説明

半導体記憶装置

【課題】 チップ面積を増加させることなく、信頼性の向上や歩留まりの向上などの高機能を達成できる半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 データを書込み及び消去可能で、電圧が供給されない間も当該データを保持可能な不揮発性の半導体記憶装置であって、データに対応する静電荷をそれぞれ蓄えることが可能な第1及び第2の電荷局在部を含むメモリセルを備え、第2の電荷局在部は、第1の電荷局在部に蓄えられるべき静電荷に対応する静電荷を蓄えることにより、第1の電荷局在部を補完する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧を供給しない間もデータを保持することができるフラッシュEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの半導体記憶装置に関し、特定的には、MNOS(Metal Nitride Oxide Semiconductor) 型メモリセルのように、1セルに複数のデータが記憶できる複数ビット/セルのメモリセルを含む半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に素子を集積してデータを記憶する半導体記憶装置には、大きく分けて、電圧を供給している間のみデータを保持できる揮発性半導体記憶装置と、電圧の供給が無い間もデータを保持できる半導体記憶装置との2つの種類があり、さらにそれぞれの中で方式や使い方によって分類される。
【0003】
後者の半導体記憶装置の中で、現在最も良く用いられている方式の一つに、電気的に書込みと消去が可能なフラッシュEEPROMがある。フラッシュEEPROMは、現在、MOS (Metal Oxide Semiconductor) トランジスタのチャネル上に周りを酸化膜等で絶縁されたフローティングゲートを形成したフローティング型メモリセルを用いたものが主流である。フローティング型メモリセルは、フローティングゲートに電子を注入あるいは電子を引き抜くことにより、MOSトランジスタのソース−ドレイン間電流が流れ始めるゲート電圧しきい値(以下、Vtという)を変化させ、データを記憶する。
【0004】
一方、近年、MNOS型メモリセルが再び脚光を浴び始めている。MNOS型メモリセルは、フローティング型メモリセルと異なり、MOSトランジスタのチャネル上にONO膜を形成し、ONO膜界面のトラップに電子またはホールを注入することにより、Vtを変化させている。MNOS型メモリセルは、トラップされた静電荷(電子やホール)がほとんど移動できないという特徴を持っている。このため、MNOS型メモリセルは、フローティング型メモリセルのように酸化膜欠陥があっても蓄えられている全ての静電荷が抜けることはない。このようなMNOS型メモリセルが持つ特徴は、酸化膜の薄膜化にともない、近年大きな問題になっている時間経過によるデータ消失の問題(リテンション問題)に対しに有利である。
【0005】
また、MNOS型メモリセルは、注入された静電荷が移動しないので、静電荷がチャネル上に局在することが可能となる。一般的に、静電荷の注入は、ホットエレクトロンが発生するドレイン近傍で発生するので、MNOS型メモリセルにおいて、静電荷は、ドレイン近傍上のON膜界面に局在する。また、MNOS型メモリセルのソースとドレインは、バイアス条件によってきまるので、ソースとドレイン間のバイアス条件は半導体記憶装置の使用中に反転可能である。したがって、MNOS型メモリセルは、メモリセルのチャネルの両サイドに2箇所の電荷局在部を形成することができる。このため、MNOS型メモリセルは、2箇所の電荷局在部にそれぞれ1つのデータを割当てることにより1セルに2つのデータを記憶可能である。以上のような特徴から、MNOS型メモリセルへの期待が益々高まっている。
【0006】
図15(a)は、一般的なMNOS型メモリセルの断面図である。図15(a)において、半導体基板Sub上に素子分離の為のLOCOS101と、ONO膜102と、ゲート103とが形成され、LOCOS101の下に拡散層104と、拡散層105とが形成されている。ゲート103は、一般にポリシリコンで形成され、メモリアレイを組んだ時はワード線として使用される。また、拡散層104と拡散層105とは、メモリセルのドレインもしくはソースであり、メモリアレイを組んだ時は埋め込み型ビット線として使用される。電荷局在部106及び107は、いずれも電荷を局在させる箇所である。
【0007】
図15(b)は、図15(a)のMNOS型メモリセルの簡概略図であり、付与してある番号が同じ構成要素は、同一部分を指す。なお、すべての図面において、ゲート103と、拡散層104及び105(一方がドレイン、他方がソースに相当)と、電子局在部106及び107とを、図15(b)に示した記号により表すことにする。
【0008】
図16は、従来のメモリセルを用いて構成したメモリアレイ周辺部の模式図である。なお、図16では、紙面の都合でアレイの一部分しか記述していないが、実際のアレイは、縦横方向に多くメモリセルが存在するのが一般的である。図16に示すように、複数のメモリセルM01〜M06は、紙面横方向にアレイ状に配置されている。各メモリセルのゲートは、横方向に共通ノードであるワード線WL0に接続されている。すなわち、メモリセルM01〜M06のコントロールゲートは、ワード線WL0に接続されている。また、各メモリセルのソースもしくはドレインは、紙面縦方向に共通ノードであるビット線BL0〜BL6に接続されている。例えば、メモリセルM01のドレインもしくはソースは、ビット線BL0及びBL1にそれぞれ接続されている。また、メモリセルM02のドレインもしくはソースは、ビット線BL1及びBL2にそれぞれ接続されている。
【0009】
各ビット線は、切替えスイッチ108によって、選択的にセンスアンプ109の一方の入力へ接続される。センスアンプ109の他方の入力は、リファレンスセルR01のドレインがリファレンスビット線RBLを通して接続される。リファレンスセルR01は、データ1状態のメモリセル電流とデータ0状態のメモリセル電流とのちょうど中間の電流が流れるように設計されたCMOSトランジスタが用いられる。また、リファレンスセルR01は、ソース線RSLと、ワード線RWLとを有する。リファレンスセルR01のゲートは、ワード線RWLに接続される。リファレンスセルR01のうち、センスアンプ109に接続されていない側は、ソースであり、ソース線RSLに接続される。
【0010】
図16に示す従来例の場合、読み出し時にはメモリセルM01〜M06の電流をリファレンスセルR01の電流と比較し、大小関係によってメモリセルM01〜M06に記憶されているデータを判定する。どのメモリセルのデータを読み出すかは、センスアンプ109へ接続されるビット線を切替えることによって選択する。このとき、ビット線の選択時において、各メモリセル内に2つある電荷局在部106もしくは107のいずれを読み出すかに注意する必要がある。
【0011】
例を示すと、メモリセルM02の右側の電荷局在部107に記憶された静電荷を読み出す時は、ビット線BL1をセンスアンプ109に接続し、ビット線BL2をグランドレベルに接続する。また、左側の電荷局在部106を読み出す時は、ビット線BL2をセンスアンプ109に接続し、ビット線BL1をグランドレベルに接続する。センスアンプ109に接続された側のビット線は、読み出し直前にHiレベルにプリチャージされる。すなわち、メモリセルに接続されているビット線のバイアス電圧の向きを逆にすることで、メモリセルのソースとドレインを変更し、読み出す側の電荷局在部を切替える。
【0012】
以上のように、1つのセルに2ビットのデータを記憶し読み出すことが可能であるが、場合によって1つのセルに1ビットのみのデータを記憶させた方が、製品の特性、信頼性やコストの面で有利なこともある。その場合、同一セルにおける反対側の電荷局在部を通常使用しない構成が提案されている。例えば、上述の例の場合、電荷局在部107のみを使用する一方で電荷局在部106の使用を放棄し、1つのセルに1ビットのみのデータを記憶させる使用方法である。このメモリセルの構成を採用した場合、記憶容量は半減するが、フローティング型と比較してリテンション問題などに対する優位性は変化しない。
【0013】
図15に示すMNOS型メモリセルを1ビット/セルとして使用する場合、例えばデータ記憶用の電荷局在部を107のみとして電荷の出し入れを行い、電荷局在部106の電荷の出し入れを行わないようにする。したがって、電荷局在部106は、常にニュートラルな状態にある。読み出し時、図16の切替えスイッチ108がセンスアンプ109と接続するビット線は、データ読み出しを行うビット線である。データ読み出しに用いられるビット線は、データを記憶する電荷局在部をいずれにするかに応じて異なる。
【0014】
図17は、従来のフラッシュメモリなどの半導体記憶装置の概略構成図である。従来の半導体記憶装置は、データを記憶する為に通常使用するメモリセクタMS0〜MS3と、製造上の問題などによって通常使用するメモリセクタに不具合が発生した場合に、不具合が発生したメモリセクタと置き換える為の冗長メモリセクタMS4とを備える。また、従来の半導体記憶装置は、冗長メモリセクタMS4を含む全てのメモリセクタに共通するワード線を駆動するためのロウデコーダー110(X−DEC)と、それぞれのメモリセクタ毎に独立したカラムデコーダー111〜115(Y−DEC)とI/O回路116〜120とを含む。
【0015】
メモリセクタは、メモリセルの集合体の1つの単位である。フラッシュメモリの場合のメモリセクタは、一括して消去を行うメモリセル集合体として使用されるのが通例であるが、ソース線もしくはビット線もしくはワード線を共通とするメモリセルの集合体を1つのセクタとする場合もある。また、ロウデコーダー110は、アドレスの指定に従って1本のワード線を選択するデーコーダーと、その選択に従いワード線に電位を供給するドライバの集合体である。同様に、カラムデコーダー111〜115は、アドレスの指定に従って1本のビット線を選択するデーコーダーである。具体的には、カラムデコーダーは、図16で示した切替えスイッチ108の集合体である。また、I/O回路116〜120は、図16で示したセンスアンプ109とリファレンスセルR01とその他ドライバ等との回路の集合体である。
【0016】
次に、図17を用いて、従来の冗長救済方法について説明する。製品を出荷する前の検査において、通常使用するメモリセクタMS0〜MS3に不良箇所が発見された場合、そのままでは検査した半導体記憶装置は、不良品となる。そこで、発見された不良箇所を予め作成された予備の部分(冗長メモリセクタ)に機能を代替させることにより、半導体記憶装置を良品にすることができる。このような取り扱いを冗長救済という。
【0017】
例えば、メモリセクタMS1にあるメモリセルに不良が発生した場合、メモリセクタMS1のアドレスが指定された時に、アクセスする先を冗長メモリセクタMS4に切替えることにより、メモリセクタMS1を使用しないようにする。以上の構成により、メモリセクタMS1に不良箇所が存在しても実使用上の問題にはならず、この半導体記憶装置を良品として出荷することが可能になる(特許文献1参照)。
【0018】
冗長救済を行うメモリの単位は、なるべく小さい単位で切替えた方が、準備する冗長メモリが占める面積を小さくできる。そこで、従来、DRAMなどでは、ワード線やビット線の1本毎を切替えの単位として使用する場合もあった。しかしながら、不揮発性の半導体記憶装置では、不良メモリセルがその周りに存在する良品メモリセルの動作を妨げることが多く、不良メモリセルのみを切替えただけでは、不十分な場合がある。
【0019】
例えば、フラッシュメモリの場合、切替えを行った後も、良品メモリセルを消去する時に不良メモリセルの消去動作も一緒に行われてしまう。このため、データの書換えに伴って不良メモリセルの消去動作が繰返し行われ、過消去状態になった不良メモリセルがビット線をショートさせる問題が発生する。その他、不良メモリセルのみを切替えただけでは、信頼性の保障が難しくなるなどの問題がある。したがって、フラッシュメモリは、図17で示したように、消去の単位であるメモリセクタ毎に冗長救済のための切替えを行うことが多い。
【0020】
以上の様な方法で、従来の半導体記憶装置は、通常使用するメモリセル(メモリセクタ)に発生した不良を、その不良メモリセル(メモリセクタ)と冗長メモリセル(冗長メモリセクタ)と置き換えることで救済し、歩留を向上させている。
【0021】
また、図17で示すメモリセクタやロウデコーダーやカラムデコーダー等の構成は1つの例に過ぎず、従来から様々な構成が提案されている。ただし、何れの構成も、通常使用するメモリセル(メモリセクタ)以外に冗長救済用のメモリセル(メモリセクタ)が存在している点で共通する。
【特許文献1】特開平05−40702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、従来の方法では、チップ面積の増加が必ず発生し、チップコストが上昇する。そして、そのコスト上昇分が大きくなると、冗長救済の効果である歩留向上によるコスト削減を相殺する。例えば、チップ面積の増加によるコスト増加が、歩留向上によるコスト削減を上回っていれば、冗長救済の方法は全く意味をなさない。また、チップ面積の増加によるコスト増加が、歩留向上によるコスト削減を下回っていたとしても、歩留向上によるコスト削減効果を減少させ、その結果製品のコスト削減を困難にしている。
【0023】
チップ面積を増加させる要因は、他にも存在する。例えば、半導体記憶装置は、データの書き換えを頻繁に行うと、使用時のストレスによりデータを記憶するビットの特性が劣化(エンデュランス劣化)し、最悪の場合データが喪失してしまう。そこで、半導体記憶装置にメモリセルのデータの書き換え回数をカウントするカウンタを設け所定の回数の書き換えを検出したり、あるいはメモリセルのエンデュランス劣化そのものを検出したりして、所定のメモリセルに記憶されたデータを他のメモリセルへ自動的に書き換える技術(BISR:Built-In Self-Repairing)が提案されている。ところが、BISRのために、半導体記憶装置に新たなメモリセルを設けると、上述の冗長救済の場合と同様に、チップ面積の増加を招き、チップコストが上昇する。
【0024】
本発明の目的は、チップ面積を増加させることなく、信頼性の向上や歩留まりの向上などの高機能を達成した半導体記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的は、以下の半導体記憶装置により達成される。データを書込み及び消去可能で、電圧が供給されない間も当該データを保持可能な不揮発性の半導体記憶装置であって、データに対応する静電荷をそれぞれ蓄えることが可能な第1及び第2の電荷局在部を含むメモリセルを備え、第2の電荷局在部は、第1の電荷局在部に蓄えられるべき静電荷に対応する静電荷を蓄えることにより、第1の電荷局在部を補完する。
【0026】
上記構成により、第2の電荷局在部を有効活用し、チップ面積を増加させることなく、信頼性の向上や歩留まりの向上などの高機能を達成することができる。
【0027】
好ましくは、第1の電荷局在部が、製造不良により静電荷を蓄えることが困難である場合、データに対応する静電荷を蓄えるべき電荷局在部を、第1の電荷局在部から第2の電荷局在部へ切替える切替え手段を備える。上記構成により、第2電荷局在部を有効活用し、冗長救済により不良品となるチップを救済することができる。このとき、冗長救済に用いたメモリセルは、冗長救済用に追加したものではなく、元来存在していたものであるから、チップ面積を増加させることがない。
【0028】
好ましくはさらに、複数のメモリセルと、複数のメモリセル全体について、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力するフラグ回路を備える。上記構成により、メモリセル全体に対して冗長救済を行うことができる。
【0029】
一例として、フラグ回路は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリとラッチ回路とを含む。上記構成により、冗長救済を行う場合の検査工程を簡略化することができ、コストダウンが可能になる。
【0030】
他の例として、各メモリセルに接続される複数のビット線と、各メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線とを備え、切替え手段は、さらに、ラグ回路からの出力に基づいて、ビット線と電源線との接続の組み合わせを切替え可能なスイッチ素子を含む。上記構成により、切替え手段を簡単に構成することができる。
【0031】
さらに他の例として、各メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、各メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、切替え手段は、さらに、フラグ回路からの出力に基づいて、電源線と電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む。上記構成により、切替え手段を簡単に構成することができる。
【0032】
好ましくはさらに、複数のメモリセルを含むメモリセクタを複数個と、メモリセクタ毎に、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数のフラグ回路とを備える。上記構成により、メモリセクタ毎に冗長救済を行うことができ、より細かい単位での救済が可能になる。
【0033】
一例として、各メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、各メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、切替え手段は、さらに、フラグ回路からの出力に基づいて、電源線と電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む。上記構成により、切替え手段を簡単に構成することができる。
【0034】
好ましくはさらに、複数のメモリセルを備え、各メモリセルは、ビット線により決定されるロウアドレスと、ワード線により決定されるカラムアドレスとにより特定されるものであり、さらに、ロウアドレス毎に、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数のフラグ回路を備える。上記構成により、ロウアドレス毎に冗長救済を行うことができ、より細かい単位での救済が可能になる。
【0035】
一例として、各メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、各メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、切替え手段は、さらに、フラグ回路からの出力に基づいて、電源線と電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む。上記構成により、切替え手段を簡単に構成することができる。
【0036】
好ましくはさらに、複数のメモリセルを備え、各メモリセルは、ビット線により決定されるロウアドレスと、ワード線により決定されるカラムアドレスとにより特定されるものであり、さらに、カラムアドレス毎に、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数のフラグ回路を備える。上記構成により、カラムアドレス毎に冗長救済を行うことができ、より細かい単位での救済が可能になる。
【0037】
一例として、各メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、各メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、切替え手段は、さらに、フラグ回路からの出力に基づいて、電源線と電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む。上記構成により、切替え手段を簡単に構成することができる。
【0038】
好ましくはさらに、複数のメモリセルを備え、各メモリセルは、ビット線により決定されるロウアドレスと、ワード線により決定されるカラムアドレスとにより特定されるものであり、さらに、カラムアドレス毎に、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数の第1のフラグ回路と、ロウアドレス毎に、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数の第2のフラグ回路と、第1のフラグ回路の出力と第2のフラグ回路の出力との論理積をとる回路とを備える。上記構成により、メモリセル毎に冗長救済を行うことができ、より細かい単位での救済が可能になる。
【0039】
一例として、各メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、各メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、切替え手段は、さらに、フラグ回路からの出力に基づいて、電源線と電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む。上記構成により、切替え手段を簡単に構成することができる。
【0040】
好ましくは、第1の電荷局在部が、実使用により特性が劣化した場合、データに対応する静電荷を蓄えるべき電荷局在部を、第1の電荷局在部から第2の電荷局在部へ切替える切替え手段を備える。上記構成により、信頼性を向上させ、市場不良を救済することができる。
【0041】
好ましくはさらに、書換え回数を計数し、計数された書換え回数が予め定められた値を超えた場合、信号を出力するカウンタ回路と、カウンタ回路から出力された信号に基づいて、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力するフラグ回路とを備える。上記構成により、市場不良を救済することができるとともに、書換え保証回数を2倍にすることができる。
【0042】
一例として、カウンタ回路は、所定の数のメモリセルを含む複数のメモリセクタを含み、各メモリセクタに異なる桁のカウントを担当させ、下位の桁のメモリセクタにキャリーが発生した場合、上位の桁のメモリセクタに1ビット追加書きを行いながら、下位のメモリセクタを消去することにより書き換え回数を計数する。上記構成により、少ないメモリセルによりカウンタ回路を構成することができ、チップ面積を増加させることがない。
【0043】
他の例として、カウンタ回路は、複数のメモリセルを含み、メモリセルの閾値電圧Vtを変動させることによって書き換え回数を計数する。上記構成により、少ないメモリセルによりカウンタ回路を構成することができ、チップ面積を増加させることがない。
【0044】
好ましくはさらに、書込みもしくは消去動作中に、予め決められた現象を検出した場合、信号を出力する制御回路と、制御回路から出力された信号に基づいて、電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力するフラグ回路とを備える。上記構成により、市場不良を救済することができるとともに、メモリセル個々のバラツキに対応することができる。
【0045】
好ましくは、第1の電荷局在部が静電荷を蓄えている場合、同一のメモリセルにある第2の電荷局在部に静電荷を蓄えさせた後、第2の電荷局在部のデータを読み出す前に、第1の電荷局在部の消去動作を実行する。上記構成により、書換え前の消去のための待ち時間をとる必要がなくなり、急な書換え命令に対応することができる。
【0046】
上記目的は、以下の半導体記憶装置により達成される。データを書込み及び消去可能で、電圧が供給されない間も当該データを保持可能な不揮発性の半導体記憶装置であって、データに対応する静電荷をそれぞれ蓄えることが可能な第1及び第2の電荷局在部を含むメモリセルを備え、第1の電荷局在部を、書込み及び消去可能な通常のデータを記憶する静電荷を蓄えるために用いる一方、第2の電荷局在部を、第1の電荷局在部が正常に静電荷を蓄えることができな場合に、当該第1の電荷局在部を特定して修正するデータを記憶する静電荷を蓄えるために用いる。上記構成により、第2電荷局在部が、第1の電荷局在部が正常に静電荷を蓄えることが可能であるかを検出し修正するためのデータ(いわゆるECC)を記憶するので、ECCを記憶するために別途メモリセルを用意する必要がない。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、チップ面積を増加させることなく、信頼性の向上や歩留まりの向上などの高機能を達成した半導体記憶装置を提供することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るMNOS型メモリセルの簡概略図である。図1(a)は、電荷局在部107に格納されたデータを読み出す場合のソースとドレインとの関係を示し、図1(b)は、電荷局在部106に格納されたデータを読み出す場合のソースとドレインとの関係を示している。なお、図1(a)と図1(b)とに図示されたMNOS型メモリセルは、図15(a)と図15(b)とを用いて説明した従来のMNOS型メモリセルと等しい構造を持つ。
【0049】
実施の形態1に係るMNOS型メモリセルは、1セルあたり2ビットのデータを格納可能なメモリセルである。実施の形態1に係るMNOS型メモリセルは、2ビット/セル型のメモリセルであるが、一方の電荷局在部を静電荷を通常蓄えるために用い、他方の電荷局在部を一方の電荷局在部に蓄えられた静電荷を補完するために用いている。以下、電荷局在部107をデータに対応する静電荷を通常蓄えるために用い、電荷局在部106を電荷局在部107に蓄えられた静電荷を補完するために用いる例を説明する。
【0050】
実施の形態1に係るMNOS型メモリセルにおいて、データの読み出しは、電荷局在部107に蓄えられた静電荷を読み出すことにより行われる。この場合、図1(a)に示すように、電荷局在部107側の埋め込み拡散層105がソースとなり、反対側の埋め込み拡散層104をドレインとなるようにバイアス電圧を印加する。このようにバイアス電圧を印加することにより、電荷局在部107に蓄えられる静電荷の有無によりメモリセルへ電流が流れるか否かを決定することができるので、電荷局在部107のデータを読み出すことができる。
【0051】
また、実施の形態1に係るMNOS型メモリセルにおいて、データの書込みは、電荷局在部107に静電荷を蓄えることにより行われる。この場合、図1(b)に示すように、電荷局在部107側の埋め込み拡散層105がドレインとなり、反対側の埋め込み拡散層104がソースとなるようにバイアス電圧を印加する。このようにバイアス電圧を印加することにより、ドレイン近傍である電荷局在部107の周辺で発生したホットエレクトロンが電荷局在部107へ注入され、電荷局在部107へデータの書込みが行われる。
【0052】
ここで、電荷局在部107に製造上の問題等で不具合が発生した場合を考える。このような不具合は、例えば、電荷局在部107の周辺の酸化膜が規定より厚くなり、そのため書込み時間や消去時間のスペックを満足しなくなった場合や、電荷局在部107の周辺の酸化膜に結晶欠陥が多く存在し、不揮発性データの保持特性が悪い場合等に発生する。不具合の原因となる現象の発生箇所が局所的である場合、電荷局在部107にのみ不具合が生じ、同じメモリセル内にある電荷局在部106には問題がないことがある。特に、電荷局在部107の不具合の原因が偶発的である場合、電荷局在部106の動作に問題がないことが多い。
【0053】
そこで、実施の形態1に係る半導体記憶装置は、そのような不具合が発生した場合、メモリセルに印加するバイアス条件を反転させることで、データの記憶に用いる電荷局在部を切替える。すなわち、読み出し時に用いるバイアス条件を図1(b)に示す様に、電荷局在部106側の埋め込み拡散層104をソースとして、反対側の埋め込み拡散層105がドレインとなるようにする。また、書込み時に用いるバイアス条件を図1(a)に示す様に、電荷局在部106側の埋め込み拡散層104をドレインとして、反対側の埋め込み拡散層105がソースとなるようにする。また、併せてデータの記憶用として使用しなくなった電荷局在部107は、消去状態にする。
【0054】
図2は、本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態1に係る半導体記憶装置は、データを記憶する為に通常使用するメモリセクタMS0〜MS3を備える。また、実施の形態1に係る半導体記憶装置は、メモリセクタに共通するワード線を駆動するためのロウデコーダー110(X−DEC)と、それぞれのメモリセクタ毎に独立したカラムデコーダー111〜114(Y−DEC)と、それぞれのメモリセクタ毎に独立したI/O回路116〜119と、フラグ回路1とを含む。
【0055】
メモリセクタは、メモリセルの集合体の1つの単位である。フラッシュメモリの場合のメモリセクタは、一括して消去を行うメモリセル集合体として使用されるのが通例であるが、ソース線もしくはビット線もしくはワード線を共通とするメモリセルの集合体を1つのセクタとする場合もある。また、ロウデコーダー110は、アドレスの指定に従って1本のワード線を選択するデーコーダーと、その選択に従いワード線に電位を供給するドライバの集合体である。同様に、カラムデコーダー111〜114は、アドレスの指定に従って1本のビット線を選択するデーコーダーである。
【0056】
また、メモリセクタMS0〜MS3は、いずれも複数のメモリセルを含んでいる。各メモリセルは、図1を用いて説明したMNOS型メモリセルであり、1つのセルに2ビット情報に対応する静電荷を蓄えることが可能である。各メモリセルは、先に説明したように、データに対応する静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部と、蓄えられた静電荷を補完するため用いられる電荷局在部の2つを有している。フラグ回路1は、所定のフラグビットを保持可能である。
【0057】
実施の形態1に係る半導体記憶装置は、メモリセクタMS0〜MS3に含まれるメモリセルの静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部のいずれかに不具合が発生した場合、フラグ回路1の出力に基づいて静電荷を保持すべき電荷局在部の切替えをすべてのメモリセルに対して行う。すなわち、実施の形態1に係る半導体記憶装置は、フラグ回路1の出力にしたがって、全てのメモリセクタMS0〜MS3においてメモリセルのバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えて不良メモリセルを救済する。
【0058】
図3及び図4は、本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置のメモリセクタに含まれるメモリアレイとその周辺部の模式図である。各図は、メモリセルM01、M11、M21を例にすると、図3は、紙面右側の電荷局在部に静電荷が蓄えられる場合のメモリアレイの模式図、図4は、紙面左側の電荷局在部に静電荷が蓄えられる場合のメモリアレイの模式図である。なお、図3及び図4では、紙面の都合でメモリアレイの一部分しか記述していない。図3及び図4は、メモリアレイは、9個のメモリセルを格子上に並べて接続した状態を示している。メモリセルM01〜M03は、紙面横方向にアレイ状に配置される。各メモリセルのゲートは、横方向に共通ノードであるワード線WL0に接続される。すなわち、メモリセルM01〜M03のコントロールゲートは、ワード線WL0に接続される。同様に、メモリセルM11〜M13のコントロールゲートは、ワード線WL1に、メモリセルM12〜M23のコントロールゲートは、ワード線WL2に、それぞれ接続される。
【0059】
また、各メモリセルのソースもしくはドレインは、紙面縦方向に共通ノードであるビット線BL0〜BL3に接続される。例えば、メモリセルM01〜M21のドレインもしくはソースは、ビット線BL0及びBL1にそれぞれ接続される。また、メモリセルM02〜M22のドレインもしくはソースは、ビット線BL1及びBL2にそれぞれ接続される。また、メモリセルM03〜M23のドレインもしくはソースは、ビット線BL2及びBL3にそれぞれ接続される。
【0060】
各ビット線BL0〜BL3は、切替えスイッチ108によって、選択的にセンスアンプ109の一方の入力へ接続される。センスアンプ109の他方の入力は、リファレンスセルR01のドレインがリファレンスビット線RBLを通して接続される。リファレンスセルR01は、データ1状態のメモリセル電流とデータ0状態のメモリセル電流とのちょうど中間の電流が流れるように設計されたCMOSトランジスタが用いられる。また、リファレンスセルR01は、ソース線RSLと、ワード線RWLとを有する。リファレンスセルR01のゲートは、ワード線RWLに接続される。リファレンスセルR01のうち、センスアンプ109に接続されていない側は、ソースであり、ソース線RSLに接続される。
【0061】
また、各ビット線BL0〜BL3はそれぞれスイッチ素子SWB0〜SWB3を通じて、電源回路PS0に接続されている電源線PL0、もしくはPS1に接続されている電源線PL1に接続される。スイッチ素子SWB0〜SWB3は、一体的に切替え可能なスイッチである。
【0062】
実施の形態1に係る半導体記憶装置において、読み出し時には各メモリセルの電流をリファレンスセルR01の電流と比較し、大小関係によって各メモリセルに記憶されているデータを判定する。どのメモリセルのデータを読み出すかは、センスアンプ109へ接続されるビット線を切替えることによって選択する。
【0063】
以上の構成において、はじめに、スイッチ素子SWB0〜SWB3は、図3に示すように、ビット線BL0及びBL2が電源線PL0に接続され、ビット線BL1及びBL3が電源線PL1に接続されるように初期設定される。以上の構成において、読み出し動作を行う場合、電源回路PS1はグランド電位を電源線PL1に供給し、電源回路PS0はHiレベルの電位を電源線PL0に供給する。この結果、ビット線BL1とBL3とにはグランド電位が供給され、ビット線BL0とBL2にはHi電位が供給される。
【0064】
以上のバイアス条件では、メモリセルM01,M11,M21,M03,M13,M23からはメモリセルの紙面右側の電荷局在部107に記憶されているデータが読み出される。一方、メモリセルM02,M12,M22からはメモリセルの紙面左側の電荷局在部106に記憶されているデータが読み出される。なお、図3及び図4においては、それらデータを読み出される側の電荷局在部を丸印もしくは三角印の記号が付すことで表現している。
【0065】
例えば、メモリセルM12の左側の電荷局在部106に不具合が発生した場合を考える。ここで、不具合とは、先に説明したように、メモリセルM12の電荷局在部106周辺の酸化膜が規定より厚くなり、そのため書込み時間や消去時間のスペックを満足しなくなった場合や、メモリセルM12の電荷局在部106周辺の酸化膜に結晶欠陥が多く存在し、不揮発性データの保持特性が悪い場合等が挙げられる。メモリセルM12の不具合が検出されると、フラグ回路1のフラグ信号が反転し、フラグ信号が出力される。
【0066】
メモリセルM12の左側の電荷局在部106に発生した不具合が検出されフラグ回路1からフラグ信号が出力されると、スイッチ素子SWB0〜SWB3を図4に示す接続状態になるように反転させて、バイアス条件を変更する。バイアス条件の変更により、ビット線に供給されるバイアス電圧が反転し、ビット線BL0とBL2にはグランド電位が供給され、ビット線BL1とBL3にはHi電位が供給される。
【0067】
この結果、全てのメモリセルにおいてデータが読み出される側の電荷局在部が切り替わり、メモリセルM01,M11,M21,M03,M13,M23からはメモリセルの紙面左側の電荷局在部106に記憶されているデータが読み出され、メモリセルM02,M12,M22からはメモリセルの紙面右側の電荷局在部107に記憶されているデータが読み出される。メモリセルM12については、不具合が発生した紙面左側の電荷局在部106は読み出し対象から除外することができる。
【0068】
なお、静電荷を蓄えるべき電荷局在部の切替えを行う場合、スイッチ素子SWB0〜SWB3の反転とともに、切替えスイッチ108の接続方法も変更する必要がある。また、書込みや消去動作においても静電荷を蓄えるべき電荷局在部を切替える必要があるが、読み出し対象の電荷局在部の切替え方法と同じ方法で実現できるので、説明は省略する。
【0069】
以上説明したように、実施の形態1に係る半導体記憶装置は、不具合が発生した電荷局在部107の代わりに電荷局在部106を使用することができるので、メモリセルが良品として使用可能となり、本来不良品となるべきチップを良品として救済可能である。この時、冗長救済に用いたメモリセルは、冗長救済用として追加したものでなく、当初から存在していたメモリセルを利用したものなので、チップ面積の増加が発生しない。実施の形態1に係る半導体記憶装置によれば、従来例の様に冗長メモリセクタMS4を必要としないので、チップ面積の増加を伴うことなく歩留を向上させることができる。
【0070】
図5は、本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置におけるフラグ回路1の第1の構成を示す回路図である。フラグ回路1の出力は、データの記憶に用いるための静電荷を蓄えるべき電荷局在部の切替えを行うか否かの2値信号で十分である。ここでは一例として、切替えを行わない場合をデータ0(Lowレベル)に、切替えを行う場合をデータ1(Hiレベル)に対応させることとする。
【0071】
例えば、製造プロセス後の検査時に、冗長救済を行う場合、第1の構成のフラグ回路1を用いることができる。図5において、フラグ回路1は、物理ヒューズ2とプルアップ抵抗3とを含む。すなわち、図5に示すように、グランドに接続された物理ヒューズ2と電源線に接続されたプルアップ抵抗3の共通ノードをフラグ回路1の出力として、切替えを行う場合のみヒューズを切断する。このように構成することにより、フラグ回路1の出力も切替えを行う場合のみHiレベルになる。
【0072】
また、第2の構成として、メモリセルとラッチ回路とを組み合わせてフラグ回路1を構成することが可能である。特に、通常のデータに対応する静電荷を蓄えるためのメモリセルの一部を、フラグ回路1に含まれるメモリセルに転用することにより、新たな回路構成を増設することなく、半導体記憶装置にフラグ回路1を形成することができる。
【0073】
図6は、本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置におけるフラグ回路1の第2の構成を示すメモリアレイの回路図である。図6に示すメモリアレイは、図3及び図4で示した実施の形態1の半導体記憶装置に対し、フラグ回路1用のメモリセルMF1〜MF3と、各メモリセルのゲートに接続されるワード線WLFとをロウアドレス方向に形成し、センスアンプ109にラッチ回路4を接続した回路を示している。図6のメモリアレイの他の構成は、図3及び図4に示したメモリアレイと同一である。
【0074】
図6において、電源立ち上げ時に、メモリセルMF1〜MF3からフラグ信号を読み出し、その結果をラッチ回路4に格納し、その出力を電荷局在部の切替えの出力として利用する。なお、フラグ回路1に対応するメモリセルMF1〜MF3におけるデータ記憶用の電荷局在部は、フラグ情報を読み出す前に読み出し動作を行うので、切替えることはできない。また、フラグ回路1に対応するメモリセルは1つあれば十分であるが、メモリアレイの構成上、複数のメモリセルを追加する必要がある。ただし、フラグ信号を保持する以外のメモリセルは、その他の用途に用いるフラグ信号の保存に使用するなどの利用法が考えられる。
【0075】
このように、第2の構成のフラグ回路1を適用することにより、電荷局在部の切替え出力を行うためのフラグ信号を、メモリセル自体を使って記憶するので、第1の構成のように検査工程を複雑化してコストを上昇させることなく、冗長救済を行うことができる。
【0076】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る半導体記憶装置のメモリセクタに含まれるメモリアレイとその周辺部の模式図である。実施の形態2に係る半導体記憶装置は、図2〜図4に示した実施の形態1と概略構成が同一であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図7において、実施の形態1において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0077】
実施の形態2に係る半導体記憶装置は、図2〜図4に示した実施の形態1に係る装置と、各ビット線BL0〜BL3と電源線PL0及びPL1との接続部分が異なる。実施の形態2に係る半導体記憶装置は、スイッチ素子SWB0〜SWB3を有さない。実施の形態2に係る半導体記憶装置は、かわりに、セレクトワード線SWL0及びSWL1を有し、ビット線BL0がセレクトトランジスタST00を通じてセレクトワード線SWL0と、ビット線BL1がセレクトトランジスタST11を通じてセレクトワード線SWL1と、ビット線BL2がセレクトトランジスタST02を通じてセレクトワード線SWL0と、ビット線BL3がセレクトトランジスタST13を通じてセレクトワード線SWL1とそれぞれ接続されている。
【0078】
また、実施の形態2に係る半導体記憶装置は、電源線PL0がスイッチ素子SW0を介して電源回路PS0と、スイッチ素子SW2介して電源回路PS1とそれぞれ接続され、電源線PL1がスイッチ素子SW1を介して電源回路PS0と、スイッチ素子SW3を介して電源回路PS1とそれぞれ接続される。なお、切替えスイッチ108と、センスアンプ109と、フラグ回路1等は、実施の形態1と同一であり、図示を省略している。
【0079】
実施の形態2に係る半導体記憶装置において、電源線PL0及び電源線PL1に供給される電位はスイッチ素子SW0〜SW3の状態によって制御することが可能である。実施の形態1の場合と同様に、電源回路PS1がグランド電位を供給し、電源回路PS0がHiレベルの電位を供給するものとする。
【0080】
例えば、スイッチ素子SW0及びSW3がオン状態で、スイッチ素子SW1とSW2がオフ状態の場合、電源線PL0にはHiレベルの電位が供給され、セレクトトランジスタST00とST02を通して接続されているビット線BL0とBL2はHiレベルの電位となる。また、電源線PL1にはグランドレベルの電位が供給され、セレクトトランジスタST11とST13を通して接続されているビット線BL1とBL3はグランドレベルになる。
【0081】
逆に、スイッチ素子SW0とSW3がオフ状態で、スイッチ素子SW1とSW2がオン状態の時、電源線PL0とPL1に供給される電位は逆転し、ビット線BL0〜BL3の電位も逆転する。以上のようにバイアス電圧条件を切替えることによって、実施の形態1と同様にデータに対応する静電荷を蓄える電荷局在部を切替えることができる。
【0082】
以上の構成において、読み出し動作を行う場合、スイッチ素子SW0及びSW3がオン状態で、スイッチ素子SW1とSW2がオフ状態に初期設定し、電源回路PS1はグランド電位を電源線PL1に供給し、電源回路PS0はHiレベルの電位を電源線PL0に供給する。この結果、ビット線BL1とBL3とにはグランド電位が供給され、ビット線BL0とBL2にはHi電位が供給される。
【0083】
以上のバイアス条件では、メモリセルM01,M11,M21,M03,M13,M23からはメモリセルの紙面右側の電荷局在部107に記憶されているデータが読み出される。一方、メモリセルM02,M12,M22からはメモリセルの紙面左側の電荷局在部106に記憶されているデータが読み出される。
【0084】
実施の形態1と同様に、メモリセルM12の左側の電荷局在部106に発生した不具合が検出されフラグ回路1からフラグ信号が出力されると、スイッチ素子SW0とSW3がオフ状態で、スイッチ素子SW1とSW2がオン状態になるように反転させて、バイアス条件を変更する。バイアス条件の変更により、ビット線に供給されるバイアス電圧が反転し、ビット線BL0とBL2にはグランド電位が供給され、ビット線BL1とBL3にはHi電位が供給される。
【0085】
この結果、全てのメモリセルにおいてデータが読み出される側の電荷局在部が切り替わり、メモリセルM01,M11,M21,M03,M13,M23からはメモリセルの紙面左側の電荷局在部106に記憶されているデータが読み出され、メモリセルM02,M12,M22からはメモリセルの紙面右側の電荷局在部107に記憶されているデータが読み出される。メモリセルM12については、不具合が発生した紙面左側の電荷局在部106は読み出し対象から除外することができる。
【0086】
以上説明したように、実施の形態2に係る半導体記憶装置は、不具合が発生した電荷局在部107の代わりに電荷局在部106を使用することができるので、メモリセルが良品として使用可能となり、本来不良品となるべきチップを良品として救済可能である。この時、冗長救済に用いたメモリセルは、冗長救済用として追加したものでなく、当初から存在していたメモリセルを利用したものなので、チップ面積の増加が発生しない。
【0087】
実施の形態2に係る半導体記憶装置によれば、従来例の様に冗長メモリセクタMS4を必要としないので、チップ面積の増加を伴うことなく歩留を向上させることができる。また、実施の形態2に係る半導体記憶装置は、電源回路近傍にバイアス電圧を切替えるスイッチを配することで、バイアス電圧の切替えのために追加するスイッチ素子などの回路を最小限に抑えることができる。
【0088】
(実施の形態3)
図8は、本発明の実施の形態3に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態3に係る半導体記憶装置は、実施の形態1と概略構成が同一であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図8において、実施の形態1及び2において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0089】
実施の形態3に係る半導体記憶装置は、メモリセクタMS0〜MS3に対応して、フラグ回路5〜8を備えている。実施の形態3に係る半導体記憶装置は、実施の形態1及び2とは異なり、メモリセクタMS0〜MS3に含まれるメモリセルの静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部のいずれかに不具合が発生した場合、そのメモリセルが含まれるメモリセクタに対応するフラグ回路の出力に基づいて電荷局在部の切替えをメモリセクタ毎に行う。例えば、不具合の生じたメモリセルがメモリセクタMS1に含まれている場合、実施の形態3に係る半導体記憶装置は、フラグ回路6の出力にしたがって、メモリセクタMS1に含まれるメモリセルのバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えて不良メモリセルを救済する。なお、実施の形態3に係る半導体記憶装置において、バイアス電圧を切替えるための動作は、図7を用いて説明した実施の形態2の方法等を用いることができる。
【0090】
実施の形態3に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、メモリセクタ毎に存在するフラグ回路からの出力に基づいて、メモリセクタ毎にバイアス電圧の反転が可能になる。したがって、実施の形態3に係る半導体記憶装置は、フラグ回路をメモリセクタ毎に追加するという少ない回路の変更によりセクタ毎のバイアス電圧の切替えが可能となり、より細かな単位で冗長救済を効果的に行うことが可能である。
【0091】
(実施の形態4)
図9は、本発明の実施の形態4に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態4に係る半導体記憶装置は、実施の形態1と概略構成が同一であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図9において、実施の形態1及び2において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0092】
実施の形態4に係る半導体記憶装置は、各メモリセクタMS0〜MS3に含まれるメモリセルのロウアドレス毎に、フラグ回路を備えている点を特徴とする。各ロウアドレスに対応するフラグ回路は、図9中のフラグ回路群9に図示されている。フラグ回路群9は、メモリセクタに共通するワード線を駆動するためのロウデコーダー110と、メモリセルの間に接続される。
【0093】
実施の形態4に係る半導体記憶装置は、実施の形態1及び2とは異なり、メモリセルの静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部のいずれかに不具合が発生した場合、不具合が発生したメモリセルのワード線のロウアドレスに対応するフラグ回路の出力に基づいて、電荷局在部の切替えをロウアドレス毎に行う。例えば、不具合の生じたメモリセルがメモリセクタMS1に含まれており、ワード線WL1に接続されている場合、実施の形態4に係る半導体記憶装置は、ワード線WL1に対応するフラグ回路の出力にしたがって、ワード線WL1に接続されているメモリセルのバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えて不良メモリセルを救済する。なお、実施の形態4に係る半導体記憶装置において、バイアス電圧を切替えるための動作は、図7を用いて説明した実施の形態2の方法等を用いることができる。
【0094】
実施の形態4に係る半導体記憶装置は、これまで説明した実施の形態1〜3と同様にフラグ回路からの出力によって、データを記憶する電荷局在部の切替えを行うためのバイアス条件の反転を行うか否かを決定する。しかしながら、実施の形態1〜3では一旦その切替えの決定がなされると、動作中に変更することはない。それに対し、実施の形態4に係る半導体記憶装置は、フラグ回路群9が電荷局在部の切替えるべきロウアドレスにあるメモリセルにアクセスするときのみ、バイアス条件を反転させる。すなわち、実施の形態4の半導体記憶装置は、バイアス電圧の切替えをフラグ回路群9の出力に応じてリアルタイムに制御している。
【0095】
実施の形態4に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、ロウアドレス毎に存在するフラグ回路からの出力に基づいて、ロウアドレス毎にバイアス電圧の反転が可能になる。したがって、実施の形態4に係る半導体記憶装置は、フラグ回路をロウアドレス毎に追加するという少ない回路の変更によりワード線単位のバイアス電圧の切替えが可能となり、より細かな単位で冗長救済を効果的に行うことが可能である。また、実施の形態4に係る半導体記憶装置は、バイアス電圧の切替えをリアルタイムで行うことができる。
【0096】
(実施の形態5)
図10は、本発明の実施の形態5に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態5に係る半導体記憶装置は、実施の形態1と概略構成が同一であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図10において、実施の形態1及び2において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0097】
実施の形態5に係る半導体記憶装置は、各メモリセクタMS0〜MS3に含まれるメモリセルのカラムアドレス毎に、フラグ回路を備えている点を特徴とする。各カラムアドレスに対応するフラグ回路は、図10中のフラグ回路群10に図示されている。フラグ回路群10は、メモリセクタに共通するビット線を駆動するためのカラムデコーダー111〜114と、メモリセルの間に接続される。
【0098】
実施の形態5に係る半導体記憶装置は、実施の形態1及び2とは異なり、メモリセルの静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部のいずれかに不具合が発生した場合、不具合が発生したメモリセルのビット線のカラムアドレスに対応するフラグ回路の出力に基づいて、電荷局在部の切替えをカラムアドレス毎に行う。例えば、不具合の生じたメモリセルがメモリセクタMS1に含まれており、ビット線BL1に接続されている場合、実施の形態5に係る半導体記憶装置は、ビット線BL1に対応するフラグ回路の出力にしたがって、ビット線BL1に接続されているメモリセルのバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えて不良メモリセルを救済する。なお、実施の形態5に係る半導体記憶装置において、バイアス電圧を切替えるための動作は、図7を用いて説明した実施の形態2の方法等を用いることができる。
【0099】
実施の形態5に係る半導体記憶装置は、これまで説明した実施の形態1〜3と同様にフラグ回路からの出力によって、データを記憶する電荷局在部の切替えを行うためのバイアス条件の反転を行うか否かを決定する。しかしながら、実施の形態1〜3では一旦その切替えの決定がなされると、動作中に変更することはない。それに対し、実施の形態5に係る半導体記憶装置は、フラグ回路群10が電荷局在部の切替えるべきカラムアドレスにあるメモリセルにアクセスするときのみ、バイアス条件を反転させる。すなわち、実施の形態5の半導体記憶装置は、バイアス電圧の切替えをフラグ回路群10の出力に応じてリアルタイムに制御している。
【0100】
実施の形態5に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、カラムアドレス毎に存在するフラグ回路からの出力に基づいて、カラムアドレス毎にバイアス電圧の反転が可能になる。したがって、実施の形態5に係る半導体記憶装置は、フラグ回路をカラムアドレス毎に追加するという少ない回路の変更によりビット線単位のバイアス電圧の切替えが可能となり、より細かな単位で冗長救済を効果的に行うことが可能である。また、実施の形態5に係る半導体記憶装置は、バイアス電圧の切替えをリアルタイムで行うことができる。
【0101】
(実施の形態6)
図11は、本発明の実施の形態6に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態6に係る半導体記憶装置は、実施の形態1と概略構成が同一であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図11において、実施の形態1及び2において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0102】
実施の形態6に係る半導体記憶装置は、各メモリセクタMS0〜MS3に含まれるメモリセルのロウアドレス毎及びカラムアドレス毎に、それぞれフラグ回路を備えている点を特徴とする。各ロウアドレスに対応するフラグ回路は、図11中のフラグ回路群9に図示されている。フラグ回路群9は、メモリセクタに共通するワード線を駆動するためのロウデコーダー110と、メモリセルの間に接続される。また、各カラムアドレスに対応するフラグ回路は、図11中のフラグ回路群10に図示されている。フラグ回路群10は、メモリセクタに共通するビット線を駆動するためのカラムデコーダー111〜114と、メモリセルの間に接続される。
【0103】
実施の形態6に係る半導体記憶装置は、実施の形態1及び2とは異なり、メモリセルの静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部のいずれかに不具合が発生した場合、不具合が発生したメモリセルのワード線のロウアドレスに対応するフラグ回路の出力とビット線のカラムアドレスに対応するフラグ回路の出力との論理積に基づいて、電荷局在部の切替えをメモリセル毎に行う。例えば、不具合の生じたメモリセルがメモリセクタMS1に含まれており、ワード線WL1とビット線BL1とに接続されている場合、実施の形態6に係る半導体記憶装置は、ワード線WL1に対応するフラグ回路の出力とビット線BL1に対応するフラグ回路の出力との論理積回路により論理積をとり、その結果にしたがって、メモリセルのバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えて不良メモリセルを救済する。なお、実施の形態6に係る半導体記憶装置において、バイアス電圧を切替えるための動作は、図7を用いて説明した実施の形態2の方法等を用いることができる。
【0104】
実施の形態6に係る半導体記憶装置は、これまで説明した実施の形態1〜3と同様にフラグ回路からの出力によって、データを記憶する電荷局在部の切替えを行うためのバイアス条件の反転を行うか否かを決定する。しかしながら、実施の形態1〜3では一旦その切替えの決定がなされると、動作中に変更することはない。それに対し、実施の形態6に係る半導体記憶装置は、特定のメモリセルにアクセスするときのみ、バイアス条件を反転させる。すなわち、実施の形態6の半導体記憶装置は、バイアス電圧の切替えをフラグ回路群9の出力とフラグ回路群10の出力との論理積に応じてリアルタイムに制御している。
【0105】
実施の形態6に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、ロウアドレス毎に存在するフラグ回路からの出力とカラムアドレス毎に存在するフラグ回路からの出力との論理積に基づいて、メモリセル毎にバイアス電圧の反転が可能になる。したがって、実施の形態6に係る半導体記憶装置は、フラグ回路をロウアドレス毎及びカラムアドレス毎に追加するという少ない回路の変更によりメモリセル単位のバイアス電圧の切替えが可能となり、より細かな単位で冗長救済を効果的に行うことが可能である。また、実施の形態6に係る半導体記憶装置は、バイアス電圧の切替えをリアルタイムで行うことができる。
【0106】
(実施の形態7)
図12は、本発明の実施の形態7に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態7に係る半導体記憶装置は、実施の形態1と概略構成が同一であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図12において、実施の形態1及び2において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0107】
一般に、半導体記憶装置は、データの書き換えを頻繁に行うと、使用時のストレスによりデータを記憶するビットの特性が劣化(エンデュランス劣化)し、最悪の場合データが書込みや消去が不能になってしまう。そこで、実施の形態7に係る半導体装置は、装置の信頼性を向上させるため、エンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能が起こる前に、メモリセルの静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部を切替えて、メモリセルを保護している。
【0108】
実施の形態7に係る半導体記憶装置は、メモリセクタMS0〜MS3毎にそれぞれ設けられたフラグ回路5〜8と、メモリセクタMS0〜MS3毎にそれぞれ設けられたカウンタ回路11〜14とを備え、メモリセクタ毎に、カウンタ回路とフラグ回路とが接続されている点を特徴としている。
【0109】
実施の形態7に係る半導体記憶装置は、静電荷を通常蓄えるために用いられる電荷局在部をいずれか一方に特定した状態で出荷される。カウンタ回路11〜14は、それぞれ対応するメモリセクタの書換えが行われるごとにカウントアップを行う。そして、各カウンタ回路は、書換え回数が予め決められた回数を超えた場合、各カウンタ回路に対応するメモリセクタのフラグ回路に書込みを行い、フラグ回路からの出力を電荷局在部の切替えを出力するものに変更する。
【0110】
例えば、カウンタ回路11が書換え回数が予め決められた回数を超えたことを計数した場合、カウンタ回路11はフラグ回路5に信号を書込み、フラグ信号を立てる。その後、実施の形態7に係る半導体記憶装置は、フラグ回路5の出力にしたがって、メモリセルMS0のバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えてエンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能を防止する。なお、実施の形態7に係る半導体記憶装置において、バイアス電圧を切替えるための動作は、図7を用いて説明した実施の形態2の方法等を用いることができる。なお、他のメモリセクタの場合も動作は同じである。
【0111】
なお、実施の形態7に係る半導体装置において、各カウンタ回路として不揮発性メモリのメモリセルの一部を使用することができる。カウンタ回路をメモリセルにすることにより、回路を追加することなくエンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能を防止することが可能である。しかしながら、半導体記憶装置がフラッシュメモリに適用した場合、フラッシュメモリは1ビット毎の書換えができないので、1回の書き換えが発生するたびに、カウンタ回路用に追加書込みをしなければならない。
【0112】
そこで、実施の形態7に係る半導体装置において、カウンタ回路は、所定の数のメモリセルを含む複数の小規模メモリセクタで構成するとよい。この構成において、各小規模メモリセクタに異なる桁のカウントを担当させ、下位の桁のメモリセクタにキャリーが発生した場合、上位の桁のメモリセクタに1ビット追加書きを行いながら、下位のメモリセクタを消去する。以上の方法により、カウンタ回路の追加書き換えをすることなく、書き換え回数をカウントすることができる。
【0113】
図13は、本発明の実施の形態7に係るカウンタ回路の別の例を示す概念図である。カウンタ回路は、メモリセルMC1〜MC3と、A/D変換機15とを含む。メモリセルMC1〜MC3は、それぞれ書換え回数が増加する毎に少しずつ書込みをおこなって、メモリセルのVtを変化させる。その後、メモリセルのVtは、A/D変換機15によって、書換え回数に変換される。このとき、書き換え回数は、正確に把握される必要はなく、概略の回数がわかれば良いので、1回の書換えによるVtの変動量はわずかでよい。このように、メモリセルの閾値電圧Vtを変動させることによっても、書き換え回数をカウントすることができる。この方式に、先に説明したような異なる桁への対応やキャリー処理を併存させて行えば、より大きな数のカウントに対応することができる。このように、メモリセルの閾値電圧Vtをカウントに使用することにより、カウンタ回路に用いるメモリセルの数を少なくし、チップ面積を節約することができる。
【0114】
実施の形態7に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、エンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能を防止することができるとともに、2つの電荷局在部を切替えて使用するので、書換え保障回数を2倍にすることができる。
【0115】
(実施の形態8)
図14は、本発明の実施の形態8に係る半導体記憶装置の全体の概略図である。実施の形態8に係る半導体記憶装置は、先に述べた実施の形態7の変形例であるので、以下相違点のみを説明し、同一の構成要素については説明を省略する。また、図12において、実施の形態1及び2において用いた符号と同一の符号を付した構成については、同一の構成要素であることを示している。
【0116】
実施の形態8に係る半導体装置は、カウンタ回路による書き換え回数の管理ではなく、書込み/消去制御回路によるメモリセルのエンデュランス劣化の検出によって、メモリセルを制御する。
【0117】
実施の形態8に係る半導体記憶装置は、各メモリセクタMS0〜MS3毎にそれぞれ設けられたフラグ回路5〜8と、フラグ回路に接続される書込み/消去制御回路とを備える点を特徴としている。
【0118】
実施の形態8に係る半導体記憶装置において、各フラグ回路は、データを記憶する電荷局在部の切替えを行わない状態で出荷される。書込み/消去制御回路16は、それぞれ対応するメモリセクタの書込みもしくは消去動作中に、予め決められた現象、例えば書込み又は消去が完了する時間がスペックを超えた場合や書込み又は消去が実行される際のバイアス電圧が所定値から外れた場合等を検出すると、問題となる現象が発生したメモリセクタのフラグ回路にフラグを立てる。
【0119】
例えば、書込み/消去制御回路16がメモリセクタMS0に含まれる特定のメモリセクタの書込み時間が予め決められた時間を超えたことを検出した場合、書込み/消去制御回路16はフラグ回路5に書込みを行い、フラグ信号を立てる。その後、実施の形態8に係る半導体記憶装置は、フラグ回路5の出力にしたがって、メモリセルMS0のバイアス電圧を切替えることにより、データの記憶に用いる電荷局在部を切替えてエンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能を防止する。なお、実施の形態8に係る半導体記憶装置において、バイアス電圧を切替えるための動作は、図7を用いて説明した実施の形態2の方法等を用いることができる。なお、他のメモリセクタの場合も動作は同じである。
【0120】
実施の形態8に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、エンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能を防止することができるとともに、2つの電荷局在部を切替えて使用するので、書換え保障回数を2倍にすることができる。特に、実施の形態8に係る半導体記憶装置は、個々のメモリセルの状態を検出するので、メモリセルの特性のバラつきに対する対策として有効である。また、実施の形態8に係る半導体記憶装置は、エンデュランス劣化によるデータの書込みや消去不能を防止だけではなく、電荷局在部に長期間蓄えられていた静電荷が消失する問題(リテンション不良)に対しても有効である。
【0121】
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9に係る半導体記憶装置を説明する。実施の形態9に係る半導体記憶装置は、実施の形態1に係る半導体記憶装置と概略構成が等しい。実施の形態9に係る半導体記憶装置は、所定のメモリセルの通常はデータ記憶用として用いない電荷局在部106に、エラーコレクトコード(ECC:Error Correct Code)を格納する。
【0122】
ECCは、電荷局在部107に蓄えられていたはずの静電荷が失われた場合、その静電荷を読み出す際に、データの誤りを訂正するために本来のデータとは別に付加される冗長なデータを意味する。実施の形態9に係る半導体記憶装置は、いずれかのメモリセクタにあるメモリセルの電荷局在部107にアクセスして、データを読み出す際に、電荷局在部107の不具合より読み出しが不能になった場合に備え、ECCを生成して電荷局在部106に格納する。
【0123】
実施の形態9に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、ECCを保持するためのメモリセル等の構成を別途設けることなく、ECCを保持すことができる。したがって、実施の形態9に係る半導体記憶装置は、チップ面積を増加させることなく、半導体記憶装置の機能を向上させることができる。
【0124】
(実施の形態10)
次に、本発明の実施の形態10に係る半導体記憶装置を説明する。実施の形態10に係る半導体記憶装置は、実施の形態1に係る半導体記憶装置と概略構成が等しい。実施の形態10に係る半導体記憶装置は、所定のメモリセルの通常はデータ記憶用として用いない電荷局在部106に、一時的にデータを書込むためのテンポラリーエリアとして用いる。
【0125】
通常、フラッシュメモリは、データがメモリセクタごとに一括消去されるため、メモリセクタ全体が消去されない限り、そのメモリセクタに新たなデータを書込むことができない。しかしながら、大容量の通信データを受信する場合等では、消去時間がタイムラグとなりメモリの書込みと消去が間に合わない自体も考えられる。そこで、実施の形態10に係る半導体記憶装置は、電荷局在部107に記憶されているデータを消去して書込む場合に、データを電荷局在部106に記憶させる。そして、実施の形態10に係る半導体記憶装置は、電荷局在部107のデータを消去して、電荷局在部107の電荷を取り除いた後に、電荷局在部106に書き込まれていたデータを読む。
【0126】
実施の形態10に係る半導体記憶装置は、以上の構成を備えているので、データの書換え前に消去のための待ち時間を取る必要がなくなり、急な書換え命令にも対応できる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、携帯電話端末等のモバイル機器のプログラム用メモリや、デジタルカメラ等のデータ用メモリ等、不揮発性の半導体記憶装置が用いられている機器一般に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明の実施の形態1に係るMNOS型メモリセルの簡概略図
【図2】本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図3】本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置のメモリセクタに含まれるメモリアレイとその周辺部の模式図
【図4】本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置のメモリセクタに含まれるメモリアレイとその周辺部の模式図
【図5】本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置におけるフラグ回路1の第1の構成を示す回路図
【図6】本発明の実施の形態1に係る半導体記憶装置におけるフラグ回路1の第2の構成を示すメモリアレイの回路図
【図7】本発明の実施の形態2に係る半導体記憶装置のメモリセクタに含まれるメモリアレイとその周辺部の模式図
【図8】本発明の実施の形態3に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図9】本発明の実施の形態4に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図10】本発明の実施の形態5に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図11】本発明の実施の形態6に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図12】本発明の実施の形態7に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図13】本発明の実施の形態7に係るカウンタ回路の別の例を示す概念図
【図14】本発明の実施の形態8に係る半導体記憶装置の全体の概略図
【図15】一般的なMNOS型メモリセルの断面図
【図16】従来のメモリセルを用いて構成したメモリアレイ周辺部の模式図
【図17】従来のフラッシュメモリなどの半導体記憶装置の概略構成図
【符号の説明】
【0129】
101 LOCUS
102 ONO膜
103 ゲート
104、105 埋め込み拡散層
106、107 電荷局在領域
108 切替えスイッチ
109 センスアンプ
110 ロウデコーダー
111〜115 カラムデコーダー
116〜120 I/O回路
1 フラグ回路
2 物理ヒューズ
3 抵抗
4 ラッチ回路
5〜8 フラグ回路
9、10 フラグ回路群
11〜14 カウンタ
15 A/D変換機
16 書込み/消去制御回路
M01〜M06 メモリセル
BL0〜BL6 ビット線
WL0 ワード線
R01 リファレンスセル
RSL リファレンスソース線
RBL リファレンスビット線
RWL リファレンスワード線
SWB0〜SWB3 スイッチ素子
PS0、PS1 電源回路
PL0、PL1 電源線
M11〜M13 メモリセル
M21〜M23 メモリセル
WL1、WL2 ワード線
WLF ワード線
MF1〜MF3 メモリセル
SWL0、SWL1 セレクトワード線
ST00、ST11 セレクトトランジスタ
ST02、ST13 セレクトトランジスタ
SW01〜SW04 スイッチ素子
PL00、PL01 電源線
MC1〜MC3 メモリセル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを書込み及び消去可能で、電圧が供給されない間も当該データを保持可能な不揮発性の半導体記憶装置であって、
前記データに対応する静電荷をそれぞれ蓄えることが可能な第1及び第2の電荷局在部を含むメモリセルを備え、
前記第2の電荷局在部は、前記第1の電荷局在部に蓄えられるべき静電荷に対応する静電荷を蓄えることにより、前記第1の電荷局在部を補完する、半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1の電荷局在部が、製造不良により前記静電荷を蓄えることが困難である場合、前記データに対応する静電荷を蓄えるべき電荷局在部を、前記第1の電荷局在部から前記第2の電荷局在部へ切替える切替え手段を備える、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
複数の前記メモリセルと、
複数の前記メモリセル全体について、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力するフラグ回路を備える、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記フラグ回路は、電気的書き換え可能な不揮発性メモリとラッチ回路とを含む、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
各前記メモリセルに接続される複数のビット線と、
各前記メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線とを備え、
前記切替え手段は、さらに、
前記フラグ回路からの出力に基づいて、前記ビット線と前記電源線との接続の組み合わせを切替え可能なスイッチ素子を含む、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
各前記メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、
各前記メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、
前記切替え手段は、さらに、
前記フラグ回路からの出力に基づいて、前記電源線と前記電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む、請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
複数の前記メモリセルを含むメモリセクタを複数個と、
前記メモリセクタ毎に、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数のフラグ回路とを備える、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
各前記メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、
各前記メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、
前記切替え手段は、さらに、
前記フラグ回路からの出力に基づいて、前記電源線と前記電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む、請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
複数の前記メモリセルを備え、各前記メモリセルは、ビット線により決定されるロウアドレスと、ワード線により決定されるカラムアドレスとにより特定されるものであり、
さらに、前記ロウアドレス毎に、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数のフラグ回路を備える、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
各前記メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、
各前記メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、
前記切替え手段は、さらに、
前記フラグ回路からの出力に基づいて、前記電源線と前記電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む、請求項9に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
複数の前記メモリセルを備え、各前記メモリセルは、ビット線により決定されるロウアドレスと、ワード線により決定されるカラムアドレスとにより特定されるものであり、
さらに、前記カラムアドレス毎に、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数のフラグ回路を備える、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
各前記メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線と、
各前記メモリセルに接続されるべき複数の電源回路とを備え、
前記切替え手段は、さらに、
前記フラグ回路からの出力に基づいて、前記電源線と前記電源回路との接続の組み合わせが切替え可能なスイッチ素子を含む、請求項11に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
複数の前記メモリセルを備え、各前記メモリセルは、ビット線により決定されるロウアドレスと、ワード線により決定されるカラムアドレスとにより特定されるものであり、
さらに、前記カラムアドレス毎に、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数の第1のフラグ回路と、前記ロウアドレス毎に、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力する複数の第2のフラグ回路と、前記第1のフラグ回路の出力と第2のフラグ回路の出力との論理積をとる回路とを備える、請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
各前記メモリセルに電源電圧を供給する複数の電源線を含み、
さらに、各前記メモリセルに接続される複数の電源回路とを備え、
前記切替え手段は、さらに、
前記論理積をとる回路からの出力に基づいて、前記電源線と前記電源回路との接続の組み合わせを切替え可能なスイッチ素子を含む、請求項13に記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1の電荷局在部が、実使用により特性が劣化した場合、前記データに対応する静電荷を蓄えるべき電荷局在部を、前記第1の電荷局在部から前記第2の電荷局在部へ切替える切替え手段を備える、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
書換え回数を計数し、計数された前記書換え回数が予め定められた値を超えた場合、信号を出力するカウンタ回路と、
前記カウンタ回路から出力された信号に基づいて、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力するフラグ回路とを備える、請求項15に記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記カウンタ回路は、所定の数のメモリセルを含む複数のメモリセクタを含み、各前記メモリセクタに異なる桁のカウントを担当させ、下位の桁のメモリセクタにキャリーが発生した場合、上位の桁のメモリセクタに1ビット追加書きを行いながら、下位のメモリセクタを消去することにより書き換え回数を計数する、請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記カウンタ回路は、複数のメモリセルを含み、前記メモリセルの閾値電圧Vtを変動させることによって書き換え回数を計数する、請求項16に記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
書込みもしくは消去動作中に、予め決められた現象を検出した場合、信号を出力する制御回路と、
前記制御回路から出力された信号に基づいて、前記電荷局在部を切替えるためのフラグ信号を出力するフラグ回路とを備える、請求項15に記載の半導体記憶装置。
【請求項20】
前記第1の電荷局在部が静電荷を蓄えている場合、同一の前記メモリセルにある前記第2の電荷局在部に静電荷を蓄えさせた後、前記第2の電荷局在部のデータを読み出す前に、前記第1の電荷局在部の消去動作を実行する、請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項21】
データを書込み及び消去可能で、電圧が供給されない間も当該データを保持可能な不揮発性の半導体記憶装置であって、
前記データに対応する静電荷をそれぞれ蓄えることが可能な第1及び第2の電荷局在部を含むメモリセルを備え、
前記第1の電荷局在部を、書込み及び消去可能な通常のデータを記憶する静電荷を蓄えるために用いる一方、前記第2の電荷局在部を、前記第1の電荷局在部が正常に静電荷を蓄えることができな場合に、当該第1の電荷局在部を特定して修正するデータを記憶する静電荷を蓄えるために用いる、半導体記憶装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−294103(P2006−294103A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111351(P2005−111351)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】