説明

夫々色の異なる複数色の付加画像を入力画像に合成する装置、その制御方法、プログラム

【課題】 付加画像(例、スタンプ)の多色対応のために、複数ビットの色情報をデータとして追加すると、メモリ容量などのリソースが増えてしまう。
【解決手段】 複数の画素をセットにすることで画素群を形成し、その画素群が第一のドット配置パターンを有する場合にその画素群に含まれる全ての画素に第一の色を付け、その画素群が第二のドット配置パターンを有する場合にその画素群に含まれる全ての画素に第二の色を付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夫々色の異なる複数色の付加画像を入力画像に合成する装置、その制御方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス向けのデジタルカラー複合機では、ニーズに応じたドキュメント作成を支援する多彩な機能が搭載されており、原稿に文字や日付、ページ数・部数印字などのいわゆるスタンプ機能はなくてはならない基本機能である。
【0003】
このスタンプ機能で印字する文字やパターンを、それぞれ異なるカラーで表現する多色スタンプ印字機能を備えたカラー複合機がある。スタンプ印字の種類に応じて、違うカラーで印字されるため、スタンプ種類の区別がし易くなる。
【0004】
このスタンプの多色対応をハードウェア構成として実現する為には、合成するスタンプ毎の色情報を、オリジナルの画像情報に合わせて生成する必要がある。
【0005】
例えばスタンプ画像の付加生成処理において、スタンプの元画像の他に、色対応を示す専用データを付加したデータ構成により、スタンプの多色表現を実現する技術が開示されている。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−311339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1においては、色専用のデータを追加するため、その分スタンプ画像処理の為に扱うデータ量やメモリ容量などのリソースが増えてしまい、コスト増加を招くことになる。
【0008】
又、上記の特許文献1以外にも、原稿画像の写真や文字の各領域に合わせた画像処理を行う為に、画像信号と共に生成される画素毎の属性情報のあるビットを利用して、当該ビット情報をデコードして、画素単位でスタンプ合成する方法が考えられる。
【0009】
しかしながら、属性情報は画素単位で画像処理する為に、各画素毎に属性情報を有する。このような関係から、属性情報のビット数を増加するとメモリ容量やデータ転送速度といったシステムの基本性能に影響するという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の各構成を具備する。具体的には、ドット配置パターンに対応する色を画素に対して付ける。
【発明の効果】
【0011】
最小限のメモリコストで夫々色の異なる複数の付加画像の合成ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明における、画像処理装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明における、メインコントローラの構成を示す模式図である。
【図3】本発明における、操作部の設定画面を示す模式図である。
【図4】本発明における、スキャナ画像処理部の構成を示す模式図である。
【図5】本発明における、プリンタ画像処理部の構成を示す模式図である。
【図6】本発明における、画像合成部の構成を示す模式図である。
【図7】本発明における、配置情報色テーブルを示す模式図である。
【図8】本発明における、スタンプ設定処理設定例を示す模式図である。
【図9】本発明における、スキャナ原稿読み取り処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明における、付加画像生成部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0014】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態における画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
画像処理装置100は、画像の入出力と送受信および各種の画像処理を行う複合機である。画像処理装置100は、メインコントローラ101、ユーザインタフェースである操作部102、紙原稿などの画像を読み取る画像読取装置であるスキャナ103、および、画像出力装置であるプリンタ104を備える。操作部102、スキャナ103およびプリンタ104は、それぞれメインコントローラ101に接続され、メインコントローラ101からの指示により制御される。更に、メインコントローラ101は、LAN(Local Area Network)等を介してホストPC105と接続される。
【0015】
次に、図2のブロック図を用いて、本発明の実施形態における画像処理装置100が備えるメインコントローラの構成を説明する。
メインコントローラ101は、主制御部であるCPU(Central Processing Unit)201を備える。CPU201は、システムバス208を介して、RAM202、ROM(Read Only Memory)203、Flash204、イメージバスI/F205、操作部I/F206、および、外部I/F207と接続される。
【0016】
RAM202は、CPU201の作業領域を提供するための随時読み書き可能なメモリである。RAM202は、画像データを一時記憶するための画像メモリとしても使用される。ROM203は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納される。Flash204は、不揮発性メモリであり、データ処理装置100の電源遮断後にも保持が必要なシステムソフトウェアや設定値データ等が格納される。
【0017】
操作部I/F206は、操作部102との間で入出力を行うためのインタフェースである。操作部I/F206は、操作部102に対して表示すべき画像データを出力し、また、ユーザが操作部102を介して入力した各種設定情報を、CPU201に伝送する。
【0018】
外部I/F207は、LAN等を介して外部接続するためのインタフェースであり、ホストPC105との間で印刷データ等の入出力を行う。
HDD(Hard Disk Drive)208は、画像データ、ジョブログ、および、ユーザの個別データ等の各種データに加え、各種スタンプ画像を格納する不揮発な記憶装置である。
【0019】
画像バスI/F205は、システムバス209と画像データを高速で転送する画像バス216とを接続するインタフェースであり、データ構造を変換するバスブリッジとして動作する。
【0020】
画像バス216には、RIP(Raster Image Processor)210、デバイスI/F211、スキャナ画像処部212、プリンタ画像処理部213、画像圧縮伸長部214、および、付加画像生成部215が接続される。
【0021】
RIP210は、外部I/F207から受信したPDL(Page Description Language)データをCPU201で変換して生成するDL(DisplayList)に基づきラスタデータを生成する。
【0022】
デバイスI/F211は、スキャナ103、および、プリンタ104とメインコントローラ101とを接続するインタフェースであり、画像データの同期系/非同期系の変換、および、不図示の緩衝メモリを用いて入出力データを一時的に保持する。
【0023】
スキャナ画像処理部212は、スキャナ103が読み取る画像データに対して、各種画像処理を行う。更に、読み取った画像データの属性判定処理を行い、画素毎の属性データを生成する。スキャナ画像処理部212の処理詳細は後述する。
【0024】
プリンタ画像処理部213は、プリンタ104へ出力する出力画像データに対して、色変換、フィルタ処理、解像度変換等の処理を行う。ここで、プリンタ画像処理部213は、入力画像に付加画像を合成する処理を行う画像合成部を備える。プリンタ画像処理部213の処理詳細は後述する。
【0025】
画像圧縮伸長部214は、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データに対してはJBIG、ランレングス法等の各種方式を用いて、画像データの圧縮処理を行う。
【0026】
付加画像生成部215は、操作部102で設定されたスタンプ処理内容に応じて、スタンプ画像を生成する。ここで、付加画像生成部215は、付加画像の色情報に応じて、付加画像のグループ化単位を決定する。付加画像生成部215の処理詳細は後述する。
【0027】
次に、図3を用いて、本発明の実施形態におけるスタンプ処理を行う際に使用する、操作部102の設定画面を説明する。
同図は、操作部102が備える、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)とその上に貼られた透明電極からなるタッチパネルディスプレイを表した模式図である。LCDに表示されるボタンやプルダウンメニュー等のキーに相当部分の透明電極を指で触れると、それを検知して別の操作画面を表示するよう予めプログラムされており、設定操作に応じて様々な操作画面を表示することができる。
【0028】
また、同図は、不図示の初期画面からコピー設定ボタンを押下して表示される不図示のコピー設定画面において、スタンプ設定ボタンを押下することで表示される。
【0029】
スタンプ位置設定ボタン301は、スタンプ画像が印字される原稿上の位置を設定するものである。本実施形態では、原稿上の位置として、左上、上、右上、左下、下、右下、および、原稿中心であるセンターを指定する各ボタンを備え、右上、が選択された状態である。
【0030】
印字向き設定ボタン302は、スタンプ画像が印字される原稿の向き設定するものである。本実施形態では、印字向き縦、および、印字向き横、の設定ボタンを備え、印字向き縦、が選択された状態である。
【0031】
印字位置詳細設定ボタン303は、スタンプ印字位置を詳細設定する場合に用いる不図示の詳細設定画面を呼び出すためのボタンであり、例えば、スタンプ位置設定ボタン601で指定したスタンプ位置を更に微調整する場合に使用される。
【0032】
印字位置プレビュー304は、上述した、スタンプ位置設定ボタン301、印字向き設定ボタン302、および、印字位置詳細設定ボタン303の設定に基づき、原稿とスタンプとの位置関係を簡易的にプレビュー表示するものである。
【0033】
印字内容設定ボタン305は、印字するスタンプ画像を設定するボタンである。本実施形態における印字内容設定ボタンは最大5個のスタンプ印字設定が可能であり、スタンプ1からスタンプ5のタブを押下し、それぞれのスタンプ設定を行う。現在設定しているスタンプ設定タブは反転表示され(スタンプ1)、有効設定されたスタンプ設定タブは網表示される(スタンプ2、および、スタンプ3)。
【0034】
スタンプ有効設定ボタン306は、選択しているスタンプ設定タブでのスタンプ印字の有効、無効を設定するものである。本実施形態では、同ボタンを押下し、プルダウンメニュー形式で選択でき、スタンプ1(第一の付加画像)、スタンプ2(第二の付加画像)、および、スタンプ3(第三の付加画像)の設定が有効である。
【0035】
印字サイズ設定ボタン307は、スタンプ文字の大きさを設定するものである。本実施形態では、同ボタンを押下することで、ポイント単位で予め定められた文字大きさをプルダウンメニュー形式で選択できる。
【0036】
印字色設定ボタン308は、スタンプ文字の色を設定するものである。本実施形態では、同ボタンを押下することで、レッド、ブルー、または、グリーン、等の予め定められた色をプルダウンメニュー形式で選択できる。
【0037】
スタンプ種類設定ボタン309は、スタンプ印字される文字または記号を設定するものである。本実施形態では、同ボタンも押下することで、マル秘、や、Confidential、等の予め定められたスタンプをプルダウンメニュー形式で選択する他、ユーザが任意に指定する文字や記号をスタンプとして設定できる。
【0038】
スタンプ詳細設定ボタン310は、スタンプ印字内容を詳細設定する場合に用いる不図示の詳細設定画面を呼び出すためのボタンであり、例えば、スタンプ文字の透過設定やスタンプ文字が印字される原稿ページ設定等を行う場合に使用される。
【0039】
スタンプ設定有効ボタン311は、上述したスタンプ設定を反映する場合に用いるものである。スタンプ設定ボタン311を押下すると、スタンプ設定が反映された後、前記不図示のコピー設定画面へ戻る。一方、スタンプ設定を反映しない場合は、スタンプ設定取消ボタン312を押下し、前記不図示のコピー設定画面へ戻る。
【0040】
次に、図4を用いて、本発明の実施形態におけるスキャナ画像処理部212の構成を説明する。
同図は、スキャナ画像処理部212の内部構成を示す模式図である。スキャナ画像処理部212は、大きく、DMA(Direct Memory Access)制御部401、属性前画像処理部402と、属性判定部403と、属性判定後画像処理404とに分けられる。
【0041】
DMA制御部401は、メインコントローラ101が備える不図示のメモリマップで予め定められたアドレスとデータ転送長とを指定することで、CPUを介さずに自律してデータ転送を行う。本実施形態では、スキャナ103が読み取ってデジタル化した後にデバイスI/F211が備える不図示の緩衝メモリに格納された画像データのスキャナ画像処理部212へ読み出しや、処理後の画像データや属性データをRAM202へ書き出しを行う。前記画像データは、RGB(Red Green Blue)の色信号で構成される。
【0042】
次に、属性判定前画像処理部401で行う画像処理を説明する。
シェーディング補正部は、基準白色板の読み取り信号を用いて、スキャナ103が読み込む各画素の感度のばらつきや原稿照明ランプ光量のばらつき補正を行う。色オフセットおよび副MTF(Modulation Transfer Function)補正部は、画像データを構成する各色の空間的なズレ補正や、スキャナ103での画像データ読み取りムラ補正を行う。続いて、入力ガンマ補正部は、一次元のルックアップテーブル(以下、LUT:LookUp Table)であり、RGBの各入力に対し、露光量と輝度が線形関係になるように補正を行う。入力ダイレクトマッピング部は、色空間を統一するため、入力されたRGB信号からデバイス内のRGB信号に変換する三次元のLUTであり、CCDセンサのRGBフィルタの分光特性で決まる読取色空間を、sRGBなどの標準色空間に変換する。主MTF補正部は、注目画素と左右それぞれの画素に対して加重平均をとり、主走査方向のMTF補正を行う。
【0043】
次に、属性判定部403は、更に不図示の文字判定部と、無彩色判定部とを備える。文字判定部は、画像データをRGBの色空間で文字領域や線画輪郭領域の画素判定を行い、その結果を属性データZAとして出力する。無彩色判定部は、RGB色空間の画像データをL*a*b*やYUV等の輝度色差空間の画像データに変換した後、低彩度領域や黒文字、色文字領域の画素判定を行い、その結果を属性データZBとして出力する。ここで、属性データZA、および、ZBを併せて属性データと呼ぶこととする。
【0044】
次に、属性判定後画像処理部404で行う画像処理を説明する。
空間フィルタ部は、属性データを用いて、輝度成分に対するフィルタ処理を行う。具体的には、属性情報が文字領域であればエッジ強調を行い、属性情報が写真領域であればスムージング、または、弱いエッジ強調を行う等の異なるシャープネスフィルタでフィルタ処理を行う。
【0045】
彩度抑圧部は、低彩度の属性データを持つ画素に対し彩度の抑圧処理を行う。黒文字領域をK(Black)単色で表現するため、色差をゼロにして処理する。
【0046】
ACS(Auto Color Select)部は、低彩度の属性データを持つ画素をカウントし、画像データが、白黒かカラー画像かを判定する。
下地サンプリング部は、画像データの下地を検出するため、予め定められた矩形領域の画素を離散的にサンプリングし、輝度のヒストグラムを作成する。このヒストグラムは、プリント処理時の下地除去に利用される。
上述のとおり、スキャナ画像処理部212において、属性データを生成することができる。
【0047】
次に、図5、および、図6を用いて、本発明の実施形態におけるプリンタ画像処理部213の構成を説明する。
同5は、プリンタ画像処理部213の内部構造を示す模式図である。
DMA制御部501は、メインコントローラ101が備える不図示のメモリマップで予め定められたアドレスとデータ転送長とを指定することで、CPUを介さずに自律してデータ転送を行う。本実施形態では、HDD208に格納された画像データ、および、属性データをプリント画像処理部213へ転送する、また、処理後の画像データをデバイスI/F211が備える不図示の緩衝メモリへ転送する処理を行う。
【0048】
ラスタ変換部502は、メモリコントローラ部106を介して、RAM108に格納されているブロック単位に分割された画像データを、ラスタ順に結合してラスタ画像に変換する。
【0049】
出力マスキング部503は、三次元のLUTであり、RGB色空間の画像データをCMYK色空間の画像データに変換する。
カラーバランス部504は、操作部102での不図示の設定に応じて、CMYKの色空間で画像データの色相、および、彩度の調整を行う。
F値補正部505は、操作部102での不図示の設定に応じて、画像データの画像明度の調整を行う。
【0050】
空間フィルタ部506は、画像データを構成する画素の属性データを用いて画像のエッジ部や細線部を判定し、エッジ強調や境界部の平滑化等の空間フィルタ処理を行う。
【0051】
ガンマ補正部507は、一次元のLUTであり、プリンタエンジン部のガンマ特性に応じて補正処理を行い、入出力を比例関係にし、自然な階調表現が行えるよう補正する。
【0052】
画像合成部508は、属性データから得られるスタンプ印字等の各種付加画像を、画像データに合成する処理を行う。画像合成部508の詳細は後述する。
トリミング/マスキング部509は、プリント出力する用紙の余白部分や、ページ連写印刷時の枠消し領域の白埋め処理、および、プリント出力すべき有効画像領域の抽出処理を行う。
【0053】
図6は、画像合成部508の内部構成を示す模式図である。
属性データデコード部601は、ガンマ補正部507から属性データを、画素単位でデコードして該当画素の付加画像の有無を示す位置情報を生成する。本実施形態では、前記位置情報のデータ長は1ビットとする。
【0054】
緩衝メモリ602は、ガンマ補正部507から入力される画像データ、および、属性データデコード部601が生成する位置情報を、付加画像生成部215で定める付加画像のグループ化単位に応じて保持する。本実施形態では、前記グループ化単位は2×2画素であり、画像データ、および、位置情報を2ライン分保持できるメモリ量を持つものとする。更に、緩衝メモリ602は、画像合成部508から出力する画像データと、配置情報デコード部603で生成する付加画像との空間的ズレを補正するための遅延メモリを備えるものとする。
【0055】
配置情報デコード部603は、緩衝メモリ602が保持する位置情報を、前記グループ化単位でデコードし、付加画像と付加画像の色を決定する。本実施形態では、前記グループ化単位である2×2画素の位置情報と、予め定めた2×2画素の位置情報の配置と付加画像の色との関係を示す配置情報色テーブルとを比較し、付加画像の色を決定する。前記配置情報色テーブルは、画像合成部508が備える不図示のレジスタに設定されるものとする。
【0056】
合成部604は、画像データと、配置情報デコード部603から出力される付加画像を合成する。この時、決定した色に基づいて色付けを行うことになる。
上述のとおり、プリント画像処理部213において、スタンプ画像の合成処理ができる。
【0057】
図7に、配置情報色テーブルの模式図を示す。
配置情報色テーブル701は、付加画像生成部215で定める付加画像のグループ化単位で前記位置情報の配置を示す配置パターン702と対応する対応色703とから構成される。
【0058】
本実施形態において、配置パターン(ドット配置パターン)702は前記グループ化単位である2×2画素(複数画素からなる画素群)内における前記位置情報の配置であり、パターン数は16通りであり、対応色703も16通りである。例えば、配置パターン0x0(0xは16進を示す)の2×2画素内に位置情報がない場合(704)、それと対応する付加画像の色は透過色であり、付加画像はない。また、配置パターン0x1の2×2画素内の右上にのみ位置情報がある場合(ドットがONである場合)(705)、それと対応する付加画像の色は黒であり、前記2×2画素は黒色の付加画像となる。言い換えると、右上でのみドットがONである場合、2×2画素は黒を表している。また、左上の画素でのみドットがONになっている場合、その2×2画素はグリーンを表すというような定義がなされることとなる。この例では、右上のドットのみONであるようなドット配置パターンを第一のドット配置パターン、黒を第一の色、左上のドットのみONであるようなドット配置パターンを第二のドット配置パターン、グリーンを第二の色と称することができる。
【0059】
次に、スキャナ103が読み込む原稿に、操作部102で設定したスタンプ画像を合成しプリンタ104へ出力する処理を、図8、図9、および、図10を用いて説明する。
【0060】
図8は、本実施例における、操作部102で指定されるスタンプ処理設定である。
スタンプ設定801において、スタンプ1、スタンプ2、および、スタンプ3が有効設定(802)される。各有効設定されたスタンプに対して、スタンプ位置803、印字位置803、印字サイズ804、印字色805、スタンプの種類806がそれぞれ設定される。
【0061】
図9は、スキャナ103からの原稿読み取り、プリンタ104へ出力するまでの全体処理を示すフローチャートである。
同図に示す処理は、スキャナ103に原稿が置かれ、操作部102で不図示のコピー設定画面において、コピー開始ボタンが押下され原稿読み取りが開始されることで開始される。
【0062】
まず、スキャナ103は、生成得した画像データをデバイスI/F211へ送信し、デバイスI/F211は自身が備える不図示の緩衝メモリに画像データを保持する(S901)。そして、デバイスI/F211は所定量画像データを保持した場合、CPU201へその旨を通知する。
【0063】
次に、CPU201は、スキャナ画像処理部211に対して処理開始を指示する。その後、スキャナ画像処理部211は、デバイスI/F211が緩衝メモリに保持する画像データを読み出し、スキャナ画像処理を行う(S902)。スキャナ画像処理部211は、処理後に生成する画像データ、および、属性データをRAM202に送信し、RAM202は、これらのデータを格納する。画像圧縮伸張部214は、RAM202が格納するスキャナ画像処理部211で処理後の画像データ、および、属性データを読み出し、圧縮処理を行った後、これらのデータをRAM202へ送信し、RAM202は、圧縮データを格納する。
【0064】
次に、付加画像処理部215は、スタンプ処理で用いる付加画像を属性データとして生成後、画像圧縮伸張部214で圧縮し、RAM202へ格納する(S905)。付加画像生成処理の詳細は後述する。
その後、プリント画像処理213は、圧縮画像伸張部214を用いてRAM202が格納する圧縮画像データ、および、圧縮属性データを、読み出して伸張した画像データ、および、属性データとを読み出し、プリント画像処理を行う(S906)。ここで、プリント画像処理213が備える画像合成部508は、属性データから得られる付加画像を配置情報に基づいて色で、画像データにスタンプ合成を行う。
そして残りのプリント画像処理終了後、画像データは、デバイスI/F211を経由し、プリンタへ出力され、(S907)、処理を終了する。
【0065】
図10は、付加画像生成部215が行う、付加画像生成処理を示すフローチャートである。
同図に示す処理は、画像圧縮伸張部214が、前記S904における圧縮画像格納を終了した旨をCPU201へ通知後、CPU201が付加画像生成部215へ動作開始を通知した後に開始される。
【0066】
まず、付加画像生成部215は、操作部102で設定されるスタンプ設定801、および、予め定められる配置情報色テーブル701を取得し、自身が備える不図示の内部レジスタに保持する(S1001)。
【0067】
次に、生成する付加画像のグループ化単位を決定する(S1002)。本実施形態では、配置情報色テーブル701の配置パターン数に基づき、グループ化単位を2×2画素とする。なお、グループ化単位の決め方はこれに限られるものではなく、有効設定された各スタンプの印字色805の総色数に応じて、決定しても良い。例えば、本実施形態では、総色数は3色(レッド、ブルー、および、グリーン)で、2色以上16色以下であり、4画素の配置情報で色表現できることから、グループ化単位を2×2画素に決定できる。
【0068】
次に、取得したスタンプ設定801の、印字サイズ804、印字色805、スタンプの種類806、および、配置情報色テーブル701の設定に基づき、付加画像を生成する(S1003)。具体的には、スタンプ設定801に基づき、スタンプの種類806に対応する、予めHDD208に格納するスタンプ画像データやROM203に格納するフォントデータを用いて、CPU201がDLを生成する。付加画像生成部は、生成したDLに基づきRIP210が生成するラスタデータを構成する画素を、印字色805と、配置情報色テーブル701とに基づき、所望の配置情報に置き換えることで、付加画像を生成する。配置情報の置き換え処理は、有効設定されたスタンプ設定(スタンプ1、スタンプ2、および、スタンプ3)の分だけ行う。
【0069】
次に、生成した付加画像を、RAM202に格納される属性情報とマージする(S1004)。具体的には、RAM202より属性情報を読み出し、画像圧縮伸張部214で伸張した属性データの所定のビットに画素単位で付加画像の有無を設定する。ここで、生成される属性データは、前記グループ化単位分の画素で実際のスタンプ画像1画素を表すものとなる。本実施例では、前記グループ化単位が2×2画素であり、元の属性データを1200dpiとすれば、スタンプ画像の実質の解像度は600dpiとなる。
【0070】
最後に、付加画像情報を設定した属性データを、画像圧縮伸張部214で圧縮後、RAM202へ格納して、付加画像生成処理を終了する。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0071】
101 画像処理装置のメインコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像に第一の色の第一の付加画像、及び、前記第一の色とは異なる色である第二の色の第二の付加画像を合成する装置であって、
複数の画素からなる画素群において第一のドット配置パターンが第一の色を表し、第二のドット配置パターンが第二の色を表すと定義し、
前記第一の付加画像を第一のドット配置パターンの集合体で表し、前記第二の付加画像を第二のドット配置パターンの集合体で表した画像を生成する手段と、
前記生成された画像を前記入力画像に合成するにあたり、前記第一のドット配置パターンを有する画素群に含まれる全ての画素に前記第一の色を付け、前記第二のドット配置パターンを有する画素群に含まれる全ての画素に前記第二の色を付ける合成手段と、を有することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記生成された画像は、前記合成手段に送られるにあたり、属性データに含められることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
入力画像に第一の色の第一の付加画像、及び、前記第一の色とは異なる色である第二の色の第二の付加画像を合成する装置の制御方法であって、
複数の画素からなる画素群において第一のドット配置パターンが第一の色を表し、第二のドット配置パターンが第二の色を表すと定義し、
前記第一の付加画像を第一のドット配置パターンの集合体で表し、前記第二の付加画像を第二のドット配置パターンの集合体で表した画像を生成する工程と、
前記生成された画像を前記入力画像に合成するにあたり、前記第一のドット配置パターンを有する画素群に含まれる全ての画素に前記第一の色を付け、前記第二のドット配置パターンを有する画素群に含まれる全ての画素に前記第二の色を付ける合成工程と、を有することを特徴とする装置の制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータよみとり可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−147177(P2012−147177A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3063(P2011−3063)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】