説明

太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライト

【課題】太陽光の追尾機構を有し、該太陽光の追尾機構を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状となる太陽光発電パネルを設置した構成の安価で施工効率の良いトップライトを提供する。
【解決手段】太陽光の採光装置本体の四方で屋根部上部に開口部縁部立上り部材上を設けて固定した後、該立上り部材の天端と反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介して太陽光発電パネルを設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光の採光システム及び太陽光発電パネルを備えたトップライトに関するものであり、特に本発明は、アール形状の樹脂製ドームからなる太陽光の採光部を有し、該太陽の採光部を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状の太陽光発電パネルを設置したトップライトを提供するものである。
【0002】
また、本発明は、太陽光の追尾機構をアール形状の樹脂製トップライト内に収めた太陽光追尾型の採光システムを採用し、該太陽光の追尾型の採光装置は、太陽光の反射板を消費電力の少ない懸垂型として構成して、懸垂型の反射板の駆動は前記太陽の採光部を載置する立ち上がり基台の周囲に設けた発電パネルからの電力を利用して効率的に行うものである。
【0003】
更に、本発明は、太陽の採光部を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状の太陽光発電パネルを設置して、該基台周辺のハカマ形状下部に太陽電池パネルが吸収した太陽熱を排気する換気口や循環口を設けて太陽光発電パネルが吸収する内部空間部の熱負荷を軽減した太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【背景技術】
【0004】
従来、太陽光の採光システムとして採光プリズムや反射板、或いは回転する受光ガラス開口面を有する天窓、または、トップライトと呼ばれる太陽光の採光装置は、種々のものが発明され、実用化されてきている。また、太陽光の採光プリズムや反射板、或いは受光ガラス開口面を太陽光追尾型として回動させる天窓やトップライトも実用化されている。
【0005】
然しながら、太陽光の採光プリズムや反射板、或いは受光ガラス面を建物の屋根に設置するタイプの採光システムでは、屋根との取り合い部や、太陽光の採光用開口部分での雨仕舞い防水を屋根と同様に数十年単位で維持できる構成であること、また、太陽光の採光システムを効率良く駆動させるための電源装置や夜間照明のために蓄電装置や畜光装置が必要となる場合が多い。
【0006】
斯くして、従来の太陽光採光装置として、太陽光の採光部にプリズムを用いた装置が、特開平09−304722号公報(以下、特許文献1と称する)に開示されている。
【0007】
特許文献1の発明は、太陽光を室内に採光する太陽光採光装置に関するものであり、太陽光を天窓を介して室内に採光する装置において、太陽光の照度変化及び照度低下の補償、並びに照度表現を変えられるようにしたもので、天窓から室内に亙って設けた導光ダクトに対して畜光材料を用いるように構成したものである。
【0008】
また、特許文献1の発明において、採光部に配置される1枚、又は複数枚の採光プリズム、採光プリズムの駆動装置、制御装置、及びカバー(透明ドーム、乳白ドーム)を備えた太陽光採光装置は、採光プリズムの下方に設けられた導光ダクトにより採光プリズムからの出射光を室内に導く構成を有しており、採光プリズムはモータ等の外部電源を利用した駆動手段により回動するもので効率が悪く省エネルギー的な装置ではなかった。然し、特許文献1の発明においては、採光プリズムからの出射光を照度変化及び照度低下させることなく室内へ導くために導光ダクトに畜光材料を用いること等の工夫がなされており、省エネルギーを目指していることは自明である。
【0009】
而して、特許文献1の発明は、採光部に1枚、又は複数枚の採光プリズム用い、該採光プリズムを駆動装置で制御することにより採光プリズムで得た出射光を室内に取入れたり、畜光材に畜光して室内に採光する装置を提供するものであるが、この装置を実際に建物の屋根に設置しようとすると、当然のことながら採光プリズムの駆動電源は、外部からの駆動用電源となり効率良い省エネルギー的な装置ではなかった。また、屋根部に採光用の開口部を設けた後、該開口部周りに立ち上がり基台を設置して透明ドームや乳白ドームで採光プリズムや採光プリズムの駆動装置を覆い、採光装置や室内に雨水が入り込まないようにする雨仕舞いの構成が当然の如く必要となる。
【0010】
然しながら、特許文献1の発明は、採光プリズムの駆動用電源をどうするか、また、前記雨仕舞の構成が具体的に明記されておらず、当該発明は、単なる採光システムの発明を開示したものにとどまり、実際に屋根に設置できるか否かの現実的な発明とは成りえないものであった。
【0011】
而して、太陽光発電パネルを備え、該太陽光発電パネルの電力を利用して太陽自動追尾型回転天窓装置を回転させる天窓装置が、特開2004−197543号公報(以下、特許文献2と称する)に開示されている。
【0012】
特許文献2の発明は、太陽光発電パネルを備え、該太陽光発電パネルの発電を利用して、太陽の移動に伴い滑らかに回転するレール形状機能と、その回転レール外部に上下部材を組み合わせ、雨水の侵入を防止する等気圧止水機能を備えたものであり、本装置上部体は、骨組み一体型アルミ押し出し部材を用いて円形状に組立て、上材と下材は回転機能を妨げないように分離し、各々取り付け後、等気圧止水機能になるような断面部材とする等、雨仕舞を最優先した機能を保有する天窓装置が開示されている。
【0013】
従って引用文献2の発明においては、屋根との取り合い部や太陽の採光部分での雨仕舞は完璧であると思われるが、回動可能な太陽光受光ガラス開口面や円形状にアルミ押し出し形材で組み立てられる装置本体の重量は大変に重い物になりがちで、該装置本体を駆動させるための太陽光発電パネルは大容量の発電を必要とする他、その組み立てには、工数や時間が掛るばかりでなく、当然のことながら製品代も高価なものになる欠点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平09−304722号公報
【特許文献2】特開2004−197542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
斯くして、本発明は、太陽光の採光機構及び太陽光発電パネルを備えたトップライトを提供するものであり、特に本発明は、アール形状の樹脂製ドームに内蔵された反射板による太陽光の追尾機構を有し、該太陽光の追尾機構を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状となる太陽光発電パネルを設置した構成の安価で施工効率の良いトップライトを提供するものである。
【0016】
また、本発明は、太陽光の採光機構をアール形状の樹脂製トップライト内に内蔵した反射板による太陽光追尾型と成し、該太陽光の追尾型の採光機構は、太陽光の反射板を消費電力の少ない懸垂型として構成して、該懸垂型の反射板の回動は、前記太陽の採光部を載置する立ち上がり基台の周囲に設けた発電パネルからの電力を利用して行う省エネルギータイプの太陽光の採光機構、及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0017】
そして、本発明は、太陽の採光部を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状の太陽光発電パネルを設置して、該基台周辺のハカマ形状下部に太陽電池パネルが吸収した太陽熱を排気するグリルや循環口、並びに吸気口を設けて太陽光発電パネルが吸収するパネル内部空間部の熱負荷を軽減した太陽光の採光機構、及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、略半球面形状を有し太陽光の反射板からなる追尾機構を内蔵した樹脂製ドームと、該樹脂製ドームの下部縁部に設けられたアール形状の下部縁部枠、並びに前記アール形状の下部縁部枠に連繋されたアール形状の網入りガラス枠を介して反射板ダクト枠を懸架して太陽光の採光装置本体を構成し、該太陽光の採光装置本体の四方で屋根部上部に開口部縁部立上り部材上を設けて固定した後、該立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0019】
また、本発明は、前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電し、該電力を夜間または照度低下時に室内等の照明器具にも供給する新しいトップライトを提供するものである。
【0020】
更に、本発明は、前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該立ち上がり部材の外壁部に任意間隔を有して外部換気用グリルを複数個設置するとともに、該グリルの後方に空間を有する後室を設けて、該後室の上部には上部に向かって電気的又は機械的手段にて任意に開閉自在な循環口用扉、並びに外部より電気的又は機械的手段にて任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉を設けて前記太陽光発電パネルが吸収した太陽光発電パネル内部空間室の熱負荷を軽減することができる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供する。
【0021】
そして、本発明において、太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に設置される太陽光発電パネルは、網入りガラスと透明ガラスからなる複層ガラス基板上に発電素子を載置して透明ガラスにて覆った構造を形成することで発電効率のよい発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【発明の効果】
【0022】
斯くして、本発明は、略半球面形状を有し太陽光の反射板からなる追尾機構を内蔵した樹脂製ドームと、該樹脂製ドームの下部縁部に設けられたアール形状の下部縁部枠、並びに前記アール形状の下部縁部枠に連繋されたガラス保持枠を介して反射板ダクト枠を懸架して太陽光の採光装置本体を構成し、該太陽光の採光装置本体の四方で屋根部上部に開口部縁部立上り部材上を設けて固定した後、該立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供するもので、太陽光発電パネルからの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させたり、該電力を夜間または雨天等の照度低下時に室内の照明器具に供給することできる効率のよい太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供可能にした。
【0023】
更に、本発明は、前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該立ち上がり部材の外壁部に任意間隔を有して外部換気用グリルを複数個設置するとともに、該グリルの後方に空間を有する後室を設けて、該後室の上部には上部に向かって外部より電気的又は機械的手段にて任意に開閉自在な循環口用扉、並びに外部より電気的又は機械的手段にて任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉を設けて前記太陽光発電パネルが吸収した太陽光発電パネル内部空間室の熱負荷を軽減する機構を備えており、発電効率の良い太陽光発電パネルを提供可能にした。
【0024】
そして本発明では、施工が簡単で安価な太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供にするものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態を説明する正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の概要を説明する断面図である。
【図4】図2におけるA−A断面拡大図である。
【図5】(A)図2におけるB−B稜線部断面図である。 (B)図2におけるC−C中桟部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、太陽光の採光機構及び太陽光発電パネルを備えたトップライトを提供するものであり、特に本発明は、アール形状の樹脂製ドームに内蔵された反射板による太陽光の追尾機構を有し、該太陽光の追尾機構を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状となる太陽光発電パネルを設置した構成の太陽光の採光機構及び太陽光発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0027】
また、本発明は、太陽光の採光機構をアール形状の樹脂製トップライト内に内蔵した反射板による太陽光追尾型として形成し、該太陽光の追尾型の採光機構は、太陽光の反射板を消費電力の少ない懸垂型として構成して、該懸垂型の反射板の回動は、前記太陽の採光部を載置する立ち上がり基台の周囲に設けた発電パネルからの電力を利用して行う省エネルギータイプの太陽光の採光機構及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0028】
そして、本発明は、太陽の採光部を載置する立ち上り基台の周囲にハカマ形状の太陽光発電パネルを設置して、該基台周辺のハカマ形状下部に太陽電池パネルが吸収した太陽熱を排気するグリルや循環口、並びに吸気口を設けて太陽光発電パネルが吸収するパネル内部空間部の熱負荷を軽減した太陽光の採光機構及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0029】
斯くして、本発明は、略半球面形状を有し太陽光の反射板からなる追尾機構を内蔵した樹脂製ドームと、該樹脂製ドームの下部縁部に設けられたアール形状の下部縁部枠、並びに前記アール形状の下部縁部枠に連繋されたガラス保持枠を介して反射板ダクト枠を懸架して太陽光の採光装置本体を構成し、該太陽光の採光装置本体の四方で屋根部上部に開口部縁部立上り部材上を設けて固定した後、該立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させる構成であることが好ましい。
【0030】
また、本発明は、前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電し、該電力を夜間または雨天等の照度低下時に室内の照明器具にも供給する構成であることが好ましい。
【0031】
更に、本発明は、前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該立上がり部材の壁部に任意間隔を有して外部換気用グリルを複数個設置するとともに、該グリルの後方に空間を有する後室を設けて、該後室の上部には上部に向かって外部より電気的又は機械的手段にて任意に開閉自在な循環口用扉、並びに外部より電気的又は機械的手段により任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉を設けて前記太陽光発電パネルが吸収した太陽光発電パネル内部空間室の熱負荷を軽減することができる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトであることが好ましい。
【0032】
そして、本発明において、太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に設置される太陽光発電パネルは、網入りガラスと透明ガラスからなる複層ガラス基板上に発電素子を載置して透明ガラスにて覆った構造を有していることで発電効率のよい発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0033】
而して、本発明は、略半球面形状を有し太陽光の反射板からなる追尾機構を内蔵した樹脂製ドームと、該樹脂製ドームの下部縁部に設けられたアール形状の下部縁部枠、並びに前記アール形状の下部縁部枠に連繋されたガラス保持枠を介して反射板ダクト枠を懸架して太陽光の採光装置本体を構成し、該太陽光の採光装置本体の四方で屋根部上部に開口部縁部立上り部材上を設けて固定した後、該立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供するもので、太陽光発電パネルからの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させたり、該電力を夜間または雨天時等の照度低下時に反射板ダクト枠内の照明器具に供給することできる効率のよい太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供可能である。
【0034】
また、本発明は、前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該立上がり部材の外壁部に任意間隔を有して外部換気用ガラリを複数個設置するとともに、該ガラリの後方に空間を有する後室を設けて、該後室の上部には上部に向かって外部よりレバーハンドルにて任意に開閉自在な循環口用扉、並びに外部より摘子により任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉を設けて前記太陽光発電パネルが吸収した太陽光発電パネル内部空間室の熱負荷を軽減する機構を備えており、発電効率の良い太陽光発電パネルを提供可能である。
【実施例1】
【0035】
図1及び図5は、本発明の実施例1を説明するものであり、図1は本発明の実施形態を説明する正面図であり、図2は図1の平面図、図3は本発明の概要を示す断面図、図4は図2のA−A断面図、図5(A)は図2のB−B断面図、図5(B)は図2のC−Cの断面図である。
【0036】
図1及び図5において、1は採光装置本体、2は樹脂製ドーム、3は太陽光追尾機構(図3に示す)であり、該図3に示す太陽光追尾機構3は、太陽光を追尾して受光するための反射ミラー4、反射ミラー支持アーム5、反射ミラー竪軸回転駆動モーター6、反射ミラー横軸回転モーター7から構成され、該太陽光追尾機構3は、樹脂製ドーム2内で保持枠8により保持されている。
【0037】
そして、太陽光9は樹脂製ドーム2を介して反射ミラー4に入射され、反射光ミラー4にて採光された光は反射板ダクト10にて室内に取り入れられるものであるが、反射ミラー4は前記反射ミラー竪軸回転駆動モーター6と反射ミラー横軸回転駆動モーター7の回転を制御することにより太陽光9の入射角を追尾して効率良く太陽光9(図3に示す)を採光する。
【0038】
斯くして、太陽光追尾機構3を内蔵した樹脂製ドーム2は、図1乃至図3に示す如く略半球面形状を有し、該樹脂製ドーム2の下部縁部には、樹脂製ドーム2の端部に沿って設けられたアルミ押出し形材製のアール形状縁部枠11が設けられている。
【0039】
また、前記アール形状縁部枠11の下部には網入りガラス枠12が連繋されており、該網入りガラス枠12には網入りガラス13が保持されている。そして、その外部側にガラス保持枠14が設けてあり、該ガラス保持枠14の下部に反射板ダクト10を懸架するための反射ダクト枠15a、15b、15c、15dが少なくとも4本の下地装着金物16a、16b、16c、16dを介して装架されており、その下端には平面正方形の光拡散板17を保持するための拡散板保持枠18a、18b、18c、18dが装着されていて、前記反射板ダクト10は網入りガラス枠12により下部方向に懸架された反射ダクト枠15a、15b、15c、15dと拡散板保持枠18a、18b、18c、18dにより構成される枠組み内に夫々反射板19を嵌着し、下端の室内側面には前記光拡散板17を嵌着して反射板ダクト10のユニットを構成している。
【0040】
図1乃至図3において、太陽光の採光装置本体1の四方で屋根部上部20に開口部縁部立上り基台21上を設けて固定した後、該開口部縁部立上り基台21の天端に立上がり部材22を設け、該立上がり部材22と前記反射板ダクト枠15a、15b、15c、15d間の四方に太陽光発電パネル枠23を介してハカマ形状に太陽光発電パネル24を設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネル24からの電力を蓄電器25に蓄電して前記太陽光の追尾機構3を駆動させるものであり、また、前記太陽光発電パネル24からの電力は蓄電器25に蓄電され、該電力を夜間または照度低下時に室内等に設置される照明器具26に供給することができる。
【0041】
尚、図1及び図2において、14はガラス保持枠、27は太陽光発電パネル枠23を構成する稜線枠、28は中桟、29は下枠であり、前記太陽光パネル24はパネル枠23、稜線枠27、中桟28、下枠29にて構成されたトップライト用サッシにより保持されており、例えば図2に示すように太陽の当たらない北側サッシュ面30a、30b等の如く太陽光発電パネル24を省略して単に複層網入りガラスを入れてトップライトを形成する場合もある。
【0042】
図5(A)は前記稜線枠27部分のB−B断面図であり、当該部分に嵌合する太陽光発電パネル24は、内部側から網入りガラスと透明ガラスからなる複層ガラス基板31上に発電素子32を載置して透明ガラス33にて覆った構造を有しており、該構造の太陽光発電パネル24はシール34を介して稜線枠27に嵌合、固着されている。
【0043】
また、図5(B)は、前記中桟28部分のC−C断面図であり、当該部分に篏合する太陽光発電パネル24は、内部側から網入りガラスと透明ガラスからなる複層ガラス基板31上に発電素子32を載置して透明ガラス33にて覆った構造を有しており、該構造の太陽光発電パネル24はシール34を介して中桟枠28に嵌合、固着されている。
【0044】
而して、図3に示す35は屋根部上部20を構成するスラブ、36は屋根に太陽光発電パネル23や採光装置本体1を設置するために開けた開口部、21は開口部縁部廻りに設けた開口部縁部立上がり基台で、図3の例では基台21を開口部廻りに設置した後、前記立上り部材22を上部に設置している。
【0045】
図4は図2のA−A断面拡大図であり、樹脂製ドーム2の下部に装着されたアール形状縁部枠11と網入りガラス枠12、並びに太陽光発電パネル24が設置されており、該太陽光発電パネル24の下部には開口部縁部立上がり基台21と立上がり部材22が設置されている。
【0046】
そして、前記、立上り部材22は、外部に面した外壁部37を有しており、該外壁部37には任意間隔を有して外部換気用グリル38a、38b、38c・・・を複数個設置するとともに、該グリル38a、38b、38c・・・の後方に空間を有する後室39を設けて、該後室39の上部には上方に向かって外部より電気的又は機械的手段にて任意に開閉自在な循環口用扉40、並びに外部より電気的又は機械的手段により任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉41を設けて前記太陽光発電パネル23が吸収した太陽光発電パネル内部空間室42の熱負荷を軽減する機構が設けられている。
尚、43はスラブ35上に設けられた防水シートを示している。
【0047】
斯くして、本発明は、略半球面形状を有した樹脂製ドーム2内に太陽光の反射ミラー4からなる追尾機構3を内蔵し、該樹脂製ドーム2の下部縁部に設けられたアール形状の下部縁部枠11、並びに前記アール形状の下部縁部枠に連繋されたガラス保持枠14を介して反射板ダクト枠15a、15b、15c、15dを懸架して太陽光の採光装置本体1を構成し、該太陽光の採光装置本体1の四方で屋根部上部20に開口部縁部立上り基台21を設けて固定した後、該開口部縁部立上り基台21の上部に設けられた立上がり部材22の天端と前記反射板ダクト枠15a、15b、15c、15d間の四方に太陽光発電パネル枠23を介してハカマ形状に太陽光発電パネル24を設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネル24の電力を蓄電器25に蓄電して前記太陽光の追尾機構3を駆動させる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトである。
【0048】
また、本発明は、立上り部材22の天端と前記反射板ダクト枠15a、15b、15c、15d間の四方に太陽光発電パネル枠23を介してハカマ形状に太陽光発電パネル24を設置し、該太陽光発電パネル24の電力を蓄電器25に蓄電し、該電力を夜間、または雨天等の照度低下時に室内等の照明器具26にも供給できる構成を有している。
【0049】
更に、本発明は、前記立上り部材22の天端と前記反射板ダクト枠15a、15b、15c、15d間の四方に太陽光発電パネル枠23を介してハカマ形状に太陽光発電パネル24を設置し、該立上がり部材22の外壁部37に任意間隔を有して外部換気用グリル38a、38b、39c・・・を複数個設置するとともに、該外部換気用グリル38a、38b、38c・・・の後方に空間を有する後室39を設けて、該後室39の上部には上部に向かって外部より電気的又は機械的手段にて任意に開閉自在な循環口用扉40、並びに外部より電気的又は機械的手段により任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉41を夫々設けて前記太陽光発電パネル24が吸収した太陽光発電パネル内部空間室42の熱負荷を軽減することができる太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【0050】
そして、本発明において、太陽光発電パネル枠23を介してハカマ形状に設置される太陽光発電パネル24は、網入りガラスと透明ガラスからなる複層ガラス基板31上に発電素子32を載置して透明ガラス33にて覆った構造を有して発電効率の良い太陽光発電パネル24を備えた太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライトを提供するものである。
【符号の説明】
【0051】
1 採光装置本体
2 樹脂製ドーム
3 太陽光追尾機構
4 反射ミラー
5 反射ミラー支持アーム
6 反射ミラー竪軸回転モーター
7 反射ミラー横軸回転モーター
8 保持枠
9 太陽光
10 反射板ダクト
11 アール形状縁部枠
12 網入りガラス枠
13 網入りガラス
14 ガラス保持枠
15a、15b、15c、15d 反射ダクト枠
16a、16b、16c、16d 下地装着金物
17 光拡散板
18a、18b、18c、18d 拡散板保持枠
19 反射板
20 屋根部上部
21 開口部縁部立上がり基台
22 立上がり部材
23 太陽光発電パネル枠
24 太陽光発電パネル
25 蓄電器
26 照明器具
27 稜線枠
28 中桟
29 下枠
30a、30b 北側サッシュ面
31 複層ガラス基板
32 発電素子
33 透明ガラス
34 シール
35 スラブ
36 開口部
37 外壁部
38a、38b、38c・・・ 外部換気用グリル
39 後室
40 循環口用扉
41 吸気用スライド扉
42 太陽光発電パネル内部空間室
43 防水シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略半球面形状を有し太陽光の反射板からなる追尾機構を内蔵した樹脂製ドームと、該樹脂製ドームの下部縁部に設けられたアール形状の下部縁部枠、並びに前記アール形状の下部縁部枠に連繋されたガラス保持枠を介して反射板ダクト枠を懸架して太陽光の採光装置本体を構成し、該太陽光の採光装置本体の四方で屋根部上部に開口部縁部立上り基台上を設けて固定した後、該立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該ハカマ形状の太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電して前記太陽光の追尾機構を駆動させることを特徴とする太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライト。
【請求項2】
前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該太陽光発電パネルの電力を蓄電器に蓄電し、該電力を夜間または照度低下時に室内の照明器具に供給することを特徴とする請求項1に記載の太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライト。
【請求項3】
前記立上り部材の天端と前記反射板ダクト枠間の四方に太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に太陽光発電パネルを設置し、該立ち上がり基台の壁部に任意間隔を有して外部換気用グリルを複数個設置するとともに、該グリルの後方に空間を有する後室を設けて、該後室の上部には上部に向かって外部より電気的又は機械的手段にて任意に開閉自在な循環口用扉、並びに外部より電気的又は機械的手段により任意にスライド開閉可能な吸気用スライド扉を設けて前記太陽光発電パネルが吸収した太陽光発電パネル内部空間室の熱負荷を軽減することを特徴とする請求項1並びに請求項2のいずれかに記載の太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライト。
【請求項4】
前記太陽光発電パネル枠を介してハカマ形状に設置される太陽光発電パネルは網入りガラスと透明ガラスからなる複層ガラス基板上に発電素子を載置して透明ガラスにて覆った構造を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の太陽光の採光システム及び発電パネルを備えたトップライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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