説明

家具システム

【課題】オフィスの省エネルギー化に寄与することができるシステムを提供する。
【解決手段】家具システムは、複数の単位作業スペース1sを備えたワークステーション1と、このワークステーション1の各単位作業スペース1sに対応させて配された複数の椅子3と、これら各椅子3に設けられ着座状態を検知して着座信号を発する着座検知器と、これら各着座検知器からの着座信号を受信し着座されている椅子3に対応する単位作業スペース1sに関連した作業用器具を非使用状態から使用状態に切り換えるコントローラ4とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の者が執務を好適に行なうために設置される家具システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスにおいて複数の者がそれぞれ割り当てられた単位作業スペースを使いながら、執務を同時に或いは協働して行い易いようにするため、所定の配置がなされた一又は複数のデスクを主体としたワークステーションが用いられている。そしてこのようなワークステーションにおいて用いる照明や電源、場合によっては空調といった作業用器具の使用の可否といった操作は、このワークステーションを設置したオフィス全体、或いは当該ワークステーション毎に行なわれていた。
【0003】
また一方、椅子の座に設けられた着座スイッチによる着座の検知により、着座信号が発信されるとともに、椅子から離間した位置に配された照明器具や空調装置等の作業用器具が、着座信号を検知した受信器に制御され得るという構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。斯かる構成により、着座者が椅子に着座することを離れた箇所で知ることができたり、着座に応じて照明器具や空調装置が適宜作動させたりすることができる。
【0004】
しかしながら、オフィスにおいてはフリーアドレス化や職務形態の多様化といった状況から、着座によってオフィス全体やワークステーション毎に作業用器具を作動させてしまうというこれまでの仕様では、数少ない執務者の執務によってオフィスの大部分の作業機機を作動させてしまうことによる電力といったエネルギーの消費という面から考えると、オフィスにおけるフリーアドレス化や職務形態の多様化に応じて、これまでとは異なる作業用機器の管理が必要なものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2577766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した点に着目したものであり、オフィス内の執務における省エネルギー化に寄与することができるシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち本発明に係る家具システムは、複数の単位作業スペースを備えたワークステーションと、このワークステーションの各単位作業スペースに対応させて配された複数の椅子と、これら各椅子に設けられ着座状態を検知して着座信号を発する着座検知器と、これら各着座検知器からの着座信号を受信し着座されている椅子に対応する単位作業スペースに関連した作業用器具を非使用状態から使用状態に切り換えるコントローラとを具備してなることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、作業用器具を単位作業スペースに関連させて使用状態、非使用状態を切り換えるので、オフィス単位或いはワークステーション単位で作業用器具を作動させてしまうことを回避して執務者の執務状況に応じた対応を採ることができる。その結果、オフィスにおける執務の省エネルギー化に寄与し得るものとなる。
【0010】
そして、執務者が作業を行ないやすく、且つここの単位作業スペースを互いに認識し易いようにするための具体的な態様として、ワークステーションが、1または2以上の単位作業スペースを形成する天板を備えたものを挙げることができる。
【0011】
そして、ワークステーションにおける複数の単位作業スペースと複数の椅子との対応付けが、ワークステーション近辺から椅子を持ち出されることによって乱されることを抑制するためには、ワークステーションが、椅子が配置されている作業ブースを囲うように配されたものであり、その一部に作業ブースへの出入口が形成されるようにすれば良い。
【0012】
また、本発明に係る作業用器具とは、単位作業スペースを照らすための照明器具には限られない。つまり、本発明に係る家具システムは、作業用器具として、照明器具の他に、通常のプラグ式のものや給電レールという形で他の電気器具に給電し得るものを含める意味でのコンセント、さらには、作業スペース毎に対応した個別空調装置の少なくとも一つを含むものであれば望ましい。
【0013】
そして、執務者の椅子への着座を確実に検知し得る着座検知機の具体的な態様として、当該着座検知器が、前記椅子の座に配された複数のスイッチと、これらスイッチの少なくとも一つが着座者からの荷重を受けて切り換わった際に前記着座信号を発する送信器とを備えたものである態様を挙げることができる。
【0014】
また、当該着座検知機が正しく作動しているか否かをワークステーションの執務者によって容易に確認し得るものとするためには、着座検知器を、着座信号が発せられている際に前記椅子の一部から発光するパイロットランプを備えたものとしておくことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、執務者が作業する単位作業スペース以外の作業用器具オフィスにおける執務の省エネルギー化に寄与し得る家具システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る平面図。
【図2】同実施形態に係る要部の外観図。
【図3】同要部の他の外観図。
【図4】同要部の構成説明図。
【図5】同要部の分解図。
【図6】同実施形態に係るブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る家具システムは、例えば、オフィス空間内の所定位置に位置付けられた作業ブースBを形成しているワークステーション1を主体とするものである。
【0019】
当該家具システムは、図1に示すように、例えば平面視馬蹄形状にデスク10の天板13が配されるようにデスク10を配列させることによって形成されたワークステーション1に適用したものである。この作業ブースB内で執務を行なう執務者は、天板13同士の間に形成された単一の出入口STから作業ブースB内へ入り、執務を行なう。
【0020】
ここで、本実施形態に係る家具システムは、複数の単位作業スペース1sを備えたワークステーション1と、このワークステーション1の各単位作業スペース1sに対応させて配された複数の椅子3と、これら各椅子3に設けられ執務者の着座を検知して着座信号を発する着座検知器2と、これら各着座検知器2からの着座信号を受信し着座されている椅子3に対応する単位作業スペース1sに関連した作業用器具たる照明器具15を非使用状態である消灯状態から使用状態である点灯状態に切り換えるコントローラ4とを具備してなることを特徴とする。
【0021】
以下、本実施形態に係る家具システムを構成する、ワークステーション1、着座検知器2、椅子3、そしてコントローラ4といった各構成要素について説明する。
【0022】
ワークステーション1は、平面視湾曲帯状をなす二つのデスク10の端部を互いに付き合わせることによって平面視馬蹄形状、換言すれば部分円周形状を形成することによって、当該馬蹄形状の内部に作業ブースBを形成するとともに、開放箇所を出入口STに設定したものである。デスク10は、円周方向に直交する方向に配された複数のパネル脚11と、これらパネル脚11同士を外縁にて連結する幕板12と、前記パネル脚11に支持されるとともに幕板12よりも上に位置付けられた天板13と、前記幕板12から天板13よりも上方に延出させて設けた例えば透明又は半透明板からなるデスクトップパネル14と、そしてこのデスクトップパネル14の上縁に位置付けられた、本発明に係る作業用器具たる照明器具15とを有している。天板13は、本実施形態では、1つの天板13あたり図1で破線で区切られた4つの単位作業スペース1sを構成している。つまりこのワークステーション1は、8人が同時に執務を行えるよう8つの単位作業スペース1sを有している。そして本実施形態では、これら8つの単位作業用スペースに応じて8つの照明器具15が備えられており、後述の通り、この単位作業スペース1sごとに照明器具15の入切すなわち点灯状態/消灯状態が切り換わるようになっている。一方、このワークステーション1の平面視の形状は、上述の通り作業ブースBを包囲する平面視馬蹄形状をなしているので、出入口STを介して作業ブースB外へ各椅子3を持ち出し難いようにして、椅子3が単位作業スペース1sに対して過度に遠い距離へ運ばれ難いようにしている。
【0023】
椅子3は、図1及び図2に示すように、ワークステーション1の各単位作業スペース1sに対応させて、本実施形態では計8つ配されている。これら8つの椅子3は本実施形態では同じ構造をなしている。この椅子3の構成を図3ないし図5に示して説明する。椅子3は、キャスタ35によって移動可能に構成された、所謂事務用回転椅子であり、同図に示すように、床面を移動し得るキャスタ35を具備した脚体31と、この脚体31の上端に支持された支持基部32と、この支持基部32に対して動作可能に支持された座33並びに背凭れ34とを有したものである。そして本実施形態では、図4に示すように支持基部32の上部に着座検知器2の主体をなす検知器本体20を設置するための検知器設置部36を設けている。加えて座33においては図5に示すように、座クッション37の上面に設けられた溝部39と当該座クッション37を覆う張り地38との間に、後述するスイッチ21を二つ設置し得るように構成している。
【0024】
着座検知器2は、図2ないし図6に示すように、上記の各椅子3に設けられたものであり、執務者の着座、すなわち、座33への荷重を検知するためのスイッチ21と、このスイッチ21が検知した座33への荷重を着座信号として外部へ送信する送信器22と、座33への荷重に伴って背凭れ34の一部を発光させるためのパイロットランプ23とを有している。
【0025】
そして本実施形態では、着座検知器2は、複数すなわち二つのスイッチ21を具備し、これら複数のスイッチ21を、図5に示すようにそれぞれ前後に離間させて配して、何れかのスイッチ21が荷重を検知すれば、着座信号を送信し得るように構成している。具体的には、これら複数のスイッチ21は、座クッション37に設けられた溝部39に収容されるとともに、座クッション37もろとも張り地38に覆われることで、外見上目立たないように隠蔽されて配されている。詳細には、これらスイッチ21にはさらに複数すなわち4つのボタン24が配されており、これら4つのボタン24のうち1つでも押圧されると、スイッチ21が荷重を検知するようになっている。換言すれば、スイッチ21は、前後に分散させて配置された計8つのボタン24のうち何れかが押圧されれば着座信号を送信し得るようになっている。これにより、着座者の姿勢変更などによっていずれかのボタン24において荷重が掛からなくなっても誤って着座を認識しなくなるという不具合を有効に回避している。
【0026】
送信器22は、図4に示すように検知器設置部36上に配された検知器本体20に内蔵されているものであり、上記二つのスイッチ21の少なくとも一つが着座者からの荷重を受けて切り換わった際に前記着座信号を発するものである。具体的には、上記8つのボタン24のうち何れかが押圧されている状態では、着座信号を10秒毎に一回、例えば一秒未満の時間だけ間欠的に送信するようになっている。これにより、執務者が着座中の場合、常に着座信号を送信し続ける態様とするよりも、消費電力が低減され得るようにしている。また送信器22が着座信号を送信するタイミングは、スイッチ21が荷重を受けた瞬間のタイミングとしても良いが、勿論、スイッチ21が着座を受けてから10秒以内に、送信器22が予め10秒毎に設定している所定のタイミングで送信する態様としても良い。
【0027】
パイロットランプ23は、着座信号が発せられている際に前記椅子3の一部、詳細には背凭れ34の後側の一部から発光するようにしているものである。当該パイロットランプ23を設けることにより、着座検知器2の動作が正常であるか否かの判別を各執務者によって容易に行なうことができるので、万が一着座検知器2の動作に不具合が発生した場合にも、何れかの執務者によって速やかに対応することが可能となる。このパイロットランプ23が点灯する態様は、スイッチ21による荷重の検知によりそのままパイロットランプ23に通電される態様としても、着座者の一時的な離席や姿勢変更によって起こる不要な点滅を回避するために、間欠的に送信される着座信号が送信されたタイミングから10秒間以上の時間継続して点灯し続ける態様としても良い。なお送信器22を内蔵している検知器本体20には、送信器22並びにパイロットランプ23に給電する為の図示しないバッテリ等、他の構成要素も内蔵されているが、本実施形態ではその詳細な説明は省略するものとする。
【0028】
コントローラ4は、着座検知器2からの着座信号を受信し着座されている椅子3に対応する単位作業スペース1sに関連した作業用器具たる照明器具15を、非使用状態である消灯状態から使用状態である点灯状態に切り換えて、単位作業スペース1sにて好適に作業を行なうに足る明るさを提供するためのものである。このコントローラ4は、その一例として、図1のように一方のデスク10の内部に載置されているように図示しているが、勿論ワークステーション1外の別の位置に設置して、隣接する他のワークステーション1とも関連付ける態様としたり、オフィス内の全てのワークステーション1に対して一括して関連付けたりしたものであっても良い。次に当該コントローラ4の構成について説明する。
【0029】
コントローラ4は、図6に示すように、着座信号を受信し得る受信器41と、受信器41が受信した着座信号がどの単位作業スペース1sに関連付けられた着座信号かを判別する判別回路42と、上述の通り間欠的に送信される着座信号から、対応する照明器具15の点灯状態/消灯状態を決定する待機回路43と、この待機回路43の決定に従って各単位作業スペース1sに対応付けて配置された各照明器具15をそれぞれ使用状態である点灯状態と非使用状態である非使用状態との間で切り換える切換回路44とを有している。
【0030】
受信器41は、送信回路から10秒毎に間欠的に送信される着座信号を受信するものであるが、これら送信器22及び受信器41が無線で通信する周波数やデータ処理に関する態様は、既存の通信方式のうち何れかに準拠したものであるため、本実施形態では詳細な説明を省略するものとする。
【0031】
判別回路42は、受信した着座信号に対応する照明器具15を特定するためのものであり、本実施形態では一例として、単位作業スペース1sに位置付けられた照明器具15と椅子3とを1:1で関連付けるようにしている。しかし判別回路42による椅子3と照明器具15との関連付けはこのような1:1に限られるものでは無い。例えば、何れかの椅子3の着座信号の有無により何れか一方のデスク10が有する4つの照明器具15が点灯或いは消灯するようにしても良い。そのほか、例えば着座信号を送信した椅子3から最も近接する単位作業スペース1sにある照明器具15が点灯するようにしても良い。
【0032】
待機回路43は、10秒毎に受信される着座信号の1回の受信により10秒以上照明器具15が点灯するようにするものである。これにより、着座者の一時的な離席や姿勢変更によって一時的にスイッチ21への荷重が無くなったとしても照明器具15が安定して点灯状態を維持し得るようにしている。
【0033】
切換回路44は、前記判別回路42・待機回路43の作動に応じて上述の通りワークステーション1が有する8つの照明器具15の点灯状態/消灯状態をそれぞれ切り換えるものであるが、これら切り換えの具体的な態様は、8つの照明器具15への通電を直接制御する態様としても、間接的に制御する態様としても良い。照明器具15への通電を間接的に制御するとは、例えば予め電源に接続されたこれら8つの照明器具15の点灯状態/消灯状態を例えば遠隔操作等により制御するような態様である。
【0034】
上記のように説明した構成の家具システムにおいて、例えば執務者が何れか1つの椅子3に着座した場合、二つのスイッチ21のうち何れか1つのスイッチ21に設けられた4のうちの何れかのボタン24が押圧された後、当該椅子3のパイロットランプ23が点滅するとともに、10秒に1回間欠的に着座信号が送信される。送信された着座信号が受信器41によって受信されると、判別回路42がどの単位作業スペース1sに対応する着座信号であるかを判別する。併せて、待機回路43が作業用器具である照明器具15を10秒以上の間点灯させるとともに、10秒以上の間着座信号の受信が無い場合は照明器具15を消灯するよう決定する。そして切り換え回路が待機回路43の決定に従って照明器具15の点灯状態/消灯状態を切り換える。このようにして、執務者が椅子3に着座すれば、執務者自身の単位作業スペース1sは照明器具15によって明るく照らされることになり、執務者は着座してから、スムーズに執務を始めることができる。
【0035】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る家具システムは、作業用器具たる照明器具15を単位作業スペース1sに関連させて使用状態、非使用状態を切り換えるので、オフィス単位或いはワークステーション1単位で作業用器具を作動させてしまうことを回避して執務者の執務状況に応じた対応を採ることができるので、その結果、オフィスにおける執務の省エネルギー化に寄与し得るものとなっている。
【0036】
そして本実施形態では、単位作業スペース1sを、デスク10が具備している天板13に基づいて位置付けられているので、執務者はワークステーション1内で執務者自身の作業位置を容易に認識しスムーズに執務を始めることができる。
【0037】
そして、ワークステーション1における複数の単位作業スペース1sと複数の椅子3との対応付けが、ワークステーション1近辺から椅子3を持ち出されることによって乱されることを抑制するために本実施形態では、ワークステーション1が、椅子3が配置されている作業ブースBを囲うように配されたものであり、その一部に作業ブースBへの出入口STが形成されるようにしている。
【0038】
また、本発明に係る作業用器具とは、単位作業スペース1sを照らすための照明器具15には限られず、コンセントや単位作業スペース1sだけ作用する個別空調装置を適用しても良いが、その一例として照明器具15としているので、執務者は単位作業スペース1sの所在は範囲を認識し易く、且つ照明器具15で照らされた領域を利用して速やかに執務を行ない得るようになっている。
【0039】
そして本実施形態では、着座検知器2が、前記椅子3の座33に配された複数のスイッチ21と、これらスイッチ21の少なくとも一つが着座者からの荷重を受けて切り換わるようにして、着座者の着座中の姿勢変更によって誤って着座信号を送信しなくなるという不具合を有効に回避している。これに加えて本実施形態では10秒毎に間欠的に送信される着座信号の受信により照明器具15が10秒以上点灯状態となる構成を適用することで、執務者の一時的な離席や大きな姿勢変更によって着座信号が送信されないときがあっても、照明器具15が一次的に消灯状態となって執務者の執務に支障を来たしてしまうという不具合を有効に回避している。
【0040】
また、本実施形態では執務者の着座によって背凭れ34の一部が点灯するパイロットランプ23を着座検知器2が備えていることにより、当該着座検知器2が正しく作動しているか否かをワークステーション1の執務者によって容易に確認し得るものとなっている。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では平面視馬蹄形状に天板を配置したワークステーションを主体とした態様を開示したが、一部を出入口STとして内部に作業ブースBを形成した平面視ロ字形状としても良く、勿論、島形のデスク配置や他の種々の平面視形状をなすワークステーションや、天板を適宜移動させ得る態様のワークステーションを利用して本発明を構成しても良い。また、一つの単位作業スペース1sを備えた単位デスクを複数組み合わせてワークステーションを構成しても良い。さらに作業用器具が、照明器具ではなく、電源コンセントや個別空調装置とした場合は、1回の着座信号を受信してからこれら作業用器具を使用状態とする時間は10秒に限られることはなく、例えば30分間や1時間に設定するようにしたりしてもよい。勿論、これら複数種類の作業用器具を同時に適用した家具システムとしても良い。また、着座検知器を椅子に設置する具体的な態様や作業用器具やコントローラの配置といった具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
【0043】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は複数の者が執務を好適に行なうために設置される家具システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1…ワークステーション
1s…単位作業スペース
13…天板
15…作業用器具(照明器具)
2…着座検知器
21…スイッチ
22…送信器
23…パイロットランプ
3…椅子
33…座
4…コントローラ
B…作業ブース
ST…出入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単位作業スペースを備えたワークステーションと、
このワークステーションの各単位作業スペースに対応させて配された複数の椅子と、
これら各椅子に設けられ着座状態を検知して着座信号を発する着座検知器と、
これら各着座検知器からの着座信号を受信し着座されている椅子に対応する単位作業スペースに関連した作業用器具を非使用状態から使用状態に切り換えるコントローラとを具備してなることを特徴とする家具システム。
【請求項2】
前記ワークステーションが、1または2以上の前記単位作業スペースを形成する天板を備えたものである請求項1記載の家具システム。
【請求項3】
前記ワークステーションが、前記椅子が配置されている作業ブースを囲うように配されたものであり、その一部に作業ブースへの出入口が形成されている請求項1または2記載の家具システム。
【請求項4】
前記作業用器具が、照明器具、コンセント、個別空調装置の少なくとも一つを含むものである請求項1、2または3記載の家具システム。
【請求項5】
前記着座検知器が、前記椅子の座に配された複数のスイッチと、これらスイッチの少なくとも一つが着座者からの荷重を受けて切り換わった際に前記着座信号を発する送信器とを備えたものである請求項1、2、3または4記載の家具システム。
【請求項6】
前記着座検知器が、前記着座信号が発せられている際に前記椅子の一部から発光するパイロットランプを備えている請求項1、2、3、4または5記載の家具システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−100902(P2012−100902A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252431(P2010−252431)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】