンがアダプタの側に位置していてカムの移動を制限するとともに、ゲートを閉鎖位置に位置させている。閉鎖位置では、動物はホッパーの中にある餌にアクセスできず、開口部を通って逃げることもできない。開放位置では、ゲートはアダプタの内部チャネルの底部の上に平坦に横たわってホッパーのトレイの上部に重なるため、動物が連結装置を引っ張ってロード・セルから引き出すこと、動物が逃げ出すこと、収容されている餌がこぼれ続けることが阻止される。
【0077】
ゲートは、カムを手で操作して上下に運動させること、または囲いの側に取り付けられたサーボを用いて自動操作することができる。サーボのアームは、コンピュータのソフトウエアを通じて作動して決められた時刻に動作し、そのことによって餌ホッパーへのアクセスが可能になったり不可能になったりする。例えば一実施態様では、サーボのアームはコンピュータのソフトウエアから信号を受け取り、所定量の餌が消費された後にゲートを閉じることで、動物が消費することを許される合計量を制限する。餌を制限すると動物の寿命を長くできるため、アダプタ組立体の餌制限機能は、生物学では便利なツールである。アダプタ組立体は、動物に1日に1回給餌するだけではない。餌を動物に対して1日を通じてある間隔で提供すること、または餌を1日中提供することができる。ユーザーが、適切な給餌時刻と給餌継続時間を決定する。
【0078】
例えばマウス用組立体では、シャフトが動物にとっての発射台として機能し、動物をアダプタ・トンネルの中に入れて餌を1回食べさせる。ゲートは閉じるときにゆっくりと動いて挟まれる箇所はないため、動物はアダプタ・トンネルから安全に押し出される。例えばラット用組立体では、アダプタの開口部はより大きい。アダプタの2つの穴を通って滑る1本の固定ピンが小動物の逃亡防止用に設けられているが、動物が成長したときにはこの固定ピンを取り除いて動物が餌ホッパーに最大限にアクセスできるようにすることが可能である。
【0079】
図13Aないし図13Cに示した実施態様を特に参照すると、取付組立体32のゲート54は、フランジ164を側面に有する実質的に平坦な表面162を提供する。ゲート54の表面162は、開放位置では動物がその上に乗ることができるプラットフォームを提供し、動物の餌としてホッパーから落ちてくる餌を受け取ることができる。しかしゲート54の表面162は、閉鎖位置では阻止機能を提供して動物がホッパーの中にある餌にアクセスできなくすることで、餌摂取イベントまたは餌摂取期間を阻止するか、終了させる。
【0080】
ゲート54の形状は、動物にやさしくなるように選択されることが好ましい。特に、ゲート54が閉鎖位置から開放位置に移動するにつれて、または開放位置から閉鎖位置に移動するにつれて動物が捕まることがないようゲート54の縁部は丸くされていると同時に、フランジ164が設けられている。また、ゲート54の形状と動作は、餌ホッパーから動物を安全に押し出して給餌サイクルを終わらせる機能を有する。ゲート54のこのような枢軸回転作用は、ゲート54の形状と組み合わさり、動物が怪我をするリスクを最少にしている。
【0081】
ゲート54は、このゲート54を取付組立体32のシャフト42に接続する留め具(例えば図3Bに示した留め具56)を受け入れる開口部166を備えている。より詳細には、ゲート54の表面162にある開口部166によってゲート54をシャフト42に接続できるため、シャフト42の回転によってゲート54がシャフト42の軸のまわりを枢軸回転する。
【0082】
図14A、図14B、図14Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するブラケット要素の一実施態様のそれぞれ正面図、側面図、上面図である。図14Aないし図14Cに示した実施態様を特に参照すると、ブラケット68には盲穴168が設けられていて、アダプタ組立体30の底部組立体34からアダプタ組立体30のホッパー組立体36まで延びる連結装置78を取外し可能な状態で受け入れる。盲穴168の隣には、連結装置78のダウエル・ピン80を受け入れるスロット170があるため、ブラケット68に対して連結装置78が回転運動することに抵抗する、またはブラケット68に対して連結装置78が回転運動することが阻止される。(ブラケット68のスロット170とパック82のスロット122の両方による)連結装置78の回転に対するこのような抵抗があることで、ホッパー86がアダプタ組立体30の残りの部分に対して回転運動することが阻止または制限される。回転運動がこのように制限されることで、ホッパー86が他の構造と接触する機会が少なくなるため、ひずみゲージの読みが不正確になる可能性が小さくなる。
【0083】
ブラケット68は、図3Bに示した先端が丸いバネ・プランジャ70を受け入れる取付穴172も備えている。すでに説明したように、先端が丸いバネ・プランジャ70は、連結装置78と摩擦によって噛み合い、連結装置78がブラケット68から外れることに抵抗する。先端部が丸いバネ・プランジャ70は、連結装置78をブラケット68から取外せる状態を維持しつつ、ホッパー組立体36が連結装置78の頂部から外れようとするときに連結装置78をブラケット68の中に保持するのを助ける。言い換えるならば、先端部が丸いバネ・プランジャ70は、連結装置78とホッパー組立体36のパック82の間の摩擦力よりも大きな摩擦力を連結装置78とブラケット68の間に提供する。
【0084】
ブラケット68は、止めネジ(例えば図3Bに示した止めネジ72)を受け入れるネジ穴または開口部174も備えている。止めネジ72は、ブラケット68の位置を調節するため、またはブラケット68を囲い60またはカバー62の表面に対して安定化させるために設けられている。
【0085】
図15Aは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。連結装置は、場合によっては、ひずみゲージ・セルをホッパーまたは給水装置に接続する円筒形ロッドを備えている。連結装置は、ロッドのいずれかの端部をひずみゲージ・セルおよび/または餌ホッパーの中に挿入できるよう、場合によっては対称にされる。
【0086】
連結装置78の一実施態様を示す図15Aを参照すると、連結装置78は、場合によっては穴を有するシャフト176から形成され、その穴にはダウエル・ピン80が押し込まれる。連結装置78のシャフト176は、丸い形状または断面が丸い形状を提供するために場合によってはロッド材料から形成されるが、連結装置78はさまざまな形状を有するさまざまな材料から形成することができる。例えばダウエル・ピン80がシャフト176を貫通して取り付けられ、パック82のスロットおよびブラケット68と合わさって回転運動を阻止する。あるいは連結装置78に非円形断面のシャフトを取り付け、ダウエル・ピン80を必要とすることなくこのような回転を阻止することもできる。例えば連結装置78に、正方形のシャフト、または他の非円形断面形状のシャフトから形成したシャフト176を取り付けることができる。
【0087】
図15Bと図15Cは、図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の別の一実施態様である。連結装置187のこの実施態様は、場合によってはポリマー材料から形成することで、ブラケット68に対する潜在的な損傷を減らす。連結装置187のポリマー材料は、捻り負荷が加えられた状態では弾性を発生させるため、ブラケット68に加わる応力が実質的に少なくなる。連結装置は、パック82のスロットおよびブラケット68と協働して回転運動を阻止するフランジ部188を備えている。
【0088】
シール189が連結装置187の一端に取り付けられている。図15Cには示されていないが、外径表面189は、連結装置の本体の外面よりも先まで延びる構成にされていることが好ましい。シール189とブラケット68の間、またはシール189とパック82の間の摩擦接触により、連結装置187の方向に応じてこの連結装置に対する拘束力が増大する。連結装置187に対する拘束力をさらに大きくするため、この連結装置の両側にシールを取り付けることも考えられる。さらに、シール189を用いることで、連結装置78がブラケット68から外れるのに抵抗する摩擦を連結装置78との間にやはり与える穴172と先端が丸いバネ・プランジャ70を使用する必要がなくなる。
【0089】
図16は、図3Aに示したアダプタ組立体で使用するカム要素の一実施態様の側方断面図である。図16に示したカム40の実施態様を参照すると、カム40は、図3Aに示してあるように、アーム38とカム40の間の接触に基づいてアーム38に対して必要な運動を提供する形状を有する。カム40にはシャフト142を受け入れる開口部178が設けられていて、留め具をカム40の開口部180を通じて挿入し、カム40とシャフト42が噛み合った状態にすることができる。また、カム40の開口部180を貫通する留め具を使用することで、シャフト42に対するカム40の回転滑りが阻止される。カム40には開口部182(ネジが切られていることが好ましい)も設けられていて、図3Cに示してあるようにバネ・プランジャ91が収容される。
【0090】
図17Aと図17Bは、図1Aに示した動物用ケージで使用するブロッカー組立体の一実施態様の正面図と側面図である。ブロッカー組立体のクリップ要素とフック要素は、ケージの開口部に取り付けられて開口部を封鎖し、アダプタ組立体を取り外したときに動物が逃げ出すことを阻止する。
【0091】
図17Aと図17Bを参照すると、ブロッカー組立体(全体を参照番号200で示す)が示してある。ブロッカー組立体200は、開口部(例えば開口部22)を塞ぐためケージ組立体(例えば動物用ケージ組立体10)とともに使用する構成にされている。したがってブロッカー組立体200は、アダプタ組立体30または他の装置をケージから取り外したときに動物が動物用ケージの開口部から逃げ出すことを阻止する障壁を提供する。ブロッカー組立体200から、多数ある組立体または要素のうちの任意のものをケージ組立体(例えば組立体10)に取り付けてさまざまな機能を提供できることもわかる。例えばいろいろな給餌組立体のうちの任意のものを動物用ケージに接続することができる。また、さまざまな障壁を、運動装置や、実験動物にとって有用な他の装置として設けることができる。
【0092】
ブロッカー組立体200は、動物用ケージの表面に取り付けるためにアダプタ組立体30のクリップ44と同様のクリップ244を備えている。クリップ244は、ブロッカー295のフック246と協働する位置にある。クリップ244は、プレート248と、支持部249と、クリップ244、プレート248、支持部249の三者を一体化する留め具250とからなる組立体によってブロッカー295に接続されている。ブロッカー組立体200のブロッカー295には、動物を阻止する連続面296が設けられている。面296には、スクリーン、メッシュ、または適切な他の任意の材料も含まれていてよい。
【0093】
図18を参照すると、アダプタ組立体230の別の一実施態様が示してある。このアダプタ組立体230は、図3Bに示したアダプタ組立体230と同様であるが、L-ブラケット220とホッパー組立体236が改変されている点が異なっている。
【0094】
ここで図18、図19A、図19Bを参照すると、L-ブラケット220は、図3Bないし図3Dを参照して説明したL-ブラケット64と同様であるが、L-ブラケット220は、L-ブラケットの取付面から突起した円筒形障壁222を備えている。円筒形障壁222は、ホッパーから漏れた餌粒子および/または液体が、図14Aないし図14Cに示したブラケット68に形成された盲穴168に入るのを制限する位置にある。上述したように、盲穴168は、底部組立体34からホッパー組立体36まで延びる連結装置78を受け入れる。
【0095】
盲穴168の中に液体が大量に蓄積すると底部組立体34のエレクトロニクス部品が故障する可能性がある。さらに、盲穴168に詰まった餌ペレットまたは餌粒子は、盲穴168への連結装置78の挿入および/または盲穴168からの連結装置78の取り出しを困難にする可能性がある。ユーザーが餌粒子を盲穴168または底部組立体34の内部から取り除くのは難しかろう。したがって円筒形障壁222により、餌粒子と水が盲穴168に入ることなくL-ブラケットの取付面224に集まるため、アダプタ組立体230の清掃が容易になる。円筒形障壁222は、餌粒子が盲穴168に入るのを制限するのに十分な高さでなければならないが、ホッパー236を底部組立体34に取り付けられるように十分低くなければならない。円筒形障壁222は、溶接すること、または締め付けること、またはL-ブラケットの取付面224に形成することができる。
【0096】
ここで図18、図20A、図20Bを参照すると、スクリーン288の別の一実施態様が示してある。スクリーン288は、餌をホッパー組立体236の中に保持するとともに、ゲートが開いているときに実験動物が餌にアクセスできるようにする。スクリーン288は、一般に、互いに向かい合ったヘッダ294に接続された複数のワイヤ292を備えている。互いに向かい合ったヘッダ294は、図18に示してあるように、ホッパー286の上端を挟む設計にされている。スクリーン288は、動物が、収容されている餌にホッパーの上部、側部、底部のいずれかからアクセスできる特別な形状にされている。
【0097】
動物に対して“よりやさしく”するため、場合によってはワイヤの形式を利用する。上述のように、ワイヤが丸い形状または円形断面形状であるため、実験動物が餌を食べているときに接触するのに十分適した表面が提供される。言い換えるならば、ワイヤ292から尖った縁部がなくなることで、この目的により適している。
【0098】
動物は、ワイヤ292の間からアクセスできる餌ペレットを噛み切ることによって餌を消費する。ワイヤ292間の距離は、動物の鼻口部よりも広いが、餌ペレットよりも小さくなるように設計することができる。ワイヤ292の直径とワイヤ同士を隔てる距離は、餌のサイズに合わせること、または摂食の“容易さ”を増大または低下させるように調節することができる。したがって給餌の容易さは、動物の食欲と、摂食が容易か困難かに合わせて調節することができる。摂食が容易か困難かは、隣り合ったワイヤ292間の距離に対する餌のサイズに依存する。ホッパーには交換可能なスクリーンを取り付けることができる。
【0099】
一実施態様では、ワイヤ292は、ステンレス鋼で形成されている。しかしワイヤはいろいろな金属材料または非金属材料で形成できること、押し出し、成形、ダイカストで製造できることを理解すべきである。各ワイヤ292は、ヘッダ294に溶接することができる。その様子を図20Bに溶接スポット295として示してある。ワイヤは、従来技術で知られている締め付け手段を用いてヘッダ294に取り付けることもできる。
【0100】
ここで図21を参照すると、アダプタ組立体330の別の一実施態様が示してある。アダプタ組立体330は、図18に示したアダプタ組立体230と同様だが、この実施態様では、餌ホッパー組立体236の代わりに水ホッパー組立体336になっている。実際には、水ホッパー組立体336は、水を収容するか、実験動物に水を与えるのに利用される他の任意の液体を収容している。水ホッパー組立体336は、餌ホッパー組立体236と同様、底部組立体34およびゲート54と協働するようにされている。
【0101】
すでに説明した餌ホッパーと同様、水ホッパー組立体336は、カップリング78を通じて底部組立体34に接続されている。カップリング78によって水ホッパー組立体336は底部組立体34に対して取外し可能に取り付けられているが、そのとき水ホッパー組立体336に収容されている液体の重量が、底部組立体34の囲い60の中に取り付けられたひずみゲージまたはロード・セル66に伝えられるようにする。このようにして、水ホッパー組立体336に収容されている液体の重量をモニタすることができる。
【0102】
ここで図22Aないし図22Cに示してある水ホッパー組立体336の詳細図を参照すると、水ホッパー組立体336は、一般に、本体部337と、その本体部337に接続されたバネ式バルブ組立体342とを備えている。本体部337は、動物に給水するのに十分な体積の水を収容するサイズのリザーバ338を備えている。リザーバ338は、あらかじめ決めた任意の体積の液体を保持するサイズにすることができる。リザーバ338の上端は、場合によっては図示してあるように大気に向かって開放されているため、実験室のスタッフは、リザーバに素早くかつ容易に再充填すること、またはリザーバに補充する必要があるかどうかを調べることができる。一体化された支持体350が、本体部337の底面に配置されている。一体化された支持体350に形成された開口部352は、図21に示してあるように、連結装置78を取外し可能に保持するサイズにされている。
【0103】
バネ式バルブ組立体342は、給餌を目的として動物用ケージの内側を向いた位置にあり、液体が制御された状態で動物に供給されるように構成されている。バルブ組立体342はバルブ・ハウジング343を備えていて、ホッパー組立体336の本体部337にクリップで留めるか、クランプで留めるか、スナップで留めるか、締め具で留めるか、本体部337と一体化している。ハウジング343の中に位置する圧縮バネ346が可動乳首状部材344(またはバルブ)の一端に取り付けられており、乳首状部材344の肩部351がハウジング343の弁座353の上に載っている。
【0104】
使用中は、ゲートが開放位置にあるときには、実験動物はバルブ組立体342の乳首状部材344を押し下げて水または他のあらゆる液体をリザーバ338から得る。より詳細には、動物が乳首状部材344を押し下げると、バルブ・ハウジング343の中に保持されているバネ346が圧縮され、弁座353と乳首状部材344の肩部351の隙間が広がる。リザーバからの液体は重力を受けてその隙間(図示せず)を流れ、乳首状部材344とバルブ・ハウジング343の間を流れ、実験動物の口に向かう。バネのバネ定数は、動物が乳首状部材344を容易に押し下げられるよう、十分に小さいことが望ましい。
【0105】
1回の水飲みが終了すると、動物は乳首状部材344を放す。するとバネ346は伸びた状態に戻り、乳首状部材344の肩部351が弁座353の上に載ることによって液体が流れなくなる。バルブ組立体の閉鎖状態が図22Aに示してある。バルブ組立体342の開放状態は示されていない。液体が意図しないのにリザーバ338から流出するのを制限するため、シール352が乳首状部材344の肩部351に位置している。そのためこの弾性シールによって乳首状部材344の肩部351と弁座353の界面が閉じられる。シール352は例えばO-リングまたはワッシャーにするか、乳首状部材344の肩部351と弁座353の界面を気密にできる他の任意の部品にすることができる。
【0106】
実験動物の頭部または鼻が十分に通れるよう、開口部340がホッパー組立体336の本体部337に形成されている。開口部340のサイズは、動物の頭部のサイズに合わせることができる。消費されなかったあらゆる液体を回収するため、傾斜壁348が開口部340の底部に位置している。バルブ組立体342から供給されるが動物によって消費されない液体は傾斜壁348に沿って移動し、傾斜壁348の底部に溜まる。したがってロード・セルは、傾斜壁348の底部に溜まった液体の重量を測定することができる。このようにして、動物が実際に消費した液体の重量を正確にモニタすることができる。
【0107】
水ホッパー組立体336の本体部337は、研削すること、鋳造すること、成形すること、ダイカストで製造することができ、液体を保持できる任意の非毒性材料で形成されている。この実施態様では、本体部337は射出成形されていて、ポリカーボネート材料からなる。本体部337は透明な材料で製造できるため、実験室のスタッフは、リザーバの中にある水の体積を素早く調べることができる。図示していないが、本体部337の外面に、リザーバの中にある液体のレベルに対応する目盛付きインディケータを備えることができる。
【0108】
全図面を参照し、ケージの組み立て手続きの例を以下に説明する。
【0109】
ケージ取付モジュール上のゲート機構を閉じ、ゲート・プレートを鉛直位置にしてロックするには、
(1)ケージ取付モジュールを左手で掴む。右手の親指と人差し指を用いてゲート・ロック機構のギザギザしたノブを引っ張り、それを引っ張った状態を続ける。
(2)カムが止めピンにぶつかるまでノブを引っ張りながらゲートを鉛直位置に移動させる。ノブに加えている力を緩める。
(3)柱がアダプタの穴に入る。ギザギザしたノブを、スロットの中に戻ってロックされるまで回す。
【0110】
ゲートを開くには、上記の手続きを逆に行なう。
【0111】
ロード・セルの囲いをケージ取付モジュールに取り付けるには、
(1)4本の指を鍵穴プレートの下に置き、親指をバネ式クリップの上に載せた状態でケージ取付モジュールを掴む。バネ式クリップを押し下げ、下がった状態を維持する。
(2)装置をケージに対して約45°の角度に保ちながら、バネ式クリップが最も上にあって、しかもケージのパッキングの頂部に最も近くなる状態にして、そのバネ式クリップの丸い部分を開口部に挿入することによってそのバネ式クリップを溝に嵌める。
(3)クリップの溝がケージのパッキングの上縁部の中にあって摂食した状態で、下部フックの縁部がケージのパッキングの下縁部の上方に来るまでケージ取付モジュールの底部を回転させる。親指の力をゆっくりと緩めることによってバネ式クリップを解放する。
(4)ケージ取付モジュールの鋼板を貫通している中心部の穴に柱を挿入し、さらにひずみゲージ・セルの開口部の中に入れる。
(5)スロットのある面がケージ取付モジュールのアダプタの開口部の方を向いた状態で餌ホッパーを挿入する。
(6)ゲートを閉じるための上記の指示を逆に実施することによってゲートを開いて給餌位置にする。
【0112】
モジュールを外すには、モジュールを上記のようにして掴み、バネ式クリップを親指で押し下げ、モジュールの底部を45°回転させてケージのパッキングから離し、フックの溝を下げてケージのパッキングの上縁部と噛み合った状態を解消する。
【0113】
動物による餌の摂取をモニタするこの明細書に記載したシステムは、エレクトロニクスのさまざまなハードウエア要素およびソフトウエア要素とともに用いるのに適している。このシステムは、例えば、遠隔ノード、センサー・ケーブル、ネットワーク・モジュール、コネクタ・ブロック、入力/出力モジュール、遠隔ノード・シリアル番号、データ回収コンピュータ、TCP/IPネットワークとともに使用される構成である。
【0114】
遠隔ノードは、場合によっては、ケージ・ラックの近くに取り付けられたエレクトロニクス・パッケージである。1つの遠隔ノードで例えば32個までのケージをモニタすることができる。遠隔ノードは、餌ホッパーの重量を連続的に測定する。ホッパーの重量が不安定になって動物が餌を食べていることを示すと、遠隔ノードはそれ以前の安定な重量を出発重量として記録する。重量が不安定である限り、餌を食べている最中であると考えられる。餌摂取休止期間において重量が安定すると、食事が終了したと考えられる。食事が終了すると、始点の重量と終点の重量を用いて食事の重量が計算され、開始と終了の時刻を用いて食事継続時間が決定される。
【0115】
望ましい一実施態様は、ひずみゲージを遠隔ノードに接続する単一のセンサー・ケーブルを備えている。他の実施態様として、1つのひずみゲージ・セルに対して複数のケーブルにすること、多数のひずみゲージ・セルに対して単一のケーブルにすること、無線接続にすることも考えられる。
【0116】
ネットワークに接続される遠隔ノードの1要素としてネットワーク・モジュールを提供することができる。これは、場合によっては最上位のモジュールであり、一実施態様ではAないしDと標識されたLEDを備えている。遠隔ノードのLEDは、システムの動作のさまざまな側面を反映する。例えば一実施態様では、“D”の光はシステムが動作していることを示す。“A”の光は、遠隔ノードと中央ステーションの間でメッセージ伝達活動があることを示す。“B”の光は、食事が記録されているときはいつでも点滅し、“C”の光は、保管されている餌を中央ステーションによるダウンロードに利用できるときはいつでもオンになっている。それぞれの遠隔ノードを1つのネットワーク・モジュールに割り当てることができる。
【0117】
遠隔ノードの1要素として、センサー・ワイヤーが接続されたコネクタ・ブロックが場合によっては提供される。コネクタ・ブロックは、遠隔ノードの電力を落とすことなく除去したり挿入したりすることができる。コネクタ・ブロックには、典型的には8個まで、またはそれ以上のセンサーを接続することができる。1つの遠隔ノードには1ないし4個のコネクタ・ブロックが一般に存在し、1ないし8個、またはそれ以上のコネクタ・ブロックの場合もある。
【0118】
遠隔ノードの1要素として、センサーから受け取った信号をネットワーク・モジュールが利用できる形態に変換する入力/出力(I/O)モジュールを提供することができる。I/Oモジュールは、遠隔ノードの電力を落とすことなく除去したり挿入したりすることができる。典型的には1つの遠隔ノードに1ないし4個のI/Oモジュールが存在し、8個まで、またはそれ以上のI/Oモジュールが存在する場合もある。一般に、コネクタ・ブロックと同数のI/Oモジュールが存在している。
【0119】
遠隔ノード・シリアル番号は、シリアル番号に基づいて各遠隔ノードに割り当てられる唯一の番号であり、ネットワーク・モジュールの側でプリントすることができる。シリアル番号は、アプリケーションの分布とこの実施態様に含まれるさまざまな特徴を制御するためにシステムに与えられるライセンス・キーとの関連でも使用される。この実施態様では、ライセンス・キーは、遠隔ノード・ネットワーク制御装置のシリアル番号だけに適用され、アプリケーションは、ライセンス・キーが正しいときだけ機能する。
【0120】
データ回収コンピュータは、操作者にとっての主要なインターフェイスとして、また永続的なデータ記憶位置として機能する。データ回収コンピュータとしては、ラップトップ・コンピュータ、またはデスクトップ・コンピュータ、または他の形態のコンピュータが可能である。TCP/IPネットワークは、データ回収コンピュータと遠隔ノードの間の通信手段を提供する。その形態は、遠隔ノードとデータ回収コンピュータの間の(クロスオーバー)ケーブルが可能である。より複雑なネットワークには、既存のコンピュータ・ネットワークの他の部分(例えばVPN、遠隔サイトへの接続)が含まれていてもよい。
【0121】
遠隔ノードと中央ステーションPCの間の通信チャネルとしては、TCP/IPをサポートする任意のチャネルが可能である。その中には、イーサネット(登録商標)(典型的なファシリティ・コンピュータ・ネットワーク)とインターネットが含まれる。必要な帯域幅は、遠隔ノード1つにつき約3ないし5キロビット/秒である。システムは、ファシリティ間のVPNでもうまく機能する。通信が中断したとき、遠隔ノードはモニタと記録を継続し、通信が回復したときに食事データをコンピュータに自動的にアップロードする。
【0122】
ここで図34ないし図36を参照すると、動物による餌の摂取をモニタするための3つの異なるシステムの実施態様が示してある。図34に示した第1の実施態様では、研究者のワークステーション、ノード・サーバ、構造化照会言語データベース(SQL db)は、データ回収コンピュータ(PC1と表記)に統合されている要素である。1つ以上の周辺制御ユニット(PSC)がノードに接続され(すなわちノードと通信し)、ノードは、ノード・サーバに接続され(すなわちノードと通信し)ている。
【0123】
図35に示したシステムの第2の実施態様では、研究者のワークステーションがデータ回収コンピュータ(PC2と表記)に統合された要素になっている。この実施態様では、2つのノード・サーバが研究者のワークステーションに接続され(すなわちワークステーションと通信し)、SQLデータベースがそれぞれのノード・サーバに接続され、3つのノードが2つのノード・サーバに接続され(すなわちノード・サーバと通信し)、複数のPSCが各ノードに接続され(すなわちノードと通信し)ている。この実施態様では、ユーザー・インターフェイス機能とデータ収集機能は異なるハードウエア・プラットフォームに分けられているため、ノード・サーバと構造化質問言語データベース(SQL db)は、研究者のワークステーションとは独立している。
【0124】
図36に示したシステムの第3の実施態様では、ノード・サーバがデータ回収コンピュータ(PC3と表記)に統合された要素になっている。この実施態様では、研究者のワークステーションと、2つのノードと、SQLデータベースが、ノード・サーバに接続され(すなわちノード・サーバと通信し)、複数のPSCが各ノードに接続され(すなわちノードと通信し)ている。図35に示した実施態様と同様、ユーザー・インターフェイス機能とデータ収集機能は異なるハードウエア・プラットフォームに分けられているため、研究者のワークステーションとSQL dbは、ノード・サーバとは独立している。
【0125】
図34ないし図36に示した3つのシステムに関し、データ回収コンピュータ(すなわちPC1、PC2、PC3)とノードの間の通信はTCP/IPであるため、通信は、例えばインターネットまたはイントラネット上で確立される。さらに、ノードとPSCユニットの間の通信は、短距離アナログ、ディジタル・シグナリング、TCP/IPのいずれかにすることが可能である。
【0126】
図23ないし図33に示した実施態様によれば、実験動物の餌消費を分析して報告するソフトウエア・ツールがデータ回収コンピュータにインストールされている。このソフトウエア・ツールのことを今後はBioDAQソフトウエア・ツールまたはBioDAQシステムと呼ぶ。BioDAQシステムは、餌消費のデータを記録し、統合し、表示する。このソフトウエア・ツールの機能を以下の図面を参照してこれから説明する。
【0127】
図23を参照すると、BioDAQソフトウエア・ツールのグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)500の一例である“開始”の1つのスクリーン図が示してある。開始GUI 500は、このソフトウエア・プログラムに入るためのスクリーンである。ユーザーは、遠隔ノードのIPアドレスとライセンス・キーをそれぞれテキスト・ボックス502と504に入力するよう求められる。遠隔ノード情報が入力されると、GUI 500は、特定の遠隔ノードが発見されたことをインディケータ506に“Y”(すなわちイエス)を表示することによってユーザーに知らせる。同様に、GUI 500は、テキスト・ボックス504に入力された遠隔ノードのライセンス・キーが有効であることを、図示してあるようにインディケータ508に“Y”(すなわちイエス)を表示することによってユーザーに知らせる。望むのであれば、ユーザーは、遠隔再ブートアイコン510を選択することによって遠隔ノードをブートし直すことができる。遠隔IPとライセンス・キーの数字が正確に入力されると、ユーザーは実験設定アイコン512を選択することによって実験の設定に進むことができる。図示していないが、実験設定アイコン512を選択した後、別のGUIが現われて、ユーザーに既存の実験を開かせるか、新しい実験を考案させる。既存の実験が選択されるか新しい実験が指定された後に、図24に示したネットワーク・ポピュレーションGUI 516が現われる。1つの実験は、少なくとも1匹の実験動物の餌摂取習慣に関するあらゆる分析操作として定義される。ユーザーは、図23に示した終了アイコン514を選択することによってこのソフトウエア・プログラムを終了させることができる。
【0128】
図24は、BioDAQソフトウエア・ツールのネットワーク・ポピュレーションGUI 516の一例に関する1つのスクリーン図である。この実施態様では、実験に、場合によっては、動物用ケージに取外し可能に取り付けられた32個の周辺制御ユニット(PSC)が含まれる。それぞれのPSCは、遠隔ノードに接続され(すなわち遠隔ノードと通信し)ている。32個の個々のPSCアイコン517からなるマトリックス(今後はPSCマトリックス518と呼ぶ)が、遠隔ノードに接続された32個のPSCのそれぞれに対応している。上述のように、1つ以上のPSC(アダプタ組立体30とも呼ぶ)を動物用ケージに取外し可能に取り付けることができる。32個のPSCアイコン517が必ずしも32個の動物用ケージに対応している必要はなく、むしろ32個のPSCアイコン517は、任意の数の動物用ケージに与えられた32個の異なるPSCに対応していることを理解すべきである。したがって例えば32個のPSCが実験に含まれていて2つのPSCがそれぞれの動物用ケージに与えられているのであれば、動物用ケージは16個存在している。さらに、それぞれのケージに動物が1匹だけとは限らず、複数の動物が1つのケージの中にいてもよい。しかし典型的な実験では、1匹の動物が1つのケージに住んでいて、1つのPSCが1つのケージに与えられている。
【0129】
PSCの番号は、PSCマトリックス518の左側と右側に表示される。例えばPSCマトリックス518に表示される個々のPSCアイコン517の一番上の行はPSC 1ないし8を示しており、個々のPSCアイコン517の最も左側の列は、上から下に向かってPSC 1、9、17、25を示している。この実施態様では、PSC 1ないし9が“オン”で、PSC 10ないし32が“オフ”の状態が示してある。“オン”という表示は、特定のPSCが実験に含まれることを意味し、“オフ”という表示は、特定のPSCが実験に含まれないことを意味する。任意のPSCの状態は、それぞれのPSCマトリックス・アイコン517を選択することによって“オン”から“オフ”に変えること、またはその逆のことができる。ユーザーは、“すべてオン”アイコン520を選択することによってすべてのPSCを1つの実験に含めることができる。同様に、ユーザーは、“すべてオフ”アイコン522を選択することによってすべてのPSCを1つの実験から除外することができる。ユーザーは、“選択放棄”アイコン524を選択することによって“開始”GUI 500に戻ることができる。
【0130】
ユーザーは、実験に関する独自の測定パラメータを定義するのに“測定パラメータ設定”アイコン528を選択することができる。したがってアイコン528を選択すると、図25に示した測定パラメータ設定GUI 530が現われる。
【0131】
ここで図25を参照する。実験の測定パラメータは、測定パラメータ設定GUI 530の“新パラメータ”区画532に設定される。この実施態様では、調節可能なパラメータは、“餌摂取”と“ノイズ”である。“餌摂取”は、1回の餌摂取記録を開始するためにロード・セルが感知した最小の重量変化を意味する。“ノイズ”は、1回の餌摂取記録を停止するためにロード・セルが感知した最大の重量変化を意味する。この実施態様では、ロード・セルが1.0グラム以上の重量変化を感知すると、BioDAQソフトウエア・ツールが1回の餌摂取量の記録を開始する。さらに、ロード・セルが1回の餌摂取の途中で0.1グラム以下の重量変化を感知すると、BioDAQソフトウエア・ツールが餌摂取量の記録を停止させる。“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータは、個々のPSCまたはすべてのPSCに対して設定することができる。
【0132】
特定の1つのPSC(例えばPSC 1)に対して“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータを設定するには、PSCマトリックス548に含まれる個々のPSCアイコン547を選択する。選択されたPSC(例えばPSC 1)は、図示してあるように、“選択されたケージ”表示549に自動的に表示される。次に、PSC 1の“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータが、それぞれテキストボックス542と544に入力する。最後に、“1ケージ更新”アイコン534を選択すると、そのPSCのためのパラメータが正式に設定される。すべてのPSCに関して“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータを設定するには、“餌摂取”と“ノイズ”というパラメータをそれぞれテキストボックス542と544に入力する。次に、“全ケージ更新”アイコン536を選択してすべてのPSC(例えばPSC 1ないし32)に関するパラメータを正式に設定する。
【0133】
“餌摂取”と“ノイズ”の両方に関する複数のデフォルト値をBioDAQシステムに記憶させることができる。デフォルト値は、ソフトウエアのユーザーによって独自に定義される。例えばマウスに関する餌摂取パラメータとノイズ・パラメータは、それぞれ0.5gと0.05gに設定することができ、ラットに関する餌摂取パラメータとノイズ・パラメータは、それぞれ1.0gと0.5gに設定することができる。したがってラットまたはマウスを実験で一般に用いられる場合には、ユーザーがデフォルト入力値を用いて適切な“餌摂取”と“ノイズ”を設定するのは簡単である。デフォルト値のおかげで、ソフトウエア・ツールのユーザーは、それぞれのPSCに関して“餌摂取”と“ノイズ”のテキストボックス542と544に手で入力する必要がなくなる。本発明の発明者は、デフォルト値という特徴によって測定パラメータの設定を簡単にでき、“餌摂取”と“ノイズ”のテキストボックス542と544に不正確な情報が入力される可能性をなくせると考える。デフォルト設定は、ラットとマウスに限定されないことを理解すべきである。
【0134】
“餌摂取”および/または“ノイズ”のデフォルト値をPSCに適用するには、アイコン540またはアイコン538を選択するとよい。その後、“全ケージ更新”アイコン536を選択して“餌摂取”パラメータと“ノイズ”パラメータのデフォルト値をすべてのPSCに適用するか、“1ケージ更新”アイコン534を選択して“餌摂取”パラメータと“ノイズ”パラメータのデフォルト値を1つのPSCに適用する。現在記憶されている“餌摂取”パラメータと“ノイズ”パラメータは、測定パラメータ設定GUI 530の“現在のパラメータ”546に示されている。
【0135】
測定パラメータを測定パラメータ設定GUI 530で定義した後、ユーザーは戻るアイコン550を選択して図24に示したネットワーク・ポピュレーションGUI 516に戻る。ユーザーはネットワーク・ポピュレーションGUI 516の“記録開始”アイコン526を選択して実験を開始する。図示していないが、注意喚起メッセージが現われてユーザーに動物用ケージのゲートを開けさせ、動物が餌を食べられるようにする。注意喚起メッセージが認識されると、図26に示した“餌摂取記録”GUI 552が現われる。
【0136】
ここで図26に示した“餌摂取記録”GUI 552を参照する。遠隔ノードに接続された各PSCの餌摂取活動のデータは、PSC活動表示マトリックス554に表示される。PSCマトリックス518と同様、PSC活動表示マトリックス554の各PSCアイコン555は、個々のPSCを表わす。各PSCの餌摂取活動の現在の状態は、図示してあるようにPSCアイコン555に表示される。この実施態様では、BioDAQシステムは、各PSCの餌摂取活動の状態を餌摂取、休息、IBI、オフに表示することができる。そのことが、それぞれPSCアイコン3、1、2、10に表示されている餌摂取、休息、IBI(餌摂取休止期間)、オフというインディケータによって表示されている。
【0137】
“餌摂取”インディケータは、動物が活発に餌を摂取していて食事中であることを意味する。“IBI”インディケータは、食事中だが動物は活発には餌を食べておらず、したがってホッパーの重量は不安定でなくて餌摂取休止期間であることを意味する。“休息”インディケータは、食事中ではなく、動物が活発に餌を食べていないことを意味する。“オフ”インディケータは、PSCが実験に含まれていないことを意味する。これらのインディケータは、区別するため色分けすることができる。
【0138】
それぞれのPSCによって報告される個々の餌摂取は記録され、“餌摂取記録”GUI 552の餌摂取活動表示564に示される。2回の餌摂取が、図26に示した餌摂取活動表示564に示されている。1回ごとの餌摂取が、餌摂取活動表示564の1つの行に沿って表示される。表示564の個々の列を参照すると、PSCの番号が餌摂取活動表示564の“ケージ”の列に表示される。1回ごとの餌摂取で消費される餌の合計量は、“食事”の列に表示される。それぞれの餌摂取が始まる前にホッパーに収容されている餌の初期重量は、“初期重量”の列に表示される。1回ごとの餌摂取の継続時間は、“継続時間”の列に表示される。最後に、1回ごとの餌摂取の時刻と日付は、それぞれ“時刻”と“日付”の列に表示される。
【0139】
餌摂取のデータを記録して表示することに加え、環境条件が“餌摂取記録”GUI 552に記録されて表示される。特に、“餌摂取記録”GUI 552の表示ボックス558に温度が示され、表示ボックス560に湿度が示され、表示ボックス562に光のレベル(割合として記録され、表示される)が示され、表示ボックス556に記録時のおおまかな時刻と日付が示される。
【0140】
図示していないが、BioDAQソフトウエアは、実験データを、スプレッドシートを生成させることのできる任意のプログラム(例えばマイクロソフト社のエクセル(登録商標))にアップロードすることができる。“餌摂取記録”GUI 552の“.xlsファイル書き込み”アイコン568を選択するとスプレッドシートが自動的に生成する。実験記録に関係するあらゆる観察事項、メモ事項、コメントを記録するため、コメント・テキスト・ボックス570が設けられている。テキスト・ボックス570に入力されたコメントは、実験記録とともに記憶される。
【0141】
“ストップ”アイコン566を選択すると、実験の記録作業が停止する。実験が停止すると、システムは図23の“開始”スクリーンGUI 500に戻る。
【0142】
BioDAQソフトウエア・ツールは、各ロード・セルの精度を向上させるため較正を行なう。より詳細には、各ロード・セルを較正するためにユーザーが“餌摂取記録”GUI 552の“較正”アイコン572を選択すると、図27に示した“セル較正”GUI 590が現われる。
【0143】
ここで図27を参照する。1つのPSCのロード・セルを較正するため、PSCマトリックス594の個々のPSCアイコン592を選択する。図27に示した例では、PSC 1のロード・セルを較正のために選択する。選択されたPSCは、図示してあるように“選択されたケージ”表示596に自動的に表示される。その後、実際には、ユーザーが既知の重量(例えば10g)をPSC 1の餌ホッパーに入れる。既知の重量(例えば10g)は、“最小グラム数”テキスト・ボックス600に入力する。その後ユーザーは、“最小値更新”アイコン602を選択する。“平均更新”インディケータ608が色を変化させたりメッセージを表示したりした後(例えば図27に示してある“Y”)、ユーザーは、PSC 1のホッパーにある第1の既知の重量(例えば10g)を第2の既知の重量(例えば300g)で置き換える。次にユーザーは、“最大値更新”アイコン606を選択する。“平均更新”インディケータ608が色を変化させたりメッセージを表示したりした後(例えば図27に示してある“Y”)、ロード・セルが較正される。ロード・セルの現在のパラメータ(例えば2つの既知の重量に対応するロード・セルの電圧)は、“セル較正”GUI 590の現在のパラメータ区画610に表示される。入力が不適切だったり較正の範囲外だったりした場合のために“デフォルトにリセット”アイコン612が設けられている。“デフォルトにリセット”アイコン612を選択すると、ロード・セルはそのデフォルト較正値に戻る。さらに、処理中の較正作業をキャンセルするために“キャンセル”アイコン614が設けられている。上記の一連のステップを実施することで、“セル較正”GUI 590において任意の数のロード・セルを較正することができる。
【0144】
BioDAQソフトウエア・ツールにより、ユーザーが重量測定(読取値とも呼ぶ)をリアル-タイムで能動的かつ視覚的に観察できるようにして測定値を評価することもできる。あとで説明するように、測定値を評価するというこの特徴をシステムのトラブル-シューティング・ツールとして利用することができる。
【0145】
図26に戻ると、“バージョン”アイコン557を選択することにより、図28に示した“測定値評価”GUI 616が現われる。各PSCユニットに関係するリアル-タイムの重量測定値を評価するため、PSCマトリックス618の個々のPSCアイコン620がユーザーによって選択される。図28に示した例では、“選択されたケージ”表示ボックス619に示されているように、PSC 7が選択されている。PSC 7の重量測定結果はグラフ表示622に示され、重量測定のデータの時間変化が表示される。
【0146】
BioDAQシステムのこの実施態様では、選択されたPSCの重量測定の読取値は、ほぼ1秒に1回の割合でBioDAQソフトウエア・ツールに送られる。一般に、BioDAQは、連続した“n番目”の測定読取値ごとに一連の計算を実行する。連続した“n個”の測定読取値からなる各シリーズは、1つの測定期間を表わす。ユーザーは、1つの数値を“n”読取値テキストボックス630に入力することによって測定期間を定義できる。この実施態様では、図示してあるように、10個という読取値の数が“n”読取値テキストボックス630に入力される。したがって1つの測定読取値が1秒ごとにBioDAQソフトウエア・ツールに送られ、しかも“n”は10に設定されているため、測定期間は10秒であり、BioDAQは10秒ごとに一連の計算を実行する。
【0147】
BioDAQソフトウエア・ツールは、1つの測定期間ごとに所定のアルゴリズムによって3つの量を計算する。まず最初に、このソフトウエア・ツールは、ホッパーの中にある餌の平均重量(グラム数と呼ぶ)を、連続シリーズの最小測定読取値(最小グラム数と呼ぶ)と連続シリーズの最大測定読取値(最大グラム数と呼ぶ)を平均することによって計算する。第2に、この測定アルゴリズムは、連続シリーズの最大測定読取値(すなわち最大グラム数)から連続シリーズの最小測定読取値(すなわち最小グラム数)を差し引くことによって測定範囲(最大範囲と呼ぶ)を計算する。第3の計算は、グラフ表示622を参照して以下に説明する。
【0148】
やはり図28を参照すると、上に説明した最大グラム数と、最小グラム数と、グラム数と、最大範囲の値が、1つの測定期間ごとにグラフ表示622に表示される。“+”記号で表わされる最大グラム数のデータ点と、“×”記号で表わされる最小グラム数のデータ点は、それぞれ、各測定期間における重量測定の最大読取値と最小読取値を表わす。一連のグラム数データは、グラム数曲線624を形成する。グラム数のデータ点は、最大グラム数のデータ点と最小グラム数のデータ点の値の平均値を表わす。グラム数の最新の値が表示ボックス626に示される。“□”記号で表わされる最大範囲のデータ点は、最大グラム数のデータ点(“+”記号)と最小グラム数のデータ点(“×”記号)の差を表わす。最大範囲は、測定の分解能の1つの指標であると考えられる。
【0149】
上述のように、BioDAQソフトウエア・ツールは、1つの測定期間ごとに所定のアルゴリズムによって3つの量を計算する。そのうちの2つの量についてはすでに説明した。BioDAQソフトウエア・ツールによって1つの測定期間ごとに実行される3番目の計算は、平均グラム数と呼ばれる。平均グラム数は、例示したグラフ表示622に表示されるすべてのグラム数データ点の平均値を意味する。この例では、10回の測定期間がグラフ表示622に示してある。したがって平均グラム数曲線632は、10回の測定期間に関するグラム数データ点624の平均値を表わす。
【0150】
食事中曲線628は、読取値が食事中に記録されたか、それとも読取値が非活動状態のときに記録されたかを示す。この実施態様では、食事軸(すなわちグラフの右側に表示される鉛直軸)の1.0ハッシュ・マークに沿って表示される食事中曲線628は、食事中であることを示し、図28に示したように、食事軸の0.0ハッシュ・マークに沿って表示される628は、記録時に食事中ではなかったことを示す。
【0151】
BioDAQソフトウエア・ツールは、最大範囲の計算値を、記憶されている値と連続的に比較する。この実施態様では、3つのPSC食事状態が存在している。すなわち、図26を参照して上に説明した摂食中、IBI、休息である。まず最初に、最大範囲の値が摂食値よりも大きい状態は、特定のPSCに関して食事が開始されている、または食事中であることを示す。したがってBioDAQは、図26に示した対応するPSCアイコン555に“餌摂取”メッセージを表示する。第2に、最大範囲の数値がノイズ値よりも大きいが餌摂取値よりも小さい状態は、特定のPSCに関して食事中であることを示す。したがってBioDAQは、図26に示した対応するPSCアイコン555に“IBI”メッセージを表示する。第3に、最大範囲の数値がノイズ値よりも小さい状態は、食事が終了し、特定のPSCに関して“餌摂取休止期間”(IBI)が終了したことを示す。したがってBioDAQは、図26に示した対応するPSCアイコン555に“休息”メッセージを表示する。
【0152】
測定値を評価するというこの特徴をシステムのトラブル-シューティング・ツールとして利用することができる。すなわち“餌摂取記録”GUI 552により、ユーザーは、各PSCに関し、リアル-タイムの重量測定の読取値を、餌摂取とノイズに関して記憶されている値と容易に比較することができる。
【0153】
図26に戻ると、“餌摂取記録”GUI 552に表示されたPSCアイコン555のうちの任意の1つを選択すると、図29ないし図33に示した“データ・ビューア”GUI 640が現われる。“データ・ビューア”GUI 640は、動物の餌摂取活動の視覚的表示を提供する。図29に示した“データ・ビューア”GUI 6401は、時間と照明状態に関して2つの異なるグループの動物(すなわちグループAとグループB)の平均累積餌摂取習慣をグラフとして示す。例えばグループAは、対照マウスを代表し、グループBは投薬したマウスを代表することができる。比較のためにさまざまな動物の餌摂取習慣を別々に表示することが有用であると考えられる。さらに、分析を目的として動物の1回ごとの餌摂取または累積餌摂取習慣を、照明状態、温度、または他の任意の環境状態に関して表示することも有用であると考えられる。
【0154】
この実施態様では、グループAとグループBの平均累積餌摂取量が約15日間にわたって表示される(すなわち2005年12月14日ないし2005年12月28日)。グループAとグループBの平均累積餌摂取量は、それぞれ曲線642と644によって表わされ、光の状態(すなわち光%)は曲線646によって表わされる。時間はグラフの水平軸に表示される。照明状態(すなわち光%)はグラフの右側の垂直軸に表示される。累積餌摂取量(すなわち累積(g))はグラフの左側の垂直軸に表示される。“餌摂取A表示”アイコン648を選択すると、曲線642が表示される。“餌摂取B表示”アイコン650を選択すると、曲線644が表示される。“光表示”アイコン652を選択すると、曲線646が表示される。さまざまな曲線は、曲線の凡例653に示してあるように、異なる色、影、形状にすることができる。両方のグループに関する15日間の期間にわたる累積餌消費は、それぞれグループAとグループBについて、“最終期間の和”表示ボックス662に表示される。
【0155】
この例では、光%は、一般に、昼になるごとに85%に設定され、夜になるごとに0%に設定される。動物は昼よりも夜により多くの餌を消費することが観察できる。さらに、グループAは、平均してグループBよりも15日間の期間により多くの餌を消費した。
【0156】
図29に示した実施態様では、32個のPSCのうちの8個からの餌摂取データが例示した“データ・ビューア”GUI 6401に表示される。作動している8個のPSCは、グループAとグループBのいずれか、またはそのメンバーと関係している。1匹以上の動物を各PSCと関係づけられることを理解されたい。各PSCは、“データ・ビューア”GUI 6401のPSCマトリックス654の2つの独立したPSCアイコン656によって表わされる。PSCアイコン656の上の行はグループAに対応し、PSCアイコン656の下の行はグループBに対応する。上の行で1つのPSCアイコン656を選択することは、そのPSCをグループAと関係づけることを意味し、下の行で1つのPSCアイコン656を選択することは、そのPSCをグループBと関係づけることを意味する。グループの名称(すなわちAまたはB)は、図示してあるように個々のPSCアイコン上に表示される。この例では、PSC 1ないし4がグループAのメンバーであり、PSC 9ないし12がグループBのメンバーである。図示していないが、1つのPSCを2つ以上のグループと関係づけることができる。各グループに関係づけられたPSCの合計数は、“データ・ビューア”GUI 6401の表示ボックス658と660に表示される。表示ボックス658の隣にある“NA”という記号はグループAに関係づけられたPSCの合計数を表わし、表示ボックス660の隣にある“NB”という記号はグループBに関係づけられたPSCの合計数を表わす。
【0157】
BioDAQソフトウエア・ツールは、グループAとグループB両方のメンバーの平均餌消費量を計算する。グループAの4匹のメンバーの平均累積餌消費量は曲線642によって表わされ、グループBの4匹のメンバーの平均累積餌消費量は曲線644によって表わされる。グループに多数の動物が含まれてい(てグラフ上に曲線が多くあ)るとユーザーがグラフを正確に解釈することが難しくなる可能性があるが、そのような場合にこの特徴が有用であると考えられる。
【0158】
ここで図30に示した“データ・ビューア”GUI 6402の例を参照する。“ケージ表示”アイコン670を選択することで、グループAとグループBの個々のメンバーの累積餌消費量が表示される。グループAの4本の別々の曲線は、一連の曲線672によって示され、グループBの4本の別々の曲線は、一連の曲線674によって示される。この特徴は、1つのPSCに関係する1匹の動物または動物群の餌摂取習慣を見るのに有用である可能性がある。
【0159】
ここで図31に示した“データ・ビューア”GUI 6403の例を参照すると、グループBの累積餌消費と個々の餌摂取量が時間と照明条件に関して示してある。“餌摂取B表示”アイコン678を選択すると、“×”記号で示される個々の餌摂取データ点が、グラフ全体に散らばって表示される。この例では、グループBは、PSCマトリックス654に示してあるように、1つのPSCだけ(すなわちPSC 9)を含んでいる。
【0160】
ここで図32に示した“データ・ビューア”GUI 6404の例を参照すると、グループBの累積餌消費量を時間と照明条件に関して示してある。しかし“データ・ビューア”GUI 6404のこの例では、累積餌消費測定は、約3日間の期間(すなわち2005年12月17日ないし2005年12月20日)において光%の変化があるごとにリセットされる。累積餌消費測定曲線は曲線692によって示してあり、光%曲線は曲線646によって示してある。この例では、累積消費曲線692は、光%曲線646が変化したときにゼロにリセットされる。したがって2005年12月17日ないし2005年12月20日のほぼ7時00分と19時00分の時刻にゼロにリセットされる。この特徴は、変化する環境条件に関して1匹の動物または動物群の累積餌消費を分析するのに特に有用である。分析結果から、動物の習慣と健康に対する知見が得られる可能性がある。
【0161】
リセットするという特徴は、図32に示したリセット・ドロップ・ダウン・メニュー686を通じて制御される。図示してあるように、リセット・ドロップ・ダウン・ボックス686から“光変更”選択肢を選択すると、上述のように光の状態が変化するごとに累積餌消費測定がリセットされる。図示していないが、累積餌消費測定は、光をオンまたはオフにしたときにドロップ・ダウン・メニュー686のこの選択肢を選択することによってリセットできる。さらに、“繰り返し時間”ドロップ・ダウン・メニュー688の特定の期間を選択すると、特定の期間が経過すると累積餌消費測定がリセットされ、“リセットの時刻”ドロップ・ダウン・メニュー690の時刻を選択すると、特定の時刻に累積餌消費測定がリセットされる。
【0162】
ここで図33に示した“データ・ビューア”GUI 6405の例を参照すると、グループBの累積餌消費量を時間と温度に関して示してある。“温度表示”アイコン694を選択すると、“データ・ビューア”GUI 6405のグラフ上に温度曲線696が表示される。“温度表示”ツールは、餌消費を餌摂取環境の温度に関して分析するのに有効である可能性がある。ここには光と温度のデータだけを示して説明してあるが、他の環境パラメータ(例えば湿度)を“データ・ビューア”GUIに含めることができる。
【0163】
BioDAQソフトウエアは、PSCに餌が装填されているか再装填されている途中であるときや、実験室のスタッフがPSCを較正するときなどに間違った餌摂取を無視する構成にすることができる。このソフトウエア・ツールのこの特徴は、餌摂取フィルタと呼ぶことができる。特に、このソフトウエア・ツールは、“最大摂食量”テキスト・ボックス680に記録された閾値を超えるあらゆる餌摂取を無視する。同様に、このソフトウエア・ツールは、“最少摂食量”テキスト・ボックス682に記録された閾値よりも少ないあらゆる餌摂取を無視する。
【0164】
餌摂取フィルタは、図33に示したドロップ・ダウン・メニュー684のさまざまな設定に関係する。図示したようにドロップ・ダウン・メニュー684から“含める”を選択することにより、餌摂取フィルタは、それぞれ最大餌摂取閾値を超える餌摂取と最少餌摂取閾値よりも少ない餌摂取を無視する。ドロップ・ダウン・メニュー684から“除外する”を選択することにより、餌摂取フィルタは、それぞれそれぞれ最大餌摂取閾値を超える餌摂取と最少餌摂取閾値よりも少ない餌摂取だけを含める。“除外する”という特徴は、装填イベント、再装填イベント、較正イベントを追跡するのに役立つ可能性がある。最後に、ドロップ・ダウン・メニュー684から“フィルタなし”を選択することにより餌摂取フィルタが機能しなくなるため、データ・ビューアは記録されたすべての餌摂取を表示する。図29ないし図33に示したデータ・ビューアGUIの例では、餌摂取フィルタが“含める”に設定される。
【0165】
ここですべての図面を参照すると、実験動物の摂食行動の測定と評価は、動物の行動や代謝の研究と、病気や治療的介入に起因する行動や代謝の乱れの研究にとって重要であることがわかる。動物の健康状態を遠くからモニタすることによって多くの利点が得られるが、摂食行動を評価している間に人との相互作用があると、動物をケージから取り出したり、動物に餌を与える部屋に入れたりすることによって動物の本体の行動が乱されることでエラーが入り込む可能性がある。
【0166】
この明細書に記載した給餌とモニタを行なうシステムは、実験動物の摂食習慣を評価するための既存の方法およびシステムと比べていくつかの利点がある。本発明の動物給餌システムにより、ユーザーは、動物に影響を与えることなく摂食行動を測定し、評価することができる。例示した動物給餌システムは完全に自動化されているため、実験動物の摂食行動を測定し、評価するのに必要とされるマンパワーがより少ない。餌を与えて餌消費を測定する行為は、例示した給餌とモニタのためのシステムのおかげでより一貫性があってより再現性が大きくもなる。
【0167】
動物の健康と安全に関し、例示した給餌システムは、動物に餌が適切に与えられていないとき、問題を突き止めるのに人間に頼るのではなくユーザーに警告するように変えることができる。給餌システムがユーザーに給餌または健康に関する問題を警告できるという考え方は、健康な動物は一般に所定の期間に決まった量の餌を食べるというアイディアに基づいている。動物は、消費する水とほぼ同じ重量の餌を食べる。したがって動物が24時間の期間に“x”グラムの餌を食べるならば、一般に同じ期間にほぼ“x”グラムの水を飲むことになる。動物がなぜ食べていないかを説明できる多数の理由がある。それは例えば、ケージのゲートが閉まっている、餌がない、水がない、動物が餌またはホッパーに慣れていない、実験プロトコルのために動物が空腹でない、動物が死んだなどの理由である。餌摂取を遠隔モニタすると、ユーザーは、餌摂取、または水摂取と餌摂取の組み合わせだけに基づいて動物の健康を推測することができる。
【0168】
例示したモニタ・システムにより、餌摂取行動の記録と統合のための単一の集中モニタ・システムが与えられる。1匹の動物の生涯を通じた摂食歴をこの集中システムに記録することができる。1匹の動物の生涯を通じた摂食習慣と健康に関する知見は、さまざまな理由でその動物を特に有用および/または貴重なものにする。
【0169】
ここでは本発明を特別な実施態様を参照して説明してあるが、本発明がここに示した詳細な事柄に限定されることは想定していない。そうではなく、請求項と同等な範囲内で、本発明から逸脱することなく、細部に関してさまざまな変更を施すことができる。
【0170】
例えば給餌機構には、場合によっては総合行動設備(例えば押し棒、光、または他の刺激)が設けられる。また、給餌機構には、場合によっては周囲パラメータ(例えばケージの中の温度、湿度、光、他のパラメータ)の総合的環境モニタ装置が設けられる。さらに、給餌機構には、場合によっては、独立した総合活動モニタ、または餌摂取ロード・セルのデータ-マイニングによる総合活動モニタが設けられる。
【0171】
それに加え、そして本発明のさらに別の特徴により、本発明のシステムは、このシステムによって回収および/または記憶されたデータに基づいてユーザーが動物を容易に分類できるようにする構成にできる。例えば一実施態様によれば、このシステムは、数日間のデータに基づいてユーザーが動物を容易に分類できるようにする構成にできる。例えば一応用例では、限られたデータに基づいて動物を分類できるため、動物を“本来的に肥満”であるか“本来は肥満でない”に分類することが可能になる。
【0172】
例えば遠隔ノードは場合によってはなくすことができ、データ回収コンピュータは、場合によっては、ネットワーク、有線接続、無線接続を通じてひずみゲージ・セルと直接通信を行なう。さらに、別の実施態様には、単一のデータ回収コンピュータとともに用いる複数の遠隔ノードが含まれる。
【0173】
本発明の好ましい実施態様を示して説明してきたが、そのような実施態様は単なる例示として提示されていることが理解されよう。当業者は、本発明の精神を逸脱することなく、多数の変形、変更、置換を思いつくであろう。したがって添付の請求項は、本発明の精神と範囲に入るそのようなあらゆる変形をカバーする。
【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1A】本発明の1つの特徴による動物用ケージの一実施態様の部分端面図である。
【図1B】図1Aに示した動物用ケージの一部を断面図にした側面図である。
【図2A】本発明の1つの特徴による動物用ケージで使用するモールディング要素の一実施態様の正面図である。
【図2B】図2Aに示したモールディング要素の側面図である。
【図2C】図2Aに示したモールディング要素の立面図である。
【図3A】本発明の1つの特徴によるアダプタ組立体の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。
【図3B】図3Aに示したアダプタ組立体の反対側からの側方断面図である。
【図3C】図3Aに示したアダプタ組立体の後方からの部分断面図であり、別の特徴を明らかにするためアダプタ組立体のホッパー組立体が取り除かれている。
【図3D】図3Aに示したアダプタ組立体の上方からの部分断面図であり、別の特徴を明らかにするためアダプタ組立体のホッパー組立体と他の要素が取り除かれている。
【図3E】図3Aに示したアダプタ組立体の下方からの部分断面図であり、別の特徴を明らかにするためアダプタ組立体のプレート要素が取り除かれている。
【図3F】図3Eに示したアダプタ組立体の一部に関する拡大底面図である。
【図3G】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー要素の一実施態様の側方からと正面からの断面図である。
【図3H】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー要素の別の一実施態様の側方からと正面からの断面図である。
【図3I】本発明の1つの特徴による動物用ケージとアダプタ組立体の一実施態様の部分端面図である。
【図3J】図3Iに示した動物用ケージとアダプタ組立体の一部を断面図にした側面図である。
【図3K】本発明の別の特徴によるアダプタ組立体の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。
【図4A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するホッパー組立体の一実施態様の側方断面図である。
【図4B】図4Aに示したホッパー組立体の正面図である。
【図4C】図4Aに示したホッパー組立体の底面図である。
【図5A】図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の一実施態様の側方断面図である。
【図5B】図5Aに示したスクリーン要素の正面図である。
【図5C】図5Aに示したスクリーン要素の上面図である。
【図5D】図5Aに示したスクリーン要素の拡大側方断面図である。
【図6】図5Aに示したスクリーン要素とともに使用するメッシュ要素の一実施態様の正面図である。
【図7】図5Aに示したスクリーン要素とともに使用するメッシュ要素の別の一実施態様の正面図である。
【図8A】図4Aに示したホッパー組立体で使用する支持要素の側面図である。
【図8B】図8Aに示した支持要素の底面図である。
【図9A】図4Aに示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の別の一実施態様の側方断面図である。
【図9B】図9Aに示したスクリーン要素の正面図である。
【図9C】図9Aに示したスクリーン要素の上面図である。
【図10A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するアダプタ要素の一部を断面図にした正面図である。
【図10B】図10Aに示したアダプタ要素の側面図である。
【図10C】図10Aに示したアダプタ要素の反対側からの側方断面図である。
【図10D】図10Aに示したアダプタ要素の一部を断面図にした上面図である。
【図10E】図10Aに示したアダプタ要素の底面図である。
【図11A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するフック要素の一実施態様の側面図である。
【図11B】図11Aに示したフック要素の上面図である。
【図11C】図11Aに示したフック要素の正面図である。
【図12】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するクリップ要素の一実施態様の側面図である。
【図13A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するゲート要素の一実施態様の正面図である。
【図13B】図13Aに示したゲート要素の側面図である。
【図13C】図13Aに示したゲート要素の端面図である。
【図14A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するブラケット要素の一実施態様の正面図である。
【図14B】図14Aに示したブラケット要素の側方断面図である。
【図14C】図14Aに示したブラケット要素の上面図である。
【図15A】図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の一実施態様の一部を断面図にした側面図である。
【図15B】図3Aに示したアダプタ組立体で使用する連結要素の別の一実施態様の端面図である。
【図15C】図15Bに示した連結要素の側方断面図である。
【図16】図3Aに示したアダプタ組立体で使用するカム要素の一実施態様の側方断面図である。
【図17A】図1Aに示した動物用ケージで使用するブロッカー組立体の一実施態様の正面図である。
【図17B】図17Aに示したブロッカー組立体の側方断面図である。
【図18】アダプタ組立体の別の一実施態様の反対側からの側方断面図である。
【図19A】図18に示したホッパー組立体で使用するブラケットの側面図である。
【図19B】図19Aに示したブラケットの上面図である。
【図20A】図18に示したホッパー組立体で使用するスクリーン要素の側面図である。
【図20B】図20Aに示したスクリーン要素の正面図である。
【図21】水ホッパー組立体を含むアダプタ組立体の別の一実施態様の反対側からの側方断面図である。
【図22A】図21に示したアダプタ組立体で使用する水ホッパー組立体の側方断面図である。
【図22B】図22に示した水ホッパー組立体の上面図である。
【図22C】図22に示した水ホッパー組立体の透視図である。
【図23】BioDAQソフトウエア・ツールのグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)の一例である“スタートアップ”の1つのスクリーン図である。
【図24】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例であるネットワーク・ポピュレーションの1つのスクリーン図である。
【図25】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例である測定パラメータ設定の1つのスクリーン図である。
【図26】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例である餌摂取記録の1つのスクリーン図である。
【図27】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例であるセル較正の1つのスクリーン図である。
【図28】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例である測定値評価の1つのスクリーン図である。
【図29】BioDAQソフトウエア・ツールのGUIの一例であるデータ・ビューアの1つのスクリーン図であり、2つのグループの実験動物の平均累積餌消費を室内照明と時間の関数として示してある。
【図30】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、実験に含まれる各実験動物の累積餌消費量を室内照明と時間の関数として示してある。
【図31】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、1匹の実験動物の累積餌消費量と個別の餌摂取量を室内照明と時間の関数として示してある。
【図32】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、1匹の実験動物の累積餌消費量を室内照明と時間の関数として示してある。累積餌消費量の測定は、室内照明を変えるごとにリセットする。
【図33】図29に示したGUIの一例であるデータ・ビューアの別の1つのスクリーン図であり、1匹の実験動物の累積餌消費量を室内照明と時間の関数として示してある。
【図34】動物の摂食習慣をモニタするシステムの一例の概略図である。
【図35】動物の摂食習慣をモニタするシステムの別の一例の概略図である。
【図36】動物の摂食習慣をモニタするシステムのさらに別の一例の概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、餌の断片を収容するホッパーと;
このホッパーに対して可動であって、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動できるゲートと;
このゲートに接続されたスイッチを備える動物給餌装置。
【請求項2】
動物によるスイッチの作動が、その動物が上記ホッパーに収容されている餌を食べたいという欲求を示す、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項3】
上記スイッチが、上記動物が上記ゲートを押すか引くことによって作動する、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項4】
上記動物が上記ゲートに接触して上記スイッチを作動させた後にそのゲートが開く構成にされている、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項5】
上記動物が上記ゲートにあらかじめ決めた回数接触した後にそのゲートが開く構成である、請求項4に記載の動物給餌装置。
【請求項6】
上記ゲートに接続されたカムと、上記スイッチに接続されたアームをさらに備えていて、そのカムがそのアームに対して移動する、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項7】
上記スイッチは、振動センサー、加速度計、変位スイッチ、光ビーム・スイッチ、または他の機械式センサーからなるグループの中から選択される、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項8】
ホッパーと;
このホッパーに接続され、このホッパー内部に餌を保持させ、動物がその餌にアクセスできるようにするスクリーンと、を備える動物給餌装置。
【請求項9】
上記スクリーンは、上記ホッパーの中に餌が収容されるとともに、動物がその餌にアクセスできるように少なくとも部分的に上記ホッパーの中に配設されている、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項10】
上記スクリーンの表面によって支持されるメッシュをさらに備える、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項11】
上記メッシュは、上記スクリーンに対し、除去及び再配置可能なように取り外し可能に取り付けられている、請求項10に記載の動物給餌装置。
【請求項12】
上記メッシュが少なくとも1本のワイヤで形成されている、請求項10に記載の動物給餌装置。
【請求項13】
上記ワイヤの細長い部分が実質的に水平な方向に延びている、請求項12に記載の動物給餌装置。
【請求項14】
上記ワイヤの細長い部分が実質的に鉛直な方向に延びている、請求項12に記載の動物給餌装置。
【請求項15】
上記ワイヤが丸くされているか、円形断面を有する、請求項12に記載の動物給餌装置。
【請求項16】
上記スクリーンが金属製である、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項17】
上記スクリーンが単一の部材である、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項18】
上記スクリーンが、このスクリーンと上記ホッパーの表面の相互接続を容易にするための少なくとも1つのフランジを備える、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項19】
上記スクリーンが、互いに向かい合ったヘッダに接続された複数の成形ワイヤを備える、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項20】
互いに向かい合った上記ヘッダが、上記ホッパーに留められるか係合される構成である、請求項19に記載の動物給餌装置。
【請求項21】
上記スクリーンが、収容されている餌に動物が上記ホッパーの上部、側部、底部のうちの少なくとも1つからアクセスできる形状である、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項22】
上記スクリーンが、動物の鼻口部よりも大きいが上記餌のペレットよりも小さい開口部を有する、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項23】
ホッパーと;
液体を収容するためこのホッパーによって規定されているリザーバと;
このリザーバから液体を選択的に流すことのできるバルブを備える動物給餌装置。
【請求項24】
上記ホッパーに収容されている液体の重量を伝える手段をさらに備える、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項25】
上記リザーバの上端が大気に向かって開放されているか、覆われている、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項26】
上記リザーバが、上記ホッパーの本体部によって規定されている、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項27】
上記バルブが上記ホッパーの本体部に接続されている、請求項26に記載の動物給餌装置。
【請求項28】
上記バルブが、バルブ・ハウジングと、このバルブ・ハウジングに対して移動可能に取り付けられていて上記リザーバから液体を選択的に流すことのできる乳首状部材とを備える、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項29】
上記乳首状部材にバネが取り付けられている、請求項28に記載の動物給餌装置。
【請求項30】
上記乳首状部材と上記バルブ・ハウジングの間を選択的に封止するように位置せしめられたシールをさらに備える、請求項28に記載の動物給餌装置。
【請求項31】
上記シールは、上記バルブの閉位置において上記乳首状部材と上記バルブ・ハウジングの接触面を閉じる、請求項30に記載の動物給餌装置。
【請求項32】
実験動物の頭部のために少なくとも部分的間隙が生ずるように、上記ホッパーの本体部に凹部が設けられている、請求項26に記載の動物給餌装置。
【請求項33】
上記凹部が、上記リザーバからの消費されない液体を捕獲するように配設された傾斜壁を備える、請求項32に記載の動物給餌装置。
【請求項34】
開口部と、餌の断片を収容する内部とを備えるホッパーと;
このホッパーに対して、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動でき、その開放位置と閉鎖位置の間を枢軸回転できるゲートを備える動物給餌装置。
【請求項35】
上記ゲートに接続されたカムをさらに備える、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項36】
サーボに接続されたアームをさらに備えていて、そのアームに対して上記カムが動く、請求項35に記載の動物給餌装置。
【請求項37】
上記カムが、上記ゲートの閉鎖位置において機械仕掛けで上記アームに接している、請求項36に記載の動物給餌装置。
【請求項38】
上記サーボが、上記ゲートの1つ以上の位置において作動を停止する構成である、請求項36に記載の動物給餌装置。
【請求項39】
上記ゲートが、あらかじめ選択した位置に捕らえられる構成である、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項40】
上記カムまたは上記ゲートに関係付けられた表面をさらに備え、上記ゲートをあらかじめ選択した位置に捕らえる、請求項39に記載の動物給餌装置。
【請求項41】
上記ゲートは、重力下において所望の位置に向って付勢されている、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項42】
上記ゲートは、上記開放位置と上記閉鎖位置の間シャフトのまわりを枢軸回転することができる、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項43】
動物の摂食行動を伝達する方法であって、
個別の摂食量に対応するデータを記憶するステップと;
その個別の摂食量を表示するステップを含む方法。
【請求項44】
上記表示ステップが、グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)で個別の摂食量を表示することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
累積摂食量に対応するデータを記憶するステップをさらに備えた請求項43に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つのグループの動物に関して累積摂食量のデータを記憶するステップをさらに含んでいて、少なくとも1匹の動物が、1つのグループの動物のメンバーである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を計算するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を表示するステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
環境条件が変化したときに上記累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
あらかじめ決めた期間が経過した後に上記累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
上記累積摂食量を表示するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
個別の摂食量と、環境条件の時間変化を表示するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
個別の摂食量のデータにフィルタをかけて所定のデータ範囲にするステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項54】
上記所定のデータ範囲にある個別の摂食量を表示するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
上記所定のデータ範囲から外れた個別の摂食量を表示するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
動物の摂食活動をモニタする方法であって、
個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップと;
その遠隔位置でその個別の摂食量を表示するステップを含む方法。
【請求項57】
複数の動物の個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
ネットワークを通じてデータを通信するステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
上記サーボと上記ゲートが、そのサーボが作動していないときにそのゲートの1つ以上の位置に維持される構成である、請求項38に記載の動物給餌装置。
【請求項60】
動物の健康をモニタする方法であって、
その動物の摂食活動に対応するデータを収集するステップと;
そのデータを遠隔位置で受信するステップを含む方法。
【請求項61】
上記記録ステップに、上記動物と人間の相互作用、または人間による上記動物の直接的観察が含まれない、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
上記受信ステップに、聴覚手段、視覚手段、e-メール、ポケットベル(登録商標)、または他の信号伝達機構を通じて動物が不健康である信号を受信することが含まれる、請求項60に記載の方法。
【請求項1】
開口部を有し、餌の断片を収容するホッパーと;
このホッパーに対して可動であって、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動できるゲートと;
このゲートに接続されたスイッチを備える動物給餌装置。
【請求項2】
動物によるスイッチの作動が、その動物が上記ホッパーに収容されている餌を食べたいという欲求を示す、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項3】
上記スイッチが、上記動物が上記ゲートを押すか引くことによって作動する、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項4】
上記動物が上記ゲートに接触して上記スイッチを作動させた後にそのゲートが開く構成にされている、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項5】
上記動物が上記ゲートにあらかじめ決めた回数接触した後にそのゲートが開く構成である、請求項4に記載の動物給餌装置。
【請求項6】
上記ゲートに接続されたカムと、上記スイッチに接続されたアームをさらに備えていて、そのカムがそのアームに対して移動する、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項7】
上記スイッチは、振動センサー、加速度計、変位スイッチ、光ビーム・スイッチ、または他の機械式センサーからなるグループの中から選択される、請求項1に記載の動物給餌装置。
【請求項8】
ホッパーと;
このホッパーに接続され、このホッパー内部に餌を保持させ、動物がその餌にアクセスできるようにするスクリーンと、を備える動物給餌装置。
【請求項9】
上記スクリーンは、上記ホッパーの中に餌が収容されるとともに、動物がその餌にアクセスできるように少なくとも部分的に上記ホッパーの中に配設されている、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項10】
上記スクリーンの表面によって支持されるメッシュをさらに備える、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項11】
上記メッシュは、上記スクリーンに対し、除去及び再配置可能なように取り外し可能に取り付けられている、請求項10に記載の動物給餌装置。
【請求項12】
上記メッシュが少なくとも1本のワイヤで形成されている、請求項10に記載の動物給餌装置。
【請求項13】
上記ワイヤの細長い部分が実質的に水平な方向に延びている、請求項12に記載の動物給餌装置。
【請求項14】
上記ワイヤの細長い部分が実質的に鉛直な方向に延びている、請求項12に記載の動物給餌装置。
【請求項15】
上記ワイヤが丸くされているか、円形断面を有する、請求項12に記載の動物給餌装置。
【請求項16】
上記スクリーンが金属製である、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項17】
上記スクリーンが単一の部材である、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項18】
上記スクリーンが、このスクリーンと上記ホッパーの表面の相互接続を容易にするための少なくとも1つのフランジを備える、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項19】
上記スクリーンが、互いに向かい合ったヘッダに接続された複数の成形ワイヤを備える、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項20】
互いに向かい合った上記ヘッダが、上記ホッパーに留められるか係合される構成である、請求項19に記載の動物給餌装置。
【請求項21】
上記スクリーンが、収容されている餌に動物が上記ホッパーの上部、側部、底部のうちの少なくとも1つからアクセスできる形状である、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項22】
上記スクリーンが、動物の鼻口部よりも大きいが上記餌のペレットよりも小さい開口部を有する、請求項8に記載の動物給餌装置。
【請求項23】
ホッパーと;
液体を収容するためこのホッパーによって規定されているリザーバと;
このリザーバから液体を選択的に流すことのできるバルブを備える動物給餌装置。
【請求項24】
上記ホッパーに収容されている液体の重量を伝える手段をさらに備える、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項25】
上記リザーバの上端が大気に向かって開放されているか、覆われている、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項26】
上記リザーバが、上記ホッパーの本体部によって規定されている、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項27】
上記バルブが上記ホッパーの本体部に接続されている、請求項26に記載の動物給餌装置。
【請求項28】
上記バルブが、バルブ・ハウジングと、このバルブ・ハウジングに対して移動可能に取り付けられていて上記リザーバから液体を選択的に流すことのできる乳首状部材とを備える、請求項23に記載の動物給餌装置。
【請求項29】
上記乳首状部材にバネが取り付けられている、請求項28に記載の動物給餌装置。
【請求項30】
上記乳首状部材と上記バルブ・ハウジングの間を選択的に封止するように位置せしめられたシールをさらに備える、請求項28に記載の動物給餌装置。
【請求項31】
上記シールは、上記バルブの閉位置において上記乳首状部材と上記バルブ・ハウジングの接触面を閉じる、請求項30に記載の動物給餌装置。
【請求項32】
実験動物の頭部のために少なくとも部分的間隙が生ずるように、上記ホッパーの本体部に凹部が設けられている、請求項26に記載の動物給餌装置。
【請求項33】
上記凹部が、上記リザーバからの消費されない液体を捕獲するように配設された傾斜壁を備える、請求項32に記載の動物給餌装置。
【請求項34】
開口部と、餌の断片を収容する内部とを備えるホッパーと;
このホッパーに対して、動物がその開口部に少なくとも部分的にアクセスできるようにする開放位置と、動物がその開口部にアクセスするのを少なくとも部分的に阻止する閉鎖位置との間を移動でき、その開放位置と閉鎖位置の間を枢軸回転できるゲートを備える動物給餌装置。
【請求項35】
上記ゲートに接続されたカムをさらに備える、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項36】
サーボに接続されたアームをさらに備えていて、そのアームに対して上記カムが動く、請求項35に記載の動物給餌装置。
【請求項37】
上記カムが、上記ゲートの閉鎖位置において機械仕掛けで上記アームに接している、請求項36に記載の動物給餌装置。
【請求項38】
上記サーボが、上記ゲートの1つ以上の位置において作動を停止する構成である、請求項36に記載の動物給餌装置。
【請求項39】
上記ゲートが、あらかじめ選択した位置に捕らえられる構成である、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項40】
上記カムまたは上記ゲートに関係付けられた表面をさらに備え、上記ゲートをあらかじめ選択した位置に捕らえる、請求項39に記載の動物給餌装置。
【請求項41】
上記ゲートは、重力下において所望の位置に向って付勢されている、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項42】
上記ゲートは、上記開放位置と上記閉鎖位置の間シャフトのまわりを枢軸回転することができる、請求項34に記載の動物給餌装置。
【請求項43】
動物の摂食行動を伝達する方法であって、
個別の摂食量に対応するデータを記憶するステップと;
その個別の摂食量を表示するステップを含む方法。
【請求項44】
上記表示ステップが、グラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)で個別の摂食量を表示することを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
累積摂食量に対応するデータを記憶するステップをさらに備えた請求項43に記載の方法。
【請求項46】
少なくとも1つのグループの動物に関して累積摂食量のデータを記憶するステップをさらに含んでいて、少なくとも1匹の動物が、1つのグループの動物のメンバーである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を計算するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
1つのグループの動物の累積摂食量の平均値を表示するステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
環境条件が変化したときに上記累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項50】
あらかじめ決めた期間が経過した後に上記累積摂食量の測定値をあらかじめ決めた値にリセットするステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項51】
上記累積摂食量を表示するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項52】
個別の摂食量と、環境条件の時間変化を表示するステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
個別の摂食量のデータにフィルタをかけて所定のデータ範囲にするステップをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項54】
上記所定のデータ範囲にある個別の摂食量を表示するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
上記所定のデータ範囲から外れた個別の摂食量を表示するステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
動物の摂食活動をモニタする方法であって、
個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップと;
その遠隔位置でその個別の摂食量を表示するステップを含む方法。
【請求項57】
複数の動物の個別の摂食量に対応するデータを遠隔位置に通信するステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
ネットワークを通じてデータを通信するステップをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
上記サーボと上記ゲートが、そのサーボが作動していないときにそのゲートの1つ以上の位置に維持される構成である、請求項38に記載の動物給餌装置。
【請求項60】
動物の健康をモニタする方法であって、
その動物の摂食活動に対応するデータを収集するステップと;
そのデータを遠隔位置で受信するステップを含む方法。
【請求項61】
上記記録ステップに、上記動物と人間の相互作用、または人間による上記動物の直接的観察が含まれない、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
上記受信ステップに、聴覚手段、視覚手段、e-メール、ポケットベル(登録商標)、または他の信号伝達機構を通じて動物が不健康である信号を受信することが含まれる、請求項60に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図3K】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図3J】
【図3K】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公表番号】特表2008−531058(P2008−531058A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558269(P2007−558269)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/007606
【国際公開番号】WO2006/096509
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(507297732)リサーチ ダイエッツ,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/007606
【国際公開番号】WO2006/096509
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(507297732)リサーチ ダイエッツ,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】
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