太陽電池モジュール、および外装パネルの取付構造
【課題】太陽電池モジュールの構造の簡素化と、汎用性の向上とを実現する。さらに太陽電池モジュールなどの外装パネルの取付構造の簡素化を実現して、その分だけ施工コストの削減と、屋根への負荷重量を削減する。
【解決手段】ベース体1と、ベース体1の主面壁3に貼り付け固定される、フィルム型のアモルファス太陽電池からなる電池本体2とで太陽電池モジュールPを構成して、モジュール構造の簡素化と軽量化とを実現する。隣接する折版屋根材16の連結部分19に装着した締結金具25で太陽電池モジュールPを直接支持する。締結金具25は、連結部分19に締結固定される支持ベース26と、押え具27などで構成し、太陽電池モジュールPのベース体1に設けた締結壁7を、支持ベース26と押え具27とで直接挟持固定する。
【解決手段】ベース体1と、ベース体1の主面壁3に貼り付け固定される、フィルム型のアモルファス太陽電池からなる電池本体2とで太陽電池モジュールPを構成して、モジュール構造の簡素化と軽量化とを実現する。隣接する折版屋根材16の連結部分19に装着した締結金具25で太陽電池モジュールPを直接支持する。締結金具25は、連結部分19に締結固定される支持ベース26と、押え具27などで構成し、太陽電池モジュールPのベース体1に設けた締結壁7を、支持ベース26と押え具27とで直接挟持固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折版材で構築される外壁や折版屋根などの、折版材の外面に設置される太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールなどの外装パネルの外装折版材に対する取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、屋根上に太陽電池を設置する形態には、表面に太陽電池が一体化してある屋根材を葺きあげる形態と、既存の屋根や新築の屋根の上面に太陽電池モジュールを設置する形態(以下、単に据置き型という)とがある。据置き型の設置形態においては、屋根上に架台を構築したうえで、その上面に太陽電池モジュールを配置する。折版屋根材で葺きあげた屋根においては、山部と谷部とが交互に連続するので、山部の上面に先の架台と同様の支持枠を組んだうえで、その上面に太陽電池モジュールを配置し、各種の金具で固定している(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−155803号公報(段落番号0009、図3)
【特許文献2】特許第3352647号公報(段落番号0013、図3)
【特許文献3】特開2002−294955号公報(段落番号0051、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
据置き型の従来の太陽電池モジュールは、殆どが結晶系太陽電池で構成されていて、全体が硬質パネル化されているので、個々の太陽電池モジュールの重量が大きいうえ、設置するのに支持枠や取付金具等を多用しなければならない。そのため、太陽電池を設置した後の屋根全体の重量が大きくなり、建物躯体に対する荷重負荷が増加するのを避けられない。また、製造メーカーによって太陽電池モジュールの大きさに違いがあり、しかも、太陽電池モジュールの縦横のサイズと折版屋根材の働き幅とが一致しないため、太陽電池モジュールの大きさや、屋根材の働き幅に応じて専用の支持枠や取付金具等を用意する必要があり、太陽電池モジュールの設置コストが嵩む。
【0005】
本出願人は、上記のような問題点を解消するために、構造が簡単で軽量の太陽電池モジュールと、構造が簡素化された太陽電池の設置構造とを先に提案している。そこでは、図19に示すように、鋼板製のパネルからなるベース体61と、ベース体61に貼り付け固定されるフィルム型のアモルファス太陽電池62とで太陽電池モジュールを構成している。ベース体61は、軒棟方向と直交する向きに長い横長のパネル体からなり、軒側および棟側の各辺部に沿って折り曲げ形成した締結壁63を、折版屋根材70の山部分71と、はぜ締め構造72に締結した締結金具75とで上下に挟持固定することにより屋根面に固定していた。この締結構造では、締結壁63と同壁63に連続する脚壁64に、はぜ締め構造72を跨ぐための溝65を形成する必要がある。
【0006】
上記のように、ベース体61の長辺部に沿って溝65が切り欠き形成してあると、折版屋根材70の働き幅が異なるごとに、専用の太陽電池モジュールを用意しなければならず、汎用性に欠け生産性が低くコスト高となり、在庫管理が複雑になるなどの点で難があった。さらに、ベース体61の辺部に沿って溝65を一定間隔おきに設けるので、その分だけベース体61の強度が低下して折れ曲がりやすく、太陽電池モジュールの耐風圧強度が低下しやすいこと、溝65の切り欠き部分から錆が発生するなど耐久性が低下しやすいこと、搬送時や施工時の荷扱いに注意が必要となる点に問題があった。加えて、フランジ状に張り出された締結壁63の折り曲げ基端に、雨水や塵埃が溜まりやすい問題がある。
【0007】
本発明の目的は、結晶系の太陽電池モジュールに比べて、構造が簡単で軽量化できるうえ、汎用性が高く、その分だけ生産性を向上し、在庫管理の手間を簡素化できる太陽電池モジュールを提供することにある。本発明の目的は、構造が簡単で軽量であるにもかかわらず大きな構造強度を備えており、したがって、長期使用時の耐久性と耐風圧強度に優れ、さらに搬送時や施工時の荷扱いを容易化できる太陽電池モジュールを提供することにある。
【0008】
本発明の目的は、太陽電池モジュールなどの外装パネルの屋根面あるいは外壁面への設置構造を簡素化して、従来の設置構造に比べて施工コストを大幅に削減でき、しかも設置構造が簡単な分だけ屋根の全体重量を削減し、あるいは建物躯体に対する負荷重量を減少できる、外装パネルの取付構造を提供することにある。本発明の目的は、折版材の働き幅や、パネルサイズとは無関係に外装パネルを設置でき、したがって汎用性に優れ、設置に要するコストが少なくて済む外装パネルの取付構造を提供することにある。本発明の目的は、発電効率を向上できるうえ、太陽電池モジュールの表面に付着した埃などの塵埃を雨水によって効果的に洗い流して、長期使用時にも効果的に太陽光発電を行える外装パネル(太陽電池パネル)の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の太陽電池モジュールは、交互に連続する山部分18と谷部分17とを備えた折版材16の外面に設置される。図6に示すように、太陽電池モジュールPは、折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で直接支持されるベース体1と、ベース体1に貼り付け固定されるシート状の電池本体2とからなる。電池本体2は、図3の拡大図に示すようにフィルム基板10の表面に太陽電池層11が形成してあるフィルム型アモルファス太陽電池で構成されている。ベース体1は、電池本体2が貼り付け固定される主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁4と、前記締結金具25で挟持固定される締結壁7を含んでパネル状に構成してある。
【0010】
図1に示すように、電池本体2の外表面を含むベース体1の表面全体は外装フィルム12で覆われている。ベース体1の主面壁3に貼り付け固定した電池本体2と、主面壁3の両側縁との間のそれぞれに、締結金具25で挟持固定される締結壁7を設ける。
【0011】
図9に示すように、ベース体1の係止壁4に連続して、締結金具25で挟持固定される締結壁7を折り曲げ形成する。
【0012】
係止壁4の内面側に、補強壁6を間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成する。
【0013】
本発明に係る外装パネルの取付構造は、図5に示すように外装パネルPが、隣接する折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で直接支持してある。外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁4と、前記締結金具25で挟持固定される締結壁7を含んで構成する。締結金具25は、連結部分19に締結固定される支持ベース26と、支持ベース26で支持した外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26と共同して挟持する押え具27と、支持ベース26と押え具27とを締結するねじ構造とで構成する。以て、外装パネルPの締結壁7を、連結部分19より外方に位置する状態で、支持ベース26と押え具27とで直接挟持固定する。
【0014】
外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿って設けられる締結壁7と、締結壁7に連続して折り曲げられる係止壁4とを含んで構成する。図5に示すように締結金具25の支持ベース26は、折版材16のはぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36と、両載置壁36に切り欠き形成されて係止壁4と係合する係止溝37と、両取付脚34を引き寄せ固定する第1ボルト28と、押え具27を締結する第2ボルト30を含んで構成する。図1に示すように押え具27は、第2ボルト30用の挿通穴44を備えた締結部45と、締結部45に連続する一対の押圧腕46とを備えている。以て、外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26の載置壁36と押え具27の押圧腕46とで挟持固定する。
【0015】
外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に連続して折り曲げられる係止壁4と、係止壁4の下端に連続して折り曲げ形成される締結壁7を含んで構成する。図9に示すように締結金具25の支持ベース26は、折版材16のはぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36と、載置壁36に切り欠き形成されて太陽電池モジュールPの係止壁4および締結壁7を受け止める連結溝48と、両取付脚34を引き寄せ固定する第1ボルト28と、押え具27を締結する第2ボルト30を含んで構成する。押え具27は、第2ボルト30用の挿通穴44を備えた締結部45と、締結部45に連続する一対の押圧腕46とを備えている。外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26の連結溝48の締結面50と押え具27の押圧腕46とで挟持固定する。
【0016】
図11に示すように隣接する折版材16の山部分18どうしが、ボルト53で連結固定してある屋根や外壁を適用対象とする場合には、外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿って設けられる締結壁7と、締結壁7に連続して折り曲げられる係止壁4とを含んで構成する。締結金具25の支持ベース26は、前記ボルト53に挿通されるベース壁56と、ベース壁56に連続して逆L字状に折り起こされる一対の載置壁57とを含んで構成する。押え具27は、ボルト53用の挿通穴を備えた締結部58と、締結部58に連続して逆L字状に折り起こされる一対の押圧腕59とを備えている。以て、外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26の載置壁57と押え具27の押圧腕59とで挟持固定する。
【0017】
支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、低位の載置壁36Lと、高位の載置壁36Hで段違い状に形成する(図13ないし図14参照)。押え具27に設けられる一対の押圧腕を、前記載置壁36L・36Hの段違い構造に対応して、低位の押圧腕46Lと、高位の押圧腕46Hとで段違い状に形成する。以て、外装パネルPの締結壁7を、隣接する支持ベース26の低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとに傾斜する状態で載置して、押え具27で挟持固定する。
【0018】
図7および図11に示すように押圧腕46・59は、締結部45・58に連続する上腕壁46a・59aと、上腕壁46a・59aの下面側に折り返し形成される下腕壁46b・59bとで構成する。
【0019】
外装パネルPの係止壁4の内面側に、補強壁6を間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成する。図8に示すように下腕壁46bに連続して規制片46cを下向きに折り曲げる。ベース体1の係止壁4と補強壁6とを、係止溝37の一方の溝縁と規制片46cとで挟持固定する。
【0020】
外装パネルは、主面壁3と、主面壁3の軒側および棟側の両側縁に沿ってそれぞれ下向きに折り曲げられる係止壁4と、締結壁7を含むパネル状のベース体1と、主面壁3に貼り付け固定されるフィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体2とを備えた太陽電池モジュールPである。
【発明の効果】
【0021】
本発明においては、屋根面等に装着されるベース体1と、フィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体2とで太陽電池モジュールPを構成するので、従来の結晶系の太陽電池モジュールに比べてモジュール重量を大幅に軽量化できる。フィルム型アモルファス太陽電池で電池本体2を構成するので、従来の結晶系モジュールに比べて太陽電池モジュールPを容易に長尺化でき、その分だけ太陽電池モジュールの生産効率を向上できるうえ、施工の手間を軽減できる。
【0022】
電池本体2が貼り付け固定される主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁4と、締結壁7などでベース体1を構成し、折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で締結壁7を挟持することにより、太陽電池モジュールPを締結金具25で直接支持するので、結晶系の太陽電池モジュールや、軽量化された従来の太陽電池モジュールに比べて、構造が簡単で軽量化できるうえ、汎用性が高く、その分だけ生産性を向上し、在庫管理の手間を簡素化できる。
【0023】
電池本体2の外表面を含むベース体1の表面全体を外装フィルム12で覆った太陽電池モジュールPによれば、軽量化された従来の太陽電池モジュールに比べて、構造強度を増強して長期使用時の耐久性と耐風圧強度を向上でき、さらに搬送時や施工時の荷扱いを容易化できる。
【0024】
ベース体1の主面壁3に貼り付け固定した電池本体2と、主面壁3の両側縁との間のそれぞれに締結壁7を設ける太陽電池モジュールPによれば、電池本体2の近傍に設けた締結壁7を締結金具25で挟持固定できるので、太陽電池モジュールPを安定した状態で、しかも強固に固定できる。主面壁3に締結壁7を設けるので、締結壁7に雨水や塵埃などが滞留することもない。
【0025】
ベース体1の係止壁4に連続して締結壁7を折り曲げ形成した太陽電池モジュールPによれば、主面壁3のほぼ全面にわたって電池本体2を貼り付けることができるので、主面壁3の面積を一定とする場合は、太陽電池モジュールPの発電容量を向上でき、逆に電池本体2の面積を一定とする場合は、太陽電池モジュールPの外形寸法を小さくできる。
【0026】
係止壁4の内面側に補強壁6が間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成してある太陽電池モジュールPによれば、ベース体1の構造強度を向上して耐久性を向上でき、さらに搬送時や施工時などにベース体1が撓み変形するのを規制して荷扱いをさらに容易化できる。
【0027】
本発明に係る外装パネルの取付構造においては、隣接する折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で外装パネルPを直接支持するので、外装パネルPを支持するのに必要な金具を最小限化でき、その分だけ外装パネルと取付構造を含む全体重量を大幅に軽量化できる。さらに、連結部分19に締結固定される支持ベース26と、押え具27などで締結金具25を構成し、外装パネルPの締結壁7を支持ベース26と押え具27とで直接挟持固定するので、例えば太陽電池モジュールを屋根面に設置する場合に、従来のこの種の構造において不可欠であった架台や、架台を固定するための金具などを省略でき、屋根および建物躯体に対する負荷重量を小さくできる。もちろん、架台、金具、および枠体などを省略できる分だけ施工の手間や設置コストを大幅に削減できる。
【0028】
連結部分19より外方で外装パネルPを支持するので、外装パネルPの構造および形状を単純化でき、例えば、連結部分19との接当干渉を避けるための溝などをベース体1に形成する必要がないので、折版材の働き幅や、パネルサイズとは無関係に外装パネルPを設置でき、したがって外装パネルPの汎用性を向上し、その製造コストを削減できる利点もある。新規に構築される屋根や外壁はもちろん、既存の屋根や外壁でも簡単に外装パネルPを設置できる。
【0029】
はぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36などで支持ベース26を構成し、両載置壁36に切り欠き形成した係止溝37に外装パネルPの係止壁4を係止装着し、両載置壁36で支持した締結壁7を、支持ベース26の両載置壁36と、支持ベース26に締結される押え具27の押圧腕46とで挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、主面壁3の両側の締結壁7を締結金具25で直接挟持固定して、外装パネルPを安定した状態でしかも強固に固定できる。外装パネルPを締結金具25で直接固定支持するので、従来の設置構造に比べて設置構造を簡素化し、その分だけ施工コストを削減できる。
【0030】
はぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36などで支持ベース26を構成し、載置壁36に切り欠き形成した連結溝48に外装パネルPの係止壁4と締結壁7とを係合し、支持ベース26に締結される押え具27の押圧腕46と、連結溝48の締結面50とで締結壁7を挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、押え具27が外装パネルPの外面に大きく突出するのを避けて外装パネルPの外観をすっきりとしたものにできる。外装パネルPの係止壁4と締結壁7とを連結溝48で位置決めできるうえ、外装パネルPが軒棟方向へ動こうとするのを確実に規制できる。
【0031】
隣接する折版材16の山部分18どうしがボルト53で連結固定してある屋根や外壁において、支持ベース26および押え具27を、ボルト53を利用して連結部19に固定し、同時に、支持ベース26の載置壁57と押え具27の押圧腕59とで外装パネルPの締結壁7を挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、支持ベース26を連結部19に固定するためのボルトや、押え具27を支持ベース26に締結するためのボルトなどを省略して締結金具25の構造を簡素化でき、その分だけ外装パネルPの施工の手間や設置コストを大幅に削減でき、屋根および建物躯体に対する負荷重量をさらに小さくできる。支持ベース26の載置壁57、および押え具27の押圧腕59のそれぞれを逆L字状に形成し、載置壁57と押圧腕59とで外装パネルPの締結壁7を上下に挟持するので、支持ベース26の全部と、押え具27の大半の部分がベース体1の表面から上方へ突出するのを避けて、外装パネルPの外観をすっきりとしたものにできる利点もある。
【0032】
支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、低位の載置壁36Lと、高位の載置壁36Hとで段違い状に形成し、押え具27に設けられる一対の押圧腕を、低位の押圧腕46Lと、高位の押圧腕46Hとで段違い状に形成し、外装パネルPの締結壁7を、隣接する支持ベース26の低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとに傾斜する状態で載置して押え具27で挟持固定するようにした外装パネルPの取付構造によれば、外装パネルPを屋根面や外壁に大きく傾斜する状態で取り付けることができる。とくに、外装パネルが屋根面に設置される太陽電池パネルPである場合には、電池パネルPを屋根面の勾配に、隣接する締結金具25・25の間における太陽電池パネルPの傾斜角度を加えた大きな傾斜角度で傾斜支持できるので、屋根面が緩勾配で形成してある場合であっても、太陽電池パネルPの発電効率を向上して供給できる電力量を増加できる。また、太陽電池パネルPの傾斜角度が大きいので、パネル表面に付着した埃などの塵埃を雨水によって効果的に洗い流すことができ、したがってパネル表面における太陽光の透過を促進して、長期にわたって太陽光発電を効果的に行うことができる。外装パネルや太陽電池パネルPを傾斜支持するのに、別途専用部品を用意する必要がないので、屋根および建物躯体に対する負荷重量を小さくできるうえ、施工の手間や設置コストを大幅に削減できる利点もある。化粧用の外装パネルを設置する場合には、その表面の汚れを雨水で確実に洗い流して美麗な状態を長期にわたって維持できる。
【0033】
図7および図11に示すように、締結部45・58に連続する上腕壁46a・59aと、上腕壁46a・59aの下面側に折り返し形成される下腕壁46b・59bとで構成した押圧腕46・59によれば、押圧腕46・59の強度を増強できる。また、押え具27を締結した状態において、上腕壁46a・59aが弾性変形する状態で締結壁7を強固に挟持固定できるので、外装パネルPが強風によってばたつきあるいは浮き上がるのを確実に防止できる。
【0034】
図8に示すように、下腕壁46bに連続して規制片46cを形成しておき、係止溝37に装着した係止壁4と補強壁6とを、規制片46cと係止溝37の一方の溝縁とで挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、ナット31を締め込むとき規制片46cを係止溝37で受け止めて、押え具27が連れ回りするのを確実に防止でき、したがって押え具27の締結作業を迅速かつ簡便に行うことができる。
【0035】
外装パネルが、フィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体2をベース体1の主面壁3に貼り付け固定した太陽電池モジュールPである場合には、太陽電池モジュールPの屋根面や外壁への設置構造を簡素化して、従来の設置構造に比べて施工コストを大幅に削減でき、しかも設置構造が簡単な分だけ屋根の全体重量を削減し、あるいは建物躯体に対する負荷重量を減少できる。折版材の働き幅や、パネルサイズとは無関係に太陽電池モジュールPを設置できるので、太陽電池モジュールP自体の汎用性を格段に向上して、その製造コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(実施例) 図1ないし図6は本発明に係る太陽電池モジュールと、その折版屋根への取付構造の実施例を示す。図6において太陽電池モジュール(外装パネル)Pは、鋼板製のパネルからなるベース体1と、ベース体1に貼り付け固定されるシート状の電池本体2とで構成する。
【0037】
ベース体1は、電池本体2が貼り付け固定される主面壁3と、主面壁3の長辺部、すなわち軒側および棟側の両側縁に沿ってそれぞれ下向きに折り曲げられる係止壁4・4と、主面壁3の短辺部に沿って下向きに折り曲げられる側端壁5・5と、係止壁4の下端を内面側へ反転状に折り曲げて形成される補強壁6・6とで構成する。係止壁4と補強壁6とは小さな間隔を隔てて対向しており、この隙間の範囲内で補強壁6は弾性変形できる。主面壁3の軒棟方向の幅寸法は、電池本体2の軒棟方向の幅寸法より大きく設定してあり、電池本体2と主面壁3の軒側および棟側の各側縁との間のそれぞれに締結壁7・7が設けてある。
【0038】
図3に示すように、電池本体2は、プラスチック製のフィルム基板10の表面に、例えばプラズマCVD法で太陽電池層11を形成したフィルム型のアモルファス太陽電池からなり、フィルム基板10をベース体1の主面壁3に接着し、さらに、電池本体2の外表面を含むベース体1の表面全体を、透明ないし半透明の外装フィルム12で覆うことにより、ベース体1と一体化してある。接着剤層を符号13で示す。このように、電池本体2の外表面を含む主面壁3と、係止壁4・4と、側端壁5・5と、補強壁6・6の外表面の全体を外装フィルム12で覆うと、ベース体1の耐食性、および耐久性を向上できるので、長期にわたって安定した状態で発電できる太陽電池モジュールPとすることができる。
【0039】
上記のフィルム型のアモルファス太陽電池は、ガラス基板の表面に太陽電池層を形成した結晶系太陽電池に比べて、単位面積あたりの重量を軽量化できるうえ、湾曲面であっても配置できる特長を有する。因みに、この実施例の電池本体2は、1平方m当り1kgの重量しかなく、従来の結晶系太陽電池に比べて10分の1にまで軽量化できる。フィルム基板10、および外装フィルム12は、耐候性、なかでも紫外線によって劣化しにくいプラスチック材、例えばフッ素樹脂などを素材にして形成する。
【0040】
上記のように軽量化された太陽電池モジュールPは、例えば図4および図5に示す折版屋根に設置される。屋根を構成する折版屋根材(折版材)16は、逆台形状の谷部分17の両端に山部分18が形成され、各山部分18の端部にはぜ継手19a・19bが折り曲げ形成してある。隣接する折版屋根材16の山部分18を、屋根下地に固定したタイトフレーム21の上面に載置し、タイトフレーム21に固定した吊子22にはぜ継手19a・19bを巻き締めることにより、隣接する折版屋根材16どうしをはぜ締め構造(連結部)19で分離不能に連結固定できる。
【0041】
はぜ締め構造19に固定した締結金具25の一群で太陽電池モジュールPを直接支持することにより、太陽電池システムの全体構造を簡素化できる。図1、図4および図5において締結金具25は、はぜ締め構造19に締結固定されるクリップ状の支持ベース26と、太陽電池モジュールPの締結壁7を支持ベース26と共同して上下に挟持する押え具27と、支持ベース26をはぜ締め構造19に締結する第1ボルト28およびナット29と、支持ベース26の上面に固定される第2ボルト30およびナット31などで構成する。
【0042】
支持ベース26は、山部分18に接当する状態ではぜ締め構造19の首部20を挟持する横臥V字状の一対の取付脚34と、両取付脚34の上部に連続して下向きに開口する断面コ字形の締結枠35と、締結枠35の軒棟方向の両端に連続して形成される一対の載置壁36とを一体に備えたプレス金具からなる。締結枠35と載置壁36の断面とは概ね相似関係にあり、載置壁36を締結枠35よりひと回り小さく形成して、載置壁36の上面を締結枠35の上面より段落状に形成している。
【0043】
載置壁36の上壁から左右両側壁の上半部にわたって縦スリット状の係止溝37を切り欠き形成し、この溝37にベース体1の係止壁4と補強壁6を係合装着できるようにしている。係止溝37の溝幅は、係止壁4と補強壁6の外面間の全厚寸法と同じか、これより僅かに大きく設定してある。各載置壁36においては、図1に示すように係止溝37と載置壁36の軒端あるいは棟端とで挟まれる受壁38によって、ベース体1の締結壁7を受け止め支持する。締結枠35を構成する左右の側壁には、第1ボルト28を挿通するための挿通穴39が形成され、締結枠35の上壁にはねじ軸が上向きに突出する状態で第2ボルト30が固定してある。
【0044】
押え具27は、第2ボルト30用の挿通穴44を備えた四角形状の締結部45と、締結部45に連続して段落ち状に形成される四角形状の一対の押圧腕46とを備えたプレス金具からなる。
【0045】
以下に、太陽電池モジュールPの施工例を示す。図2に示す施工例では、横方向に隣接するはぜ締め構造19の2ピッチおき(ひとつおき)に締結金具25を固定し、さらに軒棟方向へ一定間隔を隔てた位置に締結金具25を固定して、左右横長の太陽電池モジュールPを千鳥状に配置した合計8個の締結金具25で固定した。このように締結金具25を千鳥状に配置すると、締結金具25の設置個数をより少なくできる。左右方向に隣接する太陽電池モジュールPの端部どうしは、僅かな隙間を介して隣接させてあり、左右方向の隣接隙間部分が屋根材の谷部分の真上に位置するように設置される。各太陽電池モジュールPから導出した出力ケーブルを谷部に沿って配置するためである。
【0046】
施工時には、軒側の一群の支持ベース26をはぜ締め構造19に仮組みした状態で、軒棟方向に位置決めし、ナット29を第1ボルト28に完全に締め込み、図5に示すように一対の取付脚34を引き寄せて首部20を挟持することにより、支持ベース26をはぜ締め構造19に固定する。同様にして、棟側の一群の支持ベース26をはぜ締め構造19に仮組みした後、太陽電池モジュールPの係止壁4および補強壁6を、軒側に位置する支持ベース26の係止溝37に上方から嵌め込んで、その締結壁7の内面を受壁38で受け止める。係止溝37に嵌め込んだ状態の係止壁4および補強壁6は、それぞれの外面が係止溝37の両溝縁と接触して遊動不能に係止保持されている。
【0047】
同時に、太陽電池モジュールPの係止壁4および補強壁6を、仮組みした棟側に位置する支持ベース26の係止溝37に上方から嵌め込んで、棟側に位置する支持ベース26を軒棟方向に位置決めし、棟側の締結壁7の内面を受壁38で受け止める。この状態で、ナット29を第1ボルト28に完全に締め込むことにより、棟側の支持ベース26をはぜ締め構造19に固定する。次に、支持ベース26に設けた第2ボルト30に押え具27を挿通し、ナット31を仮組みする。この状態で太陽電池モジュールPを左右方向に位置決めし、ナット31を完全に締め込むことにより締結壁7を受壁38と押圧腕46とで挟持固定して、締結壁7がはぜ締め構造19より上方に位置する状態で、太陽電池モジュールPを固定できる。
【0048】
同様にして、一群の太陽電池モジュールPを左右方向、および軒棟方向へ順に設置することにより、図2に示すように合計面積が大きく、発電電力量が大きな太陽光発電装置を構築することができる。図示していないが、個々の太陽電池モジュールPで発電された電力は、個々のモジュールから導出された出力ケーブルを介して出力調整器へ出力され、そこで電圧を調整したのち交流電流に変換されて商用電源などに供給される。
【0049】
折版屋根材16の山部分18の隣接ピッチやはぜ締め構造19の違いにもよるが、はぜ締め構造19の隣接ピッチが比較的小さい場合には、先に説明したようにはぜ締め構造19の3ピッチおきに締結金具25を締結すればよく、また、隣接するはぜ締め構造19の隣接ピッチが大きい場合には、隣接するはぜ締め構造19の全てに締結金具25を締結してベース体1を支持するとよい。
【0050】
図7ないし図9は、それぞれ押え具27の変形実施例を示す。図7においては、押圧腕46を、締結部45に連続する上腕壁46aと、上腕壁46aの下面側に折り返し形成される下腕壁46bとで構成して、押圧腕46の強度を増強した。また、上腕壁46aが弾性変形する状態で締結壁7を挟持固定できるので、太陽電池モジュールPが強風によってばたつくのを確実に防止できる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。同様に、以下の実施例においても先の実施例との相違点のみを説明する。
【0051】
図8においては、先の下腕壁46bに連続して規制片46cを下向きに折り曲げ形成し、係止壁4および補強壁6を係止溝37に嵌め込んだのち、さらに係止壁4の外面側に規制片46cを差し込み係合して、係止壁4と補強壁6を係止溝37の一方の溝縁と規制片46cとで挟持固定できるようにした。このように、規制片46cを係止溝37に係止する締結金具25によれば、ナット31を締め込むとき押え具27が連れ回りするのを確実に防止して、押え具27の締結作業を迅速に行うことができる。
【0052】
図9に示す太陽電池モジュールPにおいては、締結壁7を係止壁4の下端に連続して斜め上向きに折り曲げ形成している。このような締結壁7の形成位置の変更に関連して、支持ベース26の載置壁36に、係止壁4および締結壁7を受け止める連結溝48を形成している。連結溝48は、係止壁4が係止される垂直の溝縁49と、先の締結壁7を受け止める傾斜面からなる締結面50とでV字状に形成してある。また、押え具27の押圧腕46は締結面50と同じ角度で斜め下向きに傾斜させてある。
【0053】
施工時には、軒棟方向に隣接する太陽電池モジュールPの係止壁4および締結壁7を、支持ベース26の連結溝48に上方から落とし込み係合し、押え具27を第2ボルト30に組み付けたのち、ナット31を締め込むことにより、締結壁7を締結面50と押圧腕46とで挟持固定できる。押え具27を固定する過程で、締結壁7は締結面50に沿って連結溝48の溝奥へ向かって移動する。このとき、係止壁4は溝縁49に押し付けられて位置決めされるので、太陽電池モジュールPが軒棟方向へ遊動するのをさらに確実に防止できる。
【0054】
折版屋根材16どうしを角はぜ構造のはぜ締め構造19で連結する場合には、図10に示す支持ベース26を使用する。角はぜ構造のはぜ締め構造19では、はぜ継手19a・19bが吊子22の一側方においてかしめ変形される。そのため、支持ベース26の一方の取付脚34は、締結枠35に連続して概ね垂直に形成し、他方の取付脚34に限って横臥U字状に形成する。支持ベース26を第1ボルト28で締結した状態においては、垂直の取付脚34と横臥U字状の取付脚34とではぜ締め構造19の首部20が挟持固定される。
【0055】
図11に示す屋根は、隣接する折版屋根材16の山部分18どうしがボルトで連結してある場合の実施例を示す。そこでは山部分18どうしをタイトフレーム21の上面で上下に重ね、両山部分18をボルト(剣先ボルト)53、ナット54、および座金55で締結して、隣接する折版屋根材16どうしを連結する。このように、ボルト連結される折版屋根構造においては、ボルト53による連結部分19を利用して締結金具25を締結固定する。あるいは図12に示すように、締結金具25をワンサイドボルト(ボルト)67で折版屋根材16の山部分18に固定して、太陽電池パネルPを支持する。この場合のワンサイドボルト67は、タイトフレーム21が設けられていない山部分18に固定することができる。
【0056】
締結金具25は、断面が逆ハット形に形成される支持ベース26と、支持ベース26よりひと回り小さな逆ハット形断面の押え具27とからなり、これら両者を先のボルト53、およびナット54を利用して締結する。支持ベース26は、中央のベース壁56と、ベース壁56に連続して逆L字状に折り起こされる一対の載置壁57とで構成する。ベース壁56の中央部分にはボルト53用の挿通穴が形成され、両端には部分円弧状の接合座56aが下向きに膨出する状態で形成してある。押え具27は、ボルト53用の挿通穴を備えた締結部58と、締結部58に連続して逆L字状に折り起こされる一対の押圧腕59とで構成する。押圧腕59は、図7で説明した押え具27と同様に、上腕壁59aと、上腕壁59aの下面側に折り返し形成される下腕壁59bとで構成した。
【0057】
太陽電池システムを構築する場合には、ボルト53にベース壁56を差し込み係合して、支持ベース26を連結部分19に仮組みする。軒棟方向両側の載置壁57の縦壁に、太陽電池パネルPの係止壁4をそれぞれ係止したのち、押え具27の締結部58をボルト53に挿通し、載置壁57の受壁60と押圧腕59とで締結壁7を上下に挟持する。この状態でナット54をボルト53にねじ込んで、押え具27と支持ベース26とを締結固定する。この実施例では、第1ボルト28とナット29、第2ボルト30とナット31を省略できるので、その分だけ締結金具25の構造を簡素化し低コスト化できる。また、載置壁57の縦壁部分に係止壁4を係合装着するので、係止溝37を設ける必要がない。
【0058】
以上に説明した太陽電池パネルの取付構造では、太陽電池パネルPが屋根面と平行に設置されるため、屋根面が緩勾配で形成してある場合に、発電効率が低下するのを避けられない。このような勾配不足を補って、太陽電池パネルPの発電効率を向上するために、太陽電池パネルの取付構造は、図13および図14に示すように構成することができる。
【0059】
そこでは、図1から図6で説明した締結金具25において、支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、取付脚34からの突出寸法が小さな低位の載置壁36Lと、取付脚34からの突出寸法が大きな高位の載置壁36Hとで段違い状に形成する。高位の載置壁36Hに設けられる受壁38は、図1から図6で説明した締結金具25と同様に締結枠35に連続して段落ち状に形成する。また、低位の載置壁36Lに設けられる受壁38は、係止溝37に連続する溝80で分断された一対の壁で形成する。さらに、載置壁36L・36Hの段違い構造に対応して、押え具27に設けられる一対の押圧腕を、低位の押圧腕46Lと、高位の押圧腕46Hとで段違い状に形成する。高位の押圧腕46Hは図1から図6で説明した押え具27と同様に形成するが、低位の押圧腕46Lは、その縦壁81の長さが、低位と高位の押圧腕46L・46Hの段差寸法に対応して長く設定してある。
【0060】
太陽電池システムを構築する場合には、図15に示すように、高位の載置壁36Hが軒側に位置し、低位の載置壁36Lが棟側に位置する状態で、各支持ベース26を折版屋根材16の連結部分19に装着し、外装パネルPの締結壁7を、隣接する支持ベース26の低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとに傾斜する状態で載置し、先に説明した要領で押え具27を締結することにより、低位の載置壁36Lおよび低位の押圧腕46Lで軒側の係止壁7を挟持固定し、高位の載置壁36Hおよび高位の押圧腕46Hで棟側の係止壁7を挟持固定する。これにより、太陽電池パネルPの傾斜角度を、屋根面の勾配と、隣接する締結金具25・25の間における太陽電池パネルP傾斜角度との和の値とすることができるので、屋根面が緩勾配で形成してある場合であっても、太陽電池パネルPの発電効率を向上できる。また、太陽電池パネルPの傾斜角度が大きいので、パネル表面に付着した埃などの塵埃を雨水によって効果的に洗い流すことができ、したがってパネル表面における太陽光の透過を促進して、長期にわたって太陽光発電を効果的に行うことができる。
【0061】
上記のように支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとで段違い状に形成することは、図7、図8、図9および図11の各実施例で説明した締結金具25にも同様に適用できる。
【0062】
図1から図5で説明した締結金具25においては、第2ボルト30に挿通して支持ベース26と仮組みした状態の押え具27が、第2ボルト30を中心にして遊動回転できる。そのため、ナット31を締め込む際には、片手で押え具27を回動不能に押え保持する必要があり、押え具27の締結作業に手間が掛かってしまう。このような手間を省いて、押え具27の締結作業を迅速に行うために、連れ回りを防ぐ規制片を押え具27と一体に設けることができる。
【0063】
具体的には図16に示すように、押え具27の締結部45の対向縁に一対の規制片84を下向きに折り曲げ形成する。このように、規制片84を付加した押え具27によれば、押え具27を第2ボルト30に挿通した状態において、図17に示すように規制片84の下端が支持ベース26の締結枠35で受け止められて、押え具27が第2ボルト30の回りに遊動回転することが規制される。したがって、ナット31を締込む際には、押え具27を回動不能に押え保持する必要もなくナット31をねじ込み操作でき、その分だけ押え具27による太陽電池モジュールPの締結作業を簡便に行える。
【0064】
図18は、図13から図15で説明した押え具27に規制片84を付加した実施例を示す。そこでは、押え具27の締結部45の対向縁のそれぞれに、一対の規制片84を下向きに折り曲げ形成した。この場合にも、押え具27を第2ボルト30に挿通した状態において、規制片84の下端が支持ベース26の締結枠35で受け止められるので、上記と同様に押え具27を回動不能に押え保持する必要もなくナット31をねじ込み操作できる。
【0065】
規制片84は、図7から図10で説明した各押え具27にも付加することができ、その場合には、各押え具27の締結部45の対向縁のそれぞれに規制片84を折り曲げ形成する。また、必要があれば図11および図12で説明した押え具27の締結部58の対向縁のそれぞれに規制片84を折り曲げ形成することができる。規制片84は締結部45の対向縁のそれぞれに形成することが好ましいが、その必要はなく締結部45の対向縁のいずれか一方に形成してもよい。
【0066】
上記の実施例では、太陽電池モジュールPを屋根に設置する場合について説明したが、本発明に係る外装パネルの取付構造は、太陽電池モジュールP以外の外装パネルを設置する場合にも適用することができる。この場合の外装パネルは、例えば折版屋根の外観上の印象をすっきりとしたものとするために使用され、先に説明したベース体1と同様の構造とすることにより締結金具25で屋根面に設置することができる。
【0067】
本発明の外装パネル(太陽電池パネル)の取付構造は、建物の外壁が折版材で構築してある場合にも適用できる。例えば、飛行機の格納庫の外壁を折版材で構築することがあるが、このような場合に、外装パネルや太陽電池パネルを外壁の外面に設置して、外壁の意匠性を向上し、あるいは太陽電池パネルによって太陽光発電を行うことができる。その場合の外壁は、折版材が縦張り構造と横張り構造とのいずれであってもよく、いずれの場合にも本発明のパネル取付構造を適用できる。外壁に設置される太陽電池パネルPの傾斜方向は、日差しとの関係で決定すればよい。例えば、縦張り構造の折版材で外壁が構築してある場合には、太陽電池パネルPの地面側の側縁を高位の載置壁36Hで支持し、太陽電池パネルPの屋根側の側縁を低位の載置壁36Lで支持するとよいであろう。化粧用の外装パネルを外壁に設置する場合には、鋸刃状の深い凹凸を壁外面に形成してデザイン性を向上できる。
【0068】
上記の実施例以外に、ベース体1はアルミニウム板材やステンレス板材で形成することができる。支持ベース26は、それぞれ取付脚34と締結枠35と載置壁36とを一体に備えた一対の金具で構成することができ、その場合にはいずれか一方の金具の締結枠35に第2ボルト30を固定するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】太陽電池モジュールの設置構造を示す縦断側面図である。
【図2】太陽電池モジュールの設置例を示す斜視図である。
【図3】太陽電池モジュールの設置例を示す縦断側面図である。
【図4】締結金具の分解斜視図である。
【図5】図1におけるA−A線断面図である。
【図6】太陽電池モジュールの斜視図である。
【図7】締結金具の別の実施例を示す縦断側面図である。
【図8】締結金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】締結金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図10】太陽電池モジュールの別の設置構造を示す縦断正面図である。
【図11】太陽電池モジュールのさらに別の設置構造を示す縦断側面図である。
【図12】太陽電池モジュールのさらに別の設置構造を示す縦断正面図である。
【図13】締結金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図14】図13に係る締結金具の分解斜視図である。
【図15】図13に係る締結金具を用いた太陽電池モジュールの設置例を示す縦断側面図である。
【図16】押え具の別の実施例を示す斜視図である。
【図17】図16に係る押え具の締結構造を示す縦断側面図である。
【図18】押え具のさらに別の実施例を示す斜視図である。
【図19】先に提案した太陽電池モジュールの締結構造を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ベース体
2 電池本体
3 主面壁
4 係止壁
7 締結壁
19 はぜ締め構造(連結部分)
25 締結金具
26 支持ベース
27 押え具
34 取付脚
36 載置壁
37 係止溝
38 受壁
P 太陽電池モジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、折版材で構築される外壁や折版屋根などの、折版材の外面に設置される太陽電池モジュールと、太陽電池モジュールなどの外装パネルの外装折版材に対する取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、屋根上に太陽電池を設置する形態には、表面に太陽電池が一体化してある屋根材を葺きあげる形態と、既存の屋根や新築の屋根の上面に太陽電池モジュールを設置する形態(以下、単に据置き型という)とがある。据置き型の設置形態においては、屋根上に架台を構築したうえで、その上面に太陽電池モジュールを配置する。折版屋根材で葺きあげた屋根においては、山部と谷部とが交互に連続するので、山部の上面に先の架台と同様の支持枠を組んだうえで、その上面に太陽電池モジュールを配置し、各種の金具で固定している(特許文献1、2、3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−155803号公報(段落番号0009、図3)
【特許文献2】特許第3352647号公報(段落番号0013、図3)
【特許文献3】特開2002−294955号公報(段落番号0051、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
据置き型の従来の太陽電池モジュールは、殆どが結晶系太陽電池で構成されていて、全体が硬質パネル化されているので、個々の太陽電池モジュールの重量が大きいうえ、設置するのに支持枠や取付金具等を多用しなければならない。そのため、太陽電池を設置した後の屋根全体の重量が大きくなり、建物躯体に対する荷重負荷が増加するのを避けられない。また、製造メーカーによって太陽電池モジュールの大きさに違いがあり、しかも、太陽電池モジュールの縦横のサイズと折版屋根材の働き幅とが一致しないため、太陽電池モジュールの大きさや、屋根材の働き幅に応じて専用の支持枠や取付金具等を用意する必要があり、太陽電池モジュールの設置コストが嵩む。
【0005】
本出願人は、上記のような問題点を解消するために、構造が簡単で軽量の太陽電池モジュールと、構造が簡素化された太陽電池の設置構造とを先に提案している。そこでは、図19に示すように、鋼板製のパネルからなるベース体61と、ベース体61に貼り付け固定されるフィルム型のアモルファス太陽電池62とで太陽電池モジュールを構成している。ベース体61は、軒棟方向と直交する向きに長い横長のパネル体からなり、軒側および棟側の各辺部に沿って折り曲げ形成した締結壁63を、折版屋根材70の山部分71と、はぜ締め構造72に締結した締結金具75とで上下に挟持固定することにより屋根面に固定していた。この締結構造では、締結壁63と同壁63に連続する脚壁64に、はぜ締め構造72を跨ぐための溝65を形成する必要がある。
【0006】
上記のように、ベース体61の長辺部に沿って溝65が切り欠き形成してあると、折版屋根材70の働き幅が異なるごとに、専用の太陽電池モジュールを用意しなければならず、汎用性に欠け生産性が低くコスト高となり、在庫管理が複雑になるなどの点で難があった。さらに、ベース体61の辺部に沿って溝65を一定間隔おきに設けるので、その分だけベース体61の強度が低下して折れ曲がりやすく、太陽電池モジュールの耐風圧強度が低下しやすいこと、溝65の切り欠き部分から錆が発生するなど耐久性が低下しやすいこと、搬送時や施工時の荷扱いに注意が必要となる点に問題があった。加えて、フランジ状に張り出された締結壁63の折り曲げ基端に、雨水や塵埃が溜まりやすい問題がある。
【0007】
本発明の目的は、結晶系の太陽電池モジュールに比べて、構造が簡単で軽量化できるうえ、汎用性が高く、その分だけ生産性を向上し、在庫管理の手間を簡素化できる太陽電池モジュールを提供することにある。本発明の目的は、構造が簡単で軽量であるにもかかわらず大きな構造強度を備えており、したがって、長期使用時の耐久性と耐風圧強度に優れ、さらに搬送時や施工時の荷扱いを容易化できる太陽電池モジュールを提供することにある。
【0008】
本発明の目的は、太陽電池モジュールなどの外装パネルの屋根面あるいは外壁面への設置構造を簡素化して、従来の設置構造に比べて施工コストを大幅に削減でき、しかも設置構造が簡単な分だけ屋根の全体重量を削減し、あるいは建物躯体に対する負荷重量を減少できる、外装パネルの取付構造を提供することにある。本発明の目的は、折版材の働き幅や、パネルサイズとは無関係に外装パネルを設置でき、したがって汎用性に優れ、設置に要するコストが少なくて済む外装パネルの取付構造を提供することにある。本発明の目的は、発電効率を向上できるうえ、太陽電池モジュールの表面に付着した埃などの塵埃を雨水によって効果的に洗い流して、長期使用時にも効果的に太陽光発電を行える外装パネル(太陽電池パネル)の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の太陽電池モジュールは、交互に連続する山部分18と谷部分17とを備えた折版材16の外面に設置される。図6に示すように、太陽電池モジュールPは、折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で直接支持されるベース体1と、ベース体1に貼り付け固定されるシート状の電池本体2とからなる。電池本体2は、図3の拡大図に示すようにフィルム基板10の表面に太陽電池層11が形成してあるフィルム型アモルファス太陽電池で構成されている。ベース体1は、電池本体2が貼り付け固定される主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁4と、前記締結金具25で挟持固定される締結壁7を含んでパネル状に構成してある。
【0010】
図1に示すように、電池本体2の外表面を含むベース体1の表面全体は外装フィルム12で覆われている。ベース体1の主面壁3に貼り付け固定した電池本体2と、主面壁3の両側縁との間のそれぞれに、締結金具25で挟持固定される締結壁7を設ける。
【0011】
図9に示すように、ベース体1の係止壁4に連続して、締結金具25で挟持固定される締結壁7を折り曲げ形成する。
【0012】
係止壁4の内面側に、補強壁6を間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成する。
【0013】
本発明に係る外装パネルの取付構造は、図5に示すように外装パネルPが、隣接する折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で直接支持してある。外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁4と、前記締結金具25で挟持固定される締結壁7を含んで構成する。締結金具25は、連結部分19に締結固定される支持ベース26と、支持ベース26で支持した外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26と共同して挟持する押え具27と、支持ベース26と押え具27とを締結するねじ構造とで構成する。以て、外装パネルPの締結壁7を、連結部分19より外方に位置する状態で、支持ベース26と押え具27とで直接挟持固定する。
【0014】
外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿って設けられる締結壁7と、締結壁7に連続して折り曲げられる係止壁4とを含んで構成する。図5に示すように締結金具25の支持ベース26は、折版材16のはぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36と、両載置壁36に切り欠き形成されて係止壁4と係合する係止溝37と、両取付脚34を引き寄せ固定する第1ボルト28と、押え具27を締結する第2ボルト30を含んで構成する。図1に示すように押え具27は、第2ボルト30用の挿通穴44を備えた締結部45と、締結部45に連続する一対の押圧腕46とを備えている。以て、外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26の載置壁36と押え具27の押圧腕46とで挟持固定する。
【0015】
外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に連続して折り曲げられる係止壁4と、係止壁4の下端に連続して折り曲げ形成される締結壁7を含んで構成する。図9に示すように締結金具25の支持ベース26は、折版材16のはぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36と、載置壁36に切り欠き形成されて太陽電池モジュールPの係止壁4および締結壁7を受け止める連結溝48と、両取付脚34を引き寄せ固定する第1ボルト28と、押え具27を締結する第2ボルト30を含んで構成する。押え具27は、第2ボルト30用の挿通穴44を備えた締結部45と、締結部45に連続する一対の押圧腕46とを備えている。外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26の連結溝48の締結面50と押え具27の押圧腕46とで挟持固定する。
【0016】
図11に示すように隣接する折版材16の山部分18どうしが、ボルト53で連結固定してある屋根や外壁を適用対象とする場合には、外装パネルPは、主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿って設けられる締結壁7と、締結壁7に連続して折り曲げられる係止壁4とを含んで構成する。締結金具25の支持ベース26は、前記ボルト53に挿通されるベース壁56と、ベース壁56に連続して逆L字状に折り起こされる一対の載置壁57とを含んで構成する。押え具27は、ボルト53用の挿通穴を備えた締結部58と、締結部58に連続して逆L字状に折り起こされる一対の押圧腕59とを備えている。以て、外装パネルPの締結壁7を、支持ベース26の載置壁57と押え具27の押圧腕59とで挟持固定する。
【0017】
支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、低位の載置壁36Lと、高位の載置壁36Hで段違い状に形成する(図13ないし図14参照)。押え具27に設けられる一対の押圧腕を、前記載置壁36L・36Hの段違い構造に対応して、低位の押圧腕46Lと、高位の押圧腕46Hとで段違い状に形成する。以て、外装パネルPの締結壁7を、隣接する支持ベース26の低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとに傾斜する状態で載置して、押え具27で挟持固定する。
【0018】
図7および図11に示すように押圧腕46・59は、締結部45・58に連続する上腕壁46a・59aと、上腕壁46a・59aの下面側に折り返し形成される下腕壁46b・59bとで構成する。
【0019】
外装パネルPの係止壁4の内面側に、補強壁6を間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成する。図8に示すように下腕壁46bに連続して規制片46cを下向きに折り曲げる。ベース体1の係止壁4と補強壁6とを、係止溝37の一方の溝縁と規制片46cとで挟持固定する。
【0020】
外装パネルは、主面壁3と、主面壁3の軒側および棟側の両側縁に沿ってそれぞれ下向きに折り曲げられる係止壁4と、締結壁7を含むパネル状のベース体1と、主面壁3に貼り付け固定されるフィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体2とを備えた太陽電池モジュールPである。
【発明の効果】
【0021】
本発明においては、屋根面等に装着されるベース体1と、フィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体2とで太陽電池モジュールPを構成するので、従来の結晶系の太陽電池モジュールに比べてモジュール重量を大幅に軽量化できる。フィルム型アモルファス太陽電池で電池本体2を構成するので、従来の結晶系モジュールに比べて太陽電池モジュールPを容易に長尺化でき、その分だけ太陽電池モジュールの生産効率を向上できるうえ、施工の手間を軽減できる。
【0022】
電池本体2が貼り付け固定される主面壁3と、主面壁3の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁4と、締結壁7などでベース体1を構成し、折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で締結壁7を挟持することにより、太陽電池モジュールPを締結金具25で直接支持するので、結晶系の太陽電池モジュールや、軽量化された従来の太陽電池モジュールに比べて、構造が簡単で軽量化できるうえ、汎用性が高く、その分だけ生産性を向上し、在庫管理の手間を簡素化できる。
【0023】
電池本体2の外表面を含むベース体1の表面全体を外装フィルム12で覆った太陽電池モジュールPによれば、軽量化された従来の太陽電池モジュールに比べて、構造強度を増強して長期使用時の耐久性と耐風圧強度を向上でき、さらに搬送時や施工時の荷扱いを容易化できる。
【0024】
ベース体1の主面壁3に貼り付け固定した電池本体2と、主面壁3の両側縁との間のそれぞれに締結壁7を設ける太陽電池モジュールPによれば、電池本体2の近傍に設けた締結壁7を締結金具25で挟持固定できるので、太陽電池モジュールPを安定した状態で、しかも強固に固定できる。主面壁3に締結壁7を設けるので、締結壁7に雨水や塵埃などが滞留することもない。
【0025】
ベース体1の係止壁4に連続して締結壁7を折り曲げ形成した太陽電池モジュールPによれば、主面壁3のほぼ全面にわたって電池本体2を貼り付けることができるので、主面壁3の面積を一定とする場合は、太陽電池モジュールPの発電容量を向上でき、逆に電池本体2の面積を一定とする場合は、太陽電池モジュールPの外形寸法を小さくできる。
【0026】
係止壁4の内面側に補強壁6が間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成してある太陽電池モジュールPによれば、ベース体1の構造強度を向上して耐久性を向上でき、さらに搬送時や施工時などにベース体1が撓み変形するのを規制して荷扱いをさらに容易化できる。
【0027】
本発明に係る外装パネルの取付構造においては、隣接する折版材16の連結部分19に装着した締結金具25で外装パネルPを直接支持するので、外装パネルPを支持するのに必要な金具を最小限化でき、その分だけ外装パネルと取付構造を含む全体重量を大幅に軽量化できる。さらに、連結部分19に締結固定される支持ベース26と、押え具27などで締結金具25を構成し、外装パネルPの締結壁7を支持ベース26と押え具27とで直接挟持固定するので、例えば太陽電池モジュールを屋根面に設置する場合に、従来のこの種の構造において不可欠であった架台や、架台を固定するための金具などを省略でき、屋根および建物躯体に対する負荷重量を小さくできる。もちろん、架台、金具、および枠体などを省略できる分だけ施工の手間や設置コストを大幅に削減できる。
【0028】
連結部分19より外方で外装パネルPを支持するので、外装パネルPの構造および形状を単純化でき、例えば、連結部分19との接当干渉を避けるための溝などをベース体1に形成する必要がないので、折版材の働き幅や、パネルサイズとは無関係に外装パネルPを設置でき、したがって外装パネルPの汎用性を向上し、その製造コストを削減できる利点もある。新規に構築される屋根や外壁はもちろん、既存の屋根や外壁でも簡単に外装パネルPを設置できる。
【0029】
はぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36などで支持ベース26を構成し、両載置壁36に切り欠き形成した係止溝37に外装パネルPの係止壁4を係止装着し、両載置壁36で支持した締結壁7を、支持ベース26の両載置壁36と、支持ベース26に締結される押え具27の押圧腕46とで挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、主面壁3の両側の締結壁7を締結金具25で直接挟持固定して、外装パネルPを安定した状態でしかも強固に固定できる。外装パネルPを締結金具25で直接固定支持するので、従来の設置構造に比べて設置構造を簡素化し、その分だけ施工コストを削減できる。
【0030】
はぜ締め構造19の首部20を挟持する一対の取付脚34と、取付脚34に連続する一対の載置壁36などで支持ベース26を構成し、載置壁36に切り欠き形成した連結溝48に外装パネルPの係止壁4と締結壁7とを係合し、支持ベース26に締結される押え具27の押圧腕46と、連結溝48の締結面50とで締結壁7を挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、押え具27が外装パネルPの外面に大きく突出するのを避けて外装パネルPの外観をすっきりとしたものにできる。外装パネルPの係止壁4と締結壁7とを連結溝48で位置決めできるうえ、外装パネルPが軒棟方向へ動こうとするのを確実に規制できる。
【0031】
隣接する折版材16の山部分18どうしがボルト53で連結固定してある屋根や外壁において、支持ベース26および押え具27を、ボルト53を利用して連結部19に固定し、同時に、支持ベース26の載置壁57と押え具27の押圧腕59とで外装パネルPの締結壁7を挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、支持ベース26を連結部19に固定するためのボルトや、押え具27を支持ベース26に締結するためのボルトなどを省略して締結金具25の構造を簡素化でき、その分だけ外装パネルPの施工の手間や設置コストを大幅に削減でき、屋根および建物躯体に対する負荷重量をさらに小さくできる。支持ベース26の載置壁57、および押え具27の押圧腕59のそれぞれを逆L字状に形成し、載置壁57と押圧腕59とで外装パネルPの締結壁7を上下に挟持するので、支持ベース26の全部と、押え具27の大半の部分がベース体1の表面から上方へ突出するのを避けて、外装パネルPの外観をすっきりとしたものにできる利点もある。
【0032】
支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、低位の載置壁36Lと、高位の載置壁36Hとで段違い状に形成し、押え具27に設けられる一対の押圧腕を、低位の押圧腕46Lと、高位の押圧腕46Hとで段違い状に形成し、外装パネルPの締結壁7を、隣接する支持ベース26の低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとに傾斜する状態で載置して押え具27で挟持固定するようにした外装パネルPの取付構造によれば、外装パネルPを屋根面や外壁に大きく傾斜する状態で取り付けることができる。とくに、外装パネルが屋根面に設置される太陽電池パネルPである場合には、電池パネルPを屋根面の勾配に、隣接する締結金具25・25の間における太陽電池パネルPの傾斜角度を加えた大きな傾斜角度で傾斜支持できるので、屋根面が緩勾配で形成してある場合であっても、太陽電池パネルPの発電効率を向上して供給できる電力量を増加できる。また、太陽電池パネルPの傾斜角度が大きいので、パネル表面に付着した埃などの塵埃を雨水によって効果的に洗い流すことができ、したがってパネル表面における太陽光の透過を促進して、長期にわたって太陽光発電を効果的に行うことができる。外装パネルや太陽電池パネルPを傾斜支持するのに、別途専用部品を用意する必要がないので、屋根および建物躯体に対する負荷重量を小さくできるうえ、施工の手間や設置コストを大幅に削減できる利点もある。化粧用の外装パネルを設置する場合には、その表面の汚れを雨水で確実に洗い流して美麗な状態を長期にわたって維持できる。
【0033】
図7および図11に示すように、締結部45・58に連続する上腕壁46a・59aと、上腕壁46a・59aの下面側に折り返し形成される下腕壁46b・59bとで構成した押圧腕46・59によれば、押圧腕46・59の強度を増強できる。また、押え具27を締結した状態において、上腕壁46a・59aが弾性変形する状態で締結壁7を強固に挟持固定できるので、外装パネルPが強風によってばたつきあるいは浮き上がるのを確実に防止できる。
【0034】
図8に示すように、下腕壁46bに連続して規制片46cを形成しておき、係止溝37に装着した係止壁4と補強壁6とを、規制片46cと係止溝37の一方の溝縁とで挟持固定する外装パネルPの取付構造によれば、ナット31を締め込むとき規制片46cを係止溝37で受け止めて、押え具27が連れ回りするのを確実に防止でき、したがって押え具27の締結作業を迅速かつ簡便に行うことができる。
【0035】
外装パネルが、フィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体2をベース体1の主面壁3に貼り付け固定した太陽電池モジュールPである場合には、太陽電池モジュールPの屋根面や外壁への設置構造を簡素化して、従来の設置構造に比べて施工コストを大幅に削減でき、しかも設置構造が簡単な分だけ屋根の全体重量を削減し、あるいは建物躯体に対する負荷重量を減少できる。折版材の働き幅や、パネルサイズとは無関係に太陽電池モジュールPを設置できるので、太陽電池モジュールP自体の汎用性を格段に向上して、その製造コストを削減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(実施例) 図1ないし図6は本発明に係る太陽電池モジュールと、その折版屋根への取付構造の実施例を示す。図6において太陽電池モジュール(外装パネル)Pは、鋼板製のパネルからなるベース体1と、ベース体1に貼り付け固定されるシート状の電池本体2とで構成する。
【0037】
ベース体1は、電池本体2が貼り付け固定される主面壁3と、主面壁3の長辺部、すなわち軒側および棟側の両側縁に沿ってそれぞれ下向きに折り曲げられる係止壁4・4と、主面壁3の短辺部に沿って下向きに折り曲げられる側端壁5・5と、係止壁4の下端を内面側へ反転状に折り曲げて形成される補強壁6・6とで構成する。係止壁4と補強壁6とは小さな間隔を隔てて対向しており、この隙間の範囲内で補強壁6は弾性変形できる。主面壁3の軒棟方向の幅寸法は、電池本体2の軒棟方向の幅寸法より大きく設定してあり、電池本体2と主面壁3の軒側および棟側の各側縁との間のそれぞれに締結壁7・7が設けてある。
【0038】
図3に示すように、電池本体2は、プラスチック製のフィルム基板10の表面に、例えばプラズマCVD法で太陽電池層11を形成したフィルム型のアモルファス太陽電池からなり、フィルム基板10をベース体1の主面壁3に接着し、さらに、電池本体2の外表面を含むベース体1の表面全体を、透明ないし半透明の外装フィルム12で覆うことにより、ベース体1と一体化してある。接着剤層を符号13で示す。このように、電池本体2の外表面を含む主面壁3と、係止壁4・4と、側端壁5・5と、補強壁6・6の外表面の全体を外装フィルム12で覆うと、ベース体1の耐食性、および耐久性を向上できるので、長期にわたって安定した状態で発電できる太陽電池モジュールPとすることができる。
【0039】
上記のフィルム型のアモルファス太陽電池は、ガラス基板の表面に太陽電池層を形成した結晶系太陽電池に比べて、単位面積あたりの重量を軽量化できるうえ、湾曲面であっても配置できる特長を有する。因みに、この実施例の電池本体2は、1平方m当り1kgの重量しかなく、従来の結晶系太陽電池に比べて10分の1にまで軽量化できる。フィルム基板10、および外装フィルム12は、耐候性、なかでも紫外線によって劣化しにくいプラスチック材、例えばフッ素樹脂などを素材にして形成する。
【0040】
上記のように軽量化された太陽電池モジュールPは、例えば図4および図5に示す折版屋根に設置される。屋根を構成する折版屋根材(折版材)16は、逆台形状の谷部分17の両端に山部分18が形成され、各山部分18の端部にはぜ継手19a・19bが折り曲げ形成してある。隣接する折版屋根材16の山部分18を、屋根下地に固定したタイトフレーム21の上面に載置し、タイトフレーム21に固定した吊子22にはぜ継手19a・19bを巻き締めることにより、隣接する折版屋根材16どうしをはぜ締め構造(連結部)19で分離不能に連結固定できる。
【0041】
はぜ締め構造19に固定した締結金具25の一群で太陽電池モジュールPを直接支持することにより、太陽電池システムの全体構造を簡素化できる。図1、図4および図5において締結金具25は、はぜ締め構造19に締結固定されるクリップ状の支持ベース26と、太陽電池モジュールPの締結壁7を支持ベース26と共同して上下に挟持する押え具27と、支持ベース26をはぜ締め構造19に締結する第1ボルト28およびナット29と、支持ベース26の上面に固定される第2ボルト30およびナット31などで構成する。
【0042】
支持ベース26は、山部分18に接当する状態ではぜ締め構造19の首部20を挟持する横臥V字状の一対の取付脚34と、両取付脚34の上部に連続して下向きに開口する断面コ字形の締結枠35と、締結枠35の軒棟方向の両端に連続して形成される一対の載置壁36とを一体に備えたプレス金具からなる。締結枠35と載置壁36の断面とは概ね相似関係にあり、載置壁36を締結枠35よりひと回り小さく形成して、載置壁36の上面を締結枠35の上面より段落状に形成している。
【0043】
載置壁36の上壁から左右両側壁の上半部にわたって縦スリット状の係止溝37を切り欠き形成し、この溝37にベース体1の係止壁4と補強壁6を係合装着できるようにしている。係止溝37の溝幅は、係止壁4と補強壁6の外面間の全厚寸法と同じか、これより僅かに大きく設定してある。各載置壁36においては、図1に示すように係止溝37と載置壁36の軒端あるいは棟端とで挟まれる受壁38によって、ベース体1の締結壁7を受け止め支持する。締結枠35を構成する左右の側壁には、第1ボルト28を挿通するための挿通穴39が形成され、締結枠35の上壁にはねじ軸が上向きに突出する状態で第2ボルト30が固定してある。
【0044】
押え具27は、第2ボルト30用の挿通穴44を備えた四角形状の締結部45と、締結部45に連続して段落ち状に形成される四角形状の一対の押圧腕46とを備えたプレス金具からなる。
【0045】
以下に、太陽電池モジュールPの施工例を示す。図2に示す施工例では、横方向に隣接するはぜ締め構造19の2ピッチおき(ひとつおき)に締結金具25を固定し、さらに軒棟方向へ一定間隔を隔てた位置に締結金具25を固定して、左右横長の太陽電池モジュールPを千鳥状に配置した合計8個の締結金具25で固定した。このように締結金具25を千鳥状に配置すると、締結金具25の設置個数をより少なくできる。左右方向に隣接する太陽電池モジュールPの端部どうしは、僅かな隙間を介して隣接させてあり、左右方向の隣接隙間部分が屋根材の谷部分の真上に位置するように設置される。各太陽電池モジュールPから導出した出力ケーブルを谷部に沿って配置するためである。
【0046】
施工時には、軒側の一群の支持ベース26をはぜ締め構造19に仮組みした状態で、軒棟方向に位置決めし、ナット29を第1ボルト28に完全に締め込み、図5に示すように一対の取付脚34を引き寄せて首部20を挟持することにより、支持ベース26をはぜ締め構造19に固定する。同様にして、棟側の一群の支持ベース26をはぜ締め構造19に仮組みした後、太陽電池モジュールPの係止壁4および補強壁6を、軒側に位置する支持ベース26の係止溝37に上方から嵌め込んで、その締結壁7の内面を受壁38で受け止める。係止溝37に嵌め込んだ状態の係止壁4および補強壁6は、それぞれの外面が係止溝37の両溝縁と接触して遊動不能に係止保持されている。
【0047】
同時に、太陽電池モジュールPの係止壁4および補強壁6を、仮組みした棟側に位置する支持ベース26の係止溝37に上方から嵌め込んで、棟側に位置する支持ベース26を軒棟方向に位置決めし、棟側の締結壁7の内面を受壁38で受け止める。この状態で、ナット29を第1ボルト28に完全に締め込むことにより、棟側の支持ベース26をはぜ締め構造19に固定する。次に、支持ベース26に設けた第2ボルト30に押え具27を挿通し、ナット31を仮組みする。この状態で太陽電池モジュールPを左右方向に位置決めし、ナット31を完全に締め込むことにより締結壁7を受壁38と押圧腕46とで挟持固定して、締結壁7がはぜ締め構造19より上方に位置する状態で、太陽電池モジュールPを固定できる。
【0048】
同様にして、一群の太陽電池モジュールPを左右方向、および軒棟方向へ順に設置することにより、図2に示すように合計面積が大きく、発電電力量が大きな太陽光発電装置を構築することができる。図示していないが、個々の太陽電池モジュールPで発電された電力は、個々のモジュールから導出された出力ケーブルを介して出力調整器へ出力され、そこで電圧を調整したのち交流電流に変換されて商用電源などに供給される。
【0049】
折版屋根材16の山部分18の隣接ピッチやはぜ締め構造19の違いにもよるが、はぜ締め構造19の隣接ピッチが比較的小さい場合には、先に説明したようにはぜ締め構造19の3ピッチおきに締結金具25を締結すればよく、また、隣接するはぜ締め構造19の隣接ピッチが大きい場合には、隣接するはぜ締め構造19の全てに締結金具25を締結してベース体1を支持するとよい。
【0050】
図7ないし図9は、それぞれ押え具27の変形実施例を示す。図7においては、押圧腕46を、締結部45に連続する上腕壁46aと、上腕壁46aの下面側に折り返し形成される下腕壁46bとで構成して、押圧腕46の強度を増強した。また、上腕壁46aが弾性変形する状態で締結壁7を挟持固定できるので、太陽電池モジュールPが強風によってばたつくのを確実に防止できる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。同様に、以下の実施例においても先の実施例との相違点のみを説明する。
【0051】
図8においては、先の下腕壁46bに連続して規制片46cを下向きに折り曲げ形成し、係止壁4および補強壁6を係止溝37に嵌め込んだのち、さらに係止壁4の外面側に規制片46cを差し込み係合して、係止壁4と補強壁6を係止溝37の一方の溝縁と規制片46cとで挟持固定できるようにした。このように、規制片46cを係止溝37に係止する締結金具25によれば、ナット31を締め込むとき押え具27が連れ回りするのを確実に防止して、押え具27の締結作業を迅速に行うことができる。
【0052】
図9に示す太陽電池モジュールPにおいては、締結壁7を係止壁4の下端に連続して斜め上向きに折り曲げ形成している。このような締結壁7の形成位置の変更に関連して、支持ベース26の載置壁36に、係止壁4および締結壁7を受け止める連結溝48を形成している。連結溝48は、係止壁4が係止される垂直の溝縁49と、先の締結壁7を受け止める傾斜面からなる締結面50とでV字状に形成してある。また、押え具27の押圧腕46は締結面50と同じ角度で斜め下向きに傾斜させてある。
【0053】
施工時には、軒棟方向に隣接する太陽電池モジュールPの係止壁4および締結壁7を、支持ベース26の連結溝48に上方から落とし込み係合し、押え具27を第2ボルト30に組み付けたのち、ナット31を締め込むことにより、締結壁7を締結面50と押圧腕46とで挟持固定できる。押え具27を固定する過程で、締結壁7は締結面50に沿って連結溝48の溝奥へ向かって移動する。このとき、係止壁4は溝縁49に押し付けられて位置決めされるので、太陽電池モジュールPが軒棟方向へ遊動するのをさらに確実に防止できる。
【0054】
折版屋根材16どうしを角はぜ構造のはぜ締め構造19で連結する場合には、図10に示す支持ベース26を使用する。角はぜ構造のはぜ締め構造19では、はぜ継手19a・19bが吊子22の一側方においてかしめ変形される。そのため、支持ベース26の一方の取付脚34は、締結枠35に連続して概ね垂直に形成し、他方の取付脚34に限って横臥U字状に形成する。支持ベース26を第1ボルト28で締結した状態においては、垂直の取付脚34と横臥U字状の取付脚34とではぜ締め構造19の首部20が挟持固定される。
【0055】
図11に示す屋根は、隣接する折版屋根材16の山部分18どうしがボルトで連結してある場合の実施例を示す。そこでは山部分18どうしをタイトフレーム21の上面で上下に重ね、両山部分18をボルト(剣先ボルト)53、ナット54、および座金55で締結して、隣接する折版屋根材16どうしを連結する。このように、ボルト連結される折版屋根構造においては、ボルト53による連結部分19を利用して締結金具25を締結固定する。あるいは図12に示すように、締結金具25をワンサイドボルト(ボルト)67で折版屋根材16の山部分18に固定して、太陽電池パネルPを支持する。この場合のワンサイドボルト67は、タイトフレーム21が設けられていない山部分18に固定することができる。
【0056】
締結金具25は、断面が逆ハット形に形成される支持ベース26と、支持ベース26よりひと回り小さな逆ハット形断面の押え具27とからなり、これら両者を先のボルト53、およびナット54を利用して締結する。支持ベース26は、中央のベース壁56と、ベース壁56に連続して逆L字状に折り起こされる一対の載置壁57とで構成する。ベース壁56の中央部分にはボルト53用の挿通穴が形成され、両端には部分円弧状の接合座56aが下向きに膨出する状態で形成してある。押え具27は、ボルト53用の挿通穴を備えた締結部58と、締結部58に連続して逆L字状に折り起こされる一対の押圧腕59とで構成する。押圧腕59は、図7で説明した押え具27と同様に、上腕壁59aと、上腕壁59aの下面側に折り返し形成される下腕壁59bとで構成した。
【0057】
太陽電池システムを構築する場合には、ボルト53にベース壁56を差し込み係合して、支持ベース26を連結部分19に仮組みする。軒棟方向両側の載置壁57の縦壁に、太陽電池パネルPの係止壁4をそれぞれ係止したのち、押え具27の締結部58をボルト53に挿通し、載置壁57の受壁60と押圧腕59とで締結壁7を上下に挟持する。この状態でナット54をボルト53にねじ込んで、押え具27と支持ベース26とを締結固定する。この実施例では、第1ボルト28とナット29、第2ボルト30とナット31を省略できるので、その分だけ締結金具25の構造を簡素化し低コスト化できる。また、載置壁57の縦壁部分に係止壁4を係合装着するので、係止溝37を設ける必要がない。
【0058】
以上に説明した太陽電池パネルの取付構造では、太陽電池パネルPが屋根面と平行に設置されるため、屋根面が緩勾配で形成してある場合に、発電効率が低下するのを避けられない。このような勾配不足を補って、太陽電池パネルPの発電効率を向上するために、太陽電池パネルの取付構造は、図13および図14に示すように構成することができる。
【0059】
そこでは、図1から図6で説明した締結金具25において、支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、取付脚34からの突出寸法が小さな低位の載置壁36Lと、取付脚34からの突出寸法が大きな高位の載置壁36Hとで段違い状に形成する。高位の載置壁36Hに設けられる受壁38は、図1から図6で説明した締結金具25と同様に締結枠35に連続して段落ち状に形成する。また、低位の載置壁36Lに設けられる受壁38は、係止溝37に連続する溝80で分断された一対の壁で形成する。さらに、載置壁36L・36Hの段違い構造に対応して、押え具27に設けられる一対の押圧腕を、低位の押圧腕46Lと、高位の押圧腕46Hとで段違い状に形成する。高位の押圧腕46Hは図1から図6で説明した押え具27と同様に形成するが、低位の押圧腕46Lは、その縦壁81の長さが、低位と高位の押圧腕46L・46Hの段差寸法に対応して長く設定してある。
【0060】
太陽電池システムを構築する場合には、図15に示すように、高位の載置壁36Hが軒側に位置し、低位の載置壁36Lが棟側に位置する状態で、各支持ベース26を折版屋根材16の連結部分19に装着し、外装パネルPの締結壁7を、隣接する支持ベース26の低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとに傾斜する状態で載置し、先に説明した要領で押え具27を締結することにより、低位の載置壁36Lおよび低位の押圧腕46Lで軒側の係止壁7を挟持固定し、高位の載置壁36Hおよび高位の押圧腕46Hで棟側の係止壁7を挟持固定する。これにより、太陽電池パネルPの傾斜角度を、屋根面の勾配と、隣接する締結金具25・25の間における太陽電池パネルP傾斜角度との和の値とすることができるので、屋根面が緩勾配で形成してある場合であっても、太陽電池パネルPの発電効率を向上できる。また、太陽電池パネルPの傾斜角度が大きいので、パネル表面に付着した埃などの塵埃を雨水によって効果的に洗い流すことができ、したがってパネル表面における太陽光の透過を促進して、長期にわたって太陽光発電を効果的に行うことができる。
【0061】
上記のように支持ベース26に設けられる一対の載置壁を、低位の載置壁36Lと高位の載置壁36Hとで段違い状に形成することは、図7、図8、図9および図11の各実施例で説明した締結金具25にも同様に適用できる。
【0062】
図1から図5で説明した締結金具25においては、第2ボルト30に挿通して支持ベース26と仮組みした状態の押え具27が、第2ボルト30を中心にして遊動回転できる。そのため、ナット31を締め込む際には、片手で押え具27を回動不能に押え保持する必要があり、押え具27の締結作業に手間が掛かってしまう。このような手間を省いて、押え具27の締結作業を迅速に行うために、連れ回りを防ぐ規制片を押え具27と一体に設けることができる。
【0063】
具体的には図16に示すように、押え具27の締結部45の対向縁に一対の規制片84を下向きに折り曲げ形成する。このように、規制片84を付加した押え具27によれば、押え具27を第2ボルト30に挿通した状態において、図17に示すように規制片84の下端が支持ベース26の締結枠35で受け止められて、押え具27が第2ボルト30の回りに遊動回転することが規制される。したがって、ナット31を締込む際には、押え具27を回動不能に押え保持する必要もなくナット31をねじ込み操作でき、その分だけ押え具27による太陽電池モジュールPの締結作業を簡便に行える。
【0064】
図18は、図13から図15で説明した押え具27に規制片84を付加した実施例を示す。そこでは、押え具27の締結部45の対向縁のそれぞれに、一対の規制片84を下向きに折り曲げ形成した。この場合にも、押え具27を第2ボルト30に挿通した状態において、規制片84の下端が支持ベース26の締結枠35で受け止められるので、上記と同様に押え具27を回動不能に押え保持する必要もなくナット31をねじ込み操作できる。
【0065】
規制片84は、図7から図10で説明した各押え具27にも付加することができ、その場合には、各押え具27の締結部45の対向縁のそれぞれに規制片84を折り曲げ形成する。また、必要があれば図11および図12で説明した押え具27の締結部58の対向縁のそれぞれに規制片84を折り曲げ形成することができる。規制片84は締結部45の対向縁のそれぞれに形成することが好ましいが、その必要はなく締結部45の対向縁のいずれか一方に形成してもよい。
【0066】
上記の実施例では、太陽電池モジュールPを屋根に設置する場合について説明したが、本発明に係る外装パネルの取付構造は、太陽電池モジュールP以外の外装パネルを設置する場合にも適用することができる。この場合の外装パネルは、例えば折版屋根の外観上の印象をすっきりとしたものとするために使用され、先に説明したベース体1と同様の構造とすることにより締結金具25で屋根面に設置することができる。
【0067】
本発明の外装パネル(太陽電池パネル)の取付構造は、建物の外壁が折版材で構築してある場合にも適用できる。例えば、飛行機の格納庫の外壁を折版材で構築することがあるが、このような場合に、外装パネルや太陽電池パネルを外壁の外面に設置して、外壁の意匠性を向上し、あるいは太陽電池パネルによって太陽光発電を行うことができる。その場合の外壁は、折版材が縦張り構造と横張り構造とのいずれであってもよく、いずれの場合にも本発明のパネル取付構造を適用できる。外壁に設置される太陽電池パネルPの傾斜方向は、日差しとの関係で決定すればよい。例えば、縦張り構造の折版材で外壁が構築してある場合には、太陽電池パネルPの地面側の側縁を高位の載置壁36Hで支持し、太陽電池パネルPの屋根側の側縁を低位の載置壁36Lで支持するとよいであろう。化粧用の外装パネルを外壁に設置する場合には、鋸刃状の深い凹凸を壁外面に形成してデザイン性を向上できる。
【0068】
上記の実施例以外に、ベース体1はアルミニウム板材やステンレス板材で形成することができる。支持ベース26は、それぞれ取付脚34と締結枠35と載置壁36とを一体に備えた一対の金具で構成することができ、その場合にはいずれか一方の金具の締結枠35に第2ボルト30を固定するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】太陽電池モジュールの設置構造を示す縦断側面図である。
【図2】太陽電池モジュールの設置例を示す斜視図である。
【図3】太陽電池モジュールの設置例を示す縦断側面図である。
【図4】締結金具の分解斜視図である。
【図5】図1におけるA−A線断面図である。
【図6】太陽電池モジュールの斜視図である。
【図7】締結金具の別の実施例を示す縦断側面図である。
【図8】締結金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図9】締結金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図10】太陽電池モジュールの別の設置構造を示す縦断正面図である。
【図11】太陽電池モジュールのさらに別の設置構造を示す縦断側面図である。
【図12】太陽電池モジュールのさらに別の設置構造を示す縦断正面図である。
【図13】締結金具のさらに別の実施例を示す縦断側面図である。
【図14】図13に係る締結金具の分解斜視図である。
【図15】図13に係る締結金具を用いた太陽電池モジュールの設置例を示す縦断側面図である。
【図16】押え具の別の実施例を示す斜視図である。
【図17】図16に係る押え具の締結構造を示す縦断側面図である。
【図18】押え具のさらに別の実施例を示す斜視図である。
【図19】先に提案した太陽電池モジュールの締結構造を示す縦断正面図である。
【符号の説明】
【0070】
1 ベース体
2 電池本体
3 主面壁
4 係止壁
7 締結壁
19 はぜ締め構造(連結部分)
25 締結金具
26 支持ベース
27 押え具
34 取付脚
36 載置壁
37 係止溝
38 受壁
P 太陽電池モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交互に連続する山部分(18)と谷部分(17)とを備えた折版材(16)の外面に設置される太陽電池モジュール(P)であって、
太陽電池モジュール(P)は、折版材(16)の連結部分(19)に装着した締結金具(25)で直接支持されるベース体(1)と、ベース体(1)に貼り付け固定されるシート状の電池本体(2)とからなり、
電池本体(2)は、フィルム基板(10)の表面に太陽電池層(11)が形成してあるフィルム型アモルファス太陽電池で構成されており、
ベース体(1)は、電池本体(2)が貼り付け固定される主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁(4)と、前記締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)を含んでパネル状に構成してある太陽電池モジュール。
【請求項2】
電池本体(2)の外表面を含むベース体(1)の表面全体が外装フィルム(12)で覆われている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
ベース体(1)の主面壁(3)に貼り付け固定した電池本体(2)と、主面壁(3)の両側縁との間のそれぞれに、締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)が設けてある請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
ベース体(1)の係止壁(4)に連続して、締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)が折り曲げ形成してある請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
係止壁(4)の内面側に、補強壁(6)が間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成してある請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
外装パネル(P)が、隣接する折版材(16)の連結部分(19)に装着した締結金具(25)で直接支持してある外装パネルの取付構造であって、
外装パネル(P)は、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁(4)と、前記締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)を含んで構成されており、
締結金具(25)は、連結部分(19)に締結固定される支持ベース(26)と、支持ベース(26)で支持した外装パネル(P)の締結壁(7)を、支持ベース(26)と共同して挟持する押え具(27)と、支持ベース(26)と押え具(27)とを締結するねじ構造とで構成されており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、連結部分(19)より外方に位置する状態で、支持ベース(26)と押え具(27)とで直接挟持固定してある外装パネルの取付構造。
【請求項7】
外装パネル(P)が、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿って設けられる締結壁(7)と、締結壁(7)に連続して折り曲げられる係止壁(4)とを含んで構成されており、
締結金具(25)の支持ベース(26)が、折版材(16)のはぜ締め構造(19)の首部(20)を挟持する一対の取付脚(34)と、取付脚(34)に連続する一対の載置壁(36)と、両載置壁(36)に切り欠き形成されて係止壁(4)と係合する係止溝(37)と、両取付脚(34)を引き寄せ固定する第1ボルト(28)と、押え具(27)を締結する第2ボルト(30)を含んで構成されており、
押え具(27)は、第2ボルト(30)用の挿通穴(44)を備えた締結部(45)と、締結部(45)に連続する一対の押圧腕(46)とを備えており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、支持ベース(26)の載置壁(36)と押え具(27)の押圧腕(46)とで挟持固定してある請求項6記載の外装パネルの取付構造。
【請求項8】
外装パネル(P)が、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に連続して折り曲げられる係止壁(4)と、係止壁(4)の端部に連続して折り曲げ形成される締結壁(7)を含んで構成されており、
締結金具(25)の支持ベース(26)が、折版材(16)のはぜ締め構造(19)の首部(20)を挟持する一対の取付脚(34)と、取付脚(34)に連続する一対の載置壁(36)と、載置壁(36)に切り欠き形成されて太陽電池モジュール(P)の係止壁(4)および締結壁(7)を受け止める連結溝(48)と、両取付脚(34)を引き寄せ固定する第1ボルト(28)と、押え具(27)を締結する第2ボルト(30)を含んで構成されており、
押え具(27)は、第2ボルト(30)用の挿通穴(44)を備えた締結部(45)と、締結部(45)に連続する一対の押圧腕(46)とを備えており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、支持ベース(26)の連結溝(48)の締結面(50)と押え具(27)の押圧腕(46)とで挟持固定してある請求項6記載の外装パネルの取付構造。
【請求項9】
隣接する折版材(16)の山部分(18)どうしが、ボルト(53)で連結固定してあり、
外装パネル(P)が、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿って設けられる締結壁(7)と、締結壁(7)に連続して折り曲げられる係止壁(4)とを含んで構成されており、
締結金具(25)の支持ベース(26)が、前記ボルト(53)に挿通されるベース壁(56)と、ベース壁(56)に連続して逆L字状に折り起こされる一対の載置壁(57)とを含んで構成されており、
押え具(27)は、前記ボルト(53)用の挿通穴を備えた締結部(58)と、締結部(58)に連続して逆L字状に折り起こされる一対の押圧腕(59)とを備えており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、支持ベース(26)の載置壁(57)と押え具(27)の押圧腕(59)とで挟持固定してある請求項6記載の外装パネルの取付構造。
【請求項10】
支持ベース(26)に設けられる一対の載置壁が、低位の載置壁(36L)と、高位の載置壁(36H)とで段違い状に形成されており、
押え具(27)に設けられる一対の押圧腕が、前記載置壁(36L・36H)の段違い構造に対応して、低位の押圧腕(46L)と、高位の押圧腕(46H)とで段違い状に形成されており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、隣接する支持ベース(26)の低位の載置壁(36L)と高位の載置壁(36H)とに傾斜する状態で載置されて、押え具(27)で挟持固定してある請求項7、8または9記載の外装パネルの取付構造。
【請求項11】
前記押圧腕(46・59)が、締結部(45・58)に連続する上腕壁(46a・59a)と、上腕壁(46a・59a)の内面側に折り返し形成される下腕壁(46b・59b)とで構成してある請求項7、9または10記載の外装パネルの取付構造。
【請求項12】
外装パネル(P)の係止壁(4)の内面側に、補強壁(6)が間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成されており、
前記下腕壁(46b)に連続して規制片(46c)が折り曲げられており、
ベース体(1)の係止壁(4)と補強壁(6)とが、係止溝(37)の一方の溝縁と規制片(46c)とで挟持固定してある請求項7、10または11記載の外装パネルの取付構造。
【請求項13】
外装パネルが、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁(4)と、締結壁(7)を含むパネル状のベース体(1)と、主面壁(3)に貼り付け固定されるフィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体(2)とを備えた太陽電池モジュール(P)である請求項6から12のいずれかに記載の外装パネルの取付構造。
【請求項1】
交互に連続する山部分(18)と谷部分(17)とを備えた折版材(16)の外面に設置される太陽電池モジュール(P)であって、
太陽電池モジュール(P)は、折版材(16)の連結部分(19)に装着した締結金具(25)で直接支持されるベース体(1)と、ベース体(1)に貼り付け固定されるシート状の電池本体(2)とからなり、
電池本体(2)は、フィルム基板(10)の表面に太陽電池層(11)が形成してあるフィルム型アモルファス太陽電池で構成されており、
ベース体(1)は、電池本体(2)が貼り付け固定される主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁(4)と、前記締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)を含んでパネル状に構成してある太陽電池モジュール。
【請求項2】
電池本体(2)の外表面を含むベース体(1)の表面全体が外装フィルム(12)で覆われている請求項1記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
ベース体(1)の主面壁(3)に貼り付け固定した電池本体(2)と、主面壁(3)の両側縁との間のそれぞれに、締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)が設けてある請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
ベース体(1)の係止壁(4)に連続して、締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)が折り曲げ形成してある請求項1または2記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
係止壁(4)の内面側に、補強壁(6)が間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成してある請求項1から3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
外装パネル(P)が、隣接する折版材(16)の連結部分(19)に装着した締結金具(25)で直接支持してある外装パネルの取付構造であって、
外装パネル(P)は、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁(4)と、前記締結金具(25)で挟持固定される締結壁(7)を含んで構成されており、
締結金具(25)は、連結部分(19)に締結固定される支持ベース(26)と、支持ベース(26)で支持した外装パネル(P)の締結壁(7)を、支持ベース(26)と共同して挟持する押え具(27)と、支持ベース(26)と押え具(27)とを締結するねじ構造とで構成されており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、連結部分(19)より外方に位置する状態で、支持ベース(26)と押え具(27)とで直接挟持固定してある外装パネルの取付構造。
【請求項7】
外装パネル(P)が、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿って設けられる締結壁(7)と、締結壁(7)に連続して折り曲げられる係止壁(4)とを含んで構成されており、
締結金具(25)の支持ベース(26)が、折版材(16)のはぜ締め構造(19)の首部(20)を挟持する一対の取付脚(34)と、取付脚(34)に連続する一対の載置壁(36)と、両載置壁(36)に切り欠き形成されて係止壁(4)と係合する係止溝(37)と、両取付脚(34)を引き寄せ固定する第1ボルト(28)と、押え具(27)を締結する第2ボルト(30)を含んで構成されており、
押え具(27)は、第2ボルト(30)用の挿通穴(44)を備えた締結部(45)と、締結部(45)に連続する一対の押圧腕(46)とを備えており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、支持ベース(26)の載置壁(36)と押え具(27)の押圧腕(46)とで挟持固定してある請求項6記載の外装パネルの取付構造。
【請求項8】
外装パネル(P)が、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に連続して折り曲げられる係止壁(4)と、係止壁(4)の端部に連続して折り曲げ形成される締結壁(7)を含んで構成されており、
締結金具(25)の支持ベース(26)が、折版材(16)のはぜ締め構造(19)の首部(20)を挟持する一対の取付脚(34)と、取付脚(34)に連続する一対の載置壁(36)と、載置壁(36)に切り欠き形成されて太陽電池モジュール(P)の係止壁(4)および締結壁(7)を受け止める連結溝(48)と、両取付脚(34)を引き寄せ固定する第1ボルト(28)と、押え具(27)を締結する第2ボルト(30)を含んで構成されており、
押え具(27)は、第2ボルト(30)用の挿通穴(44)を備えた締結部(45)と、締結部(45)に連続する一対の押圧腕(46)とを備えており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、支持ベース(26)の連結溝(48)の締結面(50)と押え具(27)の押圧腕(46)とで挟持固定してある請求項6記載の外装パネルの取付構造。
【請求項9】
隣接する折版材(16)の山部分(18)どうしが、ボルト(53)で連結固定してあり、
外装パネル(P)が、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿って設けられる締結壁(7)と、締結壁(7)に連続して折り曲げられる係止壁(4)とを含んで構成されており、
締結金具(25)の支持ベース(26)が、前記ボルト(53)に挿通されるベース壁(56)と、ベース壁(56)に連続して逆L字状に折り起こされる一対の載置壁(57)とを含んで構成されており、
押え具(27)は、前記ボルト(53)用の挿通穴を備えた締結部(58)と、締結部(58)に連続して逆L字状に折り起こされる一対の押圧腕(59)とを備えており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、支持ベース(26)の載置壁(57)と押え具(27)の押圧腕(59)とで挟持固定してある請求項6記載の外装パネルの取付構造。
【請求項10】
支持ベース(26)に設けられる一対の載置壁が、低位の載置壁(36L)と、高位の載置壁(36H)とで段違い状に形成されており、
押え具(27)に設けられる一対の押圧腕が、前記載置壁(36L・36H)の段違い構造に対応して、低位の押圧腕(46L)と、高位の押圧腕(46H)とで段違い状に形成されており、
外装パネル(P)の締結壁(7)が、隣接する支持ベース(26)の低位の載置壁(36L)と高位の載置壁(36H)とに傾斜する状態で載置されて、押え具(27)で挟持固定してある請求項7、8または9記載の外装パネルの取付構造。
【請求項11】
前記押圧腕(46・59)が、締結部(45・58)に連続する上腕壁(46a・59a)と、上腕壁(46a・59a)の内面側に折り返し形成される下腕壁(46b・59b)とで構成してある請求項7、9または10記載の外装パネルの取付構造。
【請求項12】
外装パネル(P)の係止壁(4)の内面側に、補強壁(6)が間隔を隔てて反転状に折り曲げ形成されており、
前記下腕壁(46b)に連続して規制片(46c)が折り曲げられており、
ベース体(1)の係止壁(4)と補強壁(6)とが、係止溝(37)の一方の溝縁と規制片(46c)とで挟持固定してある請求項7、10または11記載の外装パネルの取付構造。
【請求項13】
外装パネルが、主面壁(3)と、主面壁(3)の両側縁に沿ってそれぞれ折り曲げられる係止壁(4)と、締結壁(7)を含むパネル状のベース体(1)と、主面壁(3)に貼り付け固定されるフィルム型アモルファス太陽電池からなる電池本体(2)とを備えた太陽電池モジュール(P)である請求項6から12のいずれかに記載の外装パネルの取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−2138(P2009−2138A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274689(P2007−274689)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000006910)株式会社淀川製鋼所 (34)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000006910)株式会社淀川製鋼所 (34)
【Fターム(参考)】
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