説明

害虫処理及び給水作業を効率良く行える方法及び栽培容器

【課題】従来のビニール栽培袋での菌床きのこ栽培方法は、袋内に発生した不要なきのこ及び腐ったきのこの除去が容易に出来なかった。
そして、害虫の発生する要因となることと、その害虫の除去が難しかった。
又、従来のビニール栽培袋での菌床きのこ栽培方法は菌床への給水作業は1個1個個別に行うため作業時間が掛かることと、水道水のムダが発生する問題点があった。
【解決手段】ビニール栽培袋に替え排水出口付深型栽培容器を使用し菌床をいれる、不要なきのこ及び腐ったきのこと害虫の処理時には菌床を容器から取り出し処理を行う。(ビニール培養袋は菌床を取り出すことが出来ず簡単に処理できない)
又、給水作業は最上段の菌床の上から行い本発明の容器の排水出口まで一杯になり溢れた水が直下段の菌床の上に注がれて上記の工程を繰り返して最下段まで到達したところで給水作業を終了する。
これにより給水作業はほぼ無人で出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菌床しいたけの栽培方法及び容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のビニール袋に替わる栽培方法及び容器に関する特許が出願されている。
【特許文献1】特願2004−16533(P2004−16533)
給水及び保水方法に関する特許が出願されている。
【特許文献2】特願平7−299131
【特許文献3】特願2002−258343(P2002−258343)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の菌床きのこの栽培方法は、ビニール栽培袋で行う方式をとっているため袋内に発生した不要なきのこ及び腐ったきのこの除去が容易に出来ず害虫の発生する要因と、害虫の発生時には完全なる除去が難しかった。
【0004】
従来のビニール栽培袋で行う菌床きのこ栽培方法は菌床への給水作業は1個1個個別に行うため作業時間が掛かることと、水道水のムダが発生する問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ビニール栽培袋に替え排水出口付深型栽培容器を使用しその中に菌床をいれ、不要なきのこ、腐ったきのこ及び害虫の処理時には菌床を容器から取り出して処理を行う。
【発明の効果】
【0006】
給水作業の効率向上のため正面に排水出口を設けた栽培容器に、菌床を入れて発生ハウスの棚に直上段と直下段で排水出口から溢れた水を受けられる様に下に並べる、上段の菌床の上から給水を行うと排水出口より水が溢れて直下段の菌床で水を受けて容器の排水出口まで満杯になると、排水出口から直下段の菌床へ流れ容器に水が入る、これを最下段まで繰り返す。
従って、棚の最上段へ給水及び保水を行うことにより最下段まで給水が出来る。
最上段への給水及び保水は各菌床へ給水管及び保水管で行い最下段が満水になったら終了とする。
【0007】
上述したように、不要なきのこ及び腐ったきのこの処理が簡単に行えることと発生した害虫処理も速やかに行え、良質のきのこの栽培が低コストで出来る。
【0008】
容器の形状に工夫を凝らした本発明により、菌床の乾燥防止(加湿)を目的とした給水作業が1個1個個別給水でなく全菌床に同時に行え給水作業の効率向上と無人で作業が可能となった事で、労務費及び水道水のムダ防止等コスト面で大幅な低減が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図4において容器の構造を説明する。
容器の強度を保持するため容器上面に鍔部1を有し、前面側上部に排水出口部3を設けた深型の箱状の容器である。
【0011】
図5において使用方法を説明する。
図5に示すように、給水管6から出た給水7が最上段の菌床5の上に注がれ、排水出口付深型培養容器4の排水出口3まで水位が上がると排水出口から溢れて直下段の菌床の上に注がれる。
容器4の排水出口まで水位が上がると排水出口から溢れて直下段の菌床の上に注がれる。
上記の水の流れを繰り返して、最下段の排水出口付深型培養容器が満杯になったら給水及び保水を停止する。
これにより従来作業者が個別におこなっていた、給水及び保水作業が無人で行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に関わる容器の平面図
【図2】本発明に関わる容器の正面図
【図3】本発明に関わる容器の側面図
【図4】本発明に関わる容器の斜視図
【図5】本発明に関わる容器の使用状態図
【符号の説明】
【0013】
1 容器上面鍔部
2 容器底部
3 排水出口部
4 排水出口付深型培養容器
5 菌床
6 給水管
7 給水の水の流れ
8 パイプ棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水出口付深型栽培容器による菌床きのこの栽培方法。
【請求項2】
請求項1に記載した排水出口を有した深型栽培容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−330243(P2007−330243A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190951(P2006−190951)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(505318020)農事組合法人水鳥 (1)
【Fターム(参考)】