説明

回転電機用積層コアの製造方法、及び製造装置

【課題】枠廃材部を少なくしながらも、コアシートの反りを低減することができる回転電機用積層コアの製造方法を提供する。
【解決手段】回転電機用積層コアの製造方法は、板材Tに、ティース15間のスロットに対応したスロット孔51と中央の貫通孔14とを打ち抜き形成する「第1打ち抜き工程」と、その後、下方の半抜き用ノックアウト33と上方の半抜き用パンチ35にて板材Tにおけるコアシート12と対応したコアシート部52を挟み込んだ状態で、該コアシート部52を枠廃材部Tzに対して下方に半抜き状態とする「半抜き工程」と、その後、外形抜きパンチ42にて枠廃材部Tzに対してコアシート部52を打ち抜いてコアシート12を形成する「第2打ち抜き工程」とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材から製造する回転電機用積層コアの製造方法、及び製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回転電機用積層コアの製造方法としては、中央にシャフト挿通用の貫通孔が形成され且つ外周側に放射状に延びる複数のティースが形成されたコアシートを板材から打ち抜いて形成し、それら複数枚のコアシートを積層して回転電機用積層コアを製造する方法がある(例えば、特許文献1参照)。この方法においては、まず板材にティース間のスロットに対応したスロット孔と前記貫通孔とを打ち抜き形成し、その後、その板材における前記コアシートと対応したコアシート部(前記各スロット孔の外側通る円形内)を下方に打ち抜いて前記コアシートを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−98856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、平面状の板材における(コアシート部を除く)枠廃材部を材料押さえ部材にて押さえつつ、一気にコアシート部を外形抜きパンチにて下方に打ち抜いてコアシートを形成すると、該コアシートの中央部分が下方に突出するようにコアシートの外周側に反りが発生し易いという問題があった。このことは、特に板材に多数のコアシート部を並設して前記枠廃材部が細くなることで前記材料押さえ部材による押さえる力が弱くなり、コアシート部よりも外側の部分が僅かに引き込まれてしまうことで発生する。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、枠廃材部を少なくしながらも、コアシートの反りを低減することができる回転電機用積層コアの製造方法、及び製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明では、中央にシャフト挿通用の貫通孔が形成され且つ外周側に放射状に延びる複数のティースが形成されたコアシートを板材から打ち抜いて形成し、複数枚の前記コアシートを積層して製造する回転電機用積層コアの製造方法であって、前記板材に、前記ティース間のスロットに対応したスロット孔と前記貫通孔とを打ち抜き形成する第1打ち抜き工程と、前記第1打ち抜き工程の後、下方の半抜き用ノックアウトと上方の半抜き用パンチにて前記板材における前記コアシートと対応したコアシート部を挟み込んだ状態で、該コアシート部を前記板材の枠廃材部に対して下方に半抜き状態とする半抜き工程と、前記半抜き工程の後、外形抜きパンチにて前記枠廃材部に対して前記コアシート部を打ち抜いて前記コアシートを形成する第2打ち抜き工程とを備えたことを要旨とする。
【0007】
同構成によれば、第1打ち抜き工程では、板材に、ティース間のスロットに対応したスロット孔と貫通孔とが打ち抜き形成され、その後の半抜き工程では、板材におけるコアシートと対応したコアシート部が板材の枠廃材部に対して下方に半抜き状態とされる。この半抜き工程は、下方の半抜き用ノックアウトと上方の半抜き用パンチにてコアシート部が挟み込まれた状態で行われるため、板材のコアシート部同士を近づけて並設し枠廃材部を細くしても(材料押さえ部材にて枠廃材部を押さえる力が大きくなくても)、コアシートの反りを抑えることができる。又、半抜き工程の後の第2打ち抜き工程では、外形抜きパンチにて枠廃材部に対してコアシート部が打ち抜かれてコアシートが形成されるが、この際、既にコアシート部が半抜き状態とされているため、小さな力で打ち抜くことができる。よって、第2打ち抜き工程においても、枠廃材部を細くしても(材料押さえ部材にて枠廃材部を押さえる力が大きくなくても)、コアシートの反りを抑えることができる。よって、枠廃材部を少なくしながらも、コアシートの反りを低減することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の回転電機用積層コアの製造方法において、前記第2打ち抜き工程では、前記外形抜きパンチにて、前記コアシートを形成するとともにそのコアシートの嵌合凸部を前回形成したコアシートの嵌合凹部に順次圧入させて複数枚のコアシートを積層固定することを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、第2打ち抜き工程では、外形抜きパンチにて、コアシートが形成されるとともにそのコアシートの嵌合凸部が前回形成したコアシートの嵌合凹部に順次圧入されて複数枚のコアシートが積層固定されるため、外形抜きパンチが複数枚のコアシートの組み付けをも行うことになる。よって、コアシートの反りが低減された回転電機用積層コアを容易に製造することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、中央にシャフト挿通用の貫通孔が形成され且つ外周側に放射状に延びる複数のティースが形成されたコアシートを板材から打ち抜いて形成し、複数枚の前記コアシートを積層して製造するための回転電機用積層コアの製造装置であって、前記板材に、前記ティース間のスロットに対応したスロット孔と前記貫通孔とを打ち抜き形成するための第1打ち抜き部と、前記第1打ち抜き部による第1打ち抜き工程の後、下方の半抜き用ノックアウトと上方の半抜き用パンチにて前記板材における前記コアシートと対応したコアシート部を挟み込んだ状態で、該コアシート部を前記板材の枠廃材部に対して下方に半抜き状態とするための半抜き部と、前記半抜き部による半抜き工程の後、外形抜きパンチにて前記枠廃材部に対して前記コアシート部を打ち抜いて前記コアシートを形成するための第2打ち抜き部とを備えたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、第1打ち抜き部による第1打ち抜き工程では、板材に、ティース間のスロットに対応したスロット孔と貫通孔とが打ち抜き形成され、その後の半抜き部による半抜き工程では、板材におけるコアシートと対応したコアシート部が板材の枠廃材部に対して下方に半抜き状態とされる。この半抜き部による半抜き工程は、下方の半抜き用ノックアウトと上方の半抜き用パンチにてコアシート部が挟み込まれた状態で行われるため、板材のコアシート部同士を近づけて並設し枠廃材部を細くしても(材料押さえ部材にて枠廃材部を押さえる力が大きくなくても)、コアシートの反りを抑えることができる。又、半抜き部による半抜き工程の後の第2打ち抜き部による第2打ち抜き工程では、外形抜きパンチにて枠廃材部に対してコアシート部が打ち抜かれてコアシートが形成されるが、この際、既にコアシート部が半抜き状態とされているため、小さな力で打ち抜くことができる。よって、第2打ち抜き部による第2打ち抜き工程においても、枠廃材部を細くしても(材料押さえ部材にて枠廃材部を押さえる力が大きくなくても)、コアシートの反りを抑えることができる。よって、枠廃材部を少なくしながらも、コアシートの反りを低減することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の回転電機用積層コアの製造装置において、前記第2打ち抜き部は、前記外形抜きパンチにて、前記コアシートを形成するとともにそのコアシートの嵌合凸部を前回形成したコアシートの嵌合凹部に順次圧入させて複数枚のコアシートを積層固定することを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、第2打ち抜き部による第2打ち抜き工程では、外形抜きパンチにて、コアシートが形成されるとともにそのコアシートの嵌合凸部が前回形成したコアシートの嵌合凹部に順次圧入されて複数枚のコアシートが積層固定されるため、外形抜きパンチ(第2打ち抜き部)が複数枚のコアシートの組み付けをも行うことになる。よって、コアシートの反りが低減された回転電機用積層コアを容易に製造することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、枠廃材部を少なくしながらも、コアシートの反りを低減することができる回転電機用積層コアの製造方法、及び製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a)本実施の形態における第1打ち抜き工程後の板材の平面図。(b)同じく第1打ち抜き工程後の板材及び第1打ち抜き部の側面図。
【図2】(a)本実施の形態における回転電機用積層コアの製造方法を説明するための平面図。(b)同じく回転電機用積層コアの製造方法を説明するための側断面図。
【図3】本実施の形態におけるロータコア(回転電機用積層コア)の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図3に従って説明する。
本実施の形態の回転電機用積層コアの製造装置は、図3に示す回転電機用積層コアとしてのロータコア11を製造するためのものであって、該ロータコア11は、複数枚のコアシート12が積層固定されてなる。各コアシート12には、中央にシャフト13の挿通用の貫通孔14が形成され且つ外周側に放射状に延びる複数のティース15が形成され、それらティース15間がスロット16とされている。尚、積層されたコアシート12の貫通孔14はロータコア11における貫通孔を構成し、積層されたコアシート12のティース15はロータコア11におけるティースを構成し、積層されたコアシート12のスロット16はロータコア11におけるスロットを構成することになる。又、本実施の形態の各コアシート12には、図1及び図2に示すように、嵌合凸部17及び嵌合凹部18が形成され、嵌合凸部17を下層のコアシート12における嵌合凹部18に圧入させることで積層させながら固定させる構成とされている。
【0017】
回転電機用積層コアの製造装置は、前記コアシート12を板材Tから打ち抜いて形成し、複数枚のコアシート12を積層して前記ロータコア11を製造するものであって、図1に示す第1打ち抜き部21と、その後段の図2に示す半抜き部31と、その後段の第2打ち抜き部41とを備える。
【0018】
第1打ち抜き部21は、一般的な打ち抜き装置であって、図1に模式的に示すように、ダイプレート22、中央孔抜きパンチ23、及びスロット孔抜きパンチ24等を備え、板材Tに、前記スロット16(図3参照)に対応したスロット孔51と前記貫通孔14とを打ち抜き形成可能とされている。尚、本実施の形態では、第1打ち抜き部21は、図示しない嵌合部形成パンチをも備え、前記スロット孔51と前記貫通孔14と共に、前記嵌合凸部17及び嵌合凹部18をも同時に形成可能とされている。
【0019】
半抜き部31は、図2に示すように、ダイプレート22、材料押さえ部材32、半抜き用ノックアウト33、スプリング34、半抜き用パンチ35等を備える。半抜き部31は、下方の半抜き用ノックアウト33と上方の半抜き用パンチ35にて前記板材Tにおける前記コアシート12と対応したコアシート部52を挟み込んだ状態で、該コアシート部52を板材Tの枠廃材部Tz(コアシート部52を除く部分)に対して下方に半抜き状態とすることが可能とされている。詳しくは、半抜き用ノックアウト33は、ダイプレート22の半抜き収容部22a内で上下動可能に設けられるとともに、スプリング34にて上方に付勢されている。材料押さえ部材32は、前記ダイプレート22に前記枠廃材部Tzを押さえ込むことが可能に設けられている。そして、半抜き用パンチ35は、半抜き用ノックアウト33の上方から前記スプリング34の付勢力に抗しつつコアシート部52を板材T(枠廃材部Tz)に対して下方に半抜き状態とすることが可能に図示しない駆動源により上下方向に駆動可能に設けられている。
【0020】
第2打ち抜き部41は、図2に示すように、ダイプレート22、材料押さえ部材32、外形抜きパンチ42等を備える。第2打ち抜き部41は、外形抜きパンチ42にて前記枠廃材部Tzに対して前記コアシート部52を打ち抜いて前記コアシート12を形成することが可能とされている。詳しくは、外形抜きパンチ42は、前記枠廃材部Tzに対して前記コアシート部52を打ち抜きつつ、形成した前記コアシート12をダイプレート22の打ち抜き収容部22b内に押し込むことが可能に図示しない駆動源により上下方向に駆動可能に設けられている。又、本実施の形態の外形抜きパンチ42は、前記コアシート12を形成するとともにそのコアシート12の前記嵌合凸部17を前回形成した(下方の)コアシート12の嵌合凹部18に順次圧入させて複数枚のコアシート12を積層固定することが可能に構成されている。即ち、外形抜きパンチ42にて形成されたコアシート12は、ダイプレート22の打ち抜き収容部22b内に押し込まれつつ、その外周(ティース15の先端)が該打ち抜き収容部22bの内壁に圧接して保持され、そこに次に形成されたコアシート12が上方から積層されつつ嵌合凹部18に嵌合凸部17が圧入されるようになっている。
【0021】
次に、上記回転電機用積層コアの製造装置による製造方法と、その作用について説明する。
まず第1打ち抜き部21による「第1打ち抜き工程」では、図1(a),(b)に示すように、板材Tに、スロット孔51と貫通孔14とを打ち抜き形成する。尚、本実施の形態では、図1(a)に示すように、板材Tの短手方向(図1(a)中、上下方向)にコアシート部52を3列形成する。即ち、本実施の形態では、前記中央孔抜きパンチ23、前記スロット孔抜きパンチ24、前記半抜き用ノックアウト33、前記半抜き用パンチ35、前記外形抜きパンチ42等がそれぞれ3列設けられているが、以後、1列についてのみ説明する。
【0022】
次に、半抜き部31による「半抜き工程」では、図2(a),(b)に示すように、下方の半抜き用ノックアウト33と上方の半抜き用パンチ35にて前記板材Tにおける前記コアシート部52を挟み込んだ状態で、該コアシート部52を枠廃材部Tzに対して下方に半抜き状態とする。このとき、コアシート部52は、半抜き用ノックアウト33と半抜き用パンチ35にて挟み込まれた状態であるため、その反りが抑えられることになる。尚、本実施の形態では、コアシート部52を枠廃材部Tzに対して板材Tの板厚の50%分下方に半抜き状態としている。又、図2(a),(b)では、板材Tが左から右に搬送されて各工程が順次行われる様子を図示している。
【0023】
次に、第2打ち抜き部41による「第2打ち抜き工程」では、図2(a),(b)に示すように、外形抜きパンチ42にて枠廃材部Tzに対してコアシート部52を打ち抜いてコアシート12を形成する。このとき、既に(第2打ち抜き工程の前に)コアシート部52が半抜き状態とされているため、小さな力で打ち抜くことができ、この工程においても(挟み込まれていないものの)コアシート12の反りが抑えられることになる。又、本実施の形態の「第2打ち抜き工程」では、外形抜きパンチ42にて、コアシート12を形成するとともにそのコアシート12の嵌合凸部17を前回形成したコアシート12の嵌合凹部18に順次圧入させて複数枚のコアシート12を積層固定する。このようにして、前記ロータコア11が製造される。
【0024】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)「半抜き工程」は、下方の半抜き用ノックアウト33と上方の半抜き用パンチ35にてコアシート部52が挟み込まれた状態で行われるため、板材Tのコアシート部52同士を近づけて並設し枠廃材部Tzを細くしても(材料押さえ部材32にて枠廃材部Tzを押さえる力が大きくなくても)、コアシート12の反りを抑えることができる。又、「半抜き工程」の後の「第2打ち抜き工程」では、外形抜きパンチ42にて枠廃材部Tzに対してコアシート部52が打ち抜かれてコアシート12が形成されるが、この際、既にコアシート部52が半抜き状態とされているため、小さな力で打ち抜くことができる。よって、「第2打ち抜き工程」においても、枠廃材部Tzを細くしても(材料押さえ部材32にて枠廃材部Tzを押さえる力が大きくなくても)、コアシート12の反りを抑えることができる。よって、枠廃材部Tzを少なくしながらも、コアシート12の反りを低減することができる。
【0025】
(2)「第2打ち抜き工程」では、外形抜きパンチ42にて、コアシート12が形成されるとともにそのコアシート12の嵌合凸部17が前回形成したコアシート12の嵌合凹部18に順次圧入されて複数枚のコアシート12が積層固定されるため、外形抜きパンチ42が複数枚のコアシート12の組み付けをも行うことになる。よって、コアシート12の反りが低減されたロータコア11を容易に製造することができる。
【0026】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、「第2打ち抜き工程」では、外形抜きパンチ42にて、形成した複数枚のコアシート12を積層固定するとしたが、これに限定されず、積層固定する工程(装置)を別としてもよい。
【0027】
・上記実施の形態では、特に言及していないが、半抜き用ノックアウト33及び半抜き用パンチ35の少なくとも一方の中央部にコアシート部52の中央部と非当接となる非当接部(凹部や孔)を形成してもよい。このようにすると、半抜き用ノックアウトと半抜き用パンチにてコアシート部52の外周側を高い面圧で挟み込むことができ、コアシート12の反りを良好に抑えることができる。
【0028】
・上記実施の形態では、第1打ち抜き部21による「第1打ち抜き工程」では、前記スロット孔51と前記貫通孔14と前記嵌合凸部17と前記嵌合凹部18を同時に形成するとしたが、これに限定されず、それらを異なるタイミングで形成するようにしてもよい。例えば、スロット孔51と貫通孔14とを別のタイミングで順次形成してもよい。又、例えば、スロット孔51と貫通孔14とを同時に形成し、その後、嵌合凸部17と嵌合凹部18とを形成するようにしてもよい。
【0029】
・上記実施の形態の「半抜き工程」では、コアシート部52を枠廃材部Tzに対して板材Tの板厚の50%分下方に半抜き状態としたが、これに限定されず、例えば、板材Tの板厚の30%分下方に半抜き状態としたり、板材Tの板厚の70%分下方に半抜き状態としてもよい。尚、この工程では、板材Tの板厚の70%分以内で下方に半抜き状態とすることが好ましい。
【0030】
・上記実施の形態では、図1及び図2における各ダイプレート22及び材料押さえ部材32に同じ符号を付したが、勿論、それぞれ一体でもよいし、それぞれ複数の別体から構成してもよい。
【0031】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1又は2に記載の回転電機用積層コアの製造方法において、前記半抜き用ノックアウト及び半抜き用パンチの少なくとも一方の中央部に前記コアシート部の中央部と非当接となる非当接部(例えば、凹部や孔)が形成されたことを特徴とする回転電機用積層コアの製造方法。
【0032】
同構成によれば、半抜き用ノックアウト及び半抜き用パンチの少なくとも一方の中央部にはコアシート部の中央部と非当接となる非当接部(例えば、凹部や孔)が形成されるため、半抜き用ノックアウトと半抜き用パンチにてコアシート部の外周側を高い面圧で挟み込むことができ、コアシートの反りを良好に抑えることができる。
【0033】
(ロ)請求項3又は4に記載の回転電機用積層コアの製造装置において、前記半抜き用ノックアウト及び半抜き用パンチの少なくとも一方の中央部に前記コアシート部の中央部と非当接となる非当接部(例えば、凹部や孔)が形成されたことを特徴とする回転電機用積層コアの製造装置。
【0034】
同構成によれば、半抜き用ノックアウト及び半抜き用パンチの少なくとも一方の中央部にはコアシート部の中央部と非当接となる非当接部(例えば、凹部や孔)が形成されるため、半抜き用ノックアウトと半抜き用パンチにてコアシート部の外周側を高い面圧で挟み込むことができ、コアシートの反りを良好に抑えることができる。
【符号の説明】
【0035】
12…コアシート、13…シャフト、14…貫通孔、15…ティース、16…スロット、17…嵌合凸部、18…嵌合凹部、21…第1打ち抜き部、31…半抜き部、33…半抜き用ノックアウト、35…半抜き用パンチ、41…第2打ち抜き部、42…外形抜きパンチ、51…スロット孔、52…コアシート部、T…板材、Tz…枠廃材部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央にシャフト挿通用の貫通孔が形成され且つ外周側に放射状に延びる複数のティースが形成されたコアシートを板材から打ち抜いて形成し、複数枚の前記コアシートを積層して製造する回転電機用積層コアの製造方法であって、
前記板材に、前記ティース間のスロットに対応したスロット孔と前記貫通孔とを打ち抜き形成する第1打ち抜き工程と、
前記第1打ち抜き工程の後、下方の半抜き用ノックアウトと上方の半抜き用パンチにて前記板材における前記コアシートと対応したコアシート部を挟み込んだ状態で、該コアシート部を前記板材の枠廃材部に対して下方に半抜き状態とする半抜き工程と、
前記半抜き工程の後、外形抜きパンチにて前記枠廃材部に対して前記コアシート部を打ち抜いて前記コアシートを形成する第2打ち抜き工程と
を備えたことを特徴とする回転電機用積層コアの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機用積層コアの製造方法において、
前記第2打ち抜き工程では、前記外形抜きパンチにて、前記コアシートを形成するとともにそのコアシートの嵌合凸部を前回形成したコアシートの嵌合凹部に順次圧入させて複数枚のコアシートを積層固定することを特徴とする回転電機用積層コアの製造方法。
【請求項3】
中央にシャフト挿通用の貫通孔が形成され且つ外周側に放射状に延びる複数のティースが形成されたコアシートを板材から打ち抜いて形成し、複数枚の前記コアシートを積層して製造するための回転電機用積層コアの製造装置であって、
前記板材に、前記ティース間のスロットに対応したスロット孔と前記貫通孔とを打ち抜き形成するための第1打ち抜き部と、
前記第1打ち抜き部による第1打ち抜き工程の後、下方の半抜き用ノックアウトと上方の半抜き用パンチにて前記板材における前記コアシートと対応したコアシート部を挟み込んだ状態で、該コアシート部を前記板材の枠廃材部に対して下方に半抜き状態とするための半抜き部と、
前記半抜き部による半抜き工程の後、外形抜きパンチにて前記枠廃材部に対して前記コアシート部を打ち抜いて前記コアシートを形成するための第2打ち抜き部と
を備えたことを特徴とする回転電機用積層コアの製造装置。
【請求項4】
請求項3に記載の回転電機用積層コアの製造装置において、
前記第2打ち抜き部は、前記外形抜きパンチにて、前記コアシートを形成するとともにそのコアシートの嵌合凸部を前回形成したコアシートの嵌合凹部に順次圧入させて複数枚のコアシートを積層固定することを特徴とする回転電機用積層コアの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−27109(P2013−27109A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158209(P2011−158209)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】