説明

基板検査システム

【課題】大型基板用の基板検査システムにおいて、生産効率及び検査性能を落とさずに省スペース化を図る。
【解決手段】被検査対象基板(G)を複数の検査方法で検査する基板検査システム31において、被検査対象基板(G)を撮像部で撮像して検査する自動検査装置(50)と、この自動検査装置(50)を跨ぐ門型形状の脚部を有する架台と、この架台上に配置され、被検査対象基板(G)を直視して目視検査するマニュアルマクロ検査装置40と、自動検査装置(50)とマニュアルマクロ検査装置40に被検査対象基板(G)を搬入出させる基板搬送ロボットとを備え、マニュアルマクロ検査装置40は、上記架台を介して自動検査装置50の上方に独立させて配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に用いられる大型基板の検査を行う基板検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フラットパネルディスプレイに用いられる基板の検査には、基板を所定角度に立ち上げた状態で基板表面側からのマクロ照明光を照射して基板からの反射光、又は基板を垂直に立ち上げた状態で基板裏面側からバックライト照明光を照射して透過光の散乱状況から目視により欠陥を判別する目視検査(マニュアルマクロ検査)がある。また、基板上の任意部位を顕微鏡などのミクロ検査部により拡大して欠陥を観察するミクロ検査がある。
【0003】
ところで、近年のフラットディスプレイの大型化に伴って、フラットディスプレイを多面取りするマザーガラス基板も大型化し、例えば1500mm×1800mm以上の大型マザーガラス基板が登場してきている。このマザーガラスの大型化に伴い、マニュアルマクロ検査装置及びミクロ検査装置を含む基板の製造ラインも大型化してきている。
【0004】
そこで、単一の装置でマニュアルマクロ検査及びミクロ検査を行うことで省スペース化を図る技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。このようなマニュアルマクロ検査及びミクロ検査を行う装置は、例えば、ミクロ検査装置の基板搭載部(基板ホルダ)を作業者側に起き上がらせる駆動部を備え、基板搭載部を起き上がらせた状態で基板の上方からマクロ照明光を照射して目視にて検査を行えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−344294号公報
【特許文献2】特開2000−28537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来のマニュアルマクロ検査においては、基板を保持した基板ホルダを検査者の目視観察に適した傾斜角度に起き上がらせた状態で、マクロ照明光を基板の上方から照射して反射光を検出させるか、或いは、基板ホルダを垂直に起き上がらせた状態で、バックライト照明光を基板の後方から照射して透過光を検出させるため、基板ホルダは、基板の周縁のみを保持する中抜け構造のものを用いるのが望ましい。
【0007】
しかしながら、中抜けの基板ホルダを用いると、基板中間部での基板保持力が弱いために基板に揺れが発生しやすく、拡大観察を行うミクロ検査においては像揺れなどの不具合が発生する。そのため、ミクロ検査においては、基板全体を水平に保持する一枚板で形成された基板ホルダを用いることが望ましい。
【0008】
このように、マニュアルマクロ検査とミクロ検査とを単一の装置で行う場合、ミクロ検査を優先させると、一枚板で形成された基板ホルダを選択することになる。一枚板の基板ホルダを用いると、ガラス基板が透明なために基板ホルダ上のキズなどが見えて誤検出の要因となるばかりか、バックライト照明による目視検査ができないという問題があった。
【0009】
更には、マニュアルマクロ検査とミクロ検査とを共通の基板ホルダを用いて行う場合、ミクロ検査装置の基板搭載部を起き上がらせることでマニュアルマクロ検査を行わせるため、マニュアルマクロ検査とミクロ検査とを同時に行うことができず、検査タクトタイムが長くなり、ひいては基板の生産効率を高めることができないという問題も生じる。
【0010】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、生産効率及び検査性能を落とさずに省スペース化を図ることができる大型基板用の基板検査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の基板検査システムは、被検査対象基板を複数の検査方法で検査する基板検査システムにおいて、上記被検査対象基板を撮像部で撮像して検査する自動検査装置と、上記自動検査装置を跨ぐ門型形状の脚部を有する架台と、上記架台上に配置され、上記被検査対象基板を直視して目視検査するマニュアルマクロ検査装置と、上記自動検査装置と上記マニュアルマクロ検査装置に上記被検査対象基板を搬入出させる基板搬送ロボットとを備え、上記マニュアルマクロ検査装置は、上記架台を介して上記自動検査装置の上方に独立させて配置した。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、マニュアルマクロ検査装置と自動検査装置とが互いに独立した装置であるため、マニュアルマクロ検査装置と自動検査装置による検査とを同時に行うことができ、両検査の稼働効率を低下させることがなく、マニュアルマクロ検査装置を自動検査装置の上方に配置して省スペース化を図っても生産効率が落ちない。
【0013】
更には、マニュアルマクロ検査装置と自動検査装置とで共通の基板保持部を用いずに各検査装置に適した基板保持部を用いることができるため、検査性能が落ちない。
【0014】
よって、本発明によれば、生産効率及び検査性能を落とさずに基板検査システムの省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態に係る基板検査システムの内部構造を透視的に示す正面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る基板検査システムの基板搬入状態を示す概略左側面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る基板検査システムの内部構造を透視的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る基板検査システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0017】
<一実施の形態>
図1は、本発明の一実施の形態に係る基板検査システム1の内部構造を透視的に示す正面図である。
図2は、基板検査システム1の基板搬入状態を示す概略左側面図である。
【0018】
図1に示すように、基板検査システム1は、目視観察装置として作業者が目視で観察するマニュアルマクロ検査装置10と、自動検査装置としてデジタル顕微鏡(撮像部)で撮像した画像を画像処理して欠陥を検出するミクロ検査装置20と、外装2(二点鎖線で図示)とを備え、被検査対象基板として例えば一辺が1500mm以上の大型ガラス基板であるフラットパネルディスプレイ用のマザーガラス基板(以降、単にガラス基板と呼ぶ)Gを検査する。
【0019】
マニュアルマクロ検査装置10は、基板保持部としてガラス基板Gを保持する基板ホルダ11と、この基板ホルダ11を作業者の目視検査に適した角度に傾ける揺動機構と、この揺動機構により傾けられた基板ホルダ11に保持されたガラス基板Gの上方から照射するマクロ照明光源16とを有する。さらに、マニュアルマクロ検査装置10は、基板ホルダ11を立ち上げた状態でガラス基板Gの裏面側から透過光を照射するバックライト照明光源17(二点鎖線で図示)を有する。
【0020】
揺動機構は、基板ホルダ11の両側辺のほぼ中央に設けられたホルダ回動軸11aを軸支する2つのスライド部12と、このスライド部12をスライド可能に支持する2つのフレーム13と、これらフレーム13を所定の角度に回動させる駆動部とを有する。駆動部は、例えば、各フレーム13をマニュアルマクロ検査装置の架台に回転可能に支持し、この回転支持軸と反対側の各フレーム13の一端に2つのアーム部14を連結し、これらアーム部14を上下動させるスライド軸駆動部としての2つのティルト軸15とから構成されている。駆動部は、2つのフレーム13の回転軸に駆動モータを連結させたものでもよい。
【0021】
なお、スライド部12、フレーム13、アーム部14及びティルト軸15は、それぞれ2つずつ配置されているが、図1の正面図では重なって位置するため、手前側のみが図に表れている。
【0022】
マニュアルマクロ検査装置10は、ミクロ検査装置20の上方に配置され、このミクロ検査装置20によるミクロ検査と独立して目視検査可能となっている。
マニュアルマクロ検査装置10に採用される基板ホルダ11は、矩形状に形成されたガラス基板Gの周縁を保持する中抜けの矩形枠構造を呈し、ホルダ回動軸11aを中心にして回動可能となっている。なお、図2に示すように、基板ホルダ11は、複数の周縁保持部11bによってガラス基板Gの周縁を保持している。
【0023】
この基板ホルダ11は、薄いガラス基板Gが撓まない程度に水平に保持するために、矩形枠の内部に断面形状が長方形に形成された支持部材を基板ホルダ11の上面より低くなるように格子状に配置し、支持部材の上にガラス基板Gを吸着保持する吸着パッドを設けることが好ましい。この吸着パッドによりガラス基板Gの裏面を吸着することにより、基板ホルダ11が揺動する際にガラス基板Gの揺れを押えることができる。
【0024】
スライド部12は、基板ホルダ11を例えば基板ホルダ11の互いに対向する2辺の中央において軸支する左右一対の1組で配置され、平行に配置された一対のフレーム13に対し図示実線と図示一点鎖線で示す位置にスライド可能に係合している(符号12−2,12−3)。このスライド部12がフレーム13に沿ってスライドすることで、スライド部12に軸支された基板ホルダ11もフレーム13に沿って図示実線と図示二点鎖線で示す位置にスライドする(符号11−2,11−3)。
【0025】
各フレーム13は、アーム部14が連結された反対側の一端側に形成された軸受け部としてフランジ13aによって、図示しない目視検査用架台に固定された固定軸18に回転可能に支持されている。各フレーム13に連結されているアーム部14が、鉛直方向に延びるティルト軸15に沿って上下動することで(符号14−1,14−2)、各フレーム13は、ガラス基板Gの搬出入時の水平状態(符号13−1)と、検査者3の目視観察に適した傾斜状態(符号13−2)とに回動する。また、これらフレーム13の回動により、基板ホルダ11及びスライド部12も共に回動する(符号11−1,11−2,12−1,12−2)。
【0026】
なお、マニュアルマクロ検査装置用の架台は、門型形状の脚部を有し、自動検査装置であるミクロ検査装置20を跨ぐように配置されている。マニュアルマクロ検査装置10の架台は、ミクロ検査装置20の架台と独立して別体に配置される。このマニュアルマクロ検査装置10は、検査者3がガラス基板を目視して観察する装置であることから、外部及び内部からの振動の影響が少なく、クリンルームの床に対して除振台を設けることなく直に置くことができる。自動検査装置であるミクロ検査装置は、外部からの振動の影響により撮像された画像が揺れて正確な検査ができなくなるため、架台に外部からの振動を減衰させる除振台を設けることが好ましい。このようにマニュアルマクロ検査装置用架台とミクロ検査用架台24を別体に構成することが望ましい。
【0027】
ミクロ検査装置20は、ミクロ検査装置用架台24に取り付けられガラス基板Gを水平に載置するステージ21と、このステージ21を跨ぐように配置され門型形状を呈する固定式のガントリ22と、このガントリ22に設けられリニアモータ等の駆動手段によりガラス基板Gの搬送方向と直交する1軸方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動する顕微鏡23と、ガラス基板Gを保持して搬送方向に搬送する図示しない基板搬送部とを有する。
【0028】
ステージ21としては、例えば、エアによりガラス基板Gを浮上させた状態でガラス基板Gの端部またはガラス基板Gの重心を通るセンターライン上を基板搬送部で保持して搬送する浮上ステージや、ガラス基板Gをフリーローラなどの回転体で支持した状態でガラス基板Gを基板搬送部で保持して搬送する転がりステージや、ガラス基板Gの裏面に接触してガラス基板Gを支持した状態で回転駆動する駆動ローラで搬送するローラコンベア等の基板搬送ステージを用いることができる。
【0029】
また、ガントリ22をステージ21に沿って移動させる移動型ガントリを採用した場合には、ステージ21を架台24の上に固定させた固定型ステージを採用することができる。
【0030】
マニュアルマクロ検査装置10の基板ホルダ11やフレーム13等は、ミクロ検査装置20のガントリ22やステージ21又は基板搬送ロボット4のハンドアーム4aと干渉しないようにミクロ検査装置20の空間領域に配置されている。
【0031】
マニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置(自動検査装置)の全体を覆う外装2には、マニュアルマクロ検査装置10におけるガラス基板Gの搬出入に用いられる基板搬出入用窓部2aと、ミクロ検査装置20におけるガラス基板Gの搬出入に用いられる基板搬出入用窓部2bとが形成されている。
【0032】
マニュアルマクロ検査装置10側の基板搬出入用窓部2aは、ミクロ検査装置20側の基板搬出入用窓部2bと同一形状・同一面積で且つ窓部2bの真上に設けられている。基板搬出入用窓部2aと2bは、ガラス基板Gを1階のミクロ検査装置(自動検査装置)と2階のマニュアルマクロ検査装置に搬送する図2に示す基板搬送ロボット4のハンドアーム4aの上下移動方向と一致するように配置される。このように基板搬出入用窓部2aと2bに対応する両装置の基板搬入スペースが上下で同一の関係となるように配置することで、1つの基板搬送ロボット4によりガラス基板Gを1階に配置されるミクロ検査装置20の基板搬入スペースと、2階に配置されるマニュアルマクロ検査装置10の基板搬入スペースに供給することができる。また、基板搬送ロボット4を床に固定した状態でハンドアーム4aを上下移動させるだけで、基板搬出入用窓部2aと2bにハンドアーム4aの位置合わせが容易になっている。マニュアルマクロ検査装置10の架台には、検査者3が目視検査を行うための検査作業スペース2cとなる検査作業台が形成されている。
【0033】
以下、上述の基板検査システム1を用いたガラス基板Gの検査について説明する。
基板検査システム1は、マニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置20とが互いに独立した装置であるため、マニュアルマクロ検査及びミクロ検査を同時に行うことができる。
【0034】
まず、マニュアルマクロ検査について説明する。
図2に示す基板搬送ロボット4により、複数本のハンドアーム4aで支持したガラス基板Gを、外装2の基板搬出入用窓部2aからマニュアルマクロ検査装置10に搬入する。このときには、ティルト軸15がアーム部14を下方に移動させてあり、フレーム13は水平状態(13−1)に保たれている。また、基板ホルダ11もフレーム13と平行な水平状態(11−1)に保たれている。
【0035】
基板ホルダ11上の基準位置にガラス基板Gが位置決めされて保持されると、ティルト軸15がアーム部14を上方に移動させる。これにより、アーム部14に連結されたフレーム13は、固定軸18を中心に回動し、検査者3が目視検査を行う位置まで傾斜する(13−2)。
【0036】
そして、ホルダ回動軸11aを中心に基板ホルダ11を揺動させると共にスライド部12により基板ホルダ11を検査者の視野位置(目の高さ位置)に対して上下方向に移動させながら、マクロ照明光源16による反射光又はバックライト照明光源17による透過光を検査者3が目視することでガラス基板Gのマニュアルマクロ検査を行う。なお、ガラス基板Gの裏面をマニュアルマクロ検査する場合には、基板ホルダ11が反転する際にマクロ照明光源16と干渉しない位置までフレーム13を少し寝かせた状態で、ホルダ回動軸11aを中心に基板ホルダ11を反転させる。
【0037】
また、バックライト照明光源17による透過光を用いて目視によりマクロ検査する場合には、基板ホルダ11がマクロ照明光源16に干渉しない程度に基板ホルダ11を立ち上げると共に、基板ホルダ11が検査者3に近づくようにフレーム13を立上げるようにしてもよい。更に、基板ホルダ11を立ち上げた状態で、バックライト照明光源17が基板ホルダ11の裏面に近づくように移動可能に設けてもよい。 マクロ検査が終了した後、ティルト軸15によりアーム部14を下降させることでフレーム13を水平状態に回動させると共に基板ホルダ11を水平状態に戻し、基板搬送ロボット4により基板搬出入用窓部2aからガラス基板Gを搬出する。
【0038】
ミクロ検査については、まず、図2に示す基板搬送ロボット4により、外装2の搬出入用窓部2bからガラス基板Gをミクロ検査装置20に搬入する。
ステージ21上にガラス基板Gが載置されると、このガラス基板Gを基準位置に位置決めする。位置決めした後、図示しない基板搬送部によりガラス基板Gを所定位置まで移動させ、この基板搬送部の搬送方向(図1の左右方向)と直交する方向(図1の紙面と垂直な方向)に顕微鏡23が移動することで、顕微鏡23によりガラス基板Gのミクロ検査を行う。
【0039】
ミクロ検査が終了した後、図示しない基板搬送部によりガラス基板Gを搬出位置に戻し、基板搬送ロボット4により窓部2bからガラス基板Gを搬出する。
【0040】
以上説明した本実施の形態では、ミクロ検査装置(自動検査装置)20の装置内に検査者3が検査のために介在しないため、ミクロ検査装置(自動検査装置)20の高さをガントリ22と同等の高さに低く抑えることができる。このミクロ検査装置(自動検査装置)20の上空の空間を利用してマニュアルマクロ検査装置10を配置して2階建て構造とすることにより、両装置を併設したものに比べて設置スペースを小さくできる。
【0041】
また、マニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置(自動検査装置)20とが互いに独立した装置であるため、マクロ検査装置10とミクロ検査装置(自動検査装置)20による検査とを同時に行うことができ、両検査の稼働効率を低下させることがなく、マニュアルマクロ検査装置10をミクロ検査装置20の上方に配置して省スペース化を図っても生産効率が落ちない。
【0042】
更には、マニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置(自動検査装置)20とで共通の基板保持部を用いずに各検査装置10,20に適した基板保持部(基板ホルダ11、ステージ21)を用いることができるため、検査性能が落ちない。
【0043】
よって、本実施の形態によれば、生産効率及び検査性能を落とさずに基板検査システム1の省スペース化を図ることができる。
【0044】
また、本実施の形態では、マニュアルマクロ検査装置10よりも振動の影響を受けやすいミクロ検査装置20をマニュアルマクロ検査装置10の下方に配置し、かつマニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置(自動検査装置)20を分離させて床に設置できるため、マニュアルマクロ検査装置10からの振動がミクロ検査装置20に伝達されることがなく精度の高いミクロ検査が可能になる。また、マニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置20を別体構造にすることにより、現場での組立が容易となり、且つマニュアルマクロ検査装置10とミクロ検査装置20を分けて容易に輸送することが可能になる。
【0045】
なお、自動検査装置としては、本実施の形態のミクロ検査装置20に限らず、例えば、線幅測定装置、分光測光装置、レーザリペア装置等のように、拡大検査部(例えば顕微鏡)と拡大検査部により拡大された像を撮像する撮像部を有する拡大検査装置を含むものとする。また、自動検査装置としては、ラインセンサカメラによりガラス基板全体を撮像する自動マクロ検査装置も含まれる。即ち、自動検査装置は、マニュアル検査装置のように検査者が装置に張り付いてガラス基板を直視して検査するものとは異なり、検査者が装置から離れた位置で作業するできるものであればよい。この自動検査装置は、検査・観察時に検査者が張り付いている必要がない。このため、自動検査装置では、検査者が稼動中の装置内に入って検査することがないため、検査者が移動する検査作業スペースが不要となる分だけ自動検査装置の最大高さを低く押さえることができる。
【0046】
例えば、自動検査装置の最大高さは、検査ヘッドを支持する門型のガントリの上面が最大高さとなる。自動検査装置では、基板を撮像する検査ヘッドが装置の高さの決定要因となるため、この検査ヘッドが取り付けられるガントリの上面が自動検査装置の最大高さ位置となる。この自動検査装置のガントリに干渉しないようにマニュアルマクロ検査装置を近接させて配置することでマニュアルマクロ検査装置の設置高さを低くすることができる。
【0047】
また、本実施の形態のミクロ検査装置20は、ガントリ22が固定式でガラス基板Gをステージ21上で搬送する例について説明したが、ガントリ22を移動式としてガラス基板Gを静止させた状態で検査または観察を行うことにより、ガラス基板Gを水平に載置するステージを小さくでき、更なる省スペース化を図ることができる。
【0048】
また、移動型ガントリを採用した場合、ガントリの移動スペース空間より上にマニュアルマクロ検査装置の検査作業台を配置することで、検査作業台を下げた分だけマニュアルマクロ検査装置の設置高さを低く抑えることができる。このように検査作業台を下げた分だけ、マニュアルマクロ検査装置の高さを低く抑えることができる。
【0049】
この場合、ミクロ検査装置(自動検査装置)の基板搬入スペースをマニュアルマクロ検査装置の検査作業台側に設け、このミクロ検査装置(自動検査装置)をマニュアルマクロ検査装置の検査作業台から離れる方向にずらして配置することにより、ミクロ検査装置をずらした1階部分の空間領域にマニュアルマクロ検査装置の検査作業台を配置することが可能になる。この空間領域を設けることにより、ミクロ検査装置に干渉することなくマニュアルマクロ検査装置の検査作業台を低い位置に配置することが可能になる。
【0050】
<他の実施の形態>
図3は、本発明の他の実施の形態に係る基板検査システム31の内部構造を透視的に示す正面図である。
【0051】
上述の一実施の形態の基板検査システム1は、ミクロ検査装置20の上方のスペースで大型基板であるガラス基板Gのマニュアルマクロ検査を行うため、装置の総高さが例えば6mを超える場合もあり、工場によっては天井高さの点から基板検査システム1を配置できないことがある。
【0052】
そこで、本実施の形態の基板検査システム31は、上記基板検査システム1よりも更に高さを抑えることのできる構成としている。
図3に示すように、基板検査システム31は、マニュアル検査装置としてのマニュアルマクロ検査装置40と、自動検査装置としてのミクロ検査装置50と、外装32とを備える。
【0053】
マニュアルマクロ検査装置40は、大型基板としてのガラス基板Gを保持する基板ホルダ41と、この基板ホルダ41を検査者33の目視観察に適した角度に傾ける揺動機構と、この揺動機構により傾けられた基板ホルダ41に保持された被検査対象基板(ガラス基板)Gの上方から照射するマクロ照明光源46とを有する。更に、マニュアルマクロ検査装置40は、透過光による検査に用いるバックライト照明光源47を有する。
【0054】
揺動機構は、基板ホルダ41のホルダ回動軸41aを軸支する2つのスライド部42と、このスライド部42をスライド可能に支持する2つのフレーム43と、これらフレーム43を所定角度に回動させる駆動部とを有する。この駆動部は、一端が各フレーム43に連結された2つのアーム部44と、ミクロ検査装置50の上方に傾斜して配置されアーム部44の残る他端を押し引きする2つのティルト軸45とを有する。この実施形態の場合、フレーム43は、所定角度に傾けられた状態であればよく、例えばフレーム43を図3の実線で示す所定の角度に傾けた状態で固定させてもよい。この場合、フレーム43を所定角度に傾けた状態で、フレーム43の一端側(基端側)がミクロ検査装置(自動検査装置)50の最大高さ位置Sよりも低い位置まで延出していれば、基板ホルダ41をミクロ検査装置(自動検査装置)50の外側に迫り出させることができる。好ましくは、フレーム43をミクロ検査装置(自動検査装置)50のステージ51の外側に延出させることにより、基板ホルダ41をステージ51の外側に迫り出させることができる。
【0055】
フレーム43を所定角度に固定した場合、基板ホルダ41を搬送ロボット4による基板搬入位置で水平状態に回動させるとともに、基板ホルダ41を目視観察位置で基板目視観察に適した角度に回動させるとよい。
【0056】
なお、本実施の形態においても、スライド部42、フレーム43、アーム部44及びティルト軸45は、それぞれ2つずつ配置されているが、図3の正面図では重なって位置するため、手前側のみが図に表れている。
【0057】
マニュアルマクロ検査装置40は、フレーム43の一部、アーム部44、ティルト軸45、バックライト照明光源47等(一時的には基板ホルダ41及びスライド部42)がミクロ検査装置50の上方に配置される。この場合、ミクロ検査装置(自動検査装置)50は、上方に配置されるマニュアルマクロ検査装置40の検査作業スペース32cに近い側にガラス基板Gの基板搬入スペース(32b)が設けられ、この基板搬入スペース(32b)の奥側にステージ51を跨ぐように門型形状を呈する固定式のガントリ52が配置されている。このミクロ検査装置50の基板搬入スペース(32b)には、図2に示す搬送ロボット4がガラス基板Gをステージ51上に搬入・搬出させるためのハンドアーム4aの上下移動動作スペースが設定される。
【0058】
ミクロ検査装置50の基板搬入スペース(32b)とマニュアルマクロ検査装置40の搬入スペース(32a)が一致するようにマニュアルマクロ検査装置40をミクロ検査装置50の上方に配置することで、マニュアルマクロ検査装置40をミクロ検査装置50と干渉しない低い位置まで下げて設置することができる。
【0059】
基板ホルダ41は、矩形状に形成されたガラス基板Gの周縁を保持する中抜けの矩形枠構造を呈し、ホルダ回動軸41aを中心に回動可能となっている。
スライド部42は、基板ホルダ41を例えば基板ホルダ41の互いに対向する2辺の中央において軸支する左右一対の1組で配置され、平行に配置された一対のフレーム43に対し移動可能に係合している(符号42−2,42−3)。このスライド部42の移動により、スライド部42に軸支された基板ホルダ41も移動する(符号41−2,41−3)。
【0060】
なお、基板ホルダ41は、ミクロ検査装置50の上方にある位置(符号41−2)と、一部(全部であってもよい)がミクロ検査装置50の上端(面S)よりも下方にある位置(符号41−3)とに、フレーム43に沿って移動する。
【0061】
各フレーム43は、一端(下側)に形成されたフランジ43aによって、図示しない架台に固定された固定軸48に連結されている。この固定軸48は、ミクロ検査装置50のステージ51よりも前方で、かつミクロ検査装置50の最上高さ位置(面S)よりも下方に設けられる。フレーム43は、固定軸48を回転中心にしてミクロ検査装置50のステージ51と干渉しないように図示矢印の範囲で回動する。
【0062】
このように固定軸48をミクロ検査装置50のステージ51から外れる前方に配置させ、フレーム43の一端側(基端側)をミクロ検査装置50のステージ51よりも外側に迫り出させる。この迫り出したフレーム43の部分にスライド部42を移動させることで、スライド部42に移動可能に設けられた基板ホルダ41がミクロ検査装置50の最上高さ位置よりも低いステージ51の前方まで迫り出させることができる。本実施の形態では、基板ホルダ41を自動検査装置であるミクロ検査装置50の前方に迫り出させることにより、検査作業スペース32cとなる検査作業台をミクロ検査装置(自動検査装置)50から外れた前方に設けることが可能になる。
【0063】
検査作業スペース32cは、検査者33がマニュアルマクロ検査装置40の目視観察用窓に沿って配置されている。マニュアルマクロ検査装置40の目視観察用窓は、フレーム43に沿って最も下方に移動させたときの基板ホルダ41の停止位置に合わせて設けられている。検査作業スペース32cの検査作業台(作業用床部分)は、目視観察用窓よりも下側に配置され、検査者33が目視観察のために移動する通路となっている。この検査作業台は、目視観察用窓の下側開口辺よりも低い位置、例えば検査者の腰の位置が下側開口辺となるように750〜1000mm下げた位置に設けられる。この検査作業台を下げることにより、基板上方からマクロ照明光を照射するマクロ照明光源46の取付け位置を低くすることが可能になるため、マニュアルマクロ検査装置40の高さを低くすることができる。
【0064】
検査者33の観察高さ位置となる目視観察用窓とマクロ照明光源46の配置位置関係は一定距離となるため、目視観察用窓を下げた分だけマクロ照明光源46の取り付け位置を下げることができ、装置全体の高さを低く抑えることができる。
【0065】
なお、検査作業スペース32cの少なくとも一方の端には、検査者33が登れる階段が設けられている。
【0066】
各フレーム43の他端側にはアーム部44が連結されている。このアーム部44が、傾斜して配置されたティルト軸45により押し引きされることで、各フレーム43は、水平面に対し傾斜した範囲内、本実施の形態では、ガラス基板Gの搬出入時の傾斜状態(符号43−1)と検査者33の目視観察に適した傾斜状態(符号43−2)との間で回動する。このフレーム43の回動により、基板ホルダ41及びスライド部42も共に回動する(符号41−1,41−2,42−1,42−2)。
【0067】
なお、固定軸48がミクロ検査装置50の最大高さ位置となるガントリ52の上端(面S)よりも下方に位置するため、フレーム43の一部がミクロ検査装置50の最大高さよりも下方に位置する。
【0068】
ミクロ検査装置50は、上述の一実施の形態のミクロ検査装置20と同様に、ステージ51と、固定式のガントリ52と、検査部としての顕微鏡53と、架台54と、図示しない基板搬送部とを有する。なお、ミクロ検査装置50の最大高さとなる上端(面S)は、本実施の形態では、ガントリ52の上端である。
【0069】
外装32には、上述の一実施の形態の外装2と同様に、2つの基板搬出入用窓部32a,32bと検査作業スペース32cとが形成されている。
【0070】
以下、上述の基板検査システム31を用いた基板検査について説明する。
まず、マニュアルマクロ検査について説明する。
上記第1の実施の形態と同様に基板搬送ロボット4により、外装32の基板搬出入用窓部32aからガラス基板Gをマニュアルマクロ検査装置40に搬入する。このとき、フレーム43は、上述のように水平状態から傾斜した範囲内で回動するため水平状態には回動しないが(43−1)、基板ホルダ41は、ホルダ回動軸41aを中心にフレーム43とは独立して水平状態に回動する(41−1)。
【0071】
水平状態の基板ホルダ41にガラス基板Gが保持されると、まず、ホルダ回動軸41aを中心に基板ホルダ41をフレーム43と平行な状態まで回動させる。そして、ティルト軸45がアーム部44を押すことで、アーム部44に連結されたフレーム43は、固定軸48を中心に回動し、検査者33が目視検査を行う位置まで傾斜する(43−2)。このように基板ホルダ41、フレーム43の順に回動させるか、或いは、基板ホルダ41及びフレーム43を同時に回動させることで、基板ホルダ41の移動スペースを小さくすることができる。
【0072】
そして、基板ホルダ43を揺動させると共にスライド部42により基板ホルダ41を移動させながら、マクロ照明光源46による反射光又はバックライト照明光源47による透過光を検査者33が目視することでガラス基板Gのマニュアルマクロ検査を行う。なお、ガラス基板Gの裏面をマニュアルマクロ検査する場合には、マクロ照明光源46と干渉しないように、フレーム43を少し寝かせた状態で、ホルダ回動軸41aを中心に基板ホルダ41を反転させる。
【0073】
マニュアルマクロ検査が終了した後、ティルト軸45によりアーム部44を引き戻しフレーム43を寝かせた後(43−1)、基板ホルダ41を水平状態に回動させ(41−1)、図示しない基板搬送ロボットにより基板搬出入用窓部32aからガラス基板Gを搬出する。このときには、フレーム43、基板ホルダ41の順に回動させるか、或いは、フレーム43及び基板ホルダ41を同時に回動させることで、基板ホルダ41の移動スペースを小さくすることができる。
【0074】
ミクロ検査については、上述した一実施の形態と同様であるため説明を省略する。
以上説明した本実施の形態においても、上述した一実施の形態と同様に、ミクロ検査装置(自動検査装置)50の装置内に検査者33が検査のために介在しないため、ミクロ検査装置(自動検査装置)50の高さをガントリ52と同等の高さに低く抑えることができる。このミクロ検査装置(自動検査装置)50の上空の空間を利用してマニュアルマクロ検査装置40を配置することにより、両装置を併設したものに比べて設置スペースを小さくすることができる。
【0075】
また、マニュアルマクロ検査装置40とミクロ検査装置(自動検査装置)50とが互いに独立した装置であるため、マニュアルマクロ検査装置40とミクロ検査装置(自動検査装置)50によるミクロ検査とを同時に行うことができ、両検査の稼動効率を低下させることがなく、マニュアルマクロ検査装置40をミクロ検査装置(自動検査装置)50の上方に配置して省スペース化を図っても生産効率が落ちない。
【0076】
更には、マニュアルマクロ検査装置40とミクロ検査装置(自動検査装置)50とで共通の基板保持部(基板ホルダ41)を用いずに各検査装置40,50に適した基板保持部を用いることができるため、検査性能が落ちない。
【0077】
よって、本実施の形態によっても、生産効率及び検査性能を落とさずに基板検査システム31の省スペース化を図ることができる。
【0078】
また、本実施の形態では、マニュアルマクロ検査装置40よりも振動の影響を受けやすいミクロ検査装置50をマニュアルマクロ検査装置40の下方に配置し、かつマニュアルマクロ検査装置40とミクロ検査装置50を分離させて床に設置できるため、マニュアルマクロ検査装置40からの振動がミクロ検査装置50に伝達されることがなく精度の高いミクロ検査が可能になる。また、マニュアルマクロ検査装置40とミクロ検査装置50を分離せることにより、現場での組立が容易となり、且つ輸送も容易になる。
【0079】
また、検査作業スペース32c側にガラス基板Gの搬入スペースを設け、この基板搬入スペースとなる図2に示す基板搬送ロボット4のハンドアーム4aの上下移動動作スペースから外れた位置にガントリ52を固定して設ける。このガントリ52を検査作業スペース(検査作業台)32c側から遠ざけることで、検査作業スペース32c側のステージ51の上方となる基板搬入スペース32b、すなわちハンドアーム4aの上下移動動作スペースの上に広い空間を作ることが可能になる。
【0080】
このようにマニュアルマクロ検査装置40の検査作業スペース(検査作業台)をミクロ検査装置(自動検査装置)50と干渉しない空間領域に配置することにより、検査作業台を低い位置に下げて設置することができ、この検査作業台を下げた分だけ装置全体の高さを低く抑えることができる。
【0081】
また、マニュアルマクロ検査装置40をミクロ検査装置50の基板搬入スペースの上方にある空間に配置することにより、ミクロ検査装置50の一部にマニュアルマクロ検査装置40の一部を重ねて配置することが可能になるため、ミクロ検査装置50とマニュアルマクロ検査装置40を並べて配置した場合に比べて、重なり合った分だけ基板検査システム31の省スペース化を図ることができる。
【0082】
また、本実施の形態では、フレーム43の回動中心である固定軸48は、ミクロ検査装置50の最大高さ位置となる上端(面S)よりも下方に位置するため、マニュアルマクロ検査装置40のフレーム43をミクロ検査装置50のステージ51の前方、且つ下方に迫り出させることができる。これにより、フレーム43が下方に迫り出した分だけマニュアルマクロ検査装置40の目視観察用窓を下方に下げることが可能になるため、さらに装置全体の高さを低く抑えることができる。
【0083】
また、フレーム43にスライド部42を移動可能に設け、更にこのスライド部42に基板ホルダ41を移動可能に設けることにより、フレーム43の基端部よりも更に下方に基板ホルダ41を移動させることが可能になる。このように基板ホルダ41を2段階にスライドさせる構成にすることで、基板ホルダ41をミクロ検査装置(自動検査装置)50の最上高さ位置よりも更に低い位置に移動させことが可能になる。これにより、目視観察用窓を低くし、この目視観察用窓と一定の距離関係を有するマクロ照明位置を低く抑えることができるため、容易に装置全体の高さを抑えることができる。
【0084】
また、ティルト軸45がミクロ検査装置50の上方に位置することで、基板検査システム31の省スペース化を図ることができる。
また、本実施の形態では、フレーム43は、水平面に対し傾斜した範囲内で回動し(43−1,43−2)、基板ホルダ41は、ガラス基板Gの搬出入時に、フレーム43とは独立して水平状態に回動する。これにより、フレーム43の移動スペースを抑えることができ、より一層、基板検査システム31の省スペース化を図ることができる。
【0085】
また、本実施の形態のように、ガラス基板Gの搬入時には、基板ホルダ41、フレーム43の順(又は同時)に回動させ、ガラス基板Gの搬出時には、フレーム43、基板ホルダ41の順(又は同時)に回動させることで、基板ホルダ41の移動スペースを小さくすることができ、したがって、より一層、基板検査システム31の省スペース化を図ることができる。
【0086】
なお、本実施の形態では、上述のように、フレーム駆動部としてのティルト軸45をミクロ検査装置の上方に配置するようにしているため基板検査システム31のより一層の省スペース化を図ることができるが、フレーム駆動部を固定軸48に直接接続されたものとしてもよい。その場合、駆動系容量は大きくなるが、フレーム駆動部がガラス基板Gの上方ではなく側方に配置されることで、クリーン性に優れた検査を行うことができ、検査性能をより一層高めることができる。
【0087】
また、上記の各実施の形態では、自動検査装置のガントリを基板搬入スペースから外れた位置に固定した例で説明したが、基板搬入スペースに移動可能に設けられた移動式ガントリを採用することもできる。この移動式ガントリを採用した場合、フレーム13,42の基端(下端)を基板搬送ロボットの上下動移動動作スペースよりも上の位置まで延出させることも可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 基板検査システム
2 外装
2a,2b 基板搬出入用窓部
2c 検査作業スペース
3 検査者
4 基板搬送ロボット
4a ハンドアーム
10 マニュアルマクロ検査装置
11 基板ホルダ
11a ホルダ回動軸
11b 周縁保持部
12 スライド部
13 フレーム
13a フランジ
14 アーム部
15 ティルト軸
16 マクロ照明光源
17 バックライト照明光源
18 固定軸
20 ミクロ検査装置(自動検査装置)
21 ステージ
22 ガントリ
23 顕微鏡
24 架台
31 基板検査システム
32 外装
32a,32b 基板搬出入用窓部
32c 検査作業スペース
33 検査者
40 マニュアルマクロ検査装置
41 基板ホルダ
41a ホルダ回動軸
42 スライド部
43 フレーム
43a フランジ
44 アーム部
45 ティルト軸
46 マクロ照明光源
47 バックライト照明光源
48 固定軸
50 ミクロ検査装置(自動検査装置)
51 ステージ
52 ガントリ
53 顕微鏡
54 架台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査対象基板を複数の検査方法で検査する基板検査システムにおいて、
前記被検査対象基板を撮像部で撮像して検査する自動検査装置と、
前記自動検査装置を跨ぐ門型形状の脚部を有する架台と、
前記架台上に配置され、前記被検査対象基板を直視して目視検査するマニュアルマクロ検査装置と、
前記自動検査装置と前記マニュアルマクロ検査装置に前記被検査対象基板を搬入出させる基板搬送ロボットと
を備え、
前記マニュアルマクロ検査装置は、前記架台を介して前記自動検査装置の上方に独立させて配置した
ことを特徴とする基板検査システム。
【請求項2】
前記マニュアルマクロ検査装置は、前記検査対象基板を保持する基板保持部と、所定の角度を持って配置され前記基板保持部をスライド可能に支持する一対のフレームとを有することを特徴とする請求項1に記載の基板検査システム。
【請求項3】
前記フレームは、基端側を前記自動検査装置の最大高さ位置よりも低い位置に延出させたことを特徴とする請求項2に記載の基板検査システム。
【請求項4】
前記自動検査装置は、前記最大高さ位置となる、撮像部を支持するガントリを有し、このガントリを前記基板搬送ロボットの上下移動動作スペースより外側に固定して設け、前記フレームの基端側を前記ガントリおよび前記上下移動動作スペースと干渉しない位置に延出させることを特徴とする請求項3に記載の基板検査システム。
【請求項5】
前記自動検査装置は、前記最大高さ位置となる、撮像部を支持するガントリを有し、このガントリを前記検査対象基板の搬入スペースに沿って移動可能に設け、前記フレームの基端部を前記ガントリの移動領域と干渉しない位置に延出させることを特徴とする請求項3に記載の基板検査システム。
【請求項6】
前記フレームは、基端側が前記自動検査装置のステージより外側に迫り出していることを特徴とする請求項2に記載の基板検査システム。
【請求項7】
前記基板保持部は、少なくとも一部が前記自動検査装置の上端よりも下方にある位置に移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の基板検査システム。
【請求項8】
前記マニュアルマクロ検査装置は、検査者が目視観察する検査作業台を有し、
この検査作業台を前記自動検査装置と干渉しない空間領域に配置することを特徴とする請求項1に記載の基板検査システム。
【請求項9】
前記検査作業台は、前記マニュアルマクロ検査装置に対して前記自動検査装置をずらして配置した空間領域に配置されることを特徴とする請求項8に記載の基板検査システム。
【請求項10】
前記自動検査装置は、検査ヘッドを取り付ける移動型ガントリを有し、
前記検査作業台は、前記移動型ガントリの移動スペースより上の空間領域に配置されることを特徴とする請求項8に記載の基板検査システム。
【請求項11】
前記自動検査装置は、床に除振台を介して設置され、前記マニュアルマクロ検査装置は、床に前記架台を介して設置されることを特徴とする請求項1に記載の基板検査システム。
【請求項12】
前記基板搬送ロボットは、1階に配置された前記自動検査装置と2階に配置された前記マニュアルマクロ検査装置に移動可能なハンドアームを有し、
前記ハンドアームの上下移動方向に沿うように前記自動検査装置の基板搬入スペースの上に前記マニュアルマクロ検査装置の基板搬入スペースを配置することを特徴とする請求項1に記載の基板検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−145336(P2012−145336A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1515(P2011−1515)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】