説明

半導体モジュール及び電極部材

【課題】圧接により複数の半導体素子の電極層と電極端子とを電気的に接続する半導体モジュールにおいて、半導体モジュールの放熱性を向上する。
【解決手段】IGBT素子2a〜2d(半導体素子)と、このIGBT素子2a〜2dの電極層と電気的に接続されるコレクタ電極端子3及びエミッタ電極端子7とを備えた半導体モジュール1において、エミッタ電極端子7にばね電極6を設け、エミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧する。ばね電極6は、導電板部材8a,8bとばね9a〜9dとから構成される。導電板部材8a,8bは、導体平板を折り返して断面U字状に形成される。各導電板部材8a,8bを、導電板部材8a,8bの開口部が向かい合う向きに咬み合わすことで、楕円状の空間を形成し、この楕円状の空間であって、IGBT素子2a〜2dの電極面の法線方向延長上にそれぞればね9a〜9dを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子と、半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子とを備えた半導体モジュール及びこの半導体モジュールに備えられる電極部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業用・車両用システムや変電設備やインバータ等の電力変換装置といった分野に用いられる絶縁形パワー半導体モジュールに対して、高耐圧、大容量のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)の適用が行われている。このIGBTモジュールに代表される「絶緑形パワー半導体モジュール」若しくは「Isolated power semiconductor devices」は、それぞれJEC−2407−2007、IEC60747−15にて規格が制定されている。
【0003】
一般的な絶緑形パワー半導体モジュールにおいて、スイッチング素子であるIGBTやダイオード等の半導体素子は、半導体素子の下面に備えられた電極層をDBC(Direct Bond Copper)基板(或いはDCB基板)の銅回路箔上にはんだ付けすることにより備えられる(例えば、非特許文献1)。DBC基板とは、セラミックス等からなる絶縁板に銅回路箔を直接接合したものである。
【0004】
半導体素子の上面に備えられる電極層には、超音波ボンディング等の方法によりアルミワイヤが接続され、例えば、DBC基板上の銅回路箔と電気的に結線される。そして、DBC基板の銅回路箔から外部へ電気を接続するための銅端子(リードフレームやブスバー)は、銅回路箔とはんだ付けにより接続される。さらに、この周りは(スーパー)エンジニアリングプラスチックのケースで囲まれ、その中を電気絶緑のためのシリコーンゲル等が充填される。
【0005】
はんだを用いた絶緑形パワー半導体モジュールには、以下の2つの課題がある。
1.RoHS(Restriction of Hazardous Substances)に対応するため、はんだの鉛フリー化
2.温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性の向上
はんだの鉛フリー化の課題に対して、鉛フリーはんだを用いることや、はんだを用いない半導体モジュール構造が検討されている。鉛フリーはんだ材料としては、例えば、Sn−Ag系やSn−Cu系のものが検討されている。
【0006】
一方、はんだを用いない半導体モジュールとして、平型圧接構造パッケージがある(例えば、非特許文献1,2)。平型圧接構造パッケージは、半導体素子と、半導体素子の電極層と電気的に接続されるコンタクト端子及び基板を有する。平型圧接構造パッケージでは、半導体素子の上面電極層がコンタクト端子に接触した状態で、半導体素子が基板(例えば、Mo基板)上に設けられる。そして、コンタクト端子(若しくは、基板)を半導体素子方向に押圧するようにヒートシンクがそれぞれ設けられ、コンタクト端子及び基板とを半導体素子方向に押圧する。半導体素子の下面には、下面電極層が形成されており、半導体素子と基板とが電気的に接続される。なお、半導体素子の側端部には、半導体素子やコンタクト端子の位置決めをするガイドが設けられる。
【0007】
このような平型圧接構造パッケージは、半導体素子を両面から冷却できるとともに、はんだを用いることなく半導体素子と外部とを電気的、熱的に接続することができる。さらに、ヒートシンクで、コンタクト端子(若しくは、基板)を半導体素子方向に押圧することにより、平型圧接構造パッケージの両面を冷却するとともに、このヒートシンクを導電部材として用いることもできる。
【0008】
平型圧接構造パッケージでは、ヒートシンクと平型圧接構造パッケージとの圧接は、主にユーザが実施する。圧接は、平型圧接構造パッケージの上下に設けられるヒートシンク間を電気的に絶縁する必要があること、板ばねで平型圧接構造パッケージを圧接するが、この設計の圧接力が不良であった場合は、半導体素子の破壊の原因となるおそれがある。また、回路を構成するのに、このヒートシンクや圧接のための板ばねが小型化の妨げとなる等、使いこなすのには熟練が要求されることもあり、代わりに使い勝手の良い従来型の絶縁形パワー半導体モジュールが広く使われている。
【0009】
しかし、パワーモジュールに要求されるパワー密度は、年々増加する傾向にあり、半導体モジュールの小型化、耐高温性がより求められている。従来型パワーモジュールにおいて、現状の構成部材や構造では、さらなる小型化、耐高温性が困難になってきている。これらを解決するために、上述したような圧接型パッケージが注目を集めている。特に、放熱性を考慮すると、半導体素子の上下から放熱するような構造が最も効率が良い。そこで、発明者らは、半導体素子1個を使用した圧接型モジュールの設計を行った際、図4(a),(b)に示すような半導体モジュールを検討した。
【0010】
図4(b)に示すように、この半導体モジュール19は、半導体素子2aと、電極端子3,7と電極部材20とから構成される。電極端子3,7は、それぞれコンタクト電極4,5を介して半導体素子2aと電気的に接続される。また、電極部材20は、導体平板8dを折り返した平板間にばね9aを挟持して構成され、電極端子7を半導体素子2a方向に押圧する。さらに、電極端子3には、絶縁板10(熱伝導性絶縁部材)を介して放熱ブロック11が設けられ、電極部材20には、絶縁板10を介して放熱ブロック12が設けられる。この放熱ブロック11,12は、半導体素子2a、電極端子3,7、電極部材20からなる積層体を押圧するように設けられる。
【0011】
電極部材20に設けられるばね9a等の弾性部材は、半導体素子2aと電極端子3,7とを電気的に接続するために適切な圧接力を保つことができる弾性が必要となる。よって、弾性部材を構成する材料としては、必ずしも熱伝導性の良い材料を用いることができない場合がある。そこで、ばね9aを挟持する導体平板8dを熱伝導性に優れた材料で形成することで、導体平板8dの折り返し部を介して、半導体素子2a(電極端子3,7)の熱を、効率よく放熱ブロック12(及び、絶縁板10)に伝えることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】電気学会高性能高機能パワーデバイス・パワーIC調査専門委員会、「パワーデバイス・パワーICハンドブック」、コロナ社、1996年7月、p289、p336
【非特許文献2】森睦宏,関康和、「大容量IGBTの最近の進歩」、電気学会誌、社団法人電気学会、1998年5月、Vol.118(5)、pp.274−277
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図5(a),(b)に例示するように、半導体モジュール21が複数の半導体素子2a〜2dを有し、この複数の半導体素子2a〜2dを一つの電極部材22で押圧する場合、単純なU字型ではそれぞれの半導体素子2a〜2dを均等に放熱できないおそれが生じる場合がある。つまり、半導体素子が1個の場合と比較して、電極部材22が複数の半導体素子2a〜2dを押圧する場合、電極部材22の折り返し部に近い位置に設けられる半導体素子(例えば、半導体素子2a,2c)と、この折り返し部から遠い位置に設けられる半導体素子(例えば、半導体素子2b,2d)とにおいて、放熱条件が異なることが予想され、半導体素子2a〜2d間で温度にばらつきが生じるおそれがある。そして、半導体素子2a〜2dの温度にばらつきが生じた場合、半導体素子2a〜2dの特性にもばらつきが生じるおそれがある。
【0014】
上記事情に鑑み、本発明は、複数の半導体素子を有する半導体モジュールにおいて、複数の半導体素子を押圧する電極部材の放熱性の向上に貢献する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの一態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、を備えた半導体モジュールであって、前記電極端子に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板を折り返した複数の導電板部材と、この導電板部材の開口部を重ね合わせて形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0016】
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの他の態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、を備えた半導体モジュールであって、前記半導体素子と前記電極端子との間に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板を折り返した複数の導電板部材と、この導電板部材の開口部を重ね合わせて形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0017】
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの他の態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、を備えた半導体モジュールであって、前記電極端子に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、円筒状の導電部材と、当該導電部材の内壁間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0018】
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの他の態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、を備えた半導体モジュールであって、前記半導体素子と前記電極端子との間に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、円筒状の導電部材と、当該導電部材の内壁間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0019】
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの他の態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、を備えた半導体モジュールであって、前記電極端子に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板の両端を折り返した導電板部材と、前記導体平板を折り返して形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0020】
複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、を備えた半導体モジュールであって、前記半導体素子と前記電極端子との間に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板の両端を折り返した導電板部材と、前記導体平板を折り返して形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0021】
また、上記目的を達成する本発明の半導体モジュールの他の態様は、上記の半導体モジュールにおいて、前記複数の半導体素子に対して、それぞれ前記弾性部材を設けることを特徴としている。
【0022】
また、上記目的を達成する本発明の電極部材の一態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子を圧接する電極部材であって、前記電極部材は、導体平板を折り返した複数の導電板部材と、この導電板部材の開口部を重ね合わせて形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0023】
また、上記目的を達成する本発明の電極部材の一態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子を圧接する電極部材であって、前記電極部材は、円筒状の導電部材と、当該導電部材の内壁間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【0024】
また、上記目的を達成する本発明の電極部材の一態様は、複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子を圧接する電極部材であって、前記電極部材は、導体平板の両端を折り返した導電板部材と、前記導体平板を折り返して形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
以上の発明によれば、半導体モジュールの放熱性の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】(a)本発明の実施形態1に係る半導体モジュールの上面透視図、(b)本発明の実施形態1に係る半導体モジュールの要部断面図である。
【図2】(a)本発明の実施形態2に係る半導体モジュールの上面透視図、(b)本発明の実施形態2に係る半導体モジュールの要部断面図である。
【図3】(a)本発明の実施形態3に係る半導体モジュールの上面透視図、(b)本発明の実施形態3に係る半導体モジュールの要部断面図である。
【図4】(a)参考例に係る半導体モジュールの上面透視図、(b)参考例に係る半導体モジュールの要部断面図である。
【図5】(a)参考例に係る半導体モジュールの上面透視図、(b)参考例に係る半導体モジュールの要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の半導体モジュール及び電極部材について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、各図面に示す透視図や断面図は、いずれも本発明の実施形態に係る半導体モジュールを模式的に示したものであり、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致するものではない。
【0028】
(実施形態1)
図1(a)は、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1の上面透視図であり、図1(b)は、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1の要部断面図である。
【0029】
図1(a)に示すように、実施形態1に係る半導体モジュール1は、複数のIGBT素子2a〜2d(半導体素子)を備え、各IGBT素子2a〜2dの電極層を押圧するようにばね9a〜9d(弾性部材)が設けられる。また、図1(b)に示すように、実施形態1に係る半導体モジュール1は、IGBT素子2a〜2dと、コレクタ電極端子3と、エミッタ電極端子7と、ばね電極6(電極部材)とから構成される。
【0030】
IGBT素子2aは、図示省略するが、その上面にエミッタ、ゲート(制御電極)が形成され、底面にコレクタが形成されている。なお、実施形態の説明では、IGBT素子2aについて詳細に説明するが、他のIGBT素子2b〜2dについても同様であり、重複を避けるため説明を省略する。また、実施形態の説明では、便宜上、上面及び底面とするが上下方向は、本発明をなんら限定するものではない。また、ゲート(制御電極)と制御回路との接続については、従来の接続方法を用いればよいので図示省略する(他の実施形態についても同様である)。
【0031】
IGBT素子2aは、例えば、コレクタ(カソード)電極端子3上にモリブデン製コンタクト電極4を介して設けられ、コレクタ電極端子3が、コンタクト電極4を介してIGBT素子2aのコレクタと電気的に接続される。
【0032】
コレクタ電極端子3(及び、エミッタ電極端子7)を構成する材料は、適宜周知の電極材料を用いればよい。例えば、コレクタ電極端子3(及び、エミッタ電極端子7)の材料に銅等の熱伝導性の良い金属を用いると半導体モジュール1(IGBT素子2a〜2d)の放熱性が向上する。
【0033】
コンタクト電極4(及び、後述のコンタクト電極5)は、適宜周知のコンタクト部材を用いればよい。例えば、コンタクト電極4(及び、コンタクト電極5)として、IGBT素子2a〜2dを構成する材料(例えば、ケイ素(Si)や炭化ケイ素(SiC)、窒化ガリウム(GaN))に比較的熱膨張係数が近い材料(例えば、モリブデン(Mo)やタングステン(W)、その他化合物等)を用いると、コンタクト電極4(コンタクト電極5)がIGBT素子2a〜2dとコレクタ電極端子3(ばね電極6)との熱応力の緩衝板として作用し、温度サイクルにおける半導体モジュール1の信頼性を高めることができる。
【0034】
IGBT素子2aのエミッタには、コンタクト電極5が設けられ、さらにコンタクト電極5上にエミッタ電極端子7が設けられる。つまり、エミッタ電極端子7が、コンタクト電極5を介してIGBT素子2aのエミッタと電気的に接続される。
【0035】
ばね電極6は、エミッタ電極端子7上に設けられ、エミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧する。ばね電極6は、導電板部材8a,8bとばね9a〜9dとから構成される。
【0036】
導電板部材8a,8bは、銅、アルミニウム等からなる導体平板を折り返して断面U字状に形成される。特に、導電板部材8a,8bの材料として、300℃においても強度的に劣化しない銅を用いると、半導体モジュール1の耐熱性が向上する。そして、各導電板部材8a,8bを、導電板部材8a,8bの開口部が向かい合う向きに咬み合わすことで扁平な楕円状の空間を形成し、この楕円状の空間であって、IGBT素子2aの電極面の法線方向延長上にばね9aが設けられる(同様に、IGBT素子2bの電極面の法線方向延長上にばね9bが設けられる)。なお、導電板部材8a(若しくは、導電板部材8b)の開口部に、導電板部材8b(若しくは、導電板部材8a)の開口部を挟入してばね電極を形成してもよい。
【0037】
ばね9a〜9dの形状としては、皿ばね、波板ばね、凸ばね、メッシュばね等の弾性部材が例示される。ばね9a〜9dの形状をこれらの形状とすることで、導電板部材8a,8b間に設けられるばね9a〜9dの自然長を0.1〜2mmとした場合においても半導体モジュール1内に備えられるIGBT素子2a〜2dに適切な圧接力を作用させることができる。また、ばね9a〜9dの自然長を、0.1〜2mm程度に設定するとばね電極6の高さ(後述の冷却ブロック12とIGBT素子2a〜2dとの間)の熱抵抗が小さくなり、IGBT素子2a〜2dの冷却効率が向上するとともに、半導体モジュール1を小型化することができる。また、ばね電極6に設けられたばね9a〜9dの圧接力を1〜10MPaとすると、絶縁形パワー半導体の保管及び動作時に半導体モジュール1に設けられる各部材(例えば、IGBT素子2a〜2d等)に適切な圧接力がかかるように半導体モジュール1を構成することができる。なお、ばね9a〜9dを構成する材料は、例えば、ステンレス、インコネル(登録商標)等既知のばね材料を用いればよい。
【0038】
さらに、コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧するように、コレクタ電極端子3に絶縁板10を介して放熱ブロック11が設けられ、ばね電極6に絶縁板10を介して放熱ブロック12が設けられる。この放熱ブロック11、12を固定した時、コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7は、IGBT素子2a〜2d方向に押圧された状態となる。なお、絶縁板10,10として、熱伝導性の高い絶縁板を用いると、半導体モジュール1の放熱性がより向上する。
【0039】
放熱ブロック11、12は、銅、アルミニウム等の金属板や熱伝導性の高いセラミックス板が用いられる。この放熱ブロック11、12にヒートシンクを接続したり、放熱ブロック11、12に直接冷却媒体(気体または液体)を接触させたりすることで半導体モジュール1を冷却する。なお、放熱ブロック11、12を半導体モジュール1の筺体として用いることもできるが、さらに図示省略の筺体に放熱ブロック11、12に挟持されたIGBT素子2a〜2dを格納してもよい。また、絶縁板10、10を設けず、放熱ブロック11、12を半導体モジュール1の外部回路と接続される外部接続用電極として用いてもよい。
【0040】
ここで、ばね電極6の作用について説明する。コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧するように放熱ブロック11、12を固定すると、ばね電極6のばね9a〜9dに弾性エネルギーが蓄積される。ばね電極6は、ばね9a〜9dの弾性力により、エミッタ電極端子7とコンタクト電極5をIGBT素子2a〜2d方向に押圧する。また、ばね電極6により、コレクタ電極端子3及び絶縁板10は放熱ブロック11方向に押圧され、この押圧する力の反力によりコレクタ電極端子3がコンタクト電極4をIGBT素子2a〜2d方向に押圧する。このように、半導体モジュール1内部で各部材を押圧する力のバランスが保たれ、各部材間に適当な圧接力が働く。
【0041】
以上のように、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1によれば、断面U字状の導電板部材8a,8bを1対設け、各導電板部材8a,8bの開口部を咬み合わせるように配置することで、ばね電極6に複数の放熱パス(折り返し部)が形成されることとなる。その結果、ばね電極6が複数の半導体素子2a〜2dを押圧する場合でも、各半導体素子2a〜2dの配置場所にかかわらず、各半導体素子2a〜2dから効率よく放熱を行うことができる。よって、半導体素子2a〜2dの温度のばらつきを低減し、半導体モジュール1の動作安定性を向上させることができる。また、複数の半導体素子2a〜2dにまたがって配置される導電板部材8a,8bが熱拡散板として作用するので、半導体素子2a〜2dごとの温度のばらつきがさらに低減される。
【0042】
また、半導体素子2a〜2dを押圧するばね9a〜9dを導体平板を折り返した導電板部材8a,8b間に設けることで、複数のばね9a〜9dがばね電極6と一体となるので、半導体モジュール1の組立て時に半導体素子2a〜2dとばね9a〜9dとの位置合わせを容易に行うことができる。よって、半導体モジュール1の組立て作業が容易になり、不適切な組立てによる半導体モジュール1の性能低下や半導体素子の破壊の発生を防止することができる。そして、半導体モジュール1を構成する各部材が圧接により接続されるため、はんだフリーな半導体モジュール1を得ることもできる。
【0043】
さらに、本発明の実施形態1に係る半導体モジュール1は、半導体素子2a〜2dを半導体モジュール1の上下両方から冷却できる圧接型の構造であるので放熱性が良く、内部部材の酸化を防止するために半導体モジュール1内を気密封止することも容易にできるので、半導体素子2a〜2dの性能低下の要因が低減し、半導体モジュール1の動作安定性が向上する。
【0044】
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る半導体モジュール及び電極部材について、図2を参照して詳細に説明する。実施形態2に係る半導体モジュール14及びばね電極15(電極部材)は、実施形態1に係るばね電極6の導電板部材8a,8bの代わりに導電部材16を用いたこと以外は、実施形態1に係る半導体モジュール1及びばね電極6と同じである。よって、実施形態1に係る半導体モジュール1及びばね電極6と同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0045】
図2(a)は、本発明の実施形態2に係る半導体モジュール14の上面透視図であり、図2(b)は、本発明の実施形態2に係る半導体モジュール14の要部断面図である。
【0046】
図2(a)に示すように、実施形態2に係る半導体モジュール14は、複数のIGBT素子2a〜2d(半導体素子)を備え、各半導体素子2a〜2dの電極層を押圧するようにばね9a〜9d(弾性部材)が設けられる。また、図2(b)に示すように、実施形態2に係る半導体モジュール14は、IGBT素子2a〜2dと、コレクタ電極端子3と、エミッタ電極端子7と、ばね電極15(電極部材)とから構成される。
【0047】
IGBT素子2aは、例えば、コレクタ(カソード)電極端子3上にモリブデン製コンタクト電極4を介して設けられ、コレクタ電極端子3が、コンタクト電極4を介してIGBT素子2aのコレクタと電気的に接続される。
【0048】
IGBT素子2aのエミッタには、コンタクト電極5が設けられ、コンタクト電極5上にエミッタ電極端子7が設けられる。つまり、エミッタ電極端子7が、コンタクト電極5を介してIGBT素子2aのエミッタと電気的に接続される。
【0049】
ばね電極15は、エミッタ電極端子7上に設けられ、エミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧する。ばね電極15は、円筒状の導電部材16とばね9a〜9dとから構成される。導電部材16は、銅、アルミニウム等からなる。特に、導電部材16の材料として、300℃においても強度的に劣化しない銅を用いると、半導体モジュール14の耐熱性が向上する。そして、円筒状の導電部材16の外周側面がエミッタ電極端子7と接するように設けられ、導電部材16の内周(つまり、導電部材16の内壁間)であって、IGBT素子2aの電極面の法線方向延長上にばね9aが設けられる(同様に、IGBT素子2bの電極面の法線方向延長上にばね9bが設けられる)。
【0050】
さらに、コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧するように、コレクタ電極端子3に絶縁板10を介して放熱ブロック11が設けられ、ばね電極15に絶縁板10を介して放熱ブロック12が設けられる。この放熱ブロック11、12を固定した時、コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7は、IGBT素子2a〜2d方向に押圧された状態となる。
【0051】
以上のように、本発明の実施形態2に係る半導体モジュール14によれば、実施形態1に係る半導体モジュール1と同様に、ばね電極15に複数の放熱パス(折り返し部)が形成されることとなる。その結果、ばね電極15が複数の半導体素子2a〜2dを押圧する場合でも、各半導体素子2a〜2dの配置場所にかかわらず、各半導体素子2a〜2dから効率よく放熱を行うことができる。よって、半導体素子2a〜2dの温度のばらつきを低減し、半導体モジュール14の動作安定性を向上させることができる等、実施形態1に係る半導体モジュール1と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、実施形態2に係る半導体モジュール14は、ばね電極15を構成する導電部材16が円筒状である。その結果、実施形態1に係る半導体モジュール1のように導電板部材8a,8bを重ねるばね電極6と比較して、導電部材16を薄くすることができるので、半導体モジュール14をより小型化することができる。また、実施形態1に係る半導体モジュール1のような複数の導電板部材8a,8bを組み合わせてばね電極6を形成する場合と比較して、導電部材16は一体に形成されているので(つまり、導電板部材8a,8bがばらばらにならないので)、半導体モジュール14の組立てがより容易になる。
【0053】
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る半導体モジュール及び電極部材について、図3を参照して詳細に説明する。実施形態3に係る半導体モジュール17及びばね電極18(電極部材)は、ばね電極18の導電板部材8cの形状が異なること以外は、実施形態1に係る半導体モジュール1及びばね電極6と同じである。よって、実施形態1に係る半導体モジュール1及びばね電極6と同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図3(a)は、本発明の実施形態3に係る半導体モジュール17の上面透視図であり、図3(b)は、本発明の実施形態3に係る半導体モジュール17の要部断面図である。
【0055】
図3(a)に示すように、実施形態3に係る半導体モジュール17は、複数のIGBT素子2a〜2d(半導体素子)を備え、各IGBT素子2a〜2dの電極層を押圧するようにばね9a〜9d(弾性部材)が設けられる。また、図3(b)に示すように、実施形態3に係る半導体モジュール17は、IGBT素子2a〜2dと、コレクタ電極端子3と、エミッタ電極端子7と、ばね電極18とから構成される。
【0056】
IGBT素子2aは、例えば、コレクタ(カソード)電極端子3上にモリブデン製コンタクト電極4を介して設けられ、コレクタ電極端子3が、コンタクト電極4を介してIGBT素子2aのコレクタと電気的に接続される。
【0057】
IGBT素子2aのエミッタには、コンタクト電極5が設けられ、このコンタクト電極5上にエミッタ電極端子7が設けられる。つまり、エミッタ電極端子7が、コンタクト電極5を介してIGBT素子2aのエミッタと電気的に接続される。
【0058】
ばね電極18は、エミッタ電極端子7上に設けられ、エミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧する。ばね電極18は、導電板部材8cとばね9a〜9dとから構成される。導電板部材8cは、銅、アルミニウム等からなる導体平板の両端を折り返して形成される。特に、導電板部材8cの材料として、300℃においても強度的に劣化しない銅を用いると、半導体モジュール17の耐熱性が向上する。そして、折り返された導電板部材8c間であって、IGBT素子2a〜2dの電極面の法線方向延長上にばね9aが設けられる(同様に、IGBT素子2bの電極面の法線方向延長上にばね9bが設けられる)。
【0059】
さらに、コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7をIGBT素子2a〜2d方向に押圧するように、コレクタ電極端子3に絶縁板10を介して放熱ブロック11が設けられ、ばね電極18に絶縁板10を介して放熱ブロック12が設けられる。この放熱ブロック11、12を固定した時、コレクタ電極端子3とエミッタ電極端子7は、IGBT素子2a〜2d方向に押圧された状態となる。
【0060】
以上ように、本発明の実施形態3に係る半導体モジュール17によれば、実施形態1に係る半導体モジュール1と同様に、ばね電極18に複数の放熱パス(折り返し部)が形成されることとなる。その結果、ばね電極18が複数の半導体素子2a〜2dを押圧する場合でも、各半導体素子2a〜2dの配置場所にかかわらず、各半導体素子2a〜2dから効率よく放熱を行うことができる。よって、半導体素子2a〜2dの温度のばらつきを低減し、半導体モジュール17の動作安定性を向上させることができる等、実施形態1に係る半導体モジュール1と同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、実施形態3に係る半導体モジュール17は、ばね電極18が導電板部材8cの両端を折り返すことで形成されている。その結果、実施形態1に係る半導体モジュール1のように導電板部材8a,8bを重ねる必要がないので、導電部材8cを薄くすることができ、半導体モジュール17をより小型化することができる。また、実施形態1に係る半導体モジュール1のような複数の導電部材8a,8bを組み合わせてばね電極6を形成する場合と比較して、導電板部材8cがばらばらにならないので、半導体モジュール17の組立てがより容易になる。
【0062】
以上、具体的な実施形態を例示して本発明の半導体モジュール及び電極部材を説明したが、本発明の半導体モジュール及び電極部材は、上述した実施形態1〜3に限らず、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、そのように変更された形態も本発明に係る半導体モジュール及び電極部材である。
【0063】
例えば、本発明は、圧接により半導体素子の電極層と外部(若しくは、内部の別の回路)に接続するための電極端子とを電気的に接続する半導体モジュールに適用可能である。よって、ばね電極(電極部材)を設ける位置は、コレクタ電極端子(エミッタ電極端子)と半導体素子との間若しくは、冷却板とコレクタ電極端子との間に設けてもよい。また、エミッタ電極端子(またはコレクタ電極端子)、ばね電極、及びコンタクト電極を一体に形成したものを用いてもよい。
【0064】
また、実施形態ではIGBT素子を備えた平型圧接構造の半導体モジュールを例示して説明したが、半導体モジュールに備えられる半導体素子は、IGBTに限定されるものでなく、FWD(Free Wheeling Diode)や、サイリスタ(GTOサイリスタ等)、トランジスタ(MOSFET等)等の半導体素子を複数若しくは組み合わせて用いる形態であってもよい。そして、ばね電極に半導体素子を複数設ける場合、ばね電極に接続される半導体素子の数は特に限定されるものではなく、適宜必要な半導体素子を接続すればよく、接続された半導体素子の数に応じてばね電極に設けるばねの数を設定すればよい。
【0065】
また、導電板部材(若しくは、導電部材)と弾性部材との間に分散板(図示省略)を設けることで、導電板部材(若しくは、導電部材)の変形を防止して、弾性部材の弾性力を電極端子(及び半導体素子)に作用させることができる。つまり、この導電板部材(若しくは、導電部材)弾性部材との間にそれぞれ分散板を設けると、弾性部材の弾性力が導電板部材(若しくは、導電部材)の一部に集中せず、弾性部材が電極端子(または、コンタクト電極)との接続面を押圧する力がより均一になる。
【0066】
また、実施形態1,3に係る導電板部材または実施形態2に係る導電部材(同じもの同士、または異なるもの同士)を組み合わせることで、放熱パスをより増加させた形態としてもよい。例えば、実施形態1に係るばね電極の導電板部材を2組用いて、各組の導電板部材が直交するように開口部を咬み合わせることで、放熱パスをより増加させることができる。
【0067】
また、弾性部材は、実施形態のように各半導体素子の直上に1対1で配置することが好ましいが、弾性部材の配置形態は実施形態に限定されるものではなく、例えば、複数の半導体素子の中央部分に複数の半導体素子を均等に押圧するばねを1つ設ける形態や、複数の半導体素子にまたがって配置される弾性部材(板ばね等)を並列に設ける形態としてもよい。
【0068】
以上のように、本発明の半導体モジュール及び電極部材によれば、半導体モジュールの放熱性及び組立て利便性が向上するので、半導体モジュールの高信頼性、利便性を同時に実現することができる。また、電極部材の弾性力により半導体モジュールに備えられる各部材を接続するので、はんだ接合あるいはワイヤーボンドを用いず、かつ使い勝手の良い絶縁形パワー半導体モジュールを得ることができる。さらに、ばねを導電板部材(若しくは、導電部材)で包んでばね電極を構成することで、半導体モジュールの放熱性が向上する。よって、SiC、GaN等の高温で使用可能な半導体素子の性能を生かす半導体モジュールにおいて、温度サイクル、パワーサイクル等の信頼性が向上する。
【0069】
特に、本発明の半導体モジュール及び電極部材は、半導体モジュールの放熱性を向上させることができるので、高温動作が要求される絶縁形パワー半導体モジュールやインバータ等の電力変換装置に用いることで、絶縁形パワー半導体モジュールや電力変換装置の放熱性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0070】
1,14,17,19,21…半導体モジュール
2a〜2d…IGBT素子(半導体素子)
3…コレクタ電極端子(電極端子)
4,5…コンタクト電極
6,15,18,20,22…ばね電極(電極部材)
7…エミッタ電極端子(電極端子)
8a〜8e…導電板部材
9a〜9d…ばね(弾性部材)
10…絶縁板
11、12…冷却ブロック
16…導電部材(円筒状の導体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、
を備えた半導体モジュールであって、
前記電極端子に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板を折り返した複数の導電板部材と、この導電板部材の開口部を重ね合わせて形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項2】
複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、
を備えた半導体モジュールであって、
前記半導体素子と前記電極端子との間に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板を折り返した複数の導電板部材と、この導電板部材の開口部を重ね合わせて形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項3】
複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、
を備えた半導体モジュールであって、
前記電極端子に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、円筒状の導電部材と、当該導電部材の内壁間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項4】
複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、
を備えた半導体モジュールであって、
前記半導体素子と前記電極端子との間に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、円筒状の導電部材と、当該導電部材の内壁間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項5】
複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、
を備えた半導体モジュールであって、
前記電極端子に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板の両端を折り返した導電板部材と、前記導体平板を折り返して形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項6】
複数の半導体素子と、
前記複数の半導体素子の電極層と電気的に接続される電極端子と、
を備えた半導体モジュールであって、
前記半導体素子と前記電極端子との間に、前記半導体素子と前記電極端子を圧接して、前記電極端子と前記半導体素子の電極層を電気的に接続する電極部材を設け、この電極部材は、導体平板の両端を折り返した導電板部材と、前記導体平板を折り返して形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする半導体モジュール。
【請求項7】
前記複数の半導体素子に対して、それぞれ前記弾性部材を設ける
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体モジュール。
【請求項8】
複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子を圧接する電極部材であって、
前記電極部材は、導体平板を折り返した複数の導電板部材と、この導電板部材の開口部を重ね合わせて形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする電極部材。
【請求項9】
複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子を圧接する電極部材であって、
前記電極部材は、円筒状の導電部材と、当該導電部材の内壁間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする電極部材。
【請求項10】
複数の半導体素子と、前記複数の半導体素子の電極層に電気的に接続される電極端子を圧接する電極部材であって、
前記電極部材は、導体平板の両端を折り返した導電板部材と、前記導体平板を折り返して形成される平板間に設けられる弾性部材と、を有する
ことを特徴とする電極部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−102065(P2013−102065A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245118(P2011−245118)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000006105)株式会社明電舎 (1,739)