説明

多機能型音響装置

【課題】 バイブレータとスピーカの同時駆動が可能で小型薄型化ができる多機能型音響装置を構成する。
【解決手段】
スピーカとバイブレータに共用される中空円板状の外磁型永久磁石143による磁気回路を永久磁石143の内周側と外周側にヨークを経由して2組の磁束が集中する厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて磁場を形成して内周側の磁場A146には、ボイスコイル142を磁気的に係合させ、外周側の磁場B147には前記バイブレータの振動板150の中心部に配設された駆動コイル148を磁気的に係合するように配設し、前記駆動コイル148の外側に複数個の錘149a、149bを前記振動板に配設固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器に用いられている多機能型音響装置を形成するスピーカとバイブレータの構成に関するもので、特にスピーカとバイブレータの同時駆動が可能で優れた音響特性が期待できて小型薄型化が実現できる全体構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からPHSや携帯電話等の携帯機器には、コンサート会場や病院等の受信時の静粛な環境を乱さないように、受信音による発音によらず、振動モータの振動によって受信を携帯機器の利用者に感知させる振動モータが搭載されている場合が多い。一方では、携帯機器には受信音の受音が必要なだけではなく、更に音響特性の優れたスピーカが要求されている。このため、従来は振動モータとスピーカが2個携帯機器に装着される場合が多く、スペース効率が悪くなって、携帯機器の小型化と軽量化及びコストダウンを図ることが困難であった。これを改善するために、最近では、スピーカ振動板の振動の外に、スピーカの振動板上のボイスコイルと磁気的に係合する永久磁石体をフレームにバネで固定して、100〜150Hzの低周波で独立に駆動し、振動方向はスピーカ振動板と同一方向にバイブレーシヨンを可能とするいわゆるマルチファンクションデバイスが発表されている。以下では所謂マルチファンクションデバイスの代表的な従来例について開示されている技術を説明する。
【0003】
【特許文献1】特許 第2929579号公報
【特許文献2】特許 第2930070号公報
【特許文献3】特開2005−318133号公報
【0004】
特許文献1には、明細書の図1以下に基づく説明で主要構成が開示されている。(1)振動板2と対向配置された磁気回路部材12,磁気回路部材12に取り付けられた磁気回路部材より比重の大きい錘7を含む可動部材、可動部材を支持する少なくとも一つのサスペンション1、振動板2とサスペンション1を支持する支持部材、振動板と磁気回路部材との間に働く磁気駆動力を発生する駆動手段を具備すること、また(2)前記錘7を磁気回路部材12の外側に配置すること、等々の構成と作用が開示されている。
【0005】
特許文献2には、明細書の図1以下に基づく説明で主要構成が開示されている。(1)振動板8と対向配置された磁気回路部材20,磁気回路部材20に取り付けられた磁気回路部材と実質的に磁路を形成しない錘部13とを含む可動部材17、可動部材17を支持する少なくとも一つのサスペンション22、振動板8とサスペンション22を支持する支持部材9、振動板8と磁気回路部材20との間に働く磁気駆動力を発生する駆動手段を具備する電気―機械―音響変換器と、錘部13を磁気回路の外側に配置すること、前記錘部13が前記磁気回路部20に対して水平方向に配置されること、磁気ギャップの外周から所定間隔離れたヨーク上に磁気漏洩防止溝を設けること、磁気ギャップの外周にヨークに比べて高透磁率部材を装着すること等々の構成と作用が開示されている。
特許文献3には、スピーカの振動板23と同一方向に振動する永久磁石回路が所謂外磁型の可動部材からなる磁気回路部16で構成される多機能型スピーカ1が開示されている。
【0006】
特許文献1,2及び3について共通に言えることは、スピーカのダイヤフラムに固定されたボイスコイルと係合する磁気回路部材が前記ボイスコイルに対して相対的に振動可能なことである。即ち、振動を発生させる可動磁石部材の振動と音響を発生させるダイヤフラムの振動との間に連成振動が生じ易くバイブレータが振動しているときはスピーカの音質を向上させることに限界があった。また、携帯電話等の多機能型音響装置の収納部部材、特に磁性部材によっては磁気回路部材からなる可動部材は磁気的な影響を受けて振動論で言う所の負のバネ定数が生じて、本来持っているバイブレータのバネ定数が実質的に減少してその結果バイブレータの共振周波数が低下するので品質の維持が困難で生産管理上解決を要する課題であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の説明から明らかなように、いずれの従来例でも低周波信号と高周波信号を同時に励振させる場合、連成が生じて音声・音楽等の品質が劣化するのを防止することが事実上不可能であった。これは、バイブレータの低周波振動とスピーカの高周波振動がいずれもスピーカ振動板と同一方向に振動するように構成されているからである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、叙上の欠点を除去して簡単な構成で小型化薄型化を図る多機能型音響装置を実現することにあり、特にバイブレータの低周波振動を永久磁石回路で構成される可動部材とせずに、スピーカのボイスコイルと係合する永久磁石回路の一部をバイブレータの振動板を励振する磁気回路として利用して前記振動板に固定されている錘を同じく固定されている駆動コイルで振動させるものである。
課題を解決するためになされた請求項1に係る本発明の多機能型音響装置は、永久磁石回路と係合するボイスコイルを固着した円板状または長円状のダイヤフラムを有するスピーカと、前記永久磁石回路と係合する駆動コイルと錘を固着した円板状または長円状の振動板を有するバイブレータとが共通の厚み方向の円筒状または長円筒状のフレームに固定されて形成された多機能型音響装置において、
前記永久磁石による磁気回路を中空円板状の外磁型永久磁石の内周側と外周側に設けたヨークを経由して2組の磁束が集中する内周側磁場と外周側磁場を形成し、該磁場は厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて構成され、前記内周側の磁場には、前記ボイスコイルを磁気的に係合させ、前記外周側の磁場には前記駆動コイルを磁気的に係合するように配設し、前記バイブレータの振動板の中心部に錘を固着したことを特徴とするものである。
【0009】
また、課題を解決するためになされた請求項2に係る本発明の多機能型音響装置は、永久磁石回路と係合するボイスコイルを固着した円板状または長円状のダイヤフラムを有するスピーカと、前記永久磁石回路と係合する駆動コイルと錘を固着した円板状または長円状の振動板を有するバイブレータとが共通の厚み方向の円筒状または長円筒状のフレームに固定されて形成された多機能型音響装置において、前記永久磁石による磁気回路を中空円板状の外磁型永久磁石の内周側と外周側にヨークを経由して2組の磁束が集中する厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて磁場を形成して前記内周側の磁場には、前記駆動コイルを磁気的に係合させ、前記外周側の磁場には前記ボイスコイルを磁気的に係合するように配設し、前記バイブレータの振動板の中心部に錘を固着したことを特徴とするものである。
【0010】
また、課題を解決するためになされた請求項3に係る本発明の多機能型音響装置は、永久磁石回路と係合するボイスコイルを固着した円板状または長円状のダイヤフラムを有するスピーカと、前記永久磁石回路と係合する駆動コイルと錘を固着した円板状または長円状の振動板を有するバイブレータとが共通の厚み方向の円筒状または長円筒状のフレームに固定されて形成された多機能型音響装置において、
前記永久磁石による磁気回路を中空円板状の外磁型永久磁石の内周側と外周側に設けたヨークを経由して2組の磁束が集中する内周側磁場と外周側磁場を形成し、該磁場は厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて構成され、前記内周側の磁場には、前記ボイスコイルを磁気的に係合させ、前記外周側の磁場には前記バイブレータの振動板の中心部に配設された前記駆動コイルを磁気的に係合するように配設し、前記駆動コイルの外側に複数個の錘を前記振動板に固着したことを特徴とするものである。
【0011】
また、課題を解決するためになされた請求項4に係る本発明の多機能型音響装置の振動板は、該振動板の中央部に配設固定された前記ボイスコイルの内周部近傍に沿って円板状または長円状に穴抜きして中空孔を設け、長軸方向の外周部に沿って複数個の長溝を形成したことを特徴とするものである。
【0012】
また、課題を解決するためになされた請求項5に係る本発明の多機能型音響装置の振動板に配設固定された錘は、断面形状がほぼ半月状で鉄以上の比重を有し複数個で構成されたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の多機能型音響装置によれば、スピーカのダイヤフラムの振動とバイブレータの振動との間に連成振動は生じないので、簡単な構成で発音体の広帯域信号を忠実に再生することができる。
【0014】
また、更に、本発明の多機能型音響装置によれば、簡単な構成で低域信号による体感加震力の大きい低周波振動を確実に得ることができる。
【0015】
また、更に、本発明の多機能型音響装置によれば、高周波信号と低周波信号を同時駆動がすることができて音質の劣化のないコスト/パフォーマンスの優れた発音体を実現することができる。
【0016】
更に、本発明の多機能型音響装置によれば、磁気回路の磁場形成部を永久磁石の内周側と外周側に分けて設けるのでそれら磁場と係合するボイスコイルと振動板駆動コイルを2個配設しても小型薄型化が容易に実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下では、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明多機能型音響装置の実施例1の主要部断面図である。図2は、図1の振動板の説明図である。図3は、本発明多機能型音響装置の実施例2の主要部断面図である。図4は、本発明多機能型音響装置の実施例3の主要部断面図である。図5は、図4の振動板の説明図である。
【実施例1】
【0018】
図1、図2において、本発明の多機能型音響装置100は、音響出力を出すスピーカ部分と振動のみを発生させるバイブレータ部分とで構成される。スピーカ部分は、ダイヤフラム101に同心状に固定され円筒状に導体が複数回巻回されたボイスコイル102と係合する永久磁石103による磁気回路とで構成される。磁気回路は、中空円板状で厚み方向に着磁された所謂外磁型の永久磁石103と中央に凸状平坦部があり周辺は円板状に形成されたヨークA104と、伏せたカップ状のヨークB105によって永久磁石103が上下に挟持されるように固定されて形成され支持体111によってフレーム112に固定される。永久磁石103の内周側と外周側に夫々ヨークA104の凸状外周とヨークB105の内周間で円筒状の空隙による矢印表示の磁場A106及びヨークA104の円板状の外周とヨークB105の円筒状側壁の内周間で円筒状の空隙による矢印表示の磁場B107が形成されている。そして、ボイスコイル102は、磁場A106の磁束と係合しスピーカ駆動力を得ており、円筒状で複数導体が巻回して形成された駆動コイル108は磁場B107の磁束と係合して錘109を搭載したサスペンションである振動板110の駆動力を得る。そして、バイブレータの振動中に錘109とヨークAの中央平坦部の接触または衝突を避けるためにヨークAの中央の平坦部に窓抜き加工を施してもよい。
【0019】
図2において、円板状の振動板110は、180°対向位置に実質的なバネ長が一対形成されているがこの形状に限定する必要はなく、中央部に望ましくは鉄材より比重の大きく円柱状の錘109が固定され、それを取り囲むように駆動コイル108が固定される。また、錘109のサスペンションである振動板110は、円板状に限定される必要もなくユーザの仕様に応じて長円状であっても方形状でもよい。ここで、長円状とは短軸に対する長軸を円形状の長手方向に引き伸ばした形状のことである。
【0020】
実施例1によれば、永久磁石103に基づく磁気回路は振動しないのでスピーカのダイヤフラム101とバイブレータの振動板110は夫々ボイスコイル102と駆動コイル108によって独立に振動させることができるので両者間の連成振動は生じることはなく、高品質の音響を楽しむことができる。また、バイブレータの振動は5感例えばスイッチ類を操作するときにバイブレータを同時に振動させればスイッチ操作遂行の感覚的な確認や福祉機器の各種機能の感覚的な確認としても活用することができる。
【実施例2】
【0021】
図3において、本発明の多機能型音響装置120は、音響出力を出すスピーカ部分と振動のみを発生させるバイブレータ部分とで構成される。スピーカ部分は、ダイヤフラム121に同心状に固定され円筒状に導体が複数回巻回されたボイスコイル122と係合する永久磁石123による磁気回路とで構成される。磁気回路は、中空円板状で厚み方向に着磁された永久磁石123と該永久磁石123の内周側に側壁があり外周側に兵站部を有する中空カップ状に形成されたヨークA124と、前記永久磁石123の外周側に側壁があり内周側と外周側に高さの異なる平坦部を有する中空カップ状のヨークB125によって永久磁石123が上下に挟持されるように形成されてフレーム121に固定される。永久磁石123の内周側と外周側に夫々ヨークA124の側壁の内周とヨークB125の平坦部の外周間で円筒状の空隙による矢印表示の磁場B127及びヨークB125の側壁の内周とヨークA124の平坦部の外周間で円筒状の空隙による磁場A126が形成されている。そして、ボイスコイル122は、矢印表示の磁場A126の磁束と係合しスピーカ駆動力を得ており、円筒状で複数導体が巻回して形成された駆動コイル128は磁場B127の磁束と係合して振動板130の駆動力を得る。
【0022】
実施例2では、駆動コイル128と錘129が振動板130の中央部に近く配設されているのでバイブレータの駆動効率は向上する。図2において、円板状の振動板110は、180°対向位置に実質的なバネ長が一対形成されているがこの形状に限定する必要はない。
【0023】
実施例2によれば、永久磁石123に基づく磁気回路は振動しないのでスピーカのダイヤフラム121とバイブレータの振動板130は夫々ボイスコイル122と駆動コイル128によって独立に振動させることができるので両者間の連成振動は生じることはなく、高品質の音響を楽しむことができる。また、バイブレータの振動は5感例えばスイッチ類を操作するときにバイブレータを同時に振動させればスイッチ操作遂行の感覚的な確認や福祉機器の各種機能の感覚的な確認としても活用することができる。
【実施例3】
【0024】
図4、図5において、本発明の多機能型音響装置140は、音響出力を出すスピーカ部分と振動のみを発生させるバイブレータ部分とで構成される。スピーカ部分は、ダイヤフラム141に同心状に固定され円筒状に導体が複数回巻回されたボイスコイル142と係合する永久磁石143による磁気回路とで構成される。磁気回路は、中空円板状で厚み方向に着磁された永久磁石143と中央に凸状平坦部があり内周と外周の側壁間に底部のあるカップ状に形成されたヨークA144と中空円板状のヨークB145とで構成される。永久磁石143の下面は、ヨーク支持体160でフレーム141に固定されたヨークA144の底部に固定されその上面にはヨークB145が固定され,ヨークB145の内周とヨークA144の内周側の側壁とで矢印表示の円筒状の磁場A146が形成される。ヨークB145の外周とヨークA144の外周の側壁とで矢印表示の円筒状の磁場B147が形成される。ボイスコイル142は、磁場A146の磁束と係合しスピーカ駆動力を得ており、円筒状で複数導体が巻回して形成された駆動コイル148は磁場B147の磁束と係合して振動板150の駆動力を得る。また、ダイヤフラム141、振動板150は円形状に限定されることはなく、仕様に応じて長円形状、方形状等々適宜選択してよい。そして、それに合わせてボイスコイル142、駆動コイル148、永久磁石143の形状も円形状に限定されることはなく、仕様に応じて長円形状、方形状等々適宜選択してよい。
【0025】
図5は図4の下面から見た概念図で、図5において長円状の振動板150の中央部には円形状に窓抜きされた中空孔152の外縁に駆動コイル148が配設固定される。そして、振動板150のバネ定数を低減するために外周部の長軸方向155にほぼ平行に一対の長溝151a、151b、短軸156の線対称に一対の変形コ字型状の長溝153a、153bが形成される。一対の鉄材より比重の大きい半月状の錘149a、149bは、駆動コイル148の外側に、更にヨークA144の外周側壁の外側に配設されて振動板150に固定される。また、振動板150は、円形状に限定される必要もなくユーザの仕様に応じて長円形状、方形状であってもよい。そして、前記長溝及び錘の個数は一対に限定される必要はなく2個以上の複数個でよいことは明らかである。
【0026】
実施例3によれば、永久磁石143に基づく磁気回路は振動しないのでスピーカのダイヤフラム141とバイブレータの振動板150は夫々ボイスコイル142と駆動コイル148によって独立に振動させることができるので両者間の連成振動は生じることはなく、高品質の音響を楽しむことができる。また、バイブレータの振動は5感例えばスイッチ類を操作するときにバイブレータを同時に振動させればスイッチ操作遂行の感覚的な確認や福祉機器の各種機能の感覚的な確認としても活用することができる。
【0027】
本発明の実施例1,2及び3の説明では、ボイスコイルの形状及び駆動コイルの形状を円形としているが、長円形または超長円形状、方形状としてもよいことは明らかである。また、錘の形状も円柱状や半月状に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明多機能型音響装置の実施例1の主要部断面図である。
【図2】図1の振動板の説明図である。
【図3】本発明多機能型音響装置の実施例2の主要部断面図である。
【図4】本発明多機能型音響装置の実施例3の主要部断面図である。
【図5】図4の振動板の説明図である。
【符号の説明】
【0029】
100、120,140 多機能型音響装置
101,121,141 ダイヤフラム
103,123,143 永久磁石
104,124,144 ヨークA
105,125,145 ヨークB
106,126,146 磁場A
107,127,147 磁場B
108,128,148 駆動コイル
109,129,149 錘
110,130,150 振動板
111 支持体
112,121,141 フレーム
151a、151b、153a、153b 長溝
152 中空孔
155 長軸
156 短軸
160 ヨーク支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石回路と係合するボイスコイルを固着した円板状または長円状のダイヤフラムを有するスピーカと、前記永久磁石回路と係合する駆動コイルと錘を固着した円板状または長円状の振動板を有するバイブレータとが共通の厚み方向の円筒状または長円筒状のフレームに固定されて形成された多機能型音響装置において、
前記永久磁石による磁気回路を中空円板状の外磁型永久磁石の内周側と外周側に設けたヨークを経由して2組の磁束が集中する内周側磁場と外周側磁場を形成し、該磁場は厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて構成され、前記内周側の磁場には、前記ボイスコイルを磁気的に係合させ、前記外周側の磁場には前記駆動コイルを磁気的に係合するように配設し、前記バイブレータの振動板の中心部に錘を固着したことを特徴とする多機能型音響装置。
【請求項2】
永久磁石回路と係合するボイスコイルを固着した円板状または長円状のダイヤフラムを有するスピーカと、前記永久磁石回路と係合する駆動コイルと錘を固着した円板状または長円状の振動板を有するバイブレータとが共通の厚み方向の円筒状または長円筒状のフレームに固定されて形成された多機能型音響装置において、
前記永久磁石による磁気回路を中空円板状の外磁型永久磁石の内周側と外周側にヨークを経由して2組の磁束が集中する厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて磁場を形成して前記内周側の磁場には、前記駆動コイルを磁気的に係合させ、前記外周側の磁場には前記ボイスコイルイルを磁気的に係合するように配設し、前記バイブレータの振動板の中心部に錘を固着したことを特徴とする多機能型音響装置
【請求項3】
永久磁石回路と係合するボイスコイルを固着した円板状または長円状のダイヤフラムを有するスピーカと、前記永久磁石回路と係合する駆動コイルと錘を固着した円板状または長円状の振動板を有するバイブレータとが共通の厚み方向の円筒状または長円筒状のフレームに固定されて形成された多機能型音響装置において、
前記永久磁石による磁気回路を中空円板状の外磁型永久磁石の内周側と外周側に設けたヨークを経由して2組の磁束が集中する内周側磁場と外周側磁場を形成し、該磁場は厚み方向の断面が円周状または長円状の空隙を設けて構成され、前記内周側の磁場には、前記ボイスコイルを磁気的に係合させ、前記外周側の磁場には前記バイブレータの振動板の中心部に配設された前記駆動コイルを磁気的に係合するように配設し、前記駆動コイルの外側に複数個の錘を前記振動板に固着したことを特徴とする多機能型音響装置。
【請求項4】
前記振動板は、該振動板の中央部に配設固定された前記ボイスコイルの内周部近傍に沿って円板状または長円状に穴抜きして中空孔を設け、長軸方向の外周部に沿って複数個の長溝を形成したことを特徴とする請求項3に記載の多機能型音響装置。
【請求項5】
前記振動板に配設固定された錘は、断面形状がほぼ半月状で鉄以上の比重を有し複数個で構成されたことを特徴とする請求項3または4に記載の多機能型音響装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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