説明

基礎貫通配管構造

【課題】屋内に配置した旋回流発生継手から屋外に配置した90°接続管継手までの距離が短くても、閉塞し難い基礎貫通配管構造を提供する。
【解決手段】家屋の基礎Bの内側に旋回流発生継手1を配置し、旋回流発生継手1の上部接続口1aに、複数の排水器具が接続された上流側排水管3の下流側端部を接続すると共に、旋回流発生継手1の下部接続口1bに、大曲り管4を介して家屋の基礎Bを貫通する基礎貫通排水管5の上流側端部を接続して、基礎貫通排水管5の下流側端部に、下流側が拡径した異径の90°接続管継手2の上流側接続口2aを接続し、異径の90°接続管継手2の下流側接続口2bに、下流側排水管9を介して屋外排水桝7を接続した構成とする。屋内旋回流発生継手1から屋外の90°接続管継手2までの距離が短い場合でも、90°接続管継手2の下流側が拡径されていて、流入量よりも流出量が多いため、流落する際の負圧の発生が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管スペースが狭小でも、各水設備の封水破壊を防止することのできる基礎貫通配管構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の床下配管システムにおいては、排水量が増えて配管内の水位が上がると、排水管の曲がり部分や段差部分が多量の排水により閉塞されて管内の通気が遮断されるため負圧が発生し、この負圧によって洗面台、台所、浴室、トイレなどの水設備のトラップの封水が破壊されるという問題があった。
【0003】
このような床下配管システムの圧力変動を緩和、吸収するため、階上の水設備から排水ヘッダーに至る排水管路の途中に立ち上がり管を設けて建物の上方に延長し、例えば切り妻屋根の端壁等を貫いて通気管の上端を屋外に露出させるなどの対策が講じられていた。
【0004】
しかしながら、上記のように立ち上がり管を上方に延長して屋外に露出させたものは、通気自在であるため排水管路に負圧が発生しても常圧に戻すことができるとはいうものの、壁面を貫いて立ち上がり管を屋外に露出させるため、施工が面倒で費用が嵩み、建物の外観が損なわれるという問題があった。また、最近の家屋は、水設備の位置により、上記の立ち上がり管を設置するスペースを確保できない場合もあった。
【0005】
また、上記の立ち上がり管の上端に通気弁を取付けたものもあるが、この通気弁はゴム板を弁体とするものであるため、弁体が排水管路からの湿気でベタツキを生じ、弁座にくっついてスムーズに作動しなくなったり、弁体が開閉するときのパタパタという音が気になるという問題があった。しかも、この通気弁を設置するには、壁のふかしが必要になり、施工が大がかりになってしまうという問題もあった。
【0006】
このような問題を解決するため、本出願人は、小型旋回流発生継手を家屋の基礎の内側と外側にそれぞれ配置し、屋内の小型旋回流発生継手の側壁に形成された接続口に上流側排水管を、屋内の小型旋回流発生継手のテーパー内面の下端に形成された接続口に基礎を貫通する基礎貫通排水管の上流側端部を、屋外の小型旋回流発生継手の側壁に形成された接続口に基礎貫通排水管の下流側端部を、屋外の小型旋回流発生継手のテーパー内面の下端に形成された下部接続口に屋外の排水管を、それぞれ接続した基礎貫通配管構造を提案した(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−056661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1の基礎貫通配管構造は、排水量が多くても床下配管が閉塞されにくく、トイレ、洗面台、浴室、台所などの水設備の封水破壊を防止することのできる優れた配管構造であった。
【0009】
上記のように、特許文献1の基礎貫通配管構造は各水設備の封水破壊を防止できる優れたものであるが、屋内に配置した小型旋回流発生継手と屋外に配置した小型旋回流発生継手の距離が非常に短い場合に、屋内の小型旋回流発生継手で発生した旋回流が、基礎貫通排水管内部で整流になる前の乱流のままの状態で屋外の小型旋回流発生継手に流入すると、十分な旋回流を形成できずに、屋外の小型旋回流発生継手から屋外の排水管へ排水が流落する際に、負圧が発生して閉塞してしまう恐れがあった。
【0010】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、水設備のトラップの封水が破壊されない基礎貫通配管構造を提供することにあり、特に、屋内に配置した旋回流発生継手から屋外に配置した90°接続管継手までの距離が短くても、負圧の発生を抑えて閉塞し難い基礎貫通配管構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る基礎貫通配管構造は、家屋の基礎の内側に旋回流発生継手を配置し、旋回流発生継手の上部接続口に、複数の排水器具が接続された上流側排水管の下流側端部を接続すると共に、旋回流発生継手の下部接続口に、大曲り管を介して家屋の基礎を貫通する基礎貫通排水管の上流側端部を接続して、基礎貫通排水管の下流側端部に、下流側が拡径した異径の90°接続管継手の上流側接続口を接続し、異径の90°接続管継手の下流側接続口に、下流側排水管を介して屋外排水桝を接続したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の基礎貫通配管構造においては、上記異径の90°接続管継手が旋回流発生継手であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の基礎貫通配管構造は、上流側排水管から旋回流発生継手に流入した排水が旋回流となり、空気芯が形成された状態で基礎貫通排水管に流入する。この際、旋回流発生継手と基礎貫通排水管は、通常のエルボよりも曲率半径が大きい大曲り管を介して接続されているので、旋回流が破壊されることなく基礎貫通排水管へと流入し、流落する際の負圧の発生を抑制することができる。そして、その排水は、基礎貫通排水管から屋外に配置された異径の90°接続管継手に流入し、屋外排水桝へと排水されていく。
ここで、近年の住宅事情に多く見られる屋内の旋回流発生継手から屋外の90°接続管継手までの距離が短い場合(基礎貫通排水管の長さが短い場合)、屋内の旋回流発生継手で発生した旋回流が、基礎貫通排水管内部で整流になる前の状態、即ち、乱流のまま屋外の90°接続管継手に流入しても、90°接続管継手の下流側が拡径されていて、流入可能な排水量よりも流出可能な排水量が多いため、90°接続管継手の内部は満水とならず、流落する際の負圧の発生が抑制されて、管内の通気を確保することができる。
このように本発明は、近年の住宅事情に合致する優れた基礎貫通配管構造を提供することができる。
【0014】
また、上記異径の90°接続管継手が旋回流発生継手である基礎貫通配管構造は、屋外の旋回流発生継手によって再び旋回流が形成されるので、閉塞がより確実に防止される。しかも、たとえ屋内の旋回流発生継手から屋外の旋回流発生継手までの距離が短くて、屋外の旋回流発生継手で十分な旋回流を形成できなくても、上記と同様の理由で、屋外の旋回流発生継手の内部は満水となることがないため、負圧の発生が抑制されて、床下配管システムの封水破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る基礎貫通配管構造の概略全体図である。
【図2】同配管構造に用いる屋内旋回流発生継手の斜視図である。
【図3】同継手の分解斜視図である。
【図4】同継手の背面図である。
【図5】同配管構造に用いる異径の90°接続管継手の断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る基礎貫通配管構造の概略全体図である。
【図7】同配管構造に用いる屋外旋回流発生継手の斜視図である。
【図8】同継手の背面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0017】
図1に示す本発明の基礎貫通配管構造は、家屋の布基礎Bの内側の土間コンクリートの箱抜き部分B1に屋内旋回流発生継手1を配置し、この屋内旋回流発生継手1の上部に形成された上部接続口1aに、トイレ、洗面台、浴室、台所などの水設備からの排水管(不図示)が接続された上流側排水管3の下流側端部を接続すると共に、屋内旋回流発生継手1の下端部に形成された下部接続口1bに、短管6(VU75管)、及び、大曲り管4を介して家屋の布基礎Bを貫通する基礎貫通排水管5の上流側端部を接続して、その基礎貫通排水管5の下流側端部に、布基礎Bの外側の地中に配置された異径の90°接続管継手2の上流側接続口2aを接続し、異径の90°接続管継手2の下流側接続口2bに、短管8(VU100管)、大曲り管40、及び、下流側排水管9を介して屋外排水桝7の接続口7aを接続したものである。
【0018】
この基礎貫通配管構造の家屋の布基礎Bの内側に配置される屋内旋回流発生継手1は、図2、図3に示すように、上端部が抵抗の少ない丸みを帯びたドーム型の上側部材1Aと、図4に示すように、内面がテーパー面1dである下側部材1Bの2つの部材で構成された合成樹脂製の管継手であって、上側部材1Aには、上流側排水管3を接続する上部接続口1aが形成されている。
【0019】
この上部接続口1aは、図2、図3に示すように、上側部材1Aの上部の片側に偏位して湾曲するように突設されていて、上流側排水管3から流入してきた排水は、上部接続口1aの湾曲部分で旋回流を発生するきっかけとなり、略1/4周程度の旋回をしながら上側部材1Aの内部へと流入していく。この上側部材1Aは、上記のように、上端部が抵抗の少ない丸みを帯びたドーム型となっているので、上部接続口1aを経路してきた旋回流を発生しつつある排水が、上側部材1Aの内面に接触することで破壊されるのが防止されて、より完全な旋回流を形成するための補助となる。
また、上側部材1Aの下端部には、図4に示すように、後述する下側部材1Bの凹溝1eに嵌入する嵌合部1cが下方に突設されている。
【0020】
上記上側部材1Aと共に屋内旋回流発生継手1を構成する下側部材1Bは、図3、図4に示すように、短管6を接続する下部接続口1bと、勢いのある旋回流を形成するテーパー面1dと、テーパー面1dの外周に形成された上側部材1Aの嵌合部1cを嵌入する環状の凹溝1eとを有したもので、この下側部材1Bと上記の上側部材1Aは、上側部材1Aの嵌合部1cを下側部材1Bの凹溝1eに嵌入して、接着剤で水密的に接着嵌合することで一体化されている。
【0021】
テーパー面1dは、図4に示すように、下側部材1Bの上端部から内側に向って形成された下窄まりの内壁面であって、このテーパー面1dを形成したことで、上記の上側部材1Aで渦を巻いて下側部材1Bに流入してきた排水が、テーパー面1dの周面を複数周旋回し、より勢いのある旋回流を形成して下部接続口1bへと流れていくようになっている。
【0022】
上記の上側部材1Aと下側部材1Bからなる屋内旋回流発生継手1は、上流側排水管3を接続する上部接続口1aが上側部材1Aの片側に偏位して形成され、更に、下側部材1Bにはテーパー面1dが形成されているので、コンパクトでありながら、上流側排水管3から流入してきた排水は上側部材1Aで確実に渦を巻いて、更に、テーパー面1dでより勢いを増し、短管6を経由して大曲り管4へと流入していく。
【0023】
大曲り管4は、100mm以上の曲率半径を有するもので、このような大曲り管4は、通常の90°エルボ継手に比べると曲率半径が遥かに大きいため、上記の屋内旋回流発生継手1によって旋回流を生じた排水は、大曲り管4の内面をスムーズに流落し、旋回流を維持したまま基礎貫通排水管5に流れ込む。従って、よほど大量の排水が一度に流れない限り、大曲り管4や基礎貫通排水管5は排水によって閉塞されることがなく、管内の通気は確保される。
【0024】
このように本発明の基礎貫通配管構造は、旋回流を発生させる屋内旋回流発生継手1を家屋の布基礎Bの内側に配置するので、閉塞しにくい配管構造であるが、近年の住宅に多く見られる、屋内旋回流発生継手1から90°接続管継手2までの距離Xを十分に確保できない場合、長さの短い基礎貫通排水管5を使用しなければならない。この基礎貫通排水管5の長さが短いと、屋内旋回流発生継手1で発生した旋回流が完全に落ち着く前の状態(整流になる前の状態)、即ち、乱流のまま屋外の90°接続管継手2に流入してしまい、排水が90°接続管継手2から大曲り管40へと流落する際に、管内の急激な圧力変動によって負圧が発生して、各種水設備のトラップの封水を破壊してしまう恐れがあった。そこで、本発明の基礎貫通配管構造は、次に説明する異径の90°接続管継手2を基礎貫通排水管5の下流側端部に接続することで管内の通気を常圧に保つようにしている。
尚、ここでいう負圧とは、上流側から下流側の方向に働く管内圧力のことであり、その発生によって、例えば各種水設備のトラップの封水を下流側へ引っ張り込んでしまうことでトラップの封水破壊を引き起こす恐れのあるものである。
【0025】
即ち、屋外に配置される90°接続管継手2は、図5に示すように、上流側接続口2aの内径D1と下流側接続口2bの内径D2が異なる異径の90°エルボ継手である。具体的には、上流側接続口2aの内径D1が、VU75管である基礎貫通排水管5の外径に等しく、下流側接続口2bの内径D2が、VU100管である短管8の外径と等しくなるように形成されている。
【0026】
上記構成である異径の90°接続管継手2は、図1に示すように、短管8(VU100管)、及び、その短管8を内嵌する上記の大曲り管4よりも内径の大きい大曲り管40を介して下流側排水管9(VU100管)に接続されて、その下流側排水管9が屋外排水桝7の接続口7aに接続されている。
【0027】
上記屋外排水桝7は、従来の一般的な排水桝であればどのような形態のものでも使用でき、この実施形態では、側壁に下流側排水管9の下流側端部が接続される接続口7aが形成され、下部に屋外排水管(不図示)が接続される下部接続口7bが形成され、更に、上部に点検口7cが形成されたものが用いられている。
【0028】
以上のような構成の本発明の基礎貫通配管構造は、上流側排水管3から屋内旋回流発生継手1に流入した排水は、屋内旋回流発生継手1の内部で旋回流を形成し、短管6、大曲り管4を介して基礎貫通排水管5へ流落していく。旋回流の中心には空気芯が形成されているので、屋内旋回流発生継手1から基礎貫通排水管5に流落する際の負圧の発生を抑えることができる。
更に、本発明は、90°接続管継手2の下流側である、下流側接続口2b、短管8、大曲り管40、下流側排水管9が90°接続管継手2の上流側(上流側接続口2a)よりも拡径されているので、基礎貫通排水管5から90°接続管継手2に流入可能な排水量よりも90°接続管継手2から下流側に流出可能な排水量が多く、90°接続管継手2の内部(特に下流側)が満水となることがないため、排水が乱流のまま90°接続管継手2に流入しても、流入した排水が管内を閉塞したまま流落することがないので、90°接続管継手2から下流側排水管9に流落する際の負圧の発生を抑えて、管内の通気を常圧に保つことができるものである。
【0029】
本発明の基礎貫通配管構造は、各種実験の結果、屋内旋回流発生継手1から屋外の90°接続管継手2までの距離Xが7m以下、更にいうと、5m以下の場合でも、管内の通気を確保できることが実証された。
また、屋内旋回流発生継手1から基礎貫通排水管5までの落差Yが1m以上の場合、流落する際の排水の流速が特に増して、閉塞する可能性が高くなるが、このような場合でも、管内の通気を確保できることが実証された。
【0030】
図6は本発明の他の実施形態に係る基礎貫通配管構造の概略全体図である。
【0031】
この実施形態の基礎貫通配管構造は、上記90°接続管継手2の代わりに、図7、図8に示す屋外旋回流発生継手20を用いたものである。
【0032】
即ち、この屋外旋回流発生継手20は、図7に示すように、前述した屋内旋回流発生継手1と同様、上端部が抵抗の少ない丸みを帯びたドーム型をした合成樹脂製の管継手であって、上端部には基礎貫通排水管5の下流側端部を接続する上流側接続口20aが形成されており、下端部には短管8を接続する下流側接続口20bが形成されている。
【0033】
この上流側接続口20aは、図7に示すように、屋外旋回流発生継手20の上部の片側に偏位して湾曲するように突設されていて、基礎貫通排水管5から流入してきた排水は、上流側接続口20aの湾曲部分が旋回流を発生するきっかけとなり、略1/4周程度の旋回をしながら屋外旋回流発生継手20の内部へと流入していく。この屋外旋回流発生継手20も、上端部が抵抗の少ない丸みを帯びたドーム型となっているので、上流側接続口20aを経路してきた排水が、上側部材1Aの内面に接触することで破壊されるのが防止されて、より完全な旋回流を形成することができる。
【0034】
また、この屋外旋回流発生継手20も、前述した90°接続管継手2と同様に、上流側接続口20aの内径D3と下流側接続口20bの内径D4が異なる異径の旋回流継手である。具体的には、上流側接続口20aの内径D3が基礎貫通排水管5の外径と等しく、下流側接続口20bの内径D4が短管8(VU100管)の外径と等しくなっている。
【0035】
上記の屋外旋回流発生継手20を基礎貫通排水管5と接続すると、基礎貫通排水管5から流入してきた排水は、屋外旋回流発生継手20の内部で旋回流を形成しながら大曲り管40へとスムーズに流落し、下流側排水管9を経由して屋外排水桝7へと排水される。しかも、たとえ住宅の諸事情で基礎貫通排水管5の長さが短くて、乱流のまま屋外旋回流発生継手20に排水が流入し、十分な旋回流を形成することができなくても、流入可能な排水量よりも流出可能な排水量が多いため、屋外旋回流発生継手20の内部(特に下流側)は満水となることがなく、90°接続管継手2を用いた場合と同様に、管内の通気を常圧に保つことができる。
本実施形態の基礎貫通配管構造のその他の構成は、前述した図1から図5に示す実施形態の基礎貫通配管構造と同様であるので、同一部材に同一符号を附して説明を省略する。
【0036】
この実施形態の基礎貫通配管構造は、基礎貫通排水管5と屋外排水桝7との間に、屋外旋回流発生継手20を配置することで、前述したように、上流側排水管3から布基礎Bの内側に配置された屋内旋回流発生継手1に流入して旋回流となった排水が、大曲り管4を介して基礎貫通排水管5を通り、布基礎Bの外側に配置された屋外旋回流発生継手20に流入することで、再び旋回流を形成する。そして、その空気芯が形成された排水は、大曲り管40を経由して屋外排水桝7に流入して、屋外排水管へと排水されるので、管内の通気を常圧に保つことができ、各水設備の封水破壊をより確実に防止することができる。しかも、乱流のまま屋外旋回流発生継手20に流入して、屋外旋回流発生継手20によって十分な旋回流を形成できなくても、流入可能な排水量よりも流出可能な排水量が多いため、閉塞することなく、各水設備のトラップの封水破壊を防止することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 屋内旋回流発生継手
1A 上側部材
1B 下側部材
1a 上部接続口
1b 下部接続口
1c 嵌合部
1d テーパー面
1e 凹溝
2 90°接続管継手
2a 上流側接続口
2b 下流側接続口
20 屋外旋回流発生継手
20a 上流側接続口
20b 下流側接続口
3 上流側排水管
4 大曲り管
5 基礎貫通排水管
6 短管(VU75管)
7 屋外排水桝
7a 接続口
7b 下部接続口
7c 点検口
8 短管(VU100管)
9 下流側排水管(VU100管)
B 家屋の布基礎B
B1 土間コンクリートの箱抜き部分
D1 90°接続管継手の上流側接続口の内径
D2 90°接続管継手の下流側接続口の内径
D3 屋外旋回流発生継手の上流側接続口の内径
D4 屋外旋回流発生継手の下流側接続口の内径
X 屋内旋回流発生継手から90°接続管継手又は屋外旋回流発生継手までの距離
Y 屋内旋回流発生継手から基礎貫通排水管までの落差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家屋の基礎の内側に旋回流発生継手を配置し、旋回流発生継手の上部接続口に、複数の排水器具が接続された上流側排水管の下流側端部を接続すると共に、旋回流発生継手の下部接続口に、大曲り管を介して家屋の基礎を貫通する基礎貫通排水管の上流側端部を接続して、基礎貫通排水管の下流側端部に、下流側が拡径した異径の90°接続管継手の上流側接続口を接続し、異径の90°接続管継手の下流側接続口に、下流側排水管を介して屋外排水桝を接続したことを特徴とする基礎貫通配管構造。
【請求項2】
上記異径の90°接続管継手が旋回流発生継手であることを特徴とする請求項1に記載の基礎貫通配管構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−112956(P2013−112956A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258448(P2011−258448)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(000108719)タキロン株式会社 (421)
【Fターム(参考)】