説明

回線エミュレーション方法および装置

【課題】パケット数を削減してパケット転送の効率化およびネットワーク帯域の有効利用を達成できる回線エミュレーション方法および装置を提供する。
【解決手段】複数のTDM回線を非同期網1に接続するための回線エミュレーション装置は、複数のTDM回線の各々の宛先となる非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納するテーブル104と、テーブルを参照することで複数のTDM回線のうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードに宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成するパケット組立手段103−105と、多重パケットを前記非同期網へ送信する送信手段106と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPWE3(Pseudo Wire Emulation Edge to Edge)技術に係り、特にTDM(Time Division Multiplexing)信号をイーサネット(登録商標、以下、「Ether」と略記する。)やパケット交換網などの非同期網を通して転送するための回線エミュレーション方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
TDM回線をパケット網などの非同期網で回線エミュレーションする技術が種々提案されている(たとえば特許文献1など)。特に、非特許文献1には、宛先のTDM回線毎に1以上のタイムスロットTSを束ねて1つのパケットを生成しパケット交換網を通して転送する回線エミュレーションサービスCESoPSN(Circuit Emulation Service over Packet Switched Network)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−199162号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Request for Comments: 5086 (Network Working Group, “Structure-Aware Time Division Multiplexed (TDM) Circuit Emulation Service over Packet Switched Network (CESoPSN)” December 2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1のCESoPSNでは、出力TDM回線毎にタイムスロットを束ねて1つのパケットを生成するので、パケット交換網PSN(Packet Switched Network)上で同一宛先であったとしても個別にパケット化される。このために、同じEtherヘッダのパケットが複数転送されることになり、効率的なパケット転送およびネットワーク帯域の有効利用を達成できない。さらに、複数のパケットがパケットネットワーク上で行きかうことになるため中継機器での輻輳により揺らぎが発生やすくなる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、パケット数を削減してパケット転送の効率化およびネットワーク帯域の有効利用を達成できる回線エミュレーション方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による回線エミュレーション装置は、複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続するための回線エミュレーション装置であって、前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納するテーブルと、前記テーブルを参照することで、前記複数のTDM回線のうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成するパケット組立手段と、前記多重パケットを前記非同期網へ送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明による回線エミュレーション方法は、複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続するための回線エミュレーション方法であって、前記複数のTDM回線の各々のTDMデータを終端し、前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納したテーブルを参照することで、前記複数のTDMデータのうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードを生成し、前記ペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成し、前記多重パケットを前記非同期網へ送信する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明による回線エミュレーションシステムは、複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続する複数の回線エミュレーション装置を含む回線エミュレーションシステムであって、送信側の回線エミュレーション装置は、前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納するテーブルと、前記テーブルを参照することで、前記複数のTDM回線のうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成するパケット組立手段と、前記多重パケットを前記非同期網へ送信する送信手段と、を有し、受信側の回線エミュレーション装置は、 前記送信側の回線エミュレーション装置から多重パケットを受信する受信手段と、前記多重パケットを分解し、そのペイロードからTDM回線毎のTDMデータを取り出すパケット分解手段と、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パケット数を削減してパケット転送の効率化およびネットワーク帯域の有効利用を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(A)は本発明の一実施形態による回線エミュレーション装置を用いた概略的ネットワーク図、(B)はTDMフレームの例を示すフォーマット図である。
【図2】本発明の一実施例による回線エミュレーション装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は図2におけるECID検索テーブルの一例を示す模式図、(B)は図2における個別TDMデータ長情報の一例を示す模式図、(C)は図2における出力ポート検索テーブルの一例を示す模式図である。
【図4】本実施形態で使用されるCESoPSNパケットのフォーマット図である。
【図5】図2に示す回線エミュレーション装置の送信系におけるCESoPSNパケットの組立処理の一例を示す模式図である。
【図6】図2に示す回線エミュレーション装置の受信系におけるCESoPSNパケットの分解処理の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.一実施形態
図1(A)に示すように、ここでは非同期網がパケット交換網1であり、本発明の一実施形態による回線エミュレーション装置10がパケット交換網1に複数接続されているものとする。回線エミュレーション装置10は、後述するように、パケット組立/分解部が設けられている。回線エミュレーション装置10は、TDMフレームのタイムスロットを後述するように多重パケット化し、パケット交換網1を通して宛先の回線エミュレーション装置10へ送信する。多重パケットのペイロードに格納された多重化TDMデータは、宛先の回線エミュレーション装置10でTDM回線ごとにTDMフレームに変換され、対応するTDM回線へ送出される。
【0013】
本実施形態におけるTDMフレームは、図1(B)に示すように、T1フレームおよびE1フレームのいずれであってもよい。T1フレームであればフレーミング情報Fがフレーム先頭にあり、E1フレームであれば各タイムスロットTS内にフレーミング情報が格納されている。
【0014】
回線エミュレーション装置10のパケット組立/分解部は、TDMフレームからタイムスロットを取り出し、パケット交換網1上で同一の宛先であれば、出力先のTDM回線が異なっても同じパケットのペイロードに多重化する。こうして生成された多重パケットがパケット交換網1を通して宛先の回線エミュレーション装置10へ送信される。
【0015】
このように、出力先のTDM回線毎にEtherパケット化するのではなく、出力先のTDM回線が異なっても1つのパケット上に多重することで、パケット転送効率および帯域効率を向上させることができる。以下、RFC5086/MEF8で定義されているCESoPSNを用いた本発明の一実施例について詳細に説明する。
【0016】
2.回線エミュレーション装置
図2において、本発明の一実施例による回線エミュレーション装置10にはパケット組立/分解部100が設けられている。後述するように、パケット組立/分解部は、送信系のパケット組立系100TXと受信系のパケット分解系100RXとからなる。パケット組立系100TXは、パケット交換網1上で同一の宛先であれば、出力先のTDM回線が異なっても同じパケットのペイロードに多重化し、パケット分解系100RXは受信した多重パケットを分解する。
【0017】
TDMデータ終端部101は、複数のTDM回線のTDMデータ(T1/E1)を受信し、LOS(Loss Of Signal)、LOF(Loss Of Frame)の監視およびフレーミング情報の終端を行い、タイムスロット部分をCESoPSNパケット生成部102へ出力する。具体的には、T1フレームであればフレーミングビットを削除し、タイムスロットTS部分だけをCESoPSNパケット生成部102へ出力する。E1フレームであれば、タイムスロットTS内にフレーミング情報が格納されているので全タイムスロットTSをCESoPSNパケット生成部102へ出力する。
【0018】
CESoPSNパケット生成部102は、出力先のTDM回線番号に対応した回線宛先情報であるECID(Emulated Circuit Identifier)をタイムスロットTSに付与し、パケットヘッダでカプセル化したCESoPSNパケットを生成してECID検索部103へ出力する。
【0019】
ECID検索部103は、ECID検索テーブル104を参照してCESoPSNパケットのECIDフィールドからパケットの宛先を検索し、このパケット宛先とCESoPSNパケットとの組をCESoPSNパケット分解・組立部105へ出力する。ECID検索テーブル104には、後述するように、パケット交換網1上の各回線エミュレーション装置10のアドレスとTDM回線との対応が格納されている。すなわち、ECID検索テーブル104を参照することで、どのTDM回線がどの回線エミュレーション装置10に収容されているかを知ることができる。
【0020】
CESoPSNパケット分解・組立部105は、各CESoPSNパケットからECID以外のヘッダ部を削除し、ECIDとTDMペイロードとからなる個別TDMペイロードに分解する。こうして得られた各CESoPSNパケットの個別TDMペイロードを同一のパケット宛先ごとに多重化して(束ねて)多重化TDMペイロードを生成し、それにパケットヘッダを再付与した多重CESoPSNパケットをパケット送信部106がパケット交換網1に出力する。
【0021】
パケット受信部107は、他の回線エミュレーション装置10から受信した多重CESoPSNパケットをチェックし、異常が無ければパケット分解部108へ出力する。パケット分解部108は、ECIDごとの個別TDMデータ長情報109を参照して、多重CESoPSNパケットの多重化TDMペイロードを個別TDMペイロードに分解し、ECID比較部110へ出力する。
【0022】
ECID比較部110は、出力ポート検索テーブル111を参照して、個別TDMペイロードのECIDから当該TDMデータが出力されるべきTDM回線番号を特定し、当該TDMデータと共に出力ポート振り分け部112へ出力する。
【0023】
出力ポート振り分け部112は、TDM回線番号に従ってTDMデータを複数のTDM(T1/E1)回線に振り分ける。
【0024】
上述したパケット組立系100TXは、ECID検索部103、ECID検索テーブル104、CESoPSNパケット分解・組立部105およびパケット送信部106からなり、パケット分解系100RXは、パケット受信部107、パケット分解部108および個別TDMデータ長情報109からなる。なお、ECID検索テーブル104、個別TDMデータ長情報109および出力ポート検索テーブル111を除いて、回線エミュレーション装置10と同等の機能は、プログラムをプログラム制御プロセッサ上で実行することにより実現することも可能である。
【0025】
図3(A)に示すように、ECID検索テーブル104には、パケット交換網1上の各回線エミュレーション装置10のMACアドレスとTDM回線を特定するECIDとの対応が格納されている。ここでは、エミュレート回線識別子ECIDa、ECIDbおよびECIDcが1つのMACアドレスMAC#Aに対応付けられ、以下同様に、各回線エミュレーション装置10のMACアドレスが複数のエミュレート回線識別子に対応付けられているものとする。ECID毛なく部103は、CESoPSNパケット生成部102から入力したCESoPSNパケットのECIDから宛先となるMACアドレス情報を得ることができる。
【0026】
図3(B)に示すように、個別TDMデータ長情報109には、各ECIDのデータ長が記憶されているものとする。この例では、エミュレート回線識別子ECIDa、ECIDbおよびECIDcは、それぞれ12バイト、16バイトおよび1バイトとなっている。パケット分解部108は、受信した多重CESoPSNパケットの多重化TDMペイロードの各ECIDと個別TDMデータ長情報109とを比較することで、多重化TDMペイロードから個別TDMペイロードをそれぞれ切り出すことができる。
【0027】
図3(C)に示すように、出力ポート検索テーブル111には、エミュレート回線識別子ECIDと出力TDM回線番号との対応が格納されている。ECID比較部110は、個別TDMペイロードのECIDを用いて出力ポート検索テーブル111を検索することで、当該個別TDMペイロードのTDMデータが出力されるべきTDM回線番号を特定することができる。
【0028】
また、図4に示すように、CESoPSNパケット生成部102により生成されるCESoPSNパケットのヘッダには、出力先DM回線に対応したECIDが付与される。
【0029】
3.多重パケットの組立
まず、TDMデータ終端部101はTDMデータ(T1/E1)を受信し、LOS(Loss Of Signal),LOF(Loss Of Frame)の監視およびフレーミング情報の終端を行い、回線種別がT1であればフレーミングビットを削除してタイムスロット部分だけをCESoPSNパケット生成部102へ出力する。
【0030】
CESoPSNパケット生成部102は、図4に示すように、出力先のTDM回線が同一の1つ以上のタイムスロットに対して、予め設定された宛先MACアドレス、送信元MACアドレスを使用して生成したパケットヘッダに当該出力先TDM回線番号に対応した回線識別子であるECIDを付与することでCESoPSNパケットを生成し、ECID検索部103へ出力する。ECID検索部103は、ECID検索テーブル104を参照してCESoPSNパケットのECIDフィールドからパケットの宛先のMACアドレスを検索し、このMACアドレスとCESoPSNパケットとの組をCESoPSNパケット分解・組立部105へ出力する。
【0031】
CESoPSNパケット分解・組立部105は、各CESoPSNパケットからECID以外のヘッダ部を削除し、ECIDとTDMペイロードとからなる個別TDMペイロードに分解する。
【0032】
たとえば、図5に示すように、3つのCESoPSNパケットをそれぞれ分解することにより、3つの個別TDMペイロード201a、201bおよび201cが得られたとする。このうち、個別TDMペイロード201aおよび201cは、図3(A)に示すECID検索テーブル104から同じ宛先MACアドレス情報MAC#Aであることが分かる。従って、個別TDMペイロード201aおよび201cが束ねられて(多重されて)多重化TDMペイロード201dが生成され、それに宛先アドレスMAC#AのEtherヘッダAを再付与した多重CESoPSNパケットが生成されてパケット交換網1に出力される。個別TDMペイロード201bは、図3(A)に示すECID検索テーブル104から宛先MACアドレス情報がMAC#Bであるから、単独で多重化TDMペイロード201eとなり、それに宛先アドレスMAC#BのEtherヘッダBを再付与した多重CESoPSNパケットが生成され、パケット送信部106を通してパケット交換網1に出力される。
【0033】
4.多重パケットの分解
上述した多重CESoPSNパケットを他の回線エミュレーション装置10から受信すると、 パケット受信部107は、受信した多重CESoPSNパケットのCRCチェック等を行い、パケットに異常が無ければパケット分解部108へ出力する。
【0034】
図6に示すように、パケット分解部108は、受け取った多重CESoPSNパケットの多重化TDMペイロードのECIDを読み出し、個別TDMデータ長情報109から得た各ECIDのデータ長を用いて多重化TDMペイロードを個別TDMペイロード201aおよび201cに分解する。分解により得られた個別TDMペイロード201aおよび201cがECID比較部110へ出力される。
【0035】
ECID比較部110は、出力ポート検索テーブル111を参照して、個別TDMペイロード201aおよび201cの先頭にそれぞれ付与されているECIDaおよびECIDdから当該TDMデータが出力されるべきTDM回線番号(この例では共に#1)をそれぞれ特定する。このTDM回線番号とTDMデータとが出力ポート振り分け部112へ出力される。
【0036】
出力ポート振り分け部112は、TDM回線番号に従ってTDMデータを複数のTDM(T1/E1)回線に振り分け、出力物理番号を削除した上でタイムスロットが合致するようリタイミングを行ったうえでそれぞれのTDM回線へ出力する。
【0037】
5.効果
以上説明したように、本実施例によれば、出力先のTDM回線毎にパケット化するのではなく、出力先のTDM回線が異なっている場合であっても1つのパケットにTDMデータを多重することができるので、パケット転送効率および帯域効率の向上を達成できる。
【0038】
また、本実施例によれば、ECIDを宛先情報として使用しているので、Etherパケットヘッダの宛先/送信元MACアドレス領域を削減することができる。さらに、CESoPSNパケット生成部102により生成されるCESoPSNパケットは、CESoPSNの標準フォーマットを使用しているので、多重化が不要な場合、勧告で規定されたフォーマットとの互換性を保持することができるという利点もある。
【0039】
6.他の実施例
上述した実施例では、ECIDを回線宛先情報として使用しているが、ECIDの代わりに、MPLS(Multi-Protocol Label Switched)ラベルおよびUDPポート番号を回線宛先情報と使用することもできる。これにより非特許文献1(RFC5086)にある全てのパケットフォーマットに対応することが可能となる。
【0040】
また、上述した実施例では、CESoPSNパケット生成部102がTDMデータをCESoPSNパケット化し、CESoPSNパケット分解/組立部105が再度組立処理を実施しているが、本発明はこの構成に限定されるものではない。CESoPSNパケット生成時に同時に多重化TDMペイロードを生成して多重CESoPSNパケットを組み立てることも可能である。言い換えれば、パケット組立系100TXの機能をCESoPSNパケット生成部102に含めることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明はTDM回線エミュレーション技術一般に適用可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 パケット交換網
10 回線エミュレーション装置
100TX パケット組立系
100RX パケット分解系
101 TDMデータ終端部
102 CESoPSNパケット生成部
103 ECID検索部
104 ECID検索テーブル
105 CESoPSNパケット分解・組立部
106 パケット送信部
107 パケット受信部
108 パケット分解部
109 個別TDMデータ長情報
110 ECID比較部
111 出力ポート検索テーブル
112 出力ポート振り分け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続するための回線エミュレーション装置であって、
前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納するテーブルと、
前記テーブルを参照することで、前記複数のTDM回線のうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成するパケット組立手段と、
前記多重パケットを前記非同期網へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする回線エミュレーション装置。
【請求項2】
前記パケット組立手段は、
前記複数のTDM回線の各々のTDMデータと当該TDM回線の回線宛先情報とからなる個別TDMペイロードを生成する分解手段と、
前記テーブルを参照することで、同一の宛先アドレスとなる前記個別TDMペイロードを束ねて多重化TDMペイロードを生成し前記多重パケットを組み立てる組立手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の回線エミュレーション装置。
【請求項3】
前記パケット組立手段は、さらに、前記複数のTDM回線の各々のTDMデータから回線エミュレーションサービスCESoPSN(Circuit Emulation Service over Packet Switched Network)に従った個別パケットを生成するCESoPSNパケット生成手段を有し、前記分解手段は、前記個別パケットから前記回線宛先情報以外のヘッダ情報を削除することで前記個別TDMペイロードを生成する、ことを特徴とする請求項2に記載の回線エミュレーション装置。
【請求項4】
前記回線宛先情報はECID(Emulated Circuit Identifier)からなることを特徴とする請求項2または3に記載の回線エミュレーション装置。
【請求項5】
前記回線宛先情報はMPLS(Multi-Protocol Label Switched)ラベルおよびUDPポート番号からなることを特徴とする請求項2または3に記載の回線エミュレーション装置。
【請求項6】
他の回線エミュレーション装置から多重パケットを受信する受信手段と、
前記多重パケットを分解し、そのペイロードからTDM回線毎のTDMデータを取り出すパケット分解手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の回線エミュレーション装置。
【請求項7】
複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続する複数の回線エミュレーション装置を含む回線エミュレーションシステムであって、
送信側の回線エミュレーション装置は、
前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納するテーブルと、
前記テーブルを参照することで、前記複数のTDM回線のうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成するパケット組立手段と、
前記多重パケットを前記非同期網へ送信する送信手段と、
を有し、
受信側の回線エミュレーション装置は、
前記送信側の回線エミュレーション装置から多重パケットを受信する受信手段と、
前記多重パケットを分解し、そのペイロードからTDM回線毎のTDMデータを取り出すパケット分解手段と、
を有する、ことを特徴とする回線エミュレーションシステム。
【請求項8】
複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続するための回線エミュレーション方法であって、
前記複数のTDM回線の各々のTDMデータを終端し、
前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納したテーブルを参照することで、前記複数のTDMデータのうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードを生成し、
前記ペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成し、
前記多重パケットを前記非同期網へ送信する、
ことを特徴とする回線エミュレーション方法。
【請求項9】
前記ペイロードは、前記複数のTDM回線の各々のTDMデータと当該TDM回線の回線宛先情報とからなる個別TDMペイロードを生成し、前記テーブルを参照することで、同一の宛先アドレスとなる前記個別TDMペイロードを束ねて生成される、ことを特徴とする請求項8に記載の回線エミュレーション方法。
【請求項10】
前記複数のTDM回線の各々のTDMデータから回線エミュレーションサービスCESoPSN(Circuit Emulation Service over Packet Switched Network)に従った個別パケットを生成し、前記個別パケットから前記回線宛先情報以外のヘッダ情報を削除することで前記個別TDMペイロードが生成されることを特徴とする請求項9に記載の回線エミュレーション方法。
【請求項11】
前記回線宛先情報はECID(Emulated Circuit Identifier)からなることを特徴とする請求項9または10に記載の回線エミュレーション方法。
【請求項12】
前記回線宛先情報はMPLS(Multi-Protocol Label Switched)ラベルおよびUDPポート番号からなることを特徴とする請求項9または10に記載の回線エミュレーション方法。
【請求項13】
複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続するための回線エミュレーション方法であって、
送信側の回線エミュレーション装置が、前記複数のTDM回線の各々のTDMデータを終端し、前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納したテーブルを参照することで、前記複数のTDMデータのうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードを生成し、前記ペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成し、前記多重パケットを前記非同期網へ送信し、
受信側回線エミュレーション装置が、前記送信側の回線エミュレーション装置から多重パケットを受信し、前記多重パケットを分解し、そのペイロードからTDM回線毎のTDMデータを取り出す、ことを特徴とする回線エミュレーション方法。
【請求項14】
複数のTDM(Time Division Multiplexing)回線を非同期網に接続するための回線エミュレーション装置としてプログラム制御プロセッサを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記複数のTDM回線の各々のTDMデータを終端し、
前記複数のTDM回線の各々の宛先となる前記非同期網上の他の回線エミュレーション装置のアドレスを格納したテーブルを参照することで、前記複数のTDMデータのうち同一の宛先アドレスとなるTDM回線のTDMデータを束ねたペイロードを生成し、
前記ペイロードに前記宛先アドレスを含むヘッダを付与した多重パケットを生成し、
前記多重パケットを前記非同期網へ送信する、
ように前記プログラム制御プロセッサを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−10173(P2011−10173A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153509(P2009−153509)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】