説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置

【課題】半導体装置の実装後に生じる半導体素子の特性劣化の原因を解析可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供する。
【解決手段】基板1と、基板1上に搭載され、X線照射量に基づく特性変化量が予め定義された複数の半導体素子201a,201bを含む半導体チップ2と、基板1上に半導体チップ2と共に搭載され、半導体チップ2のX線照射量を測定する照射量測定装置3と、半導体チップ2を封止する封止樹脂4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線装置により内部観察が可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の故障解析においては、半導体装置が接続されているか否かを確認するために、実装後にX線装置を用いて内部観察をする場合がある。例えば、チップサイズパッケージ(CSP)型の半導体装置においては、実装時に不具合が発生していないか否かを確認するためにX線を照射する。ここで、多量の照射エネルギのX線が照射されると、半導体素子が劣化し、特性不良を起こす。
【0003】
しかし、実装後の半導体素子にどの程度の照射エネルギのX線を照射すれば特性劣化を起こすかについての評価がされていないため、実装後の故障解析において検出された半導体素子の特性劣化が、実装後のX線照射に起因するのか否かを判別することができない。特に、DRAM、NANDフラッシュ等の半導体メモリを包含する半導体チップは、電圧加速試験又は温度加速試験等による耐性は評価されているが、X線等の波長の短いエネルギ線の照射に対する耐性は評価されていない。
【0004】
X線等の耐性評価方法としては、ウエハ内に形成されたチップに、集積回路及び放射線耐量測定素子を形成し、放射線耐量測定素子に対してのみ選択的にX線照射試験及び電圧印加試験を行うことにより、チップの合格・不合格の選定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかし、特許文献1に記載された方法を用いても、半導体チップ実装後の内部観察におけるX線照射量を具体的に評価することができないため、実装後に生じる半導体素子の特性劣化が、実装後のX線照射に起因するものか否かを正確に判別できない。そのため、半導体装置の実装後に生じる半導体素子の特性劣化の原因を詳しく解析できない。
【特許文献1】特公平3−44415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、半導体装置の実装後に生じる半導体素子の特性劣化の原因を解析可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様によれば、複数の半導体素子を内部に集積化した半導体チップを複数配列した半導体ウエハを製造する工程と、半導体ウエハにX線を照射する工程と、X線照射後の半導体ウエハのそれぞれの半導体チップの電気的特性をテストする工程と、テスト後に特性劣化が生じた半導体素子を含む不良半導体チップを複数の半導体チップの中から選別する工程と、不良半導体チップ除外後の残余の半導体チップを照射量測定装置と共に基板上に搭載する工程とを含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0008】
本発明の他の態様によれば、基板と、基板上に搭載され、X線照射量に基づく特性変化量が予め定義された複数の半導体素子を含む半導体チップと、基板上に半導体チップと共に搭載され、半導体チップのX線照射量を測定する照射量測定装置と、半導体チップを封止する封止樹脂とを備える半導体装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、半導体装置の実装後に生じる半導体素子の特性劣化の原因を解析可能な半導体装置の製造方法及び半導体装置が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0011】
(半導体装置)
本発明の実施の形態に係る半導体装置は、図1の平面図に示すように、基板1と、基板1上に搭載された半導体チップ2と、基板1上に配置された照射量測定装置3を備える。半導体チップ2の周囲には、封止樹脂(モールド樹脂)が配置されている。
【0012】
基板1としては、有機系の種々な合成樹脂、セラミック、及びガラス等の無機系の材料が採用可能である。有機系の樹脂材料としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、及びフッ素樹脂等が使用可能で、また板状にする際の芯となる基材は、紙、ガラス布、及びガラス基材などが使用される。基板1としては、銅(Cu)などの金属上に耐熱性の高いポリイミド系の樹脂板を積層して多層化したリードフレーム等でも構わない。基板1は、ビルドアップ多層配線板でも構わない。
【0013】
基板1のチップ実装面(半導体チップ2が実装される側の面)とチップ実装面に対向する外部接続面は、保護膜(パッシベーション膜)により被覆されていてもよい。基板1の内部は、図示を省略した複数の配線層と配線層間を接続するビアが形成されている。
【0014】
図1のA−A方向からみた断面図である図2に示すように、基板1のチップ実装面上には、接着剤層11が配置されている。接着剤層11としては、基板1に銅箔(Cu)又はアルミ箔(Al)等を接着するための金属箔用接着剤、又は半導体チップ搭載用の接着剤等が採用可能であり、例えばエポキシ系樹脂、ポリアラミド樹脂、アクリル系樹脂の有機系の合成樹脂が好適である。
【0015】
半導体チップ2には、例えば、0.2μmルール以下のDRAM、FLASHメモリなどの半導体メモリ等やこれらの半導体メモリを含むシステムLSI等が集積化されている。この半導体チップ2は、接着剤層11を介して基板1の上面上に配置されている。図2においては、半導体チップ2は、基板1上にフェイスダウンにフリップチップ実装されている例を図示するが、フェイスアップに実装しても構わない。
【0016】
図3に半導体チップ2の一部の内部構造の断面図の例を示す。半導体チップ2は、この断面図に示される半導体基板200の表面領域の一部に、複数の半導体素子201a,201bを有している。半導体素子201a,201bは、例えば1×1018cm−3〜1×1021cm−3程度のドナー若しくはアクセプタをドープした複数の高不純物密度領域(ソース領域/ドレイン領域、若しくはエミッタ領域/コレクタ領域等)202a,202b及びゲート電極203a,203b等を含む。これらの高不純物密度領域202a,202b及びゲート電極203a,203b等に接続されるように、アルミニウム(Al)、若しくはアルミニウム合金(Al−Si,Al−Si−Cu)、Cu等の金属配線203が、熱シリコン酸化膜(SiO2膜)或いは低誘電率絶縁膜を層間絶縁膜204として、多層に形成されている。
【0017】
複数の半導体素子201a,201bは、X線照射量に基づく特性変化量が予め定義されている。最上層の配線層には、チップ電極パッド(図示省略)が形成されている。チップ電極パッドは、ボール電極等の接続電極(図示省略)を介して基板1のチップ実装面上のパッド(図示省略)に電気的に接続されている。
図2に示すように、照射量測定装置3は、基板1のチップ実装面上に接着剤層11を介して配置されている。照射量測定装置3は、図1に示すように、基板1の周辺部に配置してもよいし、半導体チップ2の上面に配置してもよい。X線照射量の測定精度を向上させるためには、照射量測定装置3を半導体素子201a,201bにできるだけ近づけて配置するのが好ましい。照射量測定装置3は、1個あれば一定の目的を達成可能であるが、基板1上に複数個配置することにより、X線照射量の空間分布を評価できるため、半導体素子201a,201bの特性劣化の解析精度をより向上させることができる。照射量測定装置3の配置位置としては、例えば、基板1の四隅に配置してもよいし、或いは、半導体チップ2上に複数個アレイ状に並べてもよい。照射量測定装置3としては、放射線量検出用のフィルムバッジ等が採用可能である。
【0018】
図2に示すように、基板1の外部接続面上には、接着剤層12が配置されている。接着剤層12としては、基板1に銅箔(Cu)又はアルミ箔(Al)等を接着するための金属箔用接着剤、又は半導体チップ搭載用の接着剤等が採用可能であり、例えばエポキシ系樹脂、ポリアラミド樹脂、アクリル系樹脂の有機系の合成樹脂が好適である。接着剤層12には、複数のパッド13が接着されている。接着剤層12及びパッド13の周囲はレジスト膜16で被覆されている。レジスト膜16は、パッド13が形成された場所の表面の一部を選択的に露出するようにパターニングされており、露出した表面に、パッド13を覆うニッケル(Ni)又は金(Au)等のメッキ層14が配置されている。ボール電極15は、図1の点線で示すように、基板1の周辺部にアレイ状に複数個配置されており、それぞれメッキ層14を介して、対応するパッド13に電気的に接続されている。
【0019】
後述する半導体装置の製造方法により明らかとなるが、実施の形態に係る半導体装置によれば、基板1上に搭載された照射量測定装置3により、半導体チップ2の実装後の内部観察で照射されるX線照射量を測定できる。半導体チップ2の内部に集積化された半導体素子201a,201bは、X線照射量に基づく特性変化量が予め定義されている。そのため、照射量測定装置3により測定されたX線照射量と半導体素子201a,201bの特性変化量との関係を解析することにより、半導体素子201a,201bの特性劣化が半導体チップ2の実装後のX線照射に起因して発生しているのか否かが判別でき、半導体装置の実装後に生じる半導体素子の特性劣化の原因が解析可能となる。
【0020】
(半導体装置の製造方法)
実施の形態に係る半導体装置の製造方法を、図4のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下に述べる半導体装置の製造方法は一例であり、この変形例を含めて、これ以外の種々の製造方法により実現可能であることは勿論である。
【0021】
図4のステップS1において、例えば図3に示す半導体基板(半導体ウエハ)200を用意する。半導体基板200上に、シリコン酸化膜や多結晶シリコン膜等の形成、フォトリソグラフィー技術を用いた不純物イオンの選択的注入等の種々の工程を繰り返し、半導体基板200の内部に高不純物密度領域202a,202bを、半導体基板200の表面にゲート電極203a,203b等を形成して複数の半導体素子201a,201bを形成する。
【0022】
半導体素子201a,201bが形成された半導体基板200上に、CVD法、PVD法等により層間絶縁膜204を形成し、メタライゼーション工程により層間絶縁膜204の中にコンタクトホールを開孔し、層間絶縁膜204中の配線溝の内部に金属配線203を埋め込む。これを順次繰り返し、半導体基板200上に多層配線層を形成し、図3に示すような複数の半導体素子201a,201bを内部に集積化した半導体チップ2を複数個配列する半導体ウエハを製造する。
【0023】
図4のステップS2において、ステップS1で製造された半導体ウエハの全面にX線を照射する。X線の照射エネルギは、後述するステップS7に示す内部観察工程で用いられる照射エネルギと同等程度にすることができる。照射エネルギは、例えば、70KV〜140KV程度が利用可能である。半導体ウエハにX線が照射されることにより、X線照射により特性劣化の生じ易い半導体チップ中の半導体領域や層間絶縁膜中の元素の結合が変化する。例えば、シリコン(Si)基板を半導体基板200とし、SiO2膜をゲート絶縁膜や層間絶縁膜に用いた半導体チップであれば、SiとSiO2との界面又はSiO2中において、Siと結合されていた水素分子又は酸素分子との結合が切れたり、別のSiと再結合したりすることにより、ジャンクションリークが発生する。
【0024】
ステップS3において、X線を照射した半導体ウエハに対し、電圧加速試験又は温度加速試験等を実施することにより半導体ウエハ内のそれぞれの半導体チップの電気的特性をテストする。ステップS2において特性劣化が生じた特定の半導体チップ2は、加熱されることにより、Si/SiO2界面又はSiO2中のSiと水素分子又は酸素分子とが再結合し、特性劣化が防止される。半導体ウエハ内の他の半導体チップの一部の半導体素子は、加熱により特性劣化が生じる。
【0025】
ステップS4において、電気的特性のテスト結果に基づいて、特性劣化が生じた半導体素子を含む不良半導体チップを、半導体ウエハ内の複数の半導体チップの中から選別する。なお、ステップS4において、不良半導体チップ中の特性劣化が生じた半導体素子を予備素子へ置き換えてもよい。
【0026】
ステップS5において、半導体ウエハ(半導体基板200)に形成された複数の半導体チップ領域をそれぞれの半導体チップ2として分割する。引き続き、図2に示す接着剤層11を有する基板1を用意し、分割された半導体チップ2を接着剤層11上に搭載すると共に照射量測定装置3を搭載する。照射量測定装置3の設置位置は特に限定されないが、半導体チップ2と近接させて配置するのが好ましい。照射量測定装置3は複数個配置してもよい。
【0027】
その後、半導体チップ2と照射量測定装置3を搭載した基板1をモールド装置等に導入し、半導体チップ2と照射量測定装置3の周囲をモールド樹脂4で封止する。基板1の外部電極面には、パッド13に接続されたボール電極15を実装し、図2に示す半導体装置を完成させる。
【0028】
ステップS6において、半導体装置の製造及び機能に関する出荷前特性テストを行う。テストに合格した半導体装置は、水分、静電気等から保護するための包装等を施し、製品として出荷される。
【0029】
図2に示す半導体装置をパッケージ基板等に実装し、ステップS7において、搭載後の半導体装置に対してX線を照射する。ステップS7において照射されるX線照射量は、照射量測定装置3により測定される。
【0030】
ステップS8において、半導体チップ2の実装後の半導体装置に対し、電圧加速試験又は温度加速試験等の電気的特性のテストを行う。故障が生じた半導体装置は選別され、照射量測定装置3が測定したX線照射量を測定することにより、故障原因が解析される。
【0031】
本実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、ステップS2において、半導体ウエハ内に形成された複数の半導体チップ2のそれぞれに対し、例えばステップS7で照射される照射エネルギと同等量のX線を予め照射しておく。これにより、X線照射によって特性が劣化する半導体素子201a,201bを含んだ半導体チップ2を、ステップS4の選別工程において予めスクリーニングできるため、出荷後の市場において不良が生じにくい半導体装置が製造できる。
【0032】
また、ステップS5の組立工程において、図2に示すように、基板1上に照射量測定装置3が配置されるため、照射量測定装置3のX線照射量を評価することにより、半導体装置の故障原因が、実装後のX線照射によるものであるのか、それとも、出荷前の半導体装置の製造工程に起因する故障であるのかが判別できるため、故障解析の精度が向上する。
【0033】
なお、上述したステップS2において、半導体素子201a,201bへのX線照射量に対する半導体素子201a,201bの特性劣化量の関係を予め定義しておけば、ステップS7における内部観察に照射するX線の照射エネルギを、半導体素子201a,201bの特性劣化が生じない程度に制御できる。特性劣化が生じた場合には、上述したように、ステップS8において、照射量測定装置3に照射されたX線照射量を測定することにより、特性劣化の原因が、半導体装置の実装後に起因するのか否かを精度良く解析できる。
【0034】
特に、0.2μm以下のDRAM、NANDフラッシュメモリ等の半導体メモリを包含した半導体チップ2は、出荷後に生じる特性劣化が顕著であるため、実施の形態に係る半導体の製造方法を用いることにより、故障原因をより詳しく解析できる。なお、X線照射量に対する半導体素子201a,201bの特性劣化量の評価は、ステップS3のウエハテストで行われる電圧加速試験等の試験を経た後に評価してもよい。
【0035】
(第1の変形例)
第1の変形例に係る半導体装置は、図5に示すように、照射量測定装置3が、モールド樹脂4の上部に設けられた孔5に埋設されている点が、図2に示す半導体装置と異なる。図5では、孔5は、基板1の周辺部上に設けられているが、半導体チップ2の上部に設けられていてもよい。孔5の深さも特に限定されないが、半導体チップ2中の半導体素子201a,201bを構成する高不純物密度領域202a,202bと照射量測定装置3とが同一平面レベル上となるような深さとし、照射量測定装置3をその孔5に埋め込んでもよい。照射量測定装置3は複数あってもよいことは勿論である。図5に示す半導体装置によれば、照射量測定装置3が半導体装置から取り外し易くなるため、照射量測定装置3によるX線照射量測定結果が確認し易くなる。
【0036】
(第2の変形例)
第2の変形例に係る半導体装置は、図6に示すように、基板1と、基板1上に搭載され、X線照射量に基づく特性変化量が予め定義された複数の半導体素子を含む半導体チップ2と、X線検出素子をアレイ状(マトリクス状)に配置した照射量測定装置3(照射量測定チップ)とを備えるマルチチップモジュールである。照射量測定装置3は、ボール電極15に電気的に接続されている。照射量測定装置3の電気的接続は、ボール電極15でなく、基板1のチップ実装面上に形成された電極(図示省略)を介するような接続関係であってもよい。照射量測定装置3は、接着剤層11上に接着されており、接着剤層6を介して半導体チップ2の素子面に対向している。
【0037】
図7に示すように、照射量測定装置3は、例えば、ビット線(垂直信号線)Bj-1,Bj,Bj+1(j=1〜m:mは正の整数)に接続された水平シフトレジスタ31、ワード線Wi-1,Wi,Wi+1(i=1〜n:nは正の整数)に接続された垂直シフトレジスタ32、及びビット線Bj-1,Bj,Bj+1から取り出された電気信号を増幅するためのセンスアンプ33を有するX線イメージセンサである。
【0038】
ビット線Bj-1,Bj,Bj+1及びワード線Wi-1,Wi,Wi+1により格子状に分割されたそれぞれの画素(ピクセル)には、ビット線Bj-1,Bj,Bj+1及びワード線Wi-1,Wi,Wi+1に接続された画素回路Xij-1,Xij,Xi+1が配置されている。図7では、画素回路Xij-1,Xij,Xi+1をマトリクス状に配列した二次元イメージセンサを図示しているが、一次元イメージセンサであってもよい。
【0039】
画素回路Xijの模式的等価回路図を図8に示す。画素回路Xijは、半導体チップ2に照射されるX線照射量を検出するCdTe等のX線検出素子Dijと、X線検出素子Dijからの電気信号の転送を選択する選択素子Tsijと、X線検出素子Dijの電気信号をフローティングゲートのゲートとして増幅し選択素子Tsijに注入する増幅素子TAijを含む。
【0040】
X線検出素子Dij以外の選択素子Tsij及び増幅素子TAijをSiで構成して、ハイブリッド集積回路としてX線イメージセンサを構成してもよく、X線検出素子Dij,選択素子Tsij及び増幅素子TAijをすべてCdTeで構成して、モノリシック集積回路としてX線イメージセンサを構成してもよい。ハイブリッド集積回路は、X線検出素子Dijを複数配列したCdTeチップと、選択素子Tsijと増幅素子TAijとを複数配列したSiチップとを互いに積層したマルチチップで構成してもよく、実装基板上に各画素のX線検出素子Dijを配列した構成でもよい。図8の画素回路Xijに更にリフレッシュ素子を加えて、1ピクセル3トランジスタの構成としてもよい。
【0041】
第2の変形例に係る半導体装置によれば、基板1上に、X線照射量を電気的に測定する照射量測定装置3が配置されるため、照射量測定装置3が測定したX線照射量を半導体装置のボール電極15等から抽出して解析できる。
【0042】
(その他の実施の形態)
本発明は上記の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0043】
図6に示す半導体装置においては、照射量測定装置3と半導体チップ2とを別個の装置として構成しているが、半導体チップ2の中に、照射量測定装置3の画素回路Xijに相当する素子を作り込んでもよい。X線が照射されることにより、フローティングゲート絶縁膜等の素子の電気容量に変化が起こる。X線照射量に基づく素子の容量変化を素子の特性変化量と定義し、実装後の素子の電気容量を検出することにより、X線照射量を評価してもよい。
【0044】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る半導体チップの内部構造の一部の例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態の第1の変形例に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の第2の変形例に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態の第2の変形例に係る照射量測定装置の一例を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態の第2の変形例に係る照射量測定装置の一例を示す等価回路図である。
【符号の説明】
【0046】
1…基板
2…半導体チップ
3…照射量測定装置
4…モールド樹脂
5…孔
6…接着剤層
11…接着剤層
12…接着剤層
13…パッド
14…メッキ層
15…ボール電極
16…レジスト膜
20a,20b…半導体素子
200…半導体基板
201a,201b…半導体素子
202a,202b…高不純物密度領域
203…金属配線
203a,203b…ゲート電極
204…層間絶縁膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体素子を内部に集積化した半導体チップを複数配列した半導体ウエハを製造する工程と、
前記半導体ウエハにX線を照射する工程と、
X線照射後の前記半導体ウエハのそれぞれの半導体チップの電気的特性をテストする工程と、
前記テスト後に特性劣化が生じた半導体素子を含む不良半導体チップを複数の半導体チップの中から選別する工程と、
前記不良半導体チップ除外後の残余の半導体チップを照射量測定装置と共に基板上に搭載する工程
とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記残余の半導体チップ及び前記照射量測定装置を搭載した半導体装置にX線を照射し、前記半導体装置の内部状態を観察する工程と、
前記照射量測定装置が測定したX線照射量に基づいて、前記半導体装置の故障原因を解析する工程
とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
基板と、
前記基板上に搭載され、X線照射量に基づく特性変化量が予め定義された複数の半導体素子を含む半導体チップと、
前記基板上に前記半導体チップと共に搭載され、前記半導体チップのX線照射量を測定する照射量測定装置と、
前記半導体チップを封止する封止樹脂
とを備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
前記照射量測定装置が、前記封止樹脂の上部に設けられた孔に埋設されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記照射量測定装置が、前記半導体チップのX線照射量を検出するX線検出素子を含む画素回路をアレイ状に配列したX線イメージセンサであることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−66388(P2008−66388A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240385(P2006−240385)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】