説明

外壁パネルの支持構造

【課題】耐震性に優れると共に、構造躯体に対する外壁パネルの取付けを容易にすることができる外壁パネルの支持構造を提供する。
【解決手段】外壁パネルとしてのロックウールパネル18の支持構造は、建築用のロックウールパネル18が外壁パネル側金具15と構造躯体側金具12を介して構造躯体としてのH型鋼11に支持されて構成されている。ロックウールパネル18の上部は、外壁パネル側金具15と構造躯体側金具12を介してH型鋼11に固着されている。ロックウールパネル18の下部における外壁パネル側金具15は構造躯体側金具12に対して緩着されている。外壁パネル側金具15としての下部中間支持材30の水平片30aには緩着用ボルト35の軸部35aが挿通される挿通孔36が形成されると共に、構造躯体側金具12には緩着用ボルト35の軸部35aが遊嵌されるルーズ孔13が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばロックウールパネルよりなる外壁パネルを建築物の構造躯体に支持するための外壁パネルの支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の外壁パネルの支持構造として具体的には、次のような構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。すなわち、係る外壁パネルの支持構造では、ファスナーを用いて外壁パネルを構造躯体に接合する外壁パネル接合構造であって、ファスナーに設けられたファスナー仮固定手段と、構造躯体側に設けられたコンクリート止め兼用L字型部材とを備えている。前記ファスナー仮固定手段は、外壁パネルの出入りを調整可能に保持する出入調整ボルトを有する保持部を備えている。そして、ファスナーを下側外壁パネルに先付けし、下側外壁パネルを所定位置に設置した後、ファスナー仮固定手段によりファスナーをアングルに仮固定する。その後、レベル調整ボルトによりレベルを調整し、出入調整ボルトにより出入りを調整した後、ファスナー仮固定手段を取り外す。これと同様にして、上側外壁パネルをセットする。
【特許文献1】特開2006−97276号公報(第2〜4頁及び図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1に記載されている外壁パネルの支持構造においては、外壁パネルの上部及び下部がファスナー及びL字型部材を介して構造躯体に固着されている。つまり、外壁パネル全体が構造躯体に対して所定位置に固定されている。このため、地震などによって構造躯体に応力が作用した場合には、その応力がそのまま外壁パネルに作用することから、外壁パネルが変形して損傷を受けたり、外壁パネル同士が接触して破損したりする場合があった。さらに、外壁パネルを構造躯体に支持させるときには、外壁パネルの上部、下部などの全体に渡ってファスナー及びL字型部材を介し、ボルトをナットに螺合させて構造躯体に連結する必要があった。このため、外壁パネルを構造躯体に支持させる作業が非常に面倒であった。
【0004】
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、耐震性に優れると共に、構造躯体に対する外壁パネルの取付けを容易にすることができる外壁パネルの支持構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る外壁パネルの支持構造は、建築用の外壁パネルが外壁パネル側金具と構造躯体側金具を介して構造躯体に支持される外壁パネルの支持構造において、前記外壁パネルの上部が外壁パネル側金具と構造躯体側金具を介して構造躯体に固着されると共に、外壁パネルの下部における外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係る外壁パネルの支持構造は、請求項1に係る発明において、前記外壁パネルは、金属板の間に無機質繊維が充填されたロックウールパネルであることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に係る外壁パネルの支持構造は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記外壁パネル側金具には緩着用ボルトの軸部が挿通される挿通孔が形成されると共に、構造躯体側金具には緩着用ボルトの軸部が遊嵌されるルーズ孔が形成され、緩着用ボルトが外壁パネル側金具の挿通孔から構造躯体側金具のルーズ孔に挿通されて緩着されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に係る外壁パネルの支持構造は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記外壁パネルの上部は、構造躯体側金具に設けられる長孔と外壁パネル側金具に設けられる長孔とを利用し、ボルト及びナットで位置調節可能に構造躯体に締付けられて固着されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に係る外壁パネルの支持構造は、請求項1から請求項4のいずれか一項に係る発明において、前記構造躯体側金具には複数のルーズ孔が設けられ、隣接する外壁パネルの下部における各外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されるように構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
【0011】
請求項1に係る外壁パネルの支持構造では、外壁パネルの上部が外壁パネル側金具と構造躯体側金具を介して構造躯体に固着されると共に、外壁パネルの下部における外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されている。すなわち、外壁パネルはその上部で構造躯体に固定され、その下部で緩く取着されている。このため、構造躯体に応力が加わったとき、その応力により外壁パネルの下部が構造躯体に対して相対移動でき、前記応力が外壁パネルの下部に作用することが回避される。さらに、外壁パネルの下部における外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されているため、外壁パネル側金具を構造躯体側金具に固定する作業が不要となる。従って、請求項1に係る発明の外壁パネルの支持構造では、耐震性に優れると共に、構造躯体に対する外壁パネルの取付けを容易にすることができる。
【0012】
請求項2に係る外壁パネルの支持構造では、外壁パネルは金属板の間に無機質繊維が充填されたロックウールパネルであることから、軽量化を図ることができると共に、請求項1に係る発明の効果を向上させることができる。
【0013】
請求項3に係る外壁パネルの支持構造では、外壁パネル側金具には緩着用ボルトの軸部が挿通される挿通孔が形成されると共に、構造躯体側金具には緩着用ボルトの軸部が遊嵌されるルーズ孔が形成され、緩着用ボルトが外壁パネル側金具の挿通孔から構造躯体側金具のルーズ孔に挿通されて緩着されるように構成されている。このため、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、外壁パネルの支持構造を簡易にできると共に、外壁パネルの取付作業を容易に行うことができる。
【0014】
請求項4に係る外壁パネルの支持構造では、外壁パネルの上部は、構造躯体側金具に設けられる長孔と外壁パネル側金具に設けられる長孔とを利用し、ボルト及びナットで位置調節可能に構造躯体に締付けられて固着されている。このため、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、外壁パネルの上部を構造躯体に対して所定位置に配置して容易に固着することができる。
【0015】
請求項5に係る外壁パネルの支持構造では、構造躯体側金具には複数のルーズ孔が設けられ、隣接する外壁パネルの下部における各外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されるように構成されている。このため、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、構成を簡易にできると共に、構造躯体に対する外壁パネルの取付作業を速やかに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良と思われる実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、建築物の構造躯体(梁など)を構成するH型鋼(横H型に配置)11の上面には、断面コの字状をなす構造躯体側金具12が溶接固定されている。該構造躯体側金具12の上面には左右一対の円孔状をなすルーズ孔13が貫通形成されている。構造躯体側金具12の前面には垂直方向に長い2つ一組の長孔14が左右に一対透設されている。外壁パネル側金具15を構成するパネル上部支持材16及びパネル下部支持材17は断面横L字状に形成され、それらの前部片16a、17aにはそれぞれ外壁パネルとしてのロックウールパネル18の上部及び下部がリベット等の手段により取付けられるようになっている。
【0018】
ロックウールパネル18は、金属板の間にロックウール等の無機質繊維が充填された構造のものである。ロックウールは、岩石又は製鉄等の副産物である鉱さいを主原料とし、これをコークスと共に約1500℃の高温で溶融し、遠心力等で吹き飛ばして繊維化されたものである。このロックウールは、ケイ酸、アルミナ、酸化カルシウム等の無機成分を含有し、不燃性で、軽量であり、断熱性や吸音性の高い材料である。
【0019】
図1及び図4に示すように、パネル上部支持材16の側部片16bには、垂直方向に長い長孔19が透設されている。このパネル上部支持材16と前記構造躯体側金具12との間には、外壁パネル側金具15としての断面L字状をなす上部中間支持材20が配置される。上部中間支持材20は、パネル上部支持材16の側部片16bに対向する短片20aと、構造躯体側金具12に対向する長片20bとより構成されている。係る短片20aには水平方向に長い長孔21が透設され、ボルト22を該短片20aの長孔21とパネル上部支持材16の側部片16bの長孔19に挿通してワッシャー23を介しナット24で締付けるようになっている。この場合、パネル上部支持材16の側部片16bの長孔19は垂直方向に延び、上部中間支持材20の短片20aの長孔21は水平方向に延びているため、上下左右の位置調整を行うことができ、位置調整後の状態で締付けることができる。
【0020】
上部中間支持材20の長片20bにも水平方向に長い一対の長孔25が透設され、ボルト26を該長孔25に挿通し、さらに構造躯体側金具12の前記長孔14に挿通しワッシャー27を介しナット28で締付けるようになっている。この場合も、構造躯体側金具12の前面の長孔14は垂直方向に延び、上部中間支持材20の長片20bの長孔25は水平方向に延びているため、上下左右の位置調整を行い、締付けることができる。
【0021】
図1及び図3に示すように、前記パネル下部支持材17の側部片17bには上下一対の円孔29が透設されている。前記構造躯体側金具12とパネル下部支持材17との間には、断面L字状をなす下部中間支持材30が配置されている。この下部中間支持材30は、水平片30aとその一側縁から上方へ垂直に立ち上がる垂直片30bとより構成されている。該垂直片30bには上下一対の円孔31が透設され、ボルト32をそれら円孔31及びパネル下部支持材17の側部片17bの円孔29に挿通しワッシャー33を介しナット34で締付けるようになっている。
【0022】
下部中間支持材30の水平片30aには、緩着用ボルト35の軸部35aが挿通される挿通孔36が穿設されている。そして、係る挿通孔36に上方から緩着用ボルト35が挿通され、その緩着用ボルト35の軸部35aに緩着用ナット37が螺合され、さらに緩着用ボルト35の軸部35aが四角板状のプレート材38に透設された貫通孔39を通り、前記構造躯体側金具12のルーズ孔13に挿入されるようになっている。すなわち、ロックウールパネル18の下部における外壁パネル側金具15が構造躯体側金具12に対して緩着されている。ここで、緩着とは外壁パネル側金具15が構造躯体側金具12に対して緩く取付けられ、相対移動可能であることを意味する。ルーズ孔13の直径は緩着用ボルト35の軸部35aの直径より所定量だけ大きく設定され、緩着用ボルト35の軸部35aが所定範囲内で動くことができるように構成されている。例えば、緩着用ボルト35の軸部35aの直径が22mm及びルーズ孔13の直径が35mmに設定される。この場合、ルーズ孔13の直径は、20〜70mmの範囲に設定されることが好ましい。
【0023】
H型鋼11が地震などにより応力を受けて動いたとき、緩着用ボルト35の軸部35aがルーズ孔13の大きさの範囲で動く。このとき、プレート材38の下面が構造躯体側金具12の上面に摺動するため、プレート材38の下面又は構造躯体側金具12の上面にシート状の滑り材を設けたり、滑り材を塗布形成したりすることが望ましい。図2に示すように、緩着用ナット37は緩着用ボルト35の軸部35aの所定位置で溶接され、構造躯体側金具12と下部中間支持材30との間隔、すなわち上部位置のロックウールパネル18と下部位置のロックウールパネル18との間隔を一定に保持するように構成されている。なお、上部位置のロックウールパネル18と下部位置のロックウールパネル18とをH型鋼11に支持した状態で、両ロックウールパネル18間の隙間(目地)は封止材40によって封止されると共に、水切板41が目地に沿って延びるように取着されている。
【0024】
次に、本実施形態のロックウールパネル18の支持構造の形成方法について順に説明する。上部中間支持材20の長孔21とパネル上部支持材16の長孔19にボルト22を挿通しワッシャー23を介しナット24で締付けることにより、上部中間支持材20をパネル上部支持材16に取付ける。このとき、上部中間支持材20の長孔21は水平方向に延び、パネル上部支持材16の長孔19は垂直方向に延びているため、上部中間支持材20がパネル上部支持材16に上下左右へ位置調節をして取付けられる。続いて、下部中間支持材30の垂直片30bの円孔31とパネル下部支持材17の側部片17bの円孔29にボルト32を挿通しワッシャー33を介してナット34で締付けることにより、下部中間支持材30がパネル下部支持材17に取付けられる。
【0025】
次いで、上部中間支持材20が取付けられたパネル上部支持材16がロックウールパネル18の上部裏面の左右2箇所にリベットにより固定されると共に、下部中間支持材30が取付けられたパネル下部支持材17がロックウールパネル18の下部裏面の左右2箇所にリベットで固定される。その後、ロックウールパネル18をクレーンなどで吊下した状態で、上部中間支持材20の長孔25及び構造躯体側金具12の長孔14にボルト26を挿通してナット28で締付けることにより、ロックウールパネル18の上部がH型鋼11に固着される。このとき、上部中間支持材20の長孔25は水平方向に延び、構造躯体側金具12の長孔14は垂直方向に延びているため、上部中間支持材20が構造躯体側金具12に上下左右へ位置調節をして取付けられる。
【0026】
次に、下部中間支持材30の挿通孔36に上方から緩着用ボルト35の軸部35aを挿通し、挿通された軸部35aに緩着用ナット37を所定位置まで螺合し、さらに軸部35aがプレート材38の貫通孔39に挿通され、構造躯体側金具12のルーズ孔13に挿入される。このとき、緩着用ボルト35の頭部35bが下部中間支持材30の水平片30aの上面に溶接されて移動不能に固定されると共に、緩着用ナット37が緩着用ボルト35の軸部35aに溶接されて所定位置に位置決め固定される。このようにして、ロックウールパネル18の下部における外壁パネル側金具15が構造躯体側金具12に対して緩着される。
【0027】
上記の実施形態によって発揮される作用及び効果を以下にまとめて記載する。
【0028】
・ この実施形態のロックウールパネル18の支持構造では、ロックウールパネル18の上部が外壁パネル側金具15と構造躯体側金具12を介してH型鋼11に固着されると共に、ロックウールパネル18の下部における外壁パネル側金具15が構造躯体側金具12に対して緩着されている。つまり、ロックウールパネル18はその上部でH型鋼11に固定され、その下部で緩く取着されている。このため、H型鋼11に地震等により応力が加わったとき、その応力によりロックウールパネル18の下部がH型鋼11に対して相対移動し、応力がロックウールパネル18の下部に作用することが回避される。加えて、ロックウールパネル18の下部における外壁パネル側金具15が構造躯体側金具12に対して緩着されているため、外壁パネル側金具15を構造躯体側金具12に固定する作業が不要となる。従って、本実施形態のロックウールパネル18の支持構造では、耐震性に優れると共に、H型鋼11に対するロックウールパネル18の取付けを容易に行うことができる。
【0029】
・ 外壁パネルとしてロックウールパネル18を使用することにより、十分な軽量化を図ることができると共に、耐震性及び作業性(施工性)を格段に向上させることができる。
【0030】
・ 外壁パネル側金具15としての下部中間支持材30には緩着用ボルト35の軸部35aが挿通される挿通孔36が形成されると共に、構造躯体側金具12には緩着用ボルト35の軸部35aが遊嵌されるルーズ孔13が形成されている。そして、緩着用ボルト35が下部中間支持材30の挿通孔36から構造躯体側金具12のルーズ孔13に挿通されて緩着されるように構成されている。このため、ロックウールパネル18の支持構造を簡易にできると共に、ロックウールパネル18の取付作業を容易に行うことができる。
【0031】
・ ロックウールパネル18の上部は、構造躯体側金具12に設けられる長孔14と外壁パネル側金具15を構成する上部中間支持材20に設けられた長孔25とを利用してボルト26及びナット28で位置調節可能に形成されている。さらに、上部中間支持材20に設けられる長孔21と外壁パネル側金具15を構成するパネル上部支持材16に設けられた長孔19とを利用してボルト22及びナット24で位置調節可能に形成されている。そして、外壁パネル側金具15がH型鋼11に締付けられて固着される。従って、ロックウールパネル18の上部をH型鋼11に対して左右方向及び前後方向における所定位置に配置した状態で、容易に固着することができる。
【0032】
・ 構造躯体側金具12には複数のルーズ孔13が設けられ、隣接するロックウールパネル18の下部における各外壁パネル側金具15が構造躯体側金具12に対して緩着されるように構成されている。このように、1つの構造躯体側金具12に隣接する複数のロックウールパネル18を取付けることができ、構成を簡易にできると共に、H型鋼11に対するロックウールパネル18の取付作業を速やかに行うことができる。
【0033】
なお、前記各実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
【0034】
・ 外壁パネルとして、ロックウールパネル18に代えて、金属板の間にカーボン繊維等の無機質繊維が充填されたパネルを使用することもできる。
【0035】
・ 前記上部中間支持材20をパネル上部支持材16と一体的に構成し、外壁パネル側金具15を形成することも可能である。すなわち、パネル上部支持材16を断面コの字状に形成することも可能である。
【0036】
・ 前記下部中間支持材30をパネル下部支持材17と一体的に構成し、外壁パネル側金具15を形成することも可能である。すなわち、パネル下部支持材17を断面コの字状に形成することも可能である。
【0037】
・ 前記ロックウールパネル18の上部及び下部の支持をそれぞれ3箇所以上にすることも可能である。
【0038】
・ 前記緩着用ボルト35に代えて、緩着用のピン等を用いることもできる。
【0039】
・ 前記下部中間支持材30の水平片30aの上面に対する緩着用ボルト35の頭部35bの溶接を省略したり、緩着用ボルト35の軸部35aに対する緩着用ナット37の溶接を省略することもできる。
【0040】
次に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
【0041】
・ 前記外壁パネル側金具は、外壁パネルを支持するパネル支持材及び該パネル支持材と構造躯体側金具との間に介装される中間支持材により構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の外壁パネルの支持構造。このように構成した場合、請求項1から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、外壁パネル側金具の製作を容易にできると共に、外壁パネルの位置調整の容易化を図ることができる。
【0042】
・ 前記緩着用ボルトの軸部にはナットが螺合され、該ナットの螺合位置によって構造躯体側金具と外壁パネル側金具との間隔を一定に保持するように構成されていることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の外壁パネルの支持構造。このように構成した場合、請求項3から請求項5のいずれかに係る発明の効果に加えて、外壁パネルの上下位置を所定位置に設定することができ、隣接する上下の外壁パネル間の隙間を一定幅に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態における外壁パネルの支持構造を示す分解斜視図。
【図2】外壁パネルの支持構造を示す縦断面図。
【図3】図2の3−3線における断面図。
【図4】図2の4−4線における断面図。
【符号の説明】
【0044】
11…構造躯体としてのH型鋼、12…構造躯体側金具、13…ルーズ孔、15…外壁パネル側金具、18…外壁パネルとしてのロックウールパネル、35…緩着用ボルト、35a…軸部、36…挿通孔、14、19、21、25…長孔、22、26…ボルト、24、28…ナット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用の外壁パネルが外壁パネル側金具と構造躯体側金具を介して構造躯体に支持される外壁パネルの支持構造において、
前記外壁パネルの上部が外壁パネル側金具と構造躯体側金具を介して構造躯体に固着されると共に、外壁パネルの下部における外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されていることを特徴とする外壁パネルの支持構造。
【請求項2】
前記外壁パネルは、金属板の間に無機質繊維が充填されたロックウールパネルであることを特徴とする請求項1に記載の外壁パネルの支持構造。
【請求項3】
前記外壁パネル側金具には緩着用ボルトの軸部が挿通される挿通孔が形成されると共に、構造躯体側金具には緩着用ボルトの軸部が遊嵌されるルーズ孔が形成され、緩着用ボルトが外壁パネル側金具の挿通孔から構造躯体側金具のルーズ孔に挿通されて緩着されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の外壁パネルの支持構造。
【請求項4】
前記外壁パネルの上部は、構造躯体側金具に設けられる長孔と外壁パネル側金具に設けられる長孔とを利用し、ボルト及びナットで位置調節可能に構造躯体に締付けられて固着されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の外壁パネルの支持構造。
【請求項5】
前記構造躯体側金具には複数のルーズ孔が設けられ、隣接する外壁パネルの下部における各外壁パネル側金具が構造躯体側金具に対して緩着されるように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の外壁パネルの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−266892(P2008−266892A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107445(P2007−107445)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(591082845)岐阜折版工業株式会社 (5)
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(599093524)旭ビルウォール株式会社 (19)
【出願人】(000200323)JFE鋼板株式会社 (77)
【出願人】(000108720)株式会社タケチ (4)
【Fターム(参考)】