説明

回路モジュール実装構造およびこの回路モジュールを有する電子機器

【課題】本発明は、回路基板に対する回路モジュールのグランド接続あるいは電波的な導通機能を簡単かつ確実に強化できる回路モジュール実装構造を得ることにある。
【解決手段】回路モジュール実装構造は、ICチップ39が実装された配線基板31と、配線基板を収容するケース30とを含む回路モジュール28と;回路モジュールが実装されるとともにグランド用ランド部26を有する回路基板21と;回路基板に取り付けられ、ランド部に導通されるとともに回路モジュールを回路基板に固定するCPUホルダ55と;を備えている。CPUホルダは、回路モジュールを支持するとともに配線基板のグランド用配線パターン36に導通される複数のボス部61と、ボス部を一体的に連結する連結部57a,57b,58a,58b とを有している。回路モジュールは、ボス部にねじ69,77 を介して固定されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線基板に複数のICチップが実装された回路モジュールの実装構造およびこの回路モジュールを有するポータブルコンピュータのような電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポータブルコンピュータに用いられているICパッケージは、コンピュータの小型軽量化、高速化および高機能化に対応するため、新しい形態が次々と開発されている。
【0003】一つのICチップをパッケージ化したシングルチップモジュール(SCM :Single-Chip Module)は、このICチップと配線基板との間を伝搬する信号の遅延が大きく、これがポータブルコンピュータのシステム全体の高速化を妨げる要因となることが知られている。これに対し、配線基板に複数のICチップを実装した、いわゆるマルチチップ・モジュール(MCM : Multi-Chip module )は、配線長の短縮、負荷容量の低減によりチップ間遅延を短縮でき、システム全体の高速化・高機能化を達成できるといった利点を有しており、次世代パッケージとして注目されている。
【0004】ところで、この種のMCM は、メインの回路基板にスタッキングコネクタを介して実装されている。このスタッキングコネクタは、互いに取り外し可能に嵌合される雄コネクタと雌コネクタとを有し、これら雄雌のコネクタのいずれか一方がMCM の配線基板に半田付けされているととに、他方がメインの回路基板に半田付けされている。
【0005】そのため、MCM は、スタッキングコネクタの嵌合力によって回路基板に保持されており、このMCM と回路基板とのグランド接続は、スタッキングコネクタのグランド用端子を通じて行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のMCM の実装構造によると、MCM と回路基板とのグランド接続は、スタッキングコネクタのグランド用端子を通じて行われているので、MCM のグランド接続あるいは電磁シールドのような電波的な導通機能を強化するためには、グランド用端子の数を増やすことが必要となってくる。
【0007】しかしながら、グランド用端子を増やすには、スタッキングコネクタの構造を変更しなくてはならず、グランド接続あるいは電波的導通機能を簡単に強化することが困難となるといった問題がある。
【0008】また、従来の実装構造では、回路基板に対するMCM の取り付け高さが雄雌のコネクタの嵌合深さによって決まるので、回路基板上でのMCM の取り付け高さが製品毎に微妙に変化することがあり得る。すると、例えばMCM の放熱性を高めることを目的として、回路基板上にMCM の熱を受けるヒートシンクを取り付ける場合に、このMCM とヒートシンクとの間のクリアランスが大きすぎて、ここに熱伝達を妨げるような隙間が生じたり、あるいは逆にクリアランスが小さすぎてヒートシンクがMCM に強く押し付けられてしまい、このMCM に無理な力が加わるといった弊害が生じてくる。
【0009】本発明の第1の目的は、回路基板に対する回路モジュールのグランド接続あるいは電波的な導通機能を簡単かつ確実に強化することができる回路モジュール実装構造および電子機器を得ることにある。本発明の第2の目的は、回路基板に対する回路モジュールの取り付け高さを精度良く定めることができる回路モジュール実装構造を得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載された回路モジュール実装構造は、グランド用の配線パターンを有するとともに、複数のICチップが実装された配線基板と、これらICチップおよび配線基板を収容するケースと、を含む回路モジュールと;この回路モジュールが実装されるとともに、グランド用のランド部を有する回路基板と;この回路基板に取り付けられ、上記ランド部に電気的に導通されるとともに、上記回路モジュールを回路基板上の所定位置に固定するための支持部材と;を備えている。そして、上記支持部材は、上記回路モジュールを支持するとともに、上記配線パターンに電気的に導通される複数のボス部と、これらボス部を一体的に連結する連結部と、を有し、これらボス部にねじを介して上記回路モジュールが固定されていることを特徴としている。
【0011】また、上記第1の目的を達成するため、請求項15に記載された電子機器は、筐体と;この筐体の内部に収容され、グランド用のランド部を有する回路基板と;複数のICチップおよびグランド用の配線パターンを有する配線基板と、これらICチップおよび配線基板を収容するケースと、を含み、上記回路基板に実装される回路モジュールと;上記回路基板に取り付けられ、上記ランド部に電気的に導通されるとともに、上記回路モジュールを回路基板上の所定位置に固定するための支持部材と;を備えている。そして、上記支持部材は、上記回路モジュールを支持するとともに、上記配線パターンに電気的に導通される複数のボス部と、これらボス部を一体的に連結する連結部と、を有し、これらボス部にねじを介して上記回路モジュールが固定されていることを特徴としている。
【0012】このような構成によれば、回路モジュールのグランド用の配線パターンに電気的に導通された複数のボス部は、連結部を介して互いに連結されているので、回路モジュールのグランドをとるボス部を並列に接続することができる。そのため、回路モジュールの配線パターンと回路基板上のランド部とを確実に導通させることができ、回路基板に対する回路モジュールのグランド接続や電波的な導通機能を強化することができる。
【0013】しかも、この場合、回路モジュールのグランド接続は、この回路モジュールを回路基板に固定するための支持部材を利用して行われるので、回路基板や回路モジュール側の大幅な構造変更は不要であり、グランド接続や電波的導通機能の強化を簡単に実現できる。
【0014】上記第2の目的を達成するため、請求項8に記載された回路モジュール実装構造は、複数のICチップが実装された配線基板と、これら配線基板およびICチップを収容するケースと、上記配線基板に実装され、上記ケースの外方に露出された第1のコネクタと、を含む回路モジュールと;この回路モジュールが実装される実装面を有し、この実装面に上記第1のコネクタが取り外し可能に嵌合される第2のコネクタを有する回路基板と;この回路基板の実装面と上記回路モジュールのケースとの間に介在される支持部材と;を備えている。そして、上記支持部材は、回路基板の実装面に沿って配置されるとともに、上記回路モジュールのケースを受け止める本体を有し、この本体に複数のねじを介して上記回路モジュールが固定されていることを特徴としている。
【0015】このような構成によれば、支持部材の本体は、回路基板の実装面に沿って配置されているので、この本体に回路モジュールのケースをねじ止めすると、本体が回路モジュールと実装面との間に介在されて、実装面に対する回路モジュールの取り付け高さを規定する一種のスペーサとして機能する。このため、実装面上での回路モジュールの取り付け高さが第1のコネクタと第2のコネクタとの嵌合深さの影響を受けることはなく、製品毎の回路モジュールの取り付け高さの変動を防止できる。
【0016】また、回路モジュールは、支持部材によって回路基板に保持されるので、第1および第2のコネクタの嵌合部分に回路モジュールの荷重が加わることはなく、これら第1および第2のコネクタの荷重負担を軽減できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態を、ポータブルコンピュータに適用した図1ないし図8にもとづいて説明する。図1は、電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。このポータブルコンピュータ1は、コンピュータ本体2と、このコンピュータ本体2に支持されたディスプレイユニット3とを備えている。
【0018】コンピュータ本体2は、合成樹脂製の筐体4を有している。筐体4は、底壁4a、上壁4b、前壁4c、左右の側壁4dおよび後壁4eを有する偏平な箱状をなしている。この筐体4の上壁4bは、パームレスト6とキーボード取り付け部7とを有している。パームレスト6は、上壁4bの前半部において筐体4の幅方向に沿って延びている。キーボード取り付け部7は、パームレスト6の後方に位置されており、このキーボード取り付け部7にキーボード8が設置されている。
【0019】上壁4bの後端部には、上向きに突出する凸部9が形成されている。凸部9は、キーボード8の後方において筐体4の幅方向に沿って延びている。この凸部9は、一対のディスプレイ支持部10a,10bを有している。ディスプレイ支持部10a,10bは、筐体4の上壁4bに連なるような凹所にて構成され、筐体4の幅方向に互いに離間して配置されている。
【0020】ディスプレイユニット3は、偏平な箱状のディスプレイハウジング12と、このディスプレイハウジング12に収容された液晶表示装置13とを備えている。ディスプレイハウジング12は、表示用開口部14が開口された前面を有し、この表示用開口部14を通じて液晶表示装置13の表示画面13aがディスプレイハウジング12の外方に露出されている。
【0021】ディスプレイハウジング12は、一対の脚部16a,16bを有している。脚部16a,16bは、ディスプレイハウジング12の一端から筐体4のディスプレイ支持部10a,10bに導かれている。これら脚部16a,16bは、夫々図示しないヒンジ装置を介して筐体4に回動可能に連結されている。
【0022】このため、ディスプレイユニット3は、パームレスト6やキーボード8を覆うように倒される閉じ位置と、パームレスト6、キーボード8および表示画面13aを露出させるように起立される開き位置とに亘って選択的に回動し得るようになっている。
【0023】図2に示すように、筐体4の内部には、第1および第2の回路基板20,21が収容されている。第1の回路基板20は、筐体4の底壁4aにねじ止めされているとともに、この底壁4aと平行に配置されている。第2の回路基板21は、第1の回路基板20の上方において、この第1の回路基板20と平行に配置されている。これら回路基板20,21は、図示しないスタッキングコネクタを介して互いに電気的に接続されている。
【0024】第2の回路基板21は、実装面となる裏面22aと、この裏面22aの反対側に位置された表面22bとを有している。この第2の回路基板21の裏面22aおよび表面22bには、夫々SMD パッケージやコネクタのような各種の回路部品23が実装されている。
【0025】第2の回路基板21の裏面22aは、図4に二点鎖線で示すような四角形のCPU実装領域24を有している。CPU実装領域24は、第2の回路基板21の後部に位置されており、このCPU実装領域24には、第2のコネクタとしてのインタフェイスコネクタ27が多数の半田ボールを介してフリップチップ接続されている。
【0026】第2の回路基板21は、CPU実装領域24に位置された四つのスルーホール25を有している。スルーホール25は、四角形の角部の位置関係を以って配置されており、これらスルーホール25は、第2の回路基板21の裏面22aおよび表面22bに夫々開口されている。
【0027】スルーホール25に連なる第2の回路基板21の裏面22aおよび表面22bの四箇所には、夫々半田メッキからなるランド部26が形成されている。ランド部26は、スルーホール25の内面を覆う半田メッキ層に連なっており、この半田メッキ層は、第2の回路基板21の内部のグランド用の配線パターン(図示せず)に電気的に導通されている。
【0028】図2、図3および図5に示すように、第2の回路基板21のCPU実装領域24には、CPUを構成する回路モジュール28が実装されている。この回路モジュール28は、マルチチップ・モジュール(以下MCM と称する)29と、このMCM 29を収容するケース30とを備えている。
【0029】MCM 29は、図6や図8に示すように、多層構造の配線基板31と、この配線基板31の表面31aに実装されたBGA 形のICパッケージ32と、配線基板31の表面31aおよび裏面31bに実装された複数のQFP 形のICパッケージ33と、配線基板31の裏面31bに実装された第1のコネクタ34とを備えている。
【0030】配線基板31は、四つの角部を有する矩形状をなしている。この配線基板31の表面31aの外周部および裏面31bの外周部には、夫々グランド用の配線パターン36(図7の(C)に示す)が形成されている。また、配線基板31の四つの角部には、夫々挿通孔37が形成されており、この挿通孔37の開口部分に上記配線パターン36が導かれている。
【0031】BGA 形のICパッケージ32は、ベース基板38とICチップ39とを備えている。ベース基板38は、配線基板31の表面31aに多数の半田ボールを介してフリップチップ接続されている。ICチップ39は、ベース基板38の中央部に多数の半田ボールを介してフリップチップ接続されている。このICチップ39は、文字、音声、画像等の多用なマルチメディア情報を処理するため、その動作中の消費電力が大きくなっており、それに伴いICチップ39の発熱量も冷却を必要とする程に大きなものとなっている。
【0032】上記ケース30は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。ケース30は、ケース本体41と、このケース本体41に嵌合された裏蓋42とを備え、全体として偏平な四角形の箱形をなしている。ケース本体41は、裏蓋42と向かい合う四角形のカバーパネル43と、このカバーパネル43の外周縁部に連なる四つサイドパネル44とを有している。
【0033】カバーパネル43の四つの角部には、夫々裏蓋42に向けて凹む基板取り付け座45が形成されている。基板取り付け座45は、上記第2の回路基板21の四つのスルーホール25に対応するような位置に配置されている。基板取り付け座45は、夫々配線基板31の挿通孔37に連なる連通孔46を有している。そして、図7に示すように、基板取り付け座45は、配線基板31の表面31aの角部に接しているとともに、この表面31aに形成されたグランド用の配線パターン36に接している。
【0034】カバーパネル43は、上記発熱するICチップ39に対応する位置に開口部47を有している。開口部47は、ICチップ39よりも大きな開口形状を有し、この開口部47を通じてICチップ39がケース30の外方に露出されている。
【0035】裏蓋42は、その外周縁部に連なるフランジ状の係合部49を有している。係合部49は、ケース本体41のサイドパネル44に取り外し可能に引っ掛かっている。この係合部49の先端には、配線基板31の裏面31bの外周縁部に突き当たっている。
【0036】そのため、裏蓋42の係合部49をケース本体41のサイドパネル44に引っ掛けると、ケース本体41の基板取り付け座45と裏蓋42の支持片50との間で配線基板31が挟み込まれ、この配線基板31とケース30とが一体化されている。
【0037】また、図7の(C)に示すように、裏蓋42の支持片50は、配線基板31の裏面31bの配線パターン36に接している。したがって、配線基板31の表面31aの配線パターン36がケース本体41の基板取り付け座45に接していることと合わせて、配線基板31とケース30とのグランド接続が強化されている。
【0038】図8に示すように、裏蓋42は、コネクタ導出口51と、四つの貫通孔52とを有している。コネクタ導出口51は、上記第1のコネクタ34と向かい合っており、このコネクタ導出口51を通じて第1のコネクタ34がケース30の外方に露出されている。そのため、第1のコネクタ51を第2の回路基板21のインタフェイスコネクタ27に嵌め込むことで、回路モジュール28と第2の回路基板21とが電気的に接続されるようになっている。
【0039】貫通孔52は、裏蓋42の四つの角部に位置されている。これら貫通孔52は、配線基板31を挟んでケース本体41の基板取り付け座45と向かい合うとともに、上記配線基板31の挿通孔37に連なっている。
【0040】なお、図6に示すように、回路モジュール28は、ケース30の内部の温度を測定するサーミスタ53を備えている。このサーミスタ53は、配線基板31の表面31aに実装され、上記発熱するBGA形のICパッケージ32の近傍に位置されている。このサーミスタ53で測定された温度情報は、第1のコネクタ34およびインタフェースコネクタ27を介して第2の回路基板21の制御部に送られるようになっている。
【0041】図2ないし図5に示すように、回路モジュール28は、支持部材としてのCPUホルダ55を介して第2の回路基板21のCPU実装領域24に保持されている。CPUホルダ55は、第2の回路基板21の裏面22aに沿って配置された金属製の本体56を有している。この本体56は、一対の支持レール57a,57bと、第1ないし第3のクロスレール58a〜58cとで構成されている。支持レール57a,57bは、上記ケース30の側縁部に沿って延びる細長い板状をなしている。これら支持レール57a,57bは、互いに離間して平行に配置されている。クロスレール58a〜58cは、支持レール57a,57bの間に跨って配置されており、これらクロスレール58a〜58cおよび支持レール57a,57bは互いに一体化されている。そのため、CPUホルダ55は、回路モジュール28のケース30の外周部を取り囲むような四角形の枠状をなしている。
【0042】図2に示すように、支持レール57a,57bは、第2の回路基板21の裏面22aと向かい合う平坦な第1の面59と、ケース30の裏蓋42と向かい合う平坦な第2の面60とを有している。この支持レール57a,57bの両端部には、夫々円筒状のボス部61がかしめ止めされている。ボス部61は、金属材料にて構成されているとともに、上記第2の回路基板21の四つのスルーホール25および上記ケース30の四つの基板取り付け座45に対応する位置に配置されている。そして、これらボス部61は、支持レール57a,57bおよび第1ないし第3のクロスレール58a,58bを介して一体的に結ばれており、本実施形態の場合は、上記支持レール57a,57bおよび第1ないし第3のクロスレール58a,58bがボス部61の連結部として機能している。
【0043】CPUホルダ55の支持レール57a,57bは、複数の座部62を有している。座部62は、支持レール57a,57bの側縁部から第2の面60の方向に向けて張り出している。これら座部62は、支持レール57a,57bの両端のボス部61の間において、支持レール57a,57bの長手方向に間隔を存して配置されている。そして、座部62は、支持レール57a,57bの第2の面60と平行をなす平坦な座面62aを有し、この座面62aに上記ケース30の裏蓋42の外周縁部が接するようになっている。
【0044】図7に示すように、各ボス部61は、支持レール57a,57bの第1の面59から突出する円盤状のフランシ部63を有している。フランジ部63は、第2の回路基板21のスルーホール25よりも大きな口径を有し、このフランジ部63の先端面がランド部26に接している。また、フランジ部63の先端面には、小径なガイド部64が同軸状に突設されている。ガイド部64は、スルーホール25に嵌合されており、この嵌合により、第2の回路基板21に対するCPUホルダ55の位置決めがなされている。
【0045】ボス部61は、ねじ孔65を有している。ねじ孔65は、ボス部61の軸方向に延びており、このボス部61の先端面および上記ガイド部64の先端面に夫々開口されている。そのため、ねじ孔65の一端は、スルーホール25を通じて第2の回路基板21の表面22bに露出されている。
【0046】各ボス部61のねじ孔65には、第2の回路基板21の表面22bの方向から第1のセットねじ67がねじ込まれている。このねじ込みにより、CPUホルダ55が第2の回路基板21の裏面22aに固定され、その本体56の支持レール57a,57bおよびクロスレール58a,58b,58cが裏面22aに沿って平行に配置されている。そして、CPUホルダ55が第2の回路基板21に固定された状態では、その支持レール57a,57bの一端部の間に上記インタフェイスコネクタ27が介在されている。
【0047】なお、CPUホルダ55と、第2の回路基板21の裏面22aとの間には、これら相互の短絡を阻止するインシュレータ68が介在されており、このインシュレータ68は、CPUホルダ55に接着されている。
【0048】第2の回路基板21に固定されたCPUホルダ55に回路モジュール28を取り付けるには、そのケース30の裏蓋42をCPUホルダ55の支持レール57a,57bの第2の面60に突き合わせる。これにより、第1のコネクタ34がインタフェースコネクタ27に嵌合されるとともに、裏蓋42の貫通孔52にCPUホルダ55のボス部61が入り込み、これらボス部61の先端面が配線基板31の裏面31bおよびグランド用の配線パターン36に接触する。
【0049】ボス部61の先端面が配線基板31の裏面31bに接した状態では、図7に示すように、各ボス部61のねじ孔65が配線基板31の挿通孔37およびケース30の基板取り付け座45の挿通孔46に連なっている。四つの基板取り付け座45のうち、一つの基板取り付け座の45の連通孔46には、単一の第2のセットねじ69が挿通されている。この第2のセットねじ69は、配線基板31の挿通孔37を貫通してボス部61のねじ孔65にねじ込まれており、このねじ込みにより、回路モジュール28が第2の回路基板21に固定されたCPUホルダ55に仮止めされる。
【0050】図2や図3に示すように、第2の回路基板21の裏面22aには、上記回路モジュール28の放熱を促進させるヒートシンク73が設置されている。ヒートシンク73は、例えばマグネシウム合金のような軽量で、しかも熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。このヒートシンク73は、放熱パネル74を有している。放熱パネル74は、回路モジュール28のケース30よりも大きな平面形状を有し、この放熱パネル74の外周縁部には、複数の取り付け座部75が形成されている。取り付け座部75は、第1の回路基板20と第2の回路基板21との間に介在されているとともに、これら回路基板20,21および筐体4の底壁4aにねじを介して固定されている。そのため、ヒートシンク73は、第1および第2の回路基板20,21と共に筐体4に支持されている。
【0051】ヒートシンク73の放熱パネル74は、ケース30のカバーパネル43に重ね合わされている。この放熱パネル74は、ケース30の基板取り付け座45に対応する位置に三つのねじ挿通孔76を有している。ねじ挿通孔76は、基板取り付け座45の連通孔46のうち、上記第2のセットねじ69が挿通された連通孔46を除く残りの三つの連通孔46に連なっている。ねじ挿通孔76には、放熱パネル74の下方から第3のセットねじ77が挿通されている。これら第3のセットねじ77は、基板取り付け座45の連通孔46、配線基板31の挿通孔37を貫通してボス部61のねじ孔65にねじ込まれており、このねじ込みにより、回路モジュール28のケース30が放熱パネル74とCPUホルダ55の支持レール57a,57bとの間で挟み込まれている。
【0052】したがって、回路モジュール28は、第2および第3のセットねじ69,77を介してCPUホルダ55に固定され、そのケース30の裏蓋42の外周縁部が座部62の座面62aに押し付けられている。
【0053】図2に示すように、放熱パネル74は、ケース30のカバーパネル43と向かい合う受熱面80と、この受熱面80とは反対側に位置された放熱面81とを有している。受熱面80は、上記第3のセットねじ77の締め付けにより、カバーパネル43に接している。それとともに、この受熱面80は、カバーパネル43の開口部47を通じて発熱するICチップ39と向かい合っており、このICチップ39と受熱面80との間には、熱伝導性グリス82(図6に示す)が充填されている。
【0054】したがって、放熱パネル74とICチップ39との間に熱伝達を妨げるような隙間が生じることはなく、このICチップ39の熱が効率良く放熱パネル74に逃がされるようになっている。
【0055】放熱パネル74の放熱面81は、筐体4の内部において第1の回路基板20と向かい合っている。この放熱面81には、多数の放熱突起83がマトリクス状に並べて配置されており、これら放熱突起83の存在により、放熱面81の放熱面積が十分に確保されている。
【0056】放熱パネル75の一端部には、ファン支持部85が一体に形成されている。このファン支持部85には、電動ファン86が支持されている。電動ファン86は、ファンフレーム87と、このファンフレーム87に支持されたロータ88とを有している。
【0057】ファンフレーム87は、アルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成され、このファンフレーム87の上端部がファン支持部85にねじ89を介して固定されている。このため、ファンフレーム87は、ファン支持部85を介して放熱パネル74に一体的に連なっており、このファンフレーム87が放熱パネル74の一部として機能している。
【0058】電動ファン86は、図示しないリード線を介して第2の回路基板21の制御部に接続されている。この制御部は、上記サーミスタ53で検出されたケース30の内部の温度情報にもとづいて電動ファン86の運転を制御しており、このサーミスタ53で測定されたケース30の内部の温度が予め決められた値すると、電動ファン86のロータ88が回転駆動されるようになっている。
【0059】電動ファン86は、筐体4の内部において、その左側の側壁4dに隣接されている。この側壁4dは、電動ファン86のロータ88と向かい合う排気口(図示せず)を有し、この排気口を通じて筐体4の内部の空気が排出されるようになっている。
【0060】このような構成において、ポータブルコンピュータ1の動作に伴い回路モジュール28のICチップ39が発熱すると、このICチップ39の熱は、熱伝導性グリス82を通じてヒートシンク73の放熱パネル74に伝えられる。この放熱パネル74は、放熱面81上に多数の放熱突起83を有するので、放熱パネル74に伝えられたICチップ39の熱は、放熱面81および放熱突起83を通じて筐体4の内部に自然空冷による放熱により拡散される。
【0061】そして、本実施の形態では、ICパッケージ32を収容するケース30の内部にサーミスタ53が組み込まれており、このサーミスタ53でICチップ39の雰囲気温度を測定するとともに、この測定した温度情報にもとづいて電動ファン86の運転を制御している。そのため、電動ファン86が駆動されると、筐体4の内部の空気がヒートシンク73の方向に導かれるので、放熱パネル74やケース30が空気の流れに直接さらされることになり、これら放熱パネル74やケース30が強制的に冷却される。
【0062】したがって、ICチップ39からケース30および放熱パネル74に伝わる熱を効率良く筐体4の外方に逃がすことができ、ICチップ39ひいては回路モジュール28の過熱を防止することができる。
【0063】ところで、上記構成のポータブルコンピュータ1によると、第2の回路基板21に固定されたCPUホルダ55に第2および第3のセットねじ69,77を介して回路モジュール28を取り付けた状態においては、このCPUホルダ55の四つのボス部61が配線基板31のグランド用の配線パターン36に接している。そして、このCPUホルダ55のボス部61は、第2の回路基板21上のグランド用のランド部26にも接しているので、回路モジュール28は、ボス部61を通じて第2の回路基板21にグランド接続される。
【0064】この場合、CPUホルダ55の四つのボス部61は、支持レール57a,57bに取り付けられ、これら支持レール57a,57bやクロスレール58a,58b,58cを介して互いに連結されているので、回路モジュール28のグランドをとるボス部61が電気的に見て並列に接続されることになる。そのため、回路モジュール28の配線パターン36と第2の回路基板21のランド部26とを確実に導通させることができ、第2の回路基板21に対する回路モジュール28のグランド接続や電波的な導通機能を強化することができる。
【0065】また、回路モジュール28のグランド接続は、CPUホルダ55を通じて行われるので、第1のコネクタ34やインタフェースコネクタ27に新たにグランド用端子を増設する必要はなく、グランド接続や電波的な導通機能の強化を簡単に実現することができる。
【0066】しかも、上記構成によると、CPUホルダ55に回路モジュール28を取り付けた状態では、CPUホルダ55の本体56が第2の回路基板21と回路モジュール28のケース30との間に介在されるので、この本体56が第2の回路基板21の裏面22aに対する回路モジュール28の取り付け高さを規定するスペーサとして機能する。
【0067】このため、第2の回路基板21の裏面22a上での回路モジュール28の取り付け高さが第1のコネクタ34とインタフェースコネクタ27との嵌合深さの影響を受けることはなく、製品毎の回路モジュール28の取り付け高さの変動を防止することができる。
【0068】それとともに、CPUホルダ55の支持レール57a,57bは、夫々回路モジュール28に向けて張り出す座部62を有し、これら座部62は、支持レール57a,57bの両端のボス部61の間において互いに間隔を存して配置されているので、ケース30の基板取り付け座45を第2および第3のセットねじ69,77を介してボス部61に締め付けた状態では、ケース30の裏蓋42の外周縁部が座部62の座面62aに確実に接触する。このため、回路モジュール28と第2の回路基板21の裏面22との間隔がより精度良く定まるとともに、ケース30をCPUホルダ55にがたつくことなく確実に固定することができる。
【0069】したがって、ヒートシンク73を回路モジュール28と共にCPUホルダ55にねじ止めする場合に、発熱するICチップ39と放熱パネル74の受熱面80との間のクリアランスを一定に保つことができ、ICチップ39に無理な力を加えることなく、このICチップ39の熱を効率良く放熱パネル74に逃がすことができる。
【0070】また、回路モジュール28は、第2の回路基板21に固定されたCPUホルダ55のボス部61にねじ止めされ、このCPUホルダ55が回路モジュール28の荷重を受け止めるので、第1のコネクタ34とインタフェースコネクタ27との嵌合部分に回路モジュール28の荷重が加わることはない。このため、第1のコネクタ34およびインタフェースコネクタ27の荷重負担を軽減することができ、これらコネクタ34,27の構造の簡略化に寄与するとともに、第2の回路基板21に対する回路モジュール28の取り付け姿勢が安定するといった利点がある。
【0071】なお、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図9および図10に本発明の第2の実施の形態を示す。この第2の実施の形態は、発熱するICチップ39の温度を測定する構成と電動ファン86の運転を制御するための構成が上記第1の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は上記第1の実施の形態と同様である。
【0072】図9に示すように、ICチップ39の放熱パネル74と向かい合う面には、このICチップ39の熱を直接的に測定する外部サーミスタ100が配置されている。外部サーミスタ100は、フレキシブルな接続基板101に支持されている。この接続基板101は、ICチップ39に貼り付けられているとともに、上記熱伝導性グリス82によって覆われている。
【0073】接続基板101は、帯状をなす柔軟なケーブル部102を有している。ケーブル部102は、開口部47を通じてケース30の外方に引き出されている。このケーブル部102は、ケース30のカバーパネル43とヒートシンク73の放熱パネル74との間を通して第2の回路基板21の裏面22上に導かれている。このケーブル部102の先端の端子部は、第2の回路基板21の裏面22のケーブルコネクタ103に接続されている。そのため、外部サーミスタ103で測定された温度情報は、接続基板101やケーブルコネクタ103を介して第2の回路基板21の制御部に送られるようになっている。
【0074】なお、図10に示すように、放熱パネル74の受熱面80には、ケーブル挿通用の凹部104が形成されている。凹部104は、放熱パネル74の外周縁部に開放されており、この凹部104に接続基板101のケーブル部102が挿通配置されている。
【0075】このような構成において、ポータブルコンピュータ1の動作中に回路モジュール28のICチップ39が発熱すると、ケース30内に組み込まれたサーミスタ53を介してICチップ39の雰囲気温度が測定されるとともに、このICチップ39に貼り付けられた外部サーミスタ100を介してICチップ39の温度が直接的に測定される。
【0076】これら両方のサーミスタ53,100で得られた温度情報は、第2の回路基板21の制御部に導かれる。この制御部では、二種類の温度情報にもとづいてICチップ39の温度管理を行うとともに、電動ファン86の運転を制御するようになっている。
【0077】したがって、この構成によれば、いずれか一方のサーミスタ53又は100が不良となっても、他方のサーミスタ53又は100によってICチップ39の温度管理を行うことができ、ICチップ39の過熱やこれに伴うポータブルコンピュータ1の誤動作を防止できる。
【0078】しかも、上記構成においては、ICチップ39の雰囲気温度と、このICチップ39自体の温度とに基づいてICチップ39の温度管理を行っているので、実際のICチップ39の温度を精度良く検出することができる。このため、電動ファン86の運転制御をより小刻みに行うことができ、ポータブルコンピュータ1の動作中のICチップ39の温度を適正範囲内に抑えることができる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、回路モジュールの配線パターンと回路基板のランド部とを確実に導通させることができ、回路基板に対する回路モジュールのグランド接続や電波的な導通機能を強化することができる。また、回路モジュールのグランド接続は、支持部材を通じて行われるので、回路モジュールや回路基板側にグランド用端子を増設する必要はなく、回路モジュールのグランド接続や電波的な導通機能の強化を簡単に行うことができる。
【0080】しかも、支持部材に回路モジュールを取り付けた状態では、支持部材の本体が回路基板と回路モジュールのケースとの間に介在され、この本体が回路基板に対する回路モジュールの取り付け高さを規定するスペーサとして機能するので、回路基板上での回路モジュールの取り付け高さが第1および第2のコネクタの嵌合深さの影響を受けることはなく、製品毎の回路モジュールの取り付け高さの変動を防止することができる。
【0081】その上、回路モジュールは、支持部材のボス部にねじ止めされ、この回路モジュールの荷重は支持部材が荷担するので、第1および第2のコネクタの荷重負担を軽減することができる。そのため、コネクタの構造の簡略化に寄与するとともに、回路基板に対する回路モジュールの取り付け姿勢が安定するといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】ポータブルコンピュータの断面図。
【図3】第2の回路基板に固定したCPUホルダから回路モジュールおよびヒートシンクを取り外した状態を示す斜視図。
【図4】第2の回路基板からCPUホルダを取り外した状態を示す斜視図。
【図5】第2の回路基板にCPUホルダを介して回路モジュールを取り付けた状態を示す斜視図。
【図6】回路モジュールの断面図。
【図7】(A)は、CPUホルダ、回路モジュールおよびヒートシンクを、第1および第3のセットねじを介して第2の回路基板に固定した状態を示す断面図。(B)は、CPUホルダおよび回路モジュールを、第1および第2のセットねじを介して第2の回路基板に固定した状態を示す断面図。(C)図7の(B)のA部を拡大して示す断面図。
【図8】ヒートシンクの放熱パネルと回路モジュールとの位置関係を示す斜視図。
【図9】本発明の第2の実施の形態において、第2の回路基板にCPUホルダを介して回路モジュールを取り付けた状態を示す斜視図。
【図10】放熱パネルの凹部を示すヒートシンクの斜視図。
【符号の説明】
4…筐体
21…回路基板(第2の回路基板)
22a…実装面(裏面)
26…ランド部
27…第2のコネクタ(インタフェースコネクタ)
28…回路モジュール
30…ケース
31…配線基板
34…第1のコネクタ
36…配線パターン
39…ICチップ
55…支持部材(CPUホルダ)
56…本体
57a,57b,58a,58b…連結部(支持レール、クロスレール)
61…ボス部
69,77…ねじ(第2のセットねじ、第3のセットねじ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 グランド用の配線パターンを有するとともに、複数のICチップが実装された配線基板と、これらICチップおよび配線基板を収容するケースと、を含む回路モジュールと;この回路モジュールが実装されるとともに、グランド用のランド部を有する回路基板と;この回路基板に取り付けられ、上記ランド部に電気的に導通されるとともに、上記回路モジュールを回路基板上の所定位置に固定するための支持部材と;を備えており、上記支持部材は、上記回路モジュールを支持するとともに、上記配線パターンに電気的に導通される複数のボス部と、これらボス部を一体的に連結する連結部と、を有し、これらボス部にねじを介して上記回路モジュールが固定されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項2】 請求項1の記載において、上記ケースは金属製であり、このケースは、配線パターンに電気的に導通されているとともに、上記支持部材の連結部に接していることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項3】 請求項1又は2の記載において、上記支持部材の連結部は、ケースの外周縁部に突き当たる複数の座部を備えていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項4】 請求項3の記載において、上記座部は、隣り合うボス部の間において互いに間隔を存して配置されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項5】 請求項1の記載において、上記支持部材のボス部は、上記回路モジュールのケースを貫通して上記配線パターンに接していることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項6】 請求項1の記載において、上記回路モジュールは、配線基板に電気的に接続された第1のコネクタを有し、また、上記回路基板は、上記第1のコネクタが取り外し可能に嵌合される第2のコネクタを有していることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項7】 請求項1の記載において、上記複数のICチップのうちの少なくとも一つは、動作中に冷却を要する温度に発熱するとともに、上記ケースは、上記発熱するICチップを外方に露出させる開口部を有し、また、上記回路モジュールは、そのケースの開口部を上記回路基板とは反対側に向けた姿勢で回路基板上に固定されているとともに、この回路基板に上記ICチップの熱を受けるヒートシンクが取り付けられていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項8】 複数のICチップが実装された配線基板と、これら配線基板およびICチップを収容するケースと、上記配線基板に実装され、上記ケースの外方に露出された第1のコネクタと、を含む回路モジュールと;この回路モジュールが実装される実装面を有し、この実装面に上記第1のコネクタが取り外し可能に嵌合される第2のコネクタを有する回路基板と;この回路基板の実装面と上記回路モジュールのケースとの間に介在される支持部材と;を備えており、上記支持部材は、配線基板の実装面に沿って配置されるとともに、上記回路モジュールのケースを受け止める本体を有し、この本体に複数のねじを介して上記回路モジュールが固定されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項9】 請求項8の記載において、上記支持部材は、上記回路基板のの実装面とは反対側からねじ込まれる複数の他のねじを介して回路基板に固定されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項10】 請求項8又は9の記載において、上記支持部材の本体は、上記ケースを貫通して回路基板に接する複数のボス部と、上記回路モジュールのケースの外周縁部が突き当たる複数の座部と、を備え、上記回路モジュールのケースおよび回路基板は、上記ねじを介してボス部に固定されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項11】 請求項10の記載において、上記回路モジュールのケースは、四つの角部を有する偏平な箱状をなし、上記支持部材の本体は、ケースの外周部に沿うような四角形の枠状をなすとともに、この本体のボス部は、上記ケースの角部に対応する位置に配置され、また、上記本体の座部は、隣り合うボス部の間において互いに間隔を存して配置されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項12】 請求項11の記載において、上記第2のコネクタは、上記回路基板の実装面上において、上記支持部材の本体によって囲まれた領域に配置されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項13】 請求項8の記載において、上記複数のICチップのうちの少なくとも一つは、動作中に冷却を要する温度に発熱するとともに、上記ケースは、上記発熱するICチップを外方に露出させる開口部を有し、また、上記回路モジュールは、そのケースの開口部を上記回路基板とは反体側に向けた姿勢で回路基板上に固定されているとともに、この回路基板に上記ICチップの熱を受けるヒートシンクが取り付けられていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項14】 請求項13の記載において、上記ヒートシンクは、上記開口部を覆うようにケースに重ね合わされる放熱プレートを有し、この放熱プレートに上記ICチップの熱が逃がされるとともに、この放熱プレートは、上記回路モジュールを固定するねじを利用して上記支持部材の本体に固定されていることを特徴とする回路モジュール実装構造。
【請求項15】 筐体と;この筐体の内部に収容され、グランド用のランド部を有する回路基板と;複数のICチップおよびグランド用の配線パターンを有する配線基板と、これらICチップおよび配線基板を収容するケースと、を含み、上記回路基板に実装される回路モジュールと;上記回路基板に取り付けられ、上記ランド部に電気的に導通されるとともに、上記回路モジュールを回路基板上の所定位置に固定するための支持部材と;を備えており、上記支持部材は、上記回路モジュールを支持するとともに、上記配線パターンに電気的に導通される複数のボス部と、これらボス部を一体的に連結する連結部と、を有し、これらボス部にねじを介して上記回路モジュールが固定されていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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