説明

学習装置及びプログラム

【課題】マーカ表示文字列を潜像化した状態で、その内容を手書き入力し、過去の手書き入力による誤解答を表示させる。
【解決手段】電子辞書1は、テキストを表示させるCPU20と、ユーザ操作に基づいてテキスト内の文字列を指定文字列として指定する入力部30と、指定文字列とテキスト内での指定文字列の位置情報とを対応付けて記憶する単語帳テーブル830とを備える。CPU20はテキスト内で指定文字列をマーカ表示して潜像化させることにより当該テキストを穴埋め問題として表示させ、入力部30は穴埋め問題に対する解答の文字列を入力する。単語帳テーブル830は、解答の文字列と指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列を誤解答文字列として指定文字列に対応づけて記憶する。CPU20は、指定文字列を誤解答文字列に置き換えてテキストを表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、テキストコンテンツや辞書コンテンツを内蔵する学習装置には、学習効率の向上を図るため、マーカ単語帳機能や暗記カード機能が具備されている(例えば特許文献1,2参照)。
【0003】
ここで、マーカ単語帳機能とは、テキスト中の文字列がマーカ表示文字列として指定された場合に、当該マーカ表示文字列の位置情報をテキストの項目(段落番号、見出し語など)に対応付けて登録しておき、登録内容の何れかがユーザに選択されると、選択された項目のテキストを表示するとともに、テキスト中のマーカ表示文字列をマーカ表示する機能である。また、このマーカ単語帳機能では、マーカ表示文字列の潜像表示・顕像表示をユーザ操作によって切り替えることができるようになっている。
【0004】
また、暗記カード機能とは、手書き入力により作成された暗記カードの両面を対応付けて記憶しておき、片面ずつ表示させる機能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−113395号公報
【特許文献2】特開2009−146052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、マーカ表示文字列を潜像化した状態で、その内容を手書き入力して学習することはできない。また、過去の手書き入力による誤解答を表示させて学習に役立てることもできない。
【0007】
本発明の課題は、マーカ表示文字列を潜像化した状態で、その内容を手書き入力することができ、かつ、過去の手書き入力による誤解答を表示させることのできる学習装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、学習装置において、
表示手段と、
前記表示手段にテキストを表示させるテキスト表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて前記テキスト内の文字列を指定文字列として指定する文字列指定手段と、
前記指定文字列と、前記テキスト内での当該指定文字列の位置情報とを対応付けて記憶する指定文字列記憶手段と、
前記指定文字列記憶手段による記憶情報に基づいて、前記テキスト内で前記指定文字列をマーカ表示して潜像化させることにより、当該テキストを穴埋め問題として前記表示手段に表示させる隠し表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて前記穴埋め問題に対する解答の文字列を入力する解答入力手段と、
前記解答の文字列と前記指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列を誤解答文字列として前記指定文字列に対応づけて記憶する誤解答記憶手段と、
前記誤解答記憶手段による記憶情報に基づいて、前記指定文字列を前記誤解答文字列に置き換えて前記テキストを前記表示手段に表示させる誤解答テキスト表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マーカ表示文字列を潜像化した状態で、その内容を手書き入力することができ、かつ、過去の手書き入力による誤解答を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電子辞書の概観を示す平面図である。
【図2】電子辞書の内部構成を示すブロック図である。
【図3】マーカ学習処理を示すフローチャートである。
【図4】マーカ学習処理を示すフローチャートである。
【図5】マーカ色設定処理を示すフローチャートである。
【図6】表示部による表示内容を示す図である。
【図7】表示部による表示内容を示す図である。
【図8】表示部による表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明に係る学習装置を電子辞書に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
【0012】
[外観構成]
図1は、電子辞書1の平面図である。
この図に示すように、電子辞書1は、メインディスプレイ10、サブディスプレイ11、カードスロット12、及びキー群2を備えている。
【0013】
メインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。なお、本実施の形態におけるメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、いわゆるタッチパネル110(図2参照)と一体的に形成されており、手書き入力等の操作を受け付け可能となっている。
【0014】
カードスロット12は、種々の情報を記憶した外部情報記憶媒体12a(図2参照)と着脱可能に設けられている。
【0015】
キー群2は、ユーザから電子辞書1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、キー群2は、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、辞書選択キー2dと、カーソルキー2eと、シフトキー2fと、戻るキー2g等とを有している。
【0016】
訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出し語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。辞書選択キー2dは、後述の辞書データベース70a,…(図2参照)の選択に使用されるキーである。
【0017】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーであり、本実施の形態においては上下左右の方向を指定可能となっている。シフトキー2fは、日本語の単語を検索対象に設定するとき等に使用されるキーである。戻るキー2gは、前回表示した画面に戻るとき等に使用されるキーである。
【0018】
[内部構成]
続いて、電子辞書1の内部構造について説明する。図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。
【0019】
この図に示すように、電子辞書1は、表示部40、入力部30、記録媒体読取部60、CPU(Central Processing Unit)20、フラッシュROM(Read Only Memory)80、RAM(Random Access Memory)90を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0020】
表示部40は、上述のメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11を備えており、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をメインディスプレイ10やサブディスプレイ11に表示するようになっている。
【0021】
入力部30は、上述のキー群2やタッチパネル110を備えており、押下されたキーやタッチパネル110の位置に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0022】
記録媒体読取部60は、上述のカードスロット12を備えており、当該カードスロット12に装着された外部情報記憶媒体12aから情報を読み出したり、当該外部情報記憶媒体12aに情報を記録したりするようになっている。
【0023】
ここで、外部情報記憶媒体12aには、コンテンツ70等が格納されるようになっている。なお、このコンテンツ70は後述のフラッシュROM80におけるコンテンツ70と同様のデータ構造を有しているため、ここでは説明を省略する。
【0024】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じてフラッシュROM80に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果をRAM90に保存するとともに、当該処理結果を表示部40に適宜出力させる。
【0025】
フラッシュROM80は、電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、フラッシュROM80は、本発明に係る情報表示プログラム81と、コンテンツ群7と、マーカ単語帳テーブル830群等とを記憶している。
【0026】
情報表示プログラム81は、後述のマーカ学習処理(図3,図4参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
【0027】
コンテンツ群7は、各項目に対してテキスト(以下、項目テキストとする)を対応付けた1つ以上の項目情報からなるコンテンツ70を複数有しており、本実施の形態においては、複数の辞書データベース70a及びテキストコンテンツ70bを有している。
【0028】
辞書データベース70a,…には、項目である見出し語と、この見出し語の説明情報のテキスト(項目テキスト)とを対応付けた1つ以上の辞書情報が格納されている。なお、本実施の形態においては、このような辞書データベース70aとして、「英和辞書」や「物理事典」などの辞書データベース70aが用いられている。
【0029】
テキストコンテンツ70bには、複数種類の各項目(章番号など)と、当該項目の内容を示すテキスト(項目テキスト)とを対応付けた複数の項目情報が格納されている。
【0030】
マーカ単語帳テーブル群83は、本実施の形態においては6つのマーカ単語帳テーブル830(「マーカ単語帳テーブル(1)」〜「マーカ単語帳テーブル(6)」)を有している。
【0031】
これらのマーカ単語帳テーブル830は、後述のマーカ学習処理(図3,図4参照)においてユーザによりマーカ表示の対象として指定された文字列(以下、マーカ表示文字列とする)と、当該マーカ表示文字列を含んで表示されていた項目テキストの項目(辞書データベース70aにおける見出し語,テキストコンテンツ70bにおける章番号など)と、当該項目テキストの収録元のコンテンツ70のコンテンツ名と、当該項目テキスト中でのマーカ表示文字列の位置情報と、を対応付けて蓄積記憶するようになっている。
【0032】
また、このマーカ単語帳テーブル830では、マーカ学習処理においてマーカ表示文字列が潜像化されて項目テキストが穴埋め問題として表示された状態からユーザが誤解答を入力した場合には、当該誤解答がマーカ表示文字列に対応付けられて蓄積記憶される一方、ユーザが正しい解答を入力した場合には、その旨がマーカ表示文字列に対応付けられて記憶されるようになっている。
【0033】
RAM90は、CPU20が実行する各種プログラムや、これらプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備えている。
【0034】
[動作]
続いて、電子辞書1の動作について、図面を参照しつつ説明する。
【0035】
図3〜図4は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行するマーカ学習処理の流れを示すフローチャートである。
【0036】
このマーカ学習処理においては、図3に示すように、まずCPU20は、ユーザによりコンテンツ70の使用が選択されるか否かを判定する(ステップS1)。
【0037】
このステップS1においてコンテンツ70の使用が選択されたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、CPU20は、ユーザ操作に基づいて任意のコンテンツ70を指定コンテンツ70Sとして指定するとともに、当該指定コンテンツ70Sにおける任意の項目テキストを指定項目テキストとして指定して、指定コンテンツ70Sにおける指定項目テキストをメインディスプレイ10に表示させる(ステップS2)。また、このときCPU20は、マーカ表示文字列を指定するためのマーカアイコンI1(図6(a)参照)をメインディスプレイ10の端部に表示させる。
【0038】
ここで、このステップS2において指定コンテンツ70Sが辞書データベース70aである場合には、ユーザは見出し語検索によって見出し語の説明情報テキストを表示させることとしても良いし、ジャンプ検索によって見出し語の説明情報テキストを表示させることとしても良い。なお、見出し語検索とは、所望の辞書データベース70a(指定コンテンツ70S)から、入力文字列に対応する見出し語を検索することである。また、ジャンプ検索とは、表示されているテキスト中の指定単語に対応する見出し語を、所望の辞書データベース70a(指定コンテンツ70S)から検索することである。
【0039】
次に、CPU20は、マーカ単語帳テーブル830を参照し、指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が含まれるか否かを判定し(ステップS3)、含まれないと判定した場合(ステップS3;No)には、後述のステップS5に移行する。
【0040】
また、ステップS3において指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が含まれると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU20は、指定項目テキスト内のマーカ表示文字列を所定の色でマーカ表示して顕在化させる(ステップS4)。より詳細には、このときCPU20は、マーカ表示文字列内の各文字を、当該文字の文字種ごとに異なる色(以下、文字種の対応色とする)でマーカ表示させるようになっており、具体的には、漢字の文字を赤色、平仮名及び片仮名の文字を黄色、アルファベットや数字、記号の文字を青色でマーカ表示させるようになっている。
【0041】
次に、CPU20は、マーカアイコンI1に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップS5)、行われないと判定した場合(ステップS5;No)には他の処理へ移行する。
【0042】
また、ステップS5においてマーカアイコンI1に対してタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、CPU20は、ユーザ操作に基づいて指定項目テキスト内の文字列をマーカ表示文字列として指定した後(ステップS6)、当該マーカ表示文字列の各文字を順に処理対象として指定してマーカ色設定処理を行う(ステップS7)。
【0043】
具体的には、図5に示すように、このマーカ色設定処理においてまずCPU20は、マーカ表示文字列における処理対象の文字が漢字であるか否かを判定する(ステップT1)。
【0044】
このステップT1において処理対象の文字が漢字であると判定した場合(ステップT1;Yes)には、CPU20は、当該文字を赤色でマーカ表示させ(ステップT2)、マーカ色設定処理を終了する。
【0045】
また、ステップT1において処理対象の文字が漢字でないと判定した場合(ステップT1;No)には、CPU20は、処理対象の文字が平仮名及び片仮名の何れか一方であるか否かを判定する(ステップT3)。
【0046】
このステップT3において処理対象の文字が平仮名及び片仮名の何れか一方であると判定した場合(ステップT3;Yes)には、CPU20は当該文字を黄色でマーカ表示させ(ステップT4)、マーカ色設定処理を終了する。
【0047】
また、ステップT3において処理対象の文字が平仮名及び片仮名の何れでもないと判定した場合(ステップT3;No)には、CPU20は、処理対象の文字をアルファベットや数字、記号であると判定し、当該文字を青色でマーカ表示させ(ステップT5)、マーカ色設定処理を終了する。
【0048】
以上のマーカ色設定処理が終了したら、図3に示すように、次にCPU20は、マーカ表示文字列と、指定項目テキストの項目(辞書データベース70aにおける見出し語,テキストコンテンツ70bにおける章番号など)と、当該項目の収録元のコンテンツ70のコンテンツ名と、指定項目テキスト内でのマーカ表示文字列の位置情報とを対応付けてマーカ単語帳テーブル830に記憶させる(ステップS8)。
【0049】
次に、CPU20は、戻るキー2gが操作されるか否かを判定し(ステップS9)、操作されないと判定した場合(ステップS9;No)には上述のステップS6に移行する一方、操作されたと判定した場合(ステップS9;Yes)には上述のステップS5に移行する。
【0050】
また、上述のステップS1においてコンテンツ70の使用が選択されないと判定した場合(ステップS1;No)には、CPU20は、マーカ単語帳テーブル830の使用が選択されるか否かを判定し(ステップS11)、選択されないと判定した場合(ステップS11;No)には他の処理へ移行する。
【0051】
また、ステップS11においてマーカ単語帳テーブル830の使用が選択されたと判定した場合(ステップS11;Yes)には、CPU20は、マーカ単語帳テーブル群83における6つのマーカ単語帳テーブル830(「マーカ単語帳テーブル(1)」〜「マーカ単語帳テーブル(6)」)の選択ボタン(以下、単語帳選択ボタンB1とする。図6(b)参照)をメインディスプレイ10に表示させる(ステップS12)。
【0052】
次に、CPU20は、学習モードを選択するための選択ボタン(以下、学習モード選択ボタンB2とする。図6(b)参照)をサブディスプレイ11に表示させる(ステップS13)。具体的には、このときCPU20は、学習モード選択ボタンB2として、「読んで学習」,「読んで復習」,「書いて学習」,「書いて復習」の計4つの学習モード選択ボタンB2を表示させ、現時点で選択されている学習モード選択ボタンB2を網掛け等で識別表示させる。
【0053】
次に、CPU20は、現時点で選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」,「書いて復習」の何れかであるか否かを判定する(ステップS14)。
【0054】
このステップS14において、現時点で選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」,「書いて復習」の何れかであると判定した場合(ステップS14;Yes)には、CPU20は、手書きテストの実行を指示するための手書きテストアイコンI2(図6(c)参照)をメインディスプレイ10の端部に表示させ(ステップS15)、後述のステップS21に移行する。
【0055】
また、ステップS14において選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」,「書いて復習」の何れでもないと判定した場合(ステップS14;No)には、CPU20は、選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで学習」であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0056】
このステップS16において選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで学習」でないと判定した場合、つまり「読んで復習」であると判定した場合(ステップS16;No)には、CPU20は、後述のステップS21に移行する。
【0057】
また、ステップS16において選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで学習」であると判定した場合(ステップS16;Yes)には、CPU20は、マーカ表示文字列を文字種別に潜像化させるためのマーカ隠しアイコンI3(図6(b)参照)をメインディスプレイ10の端部に表示させる(ステップS17)。
【0058】
ここで、このマーカ隠しアイコンI3は、現時点で潜像化させるよう設定されている文字種の対応色を示すようになっており、具体的には、漢字の文字を潜像化させるよう設定されている場合には、赤色で表示されるようになっている。同様に、平仮名,片仮名の文字を潜像化させるよう設定されている場合にはマーカ隠しアイコンI3は黄色で表示され、アルファベットや数字、記号の文字を潜像化させるよう設定されている場合にはマーカ隠しアイコンI3は青色で表示されるようになっている。更に、文字種に関わらずマーカ表示文字列全体を潜像化させるよう設定されている場合には、マーカ隠しアイコンI3は赤色、黄色及び青色で塗り分けられて表示されるようになっている。
そして、このマーカ隠しアイコンI3は、タッチ操作が行われる度に表示色(潜像化させる文字種)を順に切り替えられるようになっている。
【0059】
次に、CPU20は、マーカ隠しアイコンI3にタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップS18)、行われないと判定した場合(ステップS18;No)には、後述のステップS21に移行する。
【0060】
また、ステップS18においてマーカ隠しアイコンI3にタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップS18;Yes)には、CPU20は、タッチ操作の回数に応じて、潜像化させる文字種を切り替える(ステップS19)。
【0061】
次に、CPU20は、何れかの学習モード選択ボタンB2に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップS21)、行われたと判定した場合(ステップS21;Yes)には、タッチ操作の行われた学習モード選択ボタンB2を網掛け等で識別表示させ(ステップS22)、上述のステップS13に移行する。
【0062】
また、ステップS21において何れの学習モード選択ボタンB2に対してもタッチ操作が行われないと判定した場合(ステップS21;No)には、CPU20は、何れかの単語帳選択ボタンB1に対してタッチ操作が行われるか否かを判定する(ステップS23)。
【0063】
このステップS23において何れの単語帳選択ボタンB1に対してもタッチ操作が行われないと判定した場合(ステップS23;No)には、CPU20は、上述のステップS13に移行する。
【0064】
また、ステップS23において何れかの単語帳選択ボタンB1に対してタッチ操作が行われたと判定した場合(ステップS23;Yes)には、CPU20は、メインディスプレイ10に一覧表示エリアE1とプレビュー表示エリアE2とを形成し(図7(a)参照)、タッチ操作の行われた単語帳選択ボタンB1に対応するマーカ単語帳テーブル830(以下、選択マーカ単語帳テーブル830Sとする)から項目(辞書データベース70aにおける見出し語,テキストコンテンツ70bにおける章番号など)を読み出して一覧表示エリアE1に一覧表示させるとともに、何れかの項目に対応する項目テキストを当該項目の収録元のコンテンツ70から読み出してプレビュー表示エリアE2に表示させる(ステップS24)。なお、このときの項目テキストの表示態様は、後述のステップS27による表示態様と同様であることが好ましい。
【0065】
次に、CPU20は、ユーザ操作に基づいて、一覧表示エリアE1における何れかの項目を指定項目として指定した後(ステップS25)、その項目テキスト、つまり指定項目テキストをメインディスプレイ10に全画面表示させる(ステップS26)。
【0066】
次に、CPU20は、選択マーカ単語帳テーブル830Sを参照し、マーカ表示文字列をマーカ表示させて潜像化させることで、指定項目テキストを穴埋め問題として表示させる(ステップS27)。より詳細には、このときCPU20は、マーカ表示文字列内の漢字を赤色、平仮名及び片仮名を黄色、アルファベットや数字、記号を青色でマーカ表示させる。また、マーカ隠しアイコンI3がメインディスプレイ10に表示されている場合には、CPU20は、当該マーカ隠しアイコンI3の表示色に応じた文字種のみを潜像化させ、他の文字種を顕像化させて表示する。
【0067】
次に、CPU20は、選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」,「書いて復習」の何れかであるか否かを判定する(ステップS28)。
【0068】
このステップS28において選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」,「書いて復習」の何れかであると判定した場合(ステップS28;Yes)には、CPU20は、指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が複数存在するか否かを判定する(ステップS31)。
【0069】
このステップS31において指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が複数存在すると判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU20は、ユーザ操作に基づいて何れかのマーカ表示文字列を指定マーカ表示文字列として指定した後(ステップS32)、後述のステップS34に移行する。
【0070】
また、ステップS31において指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が複数存在しない、つまり1つしか存在しないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU20は当該マーカ表示文字列を指定マーカ表示文字列として指定する(ステップS33)。
【0071】
次に、CPU20は、指定マーカ表示文字列の各文字を穴埋め問題の解答として入力するための解答文字列入力エリアE3(図7(b)参照)をメインディスプレイ10の下部に形成し(ステップS34)、選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて復習」であるか否かを判定する(ステップS35)。
【0072】
このステップS35において選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて復習」でない、つまり「書いて学習」であると判定した場合(ステップS35;No)には、CPU20は、後述のステップS41に移行する。
【0073】
また、ステップS35において選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて復習」であると判定した場合(ステップS35;Yes)には、CPU20は、メインディスプレイ10の下部に解答文字列入力エリアE3と並べて誤解答文字列表示エリアE4(図8(a)参照)を形成し、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて指定マーカ表示文字列に対応付けられた誤解答のうち、最後に記憶された誤解答を当該誤解答文字列表示エリアE4に表示させる(ステップS36)。また、このときCPU20は、表示された誤解答の文字列のうち、指定マーカ表示文字列とは異なる部分を太字等で識別表示させる。但し、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて指定マーカ表示文字列に対応付けられた誤解答が存在しない場合には、CPU20は、このステップS36の処理を行わなくても良い。
【0074】
次に、CPU20は、誤解答文字列表示エリアE4に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップS37)、行われたと判定した場合(ステップS37;Yes)には、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて指定マーカ表示文字列に対応付けられた誤解答のうち、現時点で表示されている誤解答の前に記憶された誤解答を誤解答文字列表示エリアE4に表示させ(ステップS38)、ステップS37に移行する。このステップS38においてCPU20は、表示された誤解答の文字列のうち、指定マーカ表示文字列とは異なる部分を太字等で識別表示させる。
【0075】
また、ステップS37において誤解答文字列表示エリアE4に対してタッチ操作が行われないと判定した場合(ステップS37;No)には、CPU20は、ユーザ操作に基づいて、指定マーカ表示文字列についての手書き文字列をサブディスプレイ11に入力する(ステップS41)。
【0076】
次に、CPU20は、サブディスプレイ11に入力された解答の文字列が指定マーカ表示文字列と一致するか否かを判定する(ステップS42)。
【0077】
このステップS42において解答の文字列が指定マーカ表示文字列と一致すると判定した場合(ステップS42;Yes)には、CPU20は、正解の旨をメインディスプレイ10に表示させるとともに、指定マーカ表示文字列に対応付けて選択マーカ単語帳テーブル830Sに記憶させ(ステップS43)、後述のステップS45に移行する。
【0078】
また、ステップS42において解答の文字列が指定マーカ表示文字列と一致しないと判定した場合(ステップS42;No)には、CPU20は、不正解の旨をサブディスプレイ11に表示させるとともに、誤解答の文字列を指定マーカ表示文字列に対応付けて選択マーカ単語帳テーブル830Sに記憶させる(ステップS44)。
【0079】
次に、CPU20は、戻るキー2gが操作されるか否かを判定し(ステップS45)、操作されないと判定した場合(ステップS45;No)には上述のステップS31に移行する一方、操作されたと判定した場合(ステップS45;Yes)には上述のステップS24に移行する。
【0080】
また、上述のステップS28において選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」,「書いて復習」の何れでもないと判定した場合、つまり「読んで学習」,「読んで復習」の何れかであると判定した場合(ステップS28;No)には、CPU20は、選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで復習」であるか否かを判定する(ステップS51)。
【0081】
このステップS51において選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで復習」でないと判定した場合、つまり「読んで学習」であると判定した場合(ステップS51;No)には、CPU20は、他の処理へ移行する。なお、この処理では、例えば上述の特許文献1に記載の処理を行うこととしても良い。
【0082】
また、ステップS51において選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで復習」であると判定した場合(ステップS51;Yes)には、CPU20は、指定項目テキスト内の各マーカ表示文字列のうち、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて誤解答に対応付けられたマーカ表示文字列を当該誤解答の文字列に置き換えて表示させるとともに、当該誤解答の文字列の各文字を、その対応色でマーカ表示して顕在化させる(ステップS52)。また、このときCPU20は、指定項目テキスト内の各マーカ表示文字列のうち、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて誤解答に対応付けられていないマーカ表示文字列、つまり正解の旨に対応付けられているマーカ表示文字列については、マーカ表示を解除する。
【0083】
次に、CPU20は、マーカ表示されている何れかの文字列に対する指定操作が行われるか否かを判定し(ステップS53)、行われないと判定した場合(ステップS53;No)には、後述のステップS60に移行する。
【0084】
また、ステップS53においてマーカ表示されている何れかの文字列に対する指定操作が行われたと判定した場合(ステップS53;Yes)には、CPU20は、指定位置に対応する正しいマーカ表示文字列(以下、指定マーカ表示文字列とする)を表示させるための正解文字列表示エリアE5と、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて指定マーカ表示文字列に対応付けられた誤解答の文字列(以下、指定誤解答文字列とする)を表示させるための誤解答文字列表示エリアE4とをメインディスプレイ10の下部に並べて形成し(図8(d)参照)、指定マーカ表示文字列を正解文字列表示エリアE5に表示させる(ステップS54)。
【0085】
次に、CPU20は、指定誤解答文字列を誤解答文字列表示エリアE4に表示させ、表示された誤解答の文字列のうち、指定マーカ表示文字列とは異なる部分を太字等で識別表示させる(ステップS55)。
【0086】
次に、CPU20は、誤解答文字列表示エリアE4に対してタッチ操作が行われるか否かを判定し(ステップS56)、行われたと判定した場合(ステップS56;Yes)には、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて指定マーカ表示文字列に対応付けられた誤解答の文字列のうち、現時点での指定誤解答文字列の前に記憶された誤解答の文字列を誤解答文字列表示エリアE4に表示させ(ステップS57)、ステップS56に移行する。
【0087】
また、このステップS56において誤解答文字列表示エリアE4に対してタッチ操作が行われないと判定した場合(ステップS56;No)には、CPU20は、訳/決定キー2bが操作されるか否かを判定する(ステップS58)。
【0088】
このステップS58において訳/決定キー2bが操作されたと判定した場合(ステップS58;Yes)には、CPU20は、指定項目テキスト内で指定誤解答文字列がマーカ表示されている場合には、当該指定誤解答文字列を指定マーカ表示文字列に置き換えて表示させるとともに、当該指定マーカ表示文字列の各文字を、その対応色でマーカ表示して顕在化させ(ステップS59)、上述のステップS53に移行する。また、このステップS59においてCPU20は、指定項目テキスト内で指定マーカ表示文字列がマーカ表示されている場合には、当該指定マーカ表示文字列を指定誤解答文字列に置き換えて表示させるとともに、当該指定誤解答文字列の各文字を、その対応色でマーカ表示して顕在化させる。
【0089】
また、上述のステップS58において訳/決定キー2bが操作されないと判定した場合(ステップS58;No)には、CPU20は、戻るキー2gが操作されるか否かを判定する(ステップS60)。
【0090】
そして、このステップS60において戻るキー2gが操作されないと判定した場合(ステップS60;No)には、CPU20は上述のステップS53に移行する一方、操作されたと判定した場合(ステップS60;Yes)には上述のステップS24に移行する。
【0091】
(動作例)
続いて、上述した電子辞書1の処理を具体的に説明する。
【0092】
まず、ユーザがコンテンツ70の使用を選択し(ステップS1;Yes)、「物理事典」の辞書データベース70aを指定コンテンツ70Sとして指定するとともに、当該指定コンテンツ70Sにおける「ニッケル水素電池」の項目テキストを指定項目テキストとして指定すると、図6(a)に示すように、指定コンテンツ70Sにおける指定項目テキストがメインディスプレイ10に表示される(ステップS2)。
【0093】
次に、指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が含まれないと判定された後(ステップS3;No)、ユーザがマーカアイコンI1に対してタッチ操作を行い(ステップS5;Yes)、指定項目テキスト内の文字列「酸化水素化ニッケル」をマーカ表示文字列として指定すると(ステップS6)、当該マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」の漢字部分「酸化水素化」が赤色でマーカ表示され、片仮名部分「ニッケル」が黄色でマーカ表示される(ステップS7)。そして、マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」と、指定項目テキストの項目「ニッケル水素電池」と、当該項目の収録元のコンテンツ70のコンテンツ名「物理事典」と、指定項目テキスト内でのマーカ表示文字列の位置情報とが対応付けられてマーカ単語帳テーブル830(ここでは「マーカ単語帳テーブル(1)」)に記憶される(ステップS8)。
【0094】
同様に、ユーザがマーカアイコンI1に対してタッチ操作を行い(ステップS5;Yes)、指定項目テキスト内の文字列「LaNi」をマーカ表示文字列として指定すると(ステップS6)、当該マーカ表示文字列「LaNi」のアルファベット部分「LaNi」が青色でマーカ表示される(ステップS7)。そして、マーカ表示文字列「LaNi」と、指定項目テキストの項目「ニッケル水素電池」と、当該項目の収録元のコンテンツ70のコンテンツ名「物理事典」と、指定項目テキスト内でのマーカ表示文字列の位置情報とが対応付けられてマーカ単語帳テーブル830(ここでは「マーカ単語帳テーブル(1)」)に記憶される(ステップS8)。
【0095】
次に、ユーザが改めてマーカ学習処理を起動して、マーカ単語帳テーブル830の使用を選択すると(ステップS11;Yes)、図6(b)に示すように、単語帳選択ボタンB1がメインディスプレイ10に表示され(ステップS12)、学習モード選択ボタンB2がサブディスプレイ11に表示される(ステップS13)。
【0096】
このとき、選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで学習」であると(ステップS16;Yes)、マーカ隠しアイコンI3がメインディスプレイ10の端部に表示される(ステップS17)。なお、この図では、マーカ隠しアイコンI3が赤色、黄色及び青色で塗り分けられて表示されている。
【0097】
また、このとき、ユーザが「書いて学習」の学習モード選択ボタンB2に対してタッチ操作を行うと、学習モードのタッチ操作が検知され(ステップS21;Yes)、選択された学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」であるとされ(ステップS14;Yes)、図6(c)に示すように、手書きテストアイコンI2がメインディスプレイ10の端部に表示される(ステップS15)。
【0098】
この状態からユーザが「マーカ単語帳テーブル(1)」の単語帳選択ボタンB1に対してタッチ操作を行うと(ステップS23;Yes)、図7(a)に示すように、メインディスプレイ10に一覧表示エリアE1とプレビュー表示エリアE2とが形成され、選択マーカ単語帳テーブル830S(「マーカ単語帳テーブル(1)」)から項目「ニッケル水素電池」が読み出されて一覧表示エリアE1に一覧表示されるとともに、項目「ニッケル水素電池」に対応する項目テキストが当該項目の収録元のコンテンツ70(「物理事典」の辞書データベース70a)から読み出されてプレビュー表示エリアE2に表示される(ステップS24)。このとき、本動作例においては、選択マーカ単語帳テーブル830Sが参照され、マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」,「LaNi」がマーカ表示されて潜像化される。より詳細には、これらのマーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」,「LaNi」の漢字「酸化水素化」が赤色、片仮名「ニッケル」が黄色、アルファベット「LaNi」が青色のマーカで潜像化されて表示される。
【0099】
次に、ユーザが一覧表示エリアE1における項目「ニッケル水素電池」を指定項目として指定すると(ステップS25)、図7(b)に示すように、指定項目テキストがメインディスプレイ10に全画面表示される(ステップS26)。このとき、マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」,「LaNi」がマーカで潜像化されることで、指定項目テキストが穴埋め問題として表示される(ステップS27)。
【0100】
次に、選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて学習」であると判定されるとともに(ステップS28;Yes)、指定項目テキスト内にマーカ表示文字列が複数存在すると判定された後(ステップS31;Yes)、ユーザがマーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」を指定マーカ表示文字列として指定すると(ステップS32)、解答文字列入力エリアE3がメインディスプレイ10の下部に形成される(ステップS34)。
【0101】
次に、ユーザが指定マーカ表示文字列についての手書き文字列をサブディスプレイ11に入力すると(ステップS41)、入力された解答の文字列が指定マーカ表示文字列と一致するか否かが判定される(ステップS42)。なお、図7(b)では、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」の文字として、「塩」,「化」を手書き入力した状態を図示している。
【0102】
次に、解答の文字列「塩化水素化ニッケル」が指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」と一致しないと判定され(ステップS42;No)、図7(c)に示すように、不正解の旨がサブディスプレイ11に表示されるとともに、誤解答の文字列「塩化水素化ニッケル」が指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」に対応付けられて選択マーカ単語帳テーブル830Sに記憶される(ステップS44)。なお、本動作例においては、このときメインディスプレイ10の下部には、正解文字列表示エリアE5と誤解答文字列表示エリアE4とが並べて形成され、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」が正解文字列表示エリアE5に表示される。また、誤解答の文字列「塩化水素化ニッケル」が誤解答文字列表示エリアE4に表示され、当該誤解答の文字列「塩化水素化ニッケル」のうち、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」とは異なる部分「塩」が太字で識別表示される。
【0103】
また、上述の図7(b)の状態において、選択されている学習モード選択ボタンB2が「書いて復習」であると(ステップS14;Yes、ステップS35;Yes)、図8(a)に示すように、メインディスプレイ10の下部に解答文字列入力エリアE3と並べて誤解答文字列表示エリアE4が形成され、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」に対応付けられた誤解答のうち、最後に記憶された誤解答(ここでは便宜的に「塩化水素化ニッケル」とする)が当該誤解答文字列表示エリアE4に表示される(ステップS36)。また、このとき表示された誤解答の文字列「塩化水素化ニッケル」のうち、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」とは異なる部分「塩」が太字等で識別表示される。
【0104】
次に、ユーザが指定マーカ表示文字列についての手書き文字列をサブディスプレイ11に入力すると(ステップS41)、入力された解答の文字列が指定マーカ表示文字列と一致するか否かが判定される(ステップS42)。なお、図8(a)では、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」の文字として、「塩」,「酸」を手書き入力した状態を図示している。
【0105】
次に、解答の文字列「塩酸水素化ニッケル」が指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」と一致しないと判定され(ステップS42;No)、図8(b)に示すように、不正解の旨がサブディスプレイ11に表示されるとともに、誤解答の文字列「塩酸水素化ニッケル」が指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」に対応付けられて選択マーカ単語帳テーブル830Sに記憶される(ステップS44)。なお、本動作例においては、このときメインディスプレイ10の下部には、正解文字列表示エリアE5と誤解答文字列表示エリアE4とが並べて形成され、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」が正解文字列表示エリアE5に表示される。また、誤解答の文字列「塩酸水素化ニッケル」が誤解答文字列表示エリアE4に表示され、当該誤解答の文字列「塩酸水素化ニッケル」のうち、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」とは異なる部分「塩酸」が太字で識別表示される。
【0106】
次に、ユーザが改めてマーカ学習処理を起動して、マーカ単語帳テーブル830の使用を選択し(ステップS11;Yes)、「読んで復習」の学習モード選択ボタンB2を選択した状態で「マーカ単語帳テーブル(1)」の単語帳選択ボタンB1に対してタッチ操作を行うと(ステップS23;Yes)、メインディスプレイ10に一覧表示エリアE1とプレビュー表示エリアE2とが形成され、選択マーカ単語帳テーブル830S(「マーカ単語帳テーブル(1)」)から項目「ニッケル水素電池」が読み出されて一覧表示エリアE1に一覧表示されるとともに、項目「ニッケル水素電池」に対応する項目テキストが当該項目の収録元のコンテンツ70(「物理事典」の辞書データベース70a)から読み出されてプレビュー表示エリアE2に表示される(ステップS24)。
【0107】
次に、ユーザが一覧表示エリアE1における項目「ニッケル水素電池」を指定項目として指定すると(ステップS25)、指定項目テキストがメインディスプレイ10に全画面表示される(ステップS26)。このとき、マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」,「LaNi」がマーカ表示されて潜像化されることで、指定項目テキストが穴埋め問題として表示される(ステップS27)。
【0108】
次に、選択されている学習モード選択ボタンB2が「読んで復習」であると判定され(ステップS51;Yes)、図8(c)に示すように、指定項目テキスト内の各マーカ表示文字列のうち、選択マーカ単語帳テーブル830S(「マーカ単語帳テーブル(1)」)において誤解答「塩化水素化ニッケル」,「塩酸水素化ニッケル」に対応付けられたマーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」が当該誤解答の文字列(ここでは「塩酸水素化ニッケル」)に置き換えられて表示されるとともに、当該誤解答の文字列「塩酸水素化ニッケル」の各文字が、その対応色「赤色」,「黄色」でマーカ表示されて顕在化される(ステップS52)。また、このとき、指定項目テキスト内の各マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」,「LaNi」のうち、選択マーカ単語帳テーブル830Sにおいて誤解答に対応付けられていないマーカ表示文字列「LaNi」については、マーカ表示が解除される。
【0109】
次に、マーカ表示されている何れかの文字列(ここでは「塩酸水素化ニッケル)に対してユーザが指定操作を行うと(ステップS53;Yes)、図8(d)に示すように、正解文字列表示エリアE5と、誤解答文字列表示エリアE4とがメインディスプレイ10の下部に並べて形成され、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」が正解文字列表示エリアE5に表示される(ステップS54)。また、指定誤解答文字列「塩酸水素化ニッケル」が誤解答文字列表示エリアE4に表示され、表示された誤解答の文字列「塩酸水素化ニッケル」のうち、指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」とは異なる部分「塩酸」が太字等で識別表示される(ステップS55)。
【0110】
次に、ユーザが訳/決定キー2bを操作すると(ステップS58;Yes)、図8(e)に示すように、指定項目テキスト内で指定誤解答文字列「塩酸水素化ニッケル」が指定マーカ表示文字列「酸化水素化ニッケル」に置き換えられて表示されるとともに、当該指定マーカ表示文字列の各文字が、その対応色「赤色」,「黄色」でマーカ表示されて顕在化される(ステップS59)。
【0111】
以上の電子辞書1によれば、図3のステップS27や図4のステップS41、図7,図8等に示したように、テキスト内で指定文字列がマーカ表示して潜像化されることにより当該テキストが穴埋め問題として表示され、ユーザ操作に基づいて穴埋め問題に対する解答の文字列が入力されるので、マーカ表示文字列を潜像化した状態で、その内容を手書き入力して学習することができる。また、解答の文字列と指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列が誤解答文字列として指定文字列に対応づけられて記憶され、この記憶情報に基づいて、指定文字列が誤解答文字列に置き換えられてテキストが表示されるので、過去の手書き入力による誤解答を表示させて学習に役立てることができる。
【0112】
また、図3のステップS27や図7、図8等に示したように、指定文字列内の各文字が当該文字の文字種ごとに異なる色でマーカ表示されて潜像化されるので、適切な文字種の文字で解答の文字列を入力することができる。
【0113】
また、図4のステップS55や図7(c)等に示したように、ユーザ操作に応じて、誤解答文字列と、指定文字列とが合わせて表示されるとともに、当該誤解答文字列のうち当該指定文字列との相違部分が識別表示されるので、過去の手書き入力による誤解答の何れの部分が誤っていたのかを把握することができる。
【0114】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0115】
例えば、本発明に係る学習装置を電子辞書1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係るプログラム81は、電子辞書1に対して着脱可能な外部情報記憶媒体12aに記憶されることとしてもよい。
【0116】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
表示手段と、
前記表示手段にテキストを表示させるテキスト表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて前記テキスト内の文字列を指定文字列として指定する文字列指定手段と、
前記指定文字列と、前記テキスト内での当該指定文字列の位置情報とを対応付けて記憶する指定文字列記憶手段と、
前記指定文字列記憶手段による記憶情報に基づいて、前記テキスト内で前記指定文字列をマーカ表示して潜像化させることにより、当該テキストを穴埋め問題として前記表示手段に表示させる隠し表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて前記穴埋め問題に対する解答の文字列を入力する解答入力手段と、
前記解答の文字列と前記指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列を誤解答文字列として前記指定文字列に対応づけて記憶する誤解答記憶手段と、
前記誤解答記憶手段による記憶情報に基づいて、前記指定文字列を前記誤解答文字列に置き換えて前記テキストを前記表示手段に表示させる誤解答テキスト表示制御手段と、
を備えることを特徴とする学習装置。
<請求項2>
請求項1記載の学習装置において、
前記誤解答テキスト表示制御手段により前記テキストが表示制御される場合に、前記表示手段に前記誤解答文字列をマーカ表示して顕像化させる誤解答文字列マーカ表示制御手段を備えることを特徴とする学習装置。
<請求項3>
請求項2記載の学習装置において、
前記誤解答文字列マーカ表示制御手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記誤解答文字列を前記指定文字列に置き換えて、当該指定文字列をマーカ表示して顕像化させる切替表示制御手段を有することを特徴とする学習装置。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の学習装置において、
前記隠し表示制御手段は、
前記指定文字列内の各文字を、当該文字の文字種ごとに異なる色でマーカ表示して潜像化させることを特徴とする学習装置。
<請求項5>
請求項1〜4何れか一項に記載の学習装置において、
前記誤解答テキスト表示制御手段により表示制御された前記誤解答文字列に対するユーザ操作に応じて、当該誤解答文字列と、前記指定文字列とを合わせて前記表示手段に表示させるとともに、当該誤解答文字列のうち当該指定文字列との相違部分を識別表示させる正解表示制御手段を備えることを特徴とする学習装置。
<請求項6>
表示手段を有するコンピュータに、
前記表示手段にテキストを表示させるテキスト表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて前記テキスト内の文字列を指定文字列として指定する文字列指定機能と、
前記指定文字列と、前記テキスト内での当該指定文字列の位置情報とを対応付けて記憶する指定文字列記憶機能と、
前記指定文字列記憶機能による記憶情報に基づいて、前記テキスト内で前記指定文字列をマーカ表示して潜像化させることにより、当該テキストを穴埋め問題として前記表示手段に表示させる隠し表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて前記穴埋め問題に対する解答の文字列を入力する解答入力機能と、
前記解答の文字列と前記指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列を誤解答文字列として前記指定文字列に対応づけて記憶する誤解答記憶機能と、
前記誤解答記憶機能による記憶情報に基づいて、前記指定文字列を前記誤解答文字列に置き換えて前記テキストを前記表示手段に表示させる誤解答テキスト表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0117】
1 電子辞書
20 CPU
30 入力部
40 表示部
81 情報表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段にテキストを表示させるテキスト表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて前記テキスト内の文字列を指定文字列として指定する文字列指定手段と、
前記指定文字列と、前記テキスト内での当該指定文字列の位置情報とを対応付けて記憶する指定文字列記憶手段と、
前記指定文字列記憶手段による記憶情報に基づいて、前記テキスト内で前記指定文字列をマーカ表示して潜像化させることにより、当該テキストを穴埋め問題として前記表示手段に表示させる隠し表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて前記穴埋め問題に対する解答の文字列を入力する解答入力手段と、
前記解答の文字列と前記指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列を誤解答文字列として前記指定文字列に対応づけて記憶する誤解答記憶手段と、
前記誤解答記憶手段による記憶情報に基づいて、前記指定文字列を前記誤解答文字列に置き換えて前記テキストを前記表示手段に表示させる誤解答テキスト表示制御手段と、
を備えることを特徴とする学習装置。
【請求項2】
請求項1記載の学習装置において、
前記誤解答テキスト表示制御手段により前記テキストが表示制御される場合に、前記表示手段に前記誤解答文字列をマーカ表示して顕像化させる誤解答文字列マーカ表示制御手段を備えることを特徴とする学習装置。
【請求項3】
請求項2記載の学習装置において、
前記誤解答文字列マーカ表示制御手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記誤解答文字列を前記指定文字列に置き換えて、当該指定文字列をマーカ表示して顕像化させる切替表示制御手段を有することを特徴とする学習装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の学習装置において、
前記隠し表示制御手段は、
前記指定文字列内の各文字を、当該文字の文字種ごとに異なる色でマーカ表示して潜像化させることを特徴とする学習装置。
【請求項5】
請求項1〜4何れか一項に記載の学習装置において、
前記誤解答テキスト表示制御手段により表示制御された前記誤解答文字列に対するユーザ操作に応じて、当該誤解答文字列と、前記指定文字列とを合わせて前記表示手段に表示させるとともに、当該誤解答文字列のうち当該指定文字列との相違部分を識別表示させる正解表示制御手段を備えることを特徴とする学習装置。
【請求項6】
表示手段を有するコンピュータに、
前記表示手段にテキストを表示させるテキスト表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて前記テキスト内の文字列を指定文字列として指定する文字列指定機能と、
前記指定文字列と、前記テキスト内での当該指定文字列の位置情報とを対応付けて記憶する指定文字列記憶機能と、
前記指定文字列記憶機能による記憶情報に基づいて、前記テキスト内で前記指定文字列をマーカ表示して潜像化させることにより、当該テキストを穴埋め問題として前記表示手段に表示させる隠し表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて前記穴埋め問題に対する解答の文字列を入力する解答入力機能と、
前記解答の文字列と前記指定文字列とが一致しない場合に、当該解答の文字列を誤解答文字列として前記指定文字列に対応づけて記憶する誤解答記憶機能と、
前記誤解答記憶機能による記憶情報に基づいて、前記指定文字列を前記誤解答文字列に置き換えて前記テキストを前記表示手段に表示させる誤解答テキスト表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−72914(P2013−72914A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210158(P2011−210158)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】