可搬型の関節アーム座標測定機および統合された環境レコーダ
手動で位置付けることが可能な関節アームと、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路とを含む可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)。AACMMは、環境レコーダをさらに含む。環境レコーダは、パラメータの値を出力するためのセンサと、メモリと、方法を実施するために環境レコーダによって実行可能な論理とを含む。方法は、パラメータの値を監視するステップと、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップとを含む。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答してメモリに記憶される。メモリの内容が、電子回路に送信される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より詳細には、統合された環境レコーダを有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,402,582号明細書
【特許文献2】米国特許第5,611,147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関節アームCMMの過去の環境条件についての情報は、関節アームCMMのシステム診断および修理中に役立つ。関節アームCMMの過去の動作環境のトレーサビリティを高めるために、必要とされるのは、関節アームCMMに関する環境データを測定および記録するための環境監視システムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する、手動で位置付けることが可能な関節アームであって、複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アームを含む可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)である。また、AACMMは、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路とを含む。AACMMは、電子回路と通信している環境レコーダをさらに含む。環境レコーダは、パラメータの値を出力するためのセンサ、メモリ、および方法を実施するために環境レコーダによって実行可能な論理を含む。方法は、パラメータの値を監視するステップ、およびパラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップを含む。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答してメモリに記憶される。メモリの内容が、電子回路に送信される。
【0008】
別の実施形態は、可搬型のAACMMを実装する方法である。方法は、可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アームを含む。アームは、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。また、可搬型のAACMMは、可搬型のAACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。受信されたパラメータの値が監視され、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることが判定される。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答して、環境レコーダに配置されたメモリに記憶される。メモリの内容が、基部コンピュータプロセッサに送信される。
【0009】
さらなる実施形態は、可搬型のAACMMを実装するためのコンピュータプログラム製品である。コンピュータプログラム製品は、コンピュータによって実行されるときに方法を当該コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するストレージ媒体を含む。方法は、可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アームを含む。アームは、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。また、可搬型のAACMMは、可搬型のAACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。受信されたパラメータの値が監視され、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることが判定される。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答して、環境レコーダに配置されたメモリに記憶される。メモリの内容が、基部コンピュータプロセッサに送信される。
【0010】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】一実施形態による、図3の環境レコーダの詳細な特徴を示す構成図である。
【図5】一実施形態による、AACMMが電源を切られるときに環境レコーダによって実行されるプロセスを示す流れ図である。
【図6】一実施形態による、AACMMが電源を入れられるときに環境レコーダによって実行されるプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
環境レコーダを含む可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)が、例示的な実施形態により提供される。環境レコーダは、AACMMの任意の異常な挙動を説明するのに役立つ可能性があるデータを提供する。AACMMの履歴を示すデータが、製造プロセスの初期から、在庫されている間、製品の出荷配送の間、ならびにエンドユーザの所でのその後の取り扱いおよび使用の間を含むさまざまなときに環境レコーダによって記録される。このデータは、搭載されたオペレーティングシステムおよびディスプレイを介してAACMMのユーザによって直接読まれることができるか、またはこのデータは、取り出され、別のコンピュータに保存されることができる。環境レコーダは、AACMMに配置される、独立した、バッテリを備えた環境監視システムである。
【0013】
環境レコーダによって収集されたデータは、イベントについてユーザに警告するため、ならびにアームがまだ仕様通りに測定しているかどうかを調べるためにプローブの校正および/または単一点関節稼働性能試験(single point articulation performance test)(SPAT)が実行されることを促すために利用され得る。環境レコーダによって収集されたデータは、システム診断および修理中に、環境条件の観点でAACMMの履歴を判定するためにも使用される。環境条件は、温度、湿度、および(例えば、AACMMが落とされたことによる)衝撃を含むがこれらに限定されない。環境レコーダに配置されたセンサが環境条件パラメータの値を出力し、それらのパラメータの値が周期的に記録される。実施形態によれば、周期的な記録は、AACMMが電源を入れられるときと、AACMMが電源を切られるときの両方で行われる。追加的にまたは代替的に、環境条件パラメータの値は、(プログラム可能な閾値によって定義されるような)極端な湿度値がセンサで検出されることなどのイベントに応答して記録される。実施形態によれば、閾値を超える値の記録は、AACMMが電源を入れられるときと、AACMMが電源を切られるときの両方で行われる。
【0014】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各郡110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0015】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製されうる。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116のまわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にすることに利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0016】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にすることに利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0017】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にすることに利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0018】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110,112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸のまわりのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0019】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイ画面などのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0020】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、基部処理システムと、ユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含みまたは収容する。基部処理システムは、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する。ユーザインターフェース処理システムは、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含む。
【0021】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取り外し可能なハンドル126に取り付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0022】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0023】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に接続され得る。
【0024】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Incから販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0025】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0026】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0027】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット(登録商標)機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル‐シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0028】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0029】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0030】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0031】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合された機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合される。
【0032】
一実施形態において、AACMM100は、上述の統合された電子データ処理システム210を含む。電子データ処理システム210は、AACMM100およびそのAACMM100のコンポーネントに搭載され、統合される。基部プロセッサ基板204は、図3に示されたプロセッサ機能302によって実装され得る基部コンピュータプロセッサを含む。基部コンピュータプロセッサは、AACMM100を介して受信された要求に応答してユーザが選択した機能を実行し、それらの機能は本明細書においてさらに説明される。例示的な実施形態において、それらの機能は、基部コンピュータプロセッサによって実行され、例えば図3のメモリ304に記憶される1つ以上のアプリケーション(例えば、論理)により実行される。一実施形態において、要求は、図2に示された搭載されたユーザインターフェース基板202を介してAACMM100で受信され得る。さらに/あるいはAACMM100から離れて配置され、図2に全体的に示されるように、USBチャネルを通じて、イーサネットネットワークを介して直接か、または無線で受信され得る。例えば、無線LANもしくはBluetooth(商標)対応チャネル232を介してかのどちらかでAACMM100と通信する外部コンピュータプロセッサで受信され得る。要求に応答して、さまざまなコンポーネント、例えば、エンコーダ214/216/234、プローブ端電子機器230、および/または周辺デバイス(例えば、LLP242)が、作動され、要求に応じたデータを収集する。データによって導出された情報が、基部コンピュータプロセッサに返され、本明細書においてさらに説明されるように目的のデバイスに転送される。
【0033】
図4を参照すると、図3の環境レコーダ362のより詳細な図が、全体的に示される。環境レコーダ362は、外部電源を必要とせずに長期間(例えば、5から6ヶ月)環境レコーダ362のコンポーネントに電力を供給するためのバッテリ410を含む。バッテリ410は、環境レコーダ362に合うように大きさを決められ、長期間の分の電力を蓄えることができる任意のバッテリを使用して実装され得る。バッテリ410は、AACMM100が動作のために外部電源に接続されるときに、または外部電源に接続されるか否かにかかわらず、存在するならば、2次(充電式)AACMMバッテリパックから充電される。環境レコーダ362に専用バッテリ410を有することは、環境レコーダ362が、AACMM100が電源を切られる(例えば、電源オフ状態である)ときも動作することを可能にする。
【0034】
環境レコーダ362は、日時を保持するためのクロック406も含む。クロック406は、ログに残されるイベントのタイムスタンプを生成するため、および時間間隔を測定するために使用される。これに限定されないが、水晶駆動式のクロックなどの販売されているクロックが、実施形態によって利用され得る。
【0035】
図4に示される環境レコーダ362は、さまざまなセンサ、すなわち、衝突センサ402、湿度センサ414、および温度センサ412を含む。これらのセンサは、環境レコーダ362によって利用され得るセンサの種類の例であり、その他の種類のセンサ(例えば、振動センサ、大気圧センサなど)も実装され得るので、限定的であるように意図されていない。
【0036】
衝突センサ402の実施形態は、2つ以上の加速度計、すなわち、非常に小さな加速度(または振動)を検出および測定するように設計された第1の加速度計と、より大きな加速度を検出および測定するように設計された第2の加速度計とによって実装される。第1の加速度計が運動を検出するとき、第1の加速度計は、第2の加速度計に測定を開始し、測定値を記録するように指示する。当技術で知られているように、加速度計は、重力(g力)による加速度を測定し、したがって、衝突センサ402は、g力パラメータを測定する。衝撃または衝突を検出するための当技術で知られている任意の好適な加速度計が、本明細書に記載の例示的な実施形態によって利用されることができ、3軸微小電子機械システム(MEMS)、重力計、圧電抵抗型加速度計(piezoresistive accelerometer)、および静電容量型加速度計(capacitive accelerometer)を含むがこれらに限定されない。一実施形態において、現在の閾値(例えば、2.5g)を超える第1の加速度計によって検出されたg力値は、環境レコーダ362に、g力の値をタイムスタンプとともに記憶させる。このプログラム可能なg力の閾値は、AACMM100の製造または初期化中に更新され得る。
【0037】
温度センサ412によって測定されるパラメータは、周囲温度であり、温度センサ412は、販売されている温度センサによって実装される。一実施形態において、摂氏45度を超えるか、または摂氏5度未満の温度値は、環境レコーダ362に、温度の値をタイムスタンプとともに記憶させる。このプログラム可能な温度の閾値は、AACMM100の製造または初期化中に更新され得る。
【0038】
湿度パラメータは、湿度センサ414によって測定され、湿度センサ414は、販売されている湿度センサによって実装される。一実施形態において、80%を超えるか、または20%未満の湿度値は、環境レコーダ362に、湿度の値をタイムスタンプとともに記憶させる。このプログラム可能な湿度の閾値は、AACMM100の製造または初期化中に更新され得る。
【0039】
プロセッサ408は、センサからのパラメータの値を記録するプログラム可能な時間間隔、センサの読み取り、メモリ404への値およびタイムスタンプの記録または記憶を制御する。本明細書において説明されるように、センサによって測定されたパラメータの値が、環境レコーダ362に、そのセンサの監視スケジュールに関係なくイベントの瞬間の(またはその直後の)パラメータ値の記録を行わせる。また、警告が、イベントが検出されることに応答して(例えば、LCD338を介して)システムのオペレータに送信され得る。加えて、プロセッサ408は、基部プロセッサ基板204へのメモリ404の内容の周期的送信を制御する。一実施形態において、この送信は、集積回路間(I2C)バスを介し、プロセッサは、販売されているプロセッサによって実装される。プロセッサ408は、ハードウェア命令、ソフトウェア命令、またはそれら両方の組み合わせを用いて、本明細書に記載の処理を制御する。
【0040】
メモリ404は、パラメータの記録された値およびそれらの値に関連するタイムスタンプを記憶する。さらに、メモリ404は、パラメータに関連するプログラム可能な閾値を記憶することができる。メモリ404は、これに限定されないが、フラッシュおよびダイレクトランダムアクセスメモリ(flash and direct random access memory)(SRAM)などの販売されているメモリによって実装される。メモリ404の大きさは、基部プロセッサ基板204へのメモリ404の内容の送信を必要とする前にどれだけ多くのパラメータ値およびタイムスタンプが環境レコーダ362に記憶され得るかを決定づける。
【0041】
図4は、環境レコーダ362に配置される衝突センサ402、メモリ404、クロック406、プロセッサ408、バッテリ410、温度センサ412、および湿度センサ414を示す。代替的な実施形態において、これらの要素のすべてまたは一部は、要素間の通信がネットワークまたはバスを介して行わされるようにして、AACMM100の環境レコーダ362の外に配置される。
【0042】
一実施形態において、環境レコーダ362は、複数のプロセッサ、クロック、およびセンサを利用する。最も低レベルなシステムは、連続的に稼働し、基本的なイベントを検出し、それから、そのイベントが、次のプロセッサおよびセンサの組を立ち上げる。AACMM100が始動されるとき、第3のプロセッサが環境レコーダ362とのインターフェースをとるように動作し始め、次に、第4のプロセッサがデータの取得および表示を可能にするようになる。
【0043】
図5を参照すると、AACMMが低電力モードである(例えば、電源オフ、省電力)ときに環境レコーダ362によって実行されるプロセスを示す流れ図が、全体的に示される。一実施形態において、処理は、プロセッサ408に置かれたコンピュータ命令または論理によって促進される。ステップ502において、衝突センサ402および/または温度センサ412などの、環境レコーダ362に配置されたセンサによって出力されたパラメータの値が、監視される。ステップ504において、イベントが監視によって検出されたかどうかが判定される。パラメータのうちの少なくとも1つの値がプログラム可能な閾値の外にあるとき、イベントが発生する。イベントは、プログラム可能な時間間隔が経過したときにも発生する。ステップ504において判定されたときにイベントが検出されなかった場合、処理はステップ502で継続する。そうではなく、イベントが検出された場合、処理はステップ506で継続する。
【0044】
一実施形態において、監視および検出が実行されている間、環境レコーダ362は、メモリ404がアクセス不可能である低電力モードである。ステップ506において、環境レコーダ362は、メモリ404へのアクセスを可能にするために高電力モードにされる。ステップ508において、(1つ以上の)パラメータの値が、タイムスタンプとともにメモリ404に記憶される。一実施形態において、ステップ508で、センサによって測定されているパラメータのすべての値が、メモリ404に記憶される。代替的に、ステップ504で検出されたイベントがプログラム可能な時間間隔が経過したことであるときは、パラメータ値のすべてがメモリ404に記憶され、ステップ504で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるときは、ステップ504で当該イベントが検出される原因となるパラメータの値のみがメモリ404に記憶される。一実施形態において、ステップ508は、ステップ504で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるとき、プログラム可能な回数、またはプログラム可能な時間の間繰り返される。一実施形態において、メモリ404の空間は、パラメータの現在の値がパラメータの前の値と異なる場合にのみステップ508を実行することによって節約される。ステップ510において、環境レコーダ362は、低電力モードにされる。一実施形態において、低電力モードは、監視および検出のために使用されない環境レコーダ362の部分が電源を切られることを含む。次に、処理は、ステップ502で継続する。
【0045】
図6を参照すると、AACMMが電源を入れられるときに環境レコーダ362によって実行されるプロセスを示す流れ図が、全体的に示される。一実施形態において、処理は、プロセッサ408に置かれたコンピュータ命令または論理によって促進される。ステップ602において、衝突センサ402および/または温度センサ412などの、環境レコーダ362に配置されたセンサによって出力されたパラメータの値が、監視される。ステップ604において、イベントが監視によって検出されたかどうかが判定される。パラメータのうちの少なくとも1つの値がプログラム可能な閾値の外にあるとき、イベントが発生する。イベントは、プログラム可能な時間間隔が経過したときにも発生する。ステップ604において、イベントが検出されなかったと判定される場合、処理はステップ602で継続する。あるいは、イベントが検出されたと判定される場合、処理はステップ606で継続する。
【0046】
ステップ606において、(1つ以上の)パラメータの値が、タイムスタンプとともにメモリ404に記憶される。一実施形態において、ステップ606で、センサによって測定されているパラメータのすべての値が、メモリ404に記憶される。代替的に、ステップ604で検出されたイベントがプログラム可能な時間間隔が経過したことであるときは、パラメータ値のすべてがメモリ404に記憶され、ステップ604で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるときは、ステップ604で当該イベントが検出される原因となるパラメータの値のみがメモリ404に記憶される。一実施形態において、メモリ404の空間は、パラメータの現在の値がパラメータの前の値と異なる場合にのみステップ606を実行することによって節約される。一実施形態において、ステップ606は、ステップ604で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるとき、プログラム可能な回数、またはプログラム可能な時間の間繰り返される。
【0047】
ステップ608において、メモリ404の内容が基部プロセッサ基板204に送信されるべきであるかどうかが判定される。判定は、メモリ404にどれだけの空間が残されているか、および/または最後にメモリ404の内容が基部プロセッサ基板204に送信されてからどれだけの時間が経過したかに基づいて行われる。ステップ608において、メモリ404の内容が基部プロセッサ基板コンピュータ204に送信されるべきであると判定される場合、処理はステップ610で継続する。ステップ610において、送信が実行され、メモリ404が空にされる。次に、処理は、ステップ602で継続する。データが基部プロセッサ基板204に送信されると、データは、基部プロセッサ基板204のメモリ304に記憶される。次に、データは、AACMM100から離れたプロセッサに送信されることができ、および/またはユーザインターフェース基板202のカラーLCD338に表示されることができる。さらなる実施形態において、閾値および時間間隔は、ユーザインターフェース基板202のカラーLCD338を用いてプログラムされる。
【0048】
一実施形態において、追加的な監視が、AACMM100が電源を入れられるときに環境レコーダ362によって行われる。システムは、例えば、ソフトウェアによって返されたエラーコード、途絶した通信、および供給電圧の変動などのタイムスタンプが記録されたイベントを監視し、記録する。次に、環境レコーダ362からのデータが、ハードウェアの故障の状態が環境イベントに関連するかどうかを判定するために、基部プロセッサ基板204のソフトウェアイベント監視システムと相互に関連付けられる。
【0049】
一実施形態において、環境レコーダ362からのデータは、製造から保管、出荷配送、および使用までのAACMM100の履歴を生成するために使用される。この履歴データは、精度の変化、電子的故障、および/またはソフトウェアの異常を含み得る、ユーザによって報告された問題を診断するために使用されることができる。例として、顧客がAACMM100が突然正確な読み取りをしなくなったと報告した場合、履歴データが、AACMM100が性能の変化の直前に過度の衝撃にさらされたかどうかを確かめるために調べられることができる。特定のシフトまたは特定の日の性能問題のレポートが、その時の温度または振動の極端さに関して調べられることができる。履歴データは、AACMM100が、顧客の所への、または点検のために工場に戻る経路での輸送中に手荒く扱われたかどうかを確かめるために使用されることもできる。同じような性能上の症状を示すAACMM100は、共通の環境要因に関して履歴ログをチェックされることができる。
【0050】
技術的効果および利点は、特に、出荷配送の間に起こる、通常の動作時間外に起こる、または報告されずに終わるイベント(たとえば、AACMM100の落下)に関して、トラブルシューティング、および製品故障の根本原因の判定をより容易に行う能力を含む。
【0051】
当業者に理解されるであろうように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとる可能性がある。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとる可能性がある。
【0052】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体である可能性がある。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせである可能性がある。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下、すなわち、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバー、持ち運び可能なコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体である可能性がある。
【0053】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体である可能性がある。
【0054】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0055】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータで部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0056】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0057】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、多目的コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶される可能性もある。
【0058】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされる可能性もある。
【0059】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の有り得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表す可能性がある。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順番とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行される可能性があり、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合も有り得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組み合わせとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0060】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より詳細には、統合された環境レコーダを有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5,402,582号明細書
【特許文献2】米国特許第5,611,147号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
関節アームCMMの過去の環境条件についての情報は、関節アームCMMのシステム診断および修理中に役立つ。関節アームCMMの過去の動作環境のトレーサビリティを高めるために、必要とされるのは、関節アームCMMに関する環境データを測定および記録するための環境監視システムである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態は、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する、手動で位置付けることが可能な関節アームであって、複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アームを含む可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)である。また、AACMMは、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路とを含む。AACMMは、電子回路と通信している環境レコーダをさらに含む。環境レコーダは、パラメータの値を出力するためのセンサ、メモリ、および方法を実施するために環境レコーダによって実行可能な論理を含む。方法は、パラメータの値を監視するステップ、およびパラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップを含む。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答してメモリに記憶される。メモリの内容が、電子回路に送信される。
【0008】
別の実施形態は、可搬型のAACMMを実装する方法である。方法は、可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アームを含む。アームは、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。また、可搬型のAACMMは、可搬型のAACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。受信されたパラメータの値が監視され、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることが判定される。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答して、環境レコーダに配置されたメモリに記憶される。メモリの内容が、基部コンピュータプロセッサに送信される。
【0009】
さらなる実施形態は、可搬型のAACMMを実装するためのコンピュータプログラム製品である。コンピュータプログラム製品は、コンピュータによって実行されるときに方法を当該コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するストレージ媒体を含む。方法は、可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アームを含む。アームは、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む。また、可搬型のAACMMは、可搬型のAACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。受信されたパラメータの値が監視され、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあることが判定される。パラメータの値およびタイムスタンプが、パラメータの値がプログラム可能な閾値の外にあると判定されることに応答して、環境レコーダに配置されたメモリに記憶される。メモリの内容が、基部コンピュータプロセッサに送信される。
【0010】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】一実施形態による、図3の環境レコーダの詳細な特徴を示す構成図である。
【図5】一実施形態による、AACMMが電源を切られるときに環境レコーダによって実行されるプロセスを示す流れ図である。
【図6】一実施形態による、AACMMが電源を入れられるときに環境レコーダによって実行されるプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
環境レコーダを含む可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)が、例示的な実施形態により提供される。環境レコーダは、AACMMの任意の異常な挙動を説明するのに役立つ可能性があるデータを提供する。AACMMの履歴を示すデータが、製造プロセスの初期から、在庫されている間、製品の出荷配送の間、ならびにエンドユーザの所でのその後の取り扱いおよび使用の間を含むさまざまなときに環境レコーダによって記録される。このデータは、搭載されたオペレーティングシステムおよびディスプレイを介してAACMMのユーザによって直接読まれることができるか、またはこのデータは、取り出され、別のコンピュータに保存されることができる。環境レコーダは、AACMMに配置される、独立した、バッテリを備えた環境監視システムである。
【0013】
環境レコーダによって収集されたデータは、イベントについてユーザに警告するため、ならびにアームがまだ仕様通りに測定しているかどうかを調べるためにプローブの校正および/または単一点関節稼働性能試験(single point articulation performance test)(SPAT)が実行されることを促すために利用され得る。環境レコーダによって収集されたデータは、システム診断および修理中に、環境条件の観点でAACMMの履歴を判定するためにも使用される。環境条件は、温度、湿度、および(例えば、AACMMが落とされたことによる)衝撃を含むがこれらに限定されない。環境レコーダに配置されたセンサが環境条件パラメータの値を出力し、それらのパラメータの値が周期的に記録される。実施形態によれば、周期的な記録は、AACMMが電源を入れられるときと、AACMMが電源を切られるときの両方で行われる。追加的にまたは代替的に、環境条件パラメータの値は、(プログラム可能な閾値によって定義されるような)極端な湿度値がセンサで検出されることなどのイベントに応答して記録される。実施形態によれば、閾値を超える値の記録は、AACMMが電源を入れられるときと、AACMMが電源を切られるときの両方で行われる。
【0014】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各郡110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118の動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0015】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式の角度エンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製されうる。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116のまわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にすることに利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持つ可能性がある。
【0016】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取り外し可能なように取り付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取り外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にすることに利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有する可能性がある取り外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取り外し可能なハンドル126を置き換える可能性がある。そのような測定デバイスの例は、例えば、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0017】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にすることに利点をもたらす取り外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取り外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0018】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110,112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸のまわりのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0019】
基部116は、装着デバイスまたは取り付けデバイス120を含み得る。取り付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取り外し可能なように取り付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイ画面などのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0020】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、基部処理システムと、ユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含みまたは収容する。基部処理システムは、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する。ユーザインターフェース処理システムは、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、搭載オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含む。
【0021】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取り外し可能なハンドル126に取り付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0022】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜基板208とを含む電子データ処理システム210を含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0023】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読み取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に接続され得る。
【0024】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行される可能性がある。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Incから販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0025】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0026】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0027】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット(登録商標)機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル‐シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0028】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読み取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0029】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含むいくつかのインターフェースオプションを含む。
【0030】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0031】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、図3に示された位置とは異なる位置に物理的に配置される、および/または図3に示された方法とは異なる方法で組み合された機能である可能性がある。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合される。
【0032】
一実施形態において、AACMM100は、上述の統合された電子データ処理システム210を含む。電子データ処理システム210は、AACMM100およびそのAACMM100のコンポーネントに搭載され、統合される。基部プロセッサ基板204は、図3に示されたプロセッサ機能302によって実装され得る基部コンピュータプロセッサを含む。基部コンピュータプロセッサは、AACMM100を介して受信された要求に応答してユーザが選択した機能を実行し、それらの機能は本明細書においてさらに説明される。例示的な実施形態において、それらの機能は、基部コンピュータプロセッサによって実行され、例えば図3のメモリ304に記憶される1つ以上のアプリケーション(例えば、論理)により実行される。一実施形態において、要求は、図2に示された搭載されたユーザインターフェース基板202を介してAACMM100で受信され得る。さらに/あるいはAACMM100から離れて配置され、図2に全体的に示されるように、USBチャネルを通じて、イーサネットネットワークを介して直接か、または無線で受信され得る。例えば、無線LANもしくはBluetooth(商標)対応チャネル232を介してかのどちらかでAACMM100と通信する外部コンピュータプロセッサで受信され得る。要求に応答して、さまざまなコンポーネント、例えば、エンコーダ214/216/234、プローブ端電子機器230、および/または周辺デバイス(例えば、LLP242)が、作動され、要求に応じたデータを収集する。データによって導出された情報が、基部コンピュータプロセッサに返され、本明細書においてさらに説明されるように目的のデバイスに転送される。
【0033】
図4を参照すると、図3の環境レコーダ362のより詳細な図が、全体的に示される。環境レコーダ362は、外部電源を必要とせずに長期間(例えば、5から6ヶ月)環境レコーダ362のコンポーネントに電力を供給するためのバッテリ410を含む。バッテリ410は、環境レコーダ362に合うように大きさを決められ、長期間の分の電力を蓄えることができる任意のバッテリを使用して実装され得る。バッテリ410は、AACMM100が動作のために外部電源に接続されるときに、または外部電源に接続されるか否かにかかわらず、存在するならば、2次(充電式)AACMMバッテリパックから充電される。環境レコーダ362に専用バッテリ410を有することは、環境レコーダ362が、AACMM100が電源を切られる(例えば、電源オフ状態である)ときも動作することを可能にする。
【0034】
環境レコーダ362は、日時を保持するためのクロック406も含む。クロック406は、ログに残されるイベントのタイムスタンプを生成するため、および時間間隔を測定するために使用される。これに限定されないが、水晶駆動式のクロックなどの販売されているクロックが、実施形態によって利用され得る。
【0035】
図4に示される環境レコーダ362は、さまざまなセンサ、すなわち、衝突センサ402、湿度センサ414、および温度センサ412を含む。これらのセンサは、環境レコーダ362によって利用され得るセンサの種類の例であり、その他の種類のセンサ(例えば、振動センサ、大気圧センサなど)も実装され得るので、限定的であるように意図されていない。
【0036】
衝突センサ402の実施形態は、2つ以上の加速度計、すなわち、非常に小さな加速度(または振動)を検出および測定するように設計された第1の加速度計と、より大きな加速度を検出および測定するように設計された第2の加速度計とによって実装される。第1の加速度計が運動を検出するとき、第1の加速度計は、第2の加速度計に測定を開始し、測定値を記録するように指示する。当技術で知られているように、加速度計は、重力(g力)による加速度を測定し、したがって、衝突センサ402は、g力パラメータを測定する。衝撃または衝突を検出するための当技術で知られている任意の好適な加速度計が、本明細書に記載の例示的な実施形態によって利用されることができ、3軸微小電子機械システム(MEMS)、重力計、圧電抵抗型加速度計(piezoresistive accelerometer)、および静電容量型加速度計(capacitive accelerometer)を含むがこれらに限定されない。一実施形態において、現在の閾値(例えば、2.5g)を超える第1の加速度計によって検出されたg力値は、環境レコーダ362に、g力の値をタイムスタンプとともに記憶させる。このプログラム可能なg力の閾値は、AACMM100の製造または初期化中に更新され得る。
【0037】
温度センサ412によって測定されるパラメータは、周囲温度であり、温度センサ412は、販売されている温度センサによって実装される。一実施形態において、摂氏45度を超えるか、または摂氏5度未満の温度値は、環境レコーダ362に、温度の値をタイムスタンプとともに記憶させる。このプログラム可能な温度の閾値は、AACMM100の製造または初期化中に更新され得る。
【0038】
湿度パラメータは、湿度センサ414によって測定され、湿度センサ414は、販売されている湿度センサによって実装される。一実施形態において、80%を超えるか、または20%未満の湿度値は、環境レコーダ362に、湿度の値をタイムスタンプとともに記憶させる。このプログラム可能な湿度の閾値は、AACMM100の製造または初期化中に更新され得る。
【0039】
プロセッサ408は、センサからのパラメータの値を記録するプログラム可能な時間間隔、センサの読み取り、メモリ404への値およびタイムスタンプの記録または記憶を制御する。本明細書において説明されるように、センサによって測定されたパラメータの値が、環境レコーダ362に、そのセンサの監視スケジュールに関係なくイベントの瞬間の(またはその直後の)パラメータ値の記録を行わせる。また、警告が、イベントが検出されることに応答して(例えば、LCD338を介して)システムのオペレータに送信され得る。加えて、プロセッサ408は、基部プロセッサ基板204へのメモリ404の内容の周期的送信を制御する。一実施形態において、この送信は、集積回路間(I2C)バスを介し、プロセッサは、販売されているプロセッサによって実装される。プロセッサ408は、ハードウェア命令、ソフトウェア命令、またはそれら両方の組み合わせを用いて、本明細書に記載の処理を制御する。
【0040】
メモリ404は、パラメータの記録された値およびそれらの値に関連するタイムスタンプを記憶する。さらに、メモリ404は、パラメータに関連するプログラム可能な閾値を記憶することができる。メモリ404は、これに限定されないが、フラッシュおよびダイレクトランダムアクセスメモリ(flash and direct random access memory)(SRAM)などの販売されているメモリによって実装される。メモリ404の大きさは、基部プロセッサ基板204へのメモリ404の内容の送信を必要とする前にどれだけ多くのパラメータ値およびタイムスタンプが環境レコーダ362に記憶され得るかを決定づける。
【0041】
図4は、環境レコーダ362に配置される衝突センサ402、メモリ404、クロック406、プロセッサ408、バッテリ410、温度センサ412、および湿度センサ414を示す。代替的な実施形態において、これらの要素のすべてまたは一部は、要素間の通信がネットワークまたはバスを介して行わされるようにして、AACMM100の環境レコーダ362の外に配置される。
【0042】
一実施形態において、環境レコーダ362は、複数のプロセッサ、クロック、およびセンサを利用する。最も低レベルなシステムは、連続的に稼働し、基本的なイベントを検出し、それから、そのイベントが、次のプロセッサおよびセンサの組を立ち上げる。AACMM100が始動されるとき、第3のプロセッサが環境レコーダ362とのインターフェースをとるように動作し始め、次に、第4のプロセッサがデータの取得および表示を可能にするようになる。
【0043】
図5を参照すると、AACMMが低電力モードである(例えば、電源オフ、省電力)ときに環境レコーダ362によって実行されるプロセスを示す流れ図が、全体的に示される。一実施形態において、処理は、プロセッサ408に置かれたコンピュータ命令または論理によって促進される。ステップ502において、衝突センサ402および/または温度センサ412などの、環境レコーダ362に配置されたセンサによって出力されたパラメータの値が、監視される。ステップ504において、イベントが監視によって検出されたかどうかが判定される。パラメータのうちの少なくとも1つの値がプログラム可能な閾値の外にあるとき、イベントが発生する。イベントは、プログラム可能な時間間隔が経過したときにも発生する。ステップ504において判定されたときにイベントが検出されなかった場合、処理はステップ502で継続する。そうではなく、イベントが検出された場合、処理はステップ506で継続する。
【0044】
一実施形態において、監視および検出が実行されている間、環境レコーダ362は、メモリ404がアクセス不可能である低電力モードである。ステップ506において、環境レコーダ362は、メモリ404へのアクセスを可能にするために高電力モードにされる。ステップ508において、(1つ以上の)パラメータの値が、タイムスタンプとともにメモリ404に記憶される。一実施形態において、ステップ508で、センサによって測定されているパラメータのすべての値が、メモリ404に記憶される。代替的に、ステップ504で検出されたイベントがプログラム可能な時間間隔が経過したことであるときは、パラメータ値のすべてがメモリ404に記憶され、ステップ504で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるときは、ステップ504で当該イベントが検出される原因となるパラメータの値のみがメモリ404に記憶される。一実施形態において、ステップ508は、ステップ504で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるとき、プログラム可能な回数、またはプログラム可能な時間の間繰り返される。一実施形態において、メモリ404の空間は、パラメータの現在の値がパラメータの前の値と異なる場合にのみステップ508を実行することによって節約される。ステップ510において、環境レコーダ362は、低電力モードにされる。一実施形態において、低電力モードは、監視および検出のために使用されない環境レコーダ362の部分が電源を切られることを含む。次に、処理は、ステップ502で継続する。
【0045】
図6を参照すると、AACMMが電源を入れられるときに環境レコーダ362によって実行されるプロセスを示す流れ図が、全体的に示される。一実施形態において、処理は、プロセッサ408に置かれたコンピュータ命令または論理によって促進される。ステップ602において、衝突センサ402および/または温度センサ412などの、環境レコーダ362に配置されたセンサによって出力されたパラメータの値が、監視される。ステップ604において、イベントが監視によって検出されたかどうかが判定される。パラメータのうちの少なくとも1つの値がプログラム可能な閾値の外にあるとき、イベントが発生する。イベントは、プログラム可能な時間間隔が経過したときにも発生する。ステップ604において、イベントが検出されなかったと判定される場合、処理はステップ602で継続する。あるいは、イベントが検出されたと判定される場合、処理はステップ606で継続する。
【0046】
ステップ606において、(1つ以上の)パラメータの値が、タイムスタンプとともにメモリ404に記憶される。一実施形態において、ステップ606で、センサによって測定されているパラメータのすべての値が、メモリ404に記憶される。代替的に、ステップ604で検出されたイベントがプログラム可能な時間間隔が経過したことであるときは、パラメータ値のすべてがメモリ404に記憶され、ステップ604で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるときは、ステップ604で当該イベントが検出される原因となるパラメータの値のみがメモリ404に記憶される。一実施形態において、メモリ404の空間は、パラメータの現在の値がパラメータの前の値と異なる場合にのみステップ606を実行することによって節約される。一実施形態において、ステップ606は、ステップ604で検出されたイベントが閾値が超えられたことであるとき、プログラム可能な回数、またはプログラム可能な時間の間繰り返される。
【0047】
ステップ608において、メモリ404の内容が基部プロセッサ基板204に送信されるべきであるかどうかが判定される。判定は、メモリ404にどれだけの空間が残されているか、および/または最後にメモリ404の内容が基部プロセッサ基板204に送信されてからどれだけの時間が経過したかに基づいて行われる。ステップ608において、メモリ404の内容が基部プロセッサ基板コンピュータ204に送信されるべきであると判定される場合、処理はステップ610で継続する。ステップ610において、送信が実行され、メモリ404が空にされる。次に、処理は、ステップ602で継続する。データが基部プロセッサ基板204に送信されると、データは、基部プロセッサ基板204のメモリ304に記憶される。次に、データは、AACMM100から離れたプロセッサに送信されることができ、および/またはユーザインターフェース基板202のカラーLCD338に表示されることができる。さらなる実施形態において、閾値および時間間隔は、ユーザインターフェース基板202のカラーLCD338を用いてプログラムされる。
【0048】
一実施形態において、追加的な監視が、AACMM100が電源を入れられるときに環境レコーダ362によって行われる。システムは、例えば、ソフトウェアによって返されたエラーコード、途絶した通信、および供給電圧の変動などのタイムスタンプが記録されたイベントを監視し、記録する。次に、環境レコーダ362からのデータが、ハードウェアの故障の状態が環境イベントに関連するかどうかを判定するために、基部プロセッサ基板204のソフトウェアイベント監視システムと相互に関連付けられる。
【0049】
一実施形態において、環境レコーダ362からのデータは、製造から保管、出荷配送、および使用までのAACMM100の履歴を生成するために使用される。この履歴データは、精度の変化、電子的故障、および/またはソフトウェアの異常を含み得る、ユーザによって報告された問題を診断するために使用されることができる。例として、顧客がAACMM100が突然正確な読み取りをしなくなったと報告した場合、履歴データが、AACMM100が性能の変化の直前に過度の衝撃にさらされたかどうかを確かめるために調べられることができる。特定のシフトまたは特定の日の性能問題のレポートが、その時の温度または振動の極端さに関して調べられることができる。履歴データは、AACMM100が、顧客の所への、または点検のために工場に戻る経路での輸送中に手荒く扱われたかどうかを確かめるために使用されることもできる。同じような性能上の症状を示すAACMM100は、共通の環境要因に関して履歴ログをチェックされることができる。
【0050】
技術的効果および利点は、特に、出荷配送の間に起こる、通常の動作時間外に起こる、または報告されずに終わるイベント(たとえば、AACMM100の落下)に関して、トラブルシューティング、および製品故障の根本原因の判定をより容易に行う能力を含む。
【0051】
当業者に理解されるであろうように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとる可能性がある。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとる可能性がある。
【0052】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体である可能性がある。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせである可能性がある。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下、すなわち、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバー、持ち運び可能なコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体である可能性がある。
【0053】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体である可能性がある。
【0054】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0055】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータで部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0056】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組み合わせとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0057】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、多目的コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶される可能性もある。
【0058】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされる可能性もある。
【0059】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の有り得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表す可能性がある。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順番とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行される可能性があり、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合も有り得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組み合わせとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0060】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する、手動で位置付けることが可能な関節アームであって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アームと、
AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記少なくとも1つのトランスデューサからの前記位置信号を受信するように、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するように構成された電子回路と、
前記電子回路と通信している環境レコーダとを備え、前記環境レコーダが、
パラメータの値を出力するためのセンサと、
メモリと、
方法を実施するために環境レコーダによって実行可能な論理とを含み、前記方法が、
前記パラメータの前記値を監視するステップと、
前記パラメータの前記値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップと、
前記判定するステップに応じて、前記パラメータの前記値およびタイムスタンプを前記メモリに記憶するステップと、
前記判定するステップに応じて前記電子回路への警告を開始するステップと、
前記メモリの内容を前記電子回路に送信するステップとを含み、
前記電子回路が、前記警告を受信することに応答してユーザにAACMMの校正を促すようにさらに構成されることを特徴とする可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記環境レコーダは、バッテリをさらに含み、前記監視するステップ、前記判定するステップ、および前記記憶するステップは、前記可搬型のAACMMが電源オフ状態であるときに前記バッテリからの電力を用いて実行されることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記方法は、前記パラメータの前記値および前記タイムスタンプを、プログラム可能な時間間隔の間に少なくとも1回前記メモリに記憶するステップをさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記送信するステップは、前記メモリがプログラム可能な最大容量に達すること、および最後に前記内容が前記電子回路に送信されてからプログラム可能な時間が経過することのうちの少なくとも1つに応じて、前記可搬型のAACMMが電源を入れられるときに実行されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記記憶するステップは、前記パラメータの前記値が前記パラメータの前の値と異なることにさらに応じることを特徴するシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記センサは衝撃センサを含み、前記パラメータは加速度であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記センサは、温度センサおよび湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装する方法であって、
前記可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップであって、前記可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、手動で位置付けることが可能な関節アーム部、前記第1の端部に装着された測定デバイス、ならびに前記少なくとも1つのトランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路を備える、受信するステップと、
前記パラメータの前記値を監視するステップと、
前記パラメータの前記値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップと、
前記判定するステップに応じて、前記パラメータの前記値およびタイムスタンプを環境レコーダに配置されたメモリに記憶するステップと、
前記判定するステップに応じて前記電子回路への警告を開始するステップと、
前記メモリの内容を前記電子回路に送信するステップとを含み、
前記電子回路が、前記警告を受信することに応答してユーザに前記AACMMの校正を促すことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記監視するステップ、前記判定するステップ、および前記記憶するステップは、前記可搬型の関節アーム座標測定機が電源オフ状態であるときに、前記環境レコーダに接続されたバッテリからの電力を用いて実行されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、前記パラメータの前記値および前記タイムスタンプを、プログラム可能な時間間隔の間に少なくとも1回前記メモリに記憶するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、前記送信するステップは、前記メモリがプログラム可能な最大容量に達すること、および最後に前記内容が前記電子回路に送信されてからプログラム可能な時間が経過することのうちの少なくとも1つに応じて、前記可搬型のAACMMが電源を入れられるときに実行されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法であって、前記記憶するステップは、前記パラメータの前記値が前記パラメータの前の値と異なることにさらに応じることを特徴する方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法であって、前記センサは衝撃センサを含み、前記パラメータは加速度であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法であって、前記センサは、温度センサおよび湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項8に記載の方法であって、前記メモリの前記内容に応じてレポートを生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記レポートは、精度の変化、電子的故障、およびソフトウェアの異常のうちの少なくとも1つを診断するために利用されることを特徴とする方法。
【請求項17】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行されるときに、
前記可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップであって、前記可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、手動で位置付けることが可能な関節アーム部、前記可搬型のAACMMの第1の端部に装着された測定デバイス、ならびに前記少なくとも1つのトランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路を備える、受信するステップと、
前記パラメータの前記値を監視するステップと、
前記パラメータの前記値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップと、
前記判定するステップに応じて、前記パラメータの前記値およびタイムスタンプを環境レコーダに配置されたメモリに記憶するステップと、
前記判定するステップに応じて前記電子回路への警告を開始するステップと、
前記メモリの内容を前記電子回路に送信するステップとを含み、
前記電子回路が、前記警告を受信することに応答してユーザに前記AACMMの校正を促す方法を前記コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するストレージ媒体を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記監視するステップ、前記判定するステップ、および前記記憶するステップは、前記可搬型のAACMMが電源オフ状態であるときに、前記環境レコーダに配置されたバッテリからの電力を用いて実行されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法は、前記パラメータの前記値および前記タイムスタンプを、プログラム可能な時間間隔の間に少なくとも1回前記メモリに記憶するステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記送信するステップは、前記メモリがプログラム可能な最大容量に達すること、および最後に前記内容が前記電子回路に送信されてからプログラム可能な時間が経過することのうちの少なくとも1つに応じて、前記可搬型のAACMMが電源を入れられるときに実行されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記記憶するステップは、前記パラメータの前記値が前記パラメータの前の値と異なることにさらに応じることを特徴するコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記センサは、衝撃センサ、温度センサ、および湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
請求項1に記載のシステムであって、前記AACMMの促される校正は、プローブの校正であることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項1に記載のシステムであって、前記AACMMの促される校正は、単一点関節稼働性能試験であることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項8に記載の方法であって、前記AACMMの促される校正は、プローブの校正であることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項8に記載の方法であって、前記AACMMの促される校正は、単一点関節稼働性能試験であることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記AACMMの促される校正は、プローブの校正であることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記AACMMの促される校正は、単一点関節稼働性能試験であることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する、手動で位置付けることが可能な関節アームであって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アームと、
AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記少なくとも1つのトランスデューサからの前記位置信号を受信するように、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するように構成された電子回路と、
前記電子回路と通信している環境レコーダとを備え、前記環境レコーダが、
パラメータの値を出力するためのセンサと、
メモリと、
方法を実施するために環境レコーダによって実行可能な論理とを含み、前記方法が、
前記パラメータの前記値を監視するステップと、
前記パラメータの前記値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップと、
前記判定するステップに応じて、前記パラメータの前記値およびタイムスタンプを前記メモリに記憶するステップと、
前記判定するステップに応じて前記電子回路への警告を開始するステップと、
前記メモリの内容を前記電子回路に送信するステップとを含み、
前記電子回路が、前記警告を受信することに応答してユーザにAACMMの校正を促すようにさらに構成されることを特徴とする可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記環境レコーダは、バッテリをさらに含み、前記監視するステップ、前記判定するステップ、および前記記憶するステップは、前記可搬型のAACMMが電源オフ状態であるときに前記バッテリからの電力を用いて実行されることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記方法は、前記パラメータの前記値および前記タイムスタンプを、プログラム可能な時間間隔の間に少なくとも1回前記メモリに記憶するステップをさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記送信するステップは、前記メモリがプログラム可能な最大容量に達すること、および最後に前記内容が前記電子回路に送信されてからプログラム可能な時間が経過することのうちの少なくとも1つに応じて、前記可搬型のAACMMが電源を入れられるときに実行されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記記憶するステップは、前記パラメータの前記値が前記パラメータの前の値と異なることにさらに応じることを特徴するシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムであって、前記センサは衝撃センサを含み、前記パラメータは加速度であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、前記センサは、温度センサおよび湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装する方法であって、
前記可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップであって、前記可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、手動で位置付けることが可能な関節アーム部、前記第1の端部に装着された測定デバイス、ならびに前記少なくとも1つのトランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路を備える、受信するステップと、
前記パラメータの前記値を監視するステップと、
前記パラメータの前記値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップと、
前記判定するステップに応じて、前記パラメータの前記値およびタイムスタンプを環境レコーダに配置されたメモリに記憶するステップと、
前記判定するステップに応じて前記電子回路への警告を開始するステップと、
前記メモリの内容を前記電子回路に送信するステップとを含み、
前記電子回路が、前記警告を受信することに応答してユーザに前記AACMMの校正を促すことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記監視するステップ、前記判定するステップ、および前記記憶するステップは、前記可搬型の関節アーム座標測定機が電源オフ状態であるときに、前記環境レコーダに接続されたバッテリからの電力を用いて実行されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、前記パラメータの前記値および前記タイムスタンプを、プログラム可能な時間間隔の間に少なくとも1回前記メモリに記憶するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、前記送信するステップは、前記メモリがプログラム可能な最大容量に達すること、および最後に前記内容が前記電子回路に送信されてからプログラム可能な時間が経過することのうちの少なくとも1つに応じて、前記可搬型のAACMMが電源を入れられるときに実行されることを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法であって、前記記憶するステップは、前記パラメータの前記値が前記パラメータの前の値と異なることにさらに応じることを特徴する方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法であって、前記センサは衝撃センサを含み、前記パラメータは加速度であることを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法であって、前記センサは、温度センサおよび湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項8に記載の方法であって、前記メモリの前記内容に応じてレポートを生成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記レポートは、精度の変化、電子的故障、およびソフトウェアの異常のうちの少なくとも1つを診断するために利用されることを特徴とする方法。
【請求項17】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行されるときに、
前記可搬型のAACMMに配置されたセンサからのパラメータの値を受信するステップであって、前記可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントは、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、手動で位置付けることが可能な関節アーム部、前記可搬型のAACMMの第1の端部に装着された測定デバイス、ならびに前記少なくとも1つのトランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路を備える、受信するステップと、
前記パラメータの前記値を監視するステップと、
前記パラメータの前記値がプログラム可能な閾値の外にあることを判定するステップと、
前記判定するステップに応じて、前記パラメータの前記値およびタイムスタンプを環境レコーダに配置されたメモリに記憶するステップと、
前記判定するステップに応じて前記電子回路への警告を開始するステップと、
前記メモリの内容を前記電子回路に送信するステップとを含み、
前記電子回路が、前記警告を受信することに応答してユーザに前記AACMMの校正を促す方法を前記コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するストレージ媒体を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記監視するステップ、前記判定するステップ、および前記記憶するステップは、前記可搬型のAACMMが電源オフ状態であるときに、前記環境レコーダに配置されたバッテリからの電力を用いて実行されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記方法は、前記パラメータの前記値および前記タイムスタンプを、プログラム可能な時間間隔の間に少なくとも1回前記メモリに記憶するステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記送信するステップは、前記メモリがプログラム可能な最大容量に達すること、および最後に前記内容が前記電子回路に送信されてからプログラム可能な時間が経過することのうちの少なくとも1つに応じて、前記可搬型のAACMMが電源を入れられるときに実行されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記記憶するステップは、前記パラメータの前記値が前記パラメータの前の値と異なることにさらに応じることを特徴するコンピュータプログラム製品。
【請求項22】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記センサは、衝撃センサ、温度センサ、および湿度センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
請求項1に記載のシステムであって、前記AACMMの促される校正は、プローブの校正であることを特徴とするシステム。
【請求項24】
請求項1に記載のシステムであって、前記AACMMの促される校正は、単一点関節稼働性能試験であることを特徴とするシステム。
【請求項25】
請求項8に記載の方法であって、前記AACMMの促される校正は、プローブの校正であることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項8に記載の方法であって、前記AACMMの促される校正は、単一点関節稼働性能試験であることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記AACMMの促される校正は、プローブの校正であることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項28】
請求項17に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記AACMMの促される校正は、単一点関節稼働性能試験であることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2013−517501(P2013−517501A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550047(P2012−550047)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021259
【国際公開番号】WO2011/090894
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021259
【国際公開番号】WO2011/090894
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
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