説明

太陽電池モジュール取付構造及び太陽電池装置

【課題】太陽電池パネルの端部が枠部材の保持部から外れるのを防止して、太陽電池モジュールを容易に架台に取付可能な太陽電池モジュール取付構造及び太陽電池装置を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール取付構造は、隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュール2の端部が、該端部に沿って配置された前後方向に取付台11が有する天板12上に、対面して取付られる構造の太陽電池モジュール取付構造を、押圧板31及び突起片32で構成された上部固定金具3aと、上板40及び下板50で構成された下部固定金具4と、ボルト8とを用いると共に、押圧板31に設けられた押圧板孔に、上方から挿入したボルト8を、下部固定金具4の下板50に設けられた下板連結孔に挿入固定することにより構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールを架台に取付ける太陽電池モジュール取付構造及び太陽電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、一般的に、矩形状の太陽電池パネルと、この太陽電池パネルを保持する枠部材とで構成されている。この太陽電池パネルを保持する枠部材としては、一般に、太陽電池パネルの一辺に沿って垂直に形成された壁部と、この壁部の上部に形成され、断面が一辺の開口した四角形状をした保持部とを備えた構造の枠部材が用いられている(例えば、特許文献1の図2、図5参照)。
【0003】
この枠部材における保持部は、垂直に形成された保持壁と、該保持壁の上端及び下端から内側に向かって張設され、相互間に太陽電池パネルの辺の端縁部を嵌入して保持する保持上片、及び、保持下片とで構成されている。
【0004】
この断面が一辺の開口した四角形状をした保持部を備えた構造の枠部材を用いた太陽電池モジュールでは、断面が一辺の開口した四角形状をした保持部の内部に、太陽電池パネルの端部を挿入することにより、太陽電池パネルを上下に挟持して太陽電池モジュールを形成している。
【0005】
このように構成された太陽電池モジュールの設置には、一般に、架台が用いられ、太陽電池モジュール壁部の底面が架台の上面に接するようにして、太陽電池モジュールが架台上に載置されて固定される(例えば、特許文献1の図7参照)。複数の太陽電池モジュールが使用される場合は、複数の上記の太陽電池モジュールが、上記の架台上に並べられて固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−148612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、断面が一辺の開口した四角形状をした保持部を備えた構造の枠部材が用いられている上記の太陽電池モジュールは、架台に設置されている状態で、屋根等に設置される。そのため、強風にさらされる場合もあり得る。
【0008】
その際に、太陽電池モジュールを構成する太陽電池パネルの裏面側に回り込んだ風が、太陽電池パネルを、下から上に向かって押し上げようとする力が働くことがある。そうすると、太陽電池モジュールの枠部材において、太陽電池パネルの端部が挿入されている断面が一辺の開口した四角形状をした保持部の保持上片の先端部が下から上に向かって押し上げられ、上方に向かって反り上がるように変形しやすくなる。そのため、太陽電池パネルの端部が上方に向かって外れるおそれが生じる。
【0009】
そこで、この発明は、上記のような状況に対処するためになされたものであって、太陽電池モジュールが架台に取付られている状態で、太陽電池パネルの裏面側に回り込んだ風が、太陽電池パネルを下から上に向かって押し上げようとしても、太陽電池パネルの端部が、該太陽電池パネルを保持する枠部材の保持部から外れるのを防止することが可能であると共に、太陽電池モジュールを容易に架台に取付可能な太陽電池モジュール取付構造及び太陽電池装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
次に、本発明の太陽電池モジュール取付構造について以下に説明する。尚、以下の説明では、本明細書の「発明を実施するための最良の形態」における説明に用いられている図面に付されている符号を、参考として、括弧内に表示している。
【0011】
本発明第1の太陽電池モジュール取付構造は、隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュール(2)の端部が、該端部に沿って配置された取付台(11)が有する天板(12)上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造である。
【0012】
上記の本発明第1の太陽電池モジュール取付構造では、前記太陽電池モジュール(2)の端部には、前記太陽電池パネル(20)を保持する保持部(22)と、該保持部(22)に連設した壁部(23)と、該壁部(23)の該保持部(22)とは反対側に連設し天板(12)上に取付けられる底部(24)とで構成される枠部材(21)が備えられている。
【0013】
又、上記本発明第1の太陽電池モジュール取付構造では、上部固定金具(3a)と下部固定金具(4)が用いられている。
【0014】
この内、上部固定金具(3a)は、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間に形成されている隙間(7)を隣接方向に跨ぐと共に、前記隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の双方の保持部(22)を上から押圧する。
【0015】
又、下部固定金具(4)は、前記取付台(11)の天板(12)を上下に挟持する。
【0016】
上記本発明第1の太陽電池モジュール取付構造では、上記の上部固定金具(3a)と、上記の下部固定金具(4)とを用いて、太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に、次のようにして取付けられていることを特徴としている。
【0017】
即ち、前記上部固定金具(3a)に、上方から挿入したボルト等の連結部材(8)を、前記隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間に形成されている隙間(7)、前記下部固定金具(4)、及び、前記取付台(11)の天板(12)を介して、前記下部固定金具(4)に挿入することにより、前記隣接する双方の太陽電池モジュール(2)を、前記取付台(11)に取付している。
【0018】
本発明第2の太陽電池モジュール取付構造は、隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュール(2)の端部が、該端部に沿って配置された取付台(11)が有する天板(12)上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造である。
【0019】
上記の本発明第2の太陽電池モジュール取付構造では、太陽電池モジュール(2)の端部には、立設された保持壁(22a)、該保持壁(22a)の上端及び下端から同一横方向に垂設された保持上片(22b)及び保持下片(22c)で形成された、断面が一辺の開口した四角形状で、該一辺の開口した四角形状の内部に太陽電池パネル(20)の端部が挟持される保持部(22)と、該保持部(22)の下に連設して立設された壁部(23)と、該壁部(23)の下端から、保持上片(22b)及び保持下片(22c)と同方向に垂設された底部(24)とで構成される枠部材(21)が備えられている。
【0020】
又、上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造では、上部固定金具(3a)と、下部固定金具(4)とが用いられている。
【0021】
この内、上部固定金具(3a)は、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の対面する端部に共に備えられた枠部材(21)間に形成されている隙間(7)を隣接方向として例えば左右方向に跨ぐと共に、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の双方の保持上片(22b)を上から押圧する押圧板(31)と、該押圧板(31)の前後の両端部に下方に突出して形成されると共に隙間(7)に上方から挿入される突起片(32)と、で構成されている。
【0022】
又、下部固定金具(4)は、取付台(11)の天板(12)を上下に挟持する上板(40)と下板(50)とで構成されており、該上板(40)が、取付台(11)の天板(12)と、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の底部(24)との間に挟持されると共に、該上板(40)の双方向の両端部が上方に屈曲して形成された爪片(41)の内、一方向側の爪片(41)の内側面に、隣接する一方向側の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の底部(24)の先端面(24a)が当接し、他方向側の該爪片(41)の内側面に、隣接する他方向側の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の底部(24)の先端面(24a)が当接するように形成されている。
【0023】
上記の本発明第2の太陽電池モジュール取付構造では、上記の上部固定金具(3a)と、上記の下部固定金具(4)とを用いて、太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に、次のようにして、取付けられていることを特徴としている。
【0024】
即ち、上部固定金具(3a)の押圧板(31)に設けられた押圧板孔(33)に、上方から挿入した連結部材として例えばボルト(8)を、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間に形成されている隙間(7)、下部固定金具(4)の上板(40)に設けられた上板孔(42)、及び、取付台(11)の天板(12)に設けられた天板孔(13)を介して、下部固定金具(4)の下板(50)に設けられた下板連結孔(51)に挿入することにより、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に取付している。
【0025】
上記の本発明第2の太陽電池モジュール取付構造によれば、上部固定金具(3a)の押圧板(31)が、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の双方の保持上片(22b)を、上から押圧している構造が採用されている。
【0026】
そのため、太陽電池モジュール(2)が取付台(11)に取付られている状態で、太陽電池パネル(20)の裏面側に回り込んだ風が、太陽電池パネル(20)を下から上に向かって押し上げようとしても、上部固定金具(3a)の押圧板(31)により、太陽電池パネル(20)の端部が該太陽電池パネル(20)を保持する枠部材(21)の保持部(22)から外れるのを、防止することが可能である。
【0027】
又、上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造では、上部固定金具(3a)の押圧板(31)に設けられた押圧板孔(33)に、上方から挿入したボルト(8)を、枠部材(21)間の隙間(7)、下部固定金具(4)の上板(40)の上板孔(42)、及び、取付台(11)の天板(12)の天板孔(13)を介して、下部固定金具(4)の下板(50)の下板連結孔(51)が例えばボルトの場合には挿入しながら螺子締めするというシンプルな作業のみで、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に取付することができる。従って、太陽電池モジュール(2)を容易に取付台(11)に取付することができ、取付作業時間の短縮を図ることができる。
【0028】
上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造を、鉤片(25)が備えられた枠部材(21)を用いた上記の太陽電池モジュール(2a)に、適用することもできる。この場合は、次のようになる。
【0029】
即ち、まず、太陽電池モジュールとしては、上記の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の壁部(23)に、該壁部(23)から外側に突出すると共に先端が上方に屈曲して堤壁(26)を形成した鉤片(25)が備えられている枠部材(21a)を用いる(太陽電池モジュール(2a)には、枠部材(21a)が用いられている)。
【0030】
このような太陽電池モジュール(2a)において、上部固定金具(3a)の押圧板(31)は、隣接する双方の太陽電池モジュール(2a)の対面する端部に共に備えられた枠部材(21a)の保持壁(22a)間に形成されている隙間(7)を隣接方向に跨ぐのに代えて、双方の鉤片(25)の堤壁(26)間に形成されている隙間(7)を隣接方向に跨ぐようにする。
【0031】
又、隣接する双方の太陽電池モジュール(2a)の枠部材(21a)の双方の保持上片(22b)を上から押圧するのに代えて、鉤片(25)の堤壁(26)の上端面を上から押圧するようにする。
【0032】
そして、さらに、上部固定金具(3a)の突起片(32)は、隣接する双方の太陽電池モジュール(2a)の対面する端部に共に備えられた枠部材(21a)の保持壁(22a)間に形成されている隙間(7)に挿入されるのに代えて、鉤片(25)の堤壁(26)間に形成されている隙間(7)に挿入されるようにするのである。
【0033】
上記の太陽電池モジュール取付構造は、上述した本発明第2の太陽電池モジュール取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、上記の太陽電池モジュール取付構造においても、上述したのと同様の作用、効果を有する。
【0034】
上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造を、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の端部が、取付台(11)が有する天板(12)上に、対面して取付可能な状態で、太陽電池モジュール(2)の一方が存在しない場合に対しても、適用することができる。この場合は、次のようになる。
【0035】
即ち、まず、この場合は、隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュール(2)の端部が、該端部に沿って配置された取付台(11)が有する天板(12)上に、対面して取付可能な状態で、隣接して配置される太陽電池モジュール(2)の一方が存在しない場合である。
【0036】
この場合においても、使用される太陽電池モジュール(2)は、上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造における太陽電池モジュール(2)と全く同じものが使用される。
【0037】
上記の場合には、上部固定金具(3b)と、下部固定金具(4)とが用いられている。この内、下部固定金具(4)は、上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造における下部固定金具(4)と同じものが、使用される。
【0038】
上記の場合に使用される上部固定金具(3b)は、太陽電池モジュール(2)の端部に備えられた枠部材(21)の保持上片(22b)を上から押圧する押圧板(31)と、該押圧板(31)の端部が下方に屈曲して形成された突起片(32)と、該押圧板(31)の太陽電池モジュール(2)が存在しない側の端部に下方に向かって垂設された立壁(34)、及び、該立壁(34)の下端に、押圧板(31)の存在する側と反対の側に横向きに垂設された底部(35)とで構成され、突起片(32)の双方の側端面(32a)のいずれかが太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)を横方向に押圧するようにして形成される。
【0039】
上記の太陽電池モジュール取付構造では、上記の上部固定金具(3b)と、上述した下部固定金具(4)とを用いて、太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に、次のようにして、取付られていることを特徴としている。
【0040】
即ち、上部固定金具(3b)の押圧板(31)に設けられた押圧板孔(33)に、上方から挿入したボルト(8)を、太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)と、上部固定金具(3b)の立壁(34)との間に形成されている隙間(7)、下部固定金具(4)の上板(40)に設けられた上板孔(42)、及び、取付台(11)の天板(12)に設けられた天板孔(13)を介して、下部固定金具(4)の下板(50)に設けられた下板連結孔(51)に挿入固定することにより、太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に取付している。
【0041】
上記の太陽電池モジュール取付構造は、上記本発明第2の太陽電池モジュール取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、上記の太陽電池モジュール取付構造においても、上述したのと同様の作用、効果を有する。
【0042】
上記の各太陽電池モジュール取付構造において、取付台(11)の天板(12)に設けられている天板孔(13)は、隣接方向に長い長孔とするのが好適である。このようにすることにより、太陽電池モジュール(2)の取付台(11)への取付作業における微調整を、容易に行うことができる。
【0043】
又、上記の各太陽電池モジュール取付構造において、次のようにするのが好適である。即ち、まず、取付台(11)の天板(12)の天板孔(13)の前方に、下部固定金具(4)の位置決めスリット(14)を形成する。
【0044】
そして、下部固定金具(4)の上板(40)の前端に、下方に屈曲した位置決め片(43)を形成すると共に、該位置決め片(43)を、取付台(11)の天板(12)の位置決めスリット(14)に上方から挿入することにより、下部固定金具(4)の取付け台の長手方向の位置決めを行うようにするのである。このようにすることにより、太陽電池モジュール(2)の取付台(11)への取付作業を、容易にすることができる。
【0045】
又、上記の各太陽電池モジュール取付構造において、次のようにするのが好適である。即ち、下部固定金具(4)を、該下部固定金具(4)の上板(40)と下板(50)とが、途中部に屈曲容易な括部(61)を有するジョイント部(60)を介して結合されるように構成するのである。このようにすることにより、下部固定金具(4)の上板(40)と下板(50)とが、結合した状態であるので、1個の部品として扱うことができ、太陽電池モジュール(2)の取付台(11)への取付作業を、容易にすることができる。
【0046】
又、上記のジョイント部(60)を設けた下部固定金具(4)を使用する上記の太陽電池モジュール取付構造において、次のようにするのが好適である。即ち、まず、下部固定金具(4)の上板(40)の後端と下板(50)の後端とを、ジョイント部(60)で結合すると共に、上板(40)とジョイント部(60)の接続部を垂直に屈曲させる。又、取付台(11)の天板(12)に、下部固定金具(4)のジョイント部(60)及び下板(50)が挿入可能な取付補助孔(15)を設ける。
【0047】
そして、下部固定金具(4)のジョイント部(60)及び下板(50)が、取付台(11)の天板(12)の取付補助孔(15)に、下板の前端(50a)を先頭にして挿入された後、下部固定金具(4)のジョイント部(60)の括部(61)を、下板(50)が上板(40)に接近するように屈曲させることにより、該上板(40)と該下板(50)とで、取付台(11)の天板(12)を上下に挟持するようにするのである。
【0048】
このようにすることにより、太陽電池モジュール(2)の取付台(11)への取付作業を、容易にすることができる。
【0049】
又、取付台(11)の天板(12)に、上記の取付補助孔(15)を設けた該取付台(11)を使用する上記の太陽電池モジュール取付構造において、次のようにするのが好適である。
【0050】
即ち、まず、取付台(11)の天板(12)の取付補助孔(15)を、下部固定金具(4)の下板(50)の左右方向が、取付台(11)の天板(12)の長手方向と平行になるようにして、下部固定金具(4)のジョイント部(60)及び下板(50)を挿入可能な大きさとすると共に、該取付補助孔(15)の長手方向と交差する方向の幅を、下部固定金具(4)のジョイント部(60)の幅よりも広く形成する。
【0051】
そして、下部固定金具(4)の下板(50)の長手方向と交差する方向が、取付台(11)の天板(12)の長手方向と平行になるようにして、下部固定金具(4)のジョイント部(60)及び下板(50)を挿入すると共に、該挿入後、下部固定金具(4)全体を、ジョイント部(60)を回転の中心軸にして、直角に回転させた後、下部固定金具(4)のジョイント部(60)の括部(61)を、下板(50)が上板(40)に接近するようにして屈曲させるのである。
【0052】
このようにすることにより、下部固定金具(4)を取付台(11)の天板(12)に装着する作業を、容易に行うことができる。従って、太陽電池モジュール(2)の取付台(11)への取付作業を、容易にすることができる。
【0053】
又、取付台(11)の天板(12)に、上記の取付補助孔(15)を設けた該取付台(11)を使用する上記の太陽電池モジュール取付構造において、次のようにするのが好適である。
【0054】
即ち、まず、取付台(11)の天板(12)の天板孔(13)の前方に、下部固定金具(4a)の位置決めスリット(14)を形成する。
【0055】
又、下部固定金具(4a)の上板(40)の前端に、下方に屈曲した位置決め片(43)を形成すると共に、該位置決め片(43)を、取付台(11)の天板(12)の位置決めスリット(14)に上方から挿入することにより、下部固定金具(4a)の前後方向の位置決めを行うと共に、取付台(11)の天板(12)の位置決めスリット(14)に挿入された下部固定金具(4a)の上板(40)の位置決め片(43)の先端が、位置決めスリット(14)から下方に突出するようにする。
【0056】
又、下部固定金具(4a)の下板の前端(50a)には、位置決めスリット(14)から下方に突出した下部固定金具(4a)の上板(40)の位置決め片(43)の先端が嵌入する嵌入スリット(53)が設けられた前端片(52)を、形成する。
【0057】
そして、位置決めスリット(14)から下方に突出した下部固定金具(4a)の上板(40)の位置決め片(43)の先端が、下部固定金具(4a)の下板の前端片(52)の嵌入スリット(53)に嵌入するようにして、下部固定金具(4a)のジョイント部(60)の括部(61)を、下板(50)が上板(40)に接近するようにして屈曲させるのである。
【0058】
このようにすることにより、下板(50)が上板(40)真下の中央付近に位置するように、下板(50)が上板(40)に接近するようにして、下部固定金具(4a)のジョイント部(60)の括部(61)を屈曲させることができる。そのため、下部固定金具(4a)の下板(50)と上板(40)とによる架台(10)の取付桟(11)の天板(12)の挟持を、正確に、且つ、容易に行うことができる。従って、太陽電池モジュール(2)の取付台(11)への取付作業を、容易にすることができる。
【0059】
次に本発明の太陽電池装置について説明する。
【0060】
本発明第1の太陽電池装置は、隣合う太陽電池モジュール(2)の端部が、該端部に沿って配置された天板(12)を含む取付台(11)に、対に取付けられる太陽電池装置である。
【0061】
この本発明第1の太陽電池装置は、前記太陽電池モジュール(2)の端部に設けられた枠部材(21)と、前記隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間に設けられた上部固定金具(3a)と、前記取付台(11)の天板(12)上に保持される上板(40)とを含む下部固定金具(4)と、前記上部固定金具(3a)と前記下部固定金具(4)とを隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間にて連結する連結部材(8)とを備える。
【0062】
そして、この本発明第1の太陽電池装置は、前記上板(40)の双方の両端部が屈曲して形成された爪片(41)の内、一方向側の爪片(41)の内側面に、前記隣接する一方向側の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の一部が当接し、他方向側の該爪片(41)の内側面に、前記隣接する他方向側の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の一部が当接していることを特徴とする。
【0063】
一方、本発明第2の太陽電池装置も前記本発明第一の太陽電池装置同様、隣合う太陽電池モジュール(2)の端部が、該端部に沿って配置された天板(12)を含む取付台(11)に、対に取付けられる太陽電池装置である。
【0064】
この本発明第2の太陽電池装置は、前記太陽電池モジュール(2)の端部には、太陽電池パネル(20)の端部を保持する保持部(22)と、該保持部(22)の下に連接して立設された壁部(23)と、該壁部(23)の下端に設けられた底部(24)とを含む枠部材(21)と、前記隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間に設けられた上部固定金具(3a)と、前記取付台(11)の天板(12)を上下に挟持する上板(40)と下板(50)とを含む下部固定金具(4)と、前記上部固定金具(3a)と前記下部固定金具(4)とを隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)間に形成されている隙間(7)を介して連結する連結部材(8)とを備える。
【0065】
そして、この本発明第2の太陽電池装置にあっては、前記上板(40)の双方の両端部が屈曲して形成された爪片(41)の内、一方向側の爪片(41)の内側面に、前記隣接する一方向側の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の一部が当接し、他方向側の該爪片(41)の内側面に、前記隣接する他方向側の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の一部が当接していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0066】
本発明第1及び第2の太陽電池モジュール取付構造によれば、太陽電池モジュール取付構造において、上部固定金具(3a)の押圧板(31)が、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)の枠部材(21)の双方の保持上片(22b)を、上から押圧している構造が採用されている。
【0067】
そのため、太陽電池モジュール(2)が取付台(11)に取付られている状態で、太陽電池パネル(20)の裏面側に回り込んだ風が、太陽電池パネル(20)を下から上に向かって押し上げようとしても、上部固定金具(3a)の押圧板(31)により、太陽電池パネル(20)の端部が該太陽電池パネル(20)を保持する枠部材(21)の保持部(22)から外れるのを、防止することが可能である。
【0068】
又、上記の太陽電池モジュール取付構造では、上部固定金具(3a)の押圧板(31)に設けられた押圧板孔(33)に、上方から挿入したボルト(8)を、枠部材(21)間の隙間(7)、下部固定金具(4)の上板(40)の上板孔(42)、及び、取付台(11)の天板(12)の天板孔(13)を介して、下部固定金具(4)の下板(50)の下板連結孔(51)に挿入固定するというシンプルな作業のみで、隣接する双方の太陽電池モジュール(2)を、取付台(11)に取付することができる。従って、太陽電池モジュール(2)を容易に取付台(11)に取付することができ、取付作業時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造を採用した太陽電池装置の外観図である。
【図2】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造を採用した太陽電池装置の側面図である。
【図3】本実施の形態における太陽電池モジュール中央取付構造に用いられる太陽電池モジュールの端部の構成を示した断面図である。
【図4】本実施の形態における太陽電池モジュール中央取付構造の(a)は、太陽電池モジュール側から見た斜視図、(b)は、架台の取付桟の天板の裏面側から見た斜視図である。
【図5】本実施の形態における太陽電池モジュール中央取付構造の断面図である。
【図6】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる架台の取付桟の外観を示した斜視図である。
【図7】本実施の形態における太陽電池モジュール中央取付構造に用いられる上部固定金具の外観を示した斜視図である。
【図8】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の外観を示した斜視図である。
【図9】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の取付手順を示した斜視図(その1)である。
【図10】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の取付手順を示した斜視図(その2)である。
【図11】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の取付手順を示した斜視図(その3)である。
【図12】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の取付手順を示した斜視図(その4)である。
【図13】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具が、天板に装着された状態を示した平面図である。
【図14】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具が、天板に装着された状態を示した正面図である。
【図15】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具が、天板に装着された状態を示した側面図である。
【図16】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具が、天板に装着された状態を示した斜視図である。
【図17】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具が、天板に装着された状態における下部固定金具のみの形状を示した斜視図である。
【図18】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる他の下部固定金具4aの外観を示した斜視図である。
【図19】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる他の下部固定金具を、架台の取付桟の天板に装着した状態における下部固定金具のみの状態を示した斜視図である。
【図20】本実施の形態における太陽電池モジュール側部取付構造に用いられる上部固定金具の外観を示した斜視図である。
【図21】本実施の形態における太陽電池モジュール側部取付構造を示した断面図である。
【図22】本実施の形態における鉤片が備えられている枠部材を使用した太陽電池モジュールの端部の構成を示した断面図である。
【図23】本実施の形態における鉤片が備えられている枠部材を使用した太陽電池モジュールに対する太陽電池モジュール中央取付構造の部分断面図である。
【図24】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる屈曲したU字状の爪片を有する下部固定金具の外観を示した斜視図である。
【図25】本実施の形態における屈曲したU字状の爪片を有する下部固定金具を用いた太陽電池モジュール取付構造を示す(a)は、太陽電池モジュール側から見た斜視図、(b)は、部分断面図である。
【図26】本実施の形態におけるヒレの無い底部が備えられている枠部材を使用した太陽電池モジュールの端部の構成を示した断面図である。
【図27】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられるL字状の爪片を有する下部固定金具の外観を示した斜視図である。
【図28】本実施の形態におけるL字状の爪片を有する下部固定金具を用いた太陽電池モジュール取付構造を示す断面図である。
【図29】本実施の形態における下部固定金具のみを用いた太陽電池モジュール取付構造の(a)は、太陽電池モジュール側から見た斜視図、(b)は、架台の取付桟の天板の裏面側から見た斜視図である。
【図30】本実施の形態における下部固定金具のみを用いた太陽電池モジュール取付構造を示す部分断面図である。
【図31】本実施の形態における下部固定金具のみを用いた太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の(a)は上板の外観を示した斜視図、(b)は下板の外観を示した斜視図である。
【図32】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の上板の外観を示した斜視図である。
【図33】本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造に用いられる下部固定金具の下板の外観を示した斜視図である。
【図34】本実施の形態における別の形態の太陽電池モジュール中央取付構造の斜視図である。
【図35】本実施の形態における別の形態の太陽電池モジュール側部取付構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
<太陽電池モジュール取付構造の一般的な説明>
次に、本発明の実施の形態における太陽電池モジュール取付構造について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造を採用した太陽電池装置1の外観図、図2は、該太陽電池装置1の側面図である。
【0071】
上記の太陽電池装置1は、図1、図2において、4個の太陽電池モジュール2が、3台の架台10に取付られて構成されている。この内、太陽電池モジュール2は、太陽電池パネル20と、この太陽電池パネル20を保持する枠部材21とで構成されている。
【0072】
又、各架台10は、取付桟11(前述の取付台に相当)と縦桟16とで構成され、図2に示すように、取付桟11が縦桟16によって支えられるようにして形成されている。即ち、1台の架台10は、斜めに傾斜して配置された取付桟11の長手方向の、上から4分の1あたりの地点に、取付桟11とは逆の向きに傾斜して配置された縦桟16の先端を固定して、形成されている。
【0073】
上記の太陽電池装置1は、上述したように、太陽電池装置1の左端、右端、及び、中央の各部分に相当する位置に、相互に平行に配置された3台の架台10を用いて、4個の太陽電池モジュール2を取付ている。
【0074】
即ち、左端に配置された架台10の取付桟11と中央に配置された架台10の取付桟11との間、及び、中央に配置された架台10の取付桟11と右端に配置された架台10の取付桟11との間のそれぞれに、上下に2個の太陽電池モジュール2が並べて架橋されると共に、各太陽電池モジュール2の端部が、架台10の取付桟11の天板12に載置されて取付られている。
【0075】
この内、左端に配置された架台10の取付桟11の天板12、及び、右端に配置された架台10の取付桟11の天板12には、左右方向に、1台の太陽電池モジュール2の端部が載置されて取付られているのみであるのに対して、中央に配置された架台10の取付桟11の天板12には、左右方向に、2台の太陽電池モジュール2の端部が載置されて取付られている。
【0076】
本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造は、上記のようにして、架台10の取付桟11の天板12に載置された太陽電池モジュール2の端部が、架台10の取付桟11に取付られている構造に、特徴を有している。
【0077】
そこで、次に、上記の太陽電池装置1において、架台10の取付桟11の天板12に載置された太陽電池モジュール2の端部が、架台10の取付桟11に取付られている構造について説明する。
【0078】
尚、以下の説明では、太陽電池装置1の太陽電池モジュール2の太陽電池パネル20が、水平な状態に配置されていると仮定して、架台10の取付桟11の長手方向を、前後方向、3台の架台10が相互に平行に配置されている配置方向を、左右方向、太陽電池モジュール2の表面が面している方向を、上方、そして、太陽電池モジュール2の裏面が面している方向を、下方と称する。
【0079】
上記の太陽電池装置1においては、上述したように、左右方向に2台の太陽電池モジュール2の端部が載置されて取付られている取付構造であり、これには、2種類の取付構造が存在する。
【0080】
1つは、太陽電池装置1の中央に配置された架台10の取付桟11における取付構造であり、左右方向に2台の太陽電池モジュール2の端部が、架台10の取付桟11に載置されて取付られている取付構造である。他の1つは、太陽電池装置1の左端、又は、右端に配置された架台10の取付桟11における取付構造であり、左右方向に1台の太陽電池モジュール2の端部が、架台10の取付桟11に載置されて取付られている取付構造である。そこで、前者を中央取付構造と称し、後者を側部取付構造と称すると共に、最初に、前者の中央取付構造について説明し、後に、後者の側部取付構造について説明する。
【0081】
<中央取付構造の説明>
最初に、中央取付構造について説明する。この中央取付構造は、左右に隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュール2の端部が、該端部に沿って配置された前後方向に例えば細長い取付桟11が有する天板12上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造である。
【0082】
図3は、上記の中央取付構造に用いられる太陽電池モジュール2の端部の構成を示した断面図である。図3に示すように、上記の中央取付構造に用いられる太陽電池モジュール2は、太陽電池パネル20と、この太陽電池パネル20を保持する枠部材21とで構成されている。尚、この太陽電池モジュール2の構成は、後述する側部取付構造に使用される太陽電池モジュール2においても、同様の構成である。
【0083】
図3において、上記の枠部材21は、保持部22と、該保持部22の下に連設して立設された壁部23と、該壁部23の下端から、保持上片22b及び保持下片22cと同方向に垂設された底部(底部片)24とで構成されている。
【0084】
そして、上記の保持部22は、立設された保持壁22a、該保持壁22aの上端及び下端から同一横方向に垂設された保持上片22b及び保持下片22cで形成され、断面が一辺の開口した四角形状をしている。この一辺の開口した四角形状の内部に、太陽電池パネル20の端部が挟持される。
【0085】
図4(a)は、太陽電池装置1における中央に配置された架台10の取付桟11に、左右方向に2台の太陽電池モジュール2の端部が載置されて取付られている状態を、太陽電池モジュール2側から見た斜視図、又、図4(b)は、上記の状態を、架台10の取付桟11の天板12の裏面側から見た斜視図である。又、図5は、上記の状態の断面図である。
【0086】
図4(a)、図4(b)及び、図5において、太陽電池装置1における中央に配置された架台10の取付桟11では、隣接する2個の太陽電池モジュール2は、上部固定金具3aと、下部固定金具4、及び、連結部材8としてボルトを用いて、架台10の取付桟11が有する天板12に取付られている。次に、これらの架台10の取付桟11の天板12、上部固定金具3a、及び、下部固定金具4について説明する。
【0087】
まず、架台10の取付桟11の天板12について説明する。上記の架台10の取付桟11の天板12には、天板孔13と、下部固定金具(4)を取り付けるための取付補助孔15、及び、位置決めスリット14が設けられている。図6は、天板12を有する取付桟11の外観を示した斜視図である。
【0088】
この内、取付補助孔15は、T字形をしており、このT字形の中央のI字形の部分の大きさは、次のようにする。即ち、後述する下部固定金具(4)の下板(50)の左右方向が、取付台(11)の天板(12)の長手方向と平行になるようにして、下部固定金具(4)のジョイント部(60)、及び、下板(50)が挿入可能な大きさとする。又、このT字形の中央のI字形の部分における左右方向の幅は、後述する下部固定金具(4)のジョイント部(60)の幅よりも多少広く形成する。
【0089】
又、取付補助孔15のT字形の中心のI字形の部分と直交する頂部の左右方向に細長い部分は、後述する下部固定金具(4)を取付桟11の天板12に取り付ける際の微調整用に形成されている。
【0090】
又、天板孔13は、ボルト8が挿入される孔である。この天板孔13は、左右方向に細長い長孔であり、ボルト8の挿入における際の微調整用に形成されている。又、位置決めスリット14は、左右方向に細長い形状をしている。この位置決めスリット14には、後述する下部固定金具4の上板40の前端に下方に屈曲して形成されている位置決め片43が挿入される。この位置決めスリット14も、位置決め片43の挿入時における微調整用として、上記の位置決め片43よりも長く形成されている。
【0091】
ここで連結部材8としてはボルトの他に連結ピンを用いてもよく、下部の固定はナットの他にタップ板、スピードナット等でもよい。
【0092】
次に、上部固定金具3aについて説明する。図7は、上部固定金具3aの外観を示した斜視図である。上部固定金具3aは、平板状の押圧板31の前後の両端部に、下方に突出して形成される突起片32を備えると共に、押圧板31の中央部に、上下に貫通した押圧板孔33を備えて形成されている。
【0093】
押圧板31は、架台10の取付桟11の天板12上に、離間して隣接して配置される2個の太陽電池モジュール2の端部に備えられた枠部材21を、上から押圧するのに用いられる。又、押圧板孔33は、ボルト8が挿入される孔である。
【0094】
又、上部固定金具3aの突起片32は、上記の離間して隣接して配置される2個の太陽電池モジュール2の対面する端部に、共に備えられている枠部材21の相互間に形成される隙間7に、挿入される。
【0095】
次に、下部固定金具4について説明する。図8は、下部固定金具4の外観を示した斜視図である。この下部固定金具4は、上板40、下板50、及び、この上板40と下板50とを結合するジョイント部60で構成されている。詳しく見ると、下部固定金具4の上板40の後端40aと下板50の後端(下板後壁)50bとが、ジョイント部60で結合されていると共に、上板40とジョイント部60の接続部は、垂直に屈曲している。
【0096】
又、ジョイント部60の途中部には、容易に屈曲できる括部61が設けられている。この下部固定金具4は、太陽電池モジュール2を架台10の取付桟11に取付る際に、架台10の取付桟11の天板12に装着されて使用される。
【0097】
尚、下部固定金具4の下板50とジョイント部60との間には、下板50の後端縁から垂直に屈曲した下板後壁50bが形成されていると共に、下部固定金具4の下板50の前端縁から垂直に屈曲した下板前壁50aが形成されている。
【0098】
又、下部固定金具4の上板40の左右の両端部には、上方に屈曲した爪片41,41が形成されている。この上方に屈曲した爪片41,41は、下部固定金具4が、架台10の取付桟11の天板12に装着された状態下で、使用される。
【0099】
具体的には、下部固定金具4が、架台10の取付桟11の天板12に装着された状態下で、この下部固定金具4の上板40の左右の両端部に形成された爪片41の内、左側の爪片41の内側面には、架台10の取付桟11の天板12上に、隣接すると共に離間して配置される2個の太陽電池モジュール2の左側の太陽電池モジュール2の枠部材21の底部24の先端面24aが当接し、右側の該爪片41の内側面には、隣接する右側の太陽電池モジュール2の枠部材21の底部24の先端面24aが当接する。爪片41は上方に屈曲しL字状に形成してもよく、上方に折り返して屈曲したU字状に形成してもよい。U字状に形成した場合は底部24の一部を取り囲むように嵌合するのが好ましく、底部24をU字状爪片に挿入することで、上下方向のズレに対して底部24自体を固定することが可能となり、風荷重等に対してさらに強い構造となる。又、爪片41と底部24とを当接させる構造については、底部24の底面の一部に凹部として例えば係止溝を設け、爪片41を該凹部に係止する構造でもよい。
【0100】
又、下部固定金具4の上板40の前端には、下方に屈曲した位置決め片43が形成されている。さらに、下部固定金具4の上板40の中央部には、上下に貫通した上板孔42が形成されていると共に、下部固定金具4の下板50には、下板連結孔51が設けられている。下部固定金具4の上板40の上板孔42は、ボルト8が挿入される孔であり、下部固定金具4の下板50の下板連結孔51は、例えば連結部材としてボルト8が螺入される螺子孔である。
【0101】
次に、上記の中央取付構造が採用されている太陽電池装置1の中央に配置された架台10の取付桟11における取付構造の組立方法について説明する。上記の中央取付構造における組立方法としては、最初に、下部固定金具4を、架台10の取付桟11の天板12に装着する。
【0102】
図9〜図12は、この下部固定金具4を架台10の取付桟11の天板12に取付る手順を示したものである。尚、この図9〜図12では、下部固定金具4は、図8の下部固定金具4を、ジョイント部60を回転の中心軸にして、180°回転させた状態で、表示されている。
【0103】
図9〜図12において、まず。下部固定金具4を、下部固定金具4の下板50の左右方向が、取付台11の天板12の長手方向と平行になるようにする(図9)。そして、下部固定金具4を、架台10の取付桟11の天板12に形成されている取付補助孔15から、下板の前端50aを先頭にして、下板50及びジョイント部60を挿入する(図10)。
【0104】
下板50及びジョイント部60の挿入が完了すると、下部固定金具4全体を、ジョイント部60を回転の中心軸にして、直角に回転させる(図11)。そして、下部固定金具4の位置決め片43を、架台10の取付桟11の天板12に形成されている位置決めスリット14に挿入して、下部固定金具4の前後方向の位置決めを行う。
【0105】
そして、下部固定金具4のジョイント部60の括部61を、下板50が上板40に接近するようにして屈曲させ、該上板40と該下板50とで、取付桟11の天板12を上下に挟持するようにする(図12)。
【0106】
図13〜図16は、この下部固定金具4が、天板12に装着された状態を示している。即ち、図13は、下部固定金具4が、天板12に装着された状態の平面図、図14は、正面図、図15は、側面図、そして、図16は、斜視図である。又、図17は、下部固定金具4が、天板12に装着された状態における下部固定金具4のみの形状を示した斜視図である。
【0107】
下部固定金具4の、架台10の取付桟11の天板12への装着が終了すると、次に、架台10の取付桟11の天板12に装着された下部固定金具4の上に、2個の太陽電池モジュール2の枠部材21の端部を、離間して隣接して設置する。
【0108】
この状態では、図4(a)、図4(b)及び、図5に示すように、下部固定金具4の上板40が、取付桟11の天板12と、隣接する双方の太陽電池モジュール2の枠部材21の底部24との間に挟持される。又、この下部固定金具4の上板40の左右の両端部に形成された爪片41の内、左側の爪片41の内側面には、架台10の取付桟11の天板12上に、離間して隣接して配置される2個の太陽電池モジュール2の左側の太陽電池モジュール2の枠部材21の底部24の先端面24aが当接し、右側の該爪片41の内側面には、隣接する右側の太陽電池モジュール2の枠部材21の底部24の先端面24aが当接する。
【0109】
2個の太陽電池モジュール2の設置が完了すると、次に、2個の太陽電池モジュール2の枠部材21の端部の上に、上部固定金具3aを設置する。即ち、図4(a)、図5において、上部固定金具3aの押圧板31を、隣接する2個の太陽電池モジュール2の端部に備えられた枠部材21間に形成されている隙間7を左右方向に跨ぐようにする。
【0110】
そして、上部固定金具3aの突起片32が、隣接する2個の太陽電池モジュール2の対面する端部に備えられた枠部材21間に形成されている隙間7に、上方から挿入する。そして、この2個の太陽電池モジュール2の端部を、上部固定金具3aの押圧板31により、上から押圧すると共に、ボルト8で固定する。
【0111】
具体的には、図4(a)、図4(b)及び、図5に示すように、上部固定金具3aの押圧板31に設けられた押圧板孔33に、上方から挿入したボルト8を、隣接する双方の太陽電池モジュール2の枠部材21間に形成されている隙間7、下部固定金具4の上板40に設けられた上板孔42、及び、取付台11の天板12に設けられた天板孔13を介して、下部固定金具4の下板50に設けられた下板連結孔51に挿入固定することにより、隣接する双方の太陽電池モジュール2を、取付台11に取付る。
【0112】
このように、ボルト8で、上部固定金具3aと下部固定金具4とを締め付けることによって、上部固定金具3aと下部固定金具4で挟まれている2個の太陽電池モジュール2の端部が、下部固定金具4が装着されている架台10の取付桟11に、固定される。
【0113】
上記の中央取付構造によれば、上部固定金具3aの押圧板31が、隣接する双方の太陽電池モジュール2の枠部材21の双方の保持上片22bを、上から押圧している構造が採用されている。
【0114】
そのため、太陽電池モジュール2が取付台11に取付られている状態で、太陽電池パネル20の裏面側に回り込んだ風が、太陽電池パネル20を下から上に向かって押し上げようとしても、上部固定金具3aの押圧板31により、太陽電池パネル20の端部が該太陽電池パネル20を保持する枠部材21の保持部22から外れるのを、防止することが可能である。
【0115】
又、上記の太陽電池モジュール取付構造では、上部固定金具3aの押圧板31に設けられた押圧板孔33に、上方から挿入したボルト8を、枠部材21間の隙間7、下部固定金具4の上板40の上板孔42、及び、取付台11の天板12の天板孔13を介して、下部固定金具4の下板50の下板連結孔51に挿入固定するというシンプルな作業のみで、隣接する双方の太陽電池モジュール2を、取付台11に取付することができる。従って、太陽電池モジュール2を容易に取付台11に取付することができ、取付作業時間の短縮を図ることができる。
【0116】
上記の太陽電池モジュール取付構造において、下部固定金具4に代えて、この下部固定金具4の下板50の前端に、嵌入スリット53が設けられている前端片52が形成された下部固定金具4aを用いるようにしてもよい。図18は、この下部固定金具4aの外観を示した斜視図である。
【0117】
この下部固定金具4aの前端片52に設けられた嵌入スリット53は、取付台11の天板12の位置決めスリット14に挿入され、この位置決めスリット14から下方に突出する位置決め片43の先端を、嵌入させるためのものである。
【0118】
即ち、上記の下部固定金具4aを用いる太陽電池モジュール取付構造では、架台10の取付桟11の天板12に設けられている位置決めスリット14から、下方に突出した下部固定金具4aの上板40の位置決め片43の先端が、下部固定金具4aの下板の前端片52の嵌入スリット53に嵌入するようにして、下部固定金具4aのジョイント部60の括部61を、屈曲させるのである。図19は、この下部固定金具4aを、架台10の取付桟11の天板12に装着された状態における下部固定金具4aのみの状態を示した斜視図である。
【0119】
このようにすることにより、下板50が上板40真下の中央付近に位置するように、下板50が上板40に接近するようにして、下部固定金具4aのジョイント部60の括部61を屈曲させることができる。従って、下部固定金具4aの下板50と上板40とによる架台10の取付桟11の天板12の挟持を、正確に、且つ、容易に行うことができる。
【0120】
<側部取付構造の説明>
次に、側部取付構造について説明する。この側部取付構造は、左右に隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュール2の端部が、該端部に沿って配置された前後方向に細長い取付桟11が有する天板12上に、対面して取付可能な状態で、左右に隣接して配置される太陽電池モジュール2の一方が存在しない場合における太陽電池モジュール取付構造である。
【0121】
図20は、この側部取付構造に用いられる上部固定金具3bの外観を示した斜視図である。即ち、この側部取付構造では、上述した中央取付構造を示した図5において、上部固定金具3a、及び、左側の太陽電池モジュール2に代えて、上部固定金具3bを使用する。図21は、この側部取付構造を示した断面図である。
【0122】
上記の側部取付構造では、上記の上部固定金具3bと、下部固定金具4とが用いられる。この下部固定金具4は、上述した中央取付構造における下部固定金具4と同じものである。
【0123】
上記の場合に使用される上部固定金具3bは、図20に示すように、太陽電池モジュール2の端部に備えられた枠部材21の保持上片22bを上から押圧する押圧板31と、該押圧板31の前後の両端部が下方に屈曲して形成された突起片32と、該押圧板31の左右の両端部の内、太陽電池モジュール2が存在しない側の端部に下方に向かって垂設された立壁34、及び、該立壁34の下端に、押圧板31の存在する側と反対の側に横向きに垂設された底部(底部片)35とで構成される。
【0124】
この上部固定金具3bは、突起片32の左右の側端面32aのいずれかが(図21では、右側端面)、太陽電池モジュール2の枠部材21を横方向に押圧するようにして形成される。
【0125】
上記の側部取付構造では、上部固定金具3bと、下部固定金具4とを用いて、太陽電池モジュール2を、取付桟11に、次のようにして、取付る。即ち、上部固定金具3bの押圧板31に設けられた押圧板孔33に、上方から挿入したボルト8を、太陽電池モジュール2の枠部材21と、上部固定金具3bの立壁34との間に形成されている隙間7、下部固定金具4の上板40に設けられた上板孔42、及び、取付桟11の天板12に設けられた天板孔13を介して、下部固定金具4の下板50に設けられた下板連結孔51に挿入固定することにより、太陽電池モジュール2を、取付桟11に取付る。
【0126】
上記の側部取付構造は、上述した中央取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、側部取付構造においても、上述した中央取付構造と同様の作用、効果を有する。
【0127】
<鉤片を備えた枠部材を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造の説明>
上述した説明では、太陽電池装置1は、図3に示す構成の太陽電池モジュール2が用いられている。これに対して図22に示すように、太陽電池モジュールに用いられている枠部材として、枠部材の壁部23から外側に突出すると共に先端が上方に屈曲して堤壁26を形成した鉤片25が備えられている枠部材21を使用した太陽電池モジュール2aを用いて、上述したような太陽電池装置を構成することもできる。この場合における太陽電池モジュール中央取付構造について、次に説明する。
【0128】
この鉤片25を備えた枠部材21を用いた場合の太陽電池モジュール中央取付構造では、太陽電池モジュール2aとしては、上述したように、太陽電池モジュール2aの枠部材21aの壁部23に、該壁部23から外側に突出すると共に先端が上方に屈曲して堤壁26を形成した鉤片25が備えられている。
【0129】
このような太陽電池モジュール2aでは、図23に示すように、上部固定金具3aの押圧板31は、上述した中央取付構造における隣接する双方の太陽電池モジュール2の対面する端部に共に備えられた枠部材21の保持壁22a間に形成されている隙間7を左右方向に跨ぐのに代えて、太陽電池モジュール2aにおける双方の鉤片25の堤壁26間に形成されている隙間7を左右方向に跨ぐようにする。
【0130】
又、上述した中央取付構造における隣接する双方の太陽電池モジュール2aの枠部材21aの双方の保持上片22bを上から押圧するのに代えて、太陽電池モジュール2aにおける鉤片25の堤壁26の上端面を上から押圧するようにする。
【0131】
そして、さらに、上部固定金具3aの突起片32は、上述した中央取付構造における隣接する双方の太陽電池モジュール2aの対面する端部に共に備えられた枠部材21aの保持壁22a間に形成されている隙間7に挿入されるのに代えて、太陽電池モジュール2aにおける鉤片25の堤壁26間に形成されている隙間7に挿入されるようにするのである。
【0132】
上記の鉤片を備えた枠部材を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造は、上述した中央取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、上記の鉤片を備えた枠部材を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造においても、上述した中央取付構造と同様の作用、効果を有する。
【0133】
上記では、鉤片を備えた枠部材を用いた場合の太陽電池モジュール中央取付構造について説明しているが、鉤片を備えた枠部材を用いた場合の太陽電池モジュール側部取付構造についても、上述した側部取付構造と同様にして、実現することができる。
【0134】
<屈曲したU字状の爪片を有する下部固定金具を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造の説明>
上述した説明では、太陽電池装置1は、図8や図18に示す構成の下部固定金具4が用いられている。これに対して図24に示すように、下部固定金具4bとして、屈曲したU字状の爪片41を有するものを用いて、上述したような太陽電池装置を構成することもできる。
【0135】
この屈曲したU字状の爪片41を有する下部固定金具4bを用いた場合の太陽電池モジュール中央取付構造では、図25斜視図(a)及び部分断面図(b)に示すように、U字状の爪片41が底部24の先端面24aの一部を取り囲むように嵌合する。
【0136】
即ち、底部24の先端面24aをU字状の爪片41に挿入することで、上下方向のズレに対して底部24自体を固定することが可能となり、風荷重等に対してさらに強い構造となる。
【0137】
なお、図中Lで示す枠部材21間の距離と、図中L1及びL2で示す爪片41の折り返し長さとの関係をL≧L1+L2となるようにすれば、下部固定金具4bに対し枠部材21をより一層容易に取り付けることができるようになる。
【0138】
上記の屈曲したU字状の爪片を有する下部固定金具を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造は、上述した中央取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、上記の屈曲したU字状の爪片を有する下部固定金具を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造においても、上述した中央取付構造と同様の作用、効果を有する。
【0139】
<L字状の爪片を有する下部固定金具を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造の説明>
上述した説明では、太陽電池装置1における枠部材21として、保持部22と、該保持部22の下に連設して立設された壁部23と、該壁部23の下端から、保持上片22b及び保持下片22cと同方向に垂設された底部(底部片)24とで構成されているものが用いられている。即ち、その底部24は水平方向に延設したヒレが存在する底部片である。
【0140】
これに対して図26の断面図に示すように、枠部材21における底部24にヒレが設けられていない太陽電池モジュール2bを用いて、上述したような太陽電池装置1を構成することもできる。
【0141】
この底部24にヒレが設けられていない場合の太陽電池モジュール中央取付構造に対しては、図27に示すような、下部固定金具4の上板40の左右の両端部を屈曲して立ち上げたL字状の爪片41を有する下部固定金具4cを用いる。
【0142】
即ち、図28の断面図に示すように、下部固定金具4cにおける立ち上げた爪片41を底部24の側面に沿わせて当接し、位置決めするのである。
【0143】
これにより、太陽電池モジュールの枠部材として、その底部24にヒレ部が無い構造(例えば、ホロー構造ヒレ無し)を採用した場合にあっても、上述したような太陽電池装置を構成することができる。
【0144】
上記のL字状の爪片を有する下部固定金具を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造は、上述した中央取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、上記のL字状の爪片を有する下部固定金具を用いた場合の太陽電池モジュール取付構造においても、上述した中央取付構造と同様の作用、効果を有する。
【0145】
<下部固定金具のみを用いた場合の太陽電池モジュール取付構造の説明>
次に、下部固定金具のみを用いた場合の太陽電池モジュール取付構造について説明する図29(a)は、太陽電池装置1における中央に配置された架台10の取付桟11に、左右方向に2台の太陽電池モジュール2cの端部が載置されて取付られている状態を、太陽電池モジュール2側から見た斜視図である。又、図29(b)は、上記の状態を、架台10の取付桟11の天板12の裏面側から見た斜視図である。又、図30は、上記の状態の部分断面図である。
【0146】
この中央取付構造は、左右に隣接して(殆ど隙間無く)配置された双方の太陽電池モジュール2cの端部が、該端部に沿って配置された前後方向に例えば細長い取付桟11を有する天板12上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造である。
【0147】
そして、この取付構造にあっては、下部固定金具4dのみを用いている。以下、この下部固定金具4dについて説明する。
【0148】
図31(a)は、下部固定金具4dにおける上板40の外観を示した斜視図であり、図31(b)は、下部固定金具4dにおける下板50の外観を示した斜視図である。この下部固定金具4dは、太陽電池モジュール2cを架台10の取付桟11に取付る際に、架台10の取付桟11の天板12に装着されて使用される。
【0149】
上板40は、下端から垂直に屈曲したヒレ部片45、及び上端から前記ヒレ部片45と同一方向に屈曲すると共に更に折り返してU字状に屈曲した爪片41からなる。なお、この上板40は、同一形状の部材が2枚対になって使用される。
【0150】
一方、下板50は、両端部片55がそれぞれ下方に向かって垂直に屈曲した断面視一辺の開口した四角形状を有する。なお、天井面の両側縁には、上方に屈曲した位置決め片54が備えられている。
【0151】
さらに、下部固定金具4dの上板40の中央部には、上板孔42が形成されている。一方、下部固定金具4dの下板50における屈曲した両端部片55には、それぞれ下板連結孔51が設けられている。下部固定金具4dの上板40の上板孔42は、ボルト8が挿入される孔であり、下部固定金具4dの下板50の下板連結孔51は、例えば連結部材としてボルト8が螺入される螺子孔である。
【0152】
この中央取付構造が採用されている太陽電池装置1の中央に配置された架台10の取付桟11における取付構造の組立方法について説明する。上記の中央取付構造における組立方法としては、まず、架台10の取付桟11の天板12に、2個の太陽電池モジュール2cの枠部材21の端部を隣接して設置する。
【0153】
次に、下部固定金具4dにおける下板50を取付桟11内(天板12の内側)に挿入し、位置決め片53を天板12に形成されている位置決めスリット14に挿入して、下板50の前後方向の位置決めを行う。なお、取付桟11には長さ方向に沿って窪みが設けられており、位置決め片53が太陽電池モジュール2cの底面に接触しないようにしている。
【0154】
そして、下部固定金具4dにおける2枚の上板40を取付桟11に向かって両側面から挟むように接近させ、U字状の爪片41が、枠部材21における底部24の先端24aを取り囲んで嵌合するようにする。
【0155】
最後に、下部固定金具4dの上板40における押圧板孔33に、ボルト8を挿入し、取付桟11の側面に設けられた孔13を介して、下部固定金具4の下板50に設けられた下板連結孔51に挿入固定することにより、隣接する双方の太陽電池モジュール2cを、取付台11に取付る。
【0156】
この取付構造にあっては、下部固定金具が取付台の天板上で、枠部材の底部を固定し、双方の太陽電池モジュールの端部の位置を相互に位置決めしているから、吹き上げ風荷重に対して強度を高めることができる。又、上部固定金具を省略し、取付作業の簡略化及びコスト削減を実現することができる。更に、取付作業を取付桟の裏側及び側面側から行うため、作業効率が高まる。加えて、モジュール後段の高さが高い固定位置においても作業がし易いといった利点がある。
【0157】
特に、隣接する太陽電池モジュール間に隙間が無いことから、外観が良くなる上、アレイサイズが小さくなるといった利点もある。
【0158】
上記の下部固定金具のみを用いた場合の太陽電池モジュール取付構造は、上述した中央取付構造と、基本的な構造が、略同じである。従って、上記の下部固定金具のみを用いた場合の太陽電池モジュール取付構造においても、上述した中央取付構造と同様の作用、効果を有する。
【0159】
ところで、上記の本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造を採用した太陽電池装置1は、図1に示すように、太陽電池装置1の左端、右端、及び、中央の各部分に相当する位置に、相互に平行に配置された3台の架台10を用いて、4個の太陽電池モジュール2を取付ている。
【0160】
しかし、本実施の形態における太陽電池モジュール取付構造を採用した太陽電池装置1は、これには限られず、例えば、図1において、相互に平行に配置された架台10の台数をさらに増やすことによって、或いは、架台10の取付桟11の長さが、さらに長い取付桟を用いた架台を使用することによって、取付可能な太陽電池モジュール2を、増加することができる。
【0161】
以上のように、発明を実施するための形態について、一例を挙げて述べてきたが、架台10は斜めに傾斜して配置された取付桟11を有する代わりに、傾斜屋根に直接配置された取付桟11を有してもよく、取付桟11は傾斜しなく陸屋根などの水平面に設置されてもよい。又、取付桟11の長手方向が傾斜する方向でなくてもよく、例えば傾斜屋根に対して、流れ方向と直交するように設置されてもよい。
【0162】
又、一例として、下部固定金具4の上板40の両端部に形成された爪片41が取付桟11の長手方向に沿って形成されている例を述べてきたが、爪片41が取付桟11の長手方向に沿って交差する方向に沿って形成されていてもよい。つまり、この場合は、図34(側部取付構造の場合は、図35)に示すように、隣接する太陽電池モジュールの枠部材21の間に形成された隙間7と取付桟11が交差する形で配置される。
【0163】
又、前述の一例では取付桟11と下部固定金具4とは取付桟11の天板12と下部固定金具4の上板40の下面とが接する形で取り付けられていたが、図32に示すように、下部固定金具4の上板40から垂れ下がった側板部44を、取付桟11を取り囲むように構成して、取付桟11に嵌合して固定されてもよい。
【0164】
この際、取付桟11の天板12から垂れ下がった側面部17の外側と上板40から垂れ下がった側板部44の内側とが接するように嵌合して固定される。又、この時、側板部44の先端には屈曲したヒレ部片45を設けて捩れに対して補強するのが好ましい。
【0165】
又、前記下部固定金具(4)の上板40と下板50が一体化した例を述べてきたが、上板40と下板50は別体で構成されていてもよい。又、上板40に位置決め片43を例示してきたが、下板50に取付桟11の長手方向に対する位置決め片を設けてもよい。
【0166】
又、図34に示すように取付桟11を下部固定金具4の側板部44を嵌合して取付桟11の長手方向と交差する方向が固定されている場合には、図33に示すように下板50に突起片54を設けて、縦桟に設けられた取付補助孔15に挿入すれば下板50の長手方向の位置決めが容易に行えて有効である。
【0167】
さらに、下板50に突起片54に対して、上板40から下方に突出した鍔状の位置決め片43を突起片54に当接させることで、上板40が下板50の突起片54に係止された状態となり、上板40の位置決めが容易に行えて有効である。
【0168】
又、板50に突起片54を設ける場合においては、取付桟11から突起片54が突出している高さと上板40から下方に突出した位置決め片43の上板40の下面から突出している高さを同等にするのが好ましく、取付桟11の天面12と下部固定金具4の上板40の空間を一定に保つことが容易となる。
【0169】
若しくは、ヒレ部片45に対応する取付桟11にも同様のヒレ部片18を設けて、側板部44の先端のヒレ部片45をヒレ部片18に当接させる。この場合、側板部44の高さを側面部17の高さより高くすることで高さ方向の位置決めが容易に行える。
【0170】
又、ヒレ部片18の先端には上方に屈曲したヒレ部片19を形成して、ヒレ部片18とヒレ部片19でL字状に形成してもよく、この場合はL字状に形成することで取付桟11全体の強度が上がるとともに、ヒレ部片19により側板部44が取付桟11の側面部17と隙間が生じる方向に開くことが防止され、取付桟11と上板40の一体性が増し、確実に太陽電池モジュール2を取り付けることが可能になる。
【0171】
又、同様に下板50についても、図33に示すように、下板側壁50cを形成して、下板側壁50cの外側側面と取付桟11の側面部17の内側面を当接させてもよく、この場合、取付桟11と下板50の一体性が増し、確実に太陽電池モジュール2を取り付けることが可能になる。
【0172】
又、下板側壁50cの外側側面と取付桟11の側面部17の内側面を当接させ、且つ、側板部44の内側面と側面部17の外側面を当接させてもよく、上板40と下板50で構成される下部固定金具4と取付桟11との一体性が増し、確実に太陽電池モジュール2を取り付けることが可能になる。
【符号の説明】
【0173】
1 太陽電池装置
2 太陽電池モジュール
2a 太陽電池モジュール
2b 太陽電池モジュール
2c 太陽電池モジュール
3a 上部固定金具
3b 上部固定金具
4 下部固定金具
4a 下部固定金具
4b 下部固定金具
4c 下部固定金具
4d 下部固定金具
7 隙間
8 連結部材
10 架台
11 取付桟
12 天板
13 天板孔
14 位置決めスリット
15 取付補助孔
16 縦桟
20 太陽電池パネル
21 枠部材
21a 枠部材
22 保持部
22a 保持壁
22b 保持上片
22c 保持下片
23 壁部
24 底部
24a 底部の先端面
24 底部
24a 底部の先端面
25 鉤片
26 堤壁
26a 堤壁の上端面
31 押圧板
32 突起片
33 押圧板孔
34 立壁
35 底部
35a 底部の先端面
40 上板
41 爪片
42 上板孔
43 位置決め片
44 側版部
45 ヒレ部片
50 下板
50a 下板前壁
50b 下板後壁
50c 下板側壁
51 下板連結孔
52 前端片
53 嵌入スリット
54 突起片
55 端部片
60 ジョイント部
60a 接続部
61 括部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュールの端部が、該端部に沿って配置された取付台が有する天板上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造であって、
前記太陽電池モジュールの端部には、前記太陽電池パネルを保持する保持部と、該保持部に連設した壁部と、該壁部の該保持部とは反対側に連設し天板上に取付けられる底部とで構成される枠部材が備えられており、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に形成されている隙間を隣接方向に跨ぐと共に、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材の双方の保持部を上から押圧する上部固定金具と、
前記取付台の天板を上下に挟持する下部固定金具と、を用いて、
前記上部固定金具に、上方から挿入した連結部材を、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に形成されている隙間、前記下部固定金具、及び、前記取付台の天板を介して、前記下部固定金具に挿入することにより、前記隣接する双方の太陽電池モジュールを、前記取付台に取付したことを特徴とする太陽電池モジュール取付構造。
【請求項2】
隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュールの端部が、該端部に沿って配置された取付台が有する天板上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造であって、
前記太陽電池モジュールの端部には、立設された保持壁、該保持壁の上端及び下端から同一横方向に垂設された保持上片及び保持下片で形成された、断面が一辺の開口した四角形状で、該一辺の開口した四角形状の内部に太陽電池パネルの端部が挟持される保持部と、該保持部の下に連設して立設された壁部と、該壁部の下端から、前記保持上片及び前記保持下片と同方向に垂設された底部とで構成される枠部材が備えられており、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの対面する端部に共に備えられた枠部材間に形成されている隙間を隣接方向に跨ぐと共に、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材の双方の保持上片を上から押圧する押圧板と、該押圧板の前後の両端部に下方に突出して形成されると共に前記隙間に上方から挿入される突起片と、で構成された上部固定金具と、
前記取付台の天板を上下に挟持する上板と下板とで構成されており、該上板が、前記取付台の天板と、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材の底部との間に挟持されると共に、該上板の双方の両端部が上方に屈曲して形成された爪片の内、一方向側の爪片の内側面に、前記隣接する一方向側の太陽電池モジュールの枠部材の底部の一部が当接し、他方向側の該爪片の内側面に、前記隣接する他方向側の太陽電池モジュールの枠部材の底部の一部が当接している下部固定金具と、を用いて、
前記上部固定金具の押圧板に設けられた押圧板孔に、上方から挿入した連結部材を、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に形成されている隙間、前記下部固定金具の上板に設けられた上板孔、及び、前記取付台の天板に設けられた天板孔を介して、前記下部固定金具の下板に設けられた下板連結孔に挿入することにより、前記隣接する双方の太陽電池モジュールを、前記取付台に取付したことを特徴とする太陽電池モジュール取付構造。
【請求項3】
左右に隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュールの端部が、該端部に沿って配置された前後方向に取付台が有する天板上に、対面して取付られる太陽電池モジュール取付構造であって、
前記太陽電池モジュールの端部には、立設された保持壁、該保持壁の上端及び下端から同一横方向に垂設された保持上片及び保持下片で形成された、断面が一辺の開口した四角形状で、該一辺の開口した四角形状の内部に太陽電池パネルの端部が挟持される保持部と、該保持部の下に連設して立設された壁部と、該壁部の下端から、前記保持上片及び前記保持下片と同方向に垂設された底部とで構成される枠部材が備えられており、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの対面する端部に共に備えられた枠部材間に形成されている隙間を左右方向に跨ぐと共に、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材の双方の保持上片を上から押圧する押圧板と、該押圧板の前後の両端部に下方に突出して形成されると共に前記隙間に上方から挿入される突起片と、で構成された上部固定金具と、
前記取付台の天板を上下に挟持する上板と下板とで構成されており、該上板が、前記取付台の天板と、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材の底部との間に挟持されると共に、該上板の左右の両端部が上方に屈曲して形成された爪片の内、左側の爪片の内側面に、前記隣接する左側の太陽電池モジュールの枠部材の底部の先端面が当接し、右側の該爪片の内側面に、前記隣接する右側の太陽電池モジュールの枠部材の底部の先端面が当接している下部固定金具と、を用いて、
前記上部固定金具の押圧板に設けられた押圧板孔に、上方から挿入した連結部材を、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に形成されている隙間、前記下部固定金具の上板に設けられた上板孔、及び、前記取付台の天板に設けられた天板孔を介して、前記下部固定金具の下板に設けられた下板連結孔に挿入することにより、前記隣接する双方の太陽電池モジュールを、前記取付台に取付したことを特徴とする太陽電池モジュール取付構造。
【請求項4】
請求項3記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記太陽電池モジュールの枠部材の壁部に、該壁部から外側に突出すると共に先端が上方に屈曲して堤壁を形成した鉤片が備えられており、
前記上部固定金具の押圧板は、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの対面する端部に共に備えられた枠部材の保持壁間に形成されている隙間を左右方向に跨ぐのに代えて、双方の前記鉤片の堤壁間に形成されている隙間を左右方向に跨ぐと共に、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材の双方の保持上片を上から押圧するのに代えて、前記鉤片の堤壁の上端面を上から押圧し、
さらに、前記上部固定金具の突起片は、前記隣接する双方の太陽電池モジュールの対面する端部に共に備えられた枠部材の保持壁間に形成されている隙間に挿入されるのに代えて、前記鉤片の堤壁間に形成されている隙間に挿入される太陽電池モジュール取付構造。
【請求項5】
隣接すると共に離間して配置された双方の太陽電池モジュールの端部が、該端部に沿って配置された取付台が有する天板上に、対面して取付可能な状態で、前記隣接して配置される太陽電池モジュールの一方が存在しない場合における太陽電池モジュール取付構造であって、
前記太陽電池モジュールの端部には、立設された保持壁、該保持壁の上端及び下端から同一横方向に垂設された保持上片及び保持下片で形成された、断面が一辺の開口した四角形状で、該一辺の開口した四角形状の内部に太陽電池パネルの端部が挟持される保持部と、該保持部の下に連設して立設された壁部と、該壁部の下端から、前記保持上片及び前記保持下片と同方向に垂設された底部とで構成される枠部材が備えられており、
前記太陽電池モジュールの端部に備えられた枠部材の保持上片を上から押圧する押圧板と、該押圧板の前後の両端部が下方に屈曲して形成された突起片と、該押圧板の両端部の内、前記太陽電池モジュールが存在しない側の端部に下方に向かって垂設された立壁、及び、該立壁の下端に、前記押圧板の存在する側と反対の側に横向きに垂設された底部とで構成され、前記突起片の双方の側端面のいずれかが前記太陽電池モジュールの枠部材を横方向に押圧している上部固定金具と、
前記取付台の天板を上下に挟持する上板と下板とで構成されており、該上板が、前記取付台の天板と、前記太陽電池モジュールの枠部材の底部、及び、前記上部固定金具の底部との間に挟持されると共に、該上板の双方の両端部が上方に屈曲して形成された爪片の内、太陽電池モジュール側の爪片の内側面に、前記太陽電池モジュールの枠部材の底部の一部が当接し、他方側の該爪片の内側面に、前記上部固定金具の底部の一部が当接している下部固定金具と、を用いて、
前記上部固定金具の押圧板に設けられた押圧板孔に、上方から挿入した連結部材を、前記太陽電池モジュールの枠部材と、前記上部固定金具の立壁との間に形成されている隙間、前記下部固定金具の上板に設けられた上板孔、及び、前記取付台の天板に設けられた天板孔を介して、前記下部固定金具の下板に設けられた下板連結孔に挿入することにより、前記太陽電池モジュールを、前記取付台に取付したことを特徴とする太陽電池モジュール取付構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記取付台の天板に設けられている天板孔は、左右方向に長い長孔である太陽電池モジュール取付構造。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記取付台の天板の天板孔の前方に、前記下部固定金具の位置決めスリットが形成されており、
前記下部固定金具の上板の前端に、下方に屈曲した位置決め片が形成されていると共に、該位置決め片が、前記取付台の天板の位置決めスリットに上方から挿入されることにより、前記下部固定金具の前後方向の位置決めが行われる太陽電池モジュール取付構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記下部固定金具は、該下部固定金具の上板と下板とが、途中部に屈曲容易な括部を有するジョイント部を介して結合されて構成されている太陽電池モジュール取付構造。
【請求項9】
請求項8記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記下部固定金具の上板の後端と下板の後端とが、前記ジョイント部で結合されていると共に、上板とジョイント部の接続部が垂直に屈曲しており、
前記取付台の天板に、前記下部固定金具のジョイント部及び下板が挿入可能な取付補助孔が設けられており、
前記下部固定金具のジョイント部及び下板が、前記取付台の天板の取付補助孔に、下板の前端を先頭にして挿入された後、前記下部固定金具のジョイント部の括部を、下板が上板に接近するように屈曲させることにより、該上板と該下板とで、前記取付台の天板を上下に挟持する太陽電池モジュール取付構造。
【請求項10】
請求項9記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記取付台の天板の取付補助孔は、前記下部固定金具の下板の左右方向が、前記取付台の天板の長手方向と平行になるようにして、前記下部固定金具のジョイント部及び下板を挿入可能な大きさであると共に、該取付補助孔の左右方向の幅は、前記下部固定金具のジョイント部の幅よりも広く形成されており、
前記下部固定金具の下板の左右方向が、前記取付台の天板の長手方向と平行になるようにして、前記下部固定金具のジョイント部及び下板を挿入すると共に、該挿入後、前記下部固定金具全体を、前記ジョイント部を回転の中心軸にして、直角に回転させた後、前記下部固定金具のジョイント部の括部を、下板が上板に接近するように屈曲させる太陽電池モジュール取付構造。
【請求項11】
請求項9又は10記載の太陽電池モジュール取付構造において、
前記取付台の天板の天板孔の前方に、前記下部固定金具の位置決めスリットが形成されており、
前記下部固定金具の上板の前端に、下方に屈曲した位置決め片が形成されると共に、該位置決め片が、前記取付台の天板の位置決めスリットに上方から挿入されることにより、前記下部固定金具の前後方向の位置決めが行われると共に、前記取付台の天板の位置決めスリットに挿入された前記下部固定金具の上板の位置決め片の先端が、前記位置決めスリットから下方に突出しており、
前記下部固定金具の下板の前端には、前記位置決めスリットから下方に突出した前記下部固定金具の上板の位置決め片の先端が嵌入する嵌入スリットが設けられた前端片が、形成されており、
前記位置決めスリットから下方に突出した前記下部固定金具の上板の位置決め片の先端が、前記下部固定金具の下板の前端片の嵌入スリットに嵌入するようにして、前記下部固定金具のジョイント部の括部を、下板が上板に接近するように屈曲させる太陽電池モジュール取付構造。
【請求項12】
隣合う太陽電池モジュールの端部が、該端部に沿って配置された天板を含む取付台に、対に取付けられる太陽電池装置であって、
前記太陽電池モジュールの端部に設けられた枠部材と、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に設けられた上部固定金具と、
前記取付台の天板上に保持される上板とを含む下部固定金具と、
前記上部固定金具と前記下部固定金具とを隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間にて連結する連結部材とを備え、
前記上板の双方の両端部が屈曲して形成された爪片の内、一方向側の爪片の内側面に、前記隣接する一方向側の太陽電池モジュールの枠部材の一部が当接し、他方向側の該爪片の内側面に、前記隣接する他方向側の太陽電池モジュールの枠部材の一部が当接していることを特徴とする太陽電池装置。
【請求項13】
隣合う太陽電池モジュールの端部が、該端部に沿って配置された天板を含む取付台に、対に取付けられる太陽電池装置であって、
前記太陽電池モジュールの端部には、太陽電池パネルの端部を保持する保持部と、該保持部の下に連接して立設された壁部と、該壁部の下端に設けられた底部とを含む枠部材と、
前記隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に設けられた上部固定金具と、
前記取付台の天板を上下に挟持する上板と下板とを含む下部固定金具と、
前記上部固定金具と前記下部固定金具とを隣接する双方の太陽電池モジュールの枠部材間に形成されている隙間を介して連結する連結部材とを備え、
前記上板の双方の両端部が屈曲して形成された爪片の内、一方向側の爪片の内側面に、前記隣接する一方向側の太陽電池モジュールの枠部材の一部が当接し、他方向側の該爪片の内側面に、前記隣接する他方向側の太陽電池モジュールの枠部材の一部が当接していることを特徴とする太陽電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−47455(P2013−47455A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223298(P2012−223298)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2010−526664(P2010−526664)の分割
【原出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】