説明

太陽光発電装置およびその設置方法

【課題】レールカバーのレール部材に対する取付を簡単に行うことのできる太陽光発電装置を提供する。
【解決手段】太陽光発電パネル1を保持してなるパネル体10と、パネル体10を支持する架台2とが設けられ、架台2は、パネル体10の縦辺を支持固定する縦レール部材20を有し、縦レール部材20は、屋根面3に対して固着される底面部40と、パネル体10を支持固定するパネル固定部44とを有し、底面部40にはアタッチメント固定部43が形成され、アタッチメント固定部43には、長手方向に沿って小片状のカバー用アタッチメント46が複数固定され、上端部にカバー固定部46bが形成され、カバー固定部46bには縦レール部材20の上方を覆う縦レールカバー45が固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根に設置される太陽光発電装置及びその設置方法に関し、特に屋根面の傾斜方向に沿って設けられ架台を構成する縦レール部材に対し取付けられる縦レールカバーの取付を容易にした太陽光発電装置およびその設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の屋根面に太陽光発電パネルを設置するには、それを支持、固定する支持構造を設け、太陽光発電装置を構成する必要がある。太陽光発電装置のうち、屋根一体型の構造では、まず、木材からなる野地板に防水加工を施した上で、その表面に鋼板を敷設する。この鋼板の上、または鋼板の下に潜り込ませるようにして、太陽光発電パネルを支持する架台を設置する。太陽光発電パネルは、これを四周に渡って保持する枠体に囲まれてパネル体を構成しており、パネル体は枠体の周縁部が架台に載置され、固定がなされる。
【0003】
架台には、屋根面に設置される長尺状のレール部材が用いられ、このレール部材に対してパネル体を構成する枠体が載置固定される。レール部材は、隣接するパネル体の各枠体を固定することができ、この場合、パネル体間の隙間を覆うようにレールカバーが設けられる。このように、架台を構成するレール部材を覆うレールカバーを設けた太陽光発電装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−345672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の太陽光発電装置において、レールカバーは、レール部材に対して直接嵌合、あるいはネジ止めするなどして固定されていた。しかし、レールカバーはレール部材の長手方向に沿って形成される長尺状の部材であるため、固定部分も長手方向に沿って形成されることとなり、レールカバーをレール部材に直接固定するためには、レールカバーの取付精度が高くなければならないため、施工の簡易さを損なうこととなっていた。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、レールカバーのレール部材に対する取付を簡単に行うことのできる太陽光発電装置およびその設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る太陽光発電装置は、建物の屋根面に太陽光発電パネルが固定される太陽光発電装置において、
前記太陽光発電パネルを保持してなるパネル体と、該パネル体を支持する架台とが設けられ、
前記架台は、前記パネル体の縁部のうち前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を支持固定する縦レール部材を有し、該縦レール部材にはアタッチメント固定部が形成され、該アタッチメント固定部には、長手方向に沿って小片状のカバー用アタッチメントが複数固定され、該カバー用アタッチメントには上端部にカバー固定部が形成され、該カバー固定部には前記縦レール部材の上方を覆う縦レールカバーが固定されることを特徴として構成されている。
【0008】
また、本発明に係る太陽光発電装置は、前記カバー用アタッチメントは、少なくとも前記パネル体の上面近傍位置までの高さを有することを特徴として構成されている。
【0009】
さらに、本発明に係る太陽光発電装置は、前記縦レールカバーは前記カバー固定部に固定されるカバー側固着部と、該カバー側固着部から前記パネル体の上面位置まで伸びるカバー部とを有してなることを特徴として構成されている。
【0010】
さらにまた、本発明に係る太陽光発電装置は、前記縦レール部材のアタッチメント固定部は前記底面部から立ち上がり状に形成され、前記カバー用アタッチメントは下端部に前記アタッチメント固定部に対し係合される係合部を有してなることを特徴として構成されている。
【0011】
そして、本発明に係る太陽光発電装置は、前記カバー用アタッチメントは、前記アタッチメント固定部に対して弾性係合することを特徴として構成されている。
【0012】
また、本発明に係る太陽光発電装置は、前記カバー用アタッチメントは、前記アタッチメント固定部に対して内側で弾性係合することを特徴として構成されている。
【0013】
さらに、本発明に係る太陽光発電装置は、前記縦レール部材は前記底面部の中央部に前記アタッチメント固定部が形成され、該アタッチメント固定部の両側からそれぞれ前記パネル固定部が立ち上がり、各パネル固定部には隣接する各パネル体の縦辺が支持固定されることを特徴として構成されている。
【0014】
さらにまた、本発明に係る太陽光発電装置の設置方法は、建物の屋根面に太陽光発電パネルを固定する太陽光発電装置の設置方法において、
前記太陽光発電パネルを保持してなるパネル体と、該パネル体のうち前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を支持固定すると共に、アタッチメント固定部を備えた縦レール部材を有する架台とを前記屋根面に固定し、
前記アタッチメント固定部には、長手方向に沿って小片状のカバー用アタッチメントが複数固定され、該カバー用アタッチメントには上端部にカバー固定部が形成されており、該カバー固定部には前記縦レール部材の上方を覆う縦レールカバーが固定されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る太陽光発電装置によれば、縦レール部材のアタッチメント固定部には、長手方向に沿って小片状のカバー用アタッチメントが複数固定され、上端部にカバー固定部が形成され、カバー用アタッチメントのカバー固定部には縦レール部材の上方を覆う縦レールカバーが固定されることにより、縦レール部材の取付精度が高くなくても、小片状のカバー用アタッチメントであれば容易に係合固定することができるので、施工の簡易性を損なうことがないようにすることができ、また、縦レールカバーと縦レール部材との間に空間を確保することができるので、太陽光発電パネルの配線などを通すスペースを確保することもできる。
【0016】
また、本発明に係る太陽光発電装置によれば、カバー用アタッチメントは、少なくともパネル体の上面近傍位置までの高さを有することにより、縦レールカバーをパネル体と同等の位置で固定することができ、固定の作業を容易にすることができる。
【0017】
さらに、本発明に係る太陽光発電装置によれば、縦レールカバーはカバー固定部に固定されるカバー側固着部と、カバー側固着部からパネル体の上面位置まで伸びるカバー部とを有してなることにより、縦レールカバーによりパネル体間を確実に覆うことができ、また縦レールカバーの上部で固定することができるので、固定作業を容易にすることができる。
【0018】
さらにまた、本発明に係る太陽光発電装置によれば、縦レール部材のアタッチメント固定部は底面部から立ち上がり状に形成され、カバー用アタッチメントは下端部にアタッチメント固定部に対し係合される係合部を有してなることにより、カバー用アタッチメントを縦レール部材に差し込んで簡単に係合固定させることができるので、カバー用アタッチメントの取付作業を容易にすることができる。
【0019】
そして、本発明に係る太陽光発電装置によれば、カバー用アタッチメントは、アタッチメント固定部に対して弾性係合することにより、カバー用アタッチメントの縦レール部材に対する固定作業を容易にすることができる。
【0020】
また、本発明に係る太陽光発電装置によれば、カバー用アタッチメントは、アタッチメント固定部に対して内側で弾性係合することにより、カバー用アタッチメントをつまむだけで変形させることができ、係合解除を容易にすることができる。
【0021】
さらに、本発明に係る太陽光発電装置によれば、縦レール部材はアタッチメント固定部の両側からそれぞれパネル固定部が立ち上がり、各パネル固定部には隣接する各パネル体の縦辺が支持固定されることにより、隣接するパネル体を一体的に固定しつつ、パネル体間を縦レールカバーにより確実に覆うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態における太陽光発電装置の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図2のうち縦レール部材付近の拡大図である。
【図5】図4の分解図である。
【図6】縦レール部材とカバー用アタッチメントとの関係を表した斜視図である。
【図7】別の形態のカバー用アタッチメントを採用した場合の縦レール部材付近の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。本実施形態の太陽光発電装置は、傾斜面状に構成されてなる建物の屋根に取付けられるものである。すなわち、太陽光発電装置は、屋根面の傾斜に沿って設けられている。また、本実施形態の太陽光発電装置は、建物の施工時に屋根と一体的に形成されるものであり、建物の屋根を兼ねた屋根一体型の支持構造を有している。
【0024】
図1には、本実施形態における太陽光発電装置の平面図を示している。本実施形態では、屋根面の傾斜方向に沿って2枚、屋根面の傾斜方向と直交する左右方向に沿って3枚の太陽光発電パネル1を並設しており、合計で6枚の太陽光発電パネル1を支持固定している。太陽光発電パネル1は、方形状に枠組みされた枠体11によって周縁部を保持されてパネル体10を構成しており、このパネル体10が屋根面に設置される架台2によって支持されている。
【0025】
枠体11は、太陽光発電パネル1の縁部のうち屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を保持する縦枠13と、太陽光発電パネル1の縁部のうち屋根面の傾斜方向と直交する左右方向に沿う横辺を保持する横枠12とからなっている。横枠12は、パネル体10の上辺を構成する上枠50と、パネル体10の下辺を構成する下枠55とからなっている。縦枠13は、架台2を構成する縦レール部材20によって支持固定されており、横枠12は、架台2を構成する中間ブラケット21によって支持されている。
【0026】
架台2を構成する縦レール部材20は、左右方向に隣接するパネル体10の縦辺をそれぞれ支持固定できるように、長尺状に形成され、左右方向に一定間隔で配置される。本実施形態では、パネル体10は左右方向に3枚配置されるので、図1に示すように、左右方向両端に配置されて一方側のみパネル体10を支持固定する縦レール部材20と、左右方向中間位置に配置されて両側でパネル体10を支持固定する縦レール部材20が、それぞれ設けられる。
【0027】
パネル体10の横辺については、短尺状に形成された中間ブラケット21によって支持される。その詳細な構成については後述する。また、太陽光発電装置の下端部には、左右方向に沿って軒側端部材22が、太陽光発電装置の上端部には、左右方向に沿って棟側端部材23が、それぞれ設けられる。
【0028】
太陽光発電装置につきより詳細に説明する。図2には図1のA−A断面図を、図3には図1のB−B断面図を、それぞれ示している。なお、図2はA−A断面のうち左半分を省略すると共に、中間の一部を省略し、また、図3ではB−B断面のうち中間の一部を省略している。図2に示すように、建物の屋根面3は、左右方向に一定間隔で配置される垂木32によって野地板30が支持されて構成されている。野地板30は木材からなり、その表面には防水シート31が張られている。
【0029】
屋根面3の表面には、鋼板4が敷設され、鋼板4の上に架台2が設置されてパネル体10を支持固定している。架台2は、前述のようにパネル体10の縦辺を支持固定する縦レール部材20を有している。縦レール部材20は、垂木32の間隔に合わせてその直上に配置され、屋根面3及び垂木32に対してビス止め固定される。これにより、架台2の固定強度を大きくすることができる。
【0030】
架台2は、縦レール部材20と、縦レール部材20間に設けられる中間ブラケット21とによって構成されている。縦レール部材20は、パネル体10の縦枠13を長手方向に沿って支持し、中間ブラケット21は、パネル体10の横枠12を一定間隔毎に支持している。中間ブラケット21の左右方向の長さは、縦レール部材20間の距離よりも小さいため、架台2にはパネル体10の下方に屋根面の傾斜方向に沿って貫通する空間領域が形成され、この空間領域を空気が抜けることができるようになっている。
【0031】
図3に示すように、中間ブラケット21は、屋根面の傾斜方向に沿って隣接する2枚のパネル体10を構成する各横枠12、12を支持し、棟側端部と軒側端部では、それぞれ1つの横枠12を支持しており、各パネル体10の左右方向における中間部において、パネル体10の厚み方向への移動を規制している。これにより、風圧等によるパネル体10の撓みを防止することができる。
【0032】
次に、縦レール部材20の固定構造につき詳細に説明する。図4には図2のうち縦レール部材20付近の拡大図を、図5には図4の分解図を、それぞれ示している。縦レール部材20は、屋根面3に敷設される鋼板4に載置され、鋼板4を介して屋根面3に対して固定される底面部40と、底面部40から立ち上がる内側レール部41及び外側レール部42と、内側レール部41のさらに内側に形成されるアタッチメント固定部43を有している。
【0033】
底面部40は、前述のように鋼板4の突き合わせ部5よりも幅広となるように形成されていて、突き合わせ部5を外部に直接露出させないようにしている。また、底面部40の中央位置において、縦レール部材20はビス48によって屋根面3に対し固定されている。
【0034】
内側レール部41と外側レール部42は、それぞれアタッチメント固定部43を挟んだ一組の立ち上がり片からなっている。内側レール部41は、底面部40から垂直方向に立ち上がっており、その上端部にはそれぞれ縦レール部材20の中央側に向かって伸びる面状のパネル固定部44を有していて、内側レール部41とパネル固定部44とで断面略L字状をなすように形成されている。
【0035】
縦レール部材20は、外側レール部42と内側レール部41を備えているから、底面部40とで内側レール部41と外側レール部42と底面部40とからなる外側の大きな凹部と内側レール41とアタッチメント固定部43と底面部40とからなる内側の小さな凹部をそれぞれ形成している。したがって、太陽光発電パネル1間より水が浸入したとしても、これらの凹部が水通路となり屋根下方に水が流れるので、ビス48による固定位置に水が浸入しないようにすることができる。さらに、パネル固定部44は、縦レール部材20の中央側端部がアタッチメント固定部43よりも外側位置にあるため、仮にパネル固定部44の上面側に水が浸入したとしても、浸入した水はアタッチメント固定部43よりも外側の内側レール部41間の領域に落ちるから、アタッチメント固定部43の内側、すなわちビス48の固定位置側には水が浸入しないようにすることができる。
【0036】
また、底面部40のビス48を固定する部分は、厚肉状とされた凸部40aが形成されており、凸部40aが形成されていることで、アタッチメント固定部43で囲まれたビス48の固定位置に仮に水が浸入したとしても、アタッチメント固定部43と凸部40aにより凹部による水通路が形成され、該通路を通り屋根下方に水が流れるので、屋根面3に挿通されるネジ面に水が浸入しないようにすることができ、防水性をさらに高くすることができる。
【0037】
縦レール部材20のパネル固定部44に対しては、パネル体10の縦枠13が載置され、締結具であるボルトにより固着されている。縦枠13は、太陽光発電パネル1の周面と対向する周面部13aと、周面部13aからパネル体10の外周側に突出する平面状の固定面部13bと、周面部13aからパネル体10の内周側に突出し太陽光発電パネル1の周縁部を保持するパネル保持部13cとを備えている。このうち縦枠13の固定面部13bが、縦レール部材20のパネル固定部44に載置され、固着される。
【0038】
縦レール部材20は、中央部のアタッチメント固定部43を挟んで両側にそれぞれパネル固定部44が形成されるので、隣接する左右のパネル体10の縦枠13を、それぞれ支持固定することができる。左右のパネル固定部44は、先端部間が離隔しているため、縦レール部材20においてはアタッチメント固定部43及びビス48の上方が開放状となっている。これに伴い、隣接する両縦枠13も離隔した状態で支持固定されている。このため、パネル体10の取付けや取外しの際には、縦枠13を左右方向にスライド移動させることが可能となっている。
【0039】
また、左右のパネル固定部44が離隔しており、アタッチメント固定部43及びビス48の上方が開放状となっているため、縦レール部材20を屋根面3に対し容易に固定することができると共に、取外しも容易にすることができる。さらには、縦枠13を縦レール部材20に固定する際には、縦枠13の固定面部13bを縦レール部材20のパネル固定部44に載置して固定すればよいので、位置合わせも容易にすることができる。
【0040】
縦レール部材20のアタッチメント固定部43は、ビス48による固定位置を挟んで断面略L字状の一組の突出部からなっている。このアタッチメント固定部43には、パネル体10の上面近傍位置までの高さを有するカバー用アタッチメント46が係合固定され、カバー用アタッチメント46には縦レールカバー45が固定される。
【0041】
カバー用アタッチメント46は、下端部にアタッチメント固定部43に対し係合自在な係合部46aを備えている。カバー用アタッチメント46はアタッチメント固定部43からパネル体10の上面近傍位置までの高さを有しており、上端部には縦レールカバー45を固定自在なカバー固定部46bを備えている。
【0042】
図6には、縦レール部材20とカバー用アタッチメント46との関係を表した斜視図を示している。この図に示すように、カバー用アタッチメント46は縦レール部材20よりも短い小片状の部材からなり、下端部の係合部46aで縦レール部材20のアタッチメント固定部43に対して係合固定される。アタッチメント固定部43には、カバー用アタッチメント46の固定位置の横に、折り返し状の長手方向係止部46aが形成されており、これによってカバー用アタッチメント46の縦レール部材20長手方向に対する移動を規制している。
【0043】
カバー用アタッチメント46は、縦レール部材20の長手方向に沿って、所定間隔で複数設けられる。これら複数のカバー用アタッチメント46によって、縦レール部材20と同様、長手方向に長尺状に形成される縦レールカバー45を支持固定する。
【0044】
図4に示すように、縦レールカバー45は、カバー固定部46bに対してビス止め固定されるカバー側固着部45aと、カバー側固着部45aから左右に伸びるカバー部45bとからなっている。カバー部45bは、左右方向に隣接する縦枠13の周面部13a間に形成される空間部分を覆うと共に、パネル体10を構成する縦枠13のパネル保持部13cの周縁部にかかる位置まで伸びるように形成されており、縦レール部材20への水の浸入を防止している。
【0045】
このように、カバー用アタッチメント46が長尺状の縦レール部材20よりも短い小片状に形成されており、長手方向に沿って複数設けられて、長尺状に形成された縦レールカバー45を支持固定するようにしたことにより、縦レール部材20の取付精度が高くなくても、小片状のカバー用アタッチメント46であれば容易に係合固定することができるので、施工の簡易性を損なうことがないようにすることができ、また、縦レールカバー45と縦レール部材20との間に空間を確保することができるので、太陽光発電パネル1の配線などを通すスペースを確保することもできる。
【0046】
また、カバー用アタッチメント46は、縦レール部材20に固定した状態での上端位置がパネル体10の上面近傍位置となるので、縦レールカバー45をパネル体10と同等の位置で固定することができ、固定の作業を容易にすることができる。さらには、カバー用アタッチメント46の縦レールカバー45に対する固定は、カバー用アタッチメント46の下端部に形成された係合部46aの係合によりなされるので、カバー用アタッチメント46を縦レール部材20に差し込むだけで簡単に取付ができる。
【0047】
カバー用アタッチメント46のカバー固定部46bは、断面中空状に形成され、その下部はカバー固定部46bから下方に延びる2つの脚部46c、46cによって構成されている。これらの脚部46cの下端部に係合部46aが形成されている。このため、脚部46cは内側に向かって弾性変形させることができ、係合部46aによるアタッチメント固定部43に対する固定は、この弾性変形により確実に行うことができる。また、脚部46cを弾性変形させることにより、カバー用アタッチメント46の縦レール部材20からの取り外し作業も、容易に行うことができる。
【0048】
カバー用アタッチメント46としては、別の形態を採用することもできる。図7には、別の形態のカバー用アタッチメント46を採用した場合の縦レール部材20付近の拡大断面図を示している。この図は、カバー用アタッチメント46と縦レールカバー45以外の構成は、図4と同じであるので、共通する点については説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、この形態におけるカバー用アタッチメント46は、縦レール部材20に対して固定される断面略コ字状のアタッチメント本体46dと、アタッチメント本体46dと縦レールカバー45とを連結するスペーサー46eとの二部材によって構成されている。
【0050】
アタッチメント本体46dの下端部には、係合部46aが形成されており、縦レール部材20のアタッチメント固定部43に対して係合固定される。縦レールカバー45のカバー側固着部45aは、下面側で断面略コ字状に形成され、この部分にスペーサー46eの上端部を係合させ、ネジによって縦レールカバー45とスペーサー46e及びアタッチメント本体46dを共に固定する。
【0051】
この形態においても、アタッチメント本体46d及びスペーサー46eは小片状の部材からなり、縦レールカバー45を簡易な作業で取付けることができると共に、縦レール部材20上部におけるスペースも確保することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0053】
1 太陽光発電パネル
2 架台
3 屋根面
4 鋼板
10 パネル体
11 枠体
12 横枠
13 縦枠
20 縦レール部材
21 中間ブラケット
40 底面部
43 アタッチメント固定部
44 パネル固定部
45 縦レールカバー
45a カバー側固着部
45b カバー部
46 カバー用アタッチメント
46a 係合部
46b カバー固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の屋根面に太陽光発電パネルが固定される太陽光発電装置において、
前記太陽光発電パネルを保持してなるパネル体と、該パネル体を支持する架台とが設けられ、
前記架台は、前記パネル体の縁部のうち前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を支持固定する縦レール部材を有し、該縦レール部材にはアタッチメント固定部が形成され、該アタッチメント固定部には、長手方向に沿って小片状のカバー用アタッチメントが複数固定され、該カバー用アタッチメントには上端部にカバー固定部が形成され、該カバー固定部には前記縦レール部材の上方を覆う縦レールカバーが固定されることを特徴とする太陽光発電装置。
【請求項2】
前記カバー用アタッチメントは、少なくとも前記パネル体の上面近傍位置までの高さを有することを特徴とする請求項1記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記縦レールカバーは前記カバー固定部に固定されるカバー側固着部と、該カバー側固着部から前記パネル体の上面位置まで伸びるカバー部とを有してなることを特徴とする請求項1または2記載の太陽光発電装置。
【請求項4】
前記縦レール部材のアタッチメント固定部は前記底面部から立ち上がり状に形成され、前記カバー用アタッチメントは下端部に前記アタッチメント固定部に対し係合される係合部を有してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽光発電装置。
【請求項5】
前記カバー用アタッチメントは、前記アタッチメント固定部に対して弾性係合することを特徴とする請求項4記載の太陽光発電装置。
【請求項6】
前記カバー用アタッチメントは、前記アタッチメント固定部に対して内側で弾性係合することを特徴とする請求項5記載の太陽光発電装置。
【請求項7】
前記縦レール部材は前記底面部の中央部に前記アタッチメント固定部が形成され、該アタッチメント固定部の両側からそれぞれ前記パネル固定部が立ち上がり、各パネル固定部には隣接する各パネル体の縦辺が支持固定されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の太陽光発電装置。
【請求項8】
建物の屋根面に太陽光発電パネルを固定する太陽光発電装置の設置方法において、
前記太陽光発電パネルを保持してなるパネル体と、該パネル体のうち前記屋根面の傾斜方向に沿う縦辺を支持固定すると共に、アタッチメント固定部を備えた縦レール部材を有する架台とを前記屋根面に固定し、
前記アタッチメント固定部には、長手方向に沿って小片状のカバー用アタッチメントが複数固定され、該カバー用アタッチメントには上端部にカバー固定部が形成されており、該カバー固定部には前記縦レール部材の上方を覆う縦レールカバーが固定されることを特徴とする太陽光発電装置の設置方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76308(P2013−76308A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218195(P2011−218195)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】