説明

外付ユニットの取付構造

【課題】 外付ユニットの静電気対策を十分に図ることができると共に、外付ユニット内のユニット基板の耐衝撃性をも確保することができる外付ユニットの取付構造を提供する。
【解決手段】 外付ユニット2が、ユニットケース3と、このユニットケース3内に配置されるユニット基板11と、このユニット基板11をユニットケース3内に保持するコイルばね12とを備え、このコイルばね12が、その中間部でユニット基板11のグランド電極16に接触した状態で、下端部がユニットケース3の外部に突出して機器本体1のグランド接点板27に接触する。従って、ユニット基板11のグランド電極16と機器本体1のグランド接点部27とをコイルばね12によって電気的に接続できるので、外付ユニット2に発生した静電気を機器本体1側に導くことができ、またコイルばね12によってユニット基板11を外付ユニット2内に弾力的に浮かした状態で取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯型情報処理端末機や携帯電話機などの電子機器にオプションとして取り付けられる外付ユニットの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの電子機器においては、特許文献1に記載されているように、機器本体にオプションとしての外付ユニットを搭載する際に、機器本体と外付ユニットとをその搭載方向に沿う軸によって相対的に回転可能に取り付けると共に、フレキシブルな配線基板によって機器本体と外付ユニットとを電気的に接続した構成のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−115277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の電子機器における外付ユニットの取付構造では、外付ユニットの静電気対策を図るために、フレキシブルな配線基板の一部に外付ユニットのグランド電極と機器本体のグランド電極とを電気的に接続するグランドラインを割り当てている。しかし、外付ユニットが通信機能などの多くの機能を備えた電子回路が搭載されている場合には、フレキシブルな配線基板の一部にグランドラインを割り当てるだけでは、外付ユニットの静電気対策を十分に図ることができないという問題がある。
【0005】
また、このような従来の外付ユニットの取付構造では、機器本体と外付ユニットとを軸によって回転可能に取り付けている構成であるから、外付ユニットが落下などによって外部から衝撃を受けた際に、その衝撃が外付ユニット内のユニット基板にそのまま伝わり、ユニット基板が破損することがあるという問題もある。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、外付ユニットの静電気対策を確実に且つ十分に図ることができると共に、外付ユニット内のユニット基板の耐衝撃性をも確保することができる外付ユニットの取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、機器本体にコネクタによって電気的に接続されて取り付けられる外付ユニットの取付構造において、前記外付ユニットは、ユニットケースと、このユニットケース内に配置されるユニット基板と、このユニット基板を前記ユニットケース内に浮かした状態で弾力的に保持するばね部材とを備え、前記ばね部材は、その中間部分が前記ユニット基板のグランド電極に接触した状態で前記ユニット基板を保持すると共に、一方の端部が前記ユニットケースの外部に突出して前記機器本体のグランド接点部に接触することを特徴とする外付ユニットの取付構造である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、前記機器本体内に、グランド電極を備えた回路基板が設けられており、前記グランド接点部は、前記機器本体にその外部に露出した状態で設けられ、且つ接続部材によって前記回路基板の前記グランド電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の外付ユニットの取付構造である。
【0009】
請求項3に記載の発明は、前記ばね部材が、前記ユニット基板を挟む箇所を境にして外径が異なる大きさに形成されたコイルばねであり、前記ユニット基板には、前記ばね部材の小径部が挿入するばね取付部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付ユニットの取付構造である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記ユニットケースの内面におけるほぼ全域に、シールド用の金属層が設けられており、この金属層には、前記ばね部材の他方の端部が弾接していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外付ユニットの取付構造である。
【0011】
請求項5に記載の発明は、前記グランド接点部が、前記機器本体の複数個所にそれぞれ設けられており、前記ばね部材は、前記ユニット基板の複数個所にそれぞれ配置されて、前記ユニットケースの外部に突出した前記一方の端部がそれぞれ前記複数のグランド接点部に接触することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外付ユニットの取付構造である。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、機器本体と外付ユニットとをコネクタによって電気的に接続する以外に、ばね部材によって外付ユニット内のユニット基板のグランド電極と機器本体のグランド接点部とを電気的に接続することができるので、外付ユニットに発生した静電気を機器本体のグランド接点部に導くことができる。このため、外付ユニットの静電気対策を十分に図ることができると共に、外付ユニットが落下などによって外部から衝撃を受けても、その衝撃をばね部材で吸収することができるので、外付ユニット内のユニット基板の耐衝撃性をも確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明を携帯型情報処理端末機に適用した一実施形態において機器本体に外付ユニットを取り付けた状態を示した斜視図である。
【図2】図1の携帯型情報処理端末機の機器本体から外付ユニットを取り外した状態を示した分解斜視図である。
【図3】図2のA−A矢視において要部を断面で示した拡大斜視図である。
【図4】図2の外付ユニットを示した拡大斜視図である。
【図5】図4の外付ユニットにおいて下部ケースを取り外した状態を示した拡大斜視図である。
【図6】図4のB−B矢視における拡大断面図である。
【図7】図1のC−C矢視において要部を断面で示した拡大斜視図である。
【図8】図1のD−D矢視における要部を示した拡大断面図である。
【図9】一実施形態のコイルばねの変形例を示し、(a)はその要部を示した断面図、(b)はそのE−E矢視における平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1〜図8を参照して、この発明を携帯型情報処理端末機に適用した一実施形態について説明する。
この携帯型情報処理端末機は、図1および図2に示すように、機器本体1を備えている。この機器本体1における裏面(図1では上面)には、オプションとしての外付ユニット2が取り外し可能に取り付けられている。
【0015】
この外付ユニット2は、図1〜図5に示すように、ユニットケース3を備えている。このユニットケース3は、上部ケース4と下部ケース5とで構成されている。すなわち、このユニットケース3は、図3および図8に示すように、上部ケース4の下側に下部ケース5が配置された状態で、上部ケース4の内面に設けられた取付ボス6に下部ケース5が下側からビス7によって取り付けられた構成になっている。
【0016】
また、このユニットケース3は、図1、図2および図8に示すように、上部ケース4の外周部に設けられた取付部10が機器本体1におけるユニット搭載部分にビス7によって取り外し可能に取り付けられている。この場合、ユニットケース3には、図1〜図5に示すように、通信用カードなどの機能増設用の外部部品を搭載して駆動する増設部品搭載部8が設けられている。
【0017】
このユニットケース3の内部には、図3、図6〜図8に示すように、ユニット基板11が複数のコイルばね12によって弾力的に保持されている。この場合、ユニット基板11の下面には、図3、図5、図7および図8に示すように、雄型のコネクタ13が設けられている。この雄型のコネクタ13は、その下端部が下部ケース5に設けられたコネクタ挿入孔14を通して下部ケース5の下側に突出している。
【0018】
また、このユニット基板11の所定箇所には、図3、図5〜図8に示すように、複数のコイルばね12がそれぞれ挿入する複数のばね取付孔15が設けられている。この複数のばね取付孔15の周縁部におけるユニット基板11の上面には、グランド電極16がそれぞれ設けられている。コイルばね12は、図6〜図8に示すように、ユニット基板11のばね取付孔15に挿入する部分と挿入しない部分との中間部分で、ユニット基板11を保持するように構成されている。
【0019】
すなわち、このコイルばね12は、図6〜図8に示すように、ユニット基板11を保持する箇所つまり中間部分を境にして外径が異なる大きさに形成されている。すなわち、このコイルばね12は、ユニット基板11のばね取付孔15に挿入する下部側が小径部12aに形成され、ユニット基板11のばね取付孔15の上部側が大径部12bに形成されている。これにより、コイルばね12は、小径部12aがユニット基板11のばね取付孔15に上方から挿入すると、大径部12bの下部がユニット基板11のグランド電極16に弾接するように構成されている。
【0020】
この場合、コイルばね12の大径部12bは、図6〜図8に示すように、上部ケース4の内面に設けられたガイド筒部17内に挿入されて保持された状態で、大径部12bの上端部が上部ケース4の内面におけるほぼ全域に設けられたシールド用の金属膜20に弾接するように構成されている。この金属膜20は、外付ユニット2の静電気対策を図るためのシールド膜であり、上部ケース4の内面におけるほぼ全域に蒸着やめっきなどによって設けられている。
【0021】
また、コイルばね12の小径部12aは、図8に示すように、下部ケース5に設けられて下側に開放されたガイド筒部18に上方から挿入され、この挿入された下端部が下部ケース5の下側に少し突出するように構成されている。この場合、ガイド筒部18の上部とユニット基板11の下面との間には、図8に示すように、コイルばね12の小径部12aが挿入するリング状の緩衝材21が設けられている。この緩衝材21は、ゴムやゲルなどの軟質材料で形成されている。
【0022】
これにより、コイルばね12は、図8に示すように、小径部12aがユニット基板11のばね取付孔15に上方から下部ケース5のガイド筒部18に挿入し、大径部12bの下部がユニット基板11のグランド電極16に弾接した状態で、大径部12bの上部が上部ケース4のガイド筒部17内に挿入されて上部ケース4の内面の金属膜20に弾接することにより、ユニット基板11を押し下げて下部ケース5のガイド筒部18の上端部に緩衝材21を介して押し付けるように構成されている。
【0023】
このため、ユニット基板11は、図8に示すように、複数のコイルばね12によってユニットケース3内に浮いた状態で弾力的に保持されている。この場合、下部ケース5には、ユニット基板11の横揺れを規制するための基板規制リブ22がユニット基板11の端面に対応して設けられている。すなわち、この基板規制リブ22は、ユニットケース3が外部から衝撃を受けて、ユニット基板11が横方向(図8では水平方向)に揺れた際に、ユニット基板11の端部が弾接するように構成されている。
【0024】
ところで、機器本体1は、図3、図7および図8に示すように、その内部に回路基板23が組み込まれている。この回路基板23上には、ユニットケース3から突出した雄型のコネクタ13が接続される雌型のコネクタ24が設けられている。この場合、機器本体1には、雌型のコネクタ24が挿入して外部に露出させるためのコネクタ挿入孔25が設けられている。これにより、機器本体1内の回路基板23とユニットケース3内のユニット基板11とは、雄型のコネクタ13と雌型のコネクタ24とによって電気的に接続されるように構成されている。
【0025】
また、この機器本体1の所定箇所、つまり外付ユニット2のユニットケース3から外部に突出したコイルばね12に対応する箇所には、図3、図7および図8に示すように、コイルばね12の突出した部分が挿入する挿入孔26が設けられている。この挿入孔26が設けられた箇所における機器本体1の内面には、挿入孔26を塞いで機器本体1の外部に露出するグランド接点板27が取り付けられている。このグランド接点板27は、コイルばね12の小径部12aの下端部が挿入孔26を通して弾接するように構成されている。また、このグランド接点板27は、スプリングコネクタなどの接続部材28によって回路基板23のグランド電極29と電気的に接続されている。
【0026】
これにより、機器本体1内の回路基板23のグランド電極29に接続部材28によって電気的に接続された機器本体1のグランド接点板27と、ユニット基板11のグランド電極16とがコイルばね12によって電気的に接続されることにより、ユニット基板11のグランド電極16と機器本体1内の回路基板23のグランド電極29とが電気的に接続されている。この場合、ユニットケース3の上部ケース4の内面に設けられたシールド用の金属膜20も、コイルばね12によって機器本体1のグランド接点板27と電気的に接続されることにより、回路基板23のグランド電極29と電気的に接続されている。
【0027】
次に、外付ユニット2を組み立てて機器本体1に取り付ける場合について説明する。
まず、外付ユニット2を組み立てる場合には、図3、図5および図6に示すように、ユニット基板11の下面に雄型のコネクタ13を取り付けると共に、ユニット基板11のばね取付孔15にコイルばね12の小径部12aを上方から挿入して大径部12bをばね取付孔15の周縁部上のグランド電極16に接触させる。
【0028】
この状態で、図3〜図8に示すように、コイルばね12の大径部12bをユニットケース3の上部ケース4の内面に設けられたガイド筒部17内に下側から挿入し、コイルばね12の大径部12bの上端部を上部ケース4の内面に設けられた金属膜20に弾接させる。この後、上部ケース4の下側に下部ケース5を配置する。
【0029】
このときには、下部ケース5に設けられたコネクタ挿入孔14をユニット基板11の雄型のコネクタ13に対応させて挿入すると共に、下部ケース5に設けられたガイド筒部18をコイルばね12の小径部12aに対応させて挿入し、下部ケース5に設けられた基板規制リブ22をユニット基板11の端部に対応させる。
【0030】
この状態で、下部ケース5を上部ケース4の内面に設けられた取付ボス6にビス7によって取り付ける。すると、下部ケース5のガイド筒部18が緩衝材21を介してユニット基板11を押し上げる。このため、コイルばね12の大径部12bは、ユニット基板11と上部ケース4との間に挟まれて圧縮された状態で取り付けられる。このときには、コイルばね12の大径部12bの下部がユニット基板11のグランド電極16に圧接し、このグランド電極16とコイルばね12とが確実に接続される。
【0031】
また、この状態では、コイルばね12の小径部12aが自由状態となり、この小径部12aの下端部がガイド筒部18を通して下部ケース5の下側に突出する。このようにして、ユニットケースが組み立てられると、図3〜図6に示すように、ユニットケース3から雄型のコネクタ13とコイルばね12の小径部12aとが露出した状態になる。これにより、外付ユニット2が組み立てられる。
【0032】
この外付ユニット2を機器本体1に取り付ける場合には、外付ユニット2の雄型のコネクタ13を機器本体1のコネクタ挿入孔25内に挿入された雌型のコネクタ24に対応させて接続すると共に、コイルばね12の小径部12aを機器本体1の挿入孔26を通してグランド接点板27に対応させて弾接させる。この状態で、ユニットケース3の周縁部の取付部10を機器本体1にビス7によって取り付ける。
【0033】
これにより、外付ユニット2のユニット基板11は、雄型のコネクタ13と雌型のコネクタ24とによって機器本体1の回路基板23と電気的に接続される。また、ユニット基板11のグランド電極16および上部ケース4の内面に設けられたシールド用の金属膜20は、コイルばね12によって機器本体1のグランド接点板27と電気的に接続されることにより、機器本体1の回路基板23のグランド電極29と電気的に接続される。
【0034】
このように、この携帯型情報処理端末機における外付ユニット2の取付構造によれば、外付ユニット2が、ユニットケース3と、このユニットケース3内に配置されるユニット基板11と、このユニット基板11をユニットケース3内に弾力的に保持するコイルばね12とを備え、このコイルばね12が、その中間部分でユニット基板11のグランド電極16に接触した状態で、下端部がユニットケース3の外部に突出して機器本体1のグランド接点板27に接触することにより、ユニット基板11のグランド電極16と機器本体1の回路基板23のグランド電極29とを電気的に接続することができる。
【0035】
すなわち、この外付ユニット2の取付構造では、機器本体1と外付ユニット2とを雌型のコネクタ24と雄型のコネクタ13とによって電気的に接続する以外に、外付ユニット2内のユニット基板11のグランド電極16と機器本体1のグランド接点板27とをコイルばね12によって電気的に接続することができる。このため、外付ユニット2に発生した静電気を機器本体1のグランド接点板27に導くことができるので、外付ユニット2の静電気対策を十分に図ることができる。
【0036】
また、ユニット基板11はコイルばね12によって外付ユニット2内に弾力的に浮いた状態で取り付けられているので、外付ユニット2が落下などによって外部から衝撃を受けても、その衝撃をコイルばね12によって吸収することができる。これにより、外付ユニット2内のユニット基板11が衝撃によって破損するのを確実に防ぐことができるので、外付ユニット2内のユニット基板11の耐衝撃性をも確保することができる。
【0037】
この場合、機器本体1内には、グランド電極29を備えた回路基板23が設けられており、グランド接点板27は、機器本体1にその外部に露出した状態で設けられて、スプリングコネクタなどの接続部材28によって回路基板23のグランド電極29と電気的に接続されているので、外付ユニット2内のユニット基板11のグランド電極16がコイルばね12によって機器本体1のグランド接点板27に電気的に接続されていることにより、ユニット基板11のグランド電極16と機器本体1内の回路基板23のグランド電極29とを確実に接続することができる。
【0038】
また、コイルばね12は、ユニット基板11を保持する箇所つまり中間部分を境にして外径が異なる大きさに形成されており、ユニット基板11には、コイルばね12の小径部12aが挿入するばね取付孔15が設けられているので、コイルばね12の小径部12aをユニット基板11のばね取付孔15に挿入させることにより、ユニット基板11をユニットケース3内に弾力的に保持することができる。
【0039】
すなわち、このコイルばね12は、下部側が小径部12aに形成され、上部側が大径部12bに形成されているので、ユニット基板11のばね取付孔15に小径部12aを挿入させて大径部12bをばね取付孔15の周縁部に弾接させることができ、これによりユニット基板11をユニットケース3内に浮かした状態で弾力的に保持することができる。
【0040】
この場合、上部ケース4の内面には、コイルばね12の大径部12bが挿入するガイド筒部17が設けられており、下部ケース5には、コイルばね12の小径部12aが挿入して下側に突出するガイド筒部18が設けられているので、上部ケース4に下部ケース5を取り付けた際に、下部ケース5のガイド筒部18が緩衝材21を介してユニット基板11を押し上げ、コイルばね12の大径部12bをユニット基板11と上部ケース4との間に圧縮させて取り付けることができる。
【0041】
このため、コイルばね12の大径部12bの下部がユニット基板11のグランド電極16に圧接するので、このグランド電極16とコイルばね12とを確実に接続することができると共に、ユニット基板11をユニットケース3内に弾力的に浮かした状態で取り付けることができる。これにより、外付ユニット2が落下などの外部からの衝撃を受けても、その衝撃をコイルばね12によって吸収することができるので、外部からの衝撃によってユニット基板11が破損するのを確実に防ぐことができ、耐衝撃性の高いものを提供することができる。
【0042】
また、この外付ユニット2の取付構造によれば、ユニットケース3の内面におけるほぼ全域にシールド用の金属膜20が設けられており、この金属膜20にコイルばね12の大径部12bが弾接しているので、シールド用の金属膜20をコイルばね12によって機器本体1のグランド接点板27と電気的に接続することができると共に、このシールド用の金属膜20を機器本体1の回路基板23のグランド電極29と電気的に接続することができ、これにより外付ユニット2の静電気対策を更に向上させることができる。
【0043】
さらに、この外付ユニット2の取付構造では、グランド接点部27が機器本体1の複数個所にそれぞれ設けられており、コイルばね12がユニット基板11の複数個所に設けられたばね取付孔15にそれぞれ挿入されて小径部12aの下端部がそれぞれ複数のグランド接点部27に接触することにより、ユニット基板11の複数個所にグランド電極16を設け、この複数個所のグランド電極16を機器本体1内の回路基板23のグランド電極29と電気的に接続することができるので、より一層、外付ユニット2の静電気対策を向上させることができる。
【0044】
なお、上述した実施形態では、ばね部材として、小径部12aと大径部12bとを有するコイルばね12を用いた場合について述べたが、必ずしも小径部12aと大径部12bとを有するコイルばね12である必要はなく、一端部が小径で他端部に向かうに従って徐々に大径になる円錐形状のコイル状ばねであっても良い。
【0045】
また、これに限らず、例えば図9(a)および図9(b)に示す変形例のように、中間部のみが小径で、その両側が大径のコイルばね30を用いても良い。この場合には、ユニット基板11の辺部に、コイルばね30の中間部の小径部30aが側方から挿入するばね取付溝31を設け、このばね取付溝31の周縁部をコイルばね30の両側の大径部30bで挟み付けることにより、ユニット基板11を弾力的に保持するように構成すれば良い。この場合にも、ばね取付溝31の周縁部におけるユニット基板11の上下両面のうち、少なくとも上面にグランド電極16を設ければ良い。
【0046】
また、これに限らず、コイルばねを一端部から他端部に亘って同じ大きさの径で形成し、このコイルばねの中間部分をユニット基板11の辺部における縁部にその側方から差し込んで挟み付けることにより、ユニット基板11を弾力的に保持するように構成しても良い。この場合にも、ユニット基板11の縁部における上下面のうち、少なくとも一方にグランド電極16を設ければ良い。このように構成すれば、ユニット基板11にばね取付孔15やばね取付溝31を設ける必要がないので、ユニット基板11の製作が容易になり、低価格なものを提供することができる。
【0047】
さらに、上述した実施形態およびその各変形例では、機器本体1内にグランド接点板27を設けた場合について述べたが、これに限らず、例えばグランド接点板をインサート成形によって機器本体1の挿入孔26内に埋め込んでも良い。また、このグランド接点板と回路基板23のグランド電極29とを電気的に接続する接続部材は、スプリングコネクタなどの接続部材28である必要はなく、フレキシブル基板や、リード線などの接続部材であっても良い。
【0048】
なおまた、上述した実施形態およびその各変形例では、携帯型情報処理端末機に適用した場合について述べたが、必ずしも携帯型情報処理端末機である必要はなく、例えば携帯電話機などの携帯型の電子機器に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 機器本体
2 外付ユニット
3 ユニットケース
4 上部ケース
5 下部ケース
11 ユニット基板
12 コイルばね
12a 小径部
12b 大径部
13 雄型のコネクタ
15 ばね取付孔
16 ユニット基板のグランド電極
17、18 ガイド筒部
20 金属膜
21 緩衝材
22 基板規制リブ
23 回路基板
24 雌型のコネクタ
26 挿入孔
27 グランド接点板
28 接続部材
29 回路基板のグランド電極
30 コイルばね
30a 中間の小径部
30b 両側の大径部
31 ばね取付溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体にコネクタによって電気的に接続されて取り付けられる外付ユニットの取付構造において、
前記外付ユニットは、ユニットケースと、このユニットケース内に配置されるユニット基板と、このユニット基板を前記ユニットケース内に浮かした状態で弾力的に保持するばね部材とを備え、
前記ばね部材は、その中間部分が前記ユニット基板のグランド電極に接触した状態で前記ユニット基板を保持すると共に、一方の端部が前記ユニットケースの外部に突出して前記機器本体のグランド接点部に接触することを特徴とする外付ユニットの取付構造。
【請求項2】
前記機器本体内には、グランド電極を備えた回路基板が設けられており、前記グランド接点部は、前記機器本体にその外部に露出した状態で設けられ、且つ接続部材によって前記回路基板の前記グランド電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の外付ユニットの取付構造。
【請求項3】
前記ばね部材は、前記ユニット基板を保持する箇所を境にして外径が異なる大きさに形成されたコイルばねであり、前記ユニット基板には、前記ばね部材の小径部が挿入するばね取付部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外付ユニットの取付構造。
【請求項4】
前記ユニットケースの内面におけるほぼ全域には、シールド用の金属層が設けられており、この金属層には、前記ばね部材の他方の端部が弾接していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外付ユニットの取付構造。
【請求項5】
前記グランド接点部は、前記機器本体の複数個所にそれぞれ設けられており、前記ばね部材は、前記ユニット基板の複数個所にそれぞれ配置されて、前記ユニットケースの外部に突出した前記一方の端部がそれぞれ前記複数のグランド接点部に接触することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外付ユニットの取付構造。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−29266(P2011−29266A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171237(P2009−171237)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】