説明

多層導電管アンテナ

アンテナを製造する方法であって、電気導体を含まない誘電体コアを設ける工程と、コア上に導電性材料の層を形成する工程と、コア上と導電性材料の層上に電気絶縁性の管を設ける工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
2007年9月20日出願の「多層導電管アンテナ」米国仮出願第60/994,950が言及され、この言及によってその公開内容は本願に援用され、又、米国特許法37CFR1.78(a)(4),(5)(i)に基づく優先権が主張される。
本発明は、アンテナおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
後述の米国特許公開は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第1,745,096号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、改良されたアンテナおよびその製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の好適な実施形態によれば、アンテナの製造方法であって、電気伝導体を含まない誘電体コアを供給する工程と、コア上に導電性材料の層を形成する工程と、コア上と、導電性材料の層の上に電気絶縁性の管を形成する工程と、を含む。
【0005】
好ましくは、その形成方法は、隣接する導電性材料の巻きが互いに離間するように、コアに対し、導電性材料の層を巻き付けることを含む。
【0006】
好ましい実施形態によると、その形成方法は、それらの重複部分が互いに接触することなく隣接する導電性材料の巻きが部分的に重なるように、コアに対し導電性材料の層を被覆することを含む。さらには、それらの重複部分が互いに接触することなく隣接する導電性材料の巻きが互いに部分的に重なるように、コアに対し導電性材料の層を巻き付けることは、それらの間に電気絶縁性材料の片を存在させるために、それらの重複部分が互いに接触することなく隣接する導電性材料の巻きが互いに部分的に重なるように、コアに対し絶縁材を裏打ちした導電材片を被覆することを含む。
【0007】
好ましくは、製法はまた、隣接する導電性材料の巻きが互いに離間するように電気絶縁管に対し導電性材料の追加層を巻き付けること、コアと、導電性材料の層の上に、電気絶縁性のアウターチューブを押し出すこと、そして、導電性材料の層と導電性材料の追加層との間のガルバニック接続をもたらすことを含む。
【0008】
本発明の好ましい実施形態によると、本製法はまた、隣接する導電性材料の巻き付けが互いに離間するように電気絶縁性の管の周りに導電性材料の追加層を巻き付けることと、コアと導電性材料の層の上に、また電気絶縁性の管と導電性材料の追加層に、電気的に絶縁性のアウターチューブを押し出すことと、そして、導電性材料の層と導電性材料の追加層との間のパラシティック接続をもたらすことと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、以下において一例としての実施形態を示す図面を参照して、よりよく説明される。
【図1】本発明の一実施形態にかかるアンテナの製造方法の部分的な模式図である。
【図2】図1に示す製造方法によって製造されたアンテナ本体の部分的に切断した模式図である。
【図3】本発明の他実施形態にかかるアンテナの製造方法の部分的な模式図である。
【図4】図3に示す製造方法によって製造されたアンテナ本体の部分的に切断した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の一実施形態にかかるアンテナの製造方法の部分的な模式図であり、図2は、図1に示す製造方法によって製造されたアンテナ本体を示している。図1に示すように、プラスチックコア100は、好ましくは中空であり、周知の押出機102により、Santoprene(登録商標)のような好適な誘電材料から押し出すようにしている。
【0011】
プラスチックコア100は冷却されて硬化され、次いでテープ104を巻いて被覆される。テープ104は、好ましくは接着剤が塗布された電気絶縁性の下層106を含み、好ましくは厚さが12μm、幅が6mmのポリエステルで形成され、導電体の上部層108で、好ましくは、厚さ25μm、幅が6mmの銅で形成される。
【0012】
巻き付けは、図2の拡大図で明示されるように、略25%の幅で重なるように実施される。
【0013】
被覆されたコアは、ここでは、参照数字110で示されており、被覆されたコア110上に、電気絶縁性の管114を押し出す、好適な押出機112に供給される。
【0014】
押出されたプラスチックコア100は、好ましくは中空であるが、中実の誘電体であってもよい。導体は、コア100の空洞部分内に配置されるが、コア102は、導体を越えて押し出されていない。
【0015】
電気絶縁性の下層106を備えることにより、隣接する導電層108の巻付けは、それらの重なる領域において互いに接触しないということがわかる。
【0016】
図3は、本発明の一実施形態にかかるアンテナの製造工程を模式的に示し、図4は、図3に示す製造工程によって製造されたアンテナ本体を図示している。図3に示しているように、プラスチックコア150は、好ましくは中空であり、Santoprene(登録商標)のような好適な誘電体材料から、既知の押出機152により押出しされている。
【0017】
そのプラスチックコア150は、冷却されて硬化され、次いで好ましくは、厚さ25μm、幅が6mmの銅で形成されるテープ154が巻き付けられる。
その巻付けは、好ましくは、隣接するテープ154の巻きが重ならないように実施される。
【0018】
巻かれたコアは、ここでは、参照数字160によって示され、巻かれたコア110上に電気絶縁性の管164を押し出す好適な押出機162に供給される。次いでテープ166は、好ましくは、テープ154の巻き方とは反対となるように電気絶縁性の管164上に巻かれる。その巻き付けは、好ましくは、隣接するテープ166の巻きが重ならないように実施される。
【0019】
その二重巻きコアは、ここでは、参照数字170で示しており、二重巻きコア170上に電気絶縁性の管174を押し出す好適な押出機172に供給される。
押し出されるプラスチックコア150は、好ましくは中空とされるが、あるいは中実の誘電体であってもよい。導体は、コア150の空洞部分に配置されたとしても、そのコア150は、導体上に押し出されない。
【0020】
導電性テープ154、166間には、好ましくはガルバニック接続またはパラシティック接続(図示せず)がもたらされる。
【0021】
上述した実施形態において、好適なアンテナ給電接続(図示せず)は、好ましくは、導電巻線のそれらの終端部に接続される。
【0022】
本発明は、以上のように示され、説明された内容によって限定されないことは、当業者であれば、容易に理解されるであろう。
むしろ本発明の範囲は、従来技術にはない内容を上述の当業者が読み込むことによって、請求の範囲記載の特徴の様々な組み合わせ並びに改変を含むことが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナの製造方法であって、
電気伝導体を含まない誘電体コアを供給する工程と、
前記コア上に導電性材料の層を形成する工程と、
前記コア上と、前記導電性材料の前記層の上に電気絶縁性の管を形成する工程と、
を含むことを特徴とするアンテナの製造方法。
【請求項2】
前記導電性材料の層を形成する工程は、隣接する前記導電性材料の巻き付けが互いに離間するように、前記コアに対し、導電性材料の前記層を巻付けることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナの製造方法。
【請求項3】
前記導電性材料の層を形成する工程は、それらの重複部分が互いに接触することなく隣接する前記導電性材料の巻きが互いに部分的に重なるように、前記コアの周りに導電性材料の前記層を被覆することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナの製造方法。
【請求項4】
それらの重複部分が互いに接触することなく隣接する前記導電性材料の巻きが互いに部分的に重なるように、前記コアに対し、導電性材料の前記層を前記巻付ける工程は、それらの間に電気絶縁性片を存在させるために、それらの重複部分が互いに接触することなく隣接する前記導電性材料の巻きが互いに部分的に重なるように、前記コアに対して絶縁材を裏打ちした導電材片を被覆する工程を含む、ことを特徴とする請求項3に記載のアンテナの製造方法。
【請求項5】
アンテナの製造方法であって、
隣接する前記導電性材料の巻きが互いに離間するように、前記電気絶縁性の管に対し、導電性材料の追加層を巻付ける工程と、
前記コア上に、また、前記導電性材料の前記層の上に、前記電気絶縁性の管と前記導電性材料の前記追加層の上に、電気絶縁性のアウターチューブを押し出す工程と、
前記導電性材料の前記層と導電性材料の前記追加層との間のガルバニック接続を与える工程とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナの製造方法。
【請求項6】
アンテナの製造方法であって、
隣接する前記導電性材料の巻き付けが互いに離間するように、前記電気絶縁性の管の周りに導電性材料の追加層を巻付ける工程と、
前記コア上に、また、前記導電性材料の前記層の上に、また前記電気絶縁性の管と前記導電性材料の前記追加層の上に、電気的に絶縁性のアウターチューブを押し出す工程と、
前記導電性材料の前記層と導電性材料の前記追加層との間のパラシティック接続を与える工程とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載のアンテナの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−541314(P2010−541314A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525490(P2010−525490)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/IL2008/000728
【国際公開番号】WO2009/037688
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(510078300)ガルトロニクス コーポレイション リミティド (1)
【Fターム(参考)】