説明

定置式エンジンの冷却水回路

【課題】本発明は、排熱回収器を有するエンジン冷却水回路において、排気ガス熱交換器等の冷却水回路内圧力を所定圧力に設定するために回路内で最低圧力となる冷却水ポンプ吸引部の圧力を必要に応じてヘッド圧以下の任意の圧力に調整できるようにすることを課題とする。
【解決手段】本発明は、エンジン冷却水を介してエンジン排熱を供給する排熱回収器37と、エンジン冷却水を介してエンジン排熱を放熱するラジエータ18と、排気ガスからエンジン冷却水へエンジン排熱を供給する排気ガス熱交換器33と、エンジン冷却水を循環させる冷却水ポンプ32とを有する。そして、冷却水ポンプ吸引部32bの上流に圧損機器34を配置し、冷却水ポンプ吸引部と大気開放部20との連通経路50に絞りを配置し、圧損機器の上流を前記大気開放部へ連通し、前記大気開放部を大気と常時連通可能な構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コージェネレーションシステムやGHP(ガスヒートポンプ)に採用される排熱回収器を有する定置式エンジンの冷却水回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、排熱回収器を有する定置式エンジンの冷却水回路として、排熱回収器を有するエンジン冷却水回路において、冷却水ポンプ吸引部を大気開放部と連通する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
すなわち、特許文献1に記載のエンジンの冷却水回路は、ラジエータが室外熱交換器と接触して構成された排熱回収器を備える。また、冷却水ポンプの吸入部側は、リザーブタンクと接続されており、冷却水ポンプ吸引部は、リザーブタンクに設けられた通気口を介して大気と連通している。
【特許文献1】特開平09−88602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1のエンジンの冷却水回路構成では、冷却水ポンプ吸引部の圧力はリザーブタンクのヘッド圧と略等しくなり、冷却水ポンプをリザーブタンクより高い場所に配置しない限り、ポンプ吸引部の圧力をヘッド圧以下に設定することができない。
【0005】
一方で、排熱回収器を有するエンジン冷却水回路は、排熱回収器でエンジン冷却水を介してエンジン排熱を供給するのに先立って、エンジン冷却水が排気ガスからエンジン排熱を吸収するために排気ガス熱交換器を備えている。この排気ガス熱交換器は
、エンジン冷却水を加熱するため、ボイラーの一種として取扱われるおそれがある。このように、排気ガス熱交換器がボイラーとして取扱われる場合には、そのエンジン冷却水の圧力をできるだけ低圧に保ちたいという要請がある。
【0006】
そこで、本願は排熱回収器を有するエンジン冷却水回路において、排気ガス熱交換器等の冷却水回路内圧力を所定圧力に設定するために回路内で最低圧力となる冷却水ポンプ吸引部の圧力を必要に応じてヘッド圧以下の任意の圧力に調整できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、エンジン冷却水を介してエンジン排熱を供給する排熱回収器と、エンジン冷却水を介してエンジン排熱を放熱するラジエータと、排気ガスからエンジン冷却水へエンジン排熱を供給する排気ガス熱交換器と、エンジン冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有する定置式エンジンの冷却水回路において、冷却水ポンプ吸引部と大気開放部を連通し、前記圧損機器の上流と前記大気開放部を連通し、前記圧損機器の上流と前記大気開放部との連通経路に絞りを配置し、前記大気開放部を大気と常時連通可能な構成としたことにある。
【0008】
かかる本発明は、圧損機器の圧損によって冷却水ポンプ吸引部の圧力をヘッド圧よりも低くできる。そして、大気開放部と連通する経路の絞りでの流量を調整することにより、大気圧未満の負圧から大気開放部のヘッド圧までの間の任意の圧力に調整できることとなる。このため、冷却水回路内圧力を「ポンプ吸引部圧+ポンプ吐出圧+計測箇所までの圧損」としてエンジン冷却水量を維持しながら所定圧力に設定できる。
【0009】
前記本発明の排気ガス熱交換器を前記冷却水ポンプ吐出側で且つ前記エンジン下流に配置する。かかる本発明は、排気ガス熱交換器入口圧力を「ポンプ吸引部圧+ポンプ吐出圧+エンジン内部の流路圧損」として「ポンプ吸引部圧+ポンプ吐出圧」よりも「エンジン内部の流路圧損」分だけ低圧にできる。
【0010】
前記本発明のラジエータ下流経路と排熱回収器下流経路の合流部に、開度調整可能な電動三方弁を配置する。かかる本発明は、エンジン冷却水回路において冷却水温が最も低い箇所に電動三方弁を配置したので、電動三方弁の耐熱性が向上する。なお、電動三方弁が前記圧損機器の一つに該当する。
【0011】
前記本発明の冷却水ポンプ吐出側にサーモスタットを配置し、該サーモスタットの高温側経路に前記排熱回収器を配置し、前記排熱回収器下流にラジエータを配置する。かかる本発明は、エンジン冷却水温がサーモスタット設定温度以上では冷却水全量が排熱回収器へ流れる。このため、エンジン冷却水からの供給熱量を演算するのに当って、排熱回収器とラジエータとに分流制御する構成に比し、エンジン冷却水の分流比率を考慮する必要が無い分だけ演算が簡易となる。
【0012】
前記本発明の大気開放部を冷却水タンクの上部に通気管を設ける構成とし、前記排気ガス熱交換器または前記ラジエータのうちで少なくともいずれか一つの機器及び前記冷却水ポンプ吸引部を、前記冷却水タンクの水封部と連通する。かかる本発明は、冷却水回路でエア溜りが発生する可能性の高い箇所を、水封部を介して大気開放するので水泡から気水分離を確実に行って、エンジン冷却水のみ回路内へ戻すことができる。
【0013】
前記本発明の冷却水タンクを2つ設ける構成とし、一方のタンクに前記通気管を設け、且つ一方のタンクと他方のタンクの空気溜り部を連通し、前記排気ガス熱交換器または前記ラジエータの少なくともいずれか一つの機器及び前記冷却水ポンプ吸引部を、他方のタンクの水封部と連通し、一方のタンクと他方のタンクの水封部を連通し、通気管を設けた一方のタンク底面を、他方のタンク底面と同一高さまたは高所に配置する。かかる本発明は、タンクを2つ設ける構成としたので、一方はリザーブ用として他方は回路内から上がってくる高温水泡の気水分離用として機能分離が可能となり、気水分離によるリザーブ用水温の上昇を防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、絞りの開度調整および圧損機器の圧損によって冷却水ポンプ吸引部の圧力をヘッド圧以下の任意の圧力に調整可能となるので、必要に応じて大気圧以下にも設定出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
本実施の形態は、本発明をコージェネレーション装置1に採用した場合について説明する。なお、コージェネレーション装置1とは、電力消費機器(負荷)への送電系統に、外部商用電源の商用電力系統と、発電機の発電電力系統とを接続し、該負荷の需要電力を賄うとともに、発電に伴い生じる排熱を回収し、該回収熱を利用するシステムである。
【0017】
図1はコージェネレーション装置のエンジン冷却水回路の回路図を示し、図2は同装置の正面斜視図、図3は同装置の背面斜視図を示す。
【0018】
図2および図3に示すように、本実施形態に係るコージェネレーション装置1は、筺体としてのパッケージ2を備えている。このパッケージ2の内部は、上下に2分割されており、下側はエンジン室3および機器収納室5が構成され、上側はラジエータ室7、吸気室8および排気室9が構成されている。
【0019】
前記エンジン室3内には、エンジン10、このエンジン10により駆動される発電機11および潤滑油を貯留しているオイルタンク12等が配置されている。
【0020】
前記機器収納室5は、エンジン室3の側方(図2に示す右側)に配置されている。機器収納室5内には、エンジン駆動系機器等を制御する制御装置16を備えるコントロールボックス17とインバータ14とが配置されている。
【0021】
前記ラジエータ室7は、機器収納室5の上方に配置されており、このラジエータ室7には、ラジエータ18と冷却水タンク20が配置される。ラジエータ室7の上方には、前記制御装置16により駆動制御される放熱用のラジエータファン19が配置されている。
【0022】
吸気室8には、エアクリーナ22および吸気サイレンサ23がそれぞれ配置されている。排気室9には、排気サイレンサ24が配置されている。
【0023】
次に、エンジン冷却水回路について、図1を参照しながら説明する。このエンジン冷却水回路30は、エンジン冷却水を循環させるための駆動源となる冷却水ポンプ32を備えている。この冷却水ポンプ32の吐出側(冷却水ポンプ吐出部32a)から下流側に向けて順に、エンジン10内の冷却水通路(ウォータジャケット)、排気ガス熱交換器33、サーモスタット35が接続されている。
【0024】
エンジン10は都市ガス等を燃料とする定置式ガスエンジンであり、その排気系は上記排気ガス熱交換器33及び前記排気サイレンサ24を備えている。そして、エンジン10を通過したエンジン冷却水は、排気ガス熱交換器33に送られ、排気ガス熱交換器33において排気ガスの熱を奪った後に、経路31を介してサーモスタット35に流入するようになっている。
【0025】
サーモスタット35は、低温側経路35aと高温側経路35bとを備えており、低温側経路35aの下流端は、冷却水ポンプ32の吸入側(冷却水ポンプ吸引部32b)に接続されている。また、高温側経路35bの下流端は、排熱回収器としての水/水熱交換器37に接続されている。
【0026】
サーモスタット35は、エンジン冷却水の温度が所定温度未満のとき(例えばエンジン始動初期時)には、低温側経路35aへエンジン冷却水を流し、エンジン冷却水が所定温度以上に達すると、高温側経路35bおよび水/水熱交換器37へエンジン冷却水を流すようになっている。
【0027】
水/水熱交換器37は、エンジン冷却水から奪った熱を外部に供給するもので、例えば給湯用の2次水側38を流れる水に熱を供給する。水/水熱交換器37の上下流位置には、エンジン冷却水の温度を検出するための温度センサ43、44がそれぞれ設けられている。
【0028】
水/水熱交換器37を通過したエンジン冷却水は、ラジエータ18と電動三方弁34とに流れるようになっている。すなわち、電動三方弁34は、前記制御装置16により制御されるモータバルブからなり、第1冷却水入口34aと第2冷却水入口34bと冷却水出口34cとの三つのポートを有している。
【0029】
そして、第1冷却水入口34aは、水/水熱交換器37から延設された排熱回収器下流経路39の下流端が接続されている。また、第2冷却水入口34bは、ラジエータ18から延設されたラジエータ下流経路40の下流端が接続されている。従って、排熱回収器下流経路39とラジエータ下流経路40の合流部に、三方弁34が配置されている。なお、排熱回収器下流経路39は、経路42を介してラジエータ18と接続されている。
【0030】
また、冷却水出口34cは、冷却水供給管41を介して前記低温側経路35aに接続されている。
【0031】
電動三方弁34は、第1冷却水入口34aと第2冷却水入口34bとの開度比率を変更(開度調整)可能であり、水/水熱交換器37での熱交量に応じて開度比率が定まる。具体的には、水/水熱交換器37での熱交換量が多い場合、すなわち、エンジン冷却水の放熱量が多い場合は、第1冷却水入口34aへの開度が大きくなり、水/水熱交換器37での熱交換量が少ない場合、すなわち、エンジン冷却水の放熱量が少ない場合は、第2冷却水入口34bへの開度が大きくなる。
【0032】
前記冷却水タンク20は、合成樹脂製の一方のタンク(リザーブタンク)20aと、金属製の他方のタンク(気水分離タンク)20bとの2つから構成されている。一方のタンク20aには、常時大気に連通可能な通気管48が接続されている。通気管48を設けた一方のタンク冷却水底面は、他方のタンク底面と同一高さまたは高所に配置され、しかも、一方のタンク20aと他方のタンク20bとのそれぞれの空気溜り部は、連通管46で連通されている。しかも、両方のタンク20a、20bの水封部(エンジン冷却水の貯留される部分)は、それぞれのタンク下部まで延設された連通管47を介して連通されている。
【0033】
他方のタンク20bの下部は、連通管45を介してラジエータ18の上部18aと接続されている。また、他方のタンク20bの下部と、排気ガス熱交換器33内で且つエンジン冷却水が流れる配管(図示省略)との間には、連通管49が接続されている。ラジエータ18や排気ガス熱交換器33は、エンジン10よりも高所に配置され、冷却水回路内においてエア溜りが発生し易いからである。このように、エア溜りが懸念される場所に気水分離タンクへのエア抜き回路を設置することにより、気水分離を行い冷却水ポンプ32の吸入に際して、エンジン冷却水のみ戻すようになっている。
【0034】
なお、連通管45と49へ過剰にエンジン冷却水が流る事を防止すると共に、冷却水ポンプ32の吸入側の圧力をヘッド圧以下の任意の圧力に調整する為に絞り60および61が配置されている。
【0035】
ただし、冷却水ポンプ吸入部32bの圧力を極端に下げる必要がある場合には、絞り61、60の径を大きくする、又は、連通管45、49からは絞りを取り外し、連通経路50に絞り51を配置する事により回路内の圧力をより低圧に調整する事が可能である。
【0036】
本実施の形態のコージェネレーション装置1は以上の構成からなり、次に、冷却水回路における循環動作について説明する。
【0037】
冷却水ポンプ32を作動させると、冷却水ポンプ32から吐出されるエンジン冷却水が、エンジン10に供給され、エンジン10内を通過する間にシリンダ等各所を冷却することにより温度が上昇し、さらに、排気ガス熱交換器36を通過してサーモスタット35に至る。サーモスタット35では、冷却水温度が所定の温度未満の時には、エンジン冷却水を冷却水ポンプ32に戻す。
【0038】
そして、エンジン冷却水が所定温度以上に達すると、サーモスタット35は、エンジン冷却水を水/水熱交換器37に流す。ここで、給湯の要求があれば、水/水熱交換器37において、エンジン冷却水の熱は、給湯用の2次水側38を流れる水を加熱して外部に取り出されることとなる。そして、水/水熱交換器37での熱交換量に応じてエンジン冷却水のラジエータ18への流量が調整される。熱交換量が多い場合は、電動三方弁34の第1冷却水入口34aの開度が第2冷却水入口34bの開度よりも大きくなり、排熱回収器下流経路39を流れてラジエータ18をバイパスする流量が多くなる。
【0039】
熱交換量が少ない場合は、電動三方弁34の第2冷却水入口34bの開度が第2冷却水入口34aの開度よりも大きくなり、ラジエータ18への流量が多くなる。
【0040】
また、冷却水ポンプ吸引部32bから連通経路50、冷却水タンク20を経て通気管48へ至る経路が大気開放ラインとなるが、冷却水ポンプ吸引部32bより回路内圧力が高いラジエータ18からの連通管45と排気ガス熱交換器33からの連通管49も絞り61、60を経て冷却水タンク20へ合流している事から、冷却水ポンプ吸引部32bの圧力をヘッド圧以下にする事ができる。
【0041】
また、エンジン10の下流に排気ガス熱交換器33を設置することにより、エンジン10の分の圧損低下により、排気ガス熱交換器33に作用する圧力を低下させることが可能となる。
【0042】
電動三方弁34を冷却水回路内において、一番温度が低い場所であるポンプの吸引場所に設置することにより、電動三方弁34の部品としての信頼性が向上する。しかも、信頼性の向上に伴い、電動三方弁34を長期にわたって使用できコストの削減を図ることもできる。
【0043】
エンジン冷却水の温度が上がり、サーモスタット35が高温側に開く状態になっていると、常に全量が水/水熱交換器37を通るため、水/水熱交換器37での熱交換量を水/水熱交換器37の入口側の温度センサ43と出口側の温度センサ44で水温変化を検知すれば演算することが可能となる。そのため、ラジエータ18と水/水熱交換器37を並列に配置して場合と比較すると、熱交換量の算定に当って水/水熱交換器37への経路に流量計が不要となるため、コストの削減が可能となる。或いは、電動三方弁34の水/水熱交換器37との開口比率を使用して水/水熱交換器37への流量を演算する場合と比べて演算負荷を軽減できる。
【0044】
さらに、排気ガス熱交換器33およびラジエータ18のようにエア溜りが懸念される場所に気水分離タンクへのエア抜き回路を設置している。このため、排気ガス熱交換器33およびラジエータ18のエンジン冷却水に混在する気泡は、図4に示すように、連通管49および連通管45を介して、他方のタンク20bに流入する。そして、エアのみが連通管46を介して一方のタンク20aに入り、エアは通気管48を通って大気に放出される。このように、気水分離を行い、エンジン冷却水のみ回路内に戻す構成であるため、ラジエータ18のサイズを小さくできるとともに、冷却水ポンプ32のエアがみも防止できる。なお、一方のタンク20a内のエンジン冷却水は、連通管47を介して他方のタンク20b内に適宜移動する。
【0045】
高温水泡の気水分離を一方のタンク(リザーブタンク)20aとは別の他方のタンク(気水分離タンク)20bで行うことで、リザーブタンクの水温の上昇を防止できる。しかも、リザーブタンクは、水温の上昇を防止できることから、合成樹脂で容易且つ安価に製造することができる。
【0046】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、図1に仮想線で示すように、通気管48を設けた一方のタンク冷却水底面は、他方のタンク底面よりも高所に配置することも可能である。かかる場合には、一方のタンク20a内のエンジン冷却水は、連通管47を介して他方のタンク20b内に容易に移動させることができる。
【0047】
また、本発明は、エンジン駆動式ヒートポンプに採用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコージェネレーション装置のエンジン冷却水回路を示す回路図である。
【図2】同コージェネレーション装置の全体を示す正面斜視図である。
【図3】同コージェネレーション装置の全体を示す背面斜視図である。
【図4】冷却水タンクの概略図である。
【符号の説明】
【0049】
1 コージェネレーション装置
2 パッケージ
10 エンジン
18 ラジエータ
20 冷却水タンク
20a 一方のタンク
20b 他方のタンク
30 エンジン冷却水回路
32 冷却水ポンプ
32a 冷却水ポンプ吐出部
32b 冷却水ポンプ吸引部
33 排気ガス熱交換器
34 電動三方弁
35 サーモスタット
37 水/水熱交換器(排熱回収器)
39 排熱回収器下流経路経
40 ラジエータ下流経路
41 冷却水供給管
42 経路
43 温度センサ
44 温度センサ
45 連通管
46 連通管
47 連通管
48 通気管
49 連通管
50 連通経路
51 絞り
60 絞り
61 絞り

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン冷却水を介してエンジン排熱を供給する排熱回収器と、エンジン冷却水を介してエンジン排熱を放熱するラジエータと、排気ガスからエンジン冷却水へエンジン排熱を供給する排気ガス熱交換器と、エンジン冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有する定置式エンジンの冷却水回路において、
冷却水ポンプ吸引部の上流に圧損機器を配置し、冷却水ポンプ吸引部と大気開放部を連通し、前記圧損機器の上流と前記大気開放部を連通し、前記圧損機器の上流と前記大気開放部との連通経路に絞りを配置し、前記大気開放部を大気と常時連通可能な構成としたことを特徴とする定置式エンジンの冷却水回路。
【請求項2】
前記請求項1に記載の定置式エンジンの冷却水回路において、前記排気ガス熱交換器を前記冷却水ポンプ吐出側で且つ前記エンジン下流に配置したことを特徴とする定置式エンジンの冷却水回路。
【請求項3】
前記請求項1記載の定置式エンジンの冷却水回路において、ラジエータ下流経路と排熱回収器下流経路の合流部に、開度調整可能な電動三方弁を配置したことを特徴とする定置式エンジンの冷却水回路。
【請求項4】
前記請求項1記載の定置式エンジンの冷却水回路において、前記冷却水ポンプ吐出側にサーモスタットを配置し、該サーモスタットの高温側経路に前記排熱回収器を配置し、前記排熱回収器下流にラジエータを配置したことを特徴とする定置式エンジンの冷却水回路。
【請求項5】
前記請求項1記載の定置式エンジンの冷却水回路において、前記大気開放部を冷却水タンクの上部に通気管を設ける構成とし、前記排気ガス熱交換器または前記ラジエータのうちで少なくともいずれか一つの機器及び前記冷却水ポンプ吸引部を、前記冷却水タンクの水封部と連通したことを特徴とする排熱回収器を有する定置式エンジンの冷却水回路。
【請求項6】
前記請求項5記載の定置式エンジンの冷却水回路において、前記冷却水タンクを2つ設ける構成とし、一方のタンクに通気管を設け、且つ一方のタンクと他方のタンクの空気溜り部を連通し、前記排気ガス熱交換器または前記ラジエータのうちで少なくともいずれか一つの機器及び前記冷却水ポンプ吸引部を、他方のタンクの水封部と連通し、一方のタンクと他方のタンクの水封部を連通し、通気管を設けた一方のタンク底面を他方のタンク底面と同一高さまたは高所に配置したことを特徴とする排熱回収器を有する定置式エンジンの冷却水回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−270485(P2009−270485A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121521(P2008−121521)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)