協同する第1と第2の係合手段をもつチップ除去機械加工用の工具及び切削インサート
本発明は、基体(1)と、該基体にインターフェースを介して着脱自在に接続される切削インサート(2)とを備えている切削工具に関し、該インターフェースは、ノブと座部との形態である係合手段が含まれる一対の協同する接続面(11,25)を含んでいる。ノブ(31)と協同する座部(46)とは、該インターフェースの平面で該切削インサートの平行移動を防止するために、回転対称で円錐形状である。別のノブ(32)は、該切削インサートが円錐状のノブに対して回転できないことを保証している。同時に、軸受面(34,44)が、接続面(11)内で協同する支持面(48)に当接する。このような方法で、該切削インサートは、基体にしっかりと、過剰決定されることのない位置に固定される。更に、本発明は、そのような切削インサートに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
第1の態様においては、本発明は、チップ除去機械加工用に意図された工具及び基体と、インターフェースにより基体に着脱自在に接続される切削インサートとを備えているタイプの工具に関する。このインターフェースは、一方では、1つ又はそれ以上の雌及び/又は雄のような第1の係合手段が形成されている基体内に含まれる第1の接続面と、他方では、この第1の接続面の第1の係合手段と係合するために、1つ又はそれ以上の第2の雄及び/又は雌のような係合手段が形成されている切削インサート内に含まれる第2の接続面とを含んでいて、この切削インサートと基体との接続面は、共通の幾何学的な基準部位を有しており、かつ該切削インサートは、有効な切削刃が接続する角部を含んでいる。
別の態様においては、本発明はまた、そのような切削インサートに関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、金属素材のチップ除去機械加工又は切削機械加工の分野において、速くかつ正確な方法で機械加工を実行するために、工具の能力ばかりでなく、基体(保持具)と取替可能な切削インサートとの形態における工具の異なる部品の製作においても、もっと効率的にするという目的でもって、継続的な開発が進行している。開発の傾向は、正確さと最終表面仕上げの点で機械加工結果を改善すること、即ち切削インサートの有効な切削刃が、基体との関連で正確な、所定の空間位置を得るのに必要であることを改善することにある。別の傾向は、工具の製作コストを削減することにある。このことが、既に非常に良好な寸法精度をもたらしている圧縮成型及び焼結とに関連して、市場において最も広く占めている超硬合金から作られる切削インサートへと導いている。
【0003】
切削インサートの良好な精度を得るために、以前は同じものを高価な研磨作業にかける必要があったが、改善された圧縮成型及び焼結技術によって、直接にプレスされた、例えば研磨されていない、切削インサートを益々多く利用することが可能となっている。しかしながら、切削インサートの名目上の寸法の±0.5%のオーダーでの寸法変化を、工具設計者がまだ考慮しなければならないということ以上には開発が進まなかった。このことは、インサート製造の結果が良好なら、切削インサートの有効な刃が、望まれた位置に非常にうまく落ち着くが、その結果が悪い場合(これまでは、切削インサートが意図したよりも膨張し、長くなったり、又は収縮し、短くなったりしている)には、基体との関連で切削刃の位置は、望ましい位置から機械加工精度がむしろ悪くなる程度にまで外れることを意味している。
【0004】
近年、工具が発達し、基体と切削インサート間の工具のインターフェースは、互いに係合する雄のような係合手段と雌のような係合手段とを別々に含む接続面をもつように形成されている。元来、これらの接続面は、いわゆる鋸歯状接続面よりなり、かつ複数の平行な雄のような突条と雌のような溝とを含み、接続面の一方におけるこれらの突条は、他方の接続面のこれらの溝に係合するか、また逆の場合になっているような型式よりなる。開発の次の段階では、前記インターフェースは、或る突条が他の突条に対し直角又は別の角度で方向付けされていて、しばしば最少にまで減った突条数と組み合わせているという事実によって、改善された。しかしながら、雄のような係合手段が、多かれ少なかれ、傾斜した逃げ面を有する長く、真っ直ぐな突条であることは、依然として従来公知のインターフェースにとって共通している。この傾斜した逃げ面は、突条に逃げ面がその全長にわたって良好な接触を有すべきであると同時に、突条は付属の溝の底部に接触してはならないという事実によって、切削インサートの位置付け及び切削インサートから基体への伝達力を保証するという目的を有している。
【0005】
チップ除去機械加工の分野において、理論と実際との間には差異がある。こうして、理論においては、切削インサートとその有効な切削刃とを基体に対して正確に所定の位置に安定して固定する点と、及び作業中に切削インサートに作用する様々の全ての力の良好な当接を保証する点に関して、最適な能力を有するインターフェースを作り出すことは、かなり簡単である。しかしながら、実際には、切削インサートの固定及び位置は多くの予測不可能な要素によって影響を受け、製造結果が変化する切削インサートの製造の熟練工にとって最も難しいことの1つである。製造結果が良好な、名目上の寸法精度を与えるかぎり、他のものとの位置され、見積もられた面接触又は線接触が、突条の逃げ面と溝との間で逃げ面の全長にわたって得られるが、一様の適度な形状欠陥が生ずるやいなや、逃げ面間の接触が、点接触又は部分的な線接触へと減少する危険がある。このことが、作業初期及び作業中に、切削インサートが基体に対して不正確に位置付けされるという結果(いわゆる過剰決定)を次々に引き起こし、切削インサートと基体との間の伝達力の低下をもたらす。
【0006】
欧州特許第300172号(EP0300172)及び米国特許第4315706号明細書(US4315706)によれば、付属の基体へインターフェースを介して着脱自在に接続される切削インサートを有する切削工具は従来公知である。このインターフェースは、基体の接続面に形成された、横断面が丸い雄部材を含んでいて、この雄部材は、切削インサートの下側の雌のような係合手段に係合している。しかしながら、これらのケースでは、雌のような係合手段は、横に開口している、部分的に丸い座部又は座面のみであり、それ故、任意に径方向で横への変位力を吸収することができません。
【0007】
更に、欧州特許第1405686号(EP1405686)は、バイト(回転工具)型式の切削工具を開示している。この切削工具の切削インサートは、締め付けねじ及び基体に取り付けられた筒状止めピンによって基体に着脱自在に接続されており、止めピンは切削インサートの筒状孔に嵌合していて、基体に対して切削インサートの平行移動を打ち消す能力を有している。しかしながら、実際には、締め付けねじは、基体の雌ねじ山に対して雄ねじ山を通じてある程度の遊びを有しているので、この締め付けねじは、切削インサートの有効な切削刃が基体に対して確実に正確な空間位置を保つことができるという所定の位置での切削インサートを回転固定する能力を欠いているし、またその上、切削力によってねじがたわむかも知れない。更に、筒状孔への止めピンの嵌合には、切削インサートが止めピンに対して移動するのを防ぐために、非常に微細な許容差を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、工具の基体と個々の切削インサートとの間の改善されたインターフェースを有する切削工具を提供することによって、前記した課題を克服することを目的とする。それ故、本発明の第1の目的は、一方では、切削インサートの有効な切削刃が基体に対して、正しく、過剰決定されない位置に正確に配置されるように、切削インサートをしっかりと固定でき、他方では、固定のために必要性が最大である領域、即ち、有効な切削刃を含む切削インサートの角部のごく近傍でかなりの切削力を吸収できるインターフェースを有する工具を提供することである。
【0009】
別の目的は、取付けに関係して望ましい方法で最初に切削インサートを配置するばかりでなく、チップ除去機械加工中に切削インサートが受ける厳しい応力下で、切削インサートの安定した固定を保つこともできるインターフェースを提供することである。上下から切削インサートへの方向に作用する、そのような力のための改善された当接を与えるのに加えて、このインターフェースは、その結果、切削インサートが基体に対してそれぞれ平行移動及び回転することを防止するべきである。
【0010】
基体及び工具の切削インサートの製造をもっと難かしくし又はもっと高価にすることなしに、位置精度及び力を伝達する能力の点で望ましい特質を保証するインターフェースを提供することもまた、本発明の目的である。特に、必要ならば、切削インサートは、例えば高価な研磨作業の必要なしに、直接的なプレス加工によって製造することが可能となるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、第1の目的は、独立請求項1に規定された工具によって達成される。本発明による工具の好ましい実施形態が、更に従属請求項2−30に規定されている。
【0012】
第2の態様においては、本発明はまた、そのような切削インサートに関する。この切削インサートの特徴は、独立請求項31に示されている。本発明による切削インサートの好ましい実施形態が、更に従属請求項32−56に規定されている。
【0013】
本発明は、切削インサート、特に2つ又はそれ以上の有効な切削刃を有するインデックス可能な切削インサートを、3つの同時に作用する効果、例えばインターフェースの平面での切削インサートの直線的な変位又は移動を防ぐ第1の固定と、同じく切削インサートの回転を固定する第2の固定及び同じく切削インサートの安定した支持の形態での第3の固定、とによって力が作用する全ての方向で固定するという着想に基づいている。合わせて、これらの協同する効果は、切削インサートの3重の固定を提供すると言える。この変位を防止する固定は、(たった1つの)一組の係合手段によって提供され、これらは、最も適切には、切削インサートの下側に形成された、収束するノブと基体の発散する座部とである。ノブと座部との協力する逃げ面が、先細の回転対称形状で与えられるという事実によって、この平面にたとえどのような衝撃力が、ノブと座部との共通の中心に対して、径方向に向けられようともインターフェースでの切削インサートの平行移動が不可能となっている。更に、ノブが、起こり得る形状欠陥にかかわりなく、その方向を座部への中心に見出すことを保証しており、これにより、切削インサートの位置の過剰決定が避けられる。切削インサートの回転固定は、−必ずしも必要でないけれども−、別のペアの協同する係合手段、例えば、ノブと座部、とによって適切に与えられ、このペアは、位置及び変位防止のノブばかりではなく、切削インサートの中心軸又は幾何学上の基準地点からもまた離れて間隔をあけられている。最後に、安定した支持が都合よくノブの下面である、十分な軸受面によって提供されている。実際には、本発明はインデックス可能な切削インサートに特に適している。そのような場合、切削インサートは2つ又はそれ以上のノブをもって製造され、切削インサートの回転及び平行移動の固定に対して有効でないノブの1つ又はそれ以上は、基体の接続面の平坦な支持面に、切削インサートの下側で載せるために利用されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
チップ除去機械加工のために意図された工具(切削工具)が、図1に示されており、この工具は、基体1と、この場合では、ねじの形状である締め付け部材3によって基体に固定可能な切削インサート2とを備えている。例えば、工具は回転可能であり、かつフライス盤(ミリングカッター)であり、更に正確には、エンドミル又は正面フライスで、等しく多くの切削インサート2が取り付けられる複数のチップ収容部4を含んでいる。切削インサートの1つのみが、図1に示されている。基体1はC1で示される中心軸の回りを回転可能である。
【0015】
この場合、個々のチップ収容部4は、側面5と、アーチ状にくぼんだ端面6と、窪んだ形に変形し、順に側面8、端面9及びこの場合、平坦である肩面10とによって境界を定められている平坦な肩面7とによって境界を定められている。以下に詳述される、皿穴状座部及び一部の面と一緒に、肩面10は、符号11で示される第1の接続面内に含まれている。この接続面11では、穴12は雌ねじ口を有しており、この穴の中心軸は、C2で示されている。
【0016】
更に図1を参照すると、締め付けねじ3は、雄ねじ13と、この場合、円錐形であるが、他の形状、例えば平ら、でもよい頭部14とを含んでいる。
【0017】
図1において、前端面は符号15で示されており、かつ符号16は基体1の後端面の限界線を示しておる一方、符号17は、回転対称の包絡面を示している。作動においては、フライス盤は矢印Rの方向に回転する。
【0018】
例えば、切削インサート2は、切削インサートの直径方向に対向する角部に隣接する2つの切削刃18を含むことによってインデックス可能である。前記切削刃の間では、インデックス“a”によって見分けられる切削刃18aは、端面15、包絡面17及び接続面11が互いに出会う場所に形成された、基体の解放角部19の近傍の位置に前方にインデックスされることにより、有効となる。しかしながら、図示される位置では、双方する切削刃18bは、有効でない。
【0019】
各々の個別の切削刃18は、縦方向の、チップ除去の主刃20と、フライス削り中にもたらされる、表面を拭き、かつ平滑化する目的を有する横方向のワイパー刃21とを含んでいる。
【0020】
中心穴22が切削インサートに形成されている。この穴の中心軸−ねじ3も同様−は、C2で示され、2つの穴及びねじの中心は、切削インサートが基体に取り付けられるとき、一致している。例えば、切削インサートは、細長であり、2つの長側面23と2つの短側面24とを含み、これらの面は、切削刃に隣接してクリアランス面を形成している。
【0021】
図2及び3を参照すると、基体1の第1の接続面11ばかりでなく、切削インサート2の下側の協同する第2の接続面25もまた、その構成を更に詳細に示している。この場合、第2の接続面25の大部分は、平坦な面26であり、切削インサートの適切な下面を形成している。
【0022】
様々の構成要素の大きさをイメージするために、具体例として、フライス盤(ミリングカッター)は、直径40mm(即ち、中心軸C1から切削インサートの主刃20までの半径は20mm)である。そのとき、第1の接続面11は、16.2mmの長さ(前後境界線27,28間の距離)及び8.5mmの幅(内外境界線29,30間の距離)を有している。第2の接続面25は、第1の接続面にほぼ等しい大きさである。
【0023】
各々の接続面11,25には、雌のような又は雄のような係合手段が形成され、それらの係合手段は、雄のような係合手段が雌のような係合手段に嵌合するような方法で、ペアで協同している。示される例では、切削インサートの下側の接続面25に含まれる全ての係合手段が、雄のようになっていて、下面26から突出するノブによって構成されている。それ故に、第1の接続面11の協同する係合手段は、雌のように座部によって構成されている。
【0024】
切削インサートはインデックス可能である。この場合では、切削インサートの下側のノブの数は、4つであり、一組のノブは、同じ形状をしていて、他の組のノブの形状とは異なっている。更に詳しくは、2つのノブ31a,31bが一般に円形で、プーリーのような形状をしているのに対し、他の2つのノブ32a,32bは、細長形状をしている。個々のノブ31の円形形状(図6も参照)は、エンドレスの周囲の逃げ又は逃げ面33によって決められ、本発明では、回転対称形状をしていて、同時にそれは、有利には平坦で、この場合下方の円形面34で描かれているノブ31の自由端に向かって傾斜し又は収束するようになっている。逃げ面33の回転対称形状を規定する中心軸はC4で示されている。凹状の半径移行部35が切削インサートの逃げ面33と下面26との間に形成される一方、円形の下部境界線36によって決められるように、逃げ面33の狭い部分がリング状で、凸部移行面37に変形している。逃げ面33の上部円形境界線は、38で示されている。例えば、逃げ面33は、直線の母線によってもたらされることによって、正真正銘の円錐形をしている。
【0025】
他の2つのノブ32は、細長(長くされた)外形形状をしている。更に詳しくは、前記外形形状(図8と図10もまた参照)は、互いに平行していて、2つの半円形に曲がっている端面40で終っている、2つの傾斜した側部逃げ面39によって決められている。2つの側部逃げ面39は、必ずしも必要でないが、有利には平坦であり、上側及び下側の直線状境界線41,42及び端側境界線43によって区切られている。2つの端面40は、部分的に円錐形で下方向に収束している。個々のノブ32の下面は、平坦で、44で示されている。この場合でもまた、凹状の移行面45が、切削インサートの下面26と、部分面39,40により構成されたノブ32の逃げ面又は周囲面との間に形成されている。凸状移行面45aは、下面44に隣接して設けられている。
【0026】
全てのノブ31,32が切削インサート2の一部に一体化され、すなわち、プレス加工及び粉状塊の焼結によって形成される、1つの及び同様のリソッドの超硬合金体に含まれる。
更に、2つのノブ31が同一であり、それらは、円錐面33内で同じ平均直径を有するばかりでなく、同じ高さ(ノブの下面34と切削インサートの下面26との間の軸方向距離として算出された)を有している。2つの細長ノブ32もまた、周囲の逃げ面の寸法及び高さの点で同一である。この2つの細長ノブ32は、図示された実施例の場合であっても、必ずしも丸ノブ31のように同じ高さを有する必要はない。
図3及び図8を参照して、個々の細長ノブ32が切削インサートの下面26に垂直な、C6で表わされる中心軸を有していることを指摘しておく。
【0027】
基体1の接続面11において(図2を参照)、2つの座部46,47が形成されていて、そのうちの一方は丸く、他方は細長い。例示された実施例においては、接続面11は異なったレベルに位置している2つの部分面で形成され、そのうちの一方は、肩部面10で、他方は、48で示される底部面であり、この底部面は肩部面10に対して沈み込んでおり、切削インサートのための支持面を形成している。例えば、2つの部分面10,48は平坦であり、これら部分面の平面は互いに平行である。座部46,47は、肩部面10内で沈み込んで皿穴となっている。
【0028】
丸い座部46(図6もまた参照)は、中心軸C3によって規定される回転対称形を有する底面49とエンドレスの逃げ面50とによって画定されている。例示では、逃げ面50は、底面49から肩部面10内の座部の口部へとその方向が発散している。更に詳しくは、逃げ面50−ノブ31の逃げ面33のように−は、下方の円形の境界線51が、上方の円形の境界線52の直径よりもやや小さい直径を有しているという事実からして、円錐形である。凸状に丸くされた移行面53が、逃げ面50と平坦な肩部面10との間に形成されている。凹状に丸くされた移行面54が、逃げ面50と底面49との間にある。座部46の深さは、ノブ31の高さよりも大きく、このことは、ノブが座部の底面に接触できないことを意味している。
【0029】
座部47の細長外形形状(図2,4,8,10を参照)は、ノブ32の細長外形形状と類似している。こうして、座部47は、真直ぐで、平坦でかつ互いに平行である2つの傾斜した側部逃げ面55によって画定されている。対向する端部においては、側部逃げ面55は、面40のように半円形形状である曲線状の端面56へと変わっている。他の点では、座部47は、底面57と2つの移行面58,58aとによって画定されている。座部47は、すなわち、同様のものがノブより長い限り、細長ノブ32より一般に大きい。このことは、座部の内側部逃げ面55が、ノブ32の協同する外側部逃げ面39よりもやや長いという事実によって達成される。他方においては、座部47は、側部逃げ面55間の平均距離として算出される座部の幅(図10を参照)が、側部逃げ面39間のノブの幅と等しい大きさである限りにおいて、概して、ノブ32と同じ幅を有している。更に、座部47は、座部の底面57と肩部面10との間のレベル差として算出される深さを有していて、それは、ノブ32の高さよりも大きい。換言すれば、ノブ32は付属の座部47内で底面に到達しない。座部47がノブ32よりもやや長いという結果として、ノブが座部に嵌合するときに、ペアの側部逃げ面間で接触がもたらされる(図11を参照)が、曲線状の端面40,56間は接触しない(図9を参照)。
【0030】
支持面48の外形形状(図2を参照)は、一方では、基体の包絡面17と端面15とにそれぞれ隣接する2つの直線状の外側境界線59,60によって決められ、かつ他方では、軸方向に延びる2つの内側制限面62,63によって決められ、この内側制限面のうち後方の内側制限面63は、曲線状の移行面65を経て端部制限面64へと変わっている。この制限面62,63間の領域において、ねじ穴12が支持面48を交差して、面62,63を分けている。境界線59と制限面62との間に延在する支持面48の前方部分は、境界線59と制限面63との間に延在する、支持面46の後方部分よりも狭い。すなわち、制限面62は、制限面63よりも境界線59の近くに位置している。
【0031】
図2及び図3において、陰影がされた面領域は、2つの接続面が互いに係合するときに、基体の接続面内の協同する面に接触する切削インサートのノブの面を示している。こうして、ノブ31aの円錐状逃げ面33は、座部46内の同様の円錐状逃げ面50に接触する。更に、細長ノブ32aの平坦な側部逃げ面39は、座部37の側部逃げ面55に接触するが、丸い端面40は、座部47内の丸い端面56に接触しない(図9もまた参照)。このことは、細長ノブ32aが座部47内で長手方向に移動できることを意味している。すなわち、これまでは、切削インサートが製造中にわずかな形状欠陥をもらったならば、ノブの側部逃げ面39が、座部の側部逃げ面55に沿った異なる位置につくかも知れない。例えば、切削インサートが膨張し、ノブ31a,32aの中心軸C4,C6間の距離が、望ましい公称寸法よりも大きくなったなら、ノブ32aは、座部の前端よりもその後端にやや近い方にそのまま配置されるだろう(収縮があった場合には、その反対が起きる)。この関連で、切削インサートの製造において起こり得る寸法変化が、切削インサートの公称寸法の±0.5%のオーダーになることを指摘しておく。こうして、ノブ31a,32aの中心軸C4,C6間の距離が、例えば、10mmになるならば、起り得る寸法偏差は、0.05mmになる。
【0032】
図2の陰影された面領域340と440によって輪郭が描かれているように、ノブ31bと32bの下側軸受面34,44は、支持面48に当接する。この状態では、ノブ31b,32bの逃げ面は、支持面48を囲んでいる制限面62,63,64,65と接触していない。換言すれば、ノブ31b,32bは、切削インサートの起り得る形状欠陥に関係なく、支持面48に沿った異なる位置に自由につける。
【0033】
切削インサートが、所定のトルクによって締め付けられたねじ3によって基体に固定され、この記載されたインターフェースが作用するようになったとき、ノブ31aと座部46とは一緒になって切削インサートの平行移動の固定という目的を果たす。すなわち、切削インサートがインターフェースの平面内で平行移動するのが防止される。回転対称であるノブ31aと座部46との協力する逃げ面のおかげで、切削インサートが中心軸C3,C4に関して径方向に外力によって影響されるにも拘わらず、この効果が保証される。更に、ノブと座部の円錐形状が、中心軸C3に沿ったノブの自動的なセンタリングを保証する。中心軸C3は固定点を形成しており、その回りに切削インサートが位置付けされる。
【0034】
第2の細長ノブ32aは、座部47と一緒になって、ノブ31aと座部46の中心軸C3,C4によって構成されている仮定の回転中心の回りを切削インサートが回転するのを防止する目的を有している。このことが、ノブ32aの側部逃げ面39と座部47の対応する逃げ面55との間の接触によって行われる。この状態で、ノブ32aは座部47内にしっかりと、動かない状態にクランプされ又は押し込まれるために、切削インサートの回転固定が非常に確実になる。中心軸C3,C4の回りに切削インサートを回転しようとする力は、その力が前記回転中心の回りを反時計回り又は時計回りに作用するかによって、逃げ面55の一方によって主に吸収される。
【0035】
切削インサートの固定状態においては、包絡面17の最も近くに位置される2つの外側ノブ31b,32bは、基体の支持面48に対し、それらの下部軸受面34,44で当接する(図2の面領域340,440を参照)。前記軸受面34,44が広い、すなわち、比較的に大きな面積を有しているので、このインターフェースは、切削インサートを介して上下から作用する、かなりの力を吸収するという良好な能力を獲得する。このことは、例外なしに、傾斜した逃げ面間の線接触又は適度の面接触に単に頼っていた従来公知の切削工具のインターフェースと比較されるべきである。
【0036】
本発明の好ましい実施例においては、図6に示されている、ノブ31の逃げ面33と座部46の逃げ面50のそれぞれの円錐角度αとβは、異なった大きさであり、さらに詳しくは、ノブの円錐角度αは、座部の円錐角度βよりもやや大きい。例示では、角度αは36.5°で、一方、角度βは36.0°であり、すなわち、0.5°の角度差がある。この角度差の効果は、ノブが座部に押し付けられたとき、逃げ面33,50間の線接触が、上部の境界線38,52の領域で最初に行われ、それから、座部46が金銭の投入(コイニング)を受けるときのような、下方へ伝わる面接触が達成されることである。最初に、0.25°の周囲間隙(角度差0.5°/2)が接触線から下方に生じる。しかしながら、角度差が極めて小さいので、座部の適度な投入(コイニング)が、接触線から下方に延在する逃げ面33,50間の面接触を提供するために、必要とされる。座部内での確実な接触が頂点にまで確立されるという事実によって、全ての点でノブと座部との間の最大の、しっかりとした、可能な係合が保証される。
【0037】
図10を参照して、細長ノブ32の逃げ面39と座部47の逃げ面55との間には、対応する角度差もまた存在することを指摘しておく。従って、角度γは、角度δよりも1又は2,3分ほど大きい。
この点において、角度α,β及び角度γ,δは、おおよそ36°よりも小さいことを指摘しておく。実際には、角度αとβは、概略的に20°から65°の範囲内で変化する。換言すれば、ノブはむしろ鋭角的に先細にされている。軸受面34,44が支持面48に良好に当接するので、そのような形状が可能である。
【0038】
有効な切削刃18aの最も近くに位置する2つのノブ31a,32b間の最も近いもの、すなわち、ノブ32bは細長の外形形状を有している。このことは、軸受面44もまた細長い形状を有することを意味している。さらに詳しくは、軸受面は、2つの直線状の長手方向の境界線68によって境界が定められ(図5を参照)、それら境界線の一方は、大体は切削刃18の主刃20に平行で、かつ主刃20の近くに位置している。それ故、実際は、厳しく負荷される主刃部分は、フライス盤が大きな切削深さで作動しているときもまた、良好な支持が得られる。
【0039】
本発明の別の実施例を示している図12及び図13を参照する。この実施例でもまた、切削インサート2の接続面25は、切削インサートの下面26から下方に突出する4つのノブ31を含んでいる。しかしながら、この場合には、全てのノブが、丸くて、同一であり、かつ図6及び図7とに関連して上述した一般的な方法で都合よく形成されている。それらの位置及び機能の点でノブを区別するためにではあるが、同じものには添え字c,d,e,fが付けられている。完全を期すために、各々個別のノブ31は、円錐状逃げ面33と下部軸受面34とを有していることを指摘しておく。
【0040】
この場合では、基体1に形成された接続面11は、4つの座部46,47,66,67が沈み込んで皿穴となっている、1つの平坦な面10を含んでいる。これらのうちの座部46,47は、図2及び図3による実施例の対応する座部に類似している。すなわち、これまでは、座部46の包絡面50が円錐状で、個々のノブ31の逃げ面33と同じ直径を有しており、かつ座部47は、細長く、例えば非回転対称形を有している。更に、座部46,47は、ノブがそれらの底部に接触しないように、ノブ31の高さより大きい深さを有している。しかしながら、図12に示される実施例では、細長ノブ47は、2つの平坦な逃げ面55が座部の全幅に比較して非常に短いために、図2の対応する細長い座部よりもかなり短い。これに関して座部の2つの側部逃げ面55間(その1つが図12に見られる)の距離によって決められるような座部の幅が、個々のノブ31の直径に対応していることを指摘しておく。換言すれば、ノブは一般に側部逃げ面55と線接触している。
【0041】
接続面11内の2つの別の座部66,67は、都合よく同一である。座部66,67の特徴は、それらが座部46,47よりも浅く、かつ少なくとも座部50よりも大きな直径を有していることである。さらに詳しくは、座部66,67の深さは、個々のノブの軸受面34が、切削インサート2の下面26が面10に接触することなく、座部内の底部支持面48に押し付けることができるような方法で、適合されている。更に、座部66,67が、座部46よりも広いという事実が、座部内に収納される2つのノブ31e,31fの逃げ面33が、座部の逃げ面50に接触しないことを意味している。
【0042】
図12及び図13に示されるインターフェースの機能を明白にする。2つの接続面が互いに係合され、切削インサートを固定すると、座部46に係合しているノブ31cは、切削インサートが座部の中心軸によって決められた固定位置又は固定点に位置付けされ、インターフェースの平面内で平行移動されないことを保証している。同時に、ノブ31dは、その逃げ面が座部47の側部逃げ面55と線接触しているという事実によって、回転を固定している。更に、座部66,67の支持面48は、切削インサートを介して軸方向(軸C2に沿う)下方に作用する力を吸収する。
【0043】
これに関連して、2つの実施例に共通の利点を指摘しておく。すなわち、締付け要素(これに無関係のねじ、締付具又はこのようなもの)からの必要な締付け力は、協力する逃げ面が円錐又は先細形状であるために、切削インサートを介して垂直方向下方に付与されている。このことは、例えば、ねじが斜めにされる必要もなく、その締付け力を中心軸C2に沿って一定方向に付与できる。このことが、特にねじが平らな頭部を有している場合、締付け力がかなりのものになることを保証している。同時に、ねじの寿命が長くなる。更に、ノブと座部との略細長形状が、基体の接続面に切削インサートが下りるときに、切削インサートが自動的に正確な位置を求めるという利点を伴っている。
【0044】
切削インサートの確実な固定が、切削インサートの位置が、当業者によって“過剰決定”と言われることがないことを示している。この概念は、例えば、3脚及び4脚の家具間の関係によって最も単純に理解できる。3脚の家具は、脚の長さに関係なく常に安定している。しかしながら、4脚の家具は、正確に同じ長さを有する脚の全てに依存している。もし何れかの脚が、他の脚とは異なる長さを有しているなら、その脚は地面に接触しないだろう。
【0045】
本発明によるインターフェースの重要な利点は、切削インサートが、切削インサートの位置の過剰決定のリスクを昌すことなく、3重(平行移動の防止、回転の防止及び沈み込みの防止)の保証がなされることである。切削インサートは、完全に信頼のおける、しっかりした方法で固定される。
【0046】
次に、本発明による更に別のインターフェースを開示している図14と図15を参照する。この場合では、本発明は、3つの角部に3つの切削刃18を含み、基体1の異なる3つの位置にインデックス可能な三角形状の切削インサート2を使用しているバイト(回転工具)に適用されている。
【0047】
切削インサート2の接続面25には、ちょうどノブ31の形式の3つの係合手段が設けられていて、それらは、互いに等間隔に離れているばかりでなく、中央の貫通孔22の中心軸C2により構成される幾何学上の基準部位を形成している。各々のノブ31は、平坦な軸受面34で終る円錐状の逃げ面33を含んでいる。2つの平坦な側面39は、ノブ上に直径方向に対向する位置で凹まされていて、互いにかつ仮想中心線CLに平行している。好ましくは、この中心線CLは、図15に示されるように、切削インサートの中心軸C2から径方向に延びている。
【0048】
個々のノブ31は、切削インサートの3つの角部のうちの1つの付近に設置されていることもまた注目されるべきである。実際は、上述の中心線CLは、角部で出会う2つの間隔のある面23間の2等分線を形成している。
【0049】
基体1の接続面11は、3つの異なる座部46,47,66を含んでおり、そのうちの第1の座部46は、ノブの円錐状の逃げ面33と協力するための円錐状の逃げ面50を含んでいる。第2の座部47は、概して細長状であり、円錐状に先細くなっている2つの半円形状の端面に移動する、2つの対向する(むしろ短い)平坦な側面55を含んでいる。
【0050】
この場合、第3の座部66は円形形状である。座部66の重要な特徴は、それが、ノブ31より幅広である一方、他の座部46,47よりも更に狭いことである。例えば、その底面67は、座部46,47の底面より上のレベルに設けられている。
【0051】
先の実施例のように、ノブ31の1つ、すなわち、座部46に嵌合するノブは、切削インサートが平行移動するのを防止する一方、座部47に嵌合するノブは、切削インサートが回転するのを防止する。同時に第3のノブは、第3の座部66の底面67で切削インサートを支持する。
【0052】
図14及び図15の実施例では、逃げ面33と50の円錐角度は、80°〜110°の範囲内で変えてもよい。
図14及び図15に示される実施例の利点は、切削インサートが2つの位置以上、例えば3つの位置にインデックス可能であることである。これは、3つの有効な切削刃を提供できることを意味している。更に、1つのノブだけが、基体の協力する支持面にその下部軸受面で支持される。このことは、切削インサートの過剰決定のリスクがさらに減少されることを意味している。
【0053】
更にまた本発明の別の実施例が図16〜18に示されている。この場合では、切削インサート2の接続面25に、円錐状の逃げ面33を有する、同一のノブ31の形状の丁度2つの係合手段が設けられ、この逃げ面には、一対の平坦な面39が凹まされている。各々のノブの自由端は、平坦な軸受面34である。ノブ31は、切削インサートの中心軸C2から等間隔で離れており、また等角度で別けられている。例えば、その角度は180°である。逃げ面33の円錐角度は、むしろ鋭角であり、20°〜65°の範囲内で変えることができる。各々の平坦な面39はかなり短い。
【0054】
この場合、切削インサートの基本形状は、四角形であり、こうして4つの角部68を形成している。各々のノブ31は、包囲部面69から突出しており、この包囲部面は、中央の貫通孔22によって離隔されている2つの部分面71a,71bを含む軸受面71に対して沈み込んでいる。ノブ31が、2つの直径方向に対向した角部68の近辺に設けられる一方で、2つの部分面71a,71bは、他の2つの角部68から内方に延在している。
【0055】
実際には、2つの切削刃18が含まれることを意味している唯一の接続面25(下面に)をもつ切削インサートを設計することは可能である。しかしながら、図18に示されるように、対向する側の2つの同一の接続面25aを加えることによって、切削インサートを回転可能にすることも可能である。この方法では、4つの使用可能な切削刃18が含まれる。もし切削インサートが図18のように回転可能に作られるなら、部分面71a,71bの周囲部分は、チップ破壊(凹形)面として形成される。
【0056】
基体1の接続面11(図16参照)は、座部46,47の形で2つの第1の係合手段を備えており、座部46は、円錐状の逃げ面50を、座部47は、2つの平坦な側面55と2つの部分円錐状又は半円形状の端面56とを含むことによって横長になっている。例示された実施例では、座部46,47は、2つの離隔されたランド部70で形成され、中央孔12とランド部70とによって離隔されている2つの部分面48a、48bを含んでいる下部支持面48がそれらのランド部間を延在している。角部19に接続する前方の部分面48aは、一方はランド部70で、他方は角部19で出会う面17,15の境界線59,60との間によって境界が定められている。この場合はまた、逃げ面33と50の円錐角度は、20°〜50°の範囲内である。図16〜18に示される工具の切削インサートは、ねじ(図示されていない)によって固定されるように意図されており、ねじの雄ねじ部は、孔12内の雌ねじ部(見えない)と協働している。この場合、2つの部分面48a,48bは、互いに非常に良く平られされ、すなわち、共通の平面に設けられている。しかしながら、切削インサートをクランプによって固定することも可能であり、かつ時には好ましい。そのような場合には、部分面48a,48bは、異なるレベルで設けられ、さらに特に面48bよりもやや高くに面48aが設けられ、クランプが、面71bと48bとの間に薄い間隙があるが、支持部分面48aに対し軸受部分面71aを付勢するように、切削インサートの前方部分に作用する。
【0057】
本発明は、上述しかつ図面に示される実施例に限定されるものではない。こうして、インターフェースの2つの接続面を変えることも実行可能である。例えば、1つ又はそれ以上のノブが、切削インサートの1つ又はそれ以上の座部と協力するために、基体の接続面に形成されるような方法で変えることができる。切削インサートの接続面は、基体の接続面内のノブと協同するためにのみ、座部と一緒に形成される。そのような実施例は、回転可能な切削インサート、すなわち、対向する側に同一の接続面を有する(図16〜18のように)切削インサートに対して特に適切である。更には、切削インサートの回転を固定するための係合手段が、個々のノブ及び個々の座部の形式より別の方法で形成されるかも知れない。例えば、2つの接続面が、鍵穴のような外形形状を有する、協同する雄のような及び雌のような係合手段と一緒に形成される。そうした場合、雄要素は、略細長形状であり、その一端では、円錐状の部分面の形をした逃げ面を有し、その対向端では、2つの平坦な側部逃げ面と、連続する陥没内の円錐状の雌逃げ面と協同する、部分的な円錐状の雄逃げ面を有している。円錐状の雌逃げ面は、円錐状の逃げ面から離隔された端部に、平坦な雄側部逃げ面が押し付けられる2つの雌の平坦な側部逃げ面を有している。勿論、インデックス可能な切削インサートは、同様な外形形状を有する少なくとも1つの雌のような皿穴と協同するために、そのような2つの鍵穴のような雄要素をもつように形成される。
【0058】
円形で円錐状ノブのいくつかの開示された実施例では、逃げ面はエンドレスで滑らかであり、同時に協力する座部内の雌逃げ面もまた滑らかでエンドレスである。しかしながら、本発明の範囲内で、逃げ面の少なくとも1つの設計を変えることもまた実行可能である。特に、ノブの逃げ面は、多数の周方向に離隔された陥没部と一緒に形成され、これら陥没部が、雌逃げ面に対して適切な接触面を形成する多数の部分的に円錐状の部分面間に間隙面を形成している。更に、逃げ面の少なくとも1つにまさに真に円錐状であるよりもむしろ別の先細形状を与えることが実行可能である。こうして、直線状母線に代えて僅かにアーチ形にされた母線によって規定される凸状アーチ形状をもつ雄逃げ面を形成することが実行可能である。雄逃げ面はまた継続されているかも知れない。すなわち、継続母線によってもたらされる。
【0059】
請求項中に用いられているように、「基体」の概念は広い意味で解釈されるべきである。前記実施例においては、インターフェースの第1の接続面が形成されている基体は、工具保持具の形(図1〜13のフライス盤の形)をしている。本発明の範囲において、前記接続面はまた取り付け具、例えばシム板又はそのようなもの、のように形成されてもよく、適当な方法で交替で固有の工具保持具に固定される。「切削インサート」の概念もまた広い意味で解釈されるべきであり、かつ特に金属材料部片のチップ除去機械加工を実行する資格を有する置換可能な消耗部品の全てのタイプを備えていると一般に考えられるべきである。別の点で係合手段の設計に関して、本来、平坦な面の形をした第1の接続面内の協同する支持面のみならずノブの軸受面を形成することが好ましいことが指摘されるべきである。しかしながら、このことは、2つの協同する軸受面と支持面を少なくとも1つが、別の形状、例えば、僅かに凸状の形状、で与えられることを考慮に入れないことではない。ノブの軸受面が、ノブの全下面に沿って延びる必要もない。こうして、軸受面を、減少した面積を有するリング形状の面の形で形成することもできる。本発明は、角部の数に関係なく、角部を有する全ての切削インサートに適用可能である。こうして、本発明は、唯一の角部と1つの切削刃とを有する単純な切削インサートにさへも適用することができる。本発明の教示を、丁度1つの、エンドレスの切削刃を有する丸い切削インサートに適用することもまた考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、フライス盤(ミリングカッター)の形での切削工具を示す分解斜視図であり、切削インサートとこれを固定するための締め付けねじとが、該工具の基体から離隔して示されている。
【図2】図2は、基体内に含まれる第1の接続面を示す拡大鳥瞰図である。
【図3】図3は、切削インサートの下側に含まれる第2の接続面を示す、切削インサートの拡大仰視図である。
【図4】図4は、図2による第1の接続面の上方から見た平面図である。
【図5】図5は、図3による第2の接続面の下方から見た平面図である。
【図6】図6は、接続面内で係合手段を形成する、丸いノブと丸い座部とを示している拡大分解図である。
【図7】図7は、座部と係合(嵌合)するノブを示す断面図である。
【図8】図8は、係合手段の別の形態を形成する、細長ノブと細長座部とを示す拡大分解図であり、ノブと座部とが並んで示されている。
【図9】図9は、図8によるノブと座部とが互いに係合するのを示す断面図である。
【図10】図10は、ノブと座部との断面形状を示す、図8に対応する分解図である。
【図11】図11は、図10によるノブと座部とが互いに係合しているのを示している断面図である。
【図12】図12は、本発明によるインターフェースの別の実施例に含まれる第1の接続面を示す、図2に対応する鳥瞰図である。
【図13】図13は、同様のインターフェースの第2の接続面を示す仰視図である。
【図14】図14は、本発明のインターフェースの更に別の実施例の第1の接続面の鳥瞰図である。
【図15】図15は、同様のインターフェースの第2の接続面の仰視図である。
【図16】図16は、別のインターフェースの第1の接続面の鳥瞰図である。
【図17】図17は、第1の接続面に固定される、切削インサートに含まれる第2の接続面の仰視図である。
【図18】図18は、図17のインサートの鳥瞰図である。
【技術分野】
【0001】
第1の態様においては、本発明は、チップ除去機械加工用に意図された工具及び基体と、インターフェースにより基体に着脱自在に接続される切削インサートとを備えているタイプの工具に関する。このインターフェースは、一方では、1つ又はそれ以上の雌及び/又は雄のような第1の係合手段が形成されている基体内に含まれる第1の接続面と、他方では、この第1の接続面の第1の係合手段と係合するために、1つ又はそれ以上の第2の雄及び/又は雌のような係合手段が形成されている切削インサート内に含まれる第2の接続面とを含んでいて、この切削インサートと基体との接続面は、共通の幾何学的な基準部位を有しており、かつ該切削インサートは、有効な切削刃が接続する角部を含んでいる。
別の態様においては、本発明はまた、そのような切削インサートに関する。
【背景技術】
【0002】
とりわけ、金属素材のチップ除去機械加工又は切削機械加工の分野において、速くかつ正確な方法で機械加工を実行するために、工具の能力ばかりでなく、基体(保持具)と取替可能な切削インサートとの形態における工具の異なる部品の製作においても、もっと効率的にするという目的でもって、継続的な開発が進行している。開発の傾向は、正確さと最終表面仕上げの点で機械加工結果を改善すること、即ち切削インサートの有効な切削刃が、基体との関連で正確な、所定の空間位置を得るのに必要であることを改善することにある。別の傾向は、工具の製作コストを削減することにある。このことが、既に非常に良好な寸法精度をもたらしている圧縮成型及び焼結とに関連して、市場において最も広く占めている超硬合金から作られる切削インサートへと導いている。
【0003】
切削インサートの良好な精度を得るために、以前は同じものを高価な研磨作業にかける必要があったが、改善された圧縮成型及び焼結技術によって、直接にプレスされた、例えば研磨されていない、切削インサートを益々多く利用することが可能となっている。しかしながら、切削インサートの名目上の寸法の±0.5%のオーダーでの寸法変化を、工具設計者がまだ考慮しなければならないということ以上には開発が進まなかった。このことは、インサート製造の結果が良好なら、切削インサートの有効な刃が、望まれた位置に非常にうまく落ち着くが、その結果が悪い場合(これまでは、切削インサートが意図したよりも膨張し、長くなったり、又は収縮し、短くなったりしている)には、基体との関連で切削刃の位置は、望ましい位置から機械加工精度がむしろ悪くなる程度にまで外れることを意味している。
【0004】
近年、工具が発達し、基体と切削インサート間の工具のインターフェースは、互いに係合する雄のような係合手段と雌のような係合手段とを別々に含む接続面をもつように形成されている。元来、これらの接続面は、いわゆる鋸歯状接続面よりなり、かつ複数の平行な雄のような突条と雌のような溝とを含み、接続面の一方におけるこれらの突条は、他方の接続面のこれらの溝に係合するか、また逆の場合になっているような型式よりなる。開発の次の段階では、前記インターフェースは、或る突条が他の突条に対し直角又は別の角度で方向付けされていて、しばしば最少にまで減った突条数と組み合わせているという事実によって、改善された。しかしながら、雄のような係合手段が、多かれ少なかれ、傾斜した逃げ面を有する長く、真っ直ぐな突条であることは、依然として従来公知のインターフェースにとって共通している。この傾斜した逃げ面は、突条に逃げ面がその全長にわたって良好な接触を有すべきであると同時に、突条は付属の溝の底部に接触してはならないという事実によって、切削インサートの位置付け及び切削インサートから基体への伝達力を保証するという目的を有している。
【0005】
チップ除去機械加工の分野において、理論と実際との間には差異がある。こうして、理論においては、切削インサートとその有効な切削刃とを基体に対して正確に所定の位置に安定して固定する点と、及び作業中に切削インサートに作用する様々の全ての力の良好な当接を保証する点に関して、最適な能力を有するインターフェースを作り出すことは、かなり簡単である。しかしながら、実際には、切削インサートの固定及び位置は多くの予測不可能な要素によって影響を受け、製造結果が変化する切削インサートの製造の熟練工にとって最も難しいことの1つである。製造結果が良好な、名目上の寸法精度を与えるかぎり、他のものとの位置され、見積もられた面接触又は線接触が、突条の逃げ面と溝との間で逃げ面の全長にわたって得られるが、一様の適度な形状欠陥が生ずるやいなや、逃げ面間の接触が、点接触又は部分的な線接触へと減少する危険がある。このことが、作業初期及び作業中に、切削インサートが基体に対して不正確に位置付けされるという結果(いわゆる過剰決定)を次々に引き起こし、切削インサートと基体との間の伝達力の低下をもたらす。
【0006】
欧州特許第300172号(EP0300172)及び米国特許第4315706号明細書(US4315706)によれば、付属の基体へインターフェースを介して着脱自在に接続される切削インサートを有する切削工具は従来公知である。このインターフェースは、基体の接続面に形成された、横断面が丸い雄部材を含んでいて、この雄部材は、切削インサートの下側の雌のような係合手段に係合している。しかしながら、これらのケースでは、雌のような係合手段は、横に開口している、部分的に丸い座部又は座面のみであり、それ故、任意に径方向で横への変位力を吸収することができません。
【0007】
更に、欧州特許第1405686号(EP1405686)は、バイト(回転工具)型式の切削工具を開示している。この切削工具の切削インサートは、締め付けねじ及び基体に取り付けられた筒状止めピンによって基体に着脱自在に接続されており、止めピンは切削インサートの筒状孔に嵌合していて、基体に対して切削インサートの平行移動を打ち消す能力を有している。しかしながら、実際には、締め付けねじは、基体の雌ねじ山に対して雄ねじ山を通じてある程度の遊びを有しているので、この締め付けねじは、切削インサートの有効な切削刃が基体に対して確実に正確な空間位置を保つことができるという所定の位置での切削インサートを回転固定する能力を欠いているし、またその上、切削力によってねじがたわむかも知れない。更に、筒状孔への止めピンの嵌合には、切削インサートが止めピンに対して移動するのを防ぐために、非常に微細な許容差を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、工具の基体と個々の切削インサートとの間の改善されたインターフェースを有する切削工具を提供することによって、前記した課題を克服することを目的とする。それ故、本発明の第1の目的は、一方では、切削インサートの有効な切削刃が基体に対して、正しく、過剰決定されない位置に正確に配置されるように、切削インサートをしっかりと固定でき、他方では、固定のために必要性が最大である領域、即ち、有効な切削刃を含む切削インサートの角部のごく近傍でかなりの切削力を吸収できるインターフェースを有する工具を提供することである。
【0009】
別の目的は、取付けに関係して望ましい方法で最初に切削インサートを配置するばかりでなく、チップ除去機械加工中に切削インサートが受ける厳しい応力下で、切削インサートの安定した固定を保つこともできるインターフェースを提供することである。上下から切削インサートへの方向に作用する、そのような力のための改善された当接を与えるのに加えて、このインターフェースは、その結果、切削インサートが基体に対してそれぞれ平行移動及び回転することを防止するべきである。
【0010】
基体及び工具の切削インサートの製造をもっと難かしくし又はもっと高価にすることなしに、位置精度及び力を伝達する能力の点で望ましい特質を保証するインターフェースを提供することもまた、本発明の目的である。特に、必要ならば、切削インサートは、例えば高価な研磨作業の必要なしに、直接的なプレス加工によって製造することが可能となるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、第1の目的は、独立請求項1に規定された工具によって達成される。本発明による工具の好ましい実施形態が、更に従属請求項2−30に規定されている。
【0012】
第2の態様においては、本発明はまた、そのような切削インサートに関する。この切削インサートの特徴は、独立請求項31に示されている。本発明による切削インサートの好ましい実施形態が、更に従属請求項32−56に規定されている。
【0013】
本発明は、切削インサート、特に2つ又はそれ以上の有効な切削刃を有するインデックス可能な切削インサートを、3つの同時に作用する効果、例えばインターフェースの平面での切削インサートの直線的な変位又は移動を防ぐ第1の固定と、同じく切削インサートの回転を固定する第2の固定及び同じく切削インサートの安定した支持の形態での第3の固定、とによって力が作用する全ての方向で固定するという着想に基づいている。合わせて、これらの協同する効果は、切削インサートの3重の固定を提供すると言える。この変位を防止する固定は、(たった1つの)一組の係合手段によって提供され、これらは、最も適切には、切削インサートの下側に形成された、収束するノブと基体の発散する座部とである。ノブと座部との協力する逃げ面が、先細の回転対称形状で与えられるという事実によって、この平面にたとえどのような衝撃力が、ノブと座部との共通の中心に対して、径方向に向けられようともインターフェースでの切削インサートの平行移動が不可能となっている。更に、ノブが、起こり得る形状欠陥にかかわりなく、その方向を座部への中心に見出すことを保証しており、これにより、切削インサートの位置の過剰決定が避けられる。切削インサートの回転固定は、−必ずしも必要でないけれども−、別のペアの協同する係合手段、例えば、ノブと座部、とによって適切に与えられ、このペアは、位置及び変位防止のノブばかりではなく、切削インサートの中心軸又は幾何学上の基準地点からもまた離れて間隔をあけられている。最後に、安定した支持が都合よくノブの下面である、十分な軸受面によって提供されている。実際には、本発明はインデックス可能な切削インサートに特に適している。そのような場合、切削インサートは2つ又はそれ以上のノブをもって製造され、切削インサートの回転及び平行移動の固定に対して有効でないノブの1つ又はそれ以上は、基体の接続面の平坦な支持面に、切削インサートの下側で載せるために利用されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
チップ除去機械加工のために意図された工具(切削工具)が、図1に示されており、この工具は、基体1と、この場合では、ねじの形状である締め付け部材3によって基体に固定可能な切削インサート2とを備えている。例えば、工具は回転可能であり、かつフライス盤(ミリングカッター)であり、更に正確には、エンドミル又は正面フライスで、等しく多くの切削インサート2が取り付けられる複数のチップ収容部4を含んでいる。切削インサートの1つのみが、図1に示されている。基体1はC1で示される中心軸の回りを回転可能である。
【0015】
この場合、個々のチップ収容部4は、側面5と、アーチ状にくぼんだ端面6と、窪んだ形に変形し、順に側面8、端面9及びこの場合、平坦である肩面10とによって境界を定められている平坦な肩面7とによって境界を定められている。以下に詳述される、皿穴状座部及び一部の面と一緒に、肩面10は、符号11で示される第1の接続面内に含まれている。この接続面11では、穴12は雌ねじ口を有しており、この穴の中心軸は、C2で示されている。
【0016】
更に図1を参照すると、締め付けねじ3は、雄ねじ13と、この場合、円錐形であるが、他の形状、例えば平ら、でもよい頭部14とを含んでいる。
【0017】
図1において、前端面は符号15で示されており、かつ符号16は基体1の後端面の限界線を示しておる一方、符号17は、回転対称の包絡面を示している。作動においては、フライス盤は矢印Rの方向に回転する。
【0018】
例えば、切削インサート2は、切削インサートの直径方向に対向する角部に隣接する2つの切削刃18を含むことによってインデックス可能である。前記切削刃の間では、インデックス“a”によって見分けられる切削刃18aは、端面15、包絡面17及び接続面11が互いに出会う場所に形成された、基体の解放角部19の近傍の位置に前方にインデックスされることにより、有効となる。しかしながら、図示される位置では、双方する切削刃18bは、有効でない。
【0019】
各々の個別の切削刃18は、縦方向の、チップ除去の主刃20と、フライス削り中にもたらされる、表面を拭き、かつ平滑化する目的を有する横方向のワイパー刃21とを含んでいる。
【0020】
中心穴22が切削インサートに形成されている。この穴の中心軸−ねじ3も同様−は、C2で示され、2つの穴及びねじの中心は、切削インサートが基体に取り付けられるとき、一致している。例えば、切削インサートは、細長であり、2つの長側面23と2つの短側面24とを含み、これらの面は、切削刃に隣接してクリアランス面を形成している。
【0021】
図2及び3を参照すると、基体1の第1の接続面11ばかりでなく、切削インサート2の下側の協同する第2の接続面25もまた、その構成を更に詳細に示している。この場合、第2の接続面25の大部分は、平坦な面26であり、切削インサートの適切な下面を形成している。
【0022】
様々の構成要素の大きさをイメージするために、具体例として、フライス盤(ミリングカッター)は、直径40mm(即ち、中心軸C1から切削インサートの主刃20までの半径は20mm)である。そのとき、第1の接続面11は、16.2mmの長さ(前後境界線27,28間の距離)及び8.5mmの幅(内外境界線29,30間の距離)を有している。第2の接続面25は、第1の接続面にほぼ等しい大きさである。
【0023】
各々の接続面11,25には、雌のような又は雄のような係合手段が形成され、それらの係合手段は、雄のような係合手段が雌のような係合手段に嵌合するような方法で、ペアで協同している。示される例では、切削インサートの下側の接続面25に含まれる全ての係合手段が、雄のようになっていて、下面26から突出するノブによって構成されている。それ故に、第1の接続面11の協同する係合手段は、雌のように座部によって構成されている。
【0024】
切削インサートはインデックス可能である。この場合では、切削インサートの下側のノブの数は、4つであり、一組のノブは、同じ形状をしていて、他の組のノブの形状とは異なっている。更に詳しくは、2つのノブ31a,31bが一般に円形で、プーリーのような形状をしているのに対し、他の2つのノブ32a,32bは、細長形状をしている。個々のノブ31の円形形状(図6も参照)は、エンドレスの周囲の逃げ又は逃げ面33によって決められ、本発明では、回転対称形状をしていて、同時にそれは、有利には平坦で、この場合下方の円形面34で描かれているノブ31の自由端に向かって傾斜し又は収束するようになっている。逃げ面33の回転対称形状を規定する中心軸はC4で示されている。凹状の半径移行部35が切削インサートの逃げ面33と下面26との間に形成される一方、円形の下部境界線36によって決められるように、逃げ面33の狭い部分がリング状で、凸部移行面37に変形している。逃げ面33の上部円形境界線は、38で示されている。例えば、逃げ面33は、直線の母線によってもたらされることによって、正真正銘の円錐形をしている。
【0025】
他の2つのノブ32は、細長(長くされた)外形形状をしている。更に詳しくは、前記外形形状(図8と図10もまた参照)は、互いに平行していて、2つの半円形に曲がっている端面40で終っている、2つの傾斜した側部逃げ面39によって決められている。2つの側部逃げ面39は、必ずしも必要でないが、有利には平坦であり、上側及び下側の直線状境界線41,42及び端側境界線43によって区切られている。2つの端面40は、部分的に円錐形で下方向に収束している。個々のノブ32の下面は、平坦で、44で示されている。この場合でもまた、凹状の移行面45が、切削インサートの下面26と、部分面39,40により構成されたノブ32の逃げ面又は周囲面との間に形成されている。凸状移行面45aは、下面44に隣接して設けられている。
【0026】
全てのノブ31,32が切削インサート2の一部に一体化され、すなわち、プレス加工及び粉状塊の焼結によって形成される、1つの及び同様のリソッドの超硬合金体に含まれる。
更に、2つのノブ31が同一であり、それらは、円錐面33内で同じ平均直径を有するばかりでなく、同じ高さ(ノブの下面34と切削インサートの下面26との間の軸方向距離として算出された)を有している。2つの細長ノブ32もまた、周囲の逃げ面の寸法及び高さの点で同一である。この2つの細長ノブ32は、図示された実施例の場合であっても、必ずしも丸ノブ31のように同じ高さを有する必要はない。
図3及び図8を参照して、個々の細長ノブ32が切削インサートの下面26に垂直な、C6で表わされる中心軸を有していることを指摘しておく。
【0027】
基体1の接続面11において(図2を参照)、2つの座部46,47が形成されていて、そのうちの一方は丸く、他方は細長い。例示された実施例においては、接続面11は異なったレベルに位置している2つの部分面で形成され、そのうちの一方は、肩部面10で、他方は、48で示される底部面であり、この底部面は肩部面10に対して沈み込んでおり、切削インサートのための支持面を形成している。例えば、2つの部分面10,48は平坦であり、これら部分面の平面は互いに平行である。座部46,47は、肩部面10内で沈み込んで皿穴となっている。
【0028】
丸い座部46(図6もまた参照)は、中心軸C3によって規定される回転対称形を有する底面49とエンドレスの逃げ面50とによって画定されている。例示では、逃げ面50は、底面49から肩部面10内の座部の口部へとその方向が発散している。更に詳しくは、逃げ面50−ノブ31の逃げ面33のように−は、下方の円形の境界線51が、上方の円形の境界線52の直径よりもやや小さい直径を有しているという事実からして、円錐形である。凸状に丸くされた移行面53が、逃げ面50と平坦な肩部面10との間に形成されている。凹状に丸くされた移行面54が、逃げ面50と底面49との間にある。座部46の深さは、ノブ31の高さよりも大きく、このことは、ノブが座部の底面に接触できないことを意味している。
【0029】
座部47の細長外形形状(図2,4,8,10を参照)は、ノブ32の細長外形形状と類似している。こうして、座部47は、真直ぐで、平坦でかつ互いに平行である2つの傾斜した側部逃げ面55によって画定されている。対向する端部においては、側部逃げ面55は、面40のように半円形形状である曲線状の端面56へと変わっている。他の点では、座部47は、底面57と2つの移行面58,58aとによって画定されている。座部47は、すなわち、同様のものがノブより長い限り、細長ノブ32より一般に大きい。このことは、座部の内側部逃げ面55が、ノブ32の協同する外側部逃げ面39よりもやや長いという事実によって達成される。他方においては、座部47は、側部逃げ面55間の平均距離として算出される座部の幅(図10を参照)が、側部逃げ面39間のノブの幅と等しい大きさである限りにおいて、概して、ノブ32と同じ幅を有している。更に、座部47は、座部の底面57と肩部面10との間のレベル差として算出される深さを有していて、それは、ノブ32の高さよりも大きい。換言すれば、ノブ32は付属の座部47内で底面に到達しない。座部47がノブ32よりもやや長いという結果として、ノブが座部に嵌合するときに、ペアの側部逃げ面間で接触がもたらされる(図11を参照)が、曲線状の端面40,56間は接触しない(図9を参照)。
【0030】
支持面48の外形形状(図2を参照)は、一方では、基体の包絡面17と端面15とにそれぞれ隣接する2つの直線状の外側境界線59,60によって決められ、かつ他方では、軸方向に延びる2つの内側制限面62,63によって決められ、この内側制限面のうち後方の内側制限面63は、曲線状の移行面65を経て端部制限面64へと変わっている。この制限面62,63間の領域において、ねじ穴12が支持面48を交差して、面62,63を分けている。境界線59と制限面62との間に延在する支持面48の前方部分は、境界線59と制限面63との間に延在する、支持面46の後方部分よりも狭い。すなわち、制限面62は、制限面63よりも境界線59の近くに位置している。
【0031】
図2及び図3において、陰影がされた面領域は、2つの接続面が互いに係合するときに、基体の接続面内の協同する面に接触する切削インサートのノブの面を示している。こうして、ノブ31aの円錐状逃げ面33は、座部46内の同様の円錐状逃げ面50に接触する。更に、細長ノブ32aの平坦な側部逃げ面39は、座部37の側部逃げ面55に接触するが、丸い端面40は、座部47内の丸い端面56に接触しない(図9もまた参照)。このことは、細長ノブ32aが座部47内で長手方向に移動できることを意味している。すなわち、これまでは、切削インサートが製造中にわずかな形状欠陥をもらったならば、ノブの側部逃げ面39が、座部の側部逃げ面55に沿った異なる位置につくかも知れない。例えば、切削インサートが膨張し、ノブ31a,32aの中心軸C4,C6間の距離が、望ましい公称寸法よりも大きくなったなら、ノブ32aは、座部の前端よりもその後端にやや近い方にそのまま配置されるだろう(収縮があった場合には、その反対が起きる)。この関連で、切削インサートの製造において起こり得る寸法変化が、切削インサートの公称寸法の±0.5%のオーダーになることを指摘しておく。こうして、ノブ31a,32aの中心軸C4,C6間の距離が、例えば、10mmになるならば、起り得る寸法偏差は、0.05mmになる。
【0032】
図2の陰影された面領域340と440によって輪郭が描かれているように、ノブ31bと32bの下側軸受面34,44は、支持面48に当接する。この状態では、ノブ31b,32bの逃げ面は、支持面48を囲んでいる制限面62,63,64,65と接触していない。換言すれば、ノブ31b,32bは、切削インサートの起り得る形状欠陥に関係なく、支持面48に沿った異なる位置に自由につける。
【0033】
切削インサートが、所定のトルクによって締め付けられたねじ3によって基体に固定され、この記載されたインターフェースが作用するようになったとき、ノブ31aと座部46とは一緒になって切削インサートの平行移動の固定という目的を果たす。すなわち、切削インサートがインターフェースの平面内で平行移動するのが防止される。回転対称であるノブ31aと座部46との協力する逃げ面のおかげで、切削インサートが中心軸C3,C4に関して径方向に外力によって影響されるにも拘わらず、この効果が保証される。更に、ノブと座部の円錐形状が、中心軸C3に沿ったノブの自動的なセンタリングを保証する。中心軸C3は固定点を形成しており、その回りに切削インサートが位置付けされる。
【0034】
第2の細長ノブ32aは、座部47と一緒になって、ノブ31aと座部46の中心軸C3,C4によって構成されている仮定の回転中心の回りを切削インサートが回転するのを防止する目的を有している。このことが、ノブ32aの側部逃げ面39と座部47の対応する逃げ面55との間の接触によって行われる。この状態で、ノブ32aは座部47内にしっかりと、動かない状態にクランプされ又は押し込まれるために、切削インサートの回転固定が非常に確実になる。中心軸C3,C4の回りに切削インサートを回転しようとする力は、その力が前記回転中心の回りを反時計回り又は時計回りに作用するかによって、逃げ面55の一方によって主に吸収される。
【0035】
切削インサートの固定状態においては、包絡面17の最も近くに位置される2つの外側ノブ31b,32bは、基体の支持面48に対し、それらの下部軸受面34,44で当接する(図2の面領域340,440を参照)。前記軸受面34,44が広い、すなわち、比較的に大きな面積を有しているので、このインターフェースは、切削インサートを介して上下から作用する、かなりの力を吸収するという良好な能力を獲得する。このことは、例外なしに、傾斜した逃げ面間の線接触又は適度の面接触に単に頼っていた従来公知の切削工具のインターフェースと比較されるべきである。
【0036】
本発明の好ましい実施例においては、図6に示されている、ノブ31の逃げ面33と座部46の逃げ面50のそれぞれの円錐角度αとβは、異なった大きさであり、さらに詳しくは、ノブの円錐角度αは、座部の円錐角度βよりもやや大きい。例示では、角度αは36.5°で、一方、角度βは36.0°であり、すなわち、0.5°の角度差がある。この角度差の効果は、ノブが座部に押し付けられたとき、逃げ面33,50間の線接触が、上部の境界線38,52の領域で最初に行われ、それから、座部46が金銭の投入(コイニング)を受けるときのような、下方へ伝わる面接触が達成されることである。最初に、0.25°の周囲間隙(角度差0.5°/2)が接触線から下方に生じる。しかしながら、角度差が極めて小さいので、座部の適度な投入(コイニング)が、接触線から下方に延在する逃げ面33,50間の面接触を提供するために、必要とされる。座部内での確実な接触が頂点にまで確立されるという事実によって、全ての点でノブと座部との間の最大の、しっかりとした、可能な係合が保証される。
【0037】
図10を参照して、細長ノブ32の逃げ面39と座部47の逃げ面55との間には、対応する角度差もまた存在することを指摘しておく。従って、角度γは、角度δよりも1又は2,3分ほど大きい。
この点において、角度α,β及び角度γ,δは、おおよそ36°よりも小さいことを指摘しておく。実際には、角度αとβは、概略的に20°から65°の範囲内で変化する。換言すれば、ノブはむしろ鋭角的に先細にされている。軸受面34,44が支持面48に良好に当接するので、そのような形状が可能である。
【0038】
有効な切削刃18aの最も近くに位置する2つのノブ31a,32b間の最も近いもの、すなわち、ノブ32bは細長の外形形状を有している。このことは、軸受面44もまた細長い形状を有することを意味している。さらに詳しくは、軸受面は、2つの直線状の長手方向の境界線68によって境界が定められ(図5を参照)、それら境界線の一方は、大体は切削刃18の主刃20に平行で、かつ主刃20の近くに位置している。それ故、実際は、厳しく負荷される主刃部分は、フライス盤が大きな切削深さで作動しているときもまた、良好な支持が得られる。
【0039】
本発明の別の実施例を示している図12及び図13を参照する。この実施例でもまた、切削インサート2の接続面25は、切削インサートの下面26から下方に突出する4つのノブ31を含んでいる。しかしながら、この場合には、全てのノブが、丸くて、同一であり、かつ図6及び図7とに関連して上述した一般的な方法で都合よく形成されている。それらの位置及び機能の点でノブを区別するためにではあるが、同じものには添え字c,d,e,fが付けられている。完全を期すために、各々個別のノブ31は、円錐状逃げ面33と下部軸受面34とを有していることを指摘しておく。
【0040】
この場合では、基体1に形成された接続面11は、4つの座部46,47,66,67が沈み込んで皿穴となっている、1つの平坦な面10を含んでいる。これらのうちの座部46,47は、図2及び図3による実施例の対応する座部に類似している。すなわち、これまでは、座部46の包絡面50が円錐状で、個々のノブ31の逃げ面33と同じ直径を有しており、かつ座部47は、細長く、例えば非回転対称形を有している。更に、座部46,47は、ノブがそれらの底部に接触しないように、ノブ31の高さより大きい深さを有している。しかしながら、図12に示される実施例では、細長ノブ47は、2つの平坦な逃げ面55が座部の全幅に比較して非常に短いために、図2の対応する細長い座部よりもかなり短い。これに関して座部の2つの側部逃げ面55間(その1つが図12に見られる)の距離によって決められるような座部の幅が、個々のノブ31の直径に対応していることを指摘しておく。換言すれば、ノブは一般に側部逃げ面55と線接触している。
【0041】
接続面11内の2つの別の座部66,67は、都合よく同一である。座部66,67の特徴は、それらが座部46,47よりも浅く、かつ少なくとも座部50よりも大きな直径を有していることである。さらに詳しくは、座部66,67の深さは、個々のノブの軸受面34が、切削インサート2の下面26が面10に接触することなく、座部内の底部支持面48に押し付けることができるような方法で、適合されている。更に、座部66,67が、座部46よりも広いという事実が、座部内に収納される2つのノブ31e,31fの逃げ面33が、座部の逃げ面50に接触しないことを意味している。
【0042】
図12及び図13に示されるインターフェースの機能を明白にする。2つの接続面が互いに係合され、切削インサートを固定すると、座部46に係合しているノブ31cは、切削インサートが座部の中心軸によって決められた固定位置又は固定点に位置付けされ、インターフェースの平面内で平行移動されないことを保証している。同時に、ノブ31dは、その逃げ面が座部47の側部逃げ面55と線接触しているという事実によって、回転を固定している。更に、座部66,67の支持面48は、切削インサートを介して軸方向(軸C2に沿う)下方に作用する力を吸収する。
【0043】
これに関連して、2つの実施例に共通の利点を指摘しておく。すなわち、締付け要素(これに無関係のねじ、締付具又はこのようなもの)からの必要な締付け力は、協力する逃げ面が円錐又は先細形状であるために、切削インサートを介して垂直方向下方に付与されている。このことは、例えば、ねじが斜めにされる必要もなく、その締付け力を中心軸C2に沿って一定方向に付与できる。このことが、特にねじが平らな頭部を有している場合、締付け力がかなりのものになることを保証している。同時に、ねじの寿命が長くなる。更に、ノブと座部との略細長形状が、基体の接続面に切削インサートが下りるときに、切削インサートが自動的に正確な位置を求めるという利点を伴っている。
【0044】
切削インサートの確実な固定が、切削インサートの位置が、当業者によって“過剰決定”と言われることがないことを示している。この概念は、例えば、3脚及び4脚の家具間の関係によって最も単純に理解できる。3脚の家具は、脚の長さに関係なく常に安定している。しかしながら、4脚の家具は、正確に同じ長さを有する脚の全てに依存している。もし何れかの脚が、他の脚とは異なる長さを有しているなら、その脚は地面に接触しないだろう。
【0045】
本発明によるインターフェースの重要な利点は、切削インサートが、切削インサートの位置の過剰決定のリスクを昌すことなく、3重(平行移動の防止、回転の防止及び沈み込みの防止)の保証がなされることである。切削インサートは、完全に信頼のおける、しっかりした方法で固定される。
【0046】
次に、本発明による更に別のインターフェースを開示している図14と図15を参照する。この場合では、本発明は、3つの角部に3つの切削刃18を含み、基体1の異なる3つの位置にインデックス可能な三角形状の切削インサート2を使用しているバイト(回転工具)に適用されている。
【0047】
切削インサート2の接続面25には、ちょうどノブ31の形式の3つの係合手段が設けられていて、それらは、互いに等間隔に離れているばかりでなく、中央の貫通孔22の中心軸C2により構成される幾何学上の基準部位を形成している。各々のノブ31は、平坦な軸受面34で終る円錐状の逃げ面33を含んでいる。2つの平坦な側面39は、ノブ上に直径方向に対向する位置で凹まされていて、互いにかつ仮想中心線CLに平行している。好ましくは、この中心線CLは、図15に示されるように、切削インサートの中心軸C2から径方向に延びている。
【0048】
個々のノブ31は、切削インサートの3つの角部のうちの1つの付近に設置されていることもまた注目されるべきである。実際は、上述の中心線CLは、角部で出会う2つの間隔のある面23間の2等分線を形成している。
【0049】
基体1の接続面11は、3つの異なる座部46,47,66を含んでおり、そのうちの第1の座部46は、ノブの円錐状の逃げ面33と協力するための円錐状の逃げ面50を含んでいる。第2の座部47は、概して細長状であり、円錐状に先細くなっている2つの半円形状の端面に移動する、2つの対向する(むしろ短い)平坦な側面55を含んでいる。
【0050】
この場合、第3の座部66は円形形状である。座部66の重要な特徴は、それが、ノブ31より幅広である一方、他の座部46,47よりも更に狭いことである。例えば、その底面67は、座部46,47の底面より上のレベルに設けられている。
【0051】
先の実施例のように、ノブ31の1つ、すなわち、座部46に嵌合するノブは、切削インサートが平行移動するのを防止する一方、座部47に嵌合するノブは、切削インサートが回転するのを防止する。同時に第3のノブは、第3の座部66の底面67で切削インサートを支持する。
【0052】
図14及び図15の実施例では、逃げ面33と50の円錐角度は、80°〜110°の範囲内で変えてもよい。
図14及び図15に示される実施例の利点は、切削インサートが2つの位置以上、例えば3つの位置にインデックス可能であることである。これは、3つの有効な切削刃を提供できることを意味している。更に、1つのノブだけが、基体の協力する支持面にその下部軸受面で支持される。このことは、切削インサートの過剰決定のリスクがさらに減少されることを意味している。
【0053】
更にまた本発明の別の実施例が図16〜18に示されている。この場合では、切削インサート2の接続面25に、円錐状の逃げ面33を有する、同一のノブ31の形状の丁度2つの係合手段が設けられ、この逃げ面には、一対の平坦な面39が凹まされている。各々のノブの自由端は、平坦な軸受面34である。ノブ31は、切削インサートの中心軸C2から等間隔で離れており、また等角度で別けられている。例えば、その角度は180°である。逃げ面33の円錐角度は、むしろ鋭角であり、20°〜65°の範囲内で変えることができる。各々の平坦な面39はかなり短い。
【0054】
この場合、切削インサートの基本形状は、四角形であり、こうして4つの角部68を形成している。各々のノブ31は、包囲部面69から突出しており、この包囲部面は、中央の貫通孔22によって離隔されている2つの部分面71a,71bを含む軸受面71に対して沈み込んでいる。ノブ31が、2つの直径方向に対向した角部68の近辺に設けられる一方で、2つの部分面71a,71bは、他の2つの角部68から内方に延在している。
【0055】
実際には、2つの切削刃18が含まれることを意味している唯一の接続面25(下面に)をもつ切削インサートを設計することは可能である。しかしながら、図18に示されるように、対向する側の2つの同一の接続面25aを加えることによって、切削インサートを回転可能にすることも可能である。この方法では、4つの使用可能な切削刃18が含まれる。もし切削インサートが図18のように回転可能に作られるなら、部分面71a,71bの周囲部分は、チップ破壊(凹形)面として形成される。
【0056】
基体1の接続面11(図16参照)は、座部46,47の形で2つの第1の係合手段を備えており、座部46は、円錐状の逃げ面50を、座部47は、2つの平坦な側面55と2つの部分円錐状又は半円形状の端面56とを含むことによって横長になっている。例示された実施例では、座部46,47は、2つの離隔されたランド部70で形成され、中央孔12とランド部70とによって離隔されている2つの部分面48a、48bを含んでいる下部支持面48がそれらのランド部間を延在している。角部19に接続する前方の部分面48aは、一方はランド部70で、他方は角部19で出会う面17,15の境界線59,60との間によって境界が定められている。この場合はまた、逃げ面33と50の円錐角度は、20°〜50°の範囲内である。図16〜18に示される工具の切削インサートは、ねじ(図示されていない)によって固定されるように意図されており、ねじの雄ねじ部は、孔12内の雌ねじ部(見えない)と協働している。この場合、2つの部分面48a,48bは、互いに非常に良く平られされ、すなわち、共通の平面に設けられている。しかしながら、切削インサートをクランプによって固定することも可能であり、かつ時には好ましい。そのような場合には、部分面48a,48bは、異なるレベルで設けられ、さらに特に面48bよりもやや高くに面48aが設けられ、クランプが、面71bと48bとの間に薄い間隙があるが、支持部分面48aに対し軸受部分面71aを付勢するように、切削インサートの前方部分に作用する。
【0057】
本発明は、上述しかつ図面に示される実施例に限定されるものではない。こうして、インターフェースの2つの接続面を変えることも実行可能である。例えば、1つ又はそれ以上のノブが、切削インサートの1つ又はそれ以上の座部と協力するために、基体の接続面に形成されるような方法で変えることができる。切削インサートの接続面は、基体の接続面内のノブと協同するためにのみ、座部と一緒に形成される。そのような実施例は、回転可能な切削インサート、すなわち、対向する側に同一の接続面を有する(図16〜18のように)切削インサートに対して特に適切である。更には、切削インサートの回転を固定するための係合手段が、個々のノブ及び個々の座部の形式より別の方法で形成されるかも知れない。例えば、2つの接続面が、鍵穴のような外形形状を有する、協同する雄のような及び雌のような係合手段と一緒に形成される。そうした場合、雄要素は、略細長形状であり、その一端では、円錐状の部分面の形をした逃げ面を有し、その対向端では、2つの平坦な側部逃げ面と、連続する陥没内の円錐状の雌逃げ面と協同する、部分的な円錐状の雄逃げ面を有している。円錐状の雌逃げ面は、円錐状の逃げ面から離隔された端部に、平坦な雄側部逃げ面が押し付けられる2つの雌の平坦な側部逃げ面を有している。勿論、インデックス可能な切削インサートは、同様な外形形状を有する少なくとも1つの雌のような皿穴と協同するために、そのような2つの鍵穴のような雄要素をもつように形成される。
【0058】
円形で円錐状ノブのいくつかの開示された実施例では、逃げ面はエンドレスで滑らかであり、同時に協力する座部内の雌逃げ面もまた滑らかでエンドレスである。しかしながら、本発明の範囲内で、逃げ面の少なくとも1つの設計を変えることもまた実行可能である。特に、ノブの逃げ面は、多数の周方向に離隔された陥没部と一緒に形成され、これら陥没部が、雌逃げ面に対して適切な接触面を形成する多数の部分的に円錐状の部分面間に間隙面を形成している。更に、逃げ面の少なくとも1つにまさに真に円錐状であるよりもむしろ別の先細形状を与えることが実行可能である。こうして、直線状母線に代えて僅かにアーチ形にされた母線によって規定される凸状アーチ形状をもつ雄逃げ面を形成することが実行可能である。雄逃げ面はまた継続されているかも知れない。すなわち、継続母線によってもたらされる。
【0059】
請求項中に用いられているように、「基体」の概念は広い意味で解釈されるべきである。前記実施例においては、インターフェースの第1の接続面が形成されている基体は、工具保持具の形(図1〜13のフライス盤の形)をしている。本発明の範囲において、前記接続面はまた取り付け具、例えばシム板又はそのようなもの、のように形成されてもよく、適当な方法で交替で固有の工具保持具に固定される。「切削インサート」の概念もまた広い意味で解釈されるべきであり、かつ特に金属材料部片のチップ除去機械加工を実行する資格を有する置換可能な消耗部品の全てのタイプを備えていると一般に考えられるべきである。別の点で係合手段の設計に関して、本来、平坦な面の形をした第1の接続面内の協同する支持面のみならずノブの軸受面を形成することが好ましいことが指摘されるべきである。しかしながら、このことは、2つの協同する軸受面と支持面を少なくとも1つが、別の形状、例えば、僅かに凸状の形状、で与えられることを考慮に入れないことではない。ノブの軸受面が、ノブの全下面に沿って延びる必要もない。こうして、軸受面を、減少した面積を有するリング形状の面の形で形成することもできる。本発明は、角部の数に関係なく、角部を有する全ての切削インサートに適用可能である。こうして、本発明は、唯一の角部と1つの切削刃とを有する単純な切削インサートにさへも適用することができる。本発明の教示を、丁度1つの、エンドレスの切削刃を有する丸い切削インサートに適用することもまた考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、フライス盤(ミリングカッター)の形での切削工具を示す分解斜視図であり、切削インサートとこれを固定するための締め付けねじとが、該工具の基体から離隔して示されている。
【図2】図2は、基体内に含まれる第1の接続面を示す拡大鳥瞰図である。
【図3】図3は、切削インサートの下側に含まれる第2の接続面を示す、切削インサートの拡大仰視図である。
【図4】図4は、図2による第1の接続面の上方から見た平面図である。
【図5】図5は、図3による第2の接続面の下方から見た平面図である。
【図6】図6は、接続面内で係合手段を形成する、丸いノブと丸い座部とを示している拡大分解図である。
【図7】図7は、座部と係合(嵌合)するノブを示す断面図である。
【図8】図8は、係合手段の別の形態を形成する、細長ノブと細長座部とを示す拡大分解図であり、ノブと座部とが並んで示されている。
【図9】図9は、図8によるノブと座部とが互いに係合するのを示す断面図である。
【図10】図10は、ノブと座部との断面形状を示す、図8に対応する分解図である。
【図11】図11は、図10によるノブと座部とが互いに係合しているのを示している断面図である。
【図12】図12は、本発明によるインターフェースの別の実施例に含まれる第1の接続面を示す、図2に対応する鳥瞰図である。
【図13】図13は、同様のインターフェースの第2の接続面を示す仰視図である。
【図14】図14は、本発明のインターフェースの更に別の実施例の第1の接続面の鳥瞰図である。
【図15】図15は、同様のインターフェースの第2の接続面の仰視図である。
【図16】図16は、別のインターフェースの第1の接続面の鳥瞰図である。
【図17】図17は、第1の接続面に固定される、切削インサートに含まれる第2の接続面の仰視図である。
【図18】図18は、図17のインサートの鳥瞰図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体(1)と、該基体にインターフェースを介して着脱自在に接続される切削インサート(2)とを備えているチップ除去機械加工用の工具であって、
該インターフェースが、一方では、該基体に含まれ、1つ又はそれ以上の雌のような及び/又は雄のような第1の係合手段(46,47)が形成されている第1の接続面(11)と、他方では、該切削インサート(2)に含まれ、1つ又はそれ以上の雄のような及び/又は雌のような第2の係合手段(31,32)が、該第1の接続面の該第1の係合手段(46,47)と係合するために形成されている第2の接続面(25)とを含んでいて、該切削インサートと該基体の該第1と第2の接続面が、共通の幾何学上の基準部位(C2)を有しており、かつ該切削インサートが、切削刃(18)が接続する角部を含んでいるところのチップ除去機械加工用工具において、
該基準部位(C2)から離隔している一対の協同する第1と第2の係合手段(31,46)が、該基準部位から離隔している点(C3,C4)に該切削インサートを共同で位置付けするため、及び該インターフェース内で力が作用する任意の方向での該切削インサートの平行移動を防ぐために、回転対称の基本形を有する逃げ面(33,50)を備えていて、そのうちの少なくとも1つは先細形状であり、かつ
該2つの接続面が、前記対の係合手段(31,46)及び該基準部位(C2)から離れていて、前記対の係合手段(31,46)の回りの該切削インサートの回転を妨げる目的を有する係合手段(32,47)を含んでいる、
ことを特徴とするチップ除去機械加工用工具。
【請求項2】
該切削インサート(2)の平行移動を防止する、該第1の対の協同する係合手段(31,46)の第1の係合手段が、座部(46)であり、その座部の逃げ面(50)は底部(49)から口部の方向に発散しており、一方、該第2の係合手段が、ノブ(31)であり、そのノブの逃げ面(33)は、該切削インサート(2)の下面(26)から自由端(34)の方向に収束していることを特徴とする請求項1に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項3】
該逃げ面(33,50)の少なくとも1つは、同じものが滑かで、中断がない限り、エンドレスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項4】
両方の逃げ面(33,50)が、少なくとも部分的に円錐形状をしていて、該ノブ(31)の該逃げ面(33)は、該座部(46)の該逃げ面(50)の円錐角部(β)よりも大きい円錐角度(α)を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項5】
該回転を固定する係合手段もまた、座部(47)とノブ(32)とであり、そのノブの逃げ面は、切削インサートの下面(26)から自由端(44)の方向に収束していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項6】
該ノブ(32)及び該座部(47)とが、細長外形形状を有していることを特徴とする請求項5に記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項7】
該座部(47)は、該ノブ(32)より長いことを特徴とする請求項5又は6に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項8】
該ノブ(32)と該座部(47)の外形形状が、互いに平行していて、半円形の端面(41,56)で終わる直線状の側部逃げ面(39,55)によって決められていることを特徴とする請求項6又は7に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項9】
該切削インサートが、角部に隣接する少なくとも2つの切削刃(18a,18b)を備えることによってインデックス可能であって、
該切削インサート(2)の該接続面(25)が、該基準部位(C2)からかつ互いに離隔されている2つの同一で、平行移動固定の第2の係合手段(31a,31b)を備えていて、そのうちの1つの係合手段(31a)が、該基体(1)の該接続面(11)の第1の係合手段(46)と有効な係合をすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項10】
該第2の係合手段がノブ(31a,31b)であり、第1の係合手段が座部(46)であることを特徴とする請求項9に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項11】
該切削インサート(2)が、2つの平行移動固定のノブ(31a,31b)のほかに、該切削インサートの回転を固定する目的を有する、2つの追加の、互いに同一のノブ(32a,32b)を含んでいることを特徴とする請求項10に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項12】
該個々のノブ(31a,31b,32a,32b)の自由端が、該基体(1)の該接続面(11)内の支持面(48)に押圧可能な軸受面(34,44)を形成していることを特徴とする請求項10又は11に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項13】
該基体の該接続面内の該支持面(48)が、該ノブよりも幅が広い座部(66,67)の底面であることを特徴とする請求項12に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項14】
該基体の該接続面(11)が、異なるレベルに位置している2つの部分面(10,48)を備えていて、そのうちの最も下方に位置している部分面(48)は、支持面を形成しており、座部(46,47)の少なくとも1つは、最も上方に位置している部分面(10)内で沈み込んでいて、皿穴を形成していることを特徴とする請求項10〜13のうちの1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項15】
隣接するノブ(31a)よりも切削刃(18a,18b)の近くに位置する個別のノブ(32b)が、細長外形形状をしており、それによって、細長軸受面(44)を有していることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項16】
該軸受面(44)の延長長さが、該切削刃(18)のチップ除去主刃(20)にほぼ平行していることを特徴とする請求項15に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項17】
該切削インサート(2)が、2つの長い側部(23)と2つの短い側部(24)とを含むことによって、細長い基本形状を有しており、かつ該切削インサートが、4つのノブを備えていて、その1つは、平行移動固定のノブ(31a)で、別の1つは、回転固定のノブ(32a)で、これらの2つは、第1の長い側部の近辺に位置しており、他の2つのノブ(31b,32b)は、対向する長い側部の近辺に位置していることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項18】
該2つの部分面(10,48)間のレベル差は、該個々の座部(46,47)の深さよりも小さいことを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項19】
該切削インサート(2)の該接続面(25)は、4つの同一の、丸いノブ(31)を備えており、かつ該基体(1)の該接続面(11)は、4つの座部(46,47,66,67)を備えていて、そのうちの2つの座部(66,67)が、平行移動防止のノブ(31a)のための座部(46)よりも広くかつ浅いことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項20】
該基体(1)の該第1の接続面(11)が、2つの第1の係合手段(46,47)を備えており、また該切削インサート(2)の該第2の接続面(25)には、前記幾何学上の基準部位(C2)から等距離離れかつ互いに等角度で離れている、2つの同一の第2の係合手段(31)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項21】
該第1の係合手段が座部(46,47)であり、また該第2の係合手段がノブ(31)であって、このノブの逃げ面(33)は、円錐形状で、互いに平行である対の対向した平坦な側面(39)と共に形成されており、該2つの座部(46,47)のうちの第1の座部(46)は、円錐状の逃げ面(50)をもっており、一方、第2の座部(47)は、2つの対向する平坦な側面(55)及び2つの部分的な円錐状端面(56)とによって規定されることによって、細長形状であることを特徴とする請求項20に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項22】
該座部(46,47)が、2つの離融されたランド部(70)内で沈み込んでおり、この両ランド部間には、下方の支持面(48)が延在していることを特徴とする請求項21に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項23】
該支持面(48)が、2つの部分面(48a,48b)を含んでおり、そのうちの1つが、一方は該ランド部と、他方は該基体の2つの外部面(17,15)間の角部(19)で出会う2つの境界線(59,60)との間に境界を定められていることを特徴とする請求項22に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項24】
該ノブ(31)の円錐角度(α)が、20°〜65°の範囲内であることを特徴とする請求項2〜23のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項25】
該基体(1)の該第1の接続面(11)が、3つの第1の係合手段(46,47,66)を備えており、かつ該切削インサート(2)の該第2の接続面(25)には、前記幾何学上の基準部位(C2)からかつ互いに等距離離れている、3つの同一の第2の係合手段(31)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項26】
該第1の係合手段が座部(46,47,66)であり、該第2の係合手段がノブ(31)であって、このノブの逃げ面(33)は、該切削インサート(2)の下側から自由端(34)の下方に収束しており、互いに平行である対の対向した平坦な側面(39)とともに形成されていることを特徴とする請求項25に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項27】
各々のノブ(31)の側面(39)間の仮想の中心線(CL)が、該幾何学上の基準部位(C2)から径方向に延びていることを特徴とする請求項26に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項28】
該3つの座部のうちの第1の座部(46)には、円錐状の逃げ面(50)が設けられており、第2の座部(47)は、2つの対向する平坦な側面(55)及び2つの半円形の端面(56)とによって規定されることによって、細長形状であり、第3の座部(66)は、該ノブ(31)より幅広である一方で、該第1と第2の座部(46,47)よりも浅いことを特徴とする請求項26又は27に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項29】
該ノブ(31)の該逃げ面(33)の円錐角度(α)が、80°〜110°の範囲内であることを特徴とする請求項25〜28のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項30】
該幾何学上の基準部位が、該切削インサート(2)の中央の貫通孔(22)と、該基体(1)のねじ穴(12)との中心軸(C2)によって規定されることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項31】
雄のような及び/又は雌のような係合手段が形成されている接続面(25)を備えている、チップ除去機械加工用の工具の切削インサートであって、該切削インサートが、締め付け力が該切削インサートに適用できる、幾何学上の基準部位(C2)及び切削刃(18)が接続する角部とを有しているところのチップ除去機械加工用工具の切削インサートにおいて、
第1の係合手段(31)が、該基準部位(C2)から離隔されていて、かつ、該切削インサートを該基準部位(C2)から離隔された点(C4)に対して位置付けするため及び該接続面に平行な平面内で力が作用する任意の方向での該切削インサートの平行移動を防ぐために、回転対称でかつ先細の基本形状を有する逃げ面(33)を有しており、かつ
第2の係合手段(32)が、該基準部位(C2)から離隔されていて、該第1の係合手段(31)の回りでの該切削インサートの回転を妨げるために設けられていることを特徴とするチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項32】
個々の係合手段(31,32)が、ノブであって、このノブの逃げ面が、該切削インサートの下面(26)から自由端(34,44)の方向に収束していることを特徴とする請求項31に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項33】
該逃げ面(33)が、それが滑らかで、中断がない限り、エンドレスであることを特徴とする請求項31又は32に記載にチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項34】
該逃げ面(33)が円錐状であることを特徴とする請求項31〜33のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項35】
該個別のノブ(32)が、細長外形形状を有していることを特徴とする請求項32又は33に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項36】
該ノブ(32)の細長外形形状が、互いに平行である2つの側部逃げ面(39)によって決められ、2つの半円形端面(40)で終っていることを特徴とする請求項35に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項37】
該個々のノブ(31,32)の自由端が、該切削インサートのための軸受面(34,44)を形成していることを特徴とする請求項32〜36のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項38】
該軸受面(34,44)が平坦であることを特徴とする請求項37に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項39】
該切削インサートが、各角部に隣接する少なくとも2つの切削刃(18a,18b)を備えることによって、インデックス可能であり、また、
該接続面(25)が、一方では、回転対称の逃げ面(33)を有し、該切削インサートの該基準部位(C2)から等距離離隔されている2つの同一の第1の係合手段(31a,31b)と、他方では、該基準部位(C2)から同様に等距離離隔されている2つの同一の第2の係合手段(32a,32b)とを備えていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項40】
少なくとも一対の同一の係合手段がノブ(31a,31b)であることを特徴とする請求項39に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項41】
切削刃(18)の角部に最も近く位置している、2つの隣接するノブ(31a,31b)のうちの1方が、細長外形形状をしており、それにより、細長軸受面(44)を有していることを特徴とする請求項39又は40に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項42】
該軸受面(44)の延長長さが、該切削刃(18)のチップ除去の主刃(20)にほぼ平行していることを特徴とする請求項4に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項43】
該切削インサートが、2つの長い側部(23)と2つの短い側部(24)とを含むことによって細長外形形状を有しており、また
該接続面(25)が、4つのノブと共に形成されていて、それらのノブは、第1の長い側面の近辺に位置している、平行移動固定のノブ(31a)及び回転固定のノブ(32a)と、対向する長い側部の近辺に位置している、他の2つのノブ(31b,32b)であることを特徴とする請求項40〜42のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項44】
該平行移動固定のノブ(31)が、該ノブの自由端(34)と該切削インサートの下面(26)との間の距離によって決定されるような該ノブの高さよりも大きい平均直径を有していることを特徴とする請求項32〜43のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項45】
該接続面(25)が4つの同一の、丸いノブ(31c,31d,31e,31f)を備えていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項46】
該接続面(25)には、前記幾何学上の基準部位(C2)から等距離離隔されかつ互いに等角度で離隔されている、2つの同一の第2の係合手段(31)が設けられていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項47】
前記第2の係合手段がノブ(31)であり、そのノブの逃げ面(33)が、円錐形状であり、かつ互いに平行である対の対向した平坦な側面(39)と共に形成されていることを特徴とする請求項46に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項48】
該ノブ(31)が、軸受面(71)で沈み込んでいる、包囲する部分面(69)から突出していることを特徴とする請求項47に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項49】
該2つのノブ(31)が、2つの直径方向に対向した角度の近くに設置され、かつ前記軸受面(71)の2つの部分面(71a,71b)が、別の2つの角度から両方に延在していることを特徴とする請求項48に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項50】
それが、対向する上方と下方の側部に2つの同一の接続面(25,25a)を備えていることを特徴とする請求項46〜49のいずれか1つの記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項51】
該ノブ(31)の円錐角度(α)が、20°〜50°の範囲内であることを特徴とする請求項32〜50のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項52】
該接続面(25)には、3つの同一の係合手段(31)が設けられていて、これらは、該幾何学上の基準部位(C2)から及び互いに等距離離隔されていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項53】
各々の係合手段が、円錐状の逃げ面(33)を有するノブ(31)であり、該逃げ面には、一対の対向する平坦な側面(39)が凹まされていて、該側面は互いに平行であることを特徴とする請求項52に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項54】
各々のノブの該側面(39)間の仮想の中心線(CL)が、該幾何学上の基準部位(C2)から径方向に延びていることを特徴とする請求項53に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項55】
該ノブ(31)の逃げ面(33)の円錐角度が、80°〜110°の範囲内であることを特徴とする請求項52〜54のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項56】
該幾何学上の基準部位が、中央の貫通孔(22)の中心軸(C2)によって規定されていることを特徴とする請求項31〜55のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項1】
基体(1)と、該基体にインターフェースを介して着脱自在に接続される切削インサート(2)とを備えているチップ除去機械加工用の工具であって、
該インターフェースが、一方では、該基体に含まれ、1つ又はそれ以上の雌のような及び/又は雄のような第1の係合手段(46,47)が形成されている第1の接続面(11)と、他方では、該切削インサート(2)に含まれ、1つ又はそれ以上の雄のような及び/又は雌のような第2の係合手段(31,32)が、該第1の接続面の該第1の係合手段(46,47)と係合するために形成されている第2の接続面(25)とを含んでいて、該切削インサートと該基体の該第1と第2の接続面が、共通の幾何学上の基準部位(C2)を有しており、かつ該切削インサートが、切削刃(18)が接続する角部を含んでいるところのチップ除去機械加工用工具において、
該基準部位(C2)から離隔している一対の協同する第1と第2の係合手段(31,46)が、該基準部位から離隔している点(C3,C4)に該切削インサートを共同で位置付けするため、及び該インターフェース内で力が作用する任意の方向での該切削インサートの平行移動を防ぐために、回転対称の基本形を有する逃げ面(33,50)を備えていて、そのうちの少なくとも1つは先細形状であり、かつ
該2つの接続面が、前記対の係合手段(31,46)及び該基準部位(C2)から離れていて、前記対の係合手段(31,46)の回りの該切削インサートの回転を妨げる目的を有する係合手段(32,47)を含んでいる、
ことを特徴とするチップ除去機械加工用工具。
【請求項2】
該切削インサート(2)の平行移動を防止する、該第1の対の協同する係合手段(31,46)の第1の係合手段が、座部(46)であり、その座部の逃げ面(50)は底部(49)から口部の方向に発散しており、一方、該第2の係合手段が、ノブ(31)であり、そのノブの逃げ面(33)は、該切削インサート(2)の下面(26)から自由端(34)の方向に収束していることを特徴とする請求項1に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項3】
該逃げ面(33,50)の少なくとも1つは、同じものが滑かで、中断がない限り、エンドレスであることを特徴とする請求項1又は2に記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項4】
両方の逃げ面(33,50)が、少なくとも部分的に円錐形状をしていて、該ノブ(31)の該逃げ面(33)は、該座部(46)の該逃げ面(50)の円錐角部(β)よりも大きい円錐角度(α)を有していることを特徴とする請求項2又は3に記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項5】
該回転を固定する係合手段もまた、座部(47)とノブ(32)とであり、そのノブの逃げ面は、切削インサートの下面(26)から自由端(44)の方向に収束していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項6】
該ノブ(32)及び該座部(47)とが、細長外形形状を有していることを特徴とする請求項5に記載のチップ除去機械加工用の工具。
【請求項7】
該座部(47)は、該ノブ(32)より長いことを特徴とする請求項5又は6に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項8】
該ノブ(32)と該座部(47)の外形形状が、互いに平行していて、半円形の端面(41,56)で終わる直線状の側部逃げ面(39,55)によって決められていることを特徴とする請求項6又は7に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項9】
該切削インサートが、角部に隣接する少なくとも2つの切削刃(18a,18b)を備えることによってインデックス可能であって、
該切削インサート(2)の該接続面(25)が、該基準部位(C2)からかつ互いに離隔されている2つの同一で、平行移動固定の第2の係合手段(31a,31b)を備えていて、そのうちの1つの係合手段(31a)が、該基体(1)の該接続面(11)の第1の係合手段(46)と有効な係合をすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項10】
該第2の係合手段がノブ(31a,31b)であり、第1の係合手段が座部(46)であることを特徴とする請求項9に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項11】
該切削インサート(2)が、2つの平行移動固定のノブ(31a,31b)のほかに、該切削インサートの回転を固定する目的を有する、2つの追加の、互いに同一のノブ(32a,32b)を含んでいることを特徴とする請求項10に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項12】
該個々のノブ(31a,31b,32a,32b)の自由端が、該基体(1)の該接続面(11)内の支持面(48)に押圧可能な軸受面(34,44)を形成していることを特徴とする請求項10又は11に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項13】
該基体の該接続面内の該支持面(48)が、該ノブよりも幅が広い座部(66,67)の底面であることを特徴とする請求項12に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項14】
該基体の該接続面(11)が、異なるレベルに位置している2つの部分面(10,48)を備えていて、そのうちの最も下方に位置している部分面(48)は、支持面を形成しており、座部(46,47)の少なくとも1つは、最も上方に位置している部分面(10)内で沈み込んでいて、皿穴を形成していることを特徴とする請求項10〜13のうちの1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項15】
隣接するノブ(31a)よりも切削刃(18a,18b)の近くに位置する個別のノブ(32b)が、細長外形形状をしており、それによって、細長軸受面(44)を有していることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項16】
該軸受面(44)の延長長さが、該切削刃(18)のチップ除去主刃(20)にほぼ平行していることを特徴とする請求項15に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項17】
該切削インサート(2)が、2つの長い側部(23)と2つの短い側部(24)とを含むことによって、細長い基本形状を有しており、かつ該切削インサートが、4つのノブを備えていて、その1つは、平行移動固定のノブ(31a)で、別の1つは、回転固定のノブ(32a)で、これらの2つは、第1の長い側部の近辺に位置しており、他の2つのノブ(31b,32b)は、対向する長い側部の近辺に位置していることを特徴とする請求項10〜16のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項18】
該2つの部分面(10,48)間のレベル差は、該個々の座部(46,47)の深さよりも小さいことを特徴とする請求項14〜17のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項19】
該切削インサート(2)の該接続面(25)は、4つの同一の、丸いノブ(31)を備えており、かつ該基体(1)の該接続面(11)は、4つの座部(46,47,66,67)を備えていて、そのうちの2つの座部(66,67)が、平行移動防止のノブ(31a)のための座部(46)よりも広くかつ浅いことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項20】
該基体(1)の該第1の接続面(11)が、2つの第1の係合手段(46,47)を備えており、また該切削インサート(2)の該第2の接続面(25)には、前記幾何学上の基準部位(C2)から等距離離れかつ互いに等角度で離れている、2つの同一の第2の係合手段(31)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項21】
該第1の係合手段が座部(46,47)であり、また該第2の係合手段がノブ(31)であって、このノブの逃げ面(33)は、円錐形状で、互いに平行である対の対向した平坦な側面(39)と共に形成されており、該2つの座部(46,47)のうちの第1の座部(46)は、円錐状の逃げ面(50)をもっており、一方、第2の座部(47)は、2つの対向する平坦な側面(55)及び2つの部分的な円錐状端面(56)とによって規定されることによって、細長形状であることを特徴とする請求項20に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項22】
該座部(46,47)が、2つの離融されたランド部(70)内で沈み込んでおり、この両ランド部間には、下方の支持面(48)が延在していることを特徴とする請求項21に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項23】
該支持面(48)が、2つの部分面(48a,48b)を含んでおり、そのうちの1つが、一方は該ランド部と、他方は該基体の2つの外部面(17,15)間の角部(19)で出会う2つの境界線(59,60)との間に境界を定められていることを特徴とする請求項22に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項24】
該ノブ(31)の円錐角度(α)が、20°〜65°の範囲内であることを特徴とする請求項2〜23のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項25】
該基体(1)の該第1の接続面(11)が、3つの第1の係合手段(46,47,66)を備えており、かつ該切削インサート(2)の該第2の接続面(25)には、前記幾何学上の基準部位(C2)からかつ互いに等距離離れている、3つの同一の第2の係合手段(31)が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項26】
該第1の係合手段が座部(46,47,66)であり、該第2の係合手段がノブ(31)であって、このノブの逃げ面(33)は、該切削インサート(2)の下側から自由端(34)の下方に収束しており、互いに平行である対の対向した平坦な側面(39)とともに形成されていることを特徴とする請求項25に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項27】
各々のノブ(31)の側面(39)間の仮想の中心線(CL)が、該幾何学上の基準部位(C2)から径方向に延びていることを特徴とする請求項26に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項28】
該3つの座部のうちの第1の座部(46)には、円錐状の逃げ面(50)が設けられており、第2の座部(47)は、2つの対向する平坦な側面(55)及び2つの半円形の端面(56)とによって規定されることによって、細長形状であり、第3の座部(66)は、該ノブ(31)より幅広である一方で、該第1と第2の座部(46,47)よりも浅いことを特徴とする請求項26又は27に記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項29】
該ノブ(31)の該逃げ面(33)の円錐角度(α)が、80°〜110°の範囲内であることを特徴とする請求項25〜28のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項30】
該幾何学上の基準部位が、該切削インサート(2)の中央の貫通孔(22)と、該基体(1)のねじ穴(12)との中心軸(C2)によって規定されることを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具。
【請求項31】
雄のような及び/又は雌のような係合手段が形成されている接続面(25)を備えている、チップ除去機械加工用の工具の切削インサートであって、該切削インサートが、締め付け力が該切削インサートに適用できる、幾何学上の基準部位(C2)及び切削刃(18)が接続する角部とを有しているところのチップ除去機械加工用工具の切削インサートにおいて、
第1の係合手段(31)が、該基準部位(C2)から離隔されていて、かつ、該切削インサートを該基準部位(C2)から離隔された点(C4)に対して位置付けするため及び該接続面に平行な平面内で力が作用する任意の方向での該切削インサートの平行移動を防ぐために、回転対称でかつ先細の基本形状を有する逃げ面(33)を有しており、かつ
第2の係合手段(32)が、該基準部位(C2)から離隔されていて、該第1の係合手段(31)の回りでの該切削インサートの回転を妨げるために設けられていることを特徴とするチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項32】
個々の係合手段(31,32)が、ノブであって、このノブの逃げ面が、該切削インサートの下面(26)から自由端(34,44)の方向に収束していることを特徴とする請求項31に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項33】
該逃げ面(33)が、それが滑らかで、中断がない限り、エンドレスであることを特徴とする請求項31又は32に記載にチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項34】
該逃げ面(33)が円錐状であることを特徴とする請求項31〜33のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項35】
該個別のノブ(32)が、細長外形形状を有していることを特徴とする請求項32又は33に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項36】
該ノブ(32)の細長外形形状が、互いに平行である2つの側部逃げ面(39)によって決められ、2つの半円形端面(40)で終っていることを特徴とする請求項35に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項37】
該個々のノブ(31,32)の自由端が、該切削インサートのための軸受面(34,44)を形成していることを特徴とする請求項32〜36のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項38】
該軸受面(34,44)が平坦であることを特徴とする請求項37に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項39】
該切削インサートが、各角部に隣接する少なくとも2つの切削刃(18a,18b)を備えることによって、インデックス可能であり、また、
該接続面(25)が、一方では、回転対称の逃げ面(33)を有し、該切削インサートの該基準部位(C2)から等距離離隔されている2つの同一の第1の係合手段(31a,31b)と、他方では、該基準部位(C2)から同様に等距離離隔されている2つの同一の第2の係合手段(32a,32b)とを備えていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項40】
少なくとも一対の同一の係合手段がノブ(31a,31b)であることを特徴とする請求項39に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項41】
切削刃(18)の角部に最も近く位置している、2つの隣接するノブ(31a,31b)のうちの1方が、細長外形形状をしており、それにより、細長軸受面(44)を有していることを特徴とする請求項39又は40に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項42】
該軸受面(44)の延長長さが、該切削刃(18)のチップ除去の主刃(20)にほぼ平行していることを特徴とする請求項4に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項43】
該切削インサートが、2つの長い側部(23)と2つの短い側部(24)とを含むことによって細長外形形状を有しており、また
該接続面(25)が、4つのノブと共に形成されていて、それらのノブは、第1の長い側面の近辺に位置している、平行移動固定のノブ(31a)及び回転固定のノブ(32a)と、対向する長い側部の近辺に位置している、他の2つのノブ(31b,32b)であることを特徴とする請求項40〜42のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項44】
該平行移動固定のノブ(31)が、該ノブの自由端(34)と該切削インサートの下面(26)との間の距離によって決定されるような該ノブの高さよりも大きい平均直径を有していることを特徴とする請求項32〜43のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項45】
該接続面(25)が4つの同一の、丸いノブ(31c,31d,31e,31f)を備えていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項46】
該接続面(25)には、前記幾何学上の基準部位(C2)から等距離離隔されかつ互いに等角度で離隔されている、2つの同一の第2の係合手段(31)が設けられていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項47】
前記第2の係合手段がノブ(31)であり、そのノブの逃げ面(33)が、円錐形状であり、かつ互いに平行である対の対向した平坦な側面(39)と共に形成されていることを特徴とする請求項46に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項48】
該ノブ(31)が、軸受面(71)で沈み込んでいる、包囲する部分面(69)から突出していることを特徴とする請求項47に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項49】
該2つのノブ(31)が、2つの直径方向に対向した角度の近くに設置され、かつ前記軸受面(71)の2つの部分面(71a,71b)が、別の2つの角度から両方に延在していることを特徴とする請求項48に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項50】
それが、対向する上方と下方の側部に2つの同一の接続面(25,25a)を備えていることを特徴とする請求項46〜49のいずれか1つの記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項51】
該ノブ(31)の円錐角度(α)が、20°〜50°の範囲内であることを特徴とする請求項32〜50のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項52】
該接続面(25)には、3つの同一の係合手段(31)が設けられていて、これらは、該幾何学上の基準部位(C2)から及び互いに等距離離隔されていることを特徴とする請求項31〜38のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項53】
各々の係合手段が、円錐状の逃げ面(33)を有するノブ(31)であり、該逃げ面には、一対の対向する平坦な側面(39)が凹まされていて、該側面は互いに平行であることを特徴とする請求項52に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項54】
各々のノブの該側面(39)間の仮想の中心線(CL)が、該幾何学上の基準部位(C2)から径方向に延びていることを特徴とする請求項53に記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項55】
該ノブ(31)の逃げ面(33)の円錐角度が、80°〜110°の範囲内であることを特徴とする請求項52〜54のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【請求項56】
該幾何学上の基準部位が、中央の貫通孔(22)の中心軸(C2)によって規定されていることを特徴とする請求項31〜55のいずれか1つに記載のチップ除去機械加工用工具の切削インサート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2009−534199(P2009−534199A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506443(P2009−506443)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000344
【国際公開番号】WO2007/123456
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(505277521)サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ (284)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000344
【国際公開番号】WO2007/123456
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(505277521)サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ (284)
【Fターム(参考)】
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