説明

天板における蓋体の開閉機構

【課題】閉塞状態においては蓋体を安定的に保持できるとともに、開口部の奥行方向の両側から選択可能且つ容易に開くことが出来る天板における蓋体の開閉機構を提供すること。
【解決手段】開口部12の閉塞状態において、突出位置に向けて付勢された一対の突軸13a、13bにより蓋体11の奥行方向の両側が枢支されるとともに、開放操作部15a、15bの操作に応じて一方の突軸13a、13bが退避位置に退避されることで、蓋体11は他方の突軸13a、13bにより回動可能に枢支されて開放可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板に形成された開口部を閉塞する蓋体を、この開口部の奥行方向の両側から開閉可能に支持した天板における蓋体の開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の天板における蓋体の開閉機構は、テーブル若しくは机等の天板に形成された開口部を蓋体によって閉塞し、且つこの蓋体を長手方向の両端部において手で取外し可能としている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−298657号公報(第7頁、第8図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の天板における蓋体の開閉機構にあっては、蓋体が開口部に設けられた軸部に対して手で着脱可能に嵌合されているので、蓋体の着脱を繰り返し行うことで蓋体が外れ易くなり、閉塞状態においても蓋体を安定的に保持出来ない虞が生じていた。また、開口部の奥行方向の選択した一方側から蓋体を開放する場合に、人の力加減によっては、軸部の嵌合が所定に外れずに、蓋体の着脱が容易に出来ない虞が生じていた。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、閉塞状態においては蓋体を安定的に保持できるとともに、開口部の奥行方向の両側から選択可能且つ容易に開くことが出来る天板における蓋体の開閉機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の天板における蓋体の開閉機構は、
天板に形成された開口部を閉塞する蓋体を、前記開口部の奥行方向の両側から開閉可能に支持した天板における蓋体の開閉機構であって、
前記開口部の奥行方向の両側に、前記開口部内に突出した突出位置と前記開口部外方に向けて退避した退避位置との間で出退自在に設けられるとともに、前記突出位置において前記蓋体を回動可能に枢支する一対の突軸と、
前記一対の突軸を前記開口部に向けて軸心方向に付勢する突軸付勢手段と、
前記蓋体を開放する際に操作される開放操作部を有するとともに、該開放操作部の操作に応じて前記一対の突軸のうち少なくとも一方を前記開口部外に退避させる開放手段と、
を備え、
前記開口部の閉塞状態において、前記突出位置に向けて付勢された一対の突軸により前記蓋体の奥行方向の両側が枢支されるとともに、前記開放操作部の操作に応じて一方の突軸が前記退避位置に退避されることで、前記蓋体は他方の突軸により回動可能に枢支されて開放可能となることを特徴としている。
この特徴によれば、開口部の閉塞状態においては、蓋体の奥行方向の両側が、突軸付勢手段により付勢された一対の突軸により枢支されるので安定的に保持されるとともに、開放操作部の操作により一方の突軸が開口部から退避することにより、他方の突軸を中心に蓋体が回動可能となるため、開口部の奥行方向の両側から選択可能且つ容易に開口部を開放することが出来る。
【0007】
本発明の請求項2に記載の天板における蓋体の開閉機構は、請求項1に記載の天板における蓋体の開閉機構であって、
前記開口部の奥行方向の両側において前記蓋体を上方に付勢する蓋体付勢手段を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、開放操作部の操作により一方の突軸が開口部から退避したときに、蓋体の奥行方向における退避した突軸側の端部が開口部の上方に押し上げられるため、蓋体に取手部等を設けることなく、蓋体を容易に開放することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の天板における蓋体の開閉機構は、請求項1または2に記載の天板における蓋体の開閉機構であって、
前記開口部の側方に中空構造を有する収容部を形成し、該収容部の上面に前記開放操作部を設けるとともに、該収容部内に前記突軸付勢手段を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋体を開くための開放操作部と突軸付勢手段とを中空構造の収容部に設けているため、開口部の内部スペースを例えば配線空間として確保出来るばかりか、開放操作部の開放操作がより行い易くなる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の天板における蓋体の開閉機構は、請求項3に記載の天板における蓋体の開閉機構であって、
前記開放手段は、前記開放操作部を上下方向に操作可能とする上下操作機構と、前記突軸を略水平方向に出退させる水平出退機構と、前記上下操作機構の上下動作を前記水平出退機構の水平動作に伝達する伝達機構と、を有し、前記上下操作機構、前記水平出退機構及び前記伝達機構は前記収容部に収容されていることを特徴としている。
この特徴によれば、開放操作部の押下操作による上下方向の動作を、伝達機構を介して突軸の略水平方向の出退移動に伝達することができるため、開放操作部による開放操作が容易になる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の天板における蓋体の開閉機構は、請求項3または4に記載の天板における蓋体の開閉機構であって、
前記開口部及び前記収容部が一体化された枠体を形成し、該枠体を、前記天板に形成した天板開口に装着可能としたことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋体の開閉機構を一体化した枠体として天板に設置出来るため、蓋体の開閉機構の天板への取付作業が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例1における蓋体を取付けたテーブルの全体像を示す斜視図である。図2(a)は、蓋体を奥行方向の一方側から開放した状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)と同じく他方側から開放した状態を示す斜視図である。図3(a)は、蓋体を閉塞した状態における開口部の長手方向端部を示す斜視図であり、(b)は、(a)と同じく蓋体を開放した状態における開口部の長手方向端部を示す斜視図である。図4(a)は、蓋体を閉塞した状態における収容部内を示す上面図であり、(b)は、(a)と同じく開放ボタンを押圧した場合の収容部内を示す上面図である。図5(a)は、図4(a)のA−A断面図であり、(b)は、図4(b)のA’−A’断面図である。
【0013】
図1に示されるように、本実施例の蓋体11を備えた開口ユニット10が取付けられるテーブル1は、長辺部3aと短辺部3bとを有する矩形状からなる天板3と、天板3の周辺角部において接続される4本の脚部2とからなる。以下、長辺部3aが形成される方向を長手(左右)方向とし、短辺部3bが形成される方向を奥行(前後)方向とする。天板3の上面視略中央には、長手方向に長寸であって奥行方向に短寸の矩形状の天板開口4が形成されており、天板開口4より若干小寸に形成された矩形状の枠体としての開口ユニット10が、天板開口4に嵌合されている。
【0014】
開口ユニット10は、長手方向に延びるとともに上方が開口した内空構造の開口部12と、この開口部12を閉塞する蓋体11と、開口部12の長手方向両端部の外側方に設けられた内空構造を有する収容部16、16とを一体化しており、天板3下面に天板開口4に沿って固着された支持部材5上に載置することで、天板3へ取付けることが出来る。
開口部12の内部に、例えばテーブル1の天板3に載置した電子機器や照明機器等に電源を供給する電源ケーブルや通信ケーブル等を配置することで、天板3上の作業環境を良くするとともに、美観体裁を整えることが出来るように成っている。
【0015】
図2(a)に示されるように、開口部12の長手方向両端部の内側面夫々において、長手方向の仮想の軸心が一致して対向する突軸13a、13a及び突軸13b、13bが、後述のように開口部12内に対して出退自在に設けられている。より詳しくは、左右の突軸13a、13aと突軸13b、13bとは、互いに奥行方向に離間して配設されており、夫々の突軸13a、13a及び突軸13b、13bは、開口部12内に突出して蓋体11の奥行方向の両端部に枢支される突出位置と、開口部12外の収容部16内に退避する退避位置と、の間で水平方向に向けて移動自在に設けられるとともに、後述する突軸付勢手段としての板ばね17により、常時前記突出位置に向けて付勢された状態で設けられている。尚、収容部16、16は、後述する突軸13a、13a、13b、13bが退避する方向に設けられ、退避した突軸13a、13a、13b、13bを内部に収容するように配置することが好ましい。
【0016】
また、開口部12の長手方向両端部の内側面における突軸13aと突軸13bとの間に、蓋体付勢手段としての板ばね14が設置されており、開口部12の奥行方向の両側において蓋体11を上方に付勢している。
【0017】
蓋体11は、開口部12を閉塞する略矩形状の板体からなり、長手方向両端部の外側面に、上記した一対の突軸13a、13aが嵌合可能な丸孔状の穿孔11a、11aが穿設されているとともに、突軸13b、13bと嵌合可能な穿孔11b、11bが穿設されている。
【0018】
上記構成により、蓋体11の閉塞状態においては、蓋体11の丸孔状の穿孔11a、11a、11b、11bが、夫々突軸13a、13a、13b、13bに嵌合し枢支されていることで、上記嵌合した状態においては、蓋体11を上方へ開放しようとしても、丸孔状の穿孔11a、11a、11b、11bと、突軸13a、13a、13b、13bとが外れることはなく、即ち蓋体11は上方へ開放不能に保持される。
【0019】
次に、突軸13a、13a、13b、13bの出退機構を図3〜図5に基づいて説明する。尚、突軸13a、13a、13b、13bの出退機構はそれぞれ同様に構成されているため、以下においては突軸13aの出退機構のみを説明し、他の突軸13a、13b、13bの説明は省略することとする。
【0020】
突軸13aは、開口部12と収容部16とを仕切る内壁16aに長手方向に形成された孔部16bに挿通されているとともに、収容部16内に設置された移動体18に一体に形成されている。移動体18は、図示しないガイド部材により開口部12の長手方向に向けて略水平方向に往復動自在に設けられているとともに、移動体18における開口部12側の端部に形成された上下方向を向く壁部18aにおける開口部12との対向面上部に、突軸13aが開口部12側に向けて突設されている。そして、壁部18aにおける開口部12と反対側の面に当接する突軸付勢手段としての板ばね17により、開口部12内に突出する突出位置に向けて常時付勢されている。
【0021】
つまり移動体18は、突軸13aが、開口部12内に突出する突出位置と開口部12外の収容部16内に退避する退避位置との間で移動自在となるように、開口部12の長手方向に向けて往復動自在に設けられているとともに、突軸13aが前記突出位置に向けて常時付勢されるように、板ばね17により開口部12側に向けて常時付勢されている。すなわち、突軸13aを有する移動体18と、該移動体18を往復動自在にガイドする図示しない前記ガイド部材とは、突軸13aを略水平方向に出退させる本発明の水平出退機構を構成している。
【0022】
収容部16の上面には、蓋体11の開放操作部としての開放ボタン15aがガイド部材により上下方向に移動自在に設けられているとともに、開放ボタン15aの背面側に、上方から下方に向かって開口部12側に漸次傾斜する傾斜部19が形成され、この傾斜部19は、移動体18に設けられた凸部18bにおける開口部12側の端部に当接されている。つまり開放ボタン15a、該開放ボタン15aを上下方向に移動自在にガイドするガイド部材は、開放操作部としての開放ボタン15aを上下方向に操作可能とする本発明の上下操作機構を構成している。
【0023】
この移動体18の凸部18bは、上記した板ばね17により開口部12に向かって略水平方向(長手方向)に付勢されているため、この水平方向の付勢力が傾斜部19を介して開放ボタン15aを上方に向かって上下方向に付勢する付勢力として伝達されている。つまり、移動体18の凸部18b及び傾斜部19は、前記上下操作機構を構成する開放ボタン15aの上下動作を、前記水平出退機構を構成する移動体18の水平動作に伝達する本発明の伝達機構を構成している。
【0024】
尚、開口部12の長手方向両端部において、奥行方向に離間して合計4箇所設置された突軸13a、13a、13b、13bは、これら各突軸13a、13a、13b、13bに対応して収容部16、16の上面に奥行方向に離間して合計4箇所設けられた夫々の開放ボタン15a、15a、15b、15bに、前記上下操作機構、前記水平出退機構及び前記伝達機構からなる本発明の開放手段を介して連係されている。
【0025】
次に、蓋体11の開放操作について説明すると、図5(a)に示されるように、奥行方向に離間したいずれか一方の開放ボタン、即ち、開放ボタン15a、15a若しくは開放ボタン15b、15bのいずれかを上記した板ばね17の付勢力に抗して押下する。
【0026】
図5(b)に示されるように、例えば、長手方向両端部において開放ボタン15a、15aを押下することで、傾斜部19が下方に移動しながら、凸部18bを図示右側に押圧するとともに、移動体18に設けられた突軸13a、13aを図示右側、つまり退避位置に向けて押圧する。
【0027】
そして、長手方向両端部において穿孔11aに嵌合された夫々の突軸13aが外れると、上向き付勢する板ばね14により、蓋体11の突軸13a側が上方に押上げられる。このように上方に押上げられた蓋体11は、未だ穿孔11bに嵌合されている突軸13b回りに回動可能となり、人の手によって上方に開放出来ることとなる。
【0028】
また、奥行方向に離間した開放ボタン15b、15bを押下した場合も、上記と同様の動作により、突軸13b、13bの嵌合が外れ、突軸13a、13a回りに回動可能となり、上方に開放出来る。即ち、開放ボタン15a、15a若しくは開放ボタン15b、15bのいずれかを選択して押下することで、突軸13a、13aまたは突軸13b、13bが突出位置から退避位置に退避されるため、開口部12の奥行方向の両側から開閉出来るように成っている。
【0029】
更に、開放ボタン15a、15aを押下するとともに、開放ボタン15b、15bを押下することで、合計4箇所設置された突軸13a、13a、13b、13bへの蓋体11の嵌合が全て外れるため、蓋体11を開口部12から取り除くことも出来る。
【0030】
次に、蓋体11の閉塞操作について説明すると、図に示されるように、穿孔11aの下方において、下方に向かって突軸13aから離間するようにテーパ面21が形成されている。また、突軸13aの開口部12側の端面は、テーパ面21と略平行のテーパ面22に形成されている。尚、特に図示しないが、合計4箇所の穿孔11a、11a、11b、11bの下方において、上記と同様のテーパ面が夫々形成されているとともに、合計4箇所の突軸13a、13a、13b、13bの端面は、上記と同様のテーパ面に夫々形成されている。
【0031】
突軸13b(図示略)回りに蓋体11を板ばね14の付勢に抗して下方に向かって押圧することで、蓋体11のテーパ面21が、突軸13aのテーパ面22と当接し、板ばね17の付勢に抗して突軸13aを図示右側、つまり退避位置に向けて押圧する。そして図に示されるように、蓋体11を更に下方に押圧し、テーパ面21がテーパ面22と離間するとともに、図示右側に押圧された突軸13aが、板ばね17により付勢されて図示左側、つまり突出位置に向けて移動し、穿孔11aに突入して嵌合する。
【0032】
このように、蓋体11のテーパ面21と、テーパ面21に略平行のテーパ面22を利用して蓋体11を押圧することで、特段の嵌合操作を要せずに蓋体11により開口部12を閉塞した状態で、突軸13a、13a及び突軸13b、13bを穿孔11a、11bに嵌合(枢支)できる。
【0033】
上記した構成を備えた蓋体11の開閉機構の特徴によれば、開口部12の閉塞状態においては、蓋体11の奥行方向の両側が、突軸付勢手段としての板ばね17により付勢された一対の突軸13a、13aまたは突軸13b、13bにより枢支されるので、安定的に保持されるとともに、開放操作部としての開放ボタン15a、15a(または15b、15b)の操作により一方の突軸13a、13a(または突軸13b、13b)が開口部12内の突出位置から収容部12内の退避位置まで退避することにより、他方の突軸13b、13b(または突軸13a、13a)を中心に蓋体11が回動可能となるため、開口部12の奥行方向の両側から選択可能且つ容易に開口部12を開放することが出来る。
【0034】
また、開口部12の奥行方向の両側において蓋体11を上方に付勢する蓋体付勢手段としての板ばね14を備えることにより、開放ボタン15a、15a(または開放ボタン15b15b)の操作により一方の突軸13a、13a(または突軸13b、13b)が開口部12から退避したときに、蓋体11の奥行方向における退避した突軸13a、13a(または突軸13b、13b)側の端部が開口部12の上方に押し上げられるため、蓋体11に取手部等を設けることなく、蓋体11を容易に開放することができる。
【0035】
さらに、本実施例のように、開口部12のほぼ全域を閉塞可能な蓋体11を、閉塞状態においてその上面が天板3の上面とほぼ面一になるように配設しても、開放ボタン15a、15bの操作により一方の長辺側が開口部12の上方に押し上げられ、これにより蓋体11の端部を把持して開放させることができるため、閉塞状態において蓋体11の上面と天板3の上面との間に段部等が形成されることがないので、天板3の使用性が損なわれることがない。
【0036】
また、上記した蓋体11の開閉機構の特徴によれば、蓋体11を開くための開放ボタン15a(若しくは開放ボタン15b)と板ばね14とを中空構造の収容部16に設けているため、開口部12のスペースを例えば配線空間として確保出来るばかりか、開放ボタン15a(若しくは開放ボタン15b)の開放操作がより行い易い。
【0037】
また、上記した蓋体11の開閉機構の特徴によれば、開放ボタン15a(若しくは開放ボタン15b)の上下操作機構と突軸の水平出退機構とを連結する傾斜部19により、開放ボタン15a(若しくは開放ボタン15b)の押下操作による上下方向の動作を、略水平方向に出退する突軸13a(若しくは突軸13b)に伝達することで、突軸13a(若しくは突軸13b)の出退が行い易い。
【0038】
更に、上記した蓋体11の開閉機構の特徴によれば、蓋体11の開閉機構を一体化した枠体として天板3の天板開口4に設置出来るため、蓋体11の開閉機構の天板3への取付作業が容易である。
【0039】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0040】
例えば、上記実施例では、突軸13a(若しくは突軸13b)は、開口部12の長手方向両端部の夫々において軸心が一致して対向するように設置されているが、突軸の設置箇所は、必ずしも本実施例に限られず、例えば開口部における長手方向の一方の端部のみに設置されていてもよい。
【0041】
また、上記実施例では、開放操作部として上下方向に押下操作可能な上下操作機能を有する開放ボタン15a(若しくは開放ボタン15b)が示されているが、開放操作部の操作機構は、必ずしも本実施例に限られず、例えば所定方向にスライド動可能なスライド操作機能を有する開放操作部をスライド操作することで、蓋体を奥行方向に選択可能に開放するようにしてもよい。
【0042】
また、上記実施例では、突軸13a(若しくは突軸13b)を出退させる開放操作部としての開放ボタン15a(若しくは開放ボタン15b)が、各突軸ごとに対応して個別に設けられているが、開放操作部の設置数は、必ずしも本実施例に限られず、例えば開口部の両端部に軸心を一致して設けられた夫々の突軸を同時に出退させる一つの開放操作部が設けられていてもよい。さらに、1つの開放操作部の操作態様を変えることで、突軸13a若しくは突軸13bを選択的に退避させることができるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施例1における蓋体を取付けたテーブルの全体像を示す斜視図である。
【図2】(a)は、蓋体を奥行方向の一方側から開放した状態を示す斜視図であり、(b)は、(a)と同じく他方側から開放した状態を示す斜視図である。
【図3】(a)は、蓋体を閉塞した状態における開口部の長手方向端部を示す斜視図であり、(b)は、(a)と同じく蓋体を開放した状態における開口部の長手方向端部を示す斜視図である。
【図4】(a)は、蓋体を閉塞した状態における収容部内を示す上面図であり、(b)は、(a)と同じく開放ボタンを押圧した場合の収容部内を示す上面図である。
【図5】(a)は、図4(a)のA−A断面図であり、(b)は、図4(b)のA’−A’断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 テーブル
2 脚部
3 天板
4 天板開口
10 開口ユニット(枠体)
11 蓋体
11a、11b 穿孔
12 開口部
13a、13b 突軸
14 板ばね(蓋体付勢手段)
15a、15b 開放ボタン(開放操作部)
16 収容部
17 板ばね(突軸付勢手段)
18 移動体
19 傾斜部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板に形成された開口部を閉塞する蓋体を、前記開口部の奥行方向の両側から開閉可能に支持した天板における蓋体の開閉機構であって、
前記開口部の奥行方向の両側に、前記開口部内に突出した突出位置と前記開口部外方に向けて退避した退避位置との間で出退自在に設けられるとともに、前記突出位置において前記蓋体を回動可能に枢支する一対の突軸と、
前記一対の突軸を前記開口部に向けて軸心方向に付勢する突軸付勢手段と、
前記蓋体を開放する際に操作される開放操作部を有するとともに、該開放操作部の操作に応じて前記一対の突軸のうち少なくとも一方を前記開口部外に退避させる開放手段と、
を備え、
前記開口部の閉塞状態において、前記突出位置に向けて付勢された一対の突軸により前記蓋体の奥行方向の両側が枢支されるとともに、前記開放操作部の操作に応じて一方の突軸が前記退避位置に退避されることで、前記蓋体は他方の突軸により回動可能に枢支されて開放可能となることを特徴とする天板における蓋体の開閉機構。
【請求項2】
前記開口部の奥行方向の両側において前記蓋体を上方に付勢する蓋体付勢手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の天板における蓋体の開閉機構。
【請求項3】
前記開口部の側方に中空構造を有する収容部を形成し、該収容部の上面に前記開放操作部を設けるとともに、該収容部内に前記突軸付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の天板における蓋体の開閉機構。
【請求項4】
前記開放手段は、前記開放操作部を上下方向に操作可能とする上下操作機構と、前記突軸を略水平方向に出退させる水平出退機構と、前記上下操作機構の上下動作を前記水平出退機構の水平動作に伝達する伝達機構と、を有し、前記上下操作機構、前記水平出退機構及び前記伝達機構は前記収容部に収容されていることを特徴とする請求項3に記載の天板における蓋体の開閉機構。
【請求項5】
前記開口部及び前記収容部が一体化された枠体を形成し、該枠体を、前記天板に形成した天板開口に装着可能としたことを特徴とする請求項3または4に記載の天板における蓋体の開閉機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−119262(P2008−119262A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307040(P2006−307040)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】