外国語の学習システム
【課題】個々に指定して、それぞれの外国語を学べると共に、一単元の中の外国語もスムーズに復習することができる
【解決手段】画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、個々の出題データをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習システムにおいて、この出題データを複数個用意して単元群に構成するとともに、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生する音声データ連続再生手段を設けた。
【解決手段】画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、個々の出題データをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習システムにおいて、この出題データを複数個用意して単元群に構成するとともに、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生する音声データ連続再生手段を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、英語や中国語やフランス語などの外国語の学習システムに関する。外国語の定義は母国語ではない言語を指す。
【背景技術】
【0002】
以降、外国語の一例として、英語を例にとって説明する。英語を学ぶ手段としては、基本的に教科書や受験参考書などの書籍の紙媒体で提供される。あるいは英語の発音を収録したCDが添付されている。あるいは下記のような公知文献が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-330353号公報
【特許文献2】特開2007-322951号公報
【特許文献3】特開2008-139826号公報
【特許文献4】特開2004-198818号公報 特許文献1には、学習する英単語毎に、その英単語が示す対象を表す絵と、その英単語に割り当てたコードを示すコードマークを印刷したカードを設け、言語学習装置は、カードを挿入するためのカードスロットを有し、カードスロットに装着されたカードに印刷されたコードマークを、フォトリフレクタによって構成したコードリーダによって光学的に読み取り、読み取ったコードマークが表すコードに対応する当該コードの英単語を発声した音声データを、各コードに対応する音声データを予め記憶しておいたメモリより読み出して、スピーカに再生出力するよう構成する技術思想が開示されている。 特許文献2には、カード上に学習情報を簡潔に記載し、そのうちの音声に関する情報をデジタル化(プログラム化してCD-ROMやハードディスクなどの記録媒体に格納)して音声システムと連動させることにより、利用者が容易にかつ反復して音声情報に触れることができるようにする構成が記載されている。 特許文献3には、シートは犬の画像など人が認識できる画像と2次元バーコードなどの機械可読な図形も備え、電子読取機で図形をスキャンし、例えば「dog」などの単語を発音した音声を再生する。綴り「D−O−G」などのアルファベット文字は2次元バーコード上に直接印刷され、2次元バーコードは順方向に読み込んで英単語「dog」を発音することができるようにした構成が記載されている。 特許文献4には、複数のシートを綴じることにより形成されかつ該シートに少なくとも言語が設けられた言語シート冊子部であって、各見開き面の右側頁シート略中央部で内側に折り返して折り返し頁シートを形成した前記言語シート冊子部と、前記言語の単語の発音に対応する音声データが記録されたデータ記録部と該音声データを再生出力するデータ再生部とを有するデータ記録再生部とを備え、前記言語シート冊子部の見開き左側頁、見開き右側頁、前記折り返し頁シートの内側頁及び外側頁には夫々、前記言語の単語の意味と関連したイラスト、前記単語、前記単語の用例及び前記単語の書き込み部が設けられている語学の学習用教材が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)しかし、外国語の学習はひとつひとつを対象にして学ぶのではなく、複数をひとまとめの単元にして学ぶ方が効率的である。
(2)外国語は、複数の単元を学んだ後に、すぐ復習しないと忘れてしまう。
(3)また、再生連動表示手段を設けた場合、復習はできるが、どれを再生しているのか分かりにくい問題がある。
(4)個々の単元をいつ学んだのかを記憶することが難しい。学習してからしばらく経過する前に復習しないと、すっかり忘れてしまうことがある。
(5)効率的に学ぶために、学習日時を参照して単元を抽出することが重要になるが、その作業が煩雑である。
(6)個々の単元を何回学んだのかを記憶することが難しい。学習回数が少ない単元は身につかない恐れがある。
(7)効率的に学ぶために、学習回数を参照して単元を抽出することが重要になるが、その作業が煩雑である。
(8)一つの画像に一つの外国語をリンクさせる方式では、会話シーンや地図の国名など複数の外国語を学習するのに難点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は下記のように構成したものである。
(1)画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、個々の出題データをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語の学習システムにおいて、この出題データを複数個用意して単元群に構成するとともに、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生する音声データ連続再生手段を設けたものである。
(2)また、音声データ連続再生手段は、その単元の全ての出題データが指定された時に初めて有効になるように構成したものである。
(3)さらに、音声データ連続再生手段は、再生中の音声に連動する再生連動表示手段を備えたものである。
(4)画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した日時を表示し、記録する単元学習日時の記録手段を設けたものである。
(5)また、単元学習日時に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたものである。
(6)画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して一単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した回数を表示し、記録する単元学習回数の記録手段を設けたものである。
(7)また、単元学習回数に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたものである。
(8)画像データをモニタ画面に表示すると共に、画像データに応じてエリアを設定し、その画像に対応するエリアをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、指定されたエリアに応じて外国語の音声をスピーカーで再生するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
(1)本発明のひとつの効果は、個々に指定して音声を学べると共に、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生することにより、連続再生でも学習することができる。
(2)本発明のひとつの効果は、個々に指定して一単元の外国語の音声を全て学んだ後に初めて、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生することが出来るようになるから、個々の外国語を学んだ後に連続再生で復習することができ、記憶を強固なものにすることができる。
(3)連続再生中に音声に連動する再生連動表示手段を設けたから、どれを復習しているか把握しやすい。
(4)本発明のひとつの効果は、個々に指定して一単元の外国語の音声を全て学んだ後に初めて、その単元を学んだ日時が記録されるから、単元ごとの学習進行度を学習者が把握できる。
(5)また、単元学習日時に基づいて自動的に単元を選択するから、学んだ日付に対応して学習することができる。
(6)本発明のひとつの効果は、個々に指定して一単元の外国語の音声を全て学んだ後に初めて、その単元を学んだ回数が記録されるから、単元ごとの習熟度を学習者が把握できる。
(7)また、単元学習回数に基づいて自動的に単元を選択するから、学んだ回数に対応して学習することができる。
(8)画像データに応じてエリアを設定し、その画像をポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、指定されたエリアに応じて外国語の音声をスピーカーで再生するようにしたから、画像データの自由な座標位置で外国語の音声を学習するよう設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】はシステムの全体構成を示す。
【図2】はモニタに表示される総合メニュー画面を示す。
【図3】は総合メニューのフローチャートを示す。
【図4】と
【図5】と
【図6】と
【図7】と
【図8】は、単元メニュー画面を示す。
【図9】は別実施例における単元メニュー画面を示す。
【図10】は単元メニューの制御フローチャートを示す。
【図11】は、画面のイラストをXY方向でエリア分けする場合の説明図を示し、
【図12】はエリア分けした時の制御フローチャートを示している。また
【図13】ではイラストの代わりに写真を用いたものが示されている。
【図14】では動画(アニメーション)の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
第1図に基づいて本発明の概要を説明する。以下においては、外国語として英語を学習する場合として説明する。図1は、システムの全体構成を示す模式図である。中央制御装置7には、複数の画像を蓄積した画像データベース1と英語や日本語訳のテキストを蓄積したテキストデータベース2と音声データベース3とが接続されている。また画像の座標にどの音声データを対応させるかのエリア定義部4、ポインティングデバイス(マウスによるクリックなど)またはタッチデバイス(タッチパネルなどによるモニター接触やタッチパッドなども含む)といった指定位置の取得部5、日時の取得部6が接続される。
さらに前記中央制御装置7には、画像またはテキストなどを画面に表示する画面への表示部8と、音声の出力部9と学習日や学習回数といった学習データ記録部10が接続されている。
【0009】
図2は、最初にモニタに表示される総合メニューAを示したものである。各単元ごとにボタンA1〜A8が対応している。 ボタンA1には「植物1 7回」「8/10」と表示されている。これは「植物1」という単元を7回学習したことを示し、最近の学習日が2011年8月10日であることを示している。ボタンA2には「植物2 5回」「8/11」と表示されている。これは「植物1」という単元を5回学習したことを示し、最近の学習日が2011年8月11日であることを示している。図で説明する都合で西暦を省いたが、当然のことながら「2011/08/10」と表示する方が望ましい。
ボタンA3には「動物1」とのみ表示されている。これは「動物1」という単元は1回も学習していないことを示す。 これらの学習回数や学習日付は図1で説明したうちの学習データ記録部10から読みだされて表示される。
ボタンA4には「動物2」と表示されている。以下同様に、ボタンA5には「色1」、ボタンA6には「色2」、ボタンA7には「食べ物1」、ボタンA8には「食べ物2」と表示されている。このような画面は複数あるので、前頁ボタンA9と次頁ボタンA10が設けられる。なお、図2において、カレンダーを表示(図示は省略した)させることによって、何月何日に学習したかを表示するように構成すれば、学習日を視覚的に把握することが可能となる。
また自動出題を望むケースのためにボタンA11が設けられている。またこのメニュー窓を閉じるためにクローズボタンA12が設けられる。このクローズボタンは以降、その都度の説明は省略する。またボタンと表現したが、別にボタンというオブジェクトでなくても、該当するエリアのクリック座標を指定した場合も含まれる。
上述したこれらのボタンは、ポインティングデバイス(マウスやライトペンやジョイスティックなど)またはタッチデバイス(タッチパネル)などで指定することにより操作位置を特定され、図1で触れた指定位置の取得部5によりボタンが指定されたことを検出して所定の制御を行う。以降は説明を簡略にするために、「ボタンがクリックされたか」という表現を用いるが、これに限定されるものではない。
【0010】
図3は総合メニューの制御フローチャートを示す。まずステップS1において、単元ごとの学習回数を取得して表示する。次にステップS2において、単元ごとの最新学習日を取得して表示する。これは図2で説明した通りである。次に自動出題モードか否かを判定する。これは図2で示した自動出題ボタンA11がクリックされたか否かで判定する。
自動出題モードの場合はステップS4に進み、「学習回数が少ないか、または最近学習をしていない単元を自動選択」して実行する。自動出題モードでない場合には、ステップS5において、学習者が指定した単元の学習を手動で実行する。
ここで自動出題モードについて、もう少し詳細に説明する。創意工夫を凝らすのは、この点だからである。基本的には単元ごとの学習回数が偏らないようにしなければならない。しかし、最初のうちは基礎的な単元を繰り返し学習する方が効果的なので、以下のアルゴリズムで処理する。
まず学習回数が一定回数を越えるまでは、次の単元を選択しないよう構成する。ある程度の学習回数をこなした時に初めて、次の単元に進めるようにすることが要になる。単元をクリアしてからでも、一定期間が経過すると忘れてしまうものなので、学習回数が多いものであっても、一定期間、学習していないものを出題対象にするよう構成する。これが本発明における自動出題である。このように構成することで、偏りがなく弱点が生じにくい自動出題が実現する。
【0011】
以下、図3のステップS5において、図2の単元ボタンのうち、「動物1」A3を選択した場合の画面を図4〜図8において説明する。 図4には「動物1」の英語を学ぶための画面100が表示されている。画面左上に「Animals1」と表示されており、この画面100が開くと英語で「Animals」という音声が再生されるようになっている。101は後述する連続再生ボタンであるが、一通りの学習を終えていないので、「連続再生 無効」と表示されている。102は「何年何月何日に練習したかという」学習履歴の表示部である。
103には亀のイラストが描かれたボタンであり、104は猫のイラストが描かれたボタンである。また105はウサギのイラストが描かれたボタンであり、106は犬のイラストが描かれたボタンである。これらの画像は図1に示す画像データベース1からチョイスされて描画される。なお、これらの画像はアニメGIFを使うなりして、動く画像として構成しても良い。
ちなみに、これらのイラストは小林ひろし氏の著作であり、出願人は使用許諾をいただいている。表示部107、108、109、110は未だ何も表示されていないが、それぞれボタン103、104、105、106に対応している。
【0012】
図5には、亀のイラストが描かれたボタン103がクリックされた時の様子を示す。ボタン103がクリックされると、図1で示した音声データベース3よりチョイスされた「turtle」という音声が音声の出力部9から再生される。
さらに、ボタン103の右側の表示部107に英語の文字「turtle」と日本語訳である「かめ」という文字が表示される。これにより、学習者はかめのイラスト、英語の発音、英語の文字、日本語訳を学ぶことができる。
【0013】
図6には、猫のイラストが描かれたボタン104がクリックされた時の様子を示す。ボタン104がクリックされると、図1で示した音声データベース3よりチョイスされた「cat」という音声が音声の出力部9から再生される。
さらに、ボタン104の右側の表示部108に英語の文字「cat」と日本語訳である「ねこ」という文字が表示される。これにより、学習者は猫のイラスト、英語の発音、英語の文字、日本語訳を学ぶことができる。
【0014】
またイラストではなく、写真画像を採用しても良い。例えば、ボタン106の場合に図13のYに示したように犬の写真画像P106を使用する構成を示す。
【0015】
図7には、全てのボタン103、104、105、106がクリックされた時の様子を示す。この時、101のボタン表記が「連続再生有効」に変化するとともに、表示部102に学習した日時(例えば2011/08/12)が表示される。またこの時に学習回数と学習した日時が図1に示す学習データ記録部10に記録されることになる。
【0016】
図8には、連続再生ボタン101をクリックした時の状態を示す。まず連続再生ボタン101の表記が「連続再生中」になり、連続再生がスタートする。この連続再生とは、例えば「turtle turtle cat cat rabbit rabbit dog dog」というものでも良い。あるいは、「かめ turtle ねこ cat うさぎ rabbit いぬ dog」と日本語と英語を交互に繰り返すものでも良い。「連続再生」の定義は少なくとも、この単元で学んだ「turtle cat rabbit dog」を一連に再生することである。
この連続再生中には、再生している音声に連動させて「どの英語が再生されているのか」を示す矢印111が表示される。この矢印111は、「turtle」という音声が再生されている時には、亀のイラストが描かれたボタン103の左隣に位置し、「cat」という音声が再生されている時には猫のイラストが描かれたボタン104の左隣に位置する。同様に「rabbit」という音声が再生されている時には、うさぎのイラストが描かれたボタン105の左隣に位置し、「dog」という音声が再生されている時には、犬のイラストが描かれたボタン106の左隣に位置するようタイミングを連動させる。
なお、このタイミングを調整した表示は矢印に限るものではない。例えば「turtle」が再生されている時には、亀のイラストが描かれているボタン103を強調表示したり、亀のイラストをアニメーションさせたりしても良い。また、英語の文字「turtle」と日本語訳である「亀」が表示された表示部107の文字の色を変えたり、点滅表示するといった方法をとることもできる。
また先ほど述べたように犬の写真画像を用いている場合には、図13に示したように「dog」と発音されている時にアニメーションしても良い。つまり、Y1、Y2、Y3の順に動画が再生されるよう構成する。これらを再生連動表示手段と呼ぶ。
【実施例2】
【0017】
図9に示されているものは、動物のイラストを描いたボタンをクリックすると、それに対応した英語の音声が再生される点で共通している。異なっている点は、イラストを描いたボタンをクリックすると、対応した音声が再生されると共に、そのボタンが消え、代わりに表示部が現れて英語の文字と日本語訳の文字が表示される点である。つまりボタンと表示部の位置が重なっている。
図9の201と202をご覧いただくとお分かりのように、既に「かめ」と「ねこ」がクリックされて音声が再生され、文字と日本語訳が表示された状態になっている。203と204はまだクリックされていないので、ウサギと犬のイラストが描かれたボタンをクリックすることができる。この実施例においても、第一実施例と同様に連続再生ボタンと学習履歴の表示部が設けられている。
なお、イラストを用いたがこれに代えて写真画像などでも構わない。例えば、犬のイラスト(動画)のアニメーションの例を図14に示す。ここでは連続再生時に「dog」の発音をしている最中に、そのタイミングに合わせて、犬の動画Y1、Y2、Y3と画面が変化する様子を示すケースを開示している。要するに連続再生中は、他のボタンなどの表示の代わりに動画表示をするようにしても良いということである。これも、再生中の音声に連動する再生連動表示手段の一例である。
また、説明の都合上、一単元あたり4つのイラストを表示するものを示したが、これに限定されるものではなく、5つでも8つでも10でも適当な数で良いことは言うまでもない。
【0018】
図10に基づいて制御のフローチャートを説明する。まずステップT1において学習フラグがリセットされる。この学習フラグが真になるのは、全ての単元を終えた時である。ステップT2において、連続再生ボタンが無効にされている。これが有効になるのも、全ての単元を終えた時である。
ステップT3において、画像ボタン103、104、105、106のいずれかがクリックされたかによって制御を分岐させている。クリックされていないNoの時にはループさせる。但し、ループさせるが他の制御の割り込みは許可するように待機していることになる。
ステップT3において、いずれかのボタンがクリックされたYesの時には、ステップT4に進み、対応する音声を再生する。更にステップT5に進み、対応する表示部107、108、109、110に英語の文字と日本語訳が表示される。この画像ボタンを押す順番は上から下に向けて順番にクリックしても良いし、また順番を気にせず、気になる画像ボタンをクリックしても良い。そこで各画像ボタンがクリックされたかを記憶するためにボタンのフラグがセットされる。
ステップT7において、全ての画像ボタンのフラグがセットされたかをチェックしている。Noの場合は先ほどと同じく待機モードに入る。Yesの場合には、ステップT8に進み、学習した日時を表示し、ステップT9で学習した日時を記録する。更にステップT10において、連続再生ボタンを有効にして、クリックイベントを受け取れるようにする。
【0019】
以上の説明においてはボタンクリックによる音声再生と英日表示をするものを示した。しかしながら、複数の動物が群れているイラストの場合とか、地図などのイラストの場合などのようにボタン配置が難しい場合がある。そのような場合には、図11に示したように縦横の座標によってエリアを決定し、ボタンの代わりにすることができる。図11においては、イラストを横方向(X軸方向)と縦方向(Y軸方向)の座標によってクリックした位置を検出する。すなわち、横方向(X1〜X15)と縦方向(Y1〜Y10)に分割している。説明の都合上、荒い分割でエリアを説明しているが、細かく設定する場合は画素単位で座標を決定しても良い。
例えばX2とY2で特定されるエリアには何もないが、X7とY8には猫の図があるエリア31であることが分かる。このように座標的な考え方を取り入れることによって、複雑なイラストや写真にも対応できる。
他に考えられるものとして、会話シーンにおけるふきだしのセリフや地図の国名など複数の英語を学習する場合に適している。あるいは人体のイラストを用いる場合、髪や眉や眼や鼻や口といったエリアを設定し、どこがクリックされたのかに応じて、英語の発音を行うことができる。この場合には英語や日本語訳はポップアップする窓によって表示するようにしても良い。図示や説明は省略したが、ここにも連続再生ボタンを設けると共に学習日時や学習回数を表示・記録できるように構成する。
【0020】
この図11において説明した制御のフローチャートを図12に基づいて説明する。まずステップU1において、イラストのマッピングデータを読み込む。次にステップU2において、クリックまたはタッチされた画面の指定箇所を取得する。続いてステップU3において指定箇所がエリアに一致しているかをチェックする。一致している(Yesの)時はステップU4に進み、英語の発音データをスピーカーで再生する。更にステップU5において、ポップアップウィンドウを開き、英語の文字と日本語訳を表示する。必ずしもポップアップウィンドウを使う必要はなく、イラストなどが描画されたエリア外に表示するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0021】
覚えたい外国語を学習システムの力を借りて、個々人が自由かつ合理的に学習することができる。外国語は、特に英語に限定されるものではなく、中国語やフランス語やドイツ語など様々な国の言語の学習にも利用できる。また単語に限らず文章や会話の学習にも利用できる。またこのシステムはパソコンの他にスマートフォン(携帯電話)で実施しても良い。
【符号の説明】
【0022】
1 画像データベース 2 テキストデータベース 3 音声データベース 4 エリア定義部 5 指定位置の取得部
6 日時の取得部 7 中央制御部 8 画面への表示部 9 音声の出力部 10 学習データ記録部
【技術分野】
【0001】
本発明は、英語や中国語やフランス語などの外国語の学習システムに関する。外国語の定義は母国語ではない言語を指す。
【背景技術】
【0002】
以降、外国語の一例として、英語を例にとって説明する。英語を学ぶ手段としては、基本的に教科書や受験参考書などの書籍の紙媒体で提供される。あるいは英語の発音を収録したCDが添付されている。あるいは下記のような公知文献が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-330353号公報
【特許文献2】特開2007-322951号公報
【特許文献3】特開2008-139826号公報
【特許文献4】特開2004-198818号公報 特許文献1には、学習する英単語毎に、その英単語が示す対象を表す絵と、その英単語に割り当てたコードを示すコードマークを印刷したカードを設け、言語学習装置は、カードを挿入するためのカードスロットを有し、カードスロットに装着されたカードに印刷されたコードマークを、フォトリフレクタによって構成したコードリーダによって光学的に読み取り、読み取ったコードマークが表すコードに対応する当該コードの英単語を発声した音声データを、各コードに対応する音声データを予め記憶しておいたメモリより読み出して、スピーカに再生出力するよう構成する技術思想が開示されている。 特許文献2には、カード上に学習情報を簡潔に記載し、そのうちの音声に関する情報をデジタル化(プログラム化してCD-ROMやハードディスクなどの記録媒体に格納)して音声システムと連動させることにより、利用者が容易にかつ反復して音声情報に触れることができるようにする構成が記載されている。 特許文献3には、シートは犬の画像など人が認識できる画像と2次元バーコードなどの機械可読な図形も備え、電子読取機で図形をスキャンし、例えば「dog」などの単語を発音した音声を再生する。綴り「D−O−G」などのアルファベット文字は2次元バーコード上に直接印刷され、2次元バーコードは順方向に読み込んで英単語「dog」を発音することができるようにした構成が記載されている。 特許文献4には、複数のシートを綴じることにより形成されかつ該シートに少なくとも言語が設けられた言語シート冊子部であって、各見開き面の右側頁シート略中央部で内側に折り返して折り返し頁シートを形成した前記言語シート冊子部と、前記言語の単語の発音に対応する音声データが記録されたデータ記録部と該音声データを再生出力するデータ再生部とを有するデータ記録再生部とを備え、前記言語シート冊子部の見開き左側頁、見開き右側頁、前記折り返し頁シートの内側頁及び外側頁には夫々、前記言語の単語の意味と関連したイラスト、前記単語、前記単語の用例及び前記単語の書き込み部が設けられている語学の学習用教材が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1)しかし、外国語の学習はひとつひとつを対象にして学ぶのではなく、複数をひとまとめの単元にして学ぶ方が効率的である。
(2)外国語は、複数の単元を学んだ後に、すぐ復習しないと忘れてしまう。
(3)また、再生連動表示手段を設けた場合、復習はできるが、どれを再生しているのか分かりにくい問題がある。
(4)個々の単元をいつ学んだのかを記憶することが難しい。学習してからしばらく経過する前に復習しないと、すっかり忘れてしまうことがある。
(5)効率的に学ぶために、学習日時を参照して単元を抽出することが重要になるが、その作業が煩雑である。
(6)個々の単元を何回学んだのかを記憶することが難しい。学習回数が少ない単元は身につかない恐れがある。
(7)効率的に学ぶために、学習回数を参照して単元を抽出することが重要になるが、その作業が煩雑である。
(8)一つの画像に一つの外国語をリンクさせる方式では、会話シーンや地図の国名など複数の外国語を学習するのに難点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は下記のように構成したものである。
(1)画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、個々の出題データをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語の学習システムにおいて、この出題データを複数個用意して単元群に構成するとともに、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生する音声データ連続再生手段を設けたものである。
(2)また、音声データ連続再生手段は、その単元の全ての出題データが指定された時に初めて有効になるように構成したものである。
(3)さらに、音声データ連続再生手段は、再生中の音声に連動する再生連動表示手段を備えたものである。
(4)画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した日時を表示し、記録する単元学習日時の記録手段を設けたものである。
(5)また、単元学習日時に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたものである。
(6)画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して一単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した回数を表示し、記録する単元学習回数の記録手段を設けたものである。
(7)また、単元学習回数に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたものである。
(8)画像データをモニタ画面に表示すると共に、画像データに応じてエリアを設定し、その画像に対応するエリアをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、指定されたエリアに応じて外国語の音声をスピーカーで再生するようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
(1)本発明のひとつの効果は、個々に指定して音声を学べると共に、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生することにより、連続再生でも学習することができる。
(2)本発明のひとつの効果は、個々に指定して一単元の外国語の音声を全て学んだ後に初めて、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生することが出来るようになるから、個々の外国語を学んだ後に連続再生で復習することができ、記憶を強固なものにすることができる。
(3)連続再生中に音声に連動する再生連動表示手段を設けたから、どれを復習しているか把握しやすい。
(4)本発明のひとつの効果は、個々に指定して一単元の外国語の音声を全て学んだ後に初めて、その単元を学んだ日時が記録されるから、単元ごとの学習進行度を学習者が把握できる。
(5)また、単元学習日時に基づいて自動的に単元を選択するから、学んだ日付に対応して学習することができる。
(6)本発明のひとつの効果は、個々に指定して一単元の外国語の音声を全て学んだ後に初めて、その単元を学んだ回数が記録されるから、単元ごとの習熟度を学習者が把握できる。
(7)また、単元学習回数に基づいて自動的に単元を選択するから、学んだ回数に対応して学習することができる。
(8)画像データに応じてエリアを設定し、その画像をポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、指定されたエリアに応じて外国語の音声をスピーカーで再生するようにしたから、画像データの自由な座標位置で外国語の音声を学習するよう設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】はシステムの全体構成を示す。
【図2】はモニタに表示される総合メニュー画面を示す。
【図3】は総合メニューのフローチャートを示す。
【図4】と
【図5】と
【図6】と
【図7】と
【図8】は、単元メニュー画面を示す。
【図9】は別実施例における単元メニュー画面を示す。
【図10】は単元メニューの制御フローチャートを示す。
【図11】は、画面のイラストをXY方向でエリア分けする場合の説明図を示し、
【図12】はエリア分けした時の制御フローチャートを示している。また
【図13】ではイラストの代わりに写真を用いたものが示されている。
【図14】では動画(アニメーション)の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
第1図に基づいて本発明の概要を説明する。以下においては、外国語として英語を学習する場合として説明する。図1は、システムの全体構成を示す模式図である。中央制御装置7には、複数の画像を蓄積した画像データベース1と英語や日本語訳のテキストを蓄積したテキストデータベース2と音声データベース3とが接続されている。また画像の座標にどの音声データを対応させるかのエリア定義部4、ポインティングデバイス(マウスによるクリックなど)またはタッチデバイス(タッチパネルなどによるモニター接触やタッチパッドなども含む)といった指定位置の取得部5、日時の取得部6が接続される。
さらに前記中央制御装置7には、画像またはテキストなどを画面に表示する画面への表示部8と、音声の出力部9と学習日や学習回数といった学習データ記録部10が接続されている。
【0009】
図2は、最初にモニタに表示される総合メニューAを示したものである。各単元ごとにボタンA1〜A8が対応している。 ボタンA1には「植物1 7回」「8/10」と表示されている。これは「植物1」という単元を7回学習したことを示し、最近の学習日が2011年8月10日であることを示している。ボタンA2には「植物2 5回」「8/11」と表示されている。これは「植物1」という単元を5回学習したことを示し、最近の学習日が2011年8月11日であることを示している。図で説明する都合で西暦を省いたが、当然のことながら「2011/08/10」と表示する方が望ましい。
ボタンA3には「動物1」とのみ表示されている。これは「動物1」という単元は1回も学習していないことを示す。 これらの学習回数や学習日付は図1で説明したうちの学習データ記録部10から読みだされて表示される。
ボタンA4には「動物2」と表示されている。以下同様に、ボタンA5には「色1」、ボタンA6には「色2」、ボタンA7には「食べ物1」、ボタンA8には「食べ物2」と表示されている。このような画面は複数あるので、前頁ボタンA9と次頁ボタンA10が設けられる。なお、図2において、カレンダーを表示(図示は省略した)させることによって、何月何日に学習したかを表示するように構成すれば、学習日を視覚的に把握することが可能となる。
また自動出題を望むケースのためにボタンA11が設けられている。またこのメニュー窓を閉じるためにクローズボタンA12が設けられる。このクローズボタンは以降、その都度の説明は省略する。またボタンと表現したが、別にボタンというオブジェクトでなくても、該当するエリアのクリック座標を指定した場合も含まれる。
上述したこれらのボタンは、ポインティングデバイス(マウスやライトペンやジョイスティックなど)またはタッチデバイス(タッチパネル)などで指定することにより操作位置を特定され、図1で触れた指定位置の取得部5によりボタンが指定されたことを検出して所定の制御を行う。以降は説明を簡略にするために、「ボタンがクリックされたか」という表現を用いるが、これに限定されるものではない。
【0010】
図3は総合メニューの制御フローチャートを示す。まずステップS1において、単元ごとの学習回数を取得して表示する。次にステップS2において、単元ごとの最新学習日を取得して表示する。これは図2で説明した通りである。次に自動出題モードか否かを判定する。これは図2で示した自動出題ボタンA11がクリックされたか否かで判定する。
自動出題モードの場合はステップS4に進み、「学習回数が少ないか、または最近学習をしていない単元を自動選択」して実行する。自動出題モードでない場合には、ステップS5において、学習者が指定した単元の学習を手動で実行する。
ここで自動出題モードについて、もう少し詳細に説明する。創意工夫を凝らすのは、この点だからである。基本的には単元ごとの学習回数が偏らないようにしなければならない。しかし、最初のうちは基礎的な単元を繰り返し学習する方が効果的なので、以下のアルゴリズムで処理する。
まず学習回数が一定回数を越えるまでは、次の単元を選択しないよう構成する。ある程度の学習回数をこなした時に初めて、次の単元に進めるようにすることが要になる。単元をクリアしてからでも、一定期間が経過すると忘れてしまうものなので、学習回数が多いものであっても、一定期間、学習していないものを出題対象にするよう構成する。これが本発明における自動出題である。このように構成することで、偏りがなく弱点が生じにくい自動出題が実現する。
【0011】
以下、図3のステップS5において、図2の単元ボタンのうち、「動物1」A3を選択した場合の画面を図4〜図8において説明する。 図4には「動物1」の英語を学ぶための画面100が表示されている。画面左上に「Animals1」と表示されており、この画面100が開くと英語で「Animals」という音声が再生されるようになっている。101は後述する連続再生ボタンであるが、一通りの学習を終えていないので、「連続再生 無効」と表示されている。102は「何年何月何日に練習したかという」学習履歴の表示部である。
103には亀のイラストが描かれたボタンであり、104は猫のイラストが描かれたボタンである。また105はウサギのイラストが描かれたボタンであり、106は犬のイラストが描かれたボタンである。これらの画像は図1に示す画像データベース1からチョイスされて描画される。なお、これらの画像はアニメGIFを使うなりして、動く画像として構成しても良い。
ちなみに、これらのイラストは小林ひろし氏の著作であり、出願人は使用許諾をいただいている。表示部107、108、109、110は未だ何も表示されていないが、それぞれボタン103、104、105、106に対応している。
【0012】
図5には、亀のイラストが描かれたボタン103がクリックされた時の様子を示す。ボタン103がクリックされると、図1で示した音声データベース3よりチョイスされた「turtle」という音声が音声の出力部9から再生される。
さらに、ボタン103の右側の表示部107に英語の文字「turtle」と日本語訳である「かめ」という文字が表示される。これにより、学習者はかめのイラスト、英語の発音、英語の文字、日本語訳を学ぶことができる。
【0013】
図6には、猫のイラストが描かれたボタン104がクリックされた時の様子を示す。ボタン104がクリックされると、図1で示した音声データベース3よりチョイスされた「cat」という音声が音声の出力部9から再生される。
さらに、ボタン104の右側の表示部108に英語の文字「cat」と日本語訳である「ねこ」という文字が表示される。これにより、学習者は猫のイラスト、英語の発音、英語の文字、日本語訳を学ぶことができる。
【0014】
またイラストではなく、写真画像を採用しても良い。例えば、ボタン106の場合に図13のYに示したように犬の写真画像P106を使用する構成を示す。
【0015】
図7には、全てのボタン103、104、105、106がクリックされた時の様子を示す。この時、101のボタン表記が「連続再生有効」に変化するとともに、表示部102に学習した日時(例えば2011/08/12)が表示される。またこの時に学習回数と学習した日時が図1に示す学習データ記録部10に記録されることになる。
【0016】
図8には、連続再生ボタン101をクリックした時の状態を示す。まず連続再生ボタン101の表記が「連続再生中」になり、連続再生がスタートする。この連続再生とは、例えば「turtle turtle cat cat rabbit rabbit dog dog」というものでも良い。あるいは、「かめ turtle ねこ cat うさぎ rabbit いぬ dog」と日本語と英語を交互に繰り返すものでも良い。「連続再生」の定義は少なくとも、この単元で学んだ「turtle cat rabbit dog」を一連に再生することである。
この連続再生中には、再生している音声に連動させて「どの英語が再生されているのか」を示す矢印111が表示される。この矢印111は、「turtle」という音声が再生されている時には、亀のイラストが描かれたボタン103の左隣に位置し、「cat」という音声が再生されている時には猫のイラストが描かれたボタン104の左隣に位置する。同様に「rabbit」という音声が再生されている時には、うさぎのイラストが描かれたボタン105の左隣に位置し、「dog」という音声が再生されている時には、犬のイラストが描かれたボタン106の左隣に位置するようタイミングを連動させる。
なお、このタイミングを調整した表示は矢印に限るものではない。例えば「turtle」が再生されている時には、亀のイラストが描かれているボタン103を強調表示したり、亀のイラストをアニメーションさせたりしても良い。また、英語の文字「turtle」と日本語訳である「亀」が表示された表示部107の文字の色を変えたり、点滅表示するといった方法をとることもできる。
また先ほど述べたように犬の写真画像を用いている場合には、図13に示したように「dog」と発音されている時にアニメーションしても良い。つまり、Y1、Y2、Y3の順に動画が再生されるよう構成する。これらを再生連動表示手段と呼ぶ。
【実施例2】
【0017】
図9に示されているものは、動物のイラストを描いたボタンをクリックすると、それに対応した英語の音声が再生される点で共通している。異なっている点は、イラストを描いたボタンをクリックすると、対応した音声が再生されると共に、そのボタンが消え、代わりに表示部が現れて英語の文字と日本語訳の文字が表示される点である。つまりボタンと表示部の位置が重なっている。
図9の201と202をご覧いただくとお分かりのように、既に「かめ」と「ねこ」がクリックされて音声が再生され、文字と日本語訳が表示された状態になっている。203と204はまだクリックされていないので、ウサギと犬のイラストが描かれたボタンをクリックすることができる。この実施例においても、第一実施例と同様に連続再生ボタンと学習履歴の表示部が設けられている。
なお、イラストを用いたがこれに代えて写真画像などでも構わない。例えば、犬のイラスト(動画)のアニメーションの例を図14に示す。ここでは連続再生時に「dog」の発音をしている最中に、そのタイミングに合わせて、犬の動画Y1、Y2、Y3と画面が変化する様子を示すケースを開示している。要するに連続再生中は、他のボタンなどの表示の代わりに動画表示をするようにしても良いということである。これも、再生中の音声に連動する再生連動表示手段の一例である。
また、説明の都合上、一単元あたり4つのイラストを表示するものを示したが、これに限定されるものではなく、5つでも8つでも10でも適当な数で良いことは言うまでもない。
【0018】
図10に基づいて制御のフローチャートを説明する。まずステップT1において学習フラグがリセットされる。この学習フラグが真になるのは、全ての単元を終えた時である。ステップT2において、連続再生ボタンが無効にされている。これが有効になるのも、全ての単元を終えた時である。
ステップT3において、画像ボタン103、104、105、106のいずれかがクリックされたかによって制御を分岐させている。クリックされていないNoの時にはループさせる。但し、ループさせるが他の制御の割り込みは許可するように待機していることになる。
ステップT3において、いずれかのボタンがクリックされたYesの時には、ステップT4に進み、対応する音声を再生する。更にステップT5に進み、対応する表示部107、108、109、110に英語の文字と日本語訳が表示される。この画像ボタンを押す順番は上から下に向けて順番にクリックしても良いし、また順番を気にせず、気になる画像ボタンをクリックしても良い。そこで各画像ボタンがクリックされたかを記憶するためにボタンのフラグがセットされる。
ステップT7において、全ての画像ボタンのフラグがセットされたかをチェックしている。Noの場合は先ほどと同じく待機モードに入る。Yesの場合には、ステップT8に進み、学習した日時を表示し、ステップT9で学習した日時を記録する。更にステップT10において、連続再生ボタンを有効にして、クリックイベントを受け取れるようにする。
【0019】
以上の説明においてはボタンクリックによる音声再生と英日表示をするものを示した。しかしながら、複数の動物が群れているイラストの場合とか、地図などのイラストの場合などのようにボタン配置が難しい場合がある。そのような場合には、図11に示したように縦横の座標によってエリアを決定し、ボタンの代わりにすることができる。図11においては、イラストを横方向(X軸方向)と縦方向(Y軸方向)の座標によってクリックした位置を検出する。すなわち、横方向(X1〜X15)と縦方向(Y1〜Y10)に分割している。説明の都合上、荒い分割でエリアを説明しているが、細かく設定する場合は画素単位で座標を決定しても良い。
例えばX2とY2で特定されるエリアには何もないが、X7とY8には猫の図があるエリア31であることが分かる。このように座標的な考え方を取り入れることによって、複雑なイラストや写真にも対応できる。
他に考えられるものとして、会話シーンにおけるふきだしのセリフや地図の国名など複数の英語を学習する場合に適している。あるいは人体のイラストを用いる場合、髪や眉や眼や鼻や口といったエリアを設定し、どこがクリックされたのかに応じて、英語の発音を行うことができる。この場合には英語や日本語訳はポップアップする窓によって表示するようにしても良い。図示や説明は省略したが、ここにも連続再生ボタンを設けると共に学習日時や学習回数を表示・記録できるように構成する。
【0020】
この図11において説明した制御のフローチャートを図12に基づいて説明する。まずステップU1において、イラストのマッピングデータを読み込む。次にステップU2において、クリックまたはタッチされた画面の指定箇所を取得する。続いてステップU3において指定箇所がエリアに一致しているかをチェックする。一致している(Yesの)時はステップU4に進み、英語の発音データをスピーカーで再生する。更にステップU5において、ポップアップウィンドウを開き、英語の文字と日本語訳を表示する。必ずしもポップアップウィンドウを使う必要はなく、イラストなどが描画されたエリア外に表示するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0021】
覚えたい外国語を学習システムの力を借りて、個々人が自由かつ合理的に学習することができる。外国語は、特に英語に限定されるものではなく、中国語やフランス語やドイツ語など様々な国の言語の学習にも利用できる。また単語に限らず文章や会話の学習にも利用できる。またこのシステムはパソコンの他にスマートフォン(携帯電話)で実施しても良い。
【符号の説明】
【0022】
1 画像データベース 2 テキストデータベース 3 音声データベース 4 エリア定義部 5 指定位置の取得部
6 日時の取得部 7 中央制御部 8 画面への表示部 9 音声の出力部 10 学習データ記録部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、個々の出題データをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語の学習システムにおいて、この出題データを複数個用意して単元群に構成するとともに、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生する音声データ連続再生手段を設けたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項2】
特許請求の範囲第1項において、音声データ連続再生手段は、その単元の全ての出題データが指定された時に初めて有効になるように構成したことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項3】
特許請求の範囲第1項または第2項において、音声データ連続再生手段は、再生中の音声に連動する再生連動表示手段を備えたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項4】
画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した日時を表示し、記録する単元学習日時の記録手段を設けたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項5】
特許請求の範囲第4項において、単元学習日時に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項6】
画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して一単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した回数を表示し、記録する単元学習回数の記録手段を設けたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項7】
特許請求の範囲第6項において、単元学習回数に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項8】
画像データをモニタ画面に表示すると共に、画像データに応じてエリアを設定し、その画像に対応するエリアをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、指定されたエリアに応じて外国語の音声をスピーカーで再生するようにしたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項1】
画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、個々の出題データをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語の学習システムにおいて、この出題データを複数個用意して単元群に構成するとともに、一単元の中の外国語の音声をスピーカーで連続的に再生する音声データ連続再生手段を設けたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項2】
特許請求の範囲第1項において、音声データ連続再生手段は、その単元の全ての出題データが指定された時に初めて有効になるように構成したことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項3】
特許請求の範囲第1項または第2項において、音声データ連続再生手段は、再生中の音声に連動する再生連動表示手段を備えたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項4】
画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した日時を表示し、記録する単元学習日時の記録手段を設けたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項5】
特許請求の範囲第4項において、単元学習日時に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項6】
画像データまたは外国語文字データまたは日本語文字データを出題データとして、モニタ画面に出題表示し、ポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、出題に対応する外国語の音声をスピーカーで再生するようにした外国語学習ソフトにおいて、出題データを複数個用意して一単元にするとともに、その単元の全ての出題データが指定された時に学習した回数を表示し、記録する単元学習回数の記録手段を設けたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項7】
特許請求の範囲第6項において、単元学習回数に基づいて自動的に単元を選択する自動出題モードを備えたことを特徴とする外国語の学習システム
【請求項8】
画像データをモニタ画面に表示すると共に、画像データに応じてエリアを設定し、その画像に対応するエリアをポインティングデバイスまたはタッチデバイスで指定することにより、指定されたエリアに応じて外国語の音声をスピーカーで再生するようにしたことを特徴とする外国語の学習システム
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−88732(P2013−88732A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231320(P2011−231320)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(398012993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(398012993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]