説明

合成皮革製造用離型紙、それを用いて製造した合成皮革

【課題】合成皮革におけるマット調のマット感をより鮮明にし、かつその製造が容易な合成皮革製造用離型紙を提供する。
【解決手段】紙基材層4と、紙基材層4の上に設けられた目止層3と、目止層3の上に形成された剥離層2とからなり、目止層3は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、シリコーン複合パウダーとからなり、目止層3中には、平均粒子径0.5〜30μmのシリコーン複合パウダーを、10〜70質量%の範囲で配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成皮革製造用離型紙および合成皮革に関し、より詳細にはマット調に優れた合成皮革製造用離型紙およびこの離型紙使用して製造した合成皮革に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成皮革として塩化ビニル系樹脂やポリウレタン樹脂を主原料としたものが広く使用されている。このような合成皮革は、離型紙を用いて製造されることが多い。例えば、ポリウレタンレザーを製造するには、離型紙上にペースト状のポリウレタン樹脂を塗布し、乾燥・固化した後に基布を貼合して離型紙から剥離する。離型紙に天然皮革と同様の絞り模様や他の凹凸を形成しておけば、得られる合成皮革の表面に良好な模様を付与することができる。同様の原理により、離型紙上にペースト状のポリウレタン樹脂を塗布して乾燥・固化した後、塩化ビニル発泡層を形成して基布と貼合し、離型紙から剥離してもよい。また、塩化ビニルレザーを製造する方法として、離型紙上に塩化ビニルゾルを塗布し、加熱・ゲル化した後、塩化ビニル発泡層を形成して基布と貼合し、離型紙から剥離する方法もある。
【0003】
このような離型紙は、合成皮革用離型紙の支持体としてJIS P−3001に基づく吸油度で200〜1000秒の顔料塗被紙を使用し、この顔料塗被紙にスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスのトルエンに対するゲル重量分率が80%以上のバインダーを塗工し、剥離剤層が、平均粒子径0.5〜40μmの範囲にある無機顔料を艶消剤として含有し、かつ離型紙表面の王研式平滑度が100〜500秒の範囲にあることを特徴とする、合成皮革用離型紙がある(特許文献1)。艶消しタイプの合成皮革の表面形成に供される離型紙として、支持体にシリカなどの無機顔料を添加して剥離層を形成させたものは光沢度や平滑性が高く、得られる合成皮革の色調が淡く漆黒性が低い。しかしながら、上記構成によれば、合成皮革に高い漆黒性と均一性を付与することができるという。
【0004】
また、電離放射線硬化樹脂層と、熱硬化シリコーン層とがこの順に積層され、かつエンボスを有する剥離紙もある(特許文献2)。特定の電離放射線硬化樹脂層を使用することで耐熱性、耐溶剤性、機械的強度に優れ、再使用が可能な離型紙を提供するというものである。
【0005】
さらに、剥離紙用シリコーン組成物(1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンおよび1分子中にケイ素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン)に、シリコーンゴム微粉体を添加することにより、この組成物を各種基材に塗工し得られるコーティング面は、光沢を極度に低下することができ、表面は光沢のないいわゆるマット調となること、かつ均一性に優れていることから、これを用いて簡便に表面がマット調の合成樹脂シート類を製造するもの(例えば、特許文献3)もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−328464号公報
【特許文献2】特開2009−101685号公報
【特許文献3】特開2004−107642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1では、剥離層に特定の平均粒子径の艶消し剤を配合して漆黒性を確保するものであるが、この特許文献1に記載の合成皮革用離型紙と併せて特許文献2に記載の剥離紙における剥離層にガラスなどの無機粒子を配合する場合には分散剤の配合が必要であり、無駄な原料使用および製造工程が必要になるとともに、均一な分散には熟練を要するため安価かつ簡便な製造が困難な状況となっている。
また、特許文献3に記載の離型紙では、シリコーン層(剥離紙用シリコーン組成物)にシリコーンゴム微粉体を直接添加しており、シリコーンゴム微紛体が、合成皮革側本体のウレタン樹脂側に転移することから、このウレタン樹脂が白っぽくなってしまうため、グロス値(光沢の程度)を抑えるために用いるシリコーンゴム微粉体の配合量を増やすことができない。従って、グロス値が下げられず、需要者のニーズに応じたよりマット感を強調する合成皮革を製造することができないという問題があった。
このような状況の下、本発明は、合成皮革におけるマット調のマット感をより鮮明にし、かつその製造が容易な合成皮革製造用離型紙を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、請求項1に記載の発明は、紙基材層と、前記紙基材層の上に設けられた目止層と、前記目止層の上に形成された剥離層とからなる合成皮革製造用離型紙であって、前記目止層は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、シリコーン複合パウダーとからなることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の合成皮革製造用離型紙において、前記目止層中には、平均粒子径0.5〜30μmの前記シリコーン複合パウダーを、10〜70質量%の範囲で配合することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の合成皮革製造用離型紙において、前記熱可塑性樹脂は、ポリ塩化酢酸ビニルとしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の合成皮革製造用離型紙を使用して製造された合成皮革である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、紙基材層と、紙基材層の上に設けられた目止層と、目止層の上に形成された剥離層とからなる合成皮革製造用離型紙であって、目止層は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、シリコーン複合パウダーとからなるので、合成皮革表面にマット調を鮮明に表出させることができる。しかも、シリコーン複合パウダーにより、合成皮革製造の際に分散剤を使用することなく目止層でシリコーン複合パウダーが均一に分散するため、合成皮革製造用離型紙の製造工程を簡略化することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、前記目止層中には、平均粒子径0.5〜30μmの前記シリコーン複合パウダーを、10〜70質量%の範囲で配合することにより、顕著に合成皮革表面にマット調を鮮明に表出させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、熱可塑性樹脂は、ポリ塩化酢酸ビニルとしたので、耐熱樹脂であることから、エンボス時において加熱変形を可能としながらも、合成皮革製造時において高温乾燥時に融解や液化することがなく、さらに可撓性を有することから、円滑にロールに巻き取ることができ、合成皮革の生産性を向上させることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の合成皮革製造用離型紙を使用して合成皮革を製造するので、マット調に優れた合成皮革を効率的に生産でき、合成皮革の品質および生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】紙基材層と、目止層と、熱硬化シリコーン層とを積層した、本発明の合成皮革製造用離型紙を説明する図である。
【図2】シリコーン複合パウダーの構造を説明する図である。
【図3】液中のシリコーン複合パウダーの沈降状態を経時的に説明した図である。
【図4】液中のシリコーンレジンパウダーの沈降状態を経時的に説明した図である。
【図5】液中のシリカ微粒子の沈降状態を経時的に説明した図である。
【図6】シリコーン複合パウダーを用いた合成皮革製造用離型紙の剥離層の拡大図(290倍および720倍)である。
【図7】シリコーンレジンパウダーを用いた合成皮革製造用離型紙の剥離層の拡大図(290倍および720倍)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1
は紙基材層と、目止層と、熱硬化シリコーン層とを積層した、本発明の合成皮革製造用離型紙を説明する図、図2はシリコーン複合パウダーの構造を説明する図である。
【0018】
本願発明の合成皮革製造用離型紙1は、図1に示すように、製造される合成皮革側から順に、剥離層2と、目止層3と、紙基材層4とを積層した積層体からなるものである。なお、紙基材層4と目止層3との間に熱可塑性樹脂からなる中間層を積層するものであってもよい。このような中間層によって紙基材層4と目止層3との接着性が向上する場合がある。
【0019】
また、目止層3は、乾燥したポリ塩化酢酸ビニル層中に、平均粒子径0.5〜30μmのシリコーン複合パウダー(粒子)を10〜70質量%の範囲で配合したものであり、このシリコーン複合パウダーの粒子の凹凸が、剥離層でもある熱硬化シリコーン層2に微細な凹凸を付与し、マット調となる。
【0020】
本発明の合成皮革製造用離型紙で使用する紙基材層4は、目止層3および熱硬化シリコーン層2を積層する工程、また、離型紙に凹凸模様を賦型する工程(エンボス)に耐える強度を有し、合成皮革の塗工・形成時に加熱・乾燥処理を施す際、また、エンボス時の耐熱性、耐薬品性などの性質を有するものである。クラフト紙、上質紙、片艶クラフト紙、純白ロール紙、グラシン紙、カップ原紙などの非塗工紙の他、天然パルプを用いない合成紙なども用いることができる。合成皮革の加工適性のためには、耐久性、耐熱性に優れる点で天然パルプからなる紙を使用することが好ましい。
【0021】
本発明において、紙基材層4として使用する紙は、秤量15〜300g/m2、好ましくは100〜180g/m2である。なお、本発明で使用する紙基材層としては、例えば一般的な、クレーコート紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、樹脂コート紙、加工原紙、剥離原紙、両面コート剥離原紙など、予め目止め層などが形成された市販品を使用してもよい。
【0022】
次に、目止層3は、膜性を有する樹脂および後述する本願発明の特徴であるシリコーン複合パウダーを添加したものからなり、この目止層3が紙基材層4上に施されていると、後述する熱硬化シリコーン層2のコーティング液の染み込みによるピンホールの発生を抑えられ、マット調をもたらす微細な凹凸も付与される。
【0023】
この目止層3を形成するために用いられる成膜性を有する樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、セルロース誘導体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂を用いることができる。
【0024】
また、熱硬化性樹脂としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。また、上記例示した熱可塑性樹脂の各樹脂の混合物や、熱硬化性樹脂の各樹脂の混合物、あるいは熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂のそれぞれから任意の樹脂を混合して使用しても良い。
【0025】
本願発明の目止層3の樹脂としては、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂を用いることがより好ましい。これは、合成皮革製造時において、加熱変形を可能としながらも、高温乾燥時に融解や液化することがなく、さらに可撓性を有することから、円滑にロールに巻き取ることができ、合成皮革の生産性を向上させることができるからである。
【0026】
そして、本願発明の合成皮革製造用離型紙では、目止層3に用いるポリ塩化酢酸ビニル樹脂には、シリコーン複合パウダーが配合される。このシリコーン複合パウダーは、例えば、図2の構造に示すような、互いに微粉末であるシリコーンゴムパウダーの表面を、シリコーンレジンパウダーで被覆したものである。なお、シリコーンゴムパウダーは、ビニル基含有ジメチルシリコーンオイルを白金触媒存在下、ハイドロジェンシリコーンオイルで架橋した構造を有する化合物であり、また、シリコーンレジンパウダーは、メチルトリアルコキシシランを加水分解することにより得られ、3次元網目状に架橋した構造の化合物である。
【0027】
後述するが、本発明に用いるシリコーン複合パウダーの平均粒子径としては、0.5〜30μm、好ましくは5〜12μmである。上記範囲内であると、より漆黒性のあるマット調の合成皮革を得ることができるため好ましい。また、本発明では、このシリコーン複合パウダーを、ポリ塩化酢酸ビニル溶液における乾燥後の固形分に対して10〜70質量%の濃度範囲で配合されるが、好ましくは25〜65質量%であり、より好ましくは25〜55質量%である。
【0028】
従来、合成皮革製造用離型紙の製造においては、硬化性樹脂組成物にガラス粒子などの無機粒子を用いているものがあるが、このガラス粒子は、硬化性樹脂組成物内での分散が困難であり、別途分散剤を配合する必要がある。しかも均一分散には熟練を要し、粒子を硬化性樹脂組成物へ混練する特別の工程が必要であった。しかしながら、本発明で使用するシリコーン複合パウダー粒子は、分散剤を使用することなくポリ塩化酢酸ビニル樹脂中に粒子を分散させることができるため、製造工程を簡略化することができ、かつマット調の表出にきわめて優れる事が判明した。
【0029】
ここで、シリコーン複合パウダーが高い液中分散安定性を有することを説明する。図3は液中のシリコーン複合パウダーの沈降状態を経時的に説明した図、図4は液中のシリコーンレジンパウダーの沈降状態を経時的に説明した図、図5は液中のシリカ微粒子の沈降状態を経時的に説明した図、図6はシリコーン複合パウダーを用いた合成皮革製造用離型紙の剥離層の拡大図(290倍および720倍)、図7はシリコーンレジンパウダーを用いた合成皮革製造用離型紙の剥離層の拡大図(290倍および720倍)である。
【0030】
まず、各ビーカー内の液中に、それぞれシリコーン複合パウダー、シリコーンレジンパウダーおよびシリカ微粒子を溶液の乾燥固形分量に対して65質量%の量で投入し、各ビーカーにおける溶液の状態を経時的に観察した。なお、ビーカー内の溶液としては、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)、シリコーン複合パウダーには、信越化学工業株式会社製、商品名「KMP−600」、平均粒子径約5μm、シリコーンレジンパウダーには、信越化学工業株式会社製、商品名「X−52−1621」、平均粒子径約5μm、シリカ微粒子には、株式会社トクヤマ製、商品名「X―60」、粒子径約5μm、をそれぞれ用いた。
【0031】
図3に示すように、シリコーン複合パウダーは、ビーカー内の液中において、投入開始から3時間経過しても沈降することなく、液中で安定的に分散していることが分かった。
【0032】
これに対して、シリコーンレジンパウダーは、図4に示すように、投入開始から約30分〜1時間でシリコーンレジンパウダーの粒子が、液と分離して沈降したことが分かった。また、シリカ微粒子においても、図5に示すように、投入開始から間もなく液上がゲル化し、かつ、チキソトロピー性も確認できた。従って、これらの結果から、シリコーン複合パウダーが、液中での分散安定性および塗工性に優れていることが分かった。
【0033】
次に、坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、一方はシリコーン複合パウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「KMP−600」、平均粒子径約5μm)と、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)、他方はシリコーンレジンパウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「X−52−1621」、平均粒子径約5μm)と、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)を混合してなる目止層3をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件で加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0034】
そして、離型剤(信越化学工業株式会社製、商品名「KS−830」)をメイヤーバー番手:#8を用いて塗膜厚さが乾燥後0.4g/m2となるように塗工し、同じく130℃、30秒の条件で加熱乾燥させ、シリコーン層を熱硬化させた。この合成皮革製造用離型紙の層構成は、ユトリログロスマット/KMP600+XS−870/KS−830となる。
【0035】
上記のようにして得られた合成皮革製造用離型紙1の剥離層の拡大図(倍率290倍および720倍)を図6〜7に示す。
【0036】
この図6に示すように、シリコーン複合パウダーを用いた離型紙1は、シリコーン複合パウダーが凝集することなく分散していたが、図7に示すように、シリコーンレジンパウダーを用いた離型紙1では、シリコーンレジンパウダーの多くが凝集して海島構造を形成し、分散性が低いことを示した。従って、これらの結果から、シリコーン複合パウダーの分散性が優れていることが分かった。なお、本明細書における表面拡大図は、全て株式会社キーエンス製レーザー顕微鏡VK−9510を用いて観察したものである。
【0037】
なお、紙基材層4に目止層3を塗工する方式としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、コンマコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等の公知の塗工機を用いた方法の中から適宜選択することができる。
【0038】
本発明で使用するシリコーン複合パウダーの平均粒子径は、前記したように5〜12μmであることが好ましい。この範囲でポリ塩化酢酸ビニル樹脂に対する分散性に優れ、かつマット調の離型紙を形成することができるからである。なお、本願明細書において、「平均粒子径」とは、シリコーン複合パウダーを走査型電子顕微鏡で任意の倍率で観察・写真撮影し、その写真から、無作為に500個の粒子を選び、デジタルノギスを用いて各粒子の長径を測長し、その数平均値を平均粒子径とする。
【0039】
また、使用するシリコーン複合パウダーの形状は、シリコーン複合パウダーの真球度(短径/長径)が1である真円である場合に限定されないが、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.9以上である。なお、上記真球度は、シリコーン複合パウダーの平均真球度である。
【0040】
さらに、シリコーン複合パウダーの粒度分布も、単分散に限定されるものでもない。粒度分布の変動係数は、0.65以下であることが好ましく、より好ましくは0.6以下である。この範囲で、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂における分散性に優れるからである。なお、粒度分布の変動係数は、粒子径の標準偏差σを平均値で割り、百分率で表した数値である。
【0041】
本発明で使用するシリコーン複合パウダーは、目止層3でポリ塩化酢酸ビニル樹脂と配合されて合成皮革にマット調を形成するにたる耐熱性を有する必要がある。本発明で使用するシリコーン複合パウダーの融点は200℃以上、より好ましくは200〜300℃である。
【0042】
本発明では、シリコーン複合パウダーとして市販品を使用してもよい。このようなシリコーン複合パウダーとして、信越化学工業株式会社の「KMP−600」などを使用することができる。
【0043】
次に、剥離層2は、熱硬化シリコーン層2として、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンおよび白金系硬化触媒からなる熱硬化性シリコン組成物を熱硬化して形成したものを好適に使用することができる。なお、このような熱硬化性シリコーン組成物としては、市販品を使用してもよく、例えば、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとの混合物からなる付加重合型シリコーン材料の主剤(信越化学工業株式会社製、KS−3603)に白金系硬化触媒からなる硬化剤(信越化学工業株式会社製、CAT−PL−50T)を混合して調製することができる。また、信越化学工業株式会社製、商品名「X−62−9214」も好適に使用することができる。
【0044】
本発明で使用する熱硬化性シリコーン組成物は、強度等の充分な皮膜物性を得るために硬化性を有する。熱硬化性シリコーン層2は、前記熱硬化性シリコーン組成物の塗布、乾燥加熱によって調製でき、形成される熱硬化シリコーン層2の厚みは0.01〜20μmの範囲が好ましい。
【0045】
本発明の合成皮革製造用離型紙1の製造方法について説明する。合成皮革製造用離型紙1は、紙基材層4上に、上述したシリコーン複合パウダーおよびポリ塩化酢酸ビニル樹脂からなる目止層3を塗工し、この目止層3を乾燥および熱硬化させ、次いで、熱硬化した目止層3上に熱硬化性シリコーン組成物を塗工し、加熱乾燥して熱硬化シリコーン膜を形成し、前記熱硬化シリコーン膜側から加熱処理して前記した目止層3を硬化して製造することができる。
【0046】
目止層3は、例えば、予め熱重合開始剤(ペルオキシドやアゾ化合物、トリエチルボランなど)が配合されたポリ塩化酢酸ビニル樹脂を溶媒で希釈し、これにシリコーン複合パウダーを撹拌しつつ添加して調製することができる。溶媒で希釈する場合は、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂100質量部に対して10〜1000質量部、より好ましくは100〜700質量部の溶剤で希釈することができる。この範囲で、シリコーン複合パウダーを沈降することなく分散でき、かつ塗工に適正な粘度、例えば、25℃において10〜3000mPa・秒の粘度を付与するとともに、これを乾燥する工程においてシリコーン化合物の適正な表面への移行を可能にする。
【0047】
溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶媒、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒などが用いられる。本発明で使用するシリコーン複合パウダーは、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂に対する親和性に優れ、沈降することなく組成物中に分散される。
【0048】
この目止層3は、ダイレクトグラビアコート、リバースグラビアコート、グラビアオフセットコート、マイクログラビアコート、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、カーテンコート、ナイフコート、エアナイフコート、バーコート、ダイコート、スプレーコートなどの公知の方法で紙基材層4上に塗工することができる。これを紙基材層4上に塗工し、温度90〜190℃で乾燥および加熱して、乾燥炉で溶剤を蒸発させて目止層3を熱硬化させる。この温度は、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂の軟化点より高く、かつポリ塩化酢酸ビニル樹脂が溶融する温度より低い範囲である。
【0049】
次いで、目止層3の上に熱硬化シリコーンを塗工し、温度90〜190℃で加熱乾燥し、乾燥炉内で硬化し熱硬化シリコーン膜を形成させ、この熱硬化シリコーン層2の側から加熱し、熱硬化シリコーン膜を硬化させ熱硬化シリコーン層2とする。
【0050】
本発明の合成皮革製造用離型紙1において、目止層3の厚さは、1〜50μmであり、熱硬化シリコーン層2の厚みは0.01〜20μmである。ポリ塩化酢酸ビニル樹脂にシリコーン複合パウダーを配合すると、シリコーン複合パウダーによる凹凸が剥離層の表面に表出され、合成皮革製造用離型紙をマット調にすることができる。
【0051】
次に、合成皮革の製造方法について説明する。本発明の合成皮革製造用離型紙1を用いて、従来の離型紙を使用するのと同様にして合成皮革を製造することができる。まず、合成皮革製造用離型紙1の熱硬化シリコーン層2上に合成皮革用の樹脂組成物を塗布する。次に、この樹脂組成物を加熱・乾燥し、熱硬化させる。そして、この熱硬化シリコーン層2上に塗布された樹脂層にはマット調が形成されている。これに基布(例えば、織布、不織布等)を貼り合わせ、樹脂層を乾燥させて冷却した後、離型紙1を剥離すれば合成皮革を得ることができる。
【0052】
上記の合成皮革用の樹脂組成物には、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の樹脂を用いることができる。この樹脂組成物の塗布方法としては、ナイフコート、ロールコート、グラビアコート等の従来公知の塗布方法を挙げることができる。このような本発明の合成皮革製造用離型紙1を用いた合成皮革の製造では、高温下で行なわれる塩化ビニル系レザー製造の場合においても、紙基材層4と目止層3との間における剥離が防止され、耐熱性に優れ、かつ機械的強度の高い目止層3の存在および剥離性に優れる熱硬化シリコーン層2の存在により繰り返し安定生産が可能となる。
【実施例】
【0053】
次に、具体的な実施例を示して本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)の固形分に対して、各シリコーン複合パウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「KMP−600」、平均粒子径約5μm)を、5〜70質量%の範囲で配合量を変化させたものとを混合してなる塗工液(液体成分は、「XS−870」100質量部に対して、溶剤を125質量部添加)をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0054】
得られた熱硬化組成物膜上に熱硬化シリコーン組成物(信越化学工業株式会社製、商品名「KS−830」)をメイヤーバー番手:#8を用いて塗膜厚さが乾燥後0.4g/m2となるように塗工し、同じく130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、シリコーン層を熱硬化させた。この合成皮革製造用離型紙の層構成は、ユトリログロスマット/KMP−600+XS−870/KS−830となる。
【0055】
次いで、加熱により前記熱硬化組成物膜を硬化させ、合成皮革製造用離型紙を得た。この得られた合成皮革製造用離型紙につき、無黄変型カーボネート系ポリウレタン(大日精化株式会社製、製品名「レザミンNE8811」)100質量部に対して、黒色顔料(大日精化株式会社製、製品名「セイカセブンNET−5794」)33.3質量部を配合したポリウレタン樹脂組成物を調整し、乾燥厚み坪量約36g/m2になるようにメイヤーバー番手:#18を用いて塗工し、70℃で600秒の条件でこれを加熱硬化させた。この熱硬化組成物膜上に同上のポリウレタン樹脂組成物を上と同じく塗布し、この層を接着層とし、基布を貼り付け、ポリウレタン表皮層を有する基布を形成した。その後、同じく加熱硬化させた後、合成皮革用離型紙からポリウレタン表皮層を有する基布を剥離させ、合成皮革とした。
【0056】
そして、この合成皮革用離型紙および離型紙を用いて製造した合成皮革につき、株式会社堀場製作所製光沢度計IG−320によって、グロス値(60°反射)を評価した。それら結果を表1に示す。また、合成皮革の離型紙からの剥離性も目視評価し、それらの結果も合わせて表1に示す。粒子の各塗布膜への転移等が全く無い場合を〇とし、各塗布膜への粒子の転移が一部ある場合を△とし、各塗布膜への転移がある場合または剥がれない場合を×とした。
【0057】
(実施例2)
坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)の固形分に対して、各シリコーン複合パウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「KMP−601」、平均粒子径約12μm)を、5〜70質量%の範囲で配合量を変化させたものとを混合してなる塗工液(液体成分は、「XS−870」100質量部に対して、溶剤を125質量部添加)をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0058】
そして、この合成皮革用離型紙および離型紙を用いて製造した合成皮革について、実施例1と同様にしてグロス値および剥離性を評価した。それら結果を表2に示す。
【0059】
(実施例3)
坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)の固形分に対して、各シリコーン複合パウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「KMP−602」、平均粒子径約30μm)を、5〜70質量%の範囲で配合量を変化させたものとを混合してなる塗工液(液体成分は、「XS−870」100質量部に対して、溶剤を125質量部添加)をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0060】
そして、この合成皮革用離型紙および離型紙を用いて製造した合成皮革について、実施例1と同様にしてグロス値および剥離性を評価した。それら結果を表3に示す。
【0061】
(実施例4)
坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)の固形分に対して、各シリコーン複合パウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「X−52−7030」、平均粒子径約0.8μm)を、5〜70質量%の範囲で配合量を変化させたものとを混合してなる塗工液(液体成分は、「XS−870」100質量部に対して、溶剤を125質量部添加)をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0062】
そして、この合成皮革用離型紙および離型紙を用いて製造した合成皮革について、実施例1と同様にしてグロス値および剥離性を評価した。それら結果を表4に示す。
【0063】
(比較例1)
坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)の固形分に対して、各シリコーンレジンパウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「X−52−1621」、平均粒子径約5μm)を、5〜70質量%の範囲で配合量を変化させたものとを混合してなる塗工液(液体成分は、「XS−870」100質量部に対して、溶剤を125質量部添加)をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0064】
そして、この合成皮革用離型紙および離型紙を用いて製造した合成皮革について、実施例1と同様にしてグロス値および剥離性を評価した。それら結果を表5に示す。
【0065】
(比較例2)
坪量が約157g/m2の紙基材層(大王製紙株式会社製、商品名「ユトリログロスマット」)に、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂(DICグラフィックス株式会社製、商品名「XS−870」、固形分25質量%)の固形分に対して、各シリコーンレジンパウダー(信越化学工業株式会社製、商品名「X−52−854」、平均粒子径約0.8μm)を、5〜70質量%の範囲で配合量を変化させたものとを混合してなる塗工液(液体成分は、「XS−870」100質量部に対して、溶剤を125質量部添加)をメイヤーバー番手:#14を用いて塗工し、130℃で30秒の条件にて加熱乾燥させ、この目止層3を熱硬化させ、熱硬化組成物膜を得た。
【0066】
そして、この合成皮革用離型紙および離型紙を用いて製造した合成皮革について、実施例1と同様にしてグロス値および剥離性を評価した。それら結果を表6に示す。
【0067】
以上の結果から、目止層に、平均粒子径0.8μm〜12μmのシリコーン複合パウダー(実施例1〜4)を用いた場合および平均粒子径5μmのシリコーンレジンパウダー(比較例1)を用いた場合には、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂に対するそれら配合量がおよそ50質量%以上となるところで、グロス値が1以下となり、マット調を強調させるためのいわゆる光沢性を低下させることが分かった。
【0068】
また、上記比較例1におけるシリコーンレジンパウダーの配合量をさらに増加させた離型紙では、グロス値もさらに低下した。しかしながら、上述したように、シリコーンレジンパウダーはシリコーン複合パウダーに比べて分散性が悪いため、低グロス値であっても均一なマット調を表出させることができない上、塗工適性が悪いことが判明した。また、平均粒子径0.8μmのシリコーンレジンパウダー(比較例2)を用いた場合にも、分散性が悪いため、低グロス値であっても均一なマット調を表出させることができず、塗工適性が悪いことが判明した。
【0069】
これに対して、実施例1〜4のシリコーン複合パウダーを用いた離型紙では、液中分散安定性が良いため、塗工適性に優れることがわかった。さらに、実施例1および2の平均粒径5〜12μm前後のシリコーン複合パウダーを用いた離型紙では、その配合量増加に伴い、グロス値の低下が顕著であることも判明した。このことから、液中分散安定性に優れるシリコーン複合パウダーを用いた離型紙により合成皮革のマット調を均一かつ鮮明に表出することができ、また、その離型紙の製造においても分散剤を用いない簡略化された製造工程を実現できる。また、この場合に用いる最適なシリコーン複合パウダーとして、平均粒子径では、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは5〜12μmであり、ポリ塩化酢酸ビニル樹脂に対する配合量としては、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは25〜65質量%の範囲で目止層に配合することで、上記効果を最大限に発揮することができる。これは、シリコーン複合パウダーの配合量が10質量%を下回ると、低グロス値を得ることができないため、好ましくない。また、シリコーン複合パウダーの配合量を70質量%より多くしても、低グロス値に大きな変化はなく、逆にシリコーン複合パウダーの消費量増大によるコスト高となるほか、剥離性も悪くなるため、好ましくない。
【0070】
なお、上述した実施例1〜4および比較例1〜2の離型紙およびその離型紙を用いた合成皮革(表1〜6における剥離性評価において、〇を示す上限付近の配合量のものを例示)において、グロス値や剥離性、液中分散安定性を比較したものを表7に示した。表中の液中分散安定性については、調液後3時間静置しても、粒子が凝集・沈降しない溶液系を〇、一方、3時間以内で粒子が凝集・沈降するものを×と評価した。この表7からも明らかなように、実施例1〜2に示す、平均粒子径が5〜12μmのシリコーン複合パウダーを用いたものが、シリコーン複合パウダーの液中分散安定性(ひいては、塗工適性)、合成皮革の剥離性、離型紙および合成皮革の低グロス値、全ての面で優れることが分かった。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】

【0073】
【表3】

【0074】
【表4】

【0075】
【表5】

【0076】
【表6】

【0077】
【表7】

【0078】
以上詳述したように、この例の合成皮革製造用離型紙1は、紙基材層4と、紙基材層4の上に設けられた目止層3と、目止層3の上に形成された剥離層2とからなり、目止層3は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、シリコーン複合パウダーとからなり、目止層3中には、平均粒子径0.5〜30μmのシリコーン複合パウダーを、10〜70質量%の範囲で配合するものである。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の合成皮革製造用離型紙は、安価に均一かつ鮮明なマット調の合成皮革を製造することができ有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 合成皮革製造用離型紙
2 剥離層(熱硬化シリコーン層)
3 目止層
4 紙基材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙基材層と、
前記紙基材層の上に設けられた目止層と、
前記目止層の上に形成された剥離層とからなる合成皮革製造用離型紙であって、
前記目止層は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、シリコーン複合パウダーと、からなることを特徴とする合成皮革製造用離型紙。
【請求項2】
前記目止層中には、平均粒子径0.5〜30μmの前記シリコーン複合パウダーを、10〜70質量%の範囲で配合することを特徴とする請求項1に記載の合成皮革製造用離型紙。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂は、ポリ塩化酢酸ビニルとしたことを特徴とする、請求項1に記載の合成皮革製造用離型紙。
【請求項4】
請求項1または2に記載の合成皮革製造用離型紙を使用して製造された合成皮革。

【図1】
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【図2】
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【図6】
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【図7】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−251253(P2012−251253A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123360(P2011−123360)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】