説明

大・小便自動分別式トイレ

【課題】大便と小便を各別に処理、貯溜、保管、運搬等できるようにした大・小便自動分別式トイレの提供。
【解決手段】ペール缶2式簡易トイレ1において、その便座3の用便用開口部4の形状に合わせて形成したフレーム5の内側を、大便用開口部6と小便用開口部7に区画部8で区切って大・小便自動分別盤Aを設け、ペール缶2内に、小便貯溜容器10を手前側、大便貯溜容器9をその先方にして収納設置し、9、10両者の開口部上に大・小便自動分別盤Aを載せ、該大・小便自動分別盤Aの上に便座3を載せてペール缶2の開口部に嵌着して設けた簡易トイレ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、従来は一緒に処分していた大・小便を、本発明に独自の大・小便自動分別手段によって、極めて容易に分別することによって、大便と小便を各別に処理、貯溜、保管、運搬等できるようにしたことを特徴とする、大・小便自動分別式トイレに係るものである。
【背景技術】
【0002】
通常、人は一日に1、2回の大便と数時間毎の小便を排泄し、量(容積)的には小便の方が数倍多い。
小便は腎臓で処理されて排出される水分であり、排泄時は本来無菌、無害であり、却って各種の有益な酵素を含んでいるため、自分の尿を飲む健康法が実際に行なわれている位である。
一方、大便の方は、食物の消化滓、胃腸の代謝老廃物等で水分は少なく固形的で、大腸菌、乳酸菌その他の雑菌を多種多数含み、有害で強い悪臭を伴っている。
【0003】
従来、男性の小便専用トイレは有るが、通常のトイレは大・小便を同一便器で一緒に行なっており、よって、大・小便を分別処理することは全く行われていない。
このことは、工事現場、催事現場、行楽地等に臨時的に設置し大・小便を貯溜タンクに貯溜し、満杯になるとバッキュームカーで回収する等で処理している移動設置式簡易トイレの場合、
または、持運び自在で、大・小便を缶、バケツ、桶、ペール缶等の各種の貯溜容器(多くは、その中にセットした内袋)に貯溜して、該内袋が満杯になると取外してゴミ(生ゴミ、燃えるゴミとして扱うことは認められている。)として処分するようにした、地震等緊急時、病院、養護施設、レジャー等用の、簡易トイレの場合も同じであり、
【0004】
従来は大・小便をその貯溜タンク、貯溜容器等に一緒に貯溜していたため、特に量の多い小便のために、短い日時数で直ぐに満杯になって使用可能日時数が短い上に、小便の水分量が多いためドロドロの状態になって、包装及び運搬が極めてやり難く、廃棄時にそのままでは下水道等に流し難く、また、ゴミとして処分するにしても、容易に破れて漏れ出さないように特殊で丈夫な袋に密封することが必要とされ、また、取扱い易くするため吸水剤を使用するにしても多量の吸水剤とその費用を要し、更に、小便の水分量が多いため、ゴミ処理場での焼却処分において多くのエネルギーを要するなど、多くの処理経費がかかる課題があった。
【特許文献1】特開2003−052576号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上記従来の課題を、本発明は、従来は一緒に処分していた大・小便を、本発明に独自の大・小便自動分別手段によって、極めて容易に分別することによって、大便と小便を各別に処理、貯溜、保管、運搬等できるようにしたことを特徴とする、大・小便自動分別式トイレを開発・提供して解決せんとするものであり、
【0006】
従来、各種の簡易トイレにおいて、大便に比して数倍も多量な小便を一緒にしていたため、すぐに満杯になって貯溜・使用期間が極めて短くなる課題があったが、本発明は両者を分別し、小便は小便だけとしたので、小便は元来無菌無害で臭気も少ないため、貯溜、保管、運搬が容易であると共に、例えば、そのまま下水道へ流して、若しくは、吸収剤に吸わせて処理でき、一方、大便だけとしたので、大便は悪臭が強く、大腸菌・雑菌等で有害であるが、小便に比し量(容積)が少なく、従来の大・小便が一緒でドロドロの状態の場合と異なり、固形分だけなので簡単な包装状態でも漏れ出す恐れがなく、よって、一般生ゴミ(生ゴミ・燃えるゴミとして処分することは認められている。)と一緒に何らの抵抗なしに処理できて、
【0007】
従って、特に、各種の簡易トイレの使用において、大便と小便を各別に処理して、その貯溜・使用期間を格段に長期化できると共に、その使用態様を格段に汎用化して、従来の課題を解消するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、各種トイレ(例、洋式、和式等据付、簡易移動等)(例、洋式、和式等)の各種便器の用便用開口部を、該便器に向い手前側(例、洋式)若しくは前方側(例、和式)に位置する小便用開口部とその前方側若しくは手前側の大便用開口部に区画部で区切って備えて、用便時に大便と小便を区画部により自動的に分別するように備えた、大・小便自動分別式トイレによって、課題を解決したものである。
【0009】
また、本発明は、排泄物を各種形状及び大きさの貯溜タンク、若しくは、缶、ペール缶、バケツ、桶等の各種形状及び大きさの貯溜容器に貯溜する方式の各種の簡易トイレにおいて、
それらの簡易トイレの、便器の用便用開口部を、該便器に向い手前側(例、洋式)若しくは前方側(例、和式)に位置する小便用開口部とその前方側若しくは手前側の大便用開口部に区画部で区切って備えると共に、大便用開口部の下方に大便貯溜容器、小便用開口部の下方に小便貯溜容器を格別に備えてなる、大・小便自動分別式簡易トイレであり、
用便時に、区画部により大便と小便を自動的に分別して、大便を大便用開口部を通して大便貯溜容器へ落下貯溜し、小便を小便用開口部を通して小便貯溜容器へ流下貯溜するように備えたものである、大・小便自動分別式簡易トイレによって課題を解決したものである。
【0010】
また、本発明は、各種トイレ(例、洋式、和式等据付、簡易移動等)の各種便器の用便用開口部の形状に合わせて形成したフレームの内側を、大便用開口部と小便用開口部に区画部で区切って設けた大・小便自動分別盤であり、
該大・小便自動分別盤を各種便器の用便用開口部に対して、その小便用開口部が便器に向い手前側(例、洋式)若しくは前方側(例、和式)に位置するように、着脱自在に備えたものである、各種トイレ用の大・小便自動分別盤によって、課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0011】
従来、各種の簡易トイレにおいて、大便に比して数倍も多量な小便を一緒にしていたため、すぐに満杯になって貯溜・使用期間が極めて短くなる課題があったが、本発明は両者を分別し、小便は小便だけとしたので、小便は元来無菌無害で臭気も少ないため、貯溜、保管、運搬が容易であると共に、例えば、そのまま下水道へ流して、若しくは、吸収剤に吸わせて処理でき、一方、大便は大便だけとしたので、大便は悪臭が強く、大腸菌・雑菌等で有害であるが、小便に比し量(容積)が少なく、従来の大・小便が一緒でドロドロの状態の場合と異なり、固形分だけなので簡単な包装状態でも漏れ出す恐れがなく、よって、一般生ゴミ(生ゴミ・燃えるゴミとして処分することは認められている。)と一緒に何らの抵抗なしに処理できて、従って、特に、各種の簡易トイレの使用において、大便と小便を各別に処理して、その貯溜・使用期間を格段に長期化できると共に、その使用態様を格段に汎用化できる優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
貯溜容器としてペール缶2を使用した簡易トイレ1において、その便座3の用便用開口部4の形状に合わせて形成したフレーム5の内側を、大便用開口部6と小便用開口部7に区画部8で区切って大・小便自動分別盤Aを設け、ペール缶2内に、小便貯溜容器10を手前側に、大便貯溜容器9をその先方にして収納設置し、9、10両者の開口部上に大・小便自動分別盤Aを載せ、該大・小便自動分別盤Aの上に便座3を載せてペール缶2の開口部に嵌着して設けた簡易トイレ1。
【実施例1】
【0013】
以下、図面により、本発明の実施例につき説明する。この実施例は貯溜容器としてペール缶を使用した簡易トイレに、本発明の大・小便自動分別盤を着脱自在に備えたものであり、
図1は本発明実施例を各部に分解及び組立てる状態を示す斜視図、図2は図1の貯溜容器としてペール缶の斜視図、図3は図1のペール缶に収納設置する大・小便の各貯溜容器の斜視図、図4は図1の本発明大・小便自動分別盤の実施例の斜視図、図5は図1の便座の斜視図である。
【0014】
各種トイレ(例、洋式、和式等据付、簡易移動等)の各種便器(形状、寸法等任意)、例えば、図示のような、貯溜容器としてペール缶2を使用した簡易トイレ1において、その便座3の用便用開口部4の形状に合わせて形成したフレーム5の内側を、大便用開口部6と小便用開口部7に区画部8で区切って設けた大・小便自動分別盤Aであり、
該大・小便自動分別盤Aを簡易トイレ1の用便用開口部4に対して、その小便用開口部7が便座3に向い手前側に位置するように、着脱自在に備えたものである、各種トイレ用の大・小便自動分別盤Aである。
【0015】
図3の大便貯溜容器9と小便貯溜容器10はペール缶2に収納設置するものであり、11は大便貯溜容器9内に設置する防水性の内袋である。
【0016】
組立ては、ペール缶2内に、小便貯溜容器10を手前側に、大便貯溜容器9をその先方にして収納設置し、9、10両者の開口部上に大・小便自動分別盤Aを載せ、該大・小便自動分別盤Aの上に便座3を載せてペール缶2の開口部に嵌着して行なう。
【0017】
よって、使用者が便座3の蓋12をあけて便座に座し、用便すると小便は小便貯溜容器10へ、大便は大便貯溜容器9へ自動的に分別貯溜される。
よって、大・小便を各別に処理するものである。
【0018】
なお、各種トイレの(例、洋式、和式等据付、簡易移動等)の各種便器(形状、寸法等任意)の用便用開口部を、該便器に向い手前側若しくは前方側に位置する小便用開口部とその前方側若しくは手前側の大便用開口部に区画部で区切って備えて、用便時に大便と小便を区画部により自動的に分別するように備えた発明、の実施例については、用便用開口部そのもの自体を、該便器に向い手前側若しくは前方側に位置する小便用開口部とその前方側若しくは手前側の大便用開口部に区画部で区切って構成するか、若しくは、それに代えて上記実施例のように大・小便自動分別盤Aを取付けて大便用開口部及び小便用開口部を構成するかの相違だけであるので、その図示及びその説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、上記のように、特に、各種の簡易トイレに実施して極めて有効であるが、将来的には、一般家庭、その他のあらゆるトイレの便器に広く採用して、大便と小便を各特性に従って各別に処理するようにして、従来一般の排泄物の処理の対応を抜本的に改革・変更することも可能とするものであり、当然、それらの場合も本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明実施例を各部に分解及び組立てる状態を示す斜視図である。
【図2】図1の貯溜容器としてペール缶の斜視図である。
【図3】図1のペール缶に収納設置する大・小便の各貯溜容器の斜視図である。
【図4】図1の本発明大・小便自動分別盤の実施例の斜視図である。
【図5】図1の便座の斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
A 実施例大・小便自動分別盤
1 簡易トイレ
2 ペール缶
3 便座
4 用便用開口部
5 フレーム
6 大便用開口部
7 小便用開口部
8 区画部
9 大便貯溜容器
10 小便貯溜容器
11 内袋
12 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種トイレの各種便器の用便用開口部を、該便器に向い手前側若しくは前方側に位置する小便用開口部とその前方側若しくは手前側の大便用開口部に区画部で区切って備えて、用便時に大便と小便を区画部により自動的に分別するように備えた、
大・小便自動分別式トイレ。
【請求項2】
排泄物を各種形状及び大きさの貯溜タンク、若しくは、缶、ペール缶、バケツ、桶等の各種形状及び大きさの貯溜容器に貯溜する方式の各種の簡易トイレにおいて、
それらの簡易トイレの、便器の用便用開口部を、該便器に向い手前側若しくは前方側に位置する小便用開口部とその前方側若しくは手前側の大便用開口部に区画部で区切って備えると共に、大便用開口部の下方に大便貯溜容器、小便用開口部の下方に小便貯溜容器を格別に備えてなる、大・小便自動分別式簡易トイレであり、
用便時に、区画部により大便と小便を自動的に分別して、大便を大便用開口部を通して大便貯溜容器へ落下貯溜し、小便を小便用開口部を通して小便貯溜容器へ流下貯溜するように備えたものである、
大・小便自動分別式簡易トイレ。
【請求項3】
各種トイレの各種便器の用便用開口部の形状に合わせて形成したフレームの内側を、大便用開口部と小便用開口部に区画部で区切って設けた大・小便自動分別盤であり、
該大・小便自動分別盤を各種便器の便座の用便用開口部に対して、その小便用開口部が便座に向い手前側若しくは前方側に位置するように、着脱自在に備えたものである、
各種トイレ用の大・小便自動分別盤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−54524(P2007−54524A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246378(P2005−246378)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(599052761)
【Fターム(参考)】