説明

印刷物の製造方法、印刷物

【課題】所望の画像の輪郭部分に沿って確実に厚盛り膜を形成し、画像が立体視され、画像品質の優れた印刷物を提供する。
【解決手段】基材上に形成された画像に対応する位置に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を含み、前記第1凸部形成工程では、前記基材上に形成された前記画像の輪郭部分に対応する位置に第1突起部の材料を含む第1機能液を点在させながら塗布する第1塗布工程と、塗布された前記第1機能液を固化して、複数の前記第1突起部を形成する第1固化工程と、前記第1突起部によって囲まれた第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する第2塗布工程と、塗布された前記第2機能液を固化して、前記第1厚盛り膜を形成する第2固化工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物の製造方法、印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷物の付加価値を高めるため、厚盛り印刷法が用いられている。厚盛り印刷法では、基材上に印刷された画像部分の一部又は、全体を厚く盛り上げ、基材の表面に凹凸形状を形成する。これにより、立体感を持たせ、より意匠性を高めることできる。このような厚盛り印刷方法としては、例えば、インクジェット法を用いて、記録媒体上にベース画像を形成した後、形成されたベース画像上に絵柄画像を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−119243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の製造方法では、ベース画像上に絵柄画像の材料を含む機能液を塗布した際、機能液がベース画像以外の領域にまで濡れ広がってしまい、画像品質が低下してしまう、という課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかる印刷物の製造方法は、基材上に形成された画像に対応する位置に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を含み、前記第1凸部形成工程では、前記基材上に形成された前記画像の輪郭部分に対応する位置に第1突起部の材料を含む第1機能液を点在させながら塗布する第1塗布工程と、塗布された前記第1機能液を固化して、複数の前記第1突起部を形成する第1固化工程と、前記第1突起部によって囲まれた第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する第2塗布工程と、塗布された前記第2機能液を固化して、前記第1厚盛り膜を形成する第2固化工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、塗布された第1機能液を固化することにより、画像の輪郭部分に対応した位置に点在して複数の第1突起部が形成される。そして、当該第1突起部によって囲まれた第1領域に第2機能液が塗布される。この際、塗布された第2機能液は、第1突起部によって濡れ広がりが規制され、容易に第2機能液を第1領域に保持できる。そして、第2機能液が固化され第1厚盛り膜(第1凸部)が形成される。従って、所望の画像の輪郭部分に対応する位置に対して確実に第1凸部を形成することができる。これにより、画像が立体視され、画像品質の優れた印刷物を提供することができる。
【0008】
[適用例2]上記適用例にかかる印刷物の製造方法では、前記第1領域を複数の領域に区画するように、前記第1領域内に第2突起部の材料を含む第3機能液を点在させながら塗布する第3塗布工程と、前記第1固化工程では、塗布された前記第1機能液及び前記第3機能液を固化し、前記複数の第1突起部及び前記第2突起部を形成して、前記第1領域を区画する複数の領域を形成し、前記第2塗布工程では、前記第1突起部と前記第2突起部とによって区画された前記領域を含む前記第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布し、前記第2固化工程では、塗布された前記第2機能液を固化して、区画された前記領域を含む前記第1領域に前記第1厚盛り膜を形成することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第1領域を複数の領域に区画するように第3機能液が塗布され、塗布された第2機能液を固化することにより、複数の第2突起部が形成される。これにより、第1領域が複数の領域に区画される。すなわち、第1領域がより小さい領域に区画される。そして、複数の区画された領域を含む第1領域に第2機能液が塗布される。この際、塗布された第2機能液は、第1突起部によって濡れ広がりが規制され、容易に第2機能液を第1領域に保持できる。詳細には、区画された領域毎に第2機能液が保持される。そして、第2機能液が固化され第1厚盛り膜(第1凸部)が形成される。従って、例えば、比較的大きな面積に対して第1凸部を形成する場合に、区画された領域毎に第2機能液が確実に保持されて固化されるので、第1凸部の表面の凸凹(バルジ)を抑制し、グロス調の滑らかな表面状態を形成することができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例にかかる印刷物の製造方法では、前記第2固化工程の後で、前記第1凸部上に第3突起部の材料を含む第4機能液を点在させながら塗布する第4塗布工程と、塗布された前記第4機能液を固化して、前記第3突起部を形成する第3固化工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1凸部上に第2突起部が形成される。これにより、第1凸部の表面が凹凸形状となり、画像をマット調に表すことができる。
【0012】
[適用例4]上記適用例にかかる印刷物の製造方法では、前記第1凸部上に第2凸部を形成する第2凸部形成工程を有し、前記第2凸部形成工程では、前記第1凸部上に第4突起部の材料を含む第5機能液を点在させながら塗布する第5塗布工程と、塗布された前記第5機能液を固化して、前記第4突起部を形成する第4固化工程と、前記第4突起部によって囲まれた第2領域に第2厚盛り膜の材料を含む第6機能液を塗布する第6塗布工程と、塗布された前記第6機能液を固化して、前記第2厚盛り膜を形成する第5固化工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第1凸部上に塗布された第4機能液を固化することにより、第1凸部上に点在した複数の第3突起部が形成される。そして、当該第3突起部によって囲まれた第2領域に第5機能液が塗布される。この際、塗布された第5機能液は、第3突起部によって濡れ広がりが規制され、容易に第5機能液を第2領域に保持できる。そして、第5機能液が固化され第2厚盛り膜(第2凸部)が形成される。従って、さらに、膜厚が厚くなるので、立体感を増した印刷物を提供することができる。
【0014】
[適用例5]上記適用例にかかる印刷物の製造方法の前記第5塗布工程では、平面視における前記第1凸部の頂部の外縁より内側の領域に前記第5機能液を付着させることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1凸部の頂部の外縁よりも内側の領域に第2凸部が形成される。これにより、第1凸部と第2凸部との稜線がなだらかとなるため、外観品質を向上させることができる。
【0016】
[適用例6]上記適用例にかかる印刷物の製造方法では、前記基材の前記第1凸部が形成される領域以外の領域に第5突起部の材料を含む第7機能液を点在させながら塗布する第7塗布工程と、塗布された前記第7機能液を固化して、前記第5突起部を形成する第6固化工程と、を有することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、基材の表面に第4突起部が形成される。これにより、基材の表面をマット調に表した印刷物を提供することができる。
【0018】
[適用例7]本適用例にかかる印刷物は、画像が形成された基材と、前記画像に対応する位置に形成された第1凸部と、を含み、前記第1凸部は、前記基材上に形成された前記画像の輪郭部分に対応する位置に点在して形成された第1突起部と、前記第1突起部によって囲まれた第1領域に形成された第1厚盛り膜と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、画像の輪郭部分に沿って第1凸部が形成されるので、画像部分に立体感を有する印刷物を提供することができる。
【0020】
[適用例8]上記適用例にかかる印刷物は、前記第1突起部によって囲まれた前記第1領域を複数の領域に区画する第2突起部を備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、第1領域に形成される第1厚盛り膜が、区画された各領域で保持されるため、第1領域における第1厚盛り膜の密着強度を高めることができる。
【0022】
[適用例9]上記適用例にかかる印刷物は、前記第1凸部上に形成された第3突起部を備えたことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、第1凸部上に第3突起部が形成されるため、第1凸部上が凸凹となり、マット調を有する印刷物を提供することができる。
【0024】
[適用例10]上記適用例にかかる印刷物は、前記第1凸部上に形成された第2凸部を備え、前記第2凸部は、前記第1凸部上に点在して形成された第4突起部と、前記第4突起部によって囲まれた第2領域に形成された第2厚盛り膜と、を有していることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、第1凸部上にさらに第2凸部が形成されるので、さらに画像に立体感を持たせた印刷物を提供することができる。
【0026】
[適用例11]上記適用例にかかる印刷物は、前記基材の前記第1凸部が形成された領域以外の領域に第5突起部を備えたことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、基材の表面が凹凸形状となるため、基材の表面にマット調を持たせた印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態にかかる印刷物の構成を示し、(a)は平面図、(b)は一部拡大した平面図、(c)は断面図。
【図2】液滴吐出装置の構成を示す斜視図。
【図3】吐出ヘッドの構成を示す断面図。
【図4】制御部の構成を示すブロック図。
【図5】第1実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図。
【図6】第2実施形態にかかる印刷物の構成を示す断面図。
【図7】第2実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図。
【図8】第3実施形態にかかる印刷物の構成を示す断面図。
【図9】第3実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図。
【図10】第4実施形態にかかる印刷物の構成を示す断面図。
【図11】第4実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図。
【図12】変形例1にかかる印刷物の構成を示す断面図。
【図13】変形例2にかかる印刷物の構成を示す断面図。
【図14】変形例3にかかる印刷物の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の第1〜第4実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせて示している。
【0030】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。
【0031】
(第1実施形態にかかる印刷物の構成)
まず、本実施形態にかかる印刷物の構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる印刷物の構成を示し、同図(a)は平面図であり、同図(b)は、一部拡大した平面図であり、同図(c)は断面図である。印刷物は、画像が形成された基材と、画像に対応する位置に形成された第1凸部と、を含み、第1凸部は、基材上に形成された画像の輪郭部分に対応する位置に点在して形成された第1突起部と、第1突起部によって囲まれた第1領域に形成された第1厚盛り膜と、を備えたものである。本実施形態にかかる印刷物は、図1(a)に示すように、印刷物200は、画像211が形成された基材210と、画像211上に形成された第1凸部220と、を含み、第1凸部220は、基材210上に形成された画像211の輪郭部分に沿って点在して形成された第1突起部221と、第1突起部221によって囲まれた第1領域240に形成された第1厚盛り膜222と、を備えている。
【0032】
図1(b),(c)に示すように、本実施形態において、第1突起部221は、画像211上であって、画像211の端部に沿って点在して形成されている。第1突起部221の配置ピッチは、任意に設定することができる。なお、本実施形態における第1突起部221の配置ピッチは、図1(b)に示すように、平面視における第1突起部の最大径よりも大きくなるように配置されている。また、基材210の表面210aから第1凸部220の厚み方向における第1突起部221の高さは、任意に設定することができる。この場合、図1(c)に示すように、所望する第1凸部220の形態に基づいて設定することができる。
【0033】
基材210は、例えば、プラスチックフィルム(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリビニルアルコール(PVA)等)、各種印刷用紙、ダンボール、金属部材(アルミ箔や銅箔等)である。また、これらの基材210の表面210aには、例えば、受容層などのコーティング層が形成されていてもよい。さらに、各種プラスチックフィルムを貼り合わせたものでもよいし、金属部材の表面に蒸着膜が形成されたものであってもよい。
【0034】
画像211の形態は、例えば、絵柄や図形や文字等であり、特に限定されるものではない。本実施形態では、色要素を含む画像211である。画像211は、紫外線硬化型インクや熱硬化型インク等各種機能液を適用することができる。紫外線硬化型インクとしては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系など適宜用いることができる。また、熱硬化型インクについては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系など適宜用いることができる。
【0035】
第1突起部221は、各種機能液を固化させたものである。具体的には、紫外線硬化型インクや熱硬化型インクを画像211の輪郭部分に沿って塗布させたものを固化させている。紫外線硬化型インクとしては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系など適宜用いることができる。また、熱硬化型インクについては、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系など適宜用いることができる。なお、第1突起部221の色材の有無については、特に限定されないが、本実施形態では、画像211が有する色要素を表すため、透明の各種機能液を用いている。
【0036】
第1厚盛り膜222は、第1突起部221と同様の材料が用いられる。具体的には、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系などの紫外線硬化型インクや、アクリル系、エポキシ系、シリコーン系などの熱硬化型インクを適宜用いることができる。そして、これらのインクを基材210上に塗布させたものを固化させることにより形成される。なお、第1厚盛り膜222の色材の有無については、特に限定されないが、本実施形態では、画像211が有する色要素を表すため、透明の各種機能液を用いている。
【0037】
図1に示すように、印刷物200は、画像211上に透明部材の第1凸部220が形成されるため、画像211を盛り上がらせて見せることができる。そして、印刷物200は、例えば、各種書籍類、パンフレット、ポストカード、パッケージ、紙器等に適宜適用することができる。このように、視覚や触覚を通じて付加価値の高い印刷物200を提供することができる。
【0038】
(第1実施形態にかかる印刷物の製造方法)
次に、本実施形態にかかる印刷物の製造方法について説明する。なお、印刷物の製造方法の説明に先立ち、印刷物の製造方法に用いられる液滴吐出装置の構成例について説明する。なお、本実施形態では、機能液としての紫外線硬化型インクを使用する場合の装置構成について説明する。
【0039】
まず、液滴吐出装置の構成について説明する。図2は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。図2に示すように、液滴吐出装置1には、直方体形状に形成される基台2が備えられている。本実施形態では、この基台2の長手方向をY方向とし、同Y方向と直交する方向をX方向とする。
【0040】
基台2の上面2aには、Y方向に延びる一対の案内レール3a,3bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台2の上側には、一対の案内レール3a,3bに対応する図示しない走査手段を備えたステージ4が取り付けられている。ステージ4は、基材210を載置するものである。走査手段は、例えば、直動機構であり、当該直動機構は、例えば案内レール3a,3bに沿ってY方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するY軸モーター(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モーターに入力されると、Y軸モーターが正転又は逆転して、ステージ4が同ステップ数に相当する分だけ、Y軸方向に沿って所定の速度で往動又は、復動する(Y軸方向に走査する)ようになっている。
【0041】
さらに、基台2の上面2aには、案内レール3a,3bと平行にステージ位置検出装置5が配置され、ステージ4の位置が計測できるようになっている。
【0042】
そのステージ4の上面には、載置面6が形成され、その載置面6には、図示しない吸引式の部材チャック機構が設けられている。そして、載置面6に基材210を載置すると、部材チャック機構によって、その基材210が載置面6の所定位置に位置決め固定されるようになっている。
【0043】
基台2のX方向両側には、一対の支持台8a,8bが立設され、その一対の支持台8a,8bには、X方向に延びる案内部材9が架設されている。案内部材9は、ステージ4のX方向における幅よりも長く形成され、その一端が支持台8a側に張り出すように配置されている。案内部材9の上側には、吐出する機能液を供給可能に収容する収容タンク10が配設されている。一方、その案内部材9の下側には、X方向に延びる案内レール11がX方向全幅にわたり凸設されている。
【0044】
案内レール11に沿って移動可能にキャリッジ12が配置されている。キャリッジ12は、略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ12の直動機構は、例えば案内レール11に沿ってX軸方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モーター(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モーターに入力すると、X軸モーターが正転又は逆転して、キャリッジ12が同ステップ数に相当する分だけX方向に沿って往動又は復動する(X軸方向に走査する)。案内部材9とキャリッジ12との間には、キャリッジ位置検出装置13が配置され、キャリッジ12の位置が計測できるようになっている。そして、キャリッジ12の下面(ステージ4側の面)には、吐出ヘッド14が設置されている。
【0045】
また、キャリッジ12のX軸方向における両端部のそれぞれに第1紫外線照射部50aと第2紫外線照射部50bが配置されている。第1および第2紫外線照射部50a,50bのそれぞれに複数の紫外線光源が設置されている。そして、第1および第2紫外線照射部50a,50bを駆動させることにより紫外線光源から紫外線が照射される。なお、紫外線光源は、LEDの他、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等適宜適用することができる。
【0046】
基台2の片側の一方(図中X軸方向の逆方向)には、保守用基台15が配置されている。保守用基台15の上面15aには、Y軸方向に延びる一対の案内レール16a,16bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その保守用基台15の上側には、一対の案内レール16a,16bに対応する図示しない直動機構を備えた移動手段を構成する保守ステージ17が取り付けられている。その保守ステージ17の直動機構は、例えばステージ4と同様の直動機構であり、Y軸方向に沿って往動又は、復動するようになっている。
【0047】
保守ステージ17の上には、吐出ヘッド14のメンテナンスを行うヘッドメンテナンス部21が設けられている。ヘッドメンテナンス部21は、フラッシングユニット18とキャッピングユニット19とワイピングユニット20を含む。
【0048】
フラッシングユニット18は、吐出ヘッド14内の流路を洗浄するとき、吐出ヘッド14から吐出する液滴を受ける装置である。吐出ヘッド14内の機能液が硬化した場合や固形物が混入した場合に、吐出ヘッド14から液滴を吐出(フラッシング動作)することにより、機能液の状態を調整したり、固形物等を除去する。フラッシングユニット18は、吐出された液滴を捕集する機能を有している。
【0049】
キャッピングユニット19は、主に、吐出ヘッド14に蓋をするとともに吐出ヘッド14内の機能液を吸引する装置である。吐出ヘッド14から吐出する液滴は、揮発性を有する場合があり、吐出ヘッド14に内在する機能液の溶媒がノズルから揮発すると、機能液の粘度が変わり、ノズルが目詰まりすることがある。キャッピングユニット19は、吐出ヘッド14に蓋をすることで、ノズルが目詰まりすることを防止するようになっている。また、吐出ヘッド14に蓋をした状態で、当該蓋内に負圧をかけ、吐出ヘッド14内の機能液を吸引することにより、吐出ヘッド14内の気泡や異物等を取り除くことができる。
【0050】
ワイピングユニット20は、吐出ヘッド14のノズルが配置されているノズルプレートを拭く装置である。ノズルプレートは、吐出ヘッド14において、基材210と対向する側の面に配置されている部材である。ノズルプレートに液滴が付着しているとき、ノズルプレートに付着している液滴と基材210とが接触して、基材210において、予定外の場所に液滴が付着してしまうことがある。ワイピングユニット20は、ノズルプレートを拭くことにより、予定外の場所に液滴が付着してしまうことを防止することができる。
【0051】
保守用基台15と基台2との間には、重量測定装置22が配置されている。重量測定装置22には、電子天秤が2台設置され、各電子天秤には、受け皿が配置されている。液滴が、吐出ヘッド14から受け皿に吐出され、電子天秤が液滴の重量を測定するようになっている。受け皿は、スポンジ状の吸収体を備え、吐出される液滴が、跳ねて、受け皿の外に出ないようになっている。電子天秤は、吐出ヘッド14が液滴を吐出する前後で、受け皿の重量を測定し、吐出前後の受け皿の重量の差分を測定している。
【0052】
キャリッジ12が、案内レール11に沿って、X軸方向に移動すると、吐出ヘッド14が、ヘッドメンテナンス部21や重量測定装置22や基材210と対向する場所に移動することができるようになっている。
【0053】
次に、吐出ヘッドの構成について説明する。図3は、吐出ヘッドの構成を示す断面図である。図3に示すように、吐出ヘッド14は、ノズルプレート30を備え、ノズルプレート30には、ノズル孔31が形成されている。ノズルプレート30の上側であってノズル孔31と相対する位置には、ノズル孔31と連通するキャビティ32が形成されている。そして、吐出ヘッド14のキャビティ32には、収容タンク10に貯留されている機能液33が供給される。
【0054】
キャビティ32の上側には、上下方向(Z方向:縦振動)に振動して、キャビティ32内の容積を拡大縮小する振動板34と、上下方向に伸縮して振動板34を振動させる加圧手段としての圧電素子35が配設されている。圧電素子35が上下方向に伸縮して振動板34を振動し、振動板34がキャビティ32内の容積を拡大縮小してキャビティ32を加圧する。それにより、キャビティ32内の圧力が変動し、キャビティ32内に供給された機能液33は、ノズル孔31を通って吐出されるようになっている。
【0055】
そして、吐出ヘッド14が圧電素子35を制御駆動するための駆動信号を受けると、圧電素子35が伸張して、振動板34がキャビティ32内の容積を縮小する。その結果、吐出ヘッド14のノズル孔31からは、縮小した容積分の機能液33が液滴36として吐出される。なお、本実施形態では、加圧手段として、縦振動型の圧電素子35を用いたが、特に、これに限定されず、例えば、下電極と圧電体層と上電極とを積層形成した撓み変形型の圧電素子を用いてもよい。また、圧力発生手段として、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズルから液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用してもよい。さらには、発熱体を用いてノズル内に泡を発生させ、その泡によって機能液を液滴として吐出させる構成を有する吐出ヘッドであってもよい。
【0056】
次に、制御部の構成について説明する。図4は、液滴吐出装置の制御部の構成を示すブロックである。図4に示すように、液滴吐出装置1は、制御部38を備えている。制御部38は、指令部130と駆動部140とを備え、指令部130は、CPU132、記憶手段としてのROM133、RAM134および入出力インターフェイス131からなり、CPU132が、ROM133、RAM134のデータに基づき処理し、入出力インターフェイス131を介して駆動部140へ制御信号を出力する。CPU132は、例えば、ROM133に記憶されたプログラムソフトに従って、基材210の表面210aの所定位置に機能液33を液滴36として吐出するための制御を行うものである。
【0057】
また、ROM133またはRAM134には、紫外線照射光量に応じた複数のフラッシング条件等が記憶されている。そして、CPU132は、紫外線照射光量に応じて、フラッシング条件を選択し、選択されたフラッシング条件でフラッシング動作を行わせるための制御を行う。
【0058】
駆動部140は、ヘッドドライバー141、モータードライバー142、ステージ位置検出ドライバー143、キャリッジ位置検出ドライバー144、メンテナンスドライバー145、第1紫外線照射ドライバー147、第2紫外線照射ドライバー148等から構成されている。モータードライバー142は、指令部130の制御信号により、X軸モーターやY軸モーターを制御し、基材210や吐出ヘッド14の移動を制御する。また、メンテナンスドライバー145は、フラッシングユニット18、キャッピングユニット19、ワイピングユニット20のそれぞれを制御する。ヘッドドライバー141は、吐出ヘッド14を制御し、モータードライバー142の制御と同調して、基材210上の所定位置への移動やヘッドメンテナンス部21への移動を制御する。ステージ位置検出ドライバー143は、ステージ位置検出装置5を制御し、キャリッジ位置検出ドライバー144は、キャリッジ位置検出装置13を制御する。
【0059】
次に、本実施形態にかかる印刷物の製造方法について説明する。図5は、本実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図である。印刷物の製造方法は、基材上に形成された画像に対応する位置に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を含み、第1凸部形成工程では、基材上に形成された画像の輪郭部分に対応する位置に第1突起部の材料を含む第1機能液を点在させながら塗布する第1塗布工程と、塗布された第1機能液を固化して、複数の第1突起部を形成する第1固化工程と、第1突起部によって囲まれた第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する第2塗布工程と、塗布された第2機能液を固化して、第1厚盛り膜を形成する第2固化工程と、を含むものである。以下、具体的に説明する。
【0060】
まず、基材210上に画像211を形成する。具体的には、液滴吐出装置1を用いて、図5(a)に示すように、基材210上に画像211の材料を含む機能液を液滴36として吐出し、基材210上に機能液211aを付着させる。なお、本実施形態では、エポキシ系の紫外線硬化型インクを液滴36として吐出する。
【0061】
次いで、図5(b)に示すように、塗布された機能液211aを固化する。具体的には、塗布された機能液211aに向けて第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射させる。これにより、機能液211aが固化し、画像211が形成される。なお、本実施形態の画像211は、表面が撥液性を有する紫外線硬化型インクを用いている。この場合、例えば、静的接触角が20°〜70°、さらには、30°〜50°に設定することが好ましい。また、動的接触角については、前進接触角と後退接触角との差が30°以下であることが好ましい。このように設定することにより次工程における第1突起部221や第1厚盛り膜222を所望の通り形成することができる。
【0062】
次いで、第1塗布工程では、図5(c)に示すように、液滴吐出装置1の吐出ヘッド14から基材210上に形成された画像211の輪郭部分に沿って第1突起部の材料を含む第1機能液を液滴36として吐出して、第1機能液221aを点在させて塗布する。本実施形態では、第1機能液としてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを用いて、画像211の端部に塗布する。なお、第1塗布工程では、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。
【0063】
次いで、第1固化工程では、塗布された第1機能液221aを固化する。これにより、図5(d)に示すように、画像211上に複数の第1突起部221が形成される。第1機能液221aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第1機能液221aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第1機能液221aを硬化させることができる。
【0064】
次いで、第2塗布工程では、図5(e)に示すように、複数の第1突起部221によって囲まれた第1領域240に第1厚盛り膜222の材料を含む第2機能液222aを塗布する。本実施形態では、第2機能液222aとしてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを用いて、複数の第1突起部221によって囲まれる第1領域240に塗布する。この際、複数の第1突起部221よって囲まれる第1領域240に塗布された第2機能液222aは、画像211上の撥液性の効果と複数の第1突起部221による濡れ広がりの規制効果によって保持される。
【0065】
なお、第2塗布工程では、所望の寸法の厚盛り膜を得るために、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。塗布回数を増やすことにより、第1領域240内に保持される第2機能液222aの量が増える。これにより、第2機能液222aの厚み方向の増加や平面視における第2機能液222aの面積の広げることができる。
【0066】
次いで、第2固化工程では、塗布された第2機能液222aを固化する。これにより、図5(f)に示すように、第1領域240に第1厚盛り膜222が形成される。第2機能液222aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第2機能液222aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第2機能液222aを硬化させることができる。
【0067】
以上の工程を経ることにより、複数の第1突起部221と第1厚盛り膜222とで第1凸部220が形成される。そして、画像211上に第1凸部220を有する印刷物200が形成される。
【0068】
以上、上記の第1実施形態によれば、以下の効果がある。
【0069】
塗布された第1機能液221aを固化することにより、画像211の輪郭部分に沿って点在した複数の第1突起部221が形成される。そして、当該第1突起部221によって囲まれた第1領域240に第2機能液222aが塗布される。この際、塗布された第2機能液222aは、画像211上における撥液効果と複数の第1突起部221によって濡れ広がりが規制されるため、容易に第2機能液222aを第1領域240に保持できる。そして、第2機能液222aを固化することにより第1厚盛り膜222(第1凸部220)が形成される。従って、所望の画像211の輪郭部分に沿って確実に第1凸部220が形成される。これにより、画像211が立体視され、意匠性の優れた印刷物200を提供することができる。
【0070】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
【0071】
(第2実施形態にかかる印刷物の構成)
まず、本実施形態にかかる印刷物の構成について説明する。図6は、本実施形態にかかる印刷物の構成を示す断面図である。図6に示すように、印刷物300は、画像211が形成された基材210と、画像211上に形成された第1凸部220と、を含み、第1凸部220は、基材210上に形成された画像211の輪郭部分に沿って点在して形成された第1突起部221と、第1突起部221によって囲まれた第1領域240に形成された第1厚盛り膜222と、を備えている。さらに、第1領域240を複数の区画領域240aに区画するように、第1領域240に第2突起部251が形成されている。各区画領域240aの広さは特に限定されないが、各区画領域240aの広さがほぼ均等に区画されていることが好ましい。これにより、第1厚盛り膜222が形成された際の第1凸部220の表面状態を滑らかにすることができる。なお、第1突起部221、第1厚盛り膜222の構成や材料等は第1実施形態と同様であり、また、第2突起部251の材料は、第1突起部と同様なので、説明を省略する。また、印刷物300の適用方法についても第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0072】
(第2実施形態にかかる印刷物の製造方法)
次に、本実施形態にかかる印刷物の製造方法について説明する。本実施形態にかかる印刷物の製造方法は、第1領域を複数の領域に区画するように、第1領域内に第2突起部の材料を含む第3機能液を点在させながら塗布する第3塗布工程と、第1固化工程では、塗布された第1機能液及び第3機能液を固化し、複数の第1突起部及び第2突起部を形成して、第1領域を区画する複数の領域を形成し、第2塗布工程では、第1突起部と第2突起部とによって区画された領域を含む第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布し、第2固化工程では、塗布された第2機能液を固化して、区画された領域を含む第1領域に第1厚盛り膜を形成するものである。なお、印刷物の製造方法において用いられる液滴吐出装置の構成等は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0073】
図7は、本実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図である。
【0074】
まず、基材210上に画像211を形成する。具体的には、液滴吐出装置1を用いて、図7(a)に示すように、基材210上に画像211の材料を含む機能液を液滴36として吐出し、基材210上に機能液211aを付着させる。なお、本実施形態では、エポキシ系の紫外線硬化型インクを液滴36として吐出する。
【0075】
次いで、図7(b)に示すように、塗布された機能液211aを固化する。具体的には、塗布された機能液211aに向けて第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射させる。これにより、機能液211aが固化し、画像211が形成される。なお、本実施形態の画像211は、表面が撥液性を有する紫外線硬化型インクを用いている。この場合、例えば、静的接触角が20°〜70°、さらには、30°〜50°に設定することが好ましい。また、動的接触角については、前進接触角と後退接触角との差が30°以下であることが好ましい。このように設定することにより次工程における第1突起部221や第1厚盛り膜222を所望の通り形成することができる。
【0076】
次いで、第1塗布工程では、図7(c)に示すように、液滴吐出装置1の吐出ヘッド14から基材210上に形成された画像211の輪郭部分に沿って第1突起部の材料を含む第1機能液を液滴36として吐出して、第1機能液221aを点在させて塗布する。本実施形態では、第1機能液としてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを用いて、画像211の端部に塗布する。なお、第1塗布工程では、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。そして、着弾された第1機能液221aにより第1領域240が形成される。
【0077】
次いで、第3塗布工程では、図7(d)に示すように、第1領域240を複数の領域に区画するように、第1領域240内に第2突起部251の材料を含む第3機能液251aを点在させながら塗布する。本実施形態では、第3機能液251aとしてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを塗布する。なお、第3塗布工程では、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。そして、着弾された第3機能液251aにより第1領域240に複数の区画領域240aが区画される。
【0078】
なお、上記の第3塗布工程は、第1塗布工程と同時期に実施してもよい。すなわち、同一の材料である第1機能液221aと第3機能液251aとを同時期に吐出して、画像211上に第1機能液221aと第3機能液251aを塗布してもよい。このようにすれば、製造工程を簡略化させることができる。
【0079】
次いで、第1固化工程では、塗布された第1及び第3機能液221a,251a(紫外線硬化型インク)を固化する。これにより、図7(e)に示すように、第1突起部221と第2突起部251が形成される。第1及び第3機能液221a,251aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第1及び第3機能液221a,251aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第1及び第3機能液221a,251aを硬化させることができる。そして、第1及び第2突起部221,251の形成により第1領域240が複数の区画領域240aに区画される。
【0080】
次いで、第2塗布工程では、図7(f)に示すように、第1突起部221と第2突起部251とによって区画された区画領域240aを含む第1領域240に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する。本実施形態では、第2機能液としてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを用いる。この際、第1領域240に塗布された第2機能液222aは、画像211の表面の撥液性の効果と区画領域240a毎に形成された第1及び第2突起部221,251により、濡れ広がりが規制され、第2機能液222aが第1領域240に保持される。
【0081】
なお、第2塗布工程では、所望の寸法の厚盛り膜を得るために、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。塗布回数を増やすことにより、第1領域240内に滞留する第2機能液222aの量が増える。これにより、第2機能液222aの厚み方向の増加や平面視における第2機能液222aの面積の広げることができる。
【0082】
次いで、第2固化工程では、塗布された第2機能液222aを固化する。これにより、図7(g)に示すように、区画領域240aを含む第1領域240に第1厚盛り膜222が形成される。第2機能液222aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第2機能液222aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第2機能液222aを硬化させることができる。
【0083】
以上の工程を経ることにより、印刷物300が形成される。
【0084】
以上、上記の第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加え、以下の効果がある。
【0085】
第1突起部221によって囲まれる第1領域240に第2突起部251が形成されて、第1領域240を複数に区画する区画領域240aが形成される。これにより、第1領域240に第2機能液222aを塗布した際、区画領域240a毎に第2機能液222aが容易に保持される。従って、第2機能液222aを固化した際、第1凸部220の表面に凹凸(バルジ)の発生が低減され、第1凸部220の表面が滑らかなグロス調の表面を形成することができる。
【0086】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。
【0087】
(第3実施形態にかかる印刷物の構成)
まず、本実施形態にかかる印刷物の構成について説明する。図8は、本実施形態にかかる印刷物の構成を示す断面図である。図8に示すように、印刷物400は、画像211が形成された基材210と、画像211上に形成された第1凸部220と、を含み、第1凸部220は、基材210上に形成された画像211の輪郭部分に沿って点在して形成された第1突起部221と、第1突起部221によって囲まれた第1領域240に形成された第1厚盛り膜222と、を備えている。さらに、第1凸部220上に第3突起部が形成されている。なお、第1突起部221、第1厚盛り膜222の構成や材料等は第1実施形態と同様であり、また、第3突起部261の材料は、第1突起部と同様なので、説明を省略する。また、印刷物400の適用方法についても第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0088】
(第3実施形態にかかる印刷物の製造方法)
次に、本実施形態にかかる印刷物の製造方法について説明する。本実施形態にかかる印刷物の製造方法は、基材上に形成された画像に対応する位置に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を含み、第1凸部形成工程では、基材上に形成された画像の輪郭部分に対応する位置に第1突起部の材料を含む第1機能液を点在させながら塗布する第1塗布工程と、塗布された第1機能液を固化して、複数の第1突起部を形成する第1固化工程と、第1突起部によって囲まれた第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する第2塗布工程と、塗布された第2機能液を固化して、第1厚盛り膜を形成する第2固化工程と、第2固化工程の後で、第1凸部上に第3突起部の材料を含む第4機能液を点在させながら塗布する第4塗布工程と、塗布された第4機能液を固化して、第3突起部を形成する第3固化工程と、を有するものである。以下、具体的に説明する。なお、印刷物の製造方法において用いられる液滴吐出装置の構成等は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0089】
図9は、本実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図である。なお、本実施形態における第1塗布工程〜第2固化工程は、第1実施形態と同様なので説明を省略する(図5(a)〜図5(f)参照)。
【0090】
次いで、第2固化工程の後で、第4塗布工程では、図9(a)に示すように、第1凸部220上に第3突起部261の材料を含む第4機能液261aを点在させながら塗布する。本実施形態では、第4機能液261aとしてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを塗布する。なお、第4塗布工程では、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。これにより、第1凸部220上に第4機能液261aが付着される。
【0091】
次いで、第3固化工程では、第4機能液261aを固化する。これにより、図9(b)に示すように、第3突起部261が形成される。第4機能液261aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第1機能液221aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第4機能液261aを硬化させることができる。
【0092】
以上の工程を経ることにより、印刷物400が形成される。
【0093】
以上、上記の第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の効果に加え、以下の効果がある。
【0094】
第1凸部220上の頂部に複数の第3突起部261が形成される。このため、第1凸部220の頂部が凹凸形状となり、外観視において、マット調に表すことができる。
【0095】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。
【0096】
(第4実施形態にかかる印刷物の構成)
まず、本実施形態にかかる印刷物の構成について説明する。図10は、本実施形態にかかる印刷物の構成を示す断面図である。図10に示すように、印刷物500は、画像211が形成された基材210と、画像211上に形成された第1凸部220と、を含み、第1凸部220は、基材210上に形成された画像211の輪郭部分に沿って点在して形成された第1突起部221と、第1突起部221によって囲まれた第1領域240に形成された第1厚盛り膜222と、を有している。さらに、第1凸部220上に形成された第2凸部270を備えている。当該第2凸部は、第1凸部220上に点在して形成された第4突起部271と、第4突起部271によって囲まれた第2領域280に形成された第2厚盛り膜272と、を有している。また、第2凸部270は、平面視における第1凸部220の頂部の外縁より内側の領域に形成されている。なお、第1突起部221、第1厚盛り膜222の構成や材料等は第1実施形態と同様なので、説明を省略する。また、第4突起部271の材料等は、第1突起部221と同様であり、第2厚盛り膜272の材料等は第1厚盛り膜222と同様なので説明を省略する。また、印刷物500の適用方法についても第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0097】
(第4実施形態にかかる印刷物の製造方法)
次に、本実施形態にかかる印刷物の製造方法について説明する。本実施形態にかかる印刷物の製造方法は、基材上に形成された画像上に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を含み、第1凸部形成工程では、基材上に形成された画像の輪郭部分に沿って第1突起部の材料を含む第1機能液を点在させながら塗布する第1塗布工程と、塗布された第1機能液を固化して、複数の第1突起部を形成する第1固化工程と、第1突起部によって囲まれた第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する第2塗布工程と、塗布された第2機能液を固化して、第1厚盛り膜を形成する第2固化工程と、第1凸部上に第2凸部を形成する第2凸部形成工程を有し、第2凸部形成工程では、第1凸部上に第4突起部の材料を含む第5機能液を点在させながら塗布する第5塗布工程と、塗布された第5機能液を固化して、第4突起部を形成する第4固化工程と、第4突起部によって囲まれた第2領域に第2厚盛り膜の材料を含む第6機能液を塗布する第6塗布工程と、塗布された第6機能液を固化して、第2厚盛り膜を形成する第5固化工程と、を含むものである。以下、具体的に説明する。なお、印刷物の製造方法において用いられる液滴吐出装置の構成等は第1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0098】
図11は、本実施形態にかかる印刷物の製造方法を示す工程図である。なお、本実施形態における第1塗布工程〜第2固化工程は、第1実施形態と同様なので説明を省略する(図5(a)〜図5(f)参照)。
【0099】
次いで、第1凸部220上に第2凸部270を形成する第2凸部形成工程について説明する。まず、第5塗布工程では、図11(a)に示すように、液滴吐出装置1の吐出ヘッド14から第1凸部220上に第4突起部271の材料を含む第5機能液271aを液滴36として吐出して、第5機能液271aを点在させて塗布する。本実施形態では、第5機能液271aとしてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを塗布する。なお、第5塗布工程では、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。
【0100】
また、第5塗布工程では、平面視における第1凸部220の頂部の外縁より内側の領域に第5機能液271aを付着させる。
【0101】
次いで、第4固化工程では、塗布された第5機能液271aを固化する。これにより、図11(b)に示すように、複数の第4突起部271が形成される。第5機能液271aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第5機能液271aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第5機能液271aを硬化させることができる。そして、第4突起部271により区画される第2領域280が形成される。
【0102】
次いで、第6塗布工程では、図11(c)に示すように、複数の第4突起部271によって囲まれた第2領域280に第2厚盛り膜の材料を含む第6機能液272aを塗布する。本実施形態では、第6機能液272aとしてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを用いて、複数の第4突起部271によって囲まれる第2領域280に塗布する。この際、複数の第4突起部271よって囲まれる第2領域280に塗布された第6機能液272aは、第1凸部220の表面210aの撥液性の効果と複数の第4突起部271により、濡れ広がりが規制され、第2領域280にて保持される。
【0103】
なお、第6塗布工程では、所望の寸法の厚盛り膜を得るために、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。塗布回数を増やすことにより、第2領域280内に保持される第6機能液272aの量が増える。これにより、第6機能液272aの厚み方向の増加や平面視における第6機能液272aの面積の広げることができる。
【0104】
次いで、第5固化工程では、塗布された第6機能液272aを固化する。これにより、図11(d)に示すように、第2領域280に第2厚盛り膜272が形成される。第6機能液272aを固化させる方法としては、液滴吐出装置1を用いて、塗布された第6機能液272aに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射する。これにより第6機能液272aを硬化させることができる。
【0105】
以上の工程を経ることにより、印刷物500が形成される。
【0106】
以上、上記の第4実施形態によれば、第1〜第3実施形態の効果に加え、以下の効果がある。
【0107】
第1凸部220上に第2凸部270が形成されるので、さらに、膜厚が厚くなり、立体感を増した印刷物を提供することができる。また、第2凸部270が、平面視において、第1凸部の頂部の外縁より内側の領域に形成されるので、第1凸部220と第2凸部270との稜線が滑らかとなるため、外観品質を向上させることができる。
【0108】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0109】
(変形例1)上記実施形態では、第1突起部221を画像211上に形成したが、これに限定されない。画像211の輪郭部分に第1突起部221を形成すればよい。図12は、変形例1にかかる印刷物の構成を示す断面図である。図12(a)に示すように、断面視において、画像211の端部であって、基材210上に第1突起部221を形成してもよい。また、図12(b)に示すように、断面視において、画像211と離れた基材210上に第1突起部221を形成してもよい。この場合において、基板は撥液性の処理を施ことが好ましい。液滴36を塗布した際に、濡れ広がりを抑制し、所望の第1突起部221を形成するためである。撥液効果としては、例えば、静的接触角が20°〜70°、さらには、30°〜50°に設定することが好ましい。また、動的接触角については、前進接触角と後退接触角との差が30°以下であることが好ましい。このため、準備した基材210の表面210aの状態が、上記の撥液効果に満たない場合には、基材210の表面210aに撥液処理を施す。この場合、例えば、液滴吐出装置1を用いて、基材210の表面210aの全面にエポキシ系の紫外線硬化型インクを塗布する。そして、塗布された紫外線硬化型インクに対して第1及び第2紫外線照射部50a,50bから紫外線を照射して紫外線硬化型インクを硬化させる。このようにして、基材210の表面210aに撥液性を有する下地膜を形成すればよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0110】
(変形例2)上記実施形態では、基材210の表面210aは、平坦であったが、これに限定されない。基材210の表面210aの表面に第5突起部291を設けてもよい。図13は、変形例2にかかる印刷物の構成を示す断面図である。図13に示すように、印刷物600は、基材210上に形成された画像211と、画像211上に形成された第1凸部220と、基材210上に形成された第5突起部291を備えてもよい。この場合、第1凸部220の形成とともに、第5突起部291を形成する。第5突起部291の形成方法としては、例えば、液滴吐出装置1を用いて、第7塗布工程において、基材210の第1凸部220が形成される領域以外の領域に第5突起部291の材料を含む第7機能液を点在させながら塗布する。この場合、第7機能液としてのエポキシ系の紫外線硬化型インクを塗布する。なお、第7塗布工程では、紫外線硬化型インクを複数回にわたって塗布してもよい。次いで、塗布された第7機能液を固化して、第5突起部291を形成する。このようにすれば、基材210の表面210aをマット調として表すことができる。なお、本変形例において、上記第1〜第4実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0111】
(変形例3)上記実施形態では、基材210に形成された画像211上に第1凸部220を形成したが、これに限定されない。基材210上に形成された画像211に対応する位置に第1凸部220を形成してもよい。図14は、変形例3にかかる印刷物の構成を示す断面図である。図14に示すように、印刷物700は、画像211が形成された基材210と、画像211が形成された面とは反対の面であって、断面視において画像211に対応する位置に第1凸部220が形成されている。この場合、断面視において、画像211が形成された基材の面と反対の面であって、画像211の輪郭部分に対応する位置に第1突起部221が形成され、第1突起部221によって囲まれた第1領域240に第1厚盛り膜222が形成されている。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。
【0112】
(変形例4)第4実施形態では、第1凸部220上に第2凸部270を形成したが、第2凸部270上に第3凸部を形成してもよい。さらに、第3凸部上に他の凸部を積層形成してもよい。すなわち、所望の厚みになるように、複数の凸部を積層形成してもよい。このようにすれば、さらに立体感を有した印刷物を提供することができる。
【0113】
(変形例5)上記実施形態では、一つの画像211に対してそれぞれ第1実施形態〜第4実施形態を適用させたが、これに限定されない。一つの画像211に対して第1実施形態〜第4実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。このようにすれば、さらに意匠性の高い印刷物を提供することができる。
【0114】
(変形例6)上記実施形態における各第1〜第5突起部221,251,261,271,291は、ほぼ同一間隔で形成されたが、これに限定されない。各第1〜第5突起部221,251,261,271,291において間隔を異ならせて形成してもよい。また、各第1〜第5突起部221,251,261,271,291は、ほぼ同一の高さで形成されたが、これに限定されない。各第1〜第5突起部221,251,261,271,291において高さを異ならせて形成してもよい。このようにすれば、画像211の状態や製造工程に対応して効率のよく印刷物200,300,400,500,600,700を形成することができる。
【0115】
(変形例7)上記実施形態では、第1〜第5突起部221,251,261,271,291や第1及び第2厚盛り膜222,272は、透明性の機能液を用いたが、これに限定されない。色要素を含む機能液を用いてもよい。このようにすれば、用途に応じて所望の印刷物を提供することができる。
【符号の説明】
【0116】
1…液滴吐出装置、14…吐出ヘッド、33…機能液、36…液滴、50a…第1紫外線照射部、50b…第2紫外線照射部、200,300,400,500,600,700…印刷物、210…基材、210a…基材の表面、211…画像、211a…機能液、220…第1凸部、221…第1突起部、221a…第1機能液、222…第1厚盛り膜、222a…第2機能液、240…第1領域、240a…区画領域、251…第2突起部、251a…第3機能液、261…第3突起部、261a…第4機能液、270…第2凸部、271…第4突起部、271a…第5機能液、272…第2厚盛り膜、272a…第6機能液、280…第2領域、291…第5突起部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に形成された画像に対応する位置に第1凸部を形成する第1凸部形成工程を含み、
前記第1凸部形成工程では、
前記基材上に形成された前記画像の輪郭部分に対応する位置に第1突起部の材料を含む第1機能液を点在させながら塗布する第1塗布工程と、
塗布された前記第1機能液を固化して、複数の前記第1突起部を形成する第1固化工程と、
前記第1突起部によって囲まれた第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布する第2塗布工程と、
塗布された前記第2機能液を固化して、前記第1厚盛り膜を形成する第2固化工程と、を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の印刷物の製造方法において、
前記第1領域を複数の領域に区画するように、前記第1領域内に第2突起部の材料を含む第3機能液を点在させながら塗布する第3塗布工程と、
前記第1固化工程では、
塗布された前記第1機能液及び前記第3機能液を固化し、前記複数の第1突起部及び前記第2突起部を形成して、前記第1領域を区画する複数の領域を形成し、
前記第2塗布工程では、
前記第1突起部と前記第2突起部とによって区画された前記領域を含む前記第1領域に第1厚盛り膜の材料を含む第2機能液を塗布し、
前記第2固化工程では、
塗布された前記第2機能液を固化して、区画された前記領域を含む前記第1領域に前記第1厚盛り膜を形成することを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の印刷物の製造方法において、
前記第2固化工程の後で、
前記第1凸部上に第3突起部の材料を含む第4機能液を点在させながら塗布する第4塗布工程と、
塗布された前記第4機能液を固化して、前記第3突起部を形成する第3固化工程と、を有することを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の印刷物の製造方法において、
前記第1凸部上に第2凸部を形成する第2凸部形成工程を有し、
前記第2凸部形成工程では、
前記第1凸部上に第4突起部の材料を含む第5機能液を点在させながら塗布する第5塗布工程と、
塗布された前記第5機能液を固化して、前記第4突起部を形成する第4固化工程と、
前記第4突起部によって囲まれた第2領域に第2厚盛り膜の材料を含む第6機能液を塗布する第6塗布工程と、
塗布された前記第6機能液を固化して、前記第2厚盛り膜を形成する第5固化工程と、を含むことを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の印刷物の製造方法において、
前記第5塗布工程では、
平面視における前記第1凸部の頂部の外縁より内側の領域に前記第5機能液を付着させることを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の印刷物の製造方法において、
前記基材の前記第1凸部が形成される領域以外の領域に第5突起部の材料を含む第7機能液を点在させながら塗布する第7塗布工程と、
塗布された前記第7機能液を固化して、前記第5突起部を形成する第6固化工程と、を有することを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項7】
画像が形成された基材と、
前記画像に対応する位置に形成された第1凸部と、を含み、
前記第1凸部は、
前記基材上に形成された前記画像の輪郭部分に対応する位置に点在して形成された第1突起部と、
前記第1突起部によって囲まれた第1領域に形成された第1厚盛り膜と、を備えたことを特徴とする印刷物。
【請求項8】
請求項7に記載の印刷物において、
前記第1突起部によって囲まれた前記第1領域を複数の領域に区画する第2突起部を備えたことを特徴とする印刷物の製造方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の印刷物において、
前記第1凸部上に形成された第3突起部を備えたことを特徴とする印刷物。
【請求項10】
請求項7または8に記載の印刷物において、
前記第1凸部上に形成された第2凸部を備え、
前記第2凸部は、
前記第1凸部上に点在して形成された第4突起部と、
前記第4突起部によって囲まれた第2領域に形成された第2厚盛り膜と、を有していることを特徴とする印刷物。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか一項に記載の印刷物において、
前記基材の前記第1凸部が形成された領域以外の領域に第5突起部を備えたことを特徴とする印刷物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−86447(P2013−86447A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231418(P2011−231418)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】