説明

包装用フィルム及びその包装用フィルムを用いた包装装置

【課題】ミシン目や摘み片等を設ける必要がなく、包装後の被包装物から簡単且つスムーズに包装を開封することができる易開封性(易剥離性)に優れた包装用フィルム、及びその包装用フィルムを用いた包装装置を提供する。
【解決手段】被包装物Wの外周を環状に帯巻き包装する包装用フィルムであって、前記包装用フィルムを構成する基材フィルム1aの面上に、フィルム相互の溶着を阻害する塗料からなる溶着阻害層2を形成し、該溶着阻害層2は溶着力を阻害する前記塗料の塗布密度データに基づき塗布され、前記溶着阻害層の上に基材フィルムを重合溶着して形成される重合溶着部が開封部となることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で陳列販売されるインスタント食品、弁当、各種食品の容器、その他、PETボトル等のプラスチックボトル、ガラス瓶、缶等の被包装物を包装するのに用いられる包装用フィルムに関し、詳しくは開封性(剥離性)が改良された包装用フィルム、及びその包装用フィルムを用いた包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で陳列販売される弁当や蓋付きトレーに入った被包装物(商品)は、被包装物の外周に沿って熱収縮性を有する帯フィルムを巻き付け、その帯フィルムの重合部分を熱溶着する帯巻き包装が行われている。そして、これらの帯巻き包装において帯フィルムの取り外し(分離切断)を容易にするために、予め帯フィルムに取り外し(分離切断)の為のミシン目を施す、或いは摘み片を設ける等の方法が一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記した包装においては、被包装物の外周に沿って熱収縮性を有する帯フィルムを巻き付けた後、該帯フィルムを被包装物の外周にしっかりと巻き付けるためにシュリンク装置等により当該帯フィルムを熱収縮させる。この熱収縮による緊張によって前記帯フィルムに設けられたミシン目周辺に皺が発生してミシン目が広がり、見た目が悪くなったり、或いは、ミシン目に亀裂が発生して不用意な裂け目が走ったりするなどの不具合を生じる虞れがあった。
また、帯フィルムに予めミシン目や摘み片を設けるため、コストが高くなるという問題点を有する。
【0004】
また、予めミシン目や摘み片を設けた帯フィルムを使用して包装する場合、前記ミシン目や摘み片の開封部が包装後に開封しやすい位置に位置するように包装装置を制御する必要があり、そのためには前記包装装置側に前記ミシン目や摘み片の開封部を所定の位置に位置させるために何らかの装置を備える必要があり、設備費が増大するという経済的問題も発生する。
【0005】
更に、前記開封部を形成するミシン目や摘み片は帯フィルムを巻回する時に施すことも考えられるが、この場合も包装装置内にミシン目や摘み片を施す機構部を追加装備する必要がある。しかし、その場合、包装装置そのもののコストアップとなるばかりでなく、包装装置の制御及び稼動箇所が増えるため、故障の原因も増えるという問題があった。
また、帯フィルムを巻回する時の被包装物の態様によっては、帯フィルムに開封部が施されていたとしても、開封しづらい、或いは被包装物の形状によっては包装した帯フィルムの開封部に余計な力が加わり、開封部が開封前に開封されてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−7054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、ミシン目や摘み片等を設ける必要がなく、シュリンク包装後の被包装物から簡単且つスムーズに包装を開封することができる易開封性(易剥離性)に優れた包装用フィルム、及びその包装用フィルムを用いた包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明の包装用フィルムは、被包装物の外周を環状に帯巻き包装する包装用フィルムであって、前記包装用フィルムを構成する基材フィルムの面上に、溶着を阻害する塗料からなる溶着阻害層を形成し、該溶着阻害層は溶着を阻害する密度に基づいて前記塗料が塗布され、前記溶着阻害層の上に基材フィルムを重合溶着して形成される重合溶着部が開封部となることを特徴とする(請求項1)。
前記基材フィルムは、一軸延伸フィルムであり、その基材フィルムは従来から使用されている無延伸ポリプロピレンフィルム、熱収縮性の延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、PET等のプラスチックフィルムが挙げられる。
前記溶着阻害層は、フィルムの全面に或いは部分的に形成してもよい。また、溶着阻害層を形成する塗料(インキ)の塗布(印刷)形態は、ストライプ状、ドット状、格子状等のパターンで規則的に断続して形成してもよいし、或いは模様を描くように塗布する等何れでもよい。
また、前記溶着阻害層は求める易開封性(易剥離性)の程度に応じた密度(溶着させようとするエリア内の被溶着阻害部分を細分化した面積或いは濃度)に基づいて適宜調整される(請求項2)。
【0009】
上記手段によれば、フィルムの面上に、フィルム同士の溶着を阻害する塗料(インキ)を塗布(印刷)した溶着阻害層が形成されている為、該溶着阻害層が形成された部分にフィルムが重合されて前記溶着阻害層部分が熱溶着されても、フィルム同士は溶着阻害層が存在しない部分では強く溶着され、溶着阻害部分は弱い溶着となる。これにより、フィルム同士は溶着が施された範囲の中の強溶着部と弱溶着部とで連結されるので、被包装物へ環状に帯巻き包装したフィルムをシュリンク装置等でシュリンクしても、該フィルムに設けられた溶着阻害層部分が破断し外れる事がなく、且つシュリンク後に溶着された溶着阻害層部分が開封に適した溶着強度の強弱が強調され、包装物品を手にした利用者は簡単に剥離開封することが可能となる。
また、溶着阻害層を密度に基づいて形成することで、溶着部分の易開封性の調整を被包装物の態様に応じてフィルム面上に施すことができる。
【0010】
また、前記包装用フィルムを用いて、帯フィルムの長手方向の所定箇所(帯巻きして重合する箇所)に、前記溶着阻害層を配置し、開封部を設けた包装体としてもよい。
前記帯フィルムの包装体は、一つの帯フィルムを被包装物の外周に巻き付けて包装する包装体、或いは上下又は略水平左右方向から繰り出される帯フィルムを連結して被包装物の外周に巻き付ける包装体の何れでもよい。
【0011】
また、前記包装用フィルムを用いて被包装物の外周を環状に包装する作業は、手作業によって行うことができるが、機械によって自動的に包装することも可能である。
その包装装置は、前記被包装物を水平搬送する搬送手段と、前記搬送手段を挟んで対向配置させた帯フィルムロールと、前記対向配置させた帯フィルムロールから繰り出される帯フィルムの先端同士を、前記搬送手段上で溶着連結する溶着手段と、を備え、前記対向配置させた帯フィルムロールの少なくとも一方のフィルムロールは、他方の帯フィルムとの溶着面側に溶着を阻害する溶着阻害層を形成した帯フィルムロールとし、前記対向配置させた帯フィルムロールから帯フィルムを繰り出し、該帯フィルムの先端同士を前記溶着手段で溶着連結し、他端を重合溶着して前記被包装物を包装し、前記重合溶着部が開封部となるようにしたことを特徴とする(請求項3)。
前記溶着阻害層を形成した帯フィルムロールが、搬送手段を挟んで対向配置される上下或いは左右のフィルムロールの一方にのみ配置される場合、配置される位置は上下或いは左右何れの側でもよい。
また、前記帯フィルムに形成される溶着阻害層は、帯フィルムの全長に亘って形成、長手方向に一定間隔をおいて形成の何れでもよい。
【0012】
上記手段によれば、上下或いは左右の帯フィルムロールから繰り出される帯フィルムの先端同士を溶着連結して1本のフィルムとし、そのフィルムに、搬送手段で被包装物を搬送することで該被包装物の外周面にそって前記フィルムを帯巻きし、帯巻きした上下或いは左右の帯フィルムを溶着切断することで包装が完成される。そして、上下或いは左右の帯フィルムが溶着された2箇所の溶着部分は、上下或いは左右のフィルムの一方又は両方が溶着阻害層であるため、溶着阻害層以外のフィルム同士の溶着強度に比べて溶着強度は弱く、簡単に剥離開封することが可能となる。即ち、易開封箇所を備えた包装を連続して自動的に行うことができる。
【0013】
また、帯巻き包装する包装装置は、予め溶着阻害層を形成した帯フィルムを使用することなく、包装に使用する上下或いは左右の帯フィルムの一方又は両方に、包装毎に溶着阻害層を形成して包装するようにしてもよい。
その包装装置は、前記被包装物を水平搬送する搬送手段と、前記搬送手段を挟んで対向配置させた帯フィルムロールと、前記対向配置させた帯フィルムロールから繰り出される帯フィルムの先端同士を、前記搬送手段上で溶着連結する溶着手段と、前記対向配置させた帯フィルムロールの何れか一方のフィルムロール、又は両方のフィルムロールから繰り出されるフィルムの溶着面側に溶着阻害層を塗布形成する塗布手段と、を備え、前記対向配置させた帯フィルムロールから帯フィルムを繰り出すと共に、前記塗布手段で一方または両方の帯フィルムの溶着面に溶着阻害層を形成し、該帯フィルムの先端同士を前記溶着手段で溶着連結し、他端を重合溶着して前記被包装物を包装し、前記重合溶着部が開封部となるようにしたことを特徴とする(請求項4)。
前記塗布手段としては、例えば、インクリボンとサーマルヘッドを使用し、帯フィルムにドット印字で熱転写(印刷)する方式が挙げられる。
【0014】
上記手段によれば、帯巻き包装に供する上下或いは左右帯フィルムの一方又は両方の溶着箇所に、塗布手段で溶着阻害層を塗布形成(印刷)し、そのフィルムを溶着連結して被包装物を帯巻き包装するため、易開封のための溶着阻害層を効果的に効率よく配置して包装することができる。
【0015】
また、前記溶着阻害層の溶着を阻害する塗布密度を定める密度設定手段を更に備え、前記塗布手段は、前記溶着阻害層を前記密度設定手段で設定された密度に基づいて、サーマルヘッド(発熱素子)に帯フィルムを圧接移動させ、該帯フィルムを加熱して形成する(請求項5)。
【0016】
上記手段によれば、前記溶着阻害層の溶着を阻害する密度を定める密度設定手段を更に備えたので、溶着強度を決定する溶着阻害層を、密度データに基づいて帯フィルムに形成できるので、被包装物の態様に応じた溶着強度の開封部を帯フィルムに設けて包装を確実に行うことができる。
【0017】
また、前記溶着を阻害する密度は、溶着させようとするエリア内の被溶着阻害部分を細分化した面積、濃度、加熱温度であることを特徴とする(請求項6)。
【0018】
上記手段によれば、溶着阻害層を形成する塗料(インキ)の塗布(印刷)形態が、ストライプ状、ドット状、格子状等のパターンに対して更に微細に細分化した面積、濃度、加熱温度等を密度として設定するので、同一パターンであったとしても被包装物の態様に合わせた溶着阻害層により設けられた開封部の開封強度を変えることができる。
【0019】
また、前記密度は被包装物毎に設定してもよい。例えば、前記包装装置の記憶手段に、少なくとも品名、単価、及び前記密度設定手段で設定された密度を商品データとして商品毎に設定できる商品ファイルを備え、商品が指定されると前記商品ファイルから該当する商品データを読み出し、前記密度に基づいて前記帯フィルムの溶着面に溶着阻害層を前記塗布手段で塗布(印刷)する(請求項7)。
【0020】
上記手段によれば、溶着強度を決定する溶着阻害層を、被包装物の態様に合わせて設定された密度に基づいて帯フィルムに確実に形成することができる。
【0021】
また、前記包装装置の入力手段における所定のキー毎に前記密度設定手段で設定された密度を設定し、操作されたキーに応じた密度に基づいて前記帯フィルムの溶着面に溶着阻害層を前記塗布手段で塗布(印刷)するようにしてもよい(請求項8)。
【0022】
上記手段によれば、入力手段を構成する所定のキー毎に密度データが割り振り設定されているため、被包装物に応じて所定のキーを操作することで、包装する帯フィルムの溶着箇所に目的の溶着強度を決定する密度に基づいて溶着阻害層を確実に形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は請求項1記載の構成により、予めフィルムにミシン目や摘み片等を施すことなく、溶着強度を決定する密度に基づく溶着阻害層を形成したフィルムの溶着切断によって、該溶着部分に開封・分離を容易に行うことが可能な開封部を容易に設けることができると共に、包装用フィルムのコストを低減することができる。
また、請求項2記載の構成により、易開封性を現出する溶着阻害層を、包装物の態様に合わせて容易に調整でき、被包装物へ環状に包装したフィルムをシュリンク装置等でシュリンクしても、該フィルムに設けられた溶着阻害層部分が破断し外れる事がなく、且つシュリンク後に溶着された溶着阻害層部分が開封に適した開封強度に強調され、包装物を手にした利用者が簡単に剥離開封することができる開封部を形成することができる。
【0024】
また、請求項3記載の構成により、上下或いは左右の帯フィルムを溶着連結して帯巻き包装することで、別途ミシン目加工や摘み片加工のための装置を備えることなく、易開封箇所を備えた包装を連続して自動的に行うことができる。
また、請求項4記載の構成により、被包装物の態様に合わせて包装に使用する上下或いは左右の帯フィルムの一方又は両方に溶着阻害層を塗布形成(印刷)することができ、易開封箇所を効率よく備えた包装を連続して自動的に行うことができる。
また、請求項5記載の構成により、帯フィルムに形成する溶着阻害層の密度を容易に調整することができる。
【0025】
また、請求項6記載の構成により、溶着阻害層を形成する塗料(インキ)の塗布(印刷)形態(様々なパターン)に対し、更に微細に細分化した面積、濃度、加熱温度を密度として設定するので、同一のパターンであったとしても被包装物の態様に合わせ溶着阻害層により設けられる開封部の開封強度を変えることができる。
また、請求項7記載の構成により、被包装物に合わせて包装用フィルムに商品情報の印刷と、開封部を形成する溶着阻害層の形成の両方を行うことができる。
また、請求項8記載の構成により、被包装物に応じて所定のキーを操作することで、帯巻き包装する帯フィルムの溶着箇所に目的の溶着強度を決定する密度に基づいて溶着阻害層を確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る包装用フィルムの実施の一例を示し、フィルムに形成された溶着阻害層の塗布密度の違いを示し、(a)は粗い状態、(b)は普通の状態、(c)は密の状態を示す。
【図2】包装用フィルムを用いた包装装置の一例を示す該略図。
【図3】包装用フィルムに、溶着阻害層を塗布(印刷)する塗布手段を備えた包装装置を示す該略図。
【図4】包装装置のブロック図。
【図5】包装装置を含めたシステム構成を示すブロック図。
【図6】帯巻き包装の概要を示す平面図。
【図7】帯巻き包装を開封した状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る包装用フィルムの一例を示し、該包装用フィルム1は帯状の基材フィルム1aの表面(溶着面)に、溶着を阻害する塗料(インキ)による溶着阻害層2が塗布(印刷)形成されている。
【0028】
前記基材フィルム1aは、一軸延伸フィルムであり、例えば、従来から使用されている無延伸ポリプロピレンフィルム、熱収縮性の延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、PET等のプラスチックフィルムが挙げられる。
【0029】
前記基材フィルム1aに溶着阻害層2を形成する塗料(インキ)は、特に限定されず、溶着を阻害するものであればどのような塗料(インキ)でもよい。そして、溶着阻害層2を、包装装置内に配置した塗布手段で塗布(印刷)する場合、前記塗料(インキ)はインクリボンの形態で使用し、サーマルヘッドを用いて基材フィルム1aに塗布(印刷)を行う。
また、基材フィルム1aの素材によっては、溶着を阻害する塗料(インキ)として通常のカラー印刷インキを使用して塗布(印刷)してもよい。
【0030】
前記溶着阻害層2の形態は、例えば、図1に示すように基材フィルム1aの幅方向に所定間隔をおいてストライプ状に塗布(印刷)する形態、或いはドット状、千鳥格子状等のパターンで規則的に断続して形成する形態、更に、文字や図形、模様等の形態で形成してもよい。
【0031】
そして、前記溶着阻害層2は、溶着を阻害する塗料(インキ)の塗布面積を細分化した面積或いは濃度により塗布(印刷)して形成してもよいが、前記塗料(インキ)を塗布しない面積を調整して溶着強度に強弱の差が生じるようにすることもできる。
前記溶着を阻害する塗料(インキ)の塗布面積を細分化した面積或いは濃度の調整は、塗布(印刷)工程で適宜行なってもよいが、予め定めた密度データを作成し、その密度データに基づいて塗布(印刷)してもよい。
【0032】
前記密度データは、単位面積当たりの塗料(インキ)の塗布面積を細分化した面積或いは濃度を定めたもので、例えば、「粗」、「普通」、「密」の三段階に設定する。
例えば、図1に示したストライプ形態の溶着阻害層2について説明すると、ストライプを形成する1本のラインは、横3列のドットの列で形成され、その横3列のドットの密度が、(a)は1/4マス(「粗」)、(b)は2/4マス(「普通」)、(c)は4/4マス(「密」)で、溶着強度は(a)>(b)>(c)で、開封強度(剥離・開封のし易さ)は(a)<(b)<(c)となる。従って、(c)の場合、溶着阻害層2が施された部分におけるフィルム相互の溶着面積は少なく、それにより溶着強度は弱く、開封強度は強く(開封しやすく)なる。尚、図1の黒塗りされたマス部分は塗料(インキ)の塗布部分を示す。また、各マス毎に塗布する塗料(インキ)の濃度を変えたり、各マスを更に細分化し、該細分化した面積或いは塗布する塗料(インキ)の濃度を変えることにより、同一パターンであったとしても、開封強度のバリエーションを増やすことができる。
即ち、この密度データでは、溶着阻害層2を形成する領域内で被溶着阻害部分(塗料を塗布した部分:図1の黒塗りされたマス部分)を細分化し、その1つ1つの面積を変える。つまり、被溶着阻害部分の密度を変えることによって全体の溶着力を変化させる。更に、この例では、被溶着阻害部分の密度を変えるというだけではなく、1つ1つの加熱部分の面積(加熱密度)を変えることにより、溶着力の変化の度合いをより大きくすることができる。
但し、加熱密度のみを変えても溶着力は変化するので、被包装物の態様によっては図1のようにはせず、単に加熱密度を変えることによって溶着力を調整するようにしてもよい。尚、図3に示す包装装置では、溶着阻害層2の塗布(印刷)形成をサーマルヘッドによって行うようにしているので、上記のような種々のパターンでの溶着阻害層の形成と加熱処理とを素早く容易に、且つ正確に行うことができる。
【0033】
上記構成の包装用フィルム1を用いて被包装物を帯巻き包装する場合、前記フィルムを所定長さに切断し、そのフィルムの長手方向の側部の少なくとも一方に前記溶着阻害層2が配置し、その溶着阻害層2部分にフィルムの他側部を重ね溶着して筒(輪)を作り、被包装物に前記フィルムで作成した筒を被せて帯巻き包装する。或いは、被包装物の外周に沿って包装用フィルム1を巻き、溶着阻害層2部分でフィルムを溶着して帯巻きする。
以上の如くして帯巻き包装し、溶着阻害層2部分に溶着した箇所が開封箇所となり、溶着阻害層の密度により、該開封箇所の開封強度の強弱の差が生じる。
前記包装用フィルムによる帯巻き包装は手作業による包装の他に、機械による帯巻き包装も可能である。以下、前記包装用フィルムを用いた帯巻き包装装置について説明する。
【0034】
図2は、帯巻き包装する上・下帯フィルムロール3,3’の少なくとも一方に、予め溶着阻害層2がフィルムの長手方向に沿って一定間隔又は長手方向に連続して形成された帯フィルムを用いる包装装置である。
その包装装Aは、被包装物Wを水平搬送する搬送手段4と、前記搬送手段4を挟んで上下に対向配置したフィルムロール配置部5,5’と、前記フィルムロール配置部5,5’にセットした帯フィルムロール3,3’から繰り出される上・下帯フィルムの先端同士を、前記搬送手段4に設けた開口部4’を介して該搬送手段4上で溶着連結する溶着手段6とで構成されている。
【0035】
前記搬送手段4は、ベルトコンベア4a,4bを縦一列に並べ、且つベルトコンベア4aとベルトコンベア4bとの間に下側の帯フィルムロール3’から繰り出したフィルム3’aを前記搬送手段4上に案内する開口部4’が形成されている。尚、前記開口部4’の前後幅は、帯フィルムロール3’から繰り出されるフィルム3’aが通り、且つ上下のフィルムを溶着する溶着手段6の下側部材6bが通ることができるが、包装に供される被包装物Wが落下しないだけの幅とする。また、前記搬送手段4はローラコンベアであってもよい。
【0036】
前記フィルムロール配置部5,5’は帯巻き包装に使用する上・下の帯フィルムロール3,3’を回転可能に支持し、そのフィルムロールのフィルムは繰り出し機構(図示省略)によって前記開口部4’上の包装部に繰り出し供給されるように構成されている。そして、前記フィルムロール配置部5,5’にセットする帯フィルムロールの少なくとも一方は、帯フィルムの溶着面に溶着阻害層2が塗布(印刷)形成された帯フィルムロールを使用する。図示の実施例では上側のフィルムロール配置部5にセットされる帯フィルムロール3が本発明に係る包装用フィルムである。
【0037】
前記溶着手段6は、上側のフィルムロール配置部5の帯フィルムロール3から繰り出された帯フィルム3aと、下側のフィルムロール配置部5’の帯フィルムロール3’から繰り出され開口部4’を通って搬送手段4上に引き出された帯フィルム3’aの先端を溶着連結し、更に被包装物Wの外周を帯巻きする上・下の帯フィルム3a,3’aの重合部分を溶着切断するもので、上下一対の溶断刃6a,6bで構成されている。そして、上下の溶断刃6a,6bは鉛直方向に摺動可能に構成され、上・下のフィルム端部の重合部を溶着すると同時に切断するようになっている。
【0038】
次に、上記包装装置Aによる帯巻き包装の動作を説明する。
(1)先ず、上・下の帯フィルムロール3,3’から繰り出した帯フィルム3aと帯フィルム3’aの先端を、搬送手段4上で溶着手段6により溶着連結(前側溶着部)する。
(2)前記溶着連結により一枚ものになった上・下帯フィルム3a,3’aに被包装物Wを供給して、該被包装物Wの外周面(表面、底面)に上・下帯フィルム3a,3’aを沿わせ、搬送手段4のベルトコンベア4aの作動で一巻きする。
(3)被包装物Wの外周を一巻きして該被包装物Wの後端縁(搬送方向と反対側の縁)より後方に延びる上・下帯フィルム3a,3’aの重合部を、溶着手段6で溶着切断(後側溶着部)して1個の帯巻き包装が完成する。
【0039】
前記動作により上・下帯フィルム3a,3’aは被包装物Wの搬送方向前側と反対側の後側の二箇所で溶着される。そして、帯フィルムロール3に形成された溶着阻害層2が、前記二箇所の溶着箇所に位置する場合、その二箇所の溶着部が開封箇所となる。溶着阻害層2が前記二箇所の溶着箇所の何れか一方のみに位置する場合は、その溶着阻害層2が位置する溶着部が開封箇所となる。尚、帯フィルムロール3に形成される溶着阻害層2が帯フィルムの長手方向に沿って連続して形成されている場合でも、開封箇所となる部分は上・下帯フィルムの溶着箇所である。
【0040】
前記包装装置Aは、予め溶着阻害層2を帯フィルムに形成したフィルムロールを用いて帯巻き包装する装置であるが、前記溶着阻害層2は包装する直前に、被包装物に合わせてフィルムロールから繰り出した帯フィルムに塗布(印刷)形成して包装する装置でもよい。以下、その包装装置を図3に基づいて説明する。尚、図2に示した前示実施例の包装装置Aと同じ構成部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
その包装装置A’は、基本的には図2に示した包装装置Aに、包装に使用する帯フィルに溶着阻害層2を塗布(印刷)形成する塗布手段7,7’が配置されて構成されている。
具体的には、フィルムロール配置部5,5’から搬送手段4上の包装部に至る帯フィルムの供給経路に、溶着阻害層2を塗布(印刷)形成する塗布手段7,7’が配置されている。
前記塗布手段7,7’は、溶着を阻害する塗料(インキ)が含浸されたインクリボン7aと、前記インクリボンを加熱して帯フィルムに前記塗料を転写塗布(印刷)するサーマルヘッド(発熱素子)7bと、前記サーマルヘッド7bと対応して前記インクリボン7a及び帯フィルムを挟持するプラテンローラ7cと、前記インクリボン7aのカス巻き軸7dと、フィルムロール配置部5,5’にセットされた帯フィルムロール3,3’から帯フィルム3a,3’aを引き出し前記サーマルヘッドへ送り出す送り出しローラ7eとで構成されている。
【0042】
そして、上側の帯フィルムロール3の帯フィルム3aに溶着阻害層2を塗布(印刷)形成する塗布手段7は、インクリボン7a,サーマルヘッド7b,プラテンローラ7c,カス巻き軸7dからなる印刷部を二組備え、密度データに基づく溶着阻害層2の塗布(印刷)、及び商品情報等の印字を効率よく行えるようになっている。
【0043】
前記サーマルヘッド7bは、溶着阻害層2、或いは商品情報を印刷する為に所定の温度で印字面を加熱するための密に配列された多数の発熱素子によって構成され、前記プラテンローラ7cは、図示を省略したステッピングモータにより駆動回転されるようになっており、それぞれ後述する制御部によって制御される。
【0044】
図4は図3に示した包装装置A’の制御部の電気的ブロック図である。
CPU100は、記憶するプログラムとデータを読み込み、包装装置A’を統括管理し動作させるもので、各部で発生したエラーの報知等も行う。
ROM101には、プログラムが記憶される。
RAM102は、包装装置の動作基準となる設定データ、及び塗布(印刷)データ、塗布手段の各種制御データ、実績データ等を記憶する記憶手段であり、RAMが記憶する塗布(印刷)データとしては、例えば、食品の場合、商品データとして記憶されている、分類番号、商品番号、商品名称、原材料名、添加物名、販売価格、店名及び各種メッセージ等のデータが挙げられる。また、制御データとしては、被包装物の種類(分類ないし被包装物の形態等)、塗布手段の各動作における包装用フィルム(帯フィルム)のフィード量、及びサーマルヘッドの発熱素子への通電パターン等のデータが挙げられる。
被包装物の態様(種類)に応じた密度データとして、包装用フィルム(帯フィルム)のフィード量、開封部を形成する溶着阻害層を細分化した一つ一つの面積或いは印刷濃度、加熱パターン等をRAMの所定領域に書き込み、それらのデータの設定登録をする。RAMには、このようにして設定された塗布(印刷)データと制御データとが予め記憶され、印刷時の被包装物の態様(種類)に応じた包装用フィルム(帯フィルム)への印刷動作時におけるCPU100の処理に供される。
【0045】
表示部103は、液晶表示器などで構成され、包装する被包装物(商品)のデータや、エラーなどを表示すると共に、現在の状況を表示するモニターでもある。
操作部104(入力手段)は、始動、停止、緊急停止等のボタン、搬送手段4のスピードやタイミング調整等を数値指定する為のキー部を備えている。
通信部105は、上位である管理装置(パソコン等)と包装条件や印字を行う商品データを通信により受信する、或いは帯巻き包装した実績を前記管理装置等へ送信するのに使用する。
物品検出部106は、搬送される被包装物Wを検出するセンサ(フォトセンサ)で、物品搬送部107(搬送手段4)の搬送方向に複数備え、被包装物WのIN、OUTを検出する。そして、該物品検出部106で検出した位置(タイミング)で各部(操出部(上)108、操出部(下)109、印字部(1)110、印字部(2)111、ヒートシールカッター部112等を動作(制御)する仕組みになっている。
物品搬送部107は、被包装物Wを搬送するコンベアで、無端状ベルトコンベア、ローラコンベア等で構成される。
【0046】
操出部(上)108は、上側のフィルムロール配置部5の帯フィルムロール3から帯フィルム3aを繰り出すもので、前記塗布手段7の送り出しローラ7eが相当する。
操出部(下)109は、下側のフィルムロール配置部5’の帯フィルムロール3’から帯フィルム3’aを繰り出すもので、前記塗布手段7’の送り出しローラ7eが相当する。
印字部(1)110(塗布手段7)及び印字部(2)111(塗布手段7’)は、インクリボン7a、サーマルヘッド7bを用い、密度データに基づいて帯フィルムロール3,3’から繰り出される帯フィルム3a,3’aに溶着阻害層2、商品情報等を熱転写(印刷)する。前記サーマルヘッド7bは、インターフェースを介してCPU100から密度データ(制御データ)に基づく指示信号を受け、それに従ってサーマルヘッドの各発熱素子へ通電し電流を供給する。尚、印字部(1)110(塗布手段7)はダブルヘッド機構になっており、色違いのインクリボンを使い、各々の印刷ヘッドは異なる密度データに基づいて帯フィルムに熱転写(印刷)を行う。
ヒートシールカッター部112(溶着手段6)は、上下から繰り出された帯フィルムを熱溶着すると共に切断を行う。上下凹部形状のヒートシールカッターで、凹部形状の真中からカッター刃が出没する仕組みになっており、熱溶着が行なわれた後、切断する構造になっている。
【0047】
前記した包装装置A又はA’は、図5のシステム接続図に示すように、包装装置AまたはA’の動作を統括管理する管理装置Bと、包装装置AまたはA’で帯巻き包装された帯フィルムを熱収縮するシュリンク装置Cが連動可能に接続されており、包装装置が塗布手段7,7’を備えない包装装置である場合は、ラベル貼付装置Dを連動させ、シュリンク装置Cで帯フィルムが熱収縮された被包装物に、印字或いは印字されたラベルを貼付する。前記シュリンク装置Cは、包装物を搬送する搬送コンベアをトンネル状に覆った装置であり、前記トンネル内を搬送する被包装物の外周に帯巻きされた帯フィルムに熱風を当てて熱収縮させ、被包装物の外周にしっかりと帯フィルムを巻き付けるものである。
【0048】
前記包装装置A’による包装は、包装する被包装物W(商品)が指定されると、商品ファイルから該当する商品データを読み出し、該商品データに設定された密度データに基づいて帯フィルムの面上に前記塗布手段7,7’(インクリボンとサーマルヘッド)で、前記被包装物Wの商品情報の印刷と、密度データに基づいて溶着を阻害する塗料(インキ)からなる溶着阻害層2の塗布(印刷)が行われる。即ち、被包装物Wの態様にあった帯フィルムに、商品情報の印刷と、開封部を形成する溶着阻害層2の塗布(印刷)の両方を施すことができ、図6に示すように帯巻き包装が行われる。即ち、上・下帯フィルム3a,3’aは被包装物Wの搬送方向前側と反対側の後側の二箇所で溶着される。そして、帯フィルムロール3に塗布(印刷)形成する溶着阻害層2が、前記二箇所の溶着箇所に位置する場合、その二箇所の溶着部Hが開封箇所H’となる。図7は、前後二箇所の溶着部Hののうち、一方の溶着部Hの上帯フィルム3aと下帯フィルム3’aを互いに反対方向に引っ張って剥離開封した状態を示す。
【0049】
又、前記密度データは商品毎の商品データに設定する方法の他に、操作部104の所定のキー毎に密度データを設定しておき、商品に合わせてキーを選択操作することで密度データを選択するようにしてもよい。
【0050】
本発明は図示の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、包装用フィルム(帯フィルム)に形成する溶着阻害層としてストライプの形態を示したが、これに限定されず、ドット状、図形等、何れでもよい。
(2)溶着阻害層が形成された帯フィルムロールを使用する包装装置において、実施の形態では上側の帯フィルムロールにのみ溶着阻害層が形成されたロールを使用しているが、これに限らず、下側の帯フィルムロールにも溶着阻害層が形成された帯フィルムロールを使用してもよい。
(3)塗布手段を備えた包装装置の実施の形態では、上下に塗布手段を備えた例を示したがこれに限らず、上下何れか一方のみに配置してもよい。
(4)実施の形態では、密度データに基づく溶着阻害層の密度によって溶着強度に変化を付けているが、更に溶着手段によって加えられる熱量に変化を付けて溶着強度に変化を付けてもよい。
(5)実施の形態では、溶着手段を加熱によって帯フィルムを熱溶着させるようにしているがこれに限らず、高周波溶着や、超音波溶着であってもよい。高周波溶着を用いた場合は、高周波エネルギーの作用によって、基材フィルムそのものを内部から発熱させる方法なので安全であり、溶着を施す箇所のみを加熱させられるので仕上がりが奇麗である。また、超音波溶着を用いた場合は、超音波エネルギーを発生させ、振動を対象素材に伝えることで強力な摩擦熱を発生させることで溶着させる方法である。
(6)実施の形態では、ヒートシールカッター部112(溶着手段6)は一定の温度を保ち包装用フィルム(帯フィルム)を溶着切断しているがこれに限らず、例えば、溶着切断するヒートシールカッター部112(溶着手段6)が、上下から繰り出された帯フィルムを熱溶着すると共に切断を行う際の加熱密度(加熱する温度分布)を予め前記密度データに記憶させておき、この密度データに基づいて、ヒートシールカッター部112(溶着手段6)が熱溶着と切断を行うことにより開封部の開封強度を変えるようにしてもよい。これにより、溶着阻害層2の塗布(印刷)部との相乗効果により、開封部の形成と開封強度とを更にバランスよく細かく調整することができる。
(7)包装装置に関する実施の形態では、帯フィルムロールを、搬送手段を挟んで上下に配置した例を示したがこれに限らず、搬送手段を挟んで左右に配置し、搬送手段上で左右の帯フィルムロールから繰り出される包装用フィルム(帯フィルム)を熱溶着連結する構成としてもよい。
(8)実施の形態では、溶着阻害層を、サーマルヘッド等を用いて印刷で形成しているがこれに限らず、溶着阻害物質を塗布できる方法であれば何れの方法であっても良く、例えば、単数あるいは複数のローラーにより溶着阻害物質をフィルムへ塗布し形成する方式であっても良い。
(9)実施の形態では、帯フィルムで被包装物の外周を環状に帯巻き包装しているがこれに限らず、フィルム同士を熱溶着し環状に包装する方式であれば、被包装物の幅全域を環状に包装しシュリンクを行なう胴巻き包装、或いは、被包装物の幅より大きめのフィルムで環状に包装し、その後シュリンクにより被包装物全体を包み込む様に包装する形態など何れの方式であっても良い。尚、被包装物を胴巻き包装する場合には胴巻き包装機、被包装物全体を包み込む様にシュリンク包装する場合にはピロー包装機等に用いる。
(10)実施の形態では、塗布材をインクリボン方式でフィルムへ塗布しているがこれに限らず、溶着を阻害する塗布材を塗布できる方式であれば何れの方式でも良く、例えば、インクジェット方式、直接静電複写方式、湿式静電複写方式など何れの方式であっても良い。
【符号の説明】
【0051】
A,A’…包装装置 1…包装用フィルム(帯フィルム)
1a…基材フィルム 2…溶着阻害層
3,3’…帯フィルムロール 4…搬送手段
5,5’…フィルムロール配置部 6…溶着手段
7,7’…塗布手段 7a…インクリボン(塗料)
7b…サーマルヘッド W…被包装物
H…溶着部 H’…開封箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物の外周を環状に帯巻き包装する包装用フィルムであって、
前記包装用フィルムを構成する基材フィルムの面上に、フィルム相互の溶着を阻害する塗料からなる溶着阻害層を形成し、該溶着阻害層は溶着を阻害する密度に基づいて前記塗料が塗布され、前記溶着阻害層の上に基材フィルムを重合溶着して形成される重合溶着部が開封部となることを特徴とする包装用フィルム。
【請求項2】
前記溶着を阻害する密度は、溶着させようとするエリア内の被溶着阻害部分を細分化した面積或いは濃度であることを特徴とする請求項1記載の包装用フィルム。
【請求項3】
被包装物を包装する包装装置であって、
前記被包装物を水平搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を挟んで対向配置させた帯フィルムロールと、
前記対向配置させた帯フィルムロールから繰り出される帯フィルムの先端同士を、前記搬送手段上で溶着連結する溶着手段と、を備え、
前記対向配置させた帯フィルムロールの少なくとも一方のフィルムロールは、他方の帯フィルムとの溶着面側に溶着を阻害する溶着阻害層を形成した帯フィルムロールとし、前記対向配置させた帯フィルムロールから帯フィルムを繰り出し、該帯フィルムの先端同士を前記溶着手段で溶着連結し、他端を重合溶着して前記被包装物を包装し、前記重合溶着部が開封部となるようにしたことを特徴とする包装装置。
【請求項4】
被包装物を包装する包装装置であって、
前記被包装物を水平搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を挟んで対向配置させた帯フィルムロールと、
前記対向配置させた帯フィルムロールから繰り出される帯フィルムの先端同士を、前記搬送手段上で溶着連結する溶着手段と、
前記対向配置させた帯フィルムロールの何れか一方のフィルムロール、又は両方のフィルムロールから繰り出されるフィルムの溶着面側に溶着阻害層を塗布形成する塗布手段と、を備え、
前記対向配置させた帯フィルムロールから帯フィルムを繰り出すと共に、前記塗布手段で一方又は両方の帯フィルムの溶着面に溶着阻害層を形成し、該帯フィルムの先端同士を前記溶着手段で溶着連結し、他端を重合溶着して前記被包装物を包装し、前記重合溶着部が開封部となるようにしたことを特徴とする包装装置。
【請求項5】
前記溶着阻害層の溶着を阻害する密度を定める密度設定手段を更に備え、
前記塗布手段は、前記溶着阻害層を前記密度設定手段で設定された密度に基づいて、サーマルヘッドに帯フィルムを圧接移動させ、該帯フィルムを加熱して形成することを特徴とする請求項4記載の包装装置。
【請求項6】
前記溶着を阻害する密度は、溶着させようとするエリア内の溶着阻害層部分を細分化した面積、濃度、加熱温度であることを特徴とする請求項5記載の包装装置。
【請求項7】
前記包装装置の記憶手段に、少なくとも品名、単価、及び前記密度設定手段で設定された密度を商品データとして商品毎に設定できる商品ファイルを備え、商品が指定されると前記商品ファイルから該当する商品データを読み出し、前記密度に基づいて前記帯フィルムの溶着面に溶着阻害層を前記塗布手段で塗布することを特徴とする請求項5記載の包装装置。
【請求項8】
前記包装装置の入力手段における所定のキー毎に前記密度設定手段で設定された密度を設定し、操作されたキーに応じた密度に基づいて前記帯フィルムの溶着面に溶着阻害層を前記塗布手段で塗布することを特徴とする請求項5記載の包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−178437(P2011−178437A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44776(P2010−44776)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】