説明

多段式加熱装置

【課題】複数枚の金属板を同時加熱可能であると共に加熱された金属板を個別に取り出すことができ、加熱温度の厳密な管理が可能であって金属板の高温加熱にも使用でき、更には、装置の設置面積を比較的小さくすることができる多段式加熱装置を提供する。
【解決手段】多段式加熱装置の装置本体10は、熱源によって加熱される加熱室を内部に有している。装置本体の前側壁12には、上下に並んだ複数段の開口部18が設けられ、各段の開口部18ごとに、それを開閉する扉23が設けられている。各段の扉23ごとに、それを装置本体の前後方向に水平移動可能に支持する扉可動支持機構(21,22)が、装置本体の左右両側壁14,15の外側に設けられている。各段の扉23の内側には、加熱対象物である金属板Mを支持するための支持具(例えば複数本の支持棒24)が水平に支持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間プレス加工に用いられる金属板(例えば鋼板)をプレス前に加熱するための多段式加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械部品等の分野では、高温状態に加熱した高張力鋼板等の金属板を熱間プレスして所望形状の製品を得る熱間プレス加工法が知られている。例えば特許文献1は、所定の高張力鋼板を850〜1050℃の高温領域の温度に予め加熱し、その鋼板を成形用プレス機に高速搬送して高温状態のまま鋼板を相対的に低温のプレス型でプレスすることにより、付形と焼入れとを同時に行い、成形性や引張強度等に優れた部品(車両用衝突補強材)を製造する方法(ダイクエンチ工法)を開示する。
【0003】
このようなダイクエンチ工法では、金属板を850〜1050℃の高温領域の温度まで上昇させるのに、約2〜7分ほど掛かることから、連続加熱炉が使用されている。この連続加熱炉では、金属板の多くの手持ちが必要となるため、加熱炉の設定面積が大きくなってしまう。
【0004】
例えば、現状の連続加熱炉として、ウォーキングビーム方式、ローラーハース方式、回転炉等が挙げられるが、どの加熱炉も設置面積が大きくなっている。すなわち、現在のウォーキングビーム方式、ローラーハース方式等の連続加熱炉にあっては、上述したように、成形用プレス機による熱間プレスのサイクルタイムとの関係で、非常に大きな設置面積が必要になるという不具合があった。本発明はかかる実情に鑑みてなされたものである。
【0005】
なお、本件出願前の先行技術調査では、大型基板用多段加熱炉に関する特許文献2が発見された。但し、特許文献2の加熱炉は、炉内を100〜250℃の低温領域の温度雰囲気とすることで液晶表示板等の大型基板を乾燥することを目的とするものであり、被乾燥物である大型基板を炉の内外に搬送するための機構を持たない多段式加熱炉である。
【0006】
【特許文献1】特開2002−102980号公報
【特許文献2】特開2001−317872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、複数枚の金属板を同時加熱可能であると共に加熱された金属板を個別に取り出すことができ、加熱温度の厳密な管理が可能であって金属板の高温加熱にも使用することができ、更には、装置の設置面積を比較的小さくすることができる多段式加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、複数の壁によって内部に加熱室が区画された装置本体と、前記加熱室の内部雰囲気を加熱する熱源とを備えた、複数枚の金属板を同時加熱可能な多段式加熱装置であって、前記装置本体の前側壁には、上下に並んだ複数段の開口部が設けられ、前記各段の開口部ごとに、その開口部を開閉するための扉が設けられ、前記各段の扉ごとに、その扉を装置本体の前後方向に沿って水平移動可能に支持する扉可動支持機構が、前記装置本体の左右両側壁の外側に設けられており、前記各段の扉の内側には、加熱対象物である金属板を支持するための支持具が水平に支持されていることを特徴とする多段式加熱装置である。
【0009】
本発明の多段式加熱装置において、前記各段の扉ごとに設けられた扉可動支持機構は、前記装置本体の左右両側壁の外側にそれぞれ設けられた左右一対の駆動シリンダによって構成されており、これら左右の駆動シリンダの各作動ロッドによって前記扉が支持されていることは好ましい。
【0010】
本発明の多段式加熱装置において、前記各段の扉の内側に水平に支持された前記支持具は、前記各段の扉ごとに複数設けられており、各段ごとの複数の支持具は、装置本体の前後方向に沿って互いに平行に延びていることは好ましい。また、前記支持具は支持棒であることは好ましい。
【0011】
本発明の多段式加熱装置において、前記熱源は、電気コイルヒータ、ガスバーナー又はラジアントチューブのいずれかであることは好ましい。
【0012】
[作用]
本発明の多段式加熱装置は、各段ごとに以下の要領で使用される。即ち、扉可動支持機構によって扉を装置本体の前側壁から水平離間させることで、開口部が開かれると共に扉の内側に水平支持された支持具が加熱室の外に露出される。その扉の支持具の上に金属板を載せた後、扉可動支持機構によって扉を後退させ前側壁に接触させることで、開口部が閉じられると共に支持具の上の金属板が加熱室に装入される。金属板は、熱源によって加熱された加熱室内の高温雰囲気中に所定時間とどまることで所定温度に加熱される。金属板の加熱が完了したら、再び扉可動支持機構によって扉を装置本体の前側壁から水平離間させることで、加熱済みの金属板が取り出し可能となる。
【0013】
このように本発明によれば、加熱対象物である金属板を、装置本体の前側壁に上下に並んだ複数段の開口部を介して装置本体内部の加熱室に対し、各段ごとに個別に装入し又は個別に取り出すことができる。従って、複数枚の金属板を同時に加熱できるのみならず、所定温度に加熱された金属板を、例えば熱間プレスのサイクルタイムに合わせつつ加熱室から一枚ずつ取り出すことができ、それ故、従来の連続加熱炉に代わる金属板の加熱装置として利用することができる。
【0014】
また本発明の加熱装置は、従来の連続加熱炉と同様、加熱室の高温雰囲気中に所定時間とどめることで金属板を加熱する方式を採用しているため、加熱温度の厳密な管理が可能であり、金属板の高温加熱にも使用することができる。更に、加熱室への出入口となる開口部を上下に並んだ複数段とすると共に、各開口部に対応して設けられた扉の支持具上に金属板を支持する構成としたので、装置本体の内部において複数枚の金属板を上下方向に多段配置することができる。それ故、金属板の枚数が多い場合でも、加熱装置の設置面積を比較的小さくすることができる。
【0015】
加えて、各段の扉に対応する扉可動支持機構は装置本体の左右両側壁の外側に設けられており、加熱室内に配設されたものではない。それ故、扉可動支持機構には、殊更に耐熱性等に配慮した特別な装置だてを必要とせず、比較的安価に入手可能な汎用の可動支持機構(例えば前記左右一対の駆動シリンダ)を採用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の多段式加熱装置によれば、複数枚の金属板を同時に加熱可能であると共に、所定温度に加熱された金属板を加熱室から一枚ずつ取り出すことができ、従来の連続加熱炉に代わる金属板の加熱装置として利用することができる。また、加熱温度の厳密な管理が可能であり、金属板の高温加熱にも使用することができる。更には、同時に加熱する金属板の枚数が多い場合でも、加熱装置の設置面積を比較的小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態である多段式加熱装置を図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、多段式加熱装置の装置本体10は、矩形状の底壁11と、その底壁11の四辺からそれぞれ直立した前側壁12、後側壁13、左側壁14及び右側壁15と、これら四つの側壁に支えられた天井壁16とを備え、ほぼ直方体形状をなしている。そして、装置本体10の内部には、前記六つの壁(11〜16)によって略直方体形状の加熱室17が区画形成されている。
【0019】
装置本体の前側壁12には複数の開口部18が上下に並んで設けられている。これらの開口部18は加熱室17と外部とをつなぐ出入口であって、各開口部18が横長な長方形状をなし且つこれらが上下に並ぶことにより、装置本体の前側壁12には複数段(多段)の開口部18が設定されている。本実施形態では、上段、中段及び下段の3段の開口部18が設定されており、この装置は3段式の加熱装置となっている。そして、この加熱装置では、各段の開口部18ごとに、一つの扉23と、その扉23を支持する一組の扉可動支持機構(21,22)とが配設されている。
【0020】
図1に示すように、上段、中段及び下段の各段の扉可動支持機構は、その段に対応する開口部18の高さにおいて装置本体の左右両側壁14,15の外側にそれぞれ設けられた左右一対の駆動シリンダ21,22によって構成されている。左右の駆動シリンダ21,22は、それぞれの作動ロッド21a,22aが水平になるように各側壁14,15の外面に固定されており、左右の駆動シリンダの各作動ロッド21a,22aの先端部は、扉23の左右端部付近に連結されている。つまり、各段の扉23は、左右の駆動シリンダ21,22の作動ロッド21a,22aによって装置本体10の前後方向に沿って水平移動可能に支持されている。従って、左右の作動ロッド21a,22aが同期して駆動シリンダ本体内に没入(後退)することにより、扉23が装置本体の前側壁12に接触し、その扉23に対応する開口部18が閉じられる。他方、左右の作動ロッド21a,22aが同期して駆動シリンダ本体内から突出(前進)することにより、扉23が装置本体の前側壁12から水平方向前方に離間し、その扉23に対応する開口部18が開かれる。
【0021】
なお、図3に示すように、各扉23は、金属製の外側枠23a、断熱材23b及び耐熱シール材23cを重ね合わせて相互固定した構造となっている。断熱材23bとしては、例えば耐火レンガ等の耐火物が使用される。また、耐熱シール材23cとしては、例えば耐熱セラミックボード(例えば、アルミナ・シリカセラミックファイバーをボード状に成形したもの)が使用される。耐熱シール材23cは、扉23が閉じられたときに加熱室17内の熱気が外に漏れるのを防止する役目を担う。
【0022】
図1、図2及び図4に示すように、各段の扉23の内側には、加熱対象物である金属板Mを支持(載置)するための支持具としての支持棒24(本例では3本、つまり複数本)が水平に支持されている。これら3本の支持棒24は、各段の扉23ごとに各々設けられており、装置本体10の前後方向に沿って互いに平行に延びている。これらの支持棒24は、耐熱性セラミックス(例えば、アルミナ)でできている。
【0023】
図2に示すように、装置本体の左側壁14及び右側壁15の内壁部にはそれぞれ、加熱室17の内部雰囲気を加熱する熱源としての電気コイルヒータ25が設けられている。より具体的には、上段の開口部18と中段の開口部18との中間の高さ位置、及び、中段の開口部18と下段の開口部18との中間の高さ位置において、左右側壁14,15の内壁部に電気コイルヒータ25が設けられている。なお、本実施形態では、熱源として電気コイルヒータ25を使用したが、電気コイルヒータ25に代えて、ガスバーナーやラジアントチューブが熱源として用いられてもよい。
【0024】
図2及び図4に示すように、装置本体の後側壁13の内壁部には、上段、中段及び下段の各段に対応させて、温度センサとしての熱電対26が各段ごとに設けられている。各熱電対26は各段にて水平に支持されており、各段における雰囲気温度を測定・検出する。これらの熱電対26及び前記熱源としての電気コイルヒータ25は、図示しない温度制御装置に電気的に接続されている。温度制御装置は、これらの熱電対26によって検出された各段の雰囲気温度情報に基づいて前記電気コイルヒータ25の発熱量をフィードバック制御する。これにより、加熱室17の内部雰囲気温度が所望の温度(例えば900〜950℃)に保たれる。
【0025】
次に、本実施形態の多段式加熱装置の作用及び効果について説明する。
【0026】
加熱室17に金属板M(例えば長尺な亜鉛メッキ鋼板)を装入する際には、先ず、左右の駆動シリンダの作動ロッド21a,22aを前方に突出させて、扉23を装置本体の前側壁12から水平離間させる(図1,2の上段参照)。すると、その扉23に対応する開口部18が開かれると共に、扉23の内側に水平支持された3本の支持棒24が、扉23に追従して加熱室17の外に露出される。続いて、支持棒24の上に金属板Mを載せる。装置本体10の前後方向に沿って互いに平行に延びる3本の支持棒24に対して、長尺な金属板Mを装置本体10の左右方向に沿って配置することにより、金属板Mは3本の支持棒24上に水平に支持される。支持棒24上への金属板Mの載置が完了したら、左右の駆動シリンダの作動ロッド21a,22aを後方に後退させて、扉23を前側壁12に接触させる。これにより、その扉23に対応する開口部18が閉じられると共に、支持棒24の上の金属板Mが加熱室17に装入配置される。
【0027】
電気コイルヒータ25によって約900℃に加熱された加熱室17内の高温雰囲気中に金属板Mを所定時間(例えば3分)とどまらせることで、金属板Mは、加熱室17内の雰囲気温度とほぼ同じ温度(約900℃)に加熱される。金属板Mの加熱が完了したら、再び左右の駆動シリンダ21,22によって扉23を装置本体の前側壁12から水平離間させることで、その扉23の3本の支持棒24が加熱室17の外に露出され、加熱済みの金属板Mが取り出し可能となる。なお、支持棒24上から加熱済みの金属板Mを取り除いたら直ちに扉23を閉じて、加熱室17から熱気が漏れるのを極力防止することが望ましい。
【0028】
このように本実施形態の多段式加熱装置によれば、加熱対象物である金属板Mを、装置本体の前側壁12に上下に並んだ複数段の開口部18を介して装置本体内部の加熱室17に対し、各段ごとに個別に装入し又は個別に取り出すことができる。それゆえ例えば、加熱装置の上段、中段及び下段の各段に対して金属板Mを熱間プレスのサイクルタイムと同
じ時間間隔で順次装填しておき、金属板Mが所定の目標温度(例えば900℃)に達するまでの加熱所要時間が到来したら、加熱済みの金属板Mを各段から同じ時間間隔で順次取り出すといった使い方ができる。従って、本実施形態の多段式加熱装置によれば、複数枚の金属板Mを同時に加熱できるのみならず、所定温度に加熱された金属板Mを、例えば熱間プレスのサイクルタイムに合わせつつ加熱室17から一枚ずつ取り出すことができる。それ故、本実施形態の多段式加熱装置は、従来のウォーキングビーム方式又はローラーハース方式の連続加熱炉に代わる金属板の加熱装置として利用することができる。
【0029】
本実施形態の多段式加熱装置は、従来のウォーキングビーム方式又はローラーハース方式の連続加熱炉と同様、熱源によって加熱される加熱室17の高温雰囲気中に所定時間とどめることで金属板Mを加熱する方式を採用している。このため、加熱温度の厳密な管理が可能であり、亜鉛メッキ鋼板のような防錆鋼板の加熱に使用した場合でも、亜鉛メッキ層を消失させることなく、亜鉛メッキ鋼板を高温度(例えば900℃)まで加熱することができる。
【0030】
また、本実施形態では、金属板Mとして、亜鉛メッキ鋼板を例示したが、メッキ等の表面コーティングの施されていない鋼板などの金属板や、合金化溶融亜鉛メッキ鋼板,アルミニウムメッキ鋼板等の表面コーティングの施された鋼板などの金属板を例示することもできる。
【0031】
なお、本発明では熱源として、例えば電気コイルヒータ25、ガスバーナー又はラジアントチューブが使用されるので、加熱室17の内部雰囲気温度を850℃以上の高温度に保つことができる。
【0032】
更に本実施形態では、加熱室17への出入口となる開口部18を上下に並んだ複数段とすると共に、各開口部18に対応して設けられた扉23の支持棒24上に金属板Mを支持する構成としたので、装置本体10の内部において複数枚の金属板Mを上下方向に多段配置することができる。それ故、金属板Mの枚数が多い場合でも、加熱装置の設置面積を、従来のウォーキングビーム方式又はローラーハース方式の連続加熱炉の場合よりも非常に小さくすることができる(省スペース化可能)。
【0033】
本実施形態では、各段の扉23を水平移動可能に支持する扉可動支持機構(即ち左右の駆動シリンダ21,22)を左右両側壁の外側に設けており、扉の可動支持に関する機構は加熱室17内には一切設けられていない。それ故、扉可動支持機構には、殊更に耐熱性等に配慮した特別な(又は特殊な)装置だてを必要とせず、比較的安価に入手可能な汎用の可動支持機構(本例では駆動シリンダ21,22)を採用することができる。また、扉可動支持機構(21,22)は熱源からの熱の影響をほとんど受けないので、熱歪み等に起因する動作不良の心配も無い。
【0034】
従来のウォーキングビーム方式又はローラーハース方式の連続加熱炉では、炉内で金属板Mを動かす必要があり、移動中に金属板Mが位置ズレを起こすという欠点があった。これに対し、本実施形態の多段式加熱装置は、各段の支持棒24上に金属板Mを載せて扉23及び支持棒24と一緒に水平移動させる引き出し方式の出し入れ機構(又は搬送機構)を採用しているので、金属板Mが支持棒24上で位置ズレを起こす可能性は低く、従来の連続加熱炉のような欠点がない。
【0035】
なお、本実施形態では、金属板Mを直接支える支持具として、比較的軽量化が容易な複数本の支持棒24を採用しているので、駆動シリンダ21,22に過大な負荷がかからない。このため、駆動シリンダ21,22は、応答性よく作動できると共に、故障のおそれが少ない。
【0036】
[変更例]上記実施形態では多段式加熱装置の段数を3段としたが、2段又は4段以上の複数段としてもよい。また、各段における複数本の支持棒24上に載置される金属板Mの枚数は1枚又は複数枚のいずれでもよく、必要な加熱枚数に応じて多段式加熱装置の寸
法が適宜設定されればよい。
【0037】
[変更例]扉可動支持機構としての駆動シリンダ21,22は、例えばモータを使った駆動機構で置き換えられてもよい。また、駆動シリンダ21,22を自動制御装置(例えばタイマー付きのシーケンサ)によって自動制御してもよい。
【0038】
[変更例]上記実施形態では支持具として複数本の支持棒24を採用したが、支持具は支持棒24に限定されるされるものではない。例えば、多数の孔が穿設された1枚又は複数枚の耐熱性支持プレートが、扉23の内側の支持具として採用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】一実施形態に従う多段式加熱装置の斜視図。
【図2】多段式加熱装置の左側面側から見た縦断面図。
【図3】多段式加熱装置の扉の縦断面図。
【図4】多段式加熱装置の正面側から見た各段の構造物の位置関係を示す概略図。
【符号の説明】
【0040】
10…装置本体、11…底壁、12…前側壁、13…後側壁、14…左側壁、15…右側壁、16…天井壁(11〜16は加熱室を区画形成する複数の壁)、17…加熱室、18…開口部、21,22…駆動シリンダ(扉可動支持機構)、21a,22a…駆動シリンダの作動ロッド、23…扉、24…支持棒(支持具)、25…電気コイルヒータ(熱源)、26…熱電対(温度センサ)、M…金属板(加熱対象物)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の壁によって内部に加熱室が区画された装置本体と、前記加熱室の内部雰囲気を加熱する熱源とを備えた、複数枚の金属板を同時加熱可能な多段式加熱装置であって、
前記装置本体の前側壁には、上下に並んだ複数段の開口部が設けられ、
前記各段の開口部ごとに、その開口部を開閉するための扉が設けられ、
前記各段の扉ごとに、その扉を装置本体の前後方向に沿って水平移動可能に支持する扉可動支持機構が、前記装置本体の左右両側壁の外側に設けられており、
前記各段の扉の内側には、加熱対象物である金属板を支持するための支持具が水平に支持されていることを特徴とする多段式加熱装置。
【請求項2】
前記各段の扉ごとに設けられた扉可動支持機構は、前記装置本体の左右両側壁の外側にそれぞれ設けられた左右一対の駆動シリンダによって構成されており、これら左右の駆動シリンダの各作動ロッドによって前記扉が支持されていることを特徴とする請求項1に記載の多段式加熱装置。
【請求項3】
前記各段の扉の内側に水平に支持された前記支持具は、前記各段の扉ごとに複数設けられており、各段ごとの複数の支持具は、装置本体の前後方向に沿って互いに平行に延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多段式加熱装置。
【請求項4】
前記支持具は支持棒であることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の多段式加熱装置。
【請求項5】
前記熱源は、電気コイルヒータ、ガスバーナー又はラジアントチューブのいずれかであることを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の多段式加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−296237(P2008−296237A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143955(P2007−143955)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】