説明

家具調コタツ

【課題】 優れた高級感を有し、しかも、重量の上昇を効果的に抑えることのできる家具調コタツを提供する。
【解決手段】 家具調コタツ1を、4隅にそれぞれ支持脚部3を配置した中天部5と、この中天部5上に載せる天板部7と、を備えたものとしておく。天板部7を、天板用枠部及び表面プレートから構成し、中天部5を、中天用枠部、中天用枠部の上面を覆う上面プレート及び中天用枠部の下面を覆う下面プレートから構成し、下面プレート側にヒータを取り付ける。中天部5の中天用枠部内に梁材を配置しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コタツとしてもテーブルとしても使用できる家具調コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
家具調コタツは、コタツ布団を用いてコタツとして使用されるが、コタツ布団を用いないでテーブルとしても使用できるように構成されている。このような家具調コタツは、例えば特許文献1に記載されているように、ヒータを有する中天部と、この中天部の4隅を支える支持脚部と、コタツ布団を介して、あるいはコタツ布団を介さずに前記中天部に載せられる天板部と、を備えている。中天部は、四角形状に配置されて組み合わされた枠材と、この枠材の内側に配置されて組み合わされた梁材と、から構成されている。
【0003】
【特許文献1】登録第3013721号実用新案公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の家具調コタツでは、中天部が露出した骨格構造となっているので、テーブルとして使用するときに、中天部が天板部で覆われているといっても、重厚感あるいは高級感に欠ける印象を与えやすい。ここで、中天部を中実状のプレート体として形成すれば、重厚感は得られるが、家具調コタツの重量が大幅に上昇する。
【0005】
また、家具調コタツでは、天板部の重厚性も高級感を与えるために重要であるが、天板部を厚肉にする場合には、中天部もそれに見合った厚さに形成しないと、家具調コタツがアンバランスなものとなってしまう。しかしながら、天板部も中天部もともに厚く形成すると、家具調コタツの重量が大きくなりすぎる。
【0006】
そこで本発明は、優れた高級感を有し、しかも、重量の上昇を効果的に抑えることのできる家具調コタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための本発明の家具調コタツは、ヒータを有する中天部(中板部)と、この中天部の4隅を支える支持脚部と、コタツ布団を介して、あるいはコタツ布団を介さずに前記中天部に載せられる天板部と、を具備する家具調コタツであって、前記中天部は、四角形状に配置された第1の枠材、そして例えばこの第1の枠材の内側に配置された梁材、を有する第1の枠部と、この第1の枠部の上面を覆う上面プレートと、前記第1の枠部の下面を覆う下面プレートと、を備え、前記天板部は、四角形状に配置された第2の枠材を有する第2の枠部と、この第2の枠部の上下両面側に取り付けられた表面プレートと、を備え、例えば内部にシート状の補強部材が収容されているものである。ここでは、中天部を厚板状の外観を備えるように形成できるが、中天部は中空状に、あるいは概略中空状に又は中空部を有して形成されるので、中天部の重量が過大となることはない。梁材を設ければ、この梁材は中天部を補強する。また、天板部も中空状に、あるいは概略中空状に又は中空部を有して形成されるので、天板部を厚く形成しても重量が過大となることはない。中天部は、例えば天板部のほぼ2倍の厚さを有するように形成される。天板部の中空内部にシート状の補強部材を収容すれば、高い強度が確保される。ヒータは、例えば上端が下面プレートの裏面に固定されて取り付けられる。
【0008】
梁材は、第1の枠材の内側にヒータ収容部を区画するように配置することができる。そして、下面プレートを、ヒータ収容部で開口するように形成し(ヒータ収容部で開口して開口を有するように形成し)、ヒータをこの下面プレートの前記開口から前記ヒータ収容部に収容して取り付けることができる。ヒータは、下端部が下面プレートから下側に突出するように、あるいは、下端面が下面プレートの下面と同一又はほぼ同一高さ位置となるように、または、上端側がヒーター収容部内に入り込むように、ヒータ収容部に収容されて取り付けられる。これにより、簡単な構成で、ヒータの中天部から下側への突出量を小さくすることができる。
【0009】
第1の枠材を、2つの枠材セグメントを上下に接合して形成し、梁材を、2つの梁材セグメントを上下に接合して形成することにより、十分な厚さの中天部を簡単に構成することができる。
【0010】
梁材を、第1の枠材の内側に付属品収容部を区画するように配置し、上面プレートを、付属品収容部で開口するように形成することができる。このように構成すれば、テーブルとして使用するときに不必要となるヒータの電源コードなどの附属品を、テーブルに、かつ、外部から見えないように、収納しておくことができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明の家具調コタツは、重厚な高級感を有するものでありながら、軽量に構成することができるものである。
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明に係る家具調コタツの斜視図、図2は天板部の分解斜視図、図3は中天部の分解斜視図、図4はヒータ部分の構造を説明する図である。
【0014】
家具調コタツ1は、4隅がそれぞれ支持脚部3で支えられた長方形状の中天部5上に、中天部5とほぼ同一の長方形状の天板部7を載せることにより構成されていて、天板部7は、コタツとして使用する場合には、コタツ布団を介して中天部5上に載せられ、テーブルとして使用する場合には、中天部5上に直接載せられる(図1の状態)。
【0015】
天板部7は、天板用角材(第2の枠材)9を組み合わせて形成された長方形状の天板用枠部(第2の枠部)11と、この天板用枠部11内に配置されたハニカム紙13と、天板用枠部11の上下両面側に固定して設けられた表面プレート15、15と、から構成されていて、天板用枠部11の角部内側には、天板用枠部11(天板用角材9)と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒17が固定されている。ハニカム紙13は、補強駒17が設けられた天板用枠部11の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用枠部11(天板用角材9)と同一又はほぼ同一の厚みを有している。
【0016】
中天部5は、中天用角材(第1の枠材)21を組み合わせて形成された長方形状の中天用枠部(第1の枠部)23と、この中天用枠部23の上面側に固定して設けられた、中天用枠部23の上面を覆う上面プレート25と、中天用枠部23の下面側に固定して設けられた、中天用枠部23の下面を覆う下面プレート27と、から構成されていて、下面プレート27側にヒータ29が取り付けられている。中天用枠部23には、枠部23内を長辺方向で三等分又はほぼ三等分するように、2本の縦梁角材(梁材)31、31が長辺側の中天用角材21、21(横角材21、21)間に固定されて配置されていて、この2本の縦梁角材31、31間には、一方の横角材21の側に偏って横梁角材(梁材)33が組み合わされて固定されている。中天用角材21と梁角材31、33とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、中天用枠部23の角部内側には、中天用枠部23(中天用角材21)と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒35が固定されている。
【0017】
中天用角材21はそれぞれ、同一形状の2枚の薄板材(枠材セグメント)37、37を上下に接着することにより形成され、梁角材31、33もそれぞれ、
同一形状の2枚の薄板材(梁材セグメント)39、39、41、41を上下に接着することにより形成されている。中天用角材21は、天板用角材の2倍又はほぼ2倍の厚みを有している。
【0018】
上面プレート25には、縦梁角材31、31、横梁角材33及び一方の横角材21により中天用枠部23内に区画された附属品収容部43に対応して、収容開口45が形成されていて、収容開口45は、附属品収容部43と同一又はほぼ同一の形状(平面形状)を有している。また、下面プレート27には、縦梁角材31、31、横梁角材33及び他方の横角材21により中天用枠部23内に区画されたヒータ収容部47に対応して、取り付け開口49が形成されていて、取り付け開口49は、ヒータ収容部47と同一又はほぼ同一の形状(平面形状)を有している。
【0019】
ヒータ29には側面部に複数の取り付け片51が設けられていて、この取り付け片51が、例えばボルトネジにより、下面プレート27の裏面の取り付け開口49周縁部に固定されることにより、ヒータ29は、下端部が下面プレート27の裏面から下側に若干突出する状態で、ヒータ収容部47内に収容されて下面プレート27に取り付けられている。ヒータ29は、横梁角材33に隣接するようにヒータ収容部47内に収容されて中天部5の中央に位置している。なお、ヒータ収容部47には、ヒータ29と他方の横角材21との間にスペースが形成されている。
【0020】
天板部7の4隅はアール状に形成されているが、中天部5の4隅は、縦方向及び横方向と交わる方向に延びる(例えば縦方向及び横方向と45度の角度をなす)平面(隅部外面53参照)によって角が切り落とされたような形状を有している。
【0021】
図5は支持脚部3の詳細を示すための斜視図、図6は支持脚部3による中天部5の支持構造を説明する図である。
【0022】
支持脚部3は、3枚の脚部用プレート55、57、59を厚さ方向に接着することにより形成されていて、断面弓形状の外側部61と、断面長方形状の内側部63と、を有している。支持脚部3の上端部では、外側部61が内側部63よりも、中天部5の厚み分又はほぼ厚み分だけ上方に突出していて、内側部63の支持上端面65と、内側部63よりも上方に突出している外側部61の部分の支持内面67と、により支持受け部69が形成されている。内側部63の内面には、高さ方向全長にわたってV字状の接続溝71が設けられていて、支持脚部3に巻き付けるように貼り付けられた化粧紙(特に図5では図示せず)の両端部をこの接続溝71内に入り込ませることにより、化粧紙の端部がめくれ上がらないようにしている。なお、通常は、中天部5及び天板部7にも化粧紙が貼り付けられるが、特に図2及び図3では図示されていない。
【0023】
中天部5は、隅部外面53(図6(a)参照:図6(a)は中天部5と支持脚部3とを分離して示す図)が支持内面67と接触状態(接触直前の状態を含む)となり、隅部裏面が支持上端面65上に載るように、隅部が支持脚部3の支持受け部69内に配置され、支持受け部69に固定されることにより、支持脚部3により支持されている(図6(b)参照:図6(b)は中天部5に支持脚部3を固定して示す図)。隅部外面53と支持内面67とは同一の又はほぼ同一の長方形状を有している。中天部5の隅部は、隅部に設けられたボルト孔(例えば、中天部5を組み立てた後に開けられる)にボルト73を通し、支持上端面65に形成されたネジ孔75にネジ込むことにより、支持受け部69に固定されている。なお、図5中符号77はダボ穴を示している。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の家具調コタツは、比較的安価に製造できるものでありながら、十分な高級感を演出するものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る家具調コタツの斜視図である。
【図2】天板部の分解斜視図である。
【図3】中天部の分解斜視図である。
【図4】ヒータ部分の構造を説明する図である。
【図5】支持脚部の詳細を示すための斜視図である。
【図6】支持脚部による中天部の支持構造を説明する図である。
【符号の説明】
【0026】
1 家具調コタツ
3 支持脚部
5 中天部
7 天板部
9 天板用角材(第2の枠材)
11 天板用枠部(第2の枠部)
15 表面プレート
21 中天用角材(第1の枠材)
23 中天用枠部(第1の枠部)
25 上面プレート
27 下面プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータを有する中天部と、この中天部の4隅を支える支持脚部と、コタツ布団を介して、あるいはコタツ布団を介さずに前記中天部に載せられる天板部と、を具備する家具調コタツであって、
前記中天部は、四角形状に配置された第1の枠材及びこの第1の枠材の内側に配置された梁材を有する第1の枠部と、この第1の枠部の上面を覆う上面プレートと、前記第1の枠部の下面を覆う下面プレートと、を備え、
前記天板部は、四角形状に配置された第2の枠材を有する第2の枠部と、この第2の枠部の上下両面側に取り付けられた表面プレートと、を備え、内部にシート状の補強部材が収容されている、ことを特徴とする家具調コタツ。
【請求項2】
前記梁材は、前記第1の枠材の内側にヒータ収容部を区画するように配置されていて、
前記下面プレートは、前記ヒータ収容部で開口し、前記ヒータはこの下面プレートの前記開口から前記ヒータ収容部に収容されて取り付けられている、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項3】
前記第1の枠材は、2つの枠材セグメントを上下に接合して形成され、前記梁材は、2つの梁材セグメントを上下に接合して形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の家具調コタツ。
【請求項4】
前記梁材は、前記第1の枠材の内側に付属品収容部を区画するように配置されていて、前記上面プレートは、前記付属品収容部で開口している、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の家具調コタツ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−40572(P2007−40572A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−223442(P2005−223442)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【出願人】(300078338)静和貿易株式会社 (6)
【Fターム(参考)】