説明

回転電機

【課題】保持リングによる分割コアの保持力を維持しつつ、保持リングからの面圧によるコア内部の鉄損を低減し、且つコアの座屈を防止する回転電機を提供すること。
【解決手段】スリット161dは、分割コア16のバックヨーク部161bの外周面161c縁部にバックヨーク部161bの周方向両端部を残して貫設されている。これにより、スリット161dが緩衝部位となってブリッジ部161eが保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bが保持リング15の円筒部151から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リング15による分割コア16の保持力の維持と、バックヨーク部161b内部の鉄損の低減による回転電機1の効率向上およびバックヨーク部161bの座屈の防止による回転電機1の損傷防止とを両立させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータのコアに通電することによりロータを駆動する回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
保持リングの円筒部の内周面に、夫々コイルが巻回された複数のコアが円環状に保持されて形成されたステータと、ステータと半径方向に対向するように形成されたロータとを備えた回転電機に関する従来技術が、例えば、特許文献1に開示されている。これは、主にハイブリッド車両の車輪駆動用のモータとして使用されるもので、複数のコアを円環状に並べた状態で保持リングの円筒部の内周面に固定し、その後、保持リングをモータハウジング内に取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3666727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された回転電機においては、複数の分割コア6が保持リングの円筒部の内周部に圧入されて固定されている。図7において、ステータの保持リング5の円筒部51の内周面に、複数の分割コア6を円環状に並べて取り付けた場合の、各分割コア6における応力の発生状態を示す。夫々の分割コア6は図略のコイルが巻回されたティース部61と、ティース部61の半径方向外方に接続されたバックヨーク部62とを有している。互いに隣接する分割コア6は、バックヨーク部62の円周方向の端部同士を突き合わせた状態で、保持リング5の円筒部51の内周部に所定の締め代(分割コア6の外径−保持リング5の円筒部51の内径)を持って圧入されている。
【0005】
図7に示すように、分割コア6の保持リング5の円筒部51への圧入により、各々のバックヨーク部62の外周面は、保持リング5の円筒部51の内周面から半径方向内方に略均等な押圧力(面圧)を受けている。また、バックヨーク部62の両端部は、隣接した分割コア6のバックヨーク部62から、円周方向の押圧力を受けている。したがって、バックヨーク部62には、圧縮応力が発生しやすくなる。
【0006】
ここで、回転電機の各々の部材には寸法上のばらつきがあり、このばらつきによって上述した締め代も変動する。寸法上のばらつきを考慮して、最悪の場合でも上述した所定の締め代が維持されるように各部材の寸法を設定すると、締め代が大きくなった場合、保持リング5の円筒部51の内周面からバックヨーク部62の外周面に加えられる面圧が増大する。そして、バックヨーク部62に発生した応力が過大になった場合、バックヨーク部62内部の鉄損(応力鉄損)を増大させ、回転電機の効率を低下させる。また、各々の分割コア6は多数の薄い電磁鋼板が積層されて形成されているため、バックヨーク部62の座屈、すなわちバックヨーク部62が圧縮荷重により軸方向に折れ曲がる変形が発生し、回転電機が損傷するおそれがある。
【0007】
複数の分割コア6を保持リング5の円筒部51の内周面に固定する方法として、上述した常温による圧入以外に焼き嵌めがある。これは、保持リング5を加熱して、その円筒部51の内径を拡張させた状態で円環状に並べた複数の分割コア6を嵌め込み、その後、保持リング5を冷却して、その円筒部51の内径を収縮させることにより、保持リング5の円筒部51の内周面に複数の分割コア6を固定する方法である。しかしながら、この方法によっても、分割コア6と冷却後の保持リング5の円筒部51との間の締め代が大きい場合には、バックヨーク部62に発生する過大な応力によって、バックヨーク部62内部の鉄損が増大して回転電機の効率が低下する点およびバックヨーク部62が座屈して回転電機が損傷するおそれがある点については、圧入による場合と同様であった。
【0008】
分割コア6を保持リング5の円筒部51に強固に取り付けるためには、分割コア6と保持リング5の円筒部51との間に所定以上の締め代を必要とし、該締め代が大きければ保持リング5の円筒部51の内周面からバックヨーク部62の外周面に加えられる面圧は増大し、バックヨーク部62に発生する応力も増大する。すなわち、保持リング5による分割コア6の保持力の維持と、バックヨーク部62内部の鉄損の増大による回転電機の効率の低下およびバックヨーク部62の座屈による回転電機の損傷とは相反する課題であった。
【0009】
保持リング5の円筒部51の内周面からバックヨーク部62の外周面に加えられる面圧は、保持リング5の円筒部51の厚さを薄くすることにより低減させることができる。しかしながら、保持リング5の円筒部51の厚さを薄くすると保持リング5の円筒部51の内周部に複数の分割コア6を圧入もしくは焼き嵌めしたときに保持リング5の円筒部51が破断するおそれがある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保持リングによる分割コアの保持力を維持しつつ、保持リングからの面圧によるコア内部の鉄損を低減し、且つコアの座屈を防止する回転電機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、ハウジングに対し回転可能に取り付けられたロータと、前記ロータに対し半径方向外方に対向して設けられ、円筒部を有し前記ハウジングに取り付けられた保持リング、および電磁鋼板を積層して構成され、各々コイルが巻回されるとともに前記円筒部の内周面に固定された複数の分割コアを有するステータと、を備え、各々の前記分割コアは、前記保持リングに取り付けられた状態において、半径方向に延び、コイルが巻回されたティース部と、前記ティース部の半径方向外方に接続され、円周方向に延在したバックヨーク部と、を有しており、複数の前記分割コアは、隣接する前記バックヨーク部の端面が互いに当接して円環状に配置された状態で、前記保持リングの円筒部の内周に圧入又は焼き嵌めにより締め代を持って面圧を付与されて前記保持リングに嵌着されている回転電機において、前記分割コアの前記バックヨーク部にスリットが前記バックヨーク部の周方向両端部を残して貫設されていることである。
【0012】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記スリットは、該スリットから前記バックヨーク部の外周までの距離と前記保持リングの円筒部の内周から外周までの距離とが同じになるように形成されていることである。
【0013】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記スリットは、前記面圧が大きくなるほど、前記保持リングの円筒部の内周から外周までの距離に対する前記スリットから前記バックヨーク部の外周までの距離の割合が大きくなるように形成されていることである。
【0014】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3の何れか一項において、前記分割コアは、前記積層された各電磁鋼板同士が前記スリットから前記バックヨーク部の外周までの間でダボカシメされていることである。
【0015】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3の何れか一項において、前記分割コアは、前記積層された各電磁鋼板同士が前記スリットから前記バックヨーク部の外周までの間で接着されていることである。
【0016】
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、ハウジングに対し回転可能に取り付けられたロータと、前記ロータに対し半径方向外方に対向して設けられ、円筒部を有し前記ハウジングに取り付けられた保持リング、および電磁鋼板を積層して構成され、各々コイルが巻回されるとともに前記円筒部の内周面に固定された複数の分割コアを有するステータと、を備え、各々の前記分割コアは、前記保持リングに取り付けられた状態において、半径方向に延び、コイルが巻回されたティース部と、前記ティース部の半径方向外方に接続され、円周方向に延在したバックヨーク部と、を有しており、複数の前記分割コアは、隣接する前記バックヨーク部の端面が互いに当接して円環状に配置された状態で、前記保持リングの円筒部の内周に圧入又は焼き嵌めにより締め代を持って面圧を付与されて前記保持リングに嵌着され、少なくとも前記バックヨーク部の円周方向中央部分において、前記バックヨーク部には円周方向を長手方向とするスリットが形成されていることである。
【0017】
請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項6において、前記スリットの円周方向における長さは、前記ティース部の円周方向長さ以上であることである。
【0018】
請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜7の何れか一項において、前記バックヨーク部の外周縁部に前記スリットが形成されたことである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、スリットは、分割コアのバックヨーク部にバックヨーク部の周方向両端部を残して貫設されている。これにより、スリットが緩衝部位となってスリットとバックヨーク部の外周との間の部分(以下、ブリッジ部という)が保持リングの円筒部からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部を除くバックヨーク部が保持リングの円筒部から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リングによる分割コアの保持力の維持と、バックヨーク部内部の鉄損の低減による回転電機の効率向上およびバックヨーク部の座屈の防止による回転電機の損傷防止とを両立させることができる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、スリットは、該スリットからバックヨーク部の外周までの距離、すなわちブリッジ部の半径方向の厚さと、保持リングの円筒部の内周から外周までの距離、すなわち保持リングの円筒部の半径方向の厚さとが同じになるように形成されている。ブリッジ部の半径方向の厚さと保持リングの円筒部の半径方向の厚さとを同じにすることにより、ブリッジ部が保持リングの円筒部からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部を除くバックヨーク部で発生する応力を低減、例えば従来発生していた応力の半分にすることができる。保持リングからの見かけ上の分割コアの剛性は低下することになるので、保持リングの円筒部の半径方向の厚さを従来の円筒部の半径方向の厚さよりも薄くすることができ、その結果、分割コアの外径を円筒部の半径方向の厚さを薄くした分だけ広げてその部分にブリッジ部を形成することができる。
【0021】
ハウジングの小型化が進む中、保持リングの円筒部の外径は一定以上に大きくすることができないが、保持リングの円筒部の外径は従来の円筒部の外径のままで、保持リングの円筒部の半径方向の厚さを従来の円筒部の半径方向の厚さの例えば1/2にし、分割コアの外径を従来の円筒部の半径方向の厚さの1/2だけ広げてその部分にブリッジ部を形成し、保持リングの円筒部の剛性とブリッジ部の剛性とを略等しくすることができ、ブリッジ部で保持リングの円筒部からの面圧の大部分を受けることができる。よって、回転電機の大きさは従来の回転電機の大きさと同じままで、ブリッジ部以外のバックヨーク部の面積(体積)を従来と略同一にして磁束の流れを従来と同様に確保でき、保持リングによる分割コアの保持力の維持と、バックヨーク部内部の鉄損の低減による回転電機の効率向上およびバックヨーク部の座屈の防止による回転電機の損傷防止とを両立させることができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、スリットは、保持リングの円筒部からの面圧が大きくなるほど、保持リングの円筒部の内周から外周までの距離、すなわち保持リングの円筒部の半径方向の厚さに対するスリットからバックヨーク部の外周までの距離、すなわちブリッジ部の半径方向の厚さの割合が大きくなるように形成されている。これにより、ブリッジ部の強度が向上するので、保持リングの円筒部からの面圧が大きくなっても該面圧の大部分を受けることができ、ブリッジ部を除くバックヨーク部で発生する応力を低減させることができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、分割コアは、積層された各電磁鋼板同士がスリットからバックヨーク部の外周までの間でダボカシメされている。これにより、バックヨーク部、特にブリッジ部が座屈して軸方向に折れ曲がることを防止することができ、回転電機の損傷を防止することができる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、分割コアは、積層された各電磁鋼板同士がスリットからバックヨーク部の外周までの間で接着されている。これにより、ブリッジ部の半径方向の厚さが薄くてダボカシメができない場合であっても、バックヨーク部、特にブリッジ部が座屈して軸方向に折れ曲がることを防止することができ、回転電機の損傷を防止することができる。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、スリットは、少なくともバックヨーク部の円周方向中央部分において円周方向が長手方向となるように形成されている。これにより、スリットが緩衝部位となってブリッジ部が保持リングの円筒部からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部を除くバックヨーク部が保持リングの円筒部から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リングによる分割コアの保持力の維持と、バックヨーク部内部の鉄損の低減による回転電機の効率向上およびバックヨーク部の座屈の防止による回転電機の損傷防止とを両立させることができる。
【0026】
請求項7に係る発明によれば、スリットは、その円周方向における長さが、ティース部の円周方向長さ以上となるように形成されている。スリットが円周方向に長いほど、ブリッジ部を除くバックヨーク部が保持リングの円筒部から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、バックヨーク部内部の鉄損をさらに低減させて回転電機の効率を大幅に向上させることができ、またバックヨーク部の座屈を防止して回転電機の損傷を防止することができる。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、スリットは、分割コアのバックヨーク部の外周縁部に貫設されている。これにより、保持リングの円筒部からの面圧はバックヨーク部の外周縁部に設けられたブリッジ部のみで受けることになるので、バックヨーク部の大部分において保持リングの円筒部から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リングによる分割コアの保持力の維持と、バックヨーク部内部の鉄損の低減による回転電機の効率向上およびバックヨーク部の座屈の防止による回転電機の損傷防止とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態の回転電機を備えたハイブリッド車両の車輪駆動系を示す断面図である。
【図2】本実施形態の回転電機のステータの平面図である。
【図3】図2に示すステータに含まれる分割コア単体の平面図である。
【図4】(A)は、本実施形態の回転電機の保持リングの円筒部と分割コアとの締め代と面圧との関係を示す図、(B)は、従来の回転電機の保持リングの円筒部と分割コアとの締め代と面圧との関係を示す図である。
【図5】(A),(B),(C)は、本実施形態の回転電機の分割コアが保持リングに取り付けられた場合に発生する最小主応力分布、磁束密度分布および鉄損密度分布を、有限要素法(FEM)を用いて解析した結果を示す図である。
【図6】(A),(B),(C)は、従来の回転電機の分割コアが保持リングに取り付けられた場合に発生する最小主応力分布、磁束密度分布および鉄損密度分布を、有限要素法(FEM)を用いて解析した結果を示す図である。
【図7】回転電機の分割コアに応力が発生するメカニズムを説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態による回転電機について図1乃至図3を参照して説明する。この回転電機1は、ハイブリッド車両の車輪駆動用の同期モータである。なお、図1において、左方を回転電機1およびクラッチ装置3の前方といい、右方を後方ということがあるが、実際の車両上における方向とは無関係である。また、説明中において回転軸方向または軸方向という場合、特に断らなければ、回転電機1の回転軸Cに沿った方向、すなわち図1における左右方向を意味する。また、図2および図3において、分割コア16に嵌合されたボビン162,163およびコイル164は省略されている。
【0030】
図1に示すように、モータハウジング11(本発明の「ハウジング」に該当する)は、回転電機1を構成するロータ13およびステータ14を内蔵した状態で、前方をモータカバー12により封止されている。モータカバー12の前方には、図示しない車両のエンジンが取り付けられ、モータハウジング11の後方には、図示しないトランスミッションが配設されている。また、ロータ13とエンジンとの間には、湿式多板クラッチであるノーマリクローズタイプのクラッチ装置3が介装されている。さらに、回転電機1は、トランスミッションを介して図示しない車両の駆動輪と接続されており、回転電機1による駆動力が駆動輪に入力される。
【0031】
回転電機1が搭載された車両は、エンジンにより走行する場合、エンジンがトランスミッションを介して駆動輪を回転させる。このとき回転電機1を作動してエンジンを補助することもできる。また、回転電機1により走行する場合、回転電機1がトランスミッションを介して駆動輪を回転させる。この時、クラッチ装置3をレリーズさせて、エンジンと回転電機1との間の接続を解除している。さらに、回転電機1は、クラッチ装置3を介してエンジンにより駆動され、発電機としても機能する。
【0032】
モータカバー12の内周端には、軸受31を介してクラッチ装置3のインプットシャフト32が、回転軸Cを中心に回転可能に取り付けられている。回転軸Cは、エンジン、回転電機1およびトランスミッションのタービンシャフト2の回転軸でもある。インプットシャフト32は、エンジンのクランクシャフトと接続されている。また、インプットシャフト32は、クラッチ装置3の係合部33を介して、クラッチアウタ34と接続されている。係合部33が係脱することにより、インプットシャフト32とクラッチアウタ34との間が断続される。クラッチアウタ34は、回転電機1のロータ13に連結されるとともに、半径方向内方へと延びて、内端においてタービンシャフト2とスプライン嵌合している。また、クラッチアウタ34とモータハウジング11の固定壁111との間には、双方の間の相対回転が可能なように、ベアリング装置35が介装されている。
【0033】
回転電機1のロータ13は、クラッチアウタ34を介して、モータハウジング11に回転可能に取り付けられている。ロータ13は、積層された複数の電磁鋼板131を一対の保持プレート132a,132bにより挟み、これに固定部材133を貫通させて端部をかしめることにより形成されている。また、ロータ13の円周上には、図示しない複数の界磁極用マグネットが設けられている。一方の保持プレート132bは、クラッチアウタ34に取り付けられ、これにより、ロータ13はクラッチアウタ34と連結されている。
【0034】
また、モータハウジング11の内周面には、ロータ13と半径方向に対向するように、回転電機1のステータ14が取り付けられている。ステータ14は、保持リング15の内周面に、回転磁界発生用の複数の分割コア16が円環状に並ぶように焼き嵌めにより締め代を持って面圧を付与されて嵌着されて形成されている(図2示)。保持リング15は、鋼板をプレス成形して形成されており、リング状の円筒部151と、円筒部151の軸方向の一側の端部に接続され、全周に亘って半径方向外方に延びる外周フランジ152とを有し、さらに、外周フランジ152の円周上の3箇所には、夫々半径方向外方にさらに延びた取付フランジ153が形成されている(図2示)。
【0035】
取付フランジ153は、ステータ14をモータハウジング11に取り付けるために形成されており、夫々1個の取付穴154、あるいは1個の取付穴154および1個の位置決め用穴155が貫通している(図2示)。保持リング15において、円筒部151と外周フランジ152および取付フランジ153とが接続された部位は、全周に亘って、所定の大きさの曲率を有する曲面に形成されている。
【0036】
一方、各々の分割コア16は、複数のケイ素鋼板(電磁鋼板)が積層されることにより形成されたティース部161aを備えている。ティース部161aには一対のボビン162,163が装着され、ボビン162,163は、ティース部161aの外周面を囲むように互いに嵌合している。さらに、ボビン162,163の回りには、回転磁界を発生させるためのコイル164が巻回されている。ティース部161aの周囲に巻回されたコイル164は、図示しないバスリングを介して外部のインバータと接続される。上述した構成を備えた回転電機1において、コイル164に例えば三相の交流電流が供給されることによりステータ14において回転磁界が発生し、回転磁界に起因する吸引力または反発力によって、ロータ13がステータ14に対し回転される。
【0037】
上述した分割コア16は、保持リング15に取り付けられた状態において半径方向に延び、コイル164が巻回されたティース部161aと、ティース部161aの半径方向外方に接続され、円周方向に延在したバックヨーク部161bとを有している(図2,3示)。これにより各々の分割コア16は、およそT字状を呈している。保持リング15に取り付けられた複数の分割コア16は、隣接するものとの間で、バックヨーク部161bの端部同士を突き合わせることにより円環状に並び、コア列CRを形成している(図2示)。
【0038】
また、各々の分割コア16には、少なくともバックヨーク部161bの円周方向中央部分において、円周方向が長手方向とするスリット161dが形成されている。すなわち、バックヨーク部161bの外周面161cから所定距離だけ半径方向内方に位置する外周縁部において、バックヨーク部161bの周方向両端部を残して円周方向に延在し、且つバックヨーク部161bを軸方向に貫通したスリット161dが形成されている(図2,3示)。各スリット161dは、円周方向における長さが、ティース部161aの円周方向長さ以上となるように形成されている。各スリット161dは、スリット幅が、鋼板の厚さ(t)の2倍より小さい場合、例えばt=0.3mmのときスリット幅が0.6mmより狭い場合は、エッチング加工やレーザ加工が必要であるが、例えば0.6mmから0.8mmと比較的広い場合は、プレス加工により形成される。なお、バックヨーク部161bに形成されるスリット161dは、図3に示した形状に限定されるべきではなく、バックヨーク部161b上を円周方向に延在していれば種々の形状が適用可能である。
【0039】
各スリット161dからバックヨーク部161bの外周面161cまでの部位、すなわち各ブリッジ部161eは、各スリット161dが緩衝部位となって保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることになる(図2示)。そこで、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bで発生する応力を例えば半減するために、スリット161dからバックヨーク部161bの外周面161cまでの距離、すなわちブリッジ部161eの半径方向の厚さdbと、保持リング15の円筒部151の内周から外周までの距離、すなわち保持リング15の円筒部151の厚さdrとが同じになるように形成されている(図3示)。
【0040】
また、保持リング15の円筒部151の厚さdrに対するブリッジ部161eの半径方向の厚さdbの割合が大きくなるように各スリット161dを形成し、ブリッジ部161eの強度を向上させることにより、保持リング15の円筒部151からの面圧が大きくなっても該面圧の大部分を受けることができ、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bで発生する応力を低減させることができる。
【0041】
また、各スリット161dは、スリット161dの端部からバックヨーク部161bの端部までの部位(以下、ブリッジ脚部161fという)が、回転電機1が回転したときに分割コア16に掛かる回転トルクや車両が例えば側面衝突したときに分割コア16に掛かる軸方向力により破断しないように形成されている。すなわち、ブリッジ脚部161fの円周方向の長さcbは、上述の回転トルクや軸方向力から決定されている(図3示)。
【0042】
上述したように、ブリッジ部161eは、スリット161dが緩衝部位となって保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部161eが圧縮荷重により軸方向に折れ曲がる座屈を防止するために、3箇所の点Qにおいてダボカシメされている(図3示)。なお、分割コア16のブリッジ部161eを除く部位では、発生する応力は低減されているので、分割コア16の略中央部の1箇所の点Rにおいてダボカシメすればよい(図3示)。また、ブリッジ部161eの半径方向の厚さが薄くてダボカシメができない場合は、ブリッジ部161eで積層された各電磁鋼板同士を接着剤により接着するとよい。
【0043】
上述したように、複数の分割コア16は、円筒部151の内周面に焼き嵌めにより取り付けられる。保持リング15は所定温度に加熱されて、その内径が拡張される。加熱された円筒部151に対し、分割コア16のバックヨーク部161bを互いに当接させて、複数の分割コア16を円環状に並べた状態で挿入していく。分割コア16が円筒部151内に挿入された後、保持リング15は冷却されて収縮し、各々の分割コア16を強固に保持することができる。
【0044】
また、分割コア16を保持リング15内に取り付ける方法として、常温における圧入を適用してもよい。さらに、圧入により分割コア16を保持リング15内に保持させる場合、分割コア16と円筒部151との間に接着剤を介在させ、その保持力を増大させてもよい。分割コア16が取り付けられた保持リング15は、モータハウジング11に固定される。取付フランジ153をモータハウジング11のボス部112に当接させた後、取付ボルト17を取付穴154に挿通し、ボス部112に螺合させることにより、取付フランジ153はモータハウジング11に取り付けられる。
【0045】
図4(A)は、本実施形態の保持リング15の円筒部151と分割コア16との締め代Vと面圧Pとの関係を示す図、図4(B)は、従来の保持リング5の円筒部51と分割コア6との締め代Vと面圧Pとの関係を示す図である。図5(A),(B),(C)は、本実施形態の分割コア16が保持リング15に取り付けられた場合に発生する最小主応力分布、磁束密度分布および鉄損密度分布を、有限要素法(FEM)を用いて解析した結果を示す図である。図6(A),(B),(C)は、従来の分割コア6が保持リング5に取り付けられた場合に発生する最小主応力分布、磁束密度分布および鉄損密度分布を、有限要素法(FEM)を用いて解析した結果を示す図である。
【0046】
図4(A),(B)に示す面圧P1,P1は、保持リング5,15の円筒部51,151に対し分割コア6,161を円周方向および軸方向に保持可能、すなわち保持リング5,15の円筒部51,151に対し分割コア6,161が円周方向に回転せず軸方向に抜けない最小の面圧を表している。また、面圧P2,P3は、保持リング5,15の円筒部51,151の引張限界、すなわち保持リング5,15の円筒部51,151が破断する最大の面圧を表している。本実施形態の場合、保持リング15の円筒部151の軸方向の断面積は、従来の保持リング5の円筒部51の軸方向の断面積の略半分にしているため、面圧P2は面圧P3に対し略半分になっている。そして、本実施形態の分割コア161においては、保持リング15の円筒部151からの面圧Pによりブリッジ部161eが撓むので、締め代Vにより本実施形態の保持リング15の円筒部151に掛かる負荷は、同一の締め代Vにより従来の保持リング5の円筒部51に掛かる負荷よりも小さくなる。
【0047】
従って、本実施形態においては、締め代Vを大きくしても面圧Pの増加を抑えることができる。すなわち、従来は、締め代をV4にしたときに最大の面圧P31(<P3)、例えば5.2MPaに達していたが、本実施形態では、締め代V4より1.5倍以上大きい締め代V2にしたときに面圧P31の半分の最大の面圧P21(<P2)、例えば2.6MPaに達している。このように本実施形態の締め代の成立範囲V1〜V2、例えば0.074mm〜0.48mm(Δ0.406mm)を従来の締め代の成立範囲V3〜V4、例えば0.024mm〜0.298mm(Δ0.274mm)よりも拡張することができる。よって、回転電機1の各々の部材の寸法上のばらつきの許容範囲(加工公差)は従来のものよりも広がるので、保持リング15の円筒部151と分割コア16との面圧が過度に増大することを抑制することができる。
【0048】
そして、図5(A),(B),(C)および図6(A),(B),(C)から明らかなように、従来の分割コア6のバックヨーク部62に発生した応力は過大な応力、例えば33.4MPaの圧縮応力となっていたが(図6(A)示)、本実施形態の分割コア16のバックヨーク部161bに発生した応力は、ブリッジ部161e(点線の長円aで囲まれた部分)のみが過大な応力、例えば33.4MPaの圧縮応力となり、その他の部分、特にバックヨーク部161bの両端部(点線の楕円bで囲まれた部分)の応力は低減された応力、例えば3.8MPaの圧縮応力となる(図5(A)示)。また、本実施形態の分割コア16のバックヨーク部161bの両端部(点線の楕円で囲まれた部分)における磁束密度(図5(B)示)は、従来の分割コア6のバックヨーク部62の両端部(点線の楕円で囲まれた部分)における磁束密度(図6(B)示)よりも低減されている。そして、本実施形態の分割コア16のバックヨーク部161bの両端部(点線の楕円で囲まれた部分)における鉄損密度(図5(C)示)は、従来の分割コア6のバックヨーク部62の両端部(点線の楕円で囲まれた部分)における鉄損密度(図6(C)示)よりも緩和されている。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の回転電機1によれば、スリット161dは、分割コア16のバックヨーク部161bにバックヨーク部161bの周方向両端部を残して貫設されている。これにより、スリット161dが緩衝部位となってブリッジ部161eが保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bが保持リング15の円筒部151から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リング15による分割コア16の保持力の維持と、バックヨーク部161b内部の鉄損の低減による回転電機1の効率向上およびバックヨーク部161bの座屈の防止による回転電機1の損傷防止とを両立させることができる。
【0050】
また、本実施形態の回転電機1によれば、スリット161dは、ブリッジ部161eの半径方向の厚さと、保持リング15の円筒部151の半径方向の厚さとが同じになるように形成されている。ブリッジ部161eの半径方向の厚さと保持リング15の円筒部151の半径方向の厚さとを同じにすることにより、ブリッジ部161eが保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bで発生する応力を低減、例えば従来発生していた応力の半分にすることができる。保持リング15からの見かけ上の分割コア16の剛性は低下することになるので、保持リング15の円筒部151の半径方向の厚さを従来の円筒部51の半径方向の厚さよりも薄くすることができ、その結果、分割コア16の外径を円筒部151の半径方向の厚さを薄くした分だけ広げてその部分にブリッジ部161eを形成することができる。
【0051】
モータハウジング11の小型化が進む中、保持リング15の円筒部151の外径は一定以上に大きくすることができないが、保持リング15の円筒部151の外径は従来の円筒部51の外径のままで、保持リング15の円筒部151の半径方向の厚さを従来の円筒部51の半径方向の厚さの例えば1/2にし、分割コア16の外径を従来の円筒部51の半径方向の厚さの1/2だけ広げてその部分にブリッジ部161eを形成し、保持リング15の円筒部151の剛性とブリッジ部161eの剛性とを略等しくすることができ、ブリッジ部161eで保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることができる。よって、回転電機1の大きさは従来の回転電機の大きさと同じままで、ブリッジ部161e以外のバックヨーク部161bの面積(体積)を従来と略同一にして磁束の流れを従来と同様に確保でき、保持リング15による分割コア16の保持力の維持と、バックヨーク部161b内部の鉄損の低減による回転電機1の効率向上およびバックヨーク部161bの座屈の防止による回転電機1の損傷防止とを両立させることができる。
【0052】
また、本実施形態の回転電機1によれば、スリット161dは、保持リング15の円筒部151からの面圧が大きくなるほど、保持リング15の円筒部151の半径方向の厚さに対するブリッジ部161eの半径方向の厚さの割合が大きくなるように形成されている。これにより、ブリッジ部161eの強度が向上するので、保持リング15の円筒部151からの面圧が大きくなっても該面圧の大部分を受けることができ、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bで発生する応力を低減させることができる。
【0053】
また、本実施形態の回転電機1によれば、分割コア16は、積層された各電磁鋼板同士がスリット161dからバックヨーク部161bの外周面161cまでの間でダボカシメされている。これにより、バックヨーク部161b、特にブリッジ部161eが座屈して軸方向に折れ曲がることを防止することができ、回転電機1の損傷を防止することができる。
【0054】
また、本実施形態の回転電機1によれば、分割コア16は、積層された各電磁鋼板同士がスリット161dからバックヨーク部161bの外周面161cまでの間で接着されている。これにより、ブリッジ部161eの半径方向の厚さが薄くてダボカシメができない場合であっても、バックヨーク部161b、特にブリッジ部161eが座屈して軸方向に折れ曲がることを防止することができ、回転電機1の損傷を防止することができる。
【0055】
また、本実施形態の回転電機1によれば、スリット161dは、少なくともバックヨーク部161bの円周方向中央部分において円周方向が長手方向となるように形成されている。これにより、スリット161dが緩衝部位となってブリッジ部161eが保持リング15の円筒部151からの面圧の大部分を受けることになるので、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bが保持リング15の円筒部151から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リング15による分割コア16の保持力の維持と、バックヨーク部161b内部の鉄損の低減による回転電機1の効率向上およびバックヨーク部161bの座屈の防止による回転電機1の損傷防止とを両立させることができる。
【0056】
また、本実施形態の回転電機1によれば、スリット161dは、その円周方向における長さが、ティース部161aの円周方向長さ以上となるように形成されている。スリット161dが円周方向に長いほど、ブリッジ部161eを除くバックヨーク部161bが保持リング15の円筒部151から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、バックヨーク部161b内部の鉄損をさらに低減させて回転電機1の効率を大幅に向上させることができ、またバックヨーク部161bの座屈を防止して回転電機1の損傷を防止することができる。
【0057】
また、本実施形態の回転電機1によれば、スリット161dは、分割コア16のバックヨーク部161bの外周面161c縁部に貫設されている。これにより、保持リング15の円筒部151からの面圧はバックヨーク部161bの外周面161c縁部に設けられたブリッジ部161eのみで受けることになるので、バックヨーク部161bの大部分において保持リング15の円筒部151から受ける面圧を低減して発生する応力を低減することができる。よって、保持リング15による分割コア16の保持力の維持と、バックヨーク部161b内部の鉄損の低減による回転電機1の効率向上およびバックヨーク部161bの座屈の防止による回転電機1の損傷防止とを両立させることができる。
【0058】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。本発明は、複数の電磁鋼板を積層して形成された分割コアのみではなく、金属磁性粉末を加圧成形して形成した分割コアにも適用可能である。また、回転電機1は、同期モータ、誘導モータ、直流モータ等の家庭用電器に設けられるモータあるいは一般的な産業用機械を駆動するモータに適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1:回転電機、11:モータハウジング(ハウジング)、13:ロータ、14:ステータ、15:保持リング、16:分割コア、151:円筒部、161a:ティース部、161b:バックヨーク部、161c:外周面、161d:スリット、161e:ブリッジ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに対し回転可能に取り付けられたロータと、
前記ロータに対し半径方向外方に対向して設けられ、円筒部を有し前記ハウジングに取り付けられた保持リング、および電磁鋼板を積層して構成され、各々コイルが巻回されるとともに前記円筒部の内周面に固定された複数の分割コアを有するステータと、を備え、
各々の前記分割コアは、前記保持リングに取り付けられた状態において、半径方向に延び、コイルが巻回されたティース部と、
前記ティース部の半径方向外方に接続され、円周方向に延在したバックヨーク部と、を有しており、
複数の前記分割コアは、隣接する前記バックヨーク部の端面が互いに当接して円環状に配置された状態で、前記保持リングの円筒部の内周に圧入又は焼き嵌めにより締め代を持って面圧を付与されて前記保持リングに嵌着されている回転電機において、
前記分割コアの前記バックヨーク部にスリットが前記バックヨーク部の周方向両端部を残して貫設されていることを特徴とする回転電機。
【請求項2】
請求項1において、
前記スリットは、該スリットから前記バックヨーク部の外周までの距離と前記保持リングの円筒部の内周から外周までの距離とが同じになるように形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項3】
請求項1において、
前記スリットは、前記面圧が大きくなるほど、前記保持リングの円筒部の内周から外周までの距離に対する前記スリットから前記バックヨーク部の外周までの距離の割合が大きくなるように形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項において、
前記分割コアは、前記積層された各電磁鋼板同士が前記スリットから前記バックヨーク部の外周までの間でダボカシメされていることを特徴とする回転電機。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか一項において、
前記分割コアは、前記積層された各電磁鋼板同士が前記スリットから前記バックヨーク部の外周までの間で接着されていることを特徴とする回転電機。
【請求項6】
ハウジングに対し回転可能に取り付けられたロータと、
前記ロータに対し半径方向外方に対向して設けられ、円筒部を有し前記ハウジングに取り付けられた保持リング、および電磁鋼板を積層して構成され、各々コイルが巻回されるとともに前記円筒部の内周面に固定された複数の分割コアを有するステータと、を備え、
各々の前記分割コアは、前記保持リングに取り付けられた状態において、半径方向に延び、コイルが巻回されたティース部と、
前記ティース部の半径方向外方に接続され、円周方向に延在したバックヨーク部と、を有しており、
複数の前記分割コアは、隣接する前記バックヨーク部の端面が互いに当接して円環状に配置された状態で、前記保持リングの円筒部の内周に圧入又は焼き嵌めにより締め代を持って面圧を付与されて前記保持リングに嵌着され、
少なくとも前記バックヨーク部の円周方向中央部分において、前記バックヨーク部には円周方向を長手方向とするスリットが形成されていることを特徴とする回転電機。
【請求項7】
請求項6において、
前記スリットの円周方向における長さは、前記ティース部の円周方向長さ以上であることを特徴とする回転電機。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項において、
前記バックヨーク部の外周縁部に前記スリットが形成されたことを特徴とする回転電機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−254624(P2011−254624A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126807(P2010−126807)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】