説明

基板上に機能材料のパターンを形成する方法

本発明は、電子デバイスおよびコンポーネントに用いる基板上に、機能材料のパターンを形成する方法を提供する。本方法は、レリーフ構造を有するスタンプを用いて、マスキング材料を基板に転写して、基板上に開口領域のパターンを形成する。機能材料は、少なくとも開口領域において基板に適用される。マスキング材料が基板から除去されると、基板上に機能材料のパターンが形成される。本方法は、電子デバイスおよびコンポーネントのマイクロ回路の製造に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に機能材料のパターンを形成する方法に関し、特に、本方法は、レリーフ表面を有するエラストマースタンプを用いて、機能材料が適用される基板上の開口領域のパターンを形成するものである。
【背景技術】
【0002】
ほぼ全ての電子および光学デバイスにはパターン形成が必要である。長いこと、マイクロ電子デバイスは、必要なパターンを形成するのに、フォトリソグラフィープロセスにより作製されてきた。この技術は、導体、絶縁体または半導体材料の薄膜を、基板上に堆積し、ネガまたはポジのフォトレジストを、材料の露出面にコートするものである。レジストに、所定のパターンで照射し、レジストの照射または非照射部分を表面から洗い流して、所定のパターンのレジストを表面に作製する。導電性金属材料のパターンを形成するには、所定のレジストパターンでカバーされていない金属材料をエッチングまたは除去する。次に、レジストパターンを除去して、金属材料のパターンを得る。しかしながら、フォトリソグラフィーは、複雑で、プラスチックエレクトロニクスの印刷では費用のかかり過ぎる多工程プロセスである。
【0003】
マイクロ接触印刷は、パターン化材料を形成するのに、柔軟性のある非リソグラフィー法である。マイクロ接触印刷には、潜在的に、従来のフォトリソグラフィー技術を超える大きな利点がある。接触印刷は、電子部品アセンブリにおいて、プラスチックエレクトロニクス上に比較的高解像度のパターンを形成できるからである。マイクロ接触印刷には、基板表面に付与されるミクロン寸法のパターンを可能にする高解像度技術という特徴がある。マイクロ接触印刷はまた、フォトリソグラフィーシステムよりも経済的である。手順的にあまり複雑でなく、スピンコーティング機器またはクリーンルーム環境を必要としないからである。さらに、マイクロ接触印刷は、オープンリール式電子部品アセンブリ操作に潜在的に適しており、フォトリソグラフィーおよびe−電子リソグラフィー(約数十ナノメートルの解像度が望ましい従来より用いられている技術)等の他の技術よりも高処理量の生産が可能となる。多数の画像を、オープンリール式アセンブリ操作において、マイクロ接触印刷を用いて、単一スタンプから印刷することができる。
【0004】
マイクロ接触印刷技術は、無線タグ(RFID)、センサ、メモリおよびバックパネルディスプレイ等のマイクロ電子デバイスの製造におけるフォトリソグラフィーに代わる可能性がある。分子種を形成する自己組織化単分子膜(SAM)を、基板に転写するというマイクロ接触印刷の能力はまた、金属のパターン化無電解堆積にも用途が見出されている。SAM印刷は、高解像度のパターンを作製することができるが、通常、金または銀の金属パターンを、チオールの化学により形成することに限られている。複数のバリエーションがあるものの、SAM印刷においては、エラストマースタンプに与えられたポジのレリーフパターンが基板に着色される。典型的にポリジメチルシロキサン(PDMS)でできたエラストマースタンプのレリーフパターンは、チオール材料により着色される。典型的に、チオール材料は、アルカンチオール材料である。基板は、金または銀の金属薄膜でブランケットコートされてから、金コートされた基板がスタンプと接触する。スタンプのレリーフパターンの金属膜との接触の際、所望のマイクロ回路パターンを有するチオール材料の単層が、金属膜に転写される。アルカンチオールは、自己組織化プロセスにより、金属に秩序ある単層を形成する。その結果、SAMは密集し、金属に良好に接合する。このように、SAMは、着色基板を、金属エッチング溶液に浸漬すると、エッチングレジストとして作用し、SAM保護金属領域以外は全て、下にある基板からエッチングされる。SAMは、剥離されて、所望のパターンの金属が残る。
【0005】
材料を基板、特に、発光素子に転写する方法は、Coe−Sullivanら、国際公開第2006/047215号パンフレットに開示されている。この方法には、スタンプアプリケータの表面に材料を選択的に堆積し、スタンプアプリケータの表面を基板に接触することが含まれる。スタンプアプリケータは、テクスチャ付与、すなわち、凹凸パターンのある表面を有していても、特徴部なし、すなわち、凹凸を有していなくてもよい。材料は、ナノ材料インクであり、半導体ナノ結晶を含む。材料の基板への直接接触印刷だと、所望のマイクロ回路パターンを基板から形成しない過剰の材料をエッチングまたは除去するSAMの印刷に関連する工程が排除される。
【0006】
チオール材料または国際公開第2006/047215号パンフレットに記載されているようなその他材料のSAMの直接マイクロ接触印刷が、高密度の特徴部を有するマイクロ電子デバイスおよびコンポーネントで達成できる。しかしながら、機能材料のない比較的広い、特徴部のない領域により分離された機能材料の細い解像度ラインのパターンを有するデバイスおよびコンポーネントのマイクロ接触印刷は問題がある。スタンプは、特徴部の密度が低いまたは特徴部間の分離が大きい特徴部間の領域で、垂下し得る。スタンプのレリーフ表面のサギングは、レリーフ構造のリセス領域の最も低い表面が、隆起領域の最上面に向って、崩壊または垂下する現象である。サギングはまた、スタンプの天井崩壊とも呼ばれる。レリーフ表面のサギングによって、リセス領域に、材料があってはならない場所に材料が印刷されてしまう。リセス領域は、材料を、ラインのパターンの一部が形成されていない基板の望ましくない領域に転写するのに十分に垂下接触する。スタンプのリセス領域のサギングは、スタンプに圧力が加えられると、さらに悪化する可能性がある。材料パターンを基板に転写するためには、スタンプへの圧力は必要なときがある。転写した材料が大きい場合には、機能材料のパターンラインの1つ以上と接触し、コンポーネントの使用が損なわれる。スタンプのサギングが、材料をバックグラウンド領域に転写される、特に、SAM層を用いる導電性パターンのマイクロ接触印刷は、デバイスまたはコンポーネントのショートにつながる。
【0007】
スタンプに組み込まれる特徴部密度パターンに加えて、スタンプの弾性は、特徴部のない領域におけるサギングに寄与する。スタンプが基板と十分に接触し、円柱または球表面、または不連続または多平面表面に含まれる様々な表面に適合させるために、マイクロ接触印刷に用いるスタンプはエラストマーである。しかしながら、スタンプの特徴部は、サギングが、細い解像度ラインの特徴部のパターン間のリセス領域で生じるようなアスペクト比(スタンプの特徴部の高さで除算した特徴部の幅により求める)を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
機能材料、例えば、導体、半導体または誘電体材料等のパターンを、基板上に形成する方法を提供することが望まれている。かかる方法が、エラストマースタンプによりマイクロ接触印刷し易いが、金属への印刷に限定されないことも望まれている。かかる方法で、パターンの特徴部のない領域における機能材料の転写の問題を排除することも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、機能材料のパターンを基板上に形成する方法を提供する。本方法は、レリーフ構造に隆起表面を有するエラストマースタンプに、レリーフ構造の少なくとも隆起表面上にマスキング材料を提供し、マスキング材料を隆起表面から基板に転写して、基板の開口領域のパターンを形成し、機能材料を、パターンを形成する基板の開口領域に適用することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】マイクロ回路のパターンまたはその他機能電子経路を形成するレリーフ構造を有するマスターの立断面図である。
【図2】支持体とマスターとの間に、化学線に露光されたエラストマー材料の層を有する印刷フォーム前駆体の一実施形態の立断面図である。
【図3】マスターから分離された、印刷フォーム前駆体から形成されたスタンプの立断面図である。スタンプは、マスターのレリーフパターンに対応するレリーフ構造を有し、特に、スタンプのレリーフ構造は、マスターのレリーフパターンと反対の、少なくとも隆起表面とリセス表面のパターンを含む。
【図4】マスキング材料をスタンプのレリーフ構造に適用する一実施形態としての、スピンコーターのプラットフォームにあるエラストマースタンプの立断面図である。
【図5】基板と接触するレリーフ構造の隆起表面に、マスキング材料層を有するエラストマースタンプの立断面図である。
【図6】基板から分離され、隆起表面のマスキング材料を基板に転写して、マスキング材料のパターンを形成するエラストマースタンプの立断面図である。
【図7】機能材料を、マスキング材料のパターンでカバーされていない基板の開口領域に適用する一実施形態としての、スピンコーターのプラットフォームにマスキング材料のパターンを備えた基板の立断面図である。
【図8】マスキング材料を除去して、機能材料のパターンを基板上に形成する一実施形態を示す、浴中の機能材料を備えた基板の立断面図である。
【図9】機能材料が加熱によりさらに処理される任意の工程の実施形態を示す、機能材料のパターンを備えた基板の立断面図である。
【図10a】比較例に記載した手順に従って製造されたソースドレインラインの電子パターンの画像である。
【図10b】実施例2に記載した手順に従って製造されたソースドレインラインの電子パターンの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明について、同じ参照文字は、全ての図面において同じ要素を参照している。
【0012】
本発明は、電子用途に用いる基板上に機能材料のパターンを形成する方法を提供する。本方法は、機能材料として、導体、半導体および誘電体をはじめとする様々な電子材料のパターン形成に適用可能である。本方法は、マスキング材料としてのチオール材料のエラストマースタンプによる用途に限定されていない。本方法によれば、典型的に、少なくとも1〜5ミクロンのライン解像度の大きな領域にわたって、様々な基板上に機能材料のパターンを形成することができ、特に、マイクロ回路を形成することができる。本方法は、マスキング材料を転写するために、レリーフ構造を有するエラストマースタンプで、スタンプのサギングなし、または大幅なサギングなしで、材料の基板への望ましくない転写をすることなく、容易に印刷を行うものである。本方法は、従来のマイクロ接触印刷に付随する画像信頼性および解像度を保持しながら、機能材料のライン間にきれいな開放された特徴部のないバックグラウンドを与える。本方法は、オープンリール式プロセス等の電子デバイスおよびコンポーネントの製造のための高速製造プロセスに適用できる。
【0013】
スタンプは、基板のパターン形成のために提供される。スタンプは、隆起表面を備えたレリーフ構造を含む。典型的に、レリーフ構造は、複数の隆起表面と複数のリセス表面とを含む。スタンプのレリーフ構造は、マスキング材料を基板に印刷するための隆起表面パターンを形成する。基板上のマスキング材料のパターンは、電子コンポーネントまたはデバイスに望ましい機能材料のパターンの反対またはネガである。すなわち、エラストマースタンプのレリーフ構造のリセス表面は、本方法により基板に最終的に形成される機能材料のパターンを表し、隆起表面は、基板上のバックグラウンドまたは特徴部のない領域を表す。一実施形態において、本方法は、スタンプのレリーフ表面の構造により、標準的なマイクロ接触印刷に関連するスタンプサギング(すなわち、リセス部分の天井崩壊)の問題を主として排除する。スタンプ構造の隆起表面は、リセス表面の幅に比べて比較的広い。リセス表面の比較的狭い寸法幅のために、本発明により形成され使用されるエラストマースタンプは、リセス表面で垂下しない、または実質的に垂下せず、材料を望ましくなく転写しない。スタンプは、隆起表面から、比較的広いラインのマスキング材料を印刷する。これは、最終的に形成される電子部品の開放バックグラウンドを表す。一実施形態において、スタンプのレリーフ構造は、リセス表面の幅より広い幅を有する隆起表面を有する。スタンプのレリーフ構造の上述した実施形態は特に利点を与えるが、本方法は、隆起表面の幅が、リセス表面の幅より広い実施形態にのみ限定されない。本方法は、スタンプの隆起表面およびリセス表面の相対的な寸法に関わらず、機能材料のパターン形成に適用することができる。
【0014】
スタンプは、マイクロ接触印刷の業界の当業者であれば理解される従来のやり方で形成される。例えば、スタンプは、レリーフ形態を表す表面(スタンプレリーフ構造の反対)を有するマスター上で、材料の層を鋳造および硬化することにより製造される。スタンプは、化学線への露光、加熱またはこれらの組み合わせにより硬化される。スタンプは、このように、エラストマー材料の層を含む。これは、エラストマー層、硬化層または硬化エラストマー層と呼ばれる。スタンプはまた、例えば、レリーフ構造を生成するやり方で、剥離またはエングレイブによっても製造できる。スタンプのレリーフ構造において、隆起表面が基板と十分選択的に接触するよう、隆起表面はリセス表面から高さがある。一実施形態において、隆起表面は、リセス表面から約0.2〜20ミクロンの高さがある。他の実施形態において、隆起表面は、リセス表面から約0.2〜2ミクロンの高さがある。スタンプは、材料のパターンを、基板にレリーフ印刷することにより再生することのできる任意の材料から製造される。スタンプの材料は、エラストマーで、これは、スタンプの少なくとも隆起部分を、基板の表面に適合させて、マスキング材料の完全な転写を促進するためのものである。ポリマー材料が、エラストマースタンプを形成するのに好適であり、これらに限られるものではないが、例えば、シリコーンポリマー、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、エポキシポリマー、共役ジオレフィンハイドロカーボンのポリマー、例えば、ポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンおよびブタジエン/アクリロニトリル、A−B−A型ブロックコポリマーのエラストマーブロックコポリマー(Aは、非エラストマーブロック、好ましくはビニルポリマーおよび最も好ましくはポリスチレンを表し、Bはエラストマーブロック、好ましくはポリブタジエンまたはポリイソプレンを表す)、アクリレートポリマーならびにフルオロポリマーが挙げられる。A−B−Aブロックポリマーとしては、これらに限られるものではないが、ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)およびポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)が例示される。ポリマー材料は、エラストマーであっても、硬化によりエラストマーになるものであってもよい。
【0015】
一実施形態において、レリーフ構造が、化学線に露光する際に形成できるようエラストマースタンプを形成する材料は感光性である。「感光性」という用語には、感光性組成物が、化学線に応答して、1つ以上の反応、特に、光化学反応を開始できる系が含まれる。化学線への露光の際、モノマーおよび/またはオリゴマーの連鎖重合は縮合機構か、フリーラジカル付加重合のいずれかにより誘導される。全ての光重合可能な機構が考えられるが、エラストマースタンプ材料として有用な感光性組成物は、1つ以上の末端エチレン化不飽和基を有するモノマーおよび/またはオリゴマーのフリーラジカル開始付加重合について説明する。これに関して、化学線に露出したときの光開始剤系は、モノマーおよび/またはオリゴマーの重合を開始するのに必要なフリーラジカルの源として作用し得る。
【0016】
組成物は感光性である。組成物は、光開始付加重合によりポリマーを形成することのできる少なくとも1つのエチレン化不飽和基を有する化合物を含有するためである。感光性組成物はまた、化学線により活性化される開始系も含有していて、光重合を誘導してもよい。重合可能な化合物は、非末端エチレン化不飽和基を有している、かつ/または組成物は、架橋を促進するモノマー等の1種以上のその他の化合物を含有していてもよい。このように、「光重合可能な」という用語は、光重合可能、光架橋可能またはその両方の系を包含するものである。本明細書で用いる、光重合はまた、硬化とも呼ばれる。エラストマースタンプを形成する感光性組成物は、1種以上の成分および/または添加剤を含んでいてよく、これらに限られるものではないが、組成物を安定化またはその他強化する光開始剤、1種以上のエチレン化不飽和化合物(モノマーと呼ばれる)、フィラ−、界面活性剤、熱重合防止剤、処理助剤、酸化防止剤、光増感剤等が挙げられる。
【0017】
光開始剤は、化学線に感受性のある単一化合物または化合物の組み合わせとすることができ、過剰な停止反応なしで、重合を開始するフリーラジカルを生成する。公知の部類の光開始剤、特に、フリーラジカル開始剤、例えば、芳香族ケトン、キノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、アリールケトン、過酸化物、ビイミダゾール、ベンジルジメチルケタ―ル、ヒドロキシルアルキルフェニルアセトフォン、ジアルコキシアセトフェノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド誘導体、アミノケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、メチルチオフェニルモルホリノケトン、モルホリノフェニルアミノケトン、アルファハロゲノアセトフェノン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、オキシフルホニルケトン、スルホニルケトン、ベンゾイルオキシムエステル、チオキサントロン、カンファーキノン、ケトクマリンおよびミヒラーズケトンを用いてよい。一実施形態において、光開始剤は、芳香族ケトン型の公知のフッ素を含まない光開始剤に基づくフッ素化光開始剤を含む。あるいは、光開始剤は、化合物の混合物であってもよく、そのうちの1つが、放射線により活性化される感光剤により、そのように行うと、フリーラジカルを与える。液体光開始剤は、組成物中で良好に分散するため、特に好適である。好ましくは、開始剤は、紫外線に感受性がある。光開始剤は、通常、感光性組成物の重量に基づいて、0.001%〜10.0%の量で存在する。
【0018】
化学線により活性化される組成物中に用いることのできるモノマーは業界で周知であり、これらに限られるものではないが、付加重合エチレン化不飽和化合物が挙げられる。付加重合化合物はまた、オリゴマーであってもよく、オリゴマーの単体または混合物とすることができる。組成物は、単体モノマーまたはモノマーの組み合わせを含有することができる。付加重合可能なモノマー化合物は、組成物の重量の5%未満、好ましくは3%未満の量で存在し得る。
【0019】
一実施形態において、エラストマースタンプは、化学線に露光する際に、重合するフッ素化化合物を含む感光性組成物で構成されていて、フッ素化エラストマーベースの材料を形成する。好適なエラストマーベースのフッ素化化合物としては、これらに限られるものではないが、重合反応により重合または架橋可能なパーフルオロポリエーテル、フルオロオレフィン、フッ素化熱可塑性エラストマー、フッ素化エポキシ樹脂、フッ素化モノマーおよびフッ素化オリゴマーが挙げられる。一実施形態において、フッ素化化合物は、反応して重合し、フッ素化エラストマー材料を形成する1つ以上の末端エチレン化不飽和基を有する。エラストマーベースのフッ素化化合物は、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリシロキサン、ポリアミドおよび印刷フォーム前駆体および/またはその使用に好適なスタンプの所望の特性を達成するその他等でホモ重合または共重合することができる。化学線への露光は、フッ素化化合物を重合するのに十分なものであり、印刷スタンプとして用いられるようになり、高圧および/または室温より高い高温の印加は必要ない。化学線に露光することにより硬化するフッ素化化合物を含有する組成物の利点は、PDMSベースの系等、熱硬化する組成物に比べると特に、組成物が比較的早く(例えば、1分以下で)硬化し、単純なプロセス過程であることである。
【0020】
一実施形態において、エラストマースタンプは、フッ素化化合物が、パーフルオロポリエーテル(PFPE)化合物である感光性組成物の層を含む。パーフルオロポリエーテル化合物は、少なくとも大部分がパーフルオロエーテルセグメント、すなわち、パーフルオロポリエーテルを含む化合物である。PFPE化合物中に存在するパーフルオロエーテルセグメントの大部分は、PFPE化合物の総重量に基づいて、80重量パーセント以上である。パーフルオロポリエーテル化合物はまた、フッ素化されていないハイドロカーボンまたはハイドロカーボンエーテルである、かつ/またはフッ素化されているが、過フッ素化されていないハイドロカーボンまたはハイドロカーボンエーテルである1つ以上の延長セグメントを含んでいてもよい。一実施形態において、パーフルオロポリエーテル化合物は、少なくとも大部分がパーフルオロポリエーテルセグメントおよび末端光反応性セグメント、任意で、フッ素化されていないハイドロカーボンの延長セグメントを含む。パーフルオロポリエーテル化合物は、1つ以上の末端エチレン化不飽和基により官能基が付与されて、化合物を、化学線に対して反応性とする(すなわち、光反応性セグメント)。光反応性セグメントはまた、光重合可能なセグメントとも呼ばれる。
【0021】
パーフルオロポリエーテル化合物は、限定されないが、鎖状および分岐構造を含む。パーフルオロポリエーテル化合物の鎖状骨格構造が好ましい。PFPE化合物は、モノマーであってよいが、典型的には、室温でオリゴマーおよび液体である。パーフルオロポリエーテル化合物は、オリゴマーパーフルオロエーテルセグメントを有するオリゴマー二官能性モノマーと考えてもよい。パーフルオロポリエーテル化合物は、光化学的に重合して、スタンプのエラストマー層を与える。PFPEベースの材料の利点は、PFPEが高フッ素化されていて、有機溶剤、特に、マイクロ接触印刷技術に用いるのに望ましい塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサンおよびアセトニトリル等による膨潤に抵抗性があることである。
【0022】
任意で、エラストマースタンプは、可撓性フィルム、好ましくは可撓性ポリマーフィルムの支持体を含む。可撓性支持体は、スタンプのエラストマーレリーフ表面を、印刷可能な電子基板に、反りまたは歪みを生じさせることなく、適合または実質的に適合可能とする。支持体はまた、スタンプをマスターから剥離しながら、スタンプのエラストマー層と共に曲げることができるほど十分に可撓性でもある。支持体は、非反応性で、スタンプの製造および使用状況にわたって安定なままのフィルムを形成するポリマー材料とすることができる。好適なフィルム支持体としては、トリアセチルセルロース等のセルロースフィルムおよび、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリイミドおよびポリエステル等の熱可塑性材料が例示される。好ましいのは、ポリエチレン、例えば、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのフィルムである。同じく支持体に含まれるのは可撓性ガラスである。典型的に、支持体の厚さは、2〜50ミル(0.0051〜0.13cm)である。典型的に、支持体はシート形態であるが、この形態に限定されない。一実施形態において、支持体は、感光性組成物が重合する化学線に対して透明、または実質的に透明である。
【0023】
任意で、エラストマースタンプは、マスキング材料適用前は、レリーフ表面に1つ以上の層を含んでいてよい。1つ以上の層は、例えば、マスキング材料の、スタンプから基板への転写を補助する。追加の層として用いるのに好適な材料の一例としては、フッ素化化合物が挙げられる。一実施形態において、追加の層は、マスキング材料の基板への転写後、エラストマースタンプと共に残る。
【0024】
マスキング材料を、スタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面に適用することにより、マスキング材料はスタンプに提供される。マスキング材料は、これらに限られるものではないが、注入、流し込み、液体鋳造、ジェッティング、浸漬、吹付け、蒸着およびコーティングをはじめとする好適な方法により、スタンプに適用することができる。コーティングの好適な方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、ローラーコーティングおよびドクターブレーディングが例示される。一実施形態において、マスキング材料は、スタンプのレリーフ構造に適用される。すなわち、マスキング材料は、隆起表面とリセス表面とに層を形成する。スタンプのマスキング材料層は、連続または不連続とすることができる。マスキング材料層の厚さは、材料を印刷して、基板上でマスキングとして機能するのであれば、特に限定されない。一実施形態において、マスキング材料層の厚さは、典型的に、スタンプのレリーフ高さ(隆起表面とリセス表面との差)より薄い。一実施形態において、スタンプのマスキング材料層は、0.01〜1ミクロンである。
【0025】
マスキング材料を、スタンプの少なくとも隆起表面に適用した後、マスキング材料を、任意で乾燥して、基板へ転写する前に、キャリアまたは溶剤の一部または全てを除去する。乾燥は、ガスジェットの使用、吸収材によるブロッティング、室温または高温での蒸発等をはじめとする任意のやり方で行ってよい。一実施形態において、マスキング材料は、転写前は、溶剤またはキャリアを実質的に含まず、隆起表面にフィルムを形成する。
【0026】
マスキング材料の選択は、最終的にパターン化される機能材料によりなされる。マスキング材料は、典型的に、スタンプへの適用のために溶液中に分散、分解または懸濁される。機能材料も、典型的に、基板への適用のために溶液中に分散、溶解または懸濁される。機能材料に用いる溶液の種類によって、有機、水溶性またはアルコールベースの化合物にせよ、マスキング材料と、マスキング材料が分散、溶解または懸濁される対応の溶液が決まる。マスキング材料は、機能材料が用いるのと同じまたは実質的に同じまたは同様の溶液を用いてはならない。溶液は、他の物質を溶解して、均一に分散した混合物を形成可能な物質である溶剤である、または本発明の方法の工程を実施するのに十分溶液中に材料を分散または懸濁することのできるキャリア化合物である。
【0027】
特定の実施形態において、マスキング材料の溶液は、機能材料の溶液と非相溶性または実質的に非相溶性である。すなわち、一実施形態において、機能材料が、有機化合物による溶液中にある場合には、マスキング材料は、有機溶剤と非相溶性または実質的に非相溶性となるように選択される(すなわち、マスキング材料は、水性またはアルコール溶液中に分散、溶解または懸濁する)。一実施形態において、機能材料が、水性またはアルコール化合物による溶液中にある場合には、マスキング材料は、水性またはアルコール溶液に非相溶性となるように選択される(すなわち、マスキング材料は、有機材料中に分散、溶解または懸濁する)。一実施形態において、マスキング材料および機能材料は、非相溶性または実質的に非相溶性であり、基板上のマスキング材料のパターンに適用されたとき、機能材料は、マスキング材料のパターンを変更したり、分解したり、その他影響を与えない、または実質的に変更、分解、その他影響を与えないようなものとする。他の実施形態において、マスキング材料および機能材料は、非相溶性または実質的に非相溶性で、機能材料およびマスキング材料は、互いに近接したときに、混ざったり、溶解しないようなものとする。他の実施形態において、マスキング材料および機能材料は、非相溶性または実質的に非相溶性で、溶剤溶液によるマスキング材料の除去によって(機能材料の適用後)、基板の機能材料のパターンの形成を妨げないようなものとする。パターンを変更したり、分解する例としては、マスキング材料の溶解または膨潤および基板からのマスキング材料の持ち上げ(機能材料と接触したときの)、機能材料の溶解または膨潤および基板からの機能材料の持ち上げ(特に、マスキング材料が基板から除去されているとき)が挙げられる。本発明の方法の制限内で、マスキング材料および機能材料の両方が、同じ一般的な溶液を用いる、例えば、両方とも有機溶液を用いる、両方ともアルコール溶液を用い、それでも非相溶性または実質的に非相溶性であってもよいものと考えられる。この場合、マスキング材料溶液と機能材料溶液との溶解度は十分異なるものとし、機能材料の適用により、基板上のマスキング材料パターンに悪影響を及ぼさず、マスキング材料の除去が、機能材料パターンの形成に悪影響を及ぼさないのであれば、マスキング材料と機能材料とは、実質的に非相溶性と考えられる(実施例1および3参照)。
【0028】
マスキング材料は、(1)スタンプのレリーフ構造の少なくとも隆起表面に層を形成し、(2)レリーフ構造によるパターンを基板に転写し、(3)機能材料に悪影響を及ぼすことなく基板から除去(存在する場合には、下にある層に影響を与えることなく)できるものでなければならない。エラストマースタンプの特定の特性は、層を形成して基板へ転写する特定のマスキング材料の能力に影響するが、マイクロ接触印刷の当業者であれば、マスキング材料とエラストマースタンプとの適切な組み合わせを決められる。一実施形態において、マスキング材料によってまた、機能材料は、マスキングパターンの全体または一部をカバーすることもできる。
【0029】
マスキング材料として好適な材料は、マスキング材料が上記の要件に適合するのであれば、限定されない。水性または水溶液中にある機能材料のマスキング材料として用いるのに好適な材料としては、これらに限られるものではないが、アクリロニトリルホモポリマーおよびコポリマー、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンエラストマー、ポリ(アクリロニトリル)、スチレンホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリスチレンおよびポリ(スチレン−アクリロニトリル)コポリマー、アクリレートおよびメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリ(エチルメタクリレート)およびポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリチオフェン、置換および非置換ポリフェニレン−ビニレンホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(n−ヘキシルイソシアネート)、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)、エポキシベース系、ポリ(n−カルバゾール)、ポリノルボルネンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(テトラフルオロエチレン)およびこれらの組み合わせおよびコポリマーが例示される。
【0030】
有機溶液中にある機能材料のマスキング材料として用いるのに好適な材料としては、これらに限られるものではないが、アルキド樹脂、ゼラチン、ポリ(アクリル酸)、ポリペプチド、プロテイン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒドロキシポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエチレングリコール、キトサン、ポリ(スチレン−コ−ビニルピリジン)、ポリ(ブチルアクリレート−コ−ビニルピリジン)、アリールアミンおよびフッ素化アリールアミン、セルロースおよびセルロース誘導体、アクリレートおよび/またはメタクリレートエマルジョンの分散液ならびにこれらの組み合わせおよびコポリマーが例示される。
【0031】
マスキング材料の、レリーフ構造の隆起表面から基板への転写によって、基板上にマスキング材料のパターンが作製され、これに対応して、基板の開口領域のパターンが形成される。転写はまた、印刷とも呼ばれる。隆起表面のマスキング材料を基板と接触させると、マスキング材料が転写して、スタンプを基板から分離すると、マスキング材料のパターンが形成される。一実施形態において、隆起表面に配置されたマスキング材料の全てまたは実質的に全てが、基板に転写される。基板からのスタンプの分離は、これらに限られるものではないが、剥離、ガスジェット、液体ジェット、機械的デバイス等をはじめとする任意の手段によりなされる。任意で、圧力をスタンプに加えて、マスキング材料の基板への接触および完全な転写を確保してもよい。マスキング材料の基板への転写は、任意のやり方で行ってよい。マスキング材料の転写は、スタンプのレリーフ表面を基板へ動かす、基板をスタンプのレリーフ表面に動かす、または基板とレリーフ表面の両方を動かして接触させることによる。一実施形態において、マスキング材料は手動で転写される。他の実施形態において、マスキング材料の転写は、例えば、コンベヤーベルト、オープンリール式プロセス、直接駆動の転写固定具またはパレット、鎖、ベルトまたはギア駆動固定具またはパレット、摩擦ローラ、印刷プレスまたはロータリ装置により自動化される。マスキング材料の層の厚さは、特に限定されないが、基板上のマスキング材料層の典型的な厚さは、100〜10000オングストロームである。
【0032】
基板は、限定されず、マスキングパターンが上に形成できるのであれば、プラスチック、ポリマーフィルム、金属、シリコン、ガラス、布帛、紙およびこれらの組み合わせを挙げることができる。基板は不透明または透明とすることができる。基板は剛性または可撓性とすることができる。本発明の方法による機能材料のパターンを基板上に形成する前、基板は、1つ以上の層および/または他の材料の1つ以上のパターンを含んでいてもよい。基板の表面は、接着促進表面、例えば、プライマー層を含む、または処理して、接着層、マスキング材料または機能材料の基板への接着を促進することができる。好適な基板としては、例えば、ポリマー、ガラスまたはセラミック基板上に金属フィルムのあるもの、ポリマー基板上に1枚または複数の導電性フィルム、その上に金属フィルムのあるもの、ポリマー基板上に半導体フィルム、その上に金属フィルムのあるものが挙げられる。好適な基板のさらなる例としては、例えば、ガラス、酸化インジウム錫コートガラス、酸化インジウム錫コートポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、シリコンおよび金属ホイルが挙げられる。
【0033】
マスキング材料のパターンを基板上に形成した後、機能材料を基板に、少なくとも開口領域またはマスキングパターン間の領域に適用する。一実施形態において、機能材料を適用して、基板の表面、すなわち、基板上のマスキングパターンおよび開口領域をカバーする。他の実施形態において、機能材料を選択的に適用して、基板上の少なくとも開口領域(マスキング材料のパターンがない)をカバーする。機能材料の選択的適用は、例えば、ジェッティングにより実施できる。機能材料は、これらに限られるものではないが、注入、流し込み、液体鋳造、ジェッティング、浸漬、吹付け、蒸着およびコーティングをはじめとする任意の好適な方法により基板に適用することができる。コーティングの好適な方法としては、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、ローラーコーティングおよびドクターブレーディングが例示される。
【0034】
機能材料を基板に適用した後、機能材料を乾燥させて、基材からマスキングパターンを除去する前に、キャリアまたは溶剤の一部またはすべてを除去することができる。乾燥は、ガスジェットの使用、吸収材によるブロッティング、室温または高温での蒸発等をはじめとする任意のやり方で行ってよい。一実施形態において、機能材料は、溶剤またはキャリアを実質的に含まず、隆起表面にフィルムを形成する。
【0035】
機能材料は、電子コンポーネントおよびデバイスのマイクロ製造に用いるためにパターン化された材料である。機能材料としては、これらに限られるものではないが、例えば、導体材料、半導体材料、誘電体材料等が挙げられる。機能材料として用いる導体材料としては、これらに限られるものではないが、酸化インジウム錫、銀、金、銅およびパラジウム等の金属、金属錯体、金属合金等が例示される。半導体材料としては、これらに限られるものではないが、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、酸化亜鉛およびセレン化亜鉛が例示される。
【0036】
機能材料は、微粒子、ポリマー、分子等をはじめとする任意の形態とすることができる。典型的に、半導体材料および誘電体材料はポリマーであるが、この形態に限定されず、機能材料は、可溶半導体分子を含むことができる。
【0037】
本方法に用いる機能材料はまた、導体、半導体および誘電体材料のナノ粒子を含んでいてもよい。ナノ粒子は、サイズがナノメートル(nm)で測定される微小粒子である。ナノ粒子は、200nm未満の少なくとも1つの寸法を有する粒子を含む。一実施形態において、ナノ粒子の直径は、約3〜100nmである。サイズ範囲の下端では、ナノ粒子はクラスターと呼ばれる。ナノ粒子の形状は、限定されず、ナノスフェア、ナノロッドおよびナノカップが挙げられる。半導体材料でできたナノ粒子はまた、電子エネルギーレベルの量子化が生じるのに粒子が十分に小さい(典型的に、10nm未満)場合には、量子ドットとも呼ばれる。半導体材料は、発光量子ドットを含む。バルク材料は、通常、そのサイズに関わらず一定した物理特性を有するが、ナノ粒子については、これは当てはまらないことが多い。半導体粒子における量子閉じ込め、金属粒子における表面プラズモン共鳴および磁気材料における超常磁性のように、サイズ依存特性が観察される。機能材料としては、これらに限られるものではないが、半固体ナノ粒子、例えば、リポソーム、軟性ナノ粒子、ナノ結晶、ハイブリッド構造、例えば、コア−シェルナノ粒子が挙げられる。機能材料としては、カーボンのナノ粒子、例えば、カーボンナノチューブ、導電性カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブが挙げられる。金、銀および銅の金属ナノ粒子および分散液は、NanotechnologiesおよびANPより市販されている。
【0038】
一実施形態において、機能材料は、基板への適用のために、溶液中にある。他の実施形態において、機能材料は液体であり、基板への適用のために溶液中とする必要はない。機能材料は、ナノ粒子の形態のときは特に、キャリア系に懸濁する。一実施形態において上述した通り、機能材料の溶剤またはキャリア系は、基板に転写されるマスキング材料と非相溶性または実質的に非相溶性でなければならない。他の実施形態において、機能材料は、マスキング材料の後の除去のために用いる溶剤溶液と少なくとも非相溶性または実質的に非相溶性である。
【0039】
機能材料を基板に適用し、フィルムを形成した後、マスキングパターンを基板から除去する。マスキング材料のパターンの除去は、これらに限られるものではないが、溶剤溶液に浸漬またはこれで湿潤させ、レーザ放射線に露光することをはじめとする任意の方法により行うことができる。基板上のマスキング材料のレーザ放射線の露光は、マスキングパターンを除去するのに特定の機構に限定されず、これらに限られるものではないが、基板からのマスキング材料の剥離、マスキング材料の膨潤、持ち上げまたは転写によるマスキング材料の基板に対する接着力のバランスの変更が挙げられる。一実施形態において、マスキングパターンと基板を分離するのに十分な時間にわたって、マスキング材料の溶剤の浴に基板を浸漬することにより、マスキング材料のパターンは、基板から除去される。溶剤による除去によって、マスキングパターンを、全体または一部、溶剤溶液から持ち上げる、溶剤溶液へ膨潤する、溶解する、分散する、またはこれらの組み合わせがなされる。任意で、マスキング材料の除去を、超音波処理、すなわち、強力超音波の溶剤溶液への適用により補助してもよい。超音波処理はまた、音波洗浄とも呼ばれる。一実施形態において、マスキング材料の全体または一部をカバーする機能材料はまた、マスキング材料と同時に除去される。他の実施形態において、マスキングパターンをカバーする機能材料は、マスキング材料の除去により別々に除去してもよい。マスキング材料の除去は、基板(またはマスキング材料でない下にある層を備えた)と接触する機能材料を妨害または阻害してはならない。機能材料の適用により、基板上のマスキングパターンと開口領域との両方に、基板上の層を形成した場合には、マスキングパターン(および上にある機能材料)の除去の結果、機能材料のパターンが基板上に形成される。
【0040】
本発明の方法を用いて、電子デバイスまたはコンポーネントの任意のパターン層を形成することができるが、方法は、機能材料の初期パターンを形成するのに特に有用である。今適用された機能材料が下にある2つ以上の追加の層を有する基板において、下にある層が、マスキング材料の溶剤との接触に影響または分離されないように、マスキング材料を除去するための溶剤溶液を選択には注意を要する。
【0041】
任意で、機能材料のパターンを有する基板は、加熱、紫外線および赤外線等の化学線源への露光等のさらなる処理工程を行ってもよい。処理工程は、除去工程後または直前に行うことができる。機能材料が、ナノ粒子の形態である実施形態において、追加の処理工程は、機能材料を有効にする必要がある。例えば、機能材料が、金属ナノ粒子で構成されているときは、機能材料のパターンは加熱して、粒子を焼結し、パターンのラインを導電性としなければならない。
【0042】
図1〜3を参照すると、スタンプ5をスタンプ前駆体10から作製する方法の一実施形態は、鋳造操作でなされる。図1に、マスター基板15の表面14に形成されたマイクロ電子特徴部のネガレリーフのパターン13を有するマスター12を示す。マスター基板15は、平滑または実質的に平滑な金属、プラスチック、セラミックまたはガラスとすることができる。一実施形態において、マスター基板はガラスまたはシリコン面である。典型的に、マスター基板15上のレリーフパターン13は、当業者に周知の従来の方法により、フォトレジスト材料で形成される。プラスチック格子フィルムおよび石英格子フィルムはまたマスターとしても用いることができる。約ナノメートルの微細特徴部が望ましい場合には、マスターは、e−ビーム放射線によりシリコンウェハ上に形成することができる。
【0043】
マスター12は、鋳型筺体に、かつ/またはその周囲に沿ってスペーサ(図示せず)と共に配置して、感光性組成物の均一な層の形成を補助してもよい。スタンプを形成するプロセスは、鋳型筺体またはスペーサを用いずに単純化することができる。
【0044】
図2に示す一実施形態において、感光性組成物が導入されて、層20を、レリーフパターン13を有するマスター12の表面に形成する。感光性組成物は、これらに限られるものではないが、注入、流し込み、液体鋳造およびコーティングをはじめとする任意の好適な方法により、マスター12に導入することができる。一実施形態において、感光性組成物は、液体をマスターに注ぐことにより、層20に形成される。感光性組成物20の層をマスター12に形成すると、化学線露光後に、硬化した組成物が、厚さ約5〜50ミクロンの固体エラストマー層を形成する。支持体16は、マスター12の反対の感光性組成物層20の側部に配置されて、接着層が、存在する場合には、感光性組成物の層に近接して、スタンプ前駆体10が形成される。支持体16は、スタンプ前駆体10を得るのに好適な任意のやり方で組成物層に適用することができる。図示した実施形態においては紫外線である化学線露光の際、スタンプ前駆体10の透明支持体16を通して、感光性層20が重合して、スタンプ5のための組成物のエラストマー層24を形成する。感光性組成物20の層は、化学線露光により硬化または重合する。さらに、典型的に、露光を窒素雰囲気中で実施して、露光中の、雰囲気酸素の存在、および重合反応に酸素が与える影響を排除または最小にする。
【0045】
印刷フォーム前駆体を、紫外(UV)または可視光等の化学線に露光して、層20を硬化することができる。化学線は、透明支持体16を通して、感光性材料を露光する。露光した材料は、重合および/または架橋して、マスターのレリーフパターンに対応するレリーフ表面を備えた固体エラストマー層を有するスタンプまたはプレートとなる。一実施形態において、好適な露光エネルギーは、365nm I−ライナ露光ユニットで約10〜20ジュールである。
【0046】
化学線源は、紫外、可視および赤外波長領域を含む。特定の化学線源の適合性は、感光性組成物の感光度、任意の開始剤および/またはスタンプ前駆体を調製するのに用いる少なくとも1つのモノマーにより決まる。スタンプ前駆体の好ましい感光度は、良好な室内光安定性を与えるよう、スペクトルのUVおよび短波長可視光領域にある。好適な可視およびUV源としては、カーボンアーク、水銀蒸気アーク、蛍光ランプ、電子フラッシュユニット、電子ビームユニット、レーザおよび写真フラッドランプが例示される。UV放射線の最も好適な源は、水銀蒸気ランプ、特に、日光ランプである。これらの放射線源は、通常、310〜400nmの長波UV放射線を放出する。これらの特定のUV源に感受性のあるスタンプ前駆体は、310〜400nmを吸収するエラストマーベースの化合物(および開始剤)を用いる。
【0047】
図3に示すとおり、支持体16を含むスタンプ5は、剥離によりマスター12から分離される。スタンプ5の支持体16は、支持体およびスタンプが、マスター12から分離するのに必要な曲げに耐えられるという点で十分に可撓性である。支持体16は、硬化したエラストマー層24と共に残って、ソフトリソグラフィー印刷法に関連したマイクロパターンおよびマイクロ構造を再生するのに必要な寸法安定性を備えたスタンプ5を与える。スタンプ5は、支持体16の反対側に、マスター12のレリーフパターン13のネガに対応するリセス表面28と隆起表面30とを有するレリーフ表面26を含む。レリーフ表面26には、隆起部分30とリセス部分28との間に高さの差、すなわち、レリーフ深さがある。スタンプ5のレリーフ構造26は、マスキング材料32を、基板34に印刷するための隆起表面30と、印刷されないリセス表面部分28とのパターンを形成する。
【0048】
図4において、スタンプ5は、マスキング材料32を、スタンプ5のレリーフ構造26に適用するための一実施形態として、スピンコーティングデバイスのプラットフォーム35にある。マスキング材料32は、スタンプ5のレリーフ構造26に適用され、プラットフォームを回転して、マスキング材料の比較的均一な連続層を形成する。
【0049】
図5において、マスキング材料32の層を有するスタンプ5と基板34とを、互いに近接配置して、スタンプ5の隆起表面30のマスキング材料が、基板34の表面38と接触するようにする。
【0050】
図6において、スタンプ5は、基板34から分離しており、基板と接触するマスキング材料32は基板上に残り、転写されて、マスキング材料のパターン40を形成する。基板34は、マスキング材料32のパターン40とマスキング材料のない開口領域42とを含む。
【0051】
図7において、マスキングパターン40を有する基板34は、機能材料46を基板に適用するための一実施形態として、スピンコーティングデバイスのプラットフォーム35にある。機能材料46は、マスキングパターン40を有する基板34の側部に適用され、プラットフォーム35は回転して、機能材料46の比較的均一な連続層を基板上に形成する。図示した実施形態において、機能材料46の層は、マスキング材料32と開口領域42との両方のパターン40をカバーする。
【0052】
図8において、機能材料46の層とマスキングパターン40とを有する基板34は、マスキング材料32の溶剤である溶液52を含有する浴50に入れられる。マスキング材料32のパターン40は、基板34から持ち上がり、かつ/または溶液浴50に溶解する。マスキングパターン40にある機能材料46もまた、マスキング材料32と共に除去され、開口領域42にある機能材料46は、基板34上に残る。開口領域42の基板34にある機能材料46は、電子デバイスまたはコンポーネントのための機能材料46のパターン55を作製する。
【0053】
図9において、機能材料46のパターン55を備えた基板34は、さらなる処理の一実施形態として加熱される。本実施形態において、機能材料46は、パターン55を導電性とするために、加熱により焼結する必要のある金属ナノ粒子である。
【実施例】
【0054】
特に断りのない限り、パーセンテージは全て合計組成物の重量基準である。
【0055】
実施例1
以下の実施例は、パターンを基板上に形成する方法の実例である。銀ナノ粒子は、機能ソースドレインレベルの薄膜トランジスタを提供することのできる可撓性ベースにパターンを形成する。
【0056】
マスター作製:
ヘキサメチルジシラザン薄層(HMDS)(Aldrich製)を、2インチ(5.1cm)のシリコンウェハに、3000rpmで60秒間スパンコートした。HMDSは、シリコンウェハ上のフォトレジスト材料のための接着促進剤である。Shipleyポジフォトレジスト、タイプ1811(Rohm and Haas製)を、HMDS層上に、3000rpmで60秒間スパンコートした。フォトレジストフィルムを、完全に乾燥するまで、ホットプレートで、115℃で1分間プリベークした。プリベークしたフォトレジストフィルムを、フォトマスキングを通して、365nmの紫外線に、8秒間、I−ライナ(OAI Mask Aligner、型番200)に像様に露光した。露光後、フォトレジストを、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液である現像液タイプMF−319(Rohm and Haas製)で、60秒間現像した。現像したフィルムを、希釈水で洗い、窒素で乾燥し、ホットプレートで、115℃まで5分間加熱して、レリーフパターンを備えたマスターを形成した。作製したマスターのレリーフパターンは、隆起表面領域とリセス領域とを有していた。マスターの隆起表面領域は、基板上に形成された機能銀材料のパターンとなるポジ画像を形成する。パターン化フォトレジストマスターの層の厚さは、表面プロファイラ(LKA−Tencor,San Jose,CA)により測定したところ1.1ミクロンであった。HMDSは、マスターのリセス領域に残った。
【0057】
エラストマースタンプ作製:
エラストマースタンプのための支持体を、UV硬化性の光学的に透明な接着剤、タイプNOA73(Norland Products;Cranbury,NJより購入)の層を、厚さ5ミクロンで、5ミル(0.0127cm)のMelinex(登録商標)561ポリエステルフィルム支持体上に、スピンコーティングにより、3000rpmで適用し、紫外線(350〜400nm)に、1.6ワット出力(20mワット/cm2)で、90秒間、窒素環境で露光により硬化することにより作製した。
【0058】
パーフルオロポリエーテル(PFPE)化合物、E10−DAは、製品タイプCN4000として、Sartomer(Exton,PA)より供給され、受け取ったままの状態で用いた。E10−DAの構造は、
R−E−CF2−O−(CF2−O−)n(−CF2−CF2−O−)m−CF2−E'−R'
であり、式中、RおよびR’は、それぞれアクリレート、Eは、(CH2CH2O)1-2CH2の鎖状非フッ素化ハイドロカーボンエーテル、E’は(CF2CH2O(CH2CH2O)1-2の鎖状ハイドロカーボンエーテルで、分子量約1000である。E10−DAは、PFPEジアクリレートプレポリマーと認識される。
【0059】
エラストマースタンプ組成物を、PFPEジアクリレートプレポリマー(MW1000)と、1重量%の光開始剤光開始剤Darocur1173(Ciba Specialty Chemicals,Basel,Switzerland)を混合することにより調製した。Darocur1173の構造は、以下のとおりである。
【0060】
【化1】

【0061】
混合物を、0.45マイクロメートルPTFEフィルタを用いてろ過した。ろ過したプレポリマーを注いで、レリーフパターンを有する作製したマスターの側部に層を形成した。支持体を、マスターの反対のPFPEプレポリマー層に配置して(空気層界面)、接着剤が層と接触するようにした。PFPE層を、支持体を通して、365nmI−ライナを用いて、10分間、窒素雰囲気下で露光して、PFPE層を硬化または重合して、スタンプを形成した。スタンプを、マスターから剥離すると、マスターにレリーフパターンの反対のレリーフ表面があった。このように、スタンプのレリーフ表面は、機能材料の所望のパターンのネガであった。(すなわち、スタンプは、隆起表面部分とリセス部分とを有し、リセス表面部分は、最終的に形成される銀のパターンに対応している。)
【0062】
スタンプのレリーフパターンは、高さ0.4ミクロンと、幅5ミクロン〜500ミクロンの隆起部分および幅2ミクロン〜20000ミクロンのリセス部分を有していた。
【0063】
マスキング材料の転写:
Covion Super−Yellow(商標)、置換ポリフェニレン−ビニレン−1−4コポリマー(Merck製)の0.5重量%溶液のマスキング材料を、トルエンに溶解し、1−ミクロンPTFEフィルタを用いてろ過した。マスキング材料溶液を、作製したPFPEスタンプのレリーフ表面に、3000rpmで、60秒間、スパンコートした。溶液は、全レリーフ表面をカバーし、空気中、室温で約1分間乾燥させた。基板、5ミルのMelinex(登録商標)フィルムタイプST504を、65℃に維持したホットプレートに置いた。マスキング材料の層を有するPFPEスタンプを、追加の圧力を加えずに、基板のアクリル側に(ホットプレート上にしたままで)ラミネートした。スタンプおよび基板をホットプレートから外し、スタンプを、室温で基板から分離した。エラストマースタンプのレリーフパターンの隆起表面の犠牲マスキング材料は、基板に転写して、基板上にマスキングパターンを形成した。スタンプのリセス領域は、基板と接触しなかったため、基板は、マスキング材料のない開口領域を有していた。マスキング材料のパターンの、プロファイラにより測定した厚さは27nmであった。印刷した犠牲マスキング材料のマスキングパターンは、マスター上のパターンのポジであった(すなわち、印刷したマスキングパターンは、マスターのリセス領域のパターンと同じである)。
【0064】
機能材料のパターン形成:
45%固体のタイプDGP−MP−40LTの銀インクを、Anapro(韓国)より購入した。銀インクは、直径50nmの銀ナノ粒子を有していた。インクは、エタノールにより17重量%まで希釈した。希釈した銀分散液を、5分間、チップ超音波印加装置により、超音波印加し、0.2ミクロンのPTFEフィルタで2回ろ過した。銀分散液を、犠牲材料のマスキングパターンを有する基板に、3000rpmで60秒間コートした。基板の全表面は、銀分散液によりカバーされた。すなわち、銀材料を、マスキングパターンおよび開口領域の層として堆積した。銀を、65℃で1分間アニールして、溶剤を除去し、140℃で、5分間、ホットプレート上で焼結した。マスキングおよび機能層を備えた基板を、クロロホルム浴に入れ、浴に1分間超音波を印加して、マスキングを持ち上げた。基板からの犠牲マスキング材料の持ち上げにより、マスキングの上部に堆積した銀も持ち上がったが、基板に直接適用された銀には影響しなかった。機能銀材料のパターンは、基板上に残った。基板上の銀パターンを、イソプロピルアルコール(IPA)および希釈水中で洗い、窒素ガンで乾燥した。
【0065】
基板上の銀パターンは、互いに噛み合ったソースドレインラインを含むコンポーネントを作製した。ライン幅は5ミクロンであった。ソースドレインライン間の分離は2ミクロンであった。銀パターンラインの抵抗率は2オーム/平方未満であった。
【0066】
この方法によるパターン形成により、破断したり、望ましくない微粒子のないソースドレインとなる。標準マイクロ接触印刷(比較例参照)と異なり、名目上清浄なバックグラウンド領域への銀の望ましくない転写はなかった。ラインは、極めて明瞭で、画像は、フォトリソグラフィー法により得られた画像と同様であった。
【0067】
実施例2
以下の実施例は、エラストマースタンプを用いて、機能材料のパターンを形成して、犠牲マスキング材料を印刷する方法の実例である。機能材料は、可撓性フィルム基板上にパターンを形成する銀ナノ粒子である。
【0068】
マスターおよびエラストマースタンプは、実施例1に記載した通りにして作製した。スタンプ上のレリーフパターンは、実施例1で記録したものと同じ寸法であった。
【0069】
犠牲材料の転写:
ポリ(4−ビニルピリジン)(P4VP)溶液(MO,St LouisのAldrich製)の犠牲マスキング材料を、1重量%のP4VPポリマーを、クロロホルム(CCl3H)に溶解し、0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過することにより調製した。P4VP溶液を、エラストマーPFPEスタンプ上に、3000rpmで60秒間スパンコートし、約1分間空気乾燥した。PFPEスタンプのP4VPを、基板としての5ミルのMelinex(登録商標)フィルムタイプST504のアクリルコート側に、室温で、スタンプに追加の圧力を加えることなく、印刷した。スタンプを、基板から室温で分離し、P4VPを、スタンプのレリーフパターンの隆起表面から、基板に転写された。P4VPパターンの厚さは、プロファイラにより測定したところ30nmであった。
【0070】
機能材料のパターン形成:
銀インク、45重量%固体のタイプDGHをAnapro(韓国)より購入した。銀インクは、直径20nmの銀ナノ粒子を有していた。インクを、トルエンにより、18重量%まで希釈した。希釈銀分散液を、10分間、チップ超音波印加装置を用いて超音波を印加し、0.2ミクロンのPTFEフィルタで2回ろ過した。銀溶液を、犠牲P4VP材料のマスキングパターンを有する基板上に、2000rpmで60秒間スパンコートした。基板の全表面は、銀分散液でカバーされていた。すなわち、銀材料は、マスキングパターンおよび開口領域上に層として堆積した。次に、銀層を、130℃で10分間、ホットプレート上でアニールした。マスキングおよび機能層を備えた基板を、メタノール(MeOH)浴に入れ、浴に超音波を1分間印加して、マスキングを持ち上げた。犠牲P4VP材料の持ち上げにより、マスキングの上部に堆積した銀も持ち上がったが、基板に直接適用された銀には影響しなかった。基板上の銀パターンを、新たなメタノールおよび蒸留水で洗い、窒素ガンで乾燥した。基板上の銀パターンを、140℃で48時間焼結した。銀パターンラインの抵抗率は、4.4オーム/平方であった。
【0071】
20nmの銀粒子の長い加熱により、それらは、基板上の導体フィルムへと焼結された。DGHタイプの銀ナノ粒子は、約250℃の温度で、即時に焼結できるが、Melinex(登録商標)PET基板は、焼結温度で破壊される。銀ラインの焼結は、基板が耐えられる、好適な低温度で長期間にわたってなされる。しかしながら、基板の長い加熱は、直径が数ミクロンの低分子量オリゴマーの基板から、基板表面へのルースパーティクルとしての拡散につながる。
【0072】
焼結銀ラインを備えた基板をアセトン中で洗い、ルースパーティクルを基板から除去する。機能銀材料の得られたパターンは、パーティクルフリーであった。基板上の銀パターンは、それぞれ17桁のソースドレインラインを備えたソースドレインレベルの20個のトランジスタを作製した。パターンは、5ミクロンのラインと、3、5および8ミクロンのチャネルを含む。
【0073】
5ミクロンのラインとスペースとを備えた互いに噛み合ったソースドレインを形成したパターンの詳細画像を、アセトン洗浄の前後で、検討した。長く加熱すると、基板上にパーティクル(サイズが0.5〜5ミクロン)が形成されたのがはっきりと観察された。パーティクルの数は、表面全体にわたって異なり、ソースドレインの左側電極は約50個のパーティクルで、ドレインの右側電極はこれより少ないパーティクルであった。各ラインのパーティクルの数も異なる。事前洗浄画像によれば、1ライン当たり1〜10個のパーティクルである。アセトンリンス後の互いに噛み合ったソースドレインの画像では、銀パターンラインは清浄で、ラインにパーティクルまたは破断は観察されなかった。
【0074】
実施例3
以下の実施例は、機能材料のパターンを可撓性フィルム上に形成する方法の実例である。機能材料は、ポリチオフェンの有機半導体材料である。
【0075】
マスターおよびエラストマースタンプは、実施例1に記載した通りにして作製した。
【0076】
マスキング材料の転写:
テトラフルオエテンと共にアセトンに溶解した、以下の構造のTFE−NB−f−OHコポリマー(2−プロパノール、2−[(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−イルオキシ)メチル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−)ポリマー10重量%の溶液を調製した。
【0077】
【化2】

【0078】
アセトンに溶解したElvacite(登録商標)2042、ポリ(エチルメタクリレート)(Lucite製)の1重量%の溶液のマスキング材料を調製した。10grのTFE−NB−f−OH溶液を、1grのElvacite溶液と混合して、犠牲マスキング材料の混合物を形成した。マスキング材料混合物を、PFPEエラストマースタンプ上に、5000rpmで、60秒間スパンコートし、空気乾燥した。PFPEスタンプ上のマスキング材料を、65℃のホットプレートに置いた基板としての5ミルのMelinex(登録商標)フィルムタイプST504のアクリルコート側と接触させた。僅かの圧力(約0.1lbs/psi)を転写の際に手で加えた。スタンプを基板から分離したところ、マスキング材料が、基板上のスタンプのレリーフパターンの隆起表面から転写された。
【0079】
機能材料のパターン形成:
クロロホルム中ポリチオフェン0.5重量%の溶液を、基板上に、5000rpmで60秒間スパンコートした。基板の全表面は、ポリチオフェン溶液によりカバーされた。すなわち、ポリチオフェンは、マスキングパターンおよび開口領域上に層として堆積した。マスキングおよび機能材料の層を備えた基板を、アセトン浴に入れ、浴に10秒間超音波を印加して、ポリチオペン層の下にあるマスキング材料のパターンを持ち上げた。
【0080】
基板からのマスキング材料の持ち上げにより、マスキングの上部に堆積したポリチオフェン材料も持ち上がったが、基板に直接スパンされたポリチオフェン材料には影響しなかった。銀のパターンライン間に、余分な銀材料は残らず、堆積しなかった。ポリチオフェンのパターンラインは、幅約200ミクロンであり、ある程度微粒子があった。
【0081】
実施例4
以下の実施例は、機能材料のパターンを、エラストマースタンプを用いて、形成し、犠牲マスキング材料を印刷する方法の実例である。機能材料は、可撓性フィルム基板上にパターンを形成する銀ナノ粒子である。
【0082】
マスターおよびエラストマースタンプは、実施例1に記載した通りにして作製した。スタンプ上のレリーフパターンは、実施例1で記録したものと同じ寸法であった。幅5〜500ミクロン、高さ0.4ミクロンの隆起部分、および幅2〜20000、高さ0.4ミクロンのリセス部分。
【0083】
犠牲材料の転写:
マスキング材料を調製した。トリアリールアミンポリマー1重量%をトルエン中で調製した。トリアリールアミンポリマーは、国際公開第2005/080525号パンフレット、Herronらにより、実施例1に記載された以下の構造に従って調製した。
【0084】
【化3】

【0085】
Elvacite(登録商標)タイプ2045、ポリ(イソ−ブチルメタクリレート)の1重量%の溶液をトルエン中で調製した。マスキング材料を、トリアリールアミンポリマー溶液とポリ(イソブチルメタクリレート)溶液とから、90/10重量比で調製し、0.2ミクロンPTFEフィルタによりろ過した。マスキング材料溶液を、エラストマーPFPEスタンプに、3000rpmで、60秒間、スパンコートし、約1分間空気乾燥した。PFPEスタンプ上のマスキング材料のフィルムを、室温で、スタンプに追加の圧力を加えずに、基板としての5ミルのMelinex(登録商標)フィルムタイプST504のアクリルコート側に印刷した。スタンプを、室温で基板から分離したところ、マスキング材料のフィルムが、スタンプのレリーフパターンの隆起表面から、基板に転写された。マスキング材料パターンフィルムの厚さは、プロファイラにより測定したところ40nmであった。
【0086】
機能材料のパターン形成:
45重量%固体のタイプDGHの銀インクを、Anapro(韓国)より購入した。銀インクは、直径約20nmの銀ナノ粒子を有していた。インクは、トルエンにより18重量%まで希釈した。希釈した銀分散液を、10分間、チップ超音波印加装置により超音波を印加し、0.2ミクロンのPTFEフィルタで2回ろ過した。銀溶液を、マスキング材料のパターンを有する基板に、2000rpmで60秒間スパンコートした。基板の全表面は、銀分散液によりカバーされた。すなわち、銀材料を、マスキングパターンおよび開口領域の層として堆積した。銀層を、130℃で20分間、ホットプレート上でアニールした。マスキングおよび機能層を備えた基板を、クロロホルム(CHCl3)浴に入れ、浴に1分間超音波を印加して、マスキングを持ち上げた。基板からの犠牲マスキング材料の持ち上げにより、マスキングの上部に堆積した銀も持ち上がったが、基板に直接適用された銀には影響しなかった。基板上の銀パターンを、新たなイソプロピルアルコールおよび蒸留水で洗い、窒素ガンで乾燥した。基板上の銀パターンを、140℃で48時間焼結した。
【0087】
5ミクロンのラインと20〜2ミクロンとのスペースを備えた互いに噛み合ったソースドレインを形成したマスキング材料パターンの詳細画像を、クロロホルム洗浄の前後で、検討した。互いに噛み合ったソースドレインのマスキングパターンの画像は、PFPEマスターの解像度で、きれいな端部を示している。パターン銀の解像度は、5ミクロンラインおよびスペースであった。
【0088】
比較例
以下の比較例は、機能材料を有してはならない特徴部のない領域における基板へ機能材料が転写された、機能材料の直接接触印刷の実例である。
【0089】
マスター作製:
ネガフォトレジストSU−8タイプ2(MA,NewtonのMICRO CHEM製)および実施例1で用いたのと同じフォトマスキングを用いて、パターンを備えたマスターを作製した。このように、このマスターから作製されたスタンプは、機能材料の基板への直接印刷のために隆起表面を有していた。フォトレジストを、重量比7:3でガンマブチロラクトンにより希釈し、1.0ミクロンのPTFEを用いてろ過した。溶液を、シリコンウェハに3000rpmでスパンコートし、65℃で1分間乾燥し、さらに、95℃で1分間プリベークした。プリベークしたフォトレジストを、I−ライナ(365nm)で5秒間露光した後、95℃のホットプレートで1分間ポストベークした。シリコンウェハ上のポストベークしたフォトレジストを、SU−8現像液(MICRO CHEM製)で1分間現像し、イソプロピルアルコールおよび蒸留水で洗い、窒素ガンで乾燥した。フォトレジストパターンの特徴部高さは、プロファイラにより測定したところ400nmであった。
【0090】
このマスターから作製したエラストマースタンプを、実施例1に記載した手順に従って製造した。
【0091】
機能材料の転写:
45重量%固体のタイプDGHの銀インクを、Anapro(韓国)より購入した。銀インクは、トルエンにより18重量%まで希釈した。希釈した銀分散液を、10分間、チップ超音波印加装置により超音波を印加し、0.2ミクロンのPTFEフィルタで2回ろ過した。銀溶液を、PFPEスタンプ上に、2000rpmで60秒間スパンコートした。スタンプの全表面は、銀分散液によりカバーされた。銀層を、1分間空気乾燥し、軽く圧力を加えることにより、基板のアクリルコート側に転写した。基板は、5ミルのMelinex(登録商標)フィルムタイプST504であった。基板上の銀パターンを、新たなメタノールおよび蒸留水で洗い、窒素ガンで乾燥した。基板上の銀パターンを、140℃で48時間焼結した。
【0092】
比較例および実施例2の両方について、基板上の銀のソースドレインラインのパターンで画像を撮り、比較した。比較例で作製した銀パターンの画像を図10aに示す。実施例2で作製した銀パターンの画像を図10bに示す。比較例で記載した直接マイクロ接触印刷により作製された銀パターンによれば、機能材料があってはならない開口領域に印刷された機能銀材料があった。さらに、銀パターンのラインは破断しており、微粒子が基板上で観察された。中心周囲の広い領域およびトランジスタパッド間の広い領域において、銀が印刷され、基板上に堆積した。これは、エラストマースタンプのリセス部分のサギングによる。
【0093】
銀の印刷されたパターンは、上下に20個の電極を有していた。電極の幅は0.5mmであり、電極間の分離もまた0.5mmであった。図10aの画像で観察されるとおり、電極間の21のうち16のスペースが、印刷中のスタンプのサギングのために転写された追加の銀を有していた。最外ソースドレインの互いに噛み合ったラインの対角線により境界のある中心の左右、文字AとBとに位置する三角形領域の面積は約40mm2である。左(文字A)の三角形領域の100%および右(文字B)の三角形領域の約70〜80%が、スタンプのサギングのために転写された銀でカバーされている。
【0094】
図10bの画像で観察されるとおり、実施例2に記載したマスキング材料層を用いて作製された銀のパターンは、良好な導電性銀パターン形成を示している。電極間の全ての21のスペースが清浄で、パターン形成領域外に転写した銀がないからである。さらに、上述した三角形領域に銀の転写がない。画像を比べると、比較例の方法による導体を印刷するとき、スタンプのサギングにより、機能材料の望ましくない転写が生じ、これは、明らかに、様々なトランジスタラインの短絡につながるが、本発明の方法では、ラインの短絡の可能性が実質的に排除されることが分かる。本発明の方法は、特徴部ライン間および周囲の機能材料の望ましくない転写、およびバックグラウンド領域の機能材料の形成を防ぐ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能材料のパターンを基板上に形成する方法であって、
a)隆起表面を備えたレリーフ構造を有するエラストマースタンプを準備し、
b)マスキング材料を前記レリーフ構造の少なくとも前記隆起表面に適用し、
c)前記マスキング材料を前記隆起表面から基板に転写して、前記基板上に開口領域のパターンを形成し、
d)機能材料を前記基板の前記開口領域に適用してパターンを形成すること
を含む方法。
【請求項2】
工程d)の後に、
e)前記マスキング材料を前記基板から除去することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程e)が、工程d)で形成された前記基板を、前記マスキング材料用の溶剤の浴に入れることを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記浴に音波を印加することをさらに含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記機能材料が溶液中にあり、前記方法が、前記機能材料のフィルムを前記基板上に乾燥させて形成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記機能材料が、導体、半導体、誘電体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記機能材料がナノ粒子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ナノ粒子の直径が約3〜100nmである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ナノ粒子が液体キャリア中にある請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ナノ粒子が、導体、誘電体、半導体およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記ナノ粒子が、銀、金、銅、パラジウム、酸化インジウム錫およびこれらの組み合わせからなる群から選択される金属を含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記ナノ粒子が、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、酸化亜鉛、セレン化亜鉛およびこれらの組み合わせからなる群から選択される半導体ナノ粒子である請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記ナノ粒子が量子ドットである請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記ナノ粒子が、カーボンナノチューブ、導体カーボンナノチューブ、半導体カーボンナノチューブおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記機能材料が、液体キャリア中の金属ナノ粒子を含み、前記方法が、前記ナノ粒子を前記基板上で加熱することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記機能材料を適用する工程d)が、注入、流し込み、液体鋳造、ジェッティング、浸漬、吹付け、蒸着およびコーティングからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記マスキング材料が液体中のポリマー材料を含み、前記方法が、少なくとも前記隆起表面に前記マスキング材料のフィルムが十分に形成されるように、前記液体を除去することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記マスキング材料を適用する工程b)が、注入、流し込み、液体鋳造、ジェッティング、浸漬、吹付け、蒸着およびコーティングからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記マスキング材料が溶液中にあり、前記方法が、前記マスキング材料の層を、前記スタンプの前記隆起表面に乾燥させて形成することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記基板上の前記マスキング材料の厚さが100〜10000オングストロームである請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記マスキング材料が、アクリロニトリル−ブタジエンエラストマー、ポリ(アクリロニトリル)、スチレンホモポリマーおよびコポリマー、アクリレートおよびメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリチオフェン、置換および非置換ポリフェニレン−ビニレンホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリ(n−ヘキシルイソシアネート)、ポリ(1,4−フェニレンビニレン)、エポキシベース系、ポリ(n−カルバゾール)、ポリノルボルネンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、アルキド樹脂、ゼラチン、ポリ(アクリル酸)、ポリペプチド、プロテイン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒドロキシポリスチレン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエチレングリコール、キトサン、ポリ(スチレン−コ−ビニルピリジン)、ポリ(ブチルアクリレート−コ−ビニルピリジン)、アリールアミンおよびフッ素化アリールアミン、セルロースおよびセルロース誘導体、アクリレートおよび/またはメタクリレートエマルジョンの分散液ならびにこれらの組み合わせおよびコポリマーからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記機能材料が、前記マスキング材料と非相溶性または実質的に非相溶性である請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記エラストマースタンプが、シリコーンポリマー、エポキシポリマー、共役ジオレフィンハイドロカーボンのポリマー、A−B−A型ブロックコポリマーのエラストマーブロックコポリマー(Aは、非エラストマーブロックを表し、Bはエラストマーブロックを表す)、アクリレートポリマー、フルオロポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される組成物の層を含む請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記エラストマースタンプが、感光性組成物の層を含む請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記エラストマースタンプが、化学線に露光することにより重合可能なフッ素化化合物を含有する組成物の層を含む請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記フッ素化化合物が、パーフルオロポリエーテル化合物である請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記エラストマースタンプが、可撓性フィルムの支持体をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記エラストマースタンプが、加熱により硬化可能な組成物の層を含む請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記基板が、プラスチック、ポリマーフィルム、金属、シリコン、ガラス、布帛、紙およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2010−502010(P2010−502010A)
【公表日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−525554(P2009−525554)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/017670
【国際公開番号】WO2008/024207
【国際公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】