家具調コタツ
【課題】暖房器具として使用するときのヒーターの取付高さを適切なものとしておき、しかも、テーブルとして使用するときに棚を構成できるようにする。
【解決手段】コタツ櫓の天井部5を、長方形状の側壁枠部11を用いて形成した上面開放の収容部15内に、長方形状の天井プレート17を収容して構成する。テーブルとして使用する場合は、収容部15から天井プレート17を取り出し、側壁枠部11上に天板7を直接載せる。そして、取り出した天井プレート17を、支持脚3の内側の高さ方向中間に配置して棚部を構成する。収容部15の下面側にヒーター31を取り付けておく。
【解決手段】コタツ櫓の天井部5を、長方形状の側壁枠部11を用いて形成した上面開放の収容部15内に、長方形状の天井プレート17を収容して構成する。テーブルとして使用する場合は、収容部15から天井プレート17を取り出し、側壁枠部11上に天板7を直接載せる。そして、取り出した天井プレート17を、支持脚3の内側の高さ方向中間に配置して棚部を構成する。収容部15の下面側にヒーター31を取り付けておく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冬季は暖房器具として使用でき、夏季などにはテーブルとして使用できる家具調コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房用の器具であるコタツは、天井部の外周部分を支持脚で支えたコタツ櫓にコタツ布団を掛け、天板を載せて構成し、コタツ布団の中に例えば下半身を入れて使用する。そして、コタツ櫓にはヒーターが設けられていて、このヒーターによりコタツ布団の中が暖房される。
【0003】
こういった構造のコタツは、夏季などにコタツ布団を取り除きテーブルとして使用できる体裁を施されて家具調コタツに仕上げられる場合がある。
【0004】
家具調コタツとしては、例えば特許文献1に記載されているように、ヒーター(4)を有する取付板(3)をコタツ櫓(1)の支持脚(5)に沿って上下動可能に配置したものが知られている。このような構成の家具調コタツでは、取付板(3)が天板(2)とともにコタツ櫓(1)の天井部を構成するように、この取付板(3)を上方に移動させて暖房器具として使用し、また、取付板(3)が棚部を構成するようにこの取付板(3)を下方に移動させてテーブルとして使用することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−83357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の家具調コタツでは、暖房器具としての使用時に、下面にヒーター(4)が設けられた取付板(3)を天板(2)の下側に位置させるので、ヒーター(4)が、コタツ布団の中に入れた下半身に接近しすぎて、快適な暖房状態を確保しにくいといった問題が生じるおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、従来の家具調コタツが有するこういった問題を解消した新規な家具調コタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明の家具調コタツは、下面側にヒーターを有する天井部と、この天井部の外周部分に設けられた支持脚と、前記天井部に被せられたコタツ布団上に載せられる天板と、を備えたコタツであって、前記天井部は、上面開放の収容部と、上面の開放部(上面開口)から取り出せるように、前記収容部内に収容された天井プレートと、を有し、前記支持脚は、前記天井部の下方で、内側に配置された前記天井プレートを支えることができるように構成され、前記収容部は、前記天板を直接載置できるように形成されているものである。暖房器具として使用する場合には、天井プレートを収容部に収めたままで、天井部にコタツ布団を掛け、コタツ布団の上に、あるいは、コタツ布団を介して天井部の上に天板を載置する。ヒーターは、例えば、天井プレートの下面に設けられるが、天井プレートは、上面開放の収容部に収容されているので、ヒーターが下側に位置しすぎるといったことはない。また、ヒーターは収容部に設けることもできるが、この場合には、ヒーターの取付高さを適当に設定できる。テーブルとして使用する場合には、天井プレートを収容部内から取り出し、支持脚の高さ方向中間で、すなわち収容部の下方で、支持脚の内側に棚として配置するとともに、収容部上に天板を載せる。テーブルとして使用する場合にも、天井プレートを収容部に収めたままで、天井部又は収容部上に天板を載置してもよい。
【0009】
ヒーターを収容部に設けておけば、天井プレートを移動させるときにヒーターを傷付けやすいといったことがなくなる。
【0010】
例えば収容部は、一対の縦部材(例えば縦角材)及び一対の横部材(例えば横角材)を有する4角形状の側壁枠部を備えるように構成される。そして、縦部材及び横部材の端部同士を、連結部材を用いて連結することができる。ここで、連結部材(例えばプラスチック製とすることができる)を、縦方向内側面に縦方向嵌め込み固定孔を有するとともに、横方向内側面に横方向嵌め込み固定孔を有し、縦方向嵌め込み固定孔に縦部材の端部を嵌め込み、横方向嵌め込み固定孔に横部材の端部を嵌め込むことにより、縦部材及び横部材の端部同士を連結するように形成しておけば、収容部又はコタツ櫓を安価に構成できる。そして、支持脚を、支持脚本体と、この支持脚本体の上端面の外側縁部から上方に突出するカバー部(例えば薄肉状のカバー部)と、を有し、カバー部が連結部材の外面又は外側面(例えば縦方向外側面及び横方向外側面)を覆って連結部材に取り付けられるように構成しておけば、連結部材の外側面から固定ビスを縦部材及び横部材にねじ込んで縦部材及び横部材を連結部材に固定するような場合でも、固定ビスなどをカバー部で隠すことができるので、特にテーブルとして使用する場合の外観を損なうといったことがない。
【0011】
側壁枠部は、内部に補強部材を配置して補強されるのが好ましい。しかしながら、補強部材を縦横に配置するとコスト高となってしまう。したがって、縦補強部材(例えば縦補強角材)及び横補強部材(例えば横補強角材)のいずれか一方の補強部材のみを2本使用し、この補強部材を、L型金具を用いて側壁枠部に強固に固定し、一方の補強部材だけでも十分な補強効果が達成されるように構成するのが得策である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の家具調コタツでは、テーブルとして使用するときに棚を構成でき、しかも、暖房器具として使用するときのヒーターの取付高さを適切なものとしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図3】図1に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図4】図3に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図5】天板の分解斜視図である。
【図6】天井プレートの分解斜視図である。
【図7】天井プレートの面取り部箇所の拡大図である。
【図8】支持ピンを示す図である。
【図9】収容部及び支持脚の組立体の分解斜視図である。
【図10】支持脚を示す図である。
【図11】収容部及び支持脚の部分拡大分解斜視図である。
【図12】収容部及び支持脚の部分拡大組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図、図2は本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図3は図1に示す家具調コタツの分解斜視図、図4は図2に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【0016】
家具調コタツ1は、4隅がそれぞれ支持脚3で支えられた長方形状の天井部5上に、天井部5と同一又はほぼ同一の長方形状の天板7を載せることにより構成されていて、天板7は、家具調コタツ1を暖房器具として使用する場合(図1の場合)には、コタツ布団9を介して天井部5上に載せられ、テーブルとして使用する場合(図2の場合)には、天井部5(天井プレート17を取り出した天井部5、すなわち収容部15:図3も参照)に直接載せられる。
【0017】
図3に示すように、天井部5は、長方形状の側壁枠部11の内側に、長辺方向中間で、短辺方向に延びる2本の補強角材(縦補強部材)13を取り付けることにより形成された、上面開放(上面完全開口)の収容部15と、この収容部15内に収容された、側壁枠部11の内側形状とほぼ等しい長方形状に形成された天井プレート17と、を有し、側壁枠部11は、一対の長辺枠角材(横部材)19と一対の短辺枠角材(縦部材)21とを用い、長辺枠角材19の端部と短辺枠角材21の端部とを直方体状のプラスチック製連結部材23で直交するように連結して形成されていて、支持脚3は、断面正方形状又は矩形状に形成され、側壁枠部11の4隅に配置されたこの連結部材23に取り付けられている。補強角材13は、両端部がL型金具24を用いて長辺枠角材19に固定されている。天井プレート17の4隅には面取りが施されて面取り部25が形成され、連結部材23の内側角部にも、天井プレート17の面取りに対応して面取りが施され、天井プレート17の面取り部25に対応する面取り部27が形成されている。天井プレート17は、面取り部25が連結部材23の面取り部27と接触又は接近し、それぞれの連結部材23の面取り部27にねじ込んで取り付けた支持ピン29に4隅あるいは4隅下側が支えられた状態で収容部15内に配置されている。支持ピン29に支えられた天井プレート17の上面は、側壁枠部11の上面と同一又はほぼ同一の高さに位置している。
【0018】
補強角材13間には補強角材13に支えられてヒーター31が配置され、この補強角材13の上側には、ヒーター31を覆うように保護断熱プレート33が掛け渡されて固定されている。
【0019】
テーブルとして使用する場合の家具調コタツ1は、コタツ布団9を用いることなく、また、収容部15から天井プレート17を取り出し、側壁枠部11(より具体的には連結部材23)上に天板7を直接載せることにより組み立てられているが、収容部15の上面開口(上面開放部)から取り出した天井プレート17は、支持脚3の内側に、高さ方向中間で配置されて棚部35を構成している。支持脚3の内側角部には、天井プレート17の面取りに対応して面取りが施され、天井プレート17の面取り部25に対応する面取り部37が形成されていて、天井プレート17は、面取り部25が支持脚3の面取り部37と接触又は接近し、それぞれの支持脚3の面取り部37にねじ込んで取り付けた支持ピン29(例えば、連結部材23の面取り部27から取り外した支持ピン29)に4隅あるいは4隅下側が支えられた状態で収容部15の下側に配置されている。
【0020】
なお、天井プレート17を収容部15内に収めたままで、側壁枠部11上に天板7を直接載せてテーブルとして使用してもよい。
【0021】
図5は天板7の分解斜視図である。
【0022】
天板7は、天板用角材39を組み合わせて形成された長方形状の天板用枠部41と、この天板用枠部41内に配置されたハニカム紙43と、天板用枠部41の上下両面側に固定して設けられた表面プレート45及び裏面プレート47と、から構成されている。ハニカム紙43は、天板用枠部41の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用角材39と同一又はほぼ同一の厚みを有している。
【0023】
図6は天井プレート17の分解斜視図、図7は天井プレート17の面取り部25個所の拡大図である。
【0024】
天井プレート17は、天井プレート用角材49を組み合わせて形成された長方形状の天井プレート用枠部51と、この天井プレート用枠部51の上下両面側に固定して設けられた上面プレート53及び下面プレート55と、から構成され、天井プレート用枠部51内の長辺方向中間位置には、短辺方向に延びる2本の補強角材(縦補強角材)57が配置されていて、天井プレート用角材49と補強角材57とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、天井プレート用枠部51の4隅内側には、天井プレート用角材49と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒59が固定されている。
【0025】
天井プレート17の4隅には、下面及び面取り部25に開口するように、長方形及び半円を組み合わせた逆U字状の断面形状の嵌め込み孔61が形成されていて、この嵌め込み孔61は、下面プレート55を上下方向に貫通し、天井プレート用角材49の厚み方向中間に達している。嵌め込み孔61の下面開口63は長方形又はほぼ正方形であり、側面(面取り部25)開口65は逆U字形状となっていて、嵌め込み孔61の天井面67は断面半円形状に形成されている。
【0026】
図8は支持ピン29を示す図である。
【0027】
支持ピン29は、円柱状の頭部69と雄ネジ部71とを一体的に有している。支持ピン29の頭部69の径は嵌め込み孔61の幅(天井面67の断面形状の直径)及び深さとほぼ同一に、長さは嵌め込み孔61の奥行きとほぼ同一に設定されていて、支持ピン29は、頭部69が天井面67と当接するように嵌め込み孔61内に嵌まり込んで天井プレート17を支持する。
【0028】
図9は収容部15及び支持脚3の組立体の分解斜視図である。
【0029】
各連結部材23の長辺方向を向く長辺方向(横方向)内側面73及び短辺方向を向く短辺方向(縦方向)内側面75にはそれぞれ、嵌め込み固定孔77が形成されていて、側壁枠部11は、長辺枠角材19の端部を長辺方向内側面73の嵌め込み固定孔(横方向嵌め込み固定孔)77に嵌め込み、かつ、短辺枠角材21の端部を短辺方向内側面75の嵌め込み固定孔(縦方向嵌め込み固定孔)77に嵌め込み、そして、連結部材23の長辺方向外側面及び短辺方向外側面(外側面)に設けられたビス孔78を通って固定ビス80を長辺枠角材19の端部及び短辺枠角材21の端部にねじ込むことにより構成されている(図11も参照)。側壁枠部11の上面は連結部材23の上面よりも一段低く位置している。また、連結部材23には、上下方向に貫通するボルト孔79が2つ形成され、連結部材23の上面には、上方に多少突出するように、弾性材製の円盤状滑止部材81が固定されている。なお、側壁枠部11上に天板7を直接載せる場合には、天板7は、4隅がこの円盤状滑止部材81に載って支えられることとなる。
【0030】
それぞれの支持脚3は、断面正方形状又はほぼ正方形状の上側部83と、長辺方向を向く長辺方向内側面85及び短辺方向を向く短辺方向内側面87がそれぞれ、下方に向かって外側に傾斜するように形成された下側部89(例えば断面正方形状又はほぼ正方形状)とを一体的に有する支持脚本体を備えていて、上側部83の上端面には、連結部材23のボルト孔79に対応して2つのネジ孔91が設けられている。上側部83の上端面の外側縁部からは、長辺方向を向く長辺方向外側面93及び短辺方向を向く短辺方向外側面95をそれぞれ上方に延長するように、断面L字状の薄肉のカバー部97が上方に突出していて、面取り部37は上側部83の上端から下側部89の上側部分に掛けて形成されている(図10も参照)。
【0031】
それぞれの支持脚3は、カバー部97が連結部材23の外側面に被さり、ビス孔78及び固定ビス80を覆うように、連結部材23に接続され、連結部材23のボルト孔79を通って上側部83の上端面のネジ孔91に固定ボルト98をねじ込むことにより連結部材23に取り付けられる(図12も参照)。なお、支持ピン29をねじ込んで固定するネジ穴99(支持ピン29の雄ネジ部71をねじ込むネジ穴)は、支持脚3では、上側部83の面取り部37の下端位置に形成され、連結部材23では、面取り部27の上側位置に形成されている(図9では支持ピン29は支持脚3からも連結部材23からも取り外されている)。
【0032】
ヒーター31は、L型金具101と取付ネジ103を用いて補強角材13に固定され、ヒーター31を覆う保護プレート33は、取付ネジ105を用いて補強角材13に固定されている。なお、補強角材13の、L型金具101(L型金具101の一片部)を取り付ける箇所は、L型金具101(L型金具101の一片部)が補強角材13表面から突出しないように若干凹んでいる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の家具調コタツは、暖房器具として使用してもテーブルとして使用しても優れた機能を発揮する。
【符号の説明】
【0034】
1 家具調コタツ
3 支持脚
5 天井部
7 天板
9 コタツ布団
15 収容部
17 天井プレート
31 ヒーター
【技術分野】
【0001】
本発明は、冬季は暖房器具として使用でき、夏季などにはテーブルとして使用できる家具調コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
暖房用の器具であるコタツは、天井部の外周部分を支持脚で支えたコタツ櫓にコタツ布団を掛け、天板を載せて構成し、コタツ布団の中に例えば下半身を入れて使用する。そして、コタツ櫓にはヒーターが設けられていて、このヒーターによりコタツ布団の中が暖房される。
【0003】
こういった構造のコタツは、夏季などにコタツ布団を取り除きテーブルとして使用できる体裁を施されて家具調コタツに仕上げられる場合がある。
【0004】
家具調コタツとしては、例えば特許文献1に記載されているように、ヒーター(4)を有する取付板(3)をコタツ櫓(1)の支持脚(5)に沿って上下動可能に配置したものが知られている。このような構成の家具調コタツでは、取付板(3)が天板(2)とともにコタツ櫓(1)の天井部を構成するように、この取付板(3)を上方に移動させて暖房器具として使用し、また、取付板(3)が棚部を構成するようにこの取付板(3)を下方に移動させてテーブルとして使用することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭57−83357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の家具調コタツでは、暖房器具としての使用時に、下面にヒーター(4)が設けられた取付板(3)を天板(2)の下側に位置させるので、ヒーター(4)が、コタツ布団の中に入れた下半身に接近しすぎて、快適な暖房状態を確保しにくいといった問題が生じるおそれがある。
【0007】
そこで本発明は、従来の家具調コタツが有するこういった問題を解消した新規な家具調コタツの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するための本発明の家具調コタツは、下面側にヒーターを有する天井部と、この天井部の外周部分に設けられた支持脚と、前記天井部に被せられたコタツ布団上に載せられる天板と、を備えたコタツであって、前記天井部は、上面開放の収容部と、上面の開放部(上面開口)から取り出せるように、前記収容部内に収容された天井プレートと、を有し、前記支持脚は、前記天井部の下方で、内側に配置された前記天井プレートを支えることができるように構成され、前記収容部は、前記天板を直接載置できるように形成されているものである。暖房器具として使用する場合には、天井プレートを収容部に収めたままで、天井部にコタツ布団を掛け、コタツ布団の上に、あるいは、コタツ布団を介して天井部の上に天板を載置する。ヒーターは、例えば、天井プレートの下面に設けられるが、天井プレートは、上面開放の収容部に収容されているので、ヒーターが下側に位置しすぎるといったことはない。また、ヒーターは収容部に設けることもできるが、この場合には、ヒーターの取付高さを適当に設定できる。テーブルとして使用する場合には、天井プレートを収容部内から取り出し、支持脚の高さ方向中間で、すなわち収容部の下方で、支持脚の内側に棚として配置するとともに、収容部上に天板を載せる。テーブルとして使用する場合にも、天井プレートを収容部に収めたままで、天井部又は収容部上に天板を載置してもよい。
【0009】
ヒーターを収容部に設けておけば、天井プレートを移動させるときにヒーターを傷付けやすいといったことがなくなる。
【0010】
例えば収容部は、一対の縦部材(例えば縦角材)及び一対の横部材(例えば横角材)を有する4角形状の側壁枠部を備えるように構成される。そして、縦部材及び横部材の端部同士を、連結部材を用いて連結することができる。ここで、連結部材(例えばプラスチック製とすることができる)を、縦方向内側面に縦方向嵌め込み固定孔を有するとともに、横方向内側面に横方向嵌め込み固定孔を有し、縦方向嵌め込み固定孔に縦部材の端部を嵌め込み、横方向嵌め込み固定孔に横部材の端部を嵌め込むことにより、縦部材及び横部材の端部同士を連結するように形成しておけば、収容部又はコタツ櫓を安価に構成できる。そして、支持脚を、支持脚本体と、この支持脚本体の上端面の外側縁部から上方に突出するカバー部(例えば薄肉状のカバー部)と、を有し、カバー部が連結部材の外面又は外側面(例えば縦方向外側面及び横方向外側面)を覆って連結部材に取り付けられるように構成しておけば、連結部材の外側面から固定ビスを縦部材及び横部材にねじ込んで縦部材及び横部材を連結部材に固定するような場合でも、固定ビスなどをカバー部で隠すことができるので、特にテーブルとして使用する場合の外観を損なうといったことがない。
【0011】
側壁枠部は、内部に補強部材を配置して補強されるのが好ましい。しかしながら、補強部材を縦横に配置するとコスト高となってしまう。したがって、縦補強部材(例えば縦補強角材)及び横補強部材(例えば横補強角材)のいずれか一方の補強部材のみを2本使用し、この補強部材を、L型金具を用いて側壁枠部に強固に固定し、一方の補強部材だけでも十分な補強効果が達成されるように構成するのが得策である。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の家具調コタツでは、テーブルとして使用するときに棚を構成でき、しかも、暖房器具として使用するときのヒーターの取付高さを適切なものとしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図である。
【図2】本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図である。
【図3】図1に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図4】図3に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【図5】天板の分解斜視図である。
【図6】天井プレートの分解斜視図である。
【図7】天井プレートの面取り部箇所の拡大図である。
【図8】支持ピンを示す図である。
【図9】収容部及び支持脚の組立体の分解斜視図である。
【図10】支持脚を示す図である。
【図11】収容部及び支持脚の部分拡大分解斜視図である。
【図12】収容部及び支持脚の部分拡大組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1は本発明に係る家具調コタツであって暖房器具として使用する場合の斜視図、図2は本発明に係る家具調コタツであってテーブルとして使用する場合の斜視図、図3は図1に示す家具調コタツの分解斜視図、図4は図2に示す家具調コタツの分解斜視図である。
【0016】
家具調コタツ1は、4隅がそれぞれ支持脚3で支えられた長方形状の天井部5上に、天井部5と同一又はほぼ同一の長方形状の天板7を載せることにより構成されていて、天板7は、家具調コタツ1を暖房器具として使用する場合(図1の場合)には、コタツ布団9を介して天井部5上に載せられ、テーブルとして使用する場合(図2の場合)には、天井部5(天井プレート17を取り出した天井部5、すなわち収容部15:図3も参照)に直接載せられる。
【0017】
図3に示すように、天井部5は、長方形状の側壁枠部11の内側に、長辺方向中間で、短辺方向に延びる2本の補強角材(縦補強部材)13を取り付けることにより形成された、上面開放(上面完全開口)の収容部15と、この収容部15内に収容された、側壁枠部11の内側形状とほぼ等しい長方形状に形成された天井プレート17と、を有し、側壁枠部11は、一対の長辺枠角材(横部材)19と一対の短辺枠角材(縦部材)21とを用い、長辺枠角材19の端部と短辺枠角材21の端部とを直方体状のプラスチック製連結部材23で直交するように連結して形成されていて、支持脚3は、断面正方形状又は矩形状に形成され、側壁枠部11の4隅に配置されたこの連結部材23に取り付けられている。補強角材13は、両端部がL型金具24を用いて長辺枠角材19に固定されている。天井プレート17の4隅には面取りが施されて面取り部25が形成され、連結部材23の内側角部にも、天井プレート17の面取りに対応して面取りが施され、天井プレート17の面取り部25に対応する面取り部27が形成されている。天井プレート17は、面取り部25が連結部材23の面取り部27と接触又は接近し、それぞれの連結部材23の面取り部27にねじ込んで取り付けた支持ピン29に4隅あるいは4隅下側が支えられた状態で収容部15内に配置されている。支持ピン29に支えられた天井プレート17の上面は、側壁枠部11の上面と同一又はほぼ同一の高さに位置している。
【0018】
補強角材13間には補強角材13に支えられてヒーター31が配置され、この補強角材13の上側には、ヒーター31を覆うように保護断熱プレート33が掛け渡されて固定されている。
【0019】
テーブルとして使用する場合の家具調コタツ1は、コタツ布団9を用いることなく、また、収容部15から天井プレート17を取り出し、側壁枠部11(より具体的には連結部材23)上に天板7を直接載せることにより組み立てられているが、収容部15の上面開口(上面開放部)から取り出した天井プレート17は、支持脚3の内側に、高さ方向中間で配置されて棚部35を構成している。支持脚3の内側角部には、天井プレート17の面取りに対応して面取りが施され、天井プレート17の面取り部25に対応する面取り部37が形成されていて、天井プレート17は、面取り部25が支持脚3の面取り部37と接触又は接近し、それぞれの支持脚3の面取り部37にねじ込んで取り付けた支持ピン29(例えば、連結部材23の面取り部27から取り外した支持ピン29)に4隅あるいは4隅下側が支えられた状態で収容部15の下側に配置されている。
【0020】
なお、天井プレート17を収容部15内に収めたままで、側壁枠部11上に天板7を直接載せてテーブルとして使用してもよい。
【0021】
図5は天板7の分解斜視図である。
【0022】
天板7は、天板用角材39を組み合わせて形成された長方形状の天板用枠部41と、この天板用枠部41内に配置されたハニカム紙43と、天板用枠部41の上下両面側に固定して設けられた表面プレート45及び裏面プレート47と、から構成されている。ハニカム紙43は、天板用枠部41の内側形状と同一又はほぼ同一に形成され、天板用角材39と同一又はほぼ同一の厚みを有している。
【0023】
図6は天井プレート17の分解斜視図、図7は天井プレート17の面取り部25個所の拡大図である。
【0024】
天井プレート17は、天井プレート用角材49を組み合わせて形成された長方形状の天井プレート用枠部51と、この天井プレート用枠部51の上下両面側に固定して設けられた上面プレート53及び下面プレート55と、から構成され、天井プレート用枠部51内の長辺方向中間位置には、短辺方向に延びる2本の補強角材(縦補強角材)57が配置されていて、天井プレート用角材49と補強角材57とは同一又はほぼ同一の厚みを有している。また、天井プレート用枠部51の4隅内側には、天井プレート用角材49と同一又はほぼ同一の厚みを有する正方形状の補強駒59が固定されている。
【0025】
天井プレート17の4隅には、下面及び面取り部25に開口するように、長方形及び半円を組み合わせた逆U字状の断面形状の嵌め込み孔61が形成されていて、この嵌め込み孔61は、下面プレート55を上下方向に貫通し、天井プレート用角材49の厚み方向中間に達している。嵌め込み孔61の下面開口63は長方形又はほぼ正方形であり、側面(面取り部25)開口65は逆U字形状となっていて、嵌め込み孔61の天井面67は断面半円形状に形成されている。
【0026】
図8は支持ピン29を示す図である。
【0027】
支持ピン29は、円柱状の頭部69と雄ネジ部71とを一体的に有している。支持ピン29の頭部69の径は嵌め込み孔61の幅(天井面67の断面形状の直径)及び深さとほぼ同一に、長さは嵌め込み孔61の奥行きとほぼ同一に設定されていて、支持ピン29は、頭部69が天井面67と当接するように嵌め込み孔61内に嵌まり込んで天井プレート17を支持する。
【0028】
図9は収容部15及び支持脚3の組立体の分解斜視図である。
【0029】
各連結部材23の長辺方向を向く長辺方向(横方向)内側面73及び短辺方向を向く短辺方向(縦方向)内側面75にはそれぞれ、嵌め込み固定孔77が形成されていて、側壁枠部11は、長辺枠角材19の端部を長辺方向内側面73の嵌め込み固定孔(横方向嵌め込み固定孔)77に嵌め込み、かつ、短辺枠角材21の端部を短辺方向内側面75の嵌め込み固定孔(縦方向嵌め込み固定孔)77に嵌め込み、そして、連結部材23の長辺方向外側面及び短辺方向外側面(外側面)に設けられたビス孔78を通って固定ビス80を長辺枠角材19の端部及び短辺枠角材21の端部にねじ込むことにより構成されている(図11も参照)。側壁枠部11の上面は連結部材23の上面よりも一段低く位置している。また、連結部材23には、上下方向に貫通するボルト孔79が2つ形成され、連結部材23の上面には、上方に多少突出するように、弾性材製の円盤状滑止部材81が固定されている。なお、側壁枠部11上に天板7を直接載せる場合には、天板7は、4隅がこの円盤状滑止部材81に載って支えられることとなる。
【0030】
それぞれの支持脚3は、断面正方形状又はほぼ正方形状の上側部83と、長辺方向を向く長辺方向内側面85及び短辺方向を向く短辺方向内側面87がそれぞれ、下方に向かって外側に傾斜するように形成された下側部89(例えば断面正方形状又はほぼ正方形状)とを一体的に有する支持脚本体を備えていて、上側部83の上端面には、連結部材23のボルト孔79に対応して2つのネジ孔91が設けられている。上側部83の上端面の外側縁部からは、長辺方向を向く長辺方向外側面93及び短辺方向を向く短辺方向外側面95をそれぞれ上方に延長するように、断面L字状の薄肉のカバー部97が上方に突出していて、面取り部37は上側部83の上端から下側部89の上側部分に掛けて形成されている(図10も参照)。
【0031】
それぞれの支持脚3は、カバー部97が連結部材23の外側面に被さり、ビス孔78及び固定ビス80を覆うように、連結部材23に接続され、連結部材23のボルト孔79を通って上側部83の上端面のネジ孔91に固定ボルト98をねじ込むことにより連結部材23に取り付けられる(図12も参照)。なお、支持ピン29をねじ込んで固定するネジ穴99(支持ピン29の雄ネジ部71をねじ込むネジ穴)は、支持脚3では、上側部83の面取り部37の下端位置に形成され、連結部材23では、面取り部27の上側位置に形成されている(図9では支持ピン29は支持脚3からも連結部材23からも取り外されている)。
【0032】
ヒーター31は、L型金具101と取付ネジ103を用いて補強角材13に固定され、ヒーター31を覆う保護プレート33は、取付ネジ105を用いて補強角材13に固定されている。なお、補強角材13の、L型金具101(L型金具101の一片部)を取り付ける箇所は、L型金具101(L型金具101の一片部)が補強角材13表面から突出しないように若干凹んでいる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の家具調コタツは、暖房器具として使用してもテーブルとして使用しても優れた機能を発揮する。
【符号の説明】
【0034】
1 家具調コタツ
3 支持脚
5 天井部
7 天板
9 コタツ布団
15 収容部
17 天井プレート
31 ヒーター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面側にヒーターを有する天井部と、この天井部の外周部分に設けられた支持脚と、前記天井部に被せられたコタツ布団上に載せられる天板と、を備えたコタツであって、
前記天井部は、上面開放の収容部と、上面の開放部から取り出せるように、前記収容部内に収容された天井プレートと、を有し、
前記支持脚は、前記収容部の下方で、内側に配置された前記天井プレートを支えることができるように構成され、
前記収容部は、前記天板を直接載置できるように形成されている、ことを特徴とする家具調コタツ。
【請求項2】
前記収容部内に前記天井プレートを収容している前記天井部に前記コタツ布団を被せ、このコタツ布団上に前記天板を載せることにより暖房器具として構成され、
前記収容部内から取り出した前記天井プレートを、前記収容部の下方で、前記支持脚の内側に配置して棚を形成し、かつ、前記収容部上に前記天板を載せることによりテーブルとして構成される、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項3】
前記ヒーターは前記収容部に固定されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の家具調コタツ。
【請求項4】
前記収容部は、一対の縦部材及び一対の横部材と、前記縦部材及び前記横部材の端部同士を連結する連結部材と、を有する4角形状の側壁枠部を備え、
前記連結部材は、縦方向内側面に縦方向嵌め込み固定孔を有するとともに、横方向内側面に横方向嵌め込み固定孔を有し、前記縦方向嵌め込み固定孔に前記縦部材の端部を嵌め込み、前記横方向嵌め込み固定孔に前記横部材の端部を嵌め込むことにより、前記縦部材及び前記横部材の端部同士を連結するように構成されていて、
前記支持脚は、支持脚本体と、この支持脚本体の上端面の外側縁部から上方に突出するカバー部と、を有し、前記カバー部が前記連結部材の外面を覆うように前記連結部材に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の家具調コタツ。
【請求項5】
前記縦部材及び前記横部材の端部は、前記連結部材の外側面からねじ込まれた固定ビスにより前記連結部材に固定されている、ことを特徴とする請求項4記載の家具調コタツ。
【請求項6】
前記収容部は、一対の縦部材及び一対の横部材を有する4角形状の側壁枠部を備え、前記側壁枠部内には、縦補強部材及び横補強部材のいずれか一方の補強部材のみが2本設けられている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の家具調コタツ。
【請求項7】
前記一方の補強部材は、L型金具を用いて前記側壁枠部に固定されている、ことを特徴とする請求項6記載の家具調コタツ。
【請求項1】
下面側にヒーターを有する天井部と、この天井部の外周部分に設けられた支持脚と、前記天井部に被せられたコタツ布団上に載せられる天板と、を備えたコタツであって、
前記天井部は、上面開放の収容部と、上面の開放部から取り出せるように、前記収容部内に収容された天井プレートと、を有し、
前記支持脚は、前記収容部の下方で、内側に配置された前記天井プレートを支えることができるように構成され、
前記収容部は、前記天板を直接載置できるように形成されている、ことを特徴とする家具調コタツ。
【請求項2】
前記収容部内に前記天井プレートを収容している前記天井部に前記コタツ布団を被せ、このコタツ布団上に前記天板を載せることにより暖房器具として構成され、
前記収容部内から取り出した前記天井プレートを、前記収容部の下方で、前記支持脚の内側に配置して棚を形成し、かつ、前記収容部上に前記天板を載せることによりテーブルとして構成される、ことを特徴とする請求項1記載の家具調コタツ。
【請求項3】
前記ヒーターは前記収容部に固定されている、ことを特徴とする請求項1又は2記載の家具調コタツ。
【請求項4】
前記収容部は、一対の縦部材及び一対の横部材と、前記縦部材及び前記横部材の端部同士を連結する連結部材と、を有する4角形状の側壁枠部を備え、
前記連結部材は、縦方向内側面に縦方向嵌め込み固定孔を有するとともに、横方向内側面に横方向嵌め込み固定孔を有し、前記縦方向嵌め込み固定孔に前記縦部材の端部を嵌め込み、前記横方向嵌め込み固定孔に前記横部材の端部を嵌め込むことにより、前記縦部材及び前記横部材の端部同士を連結するように構成されていて、
前記支持脚は、支持脚本体と、この支持脚本体の上端面の外側縁部から上方に突出するカバー部と、を有し、前記カバー部が前記連結部材の外面を覆うように前記連結部材に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の家具調コタツ。
【請求項5】
前記縦部材及び前記横部材の端部は、前記連結部材の外側面からねじ込まれた固定ビスにより前記連結部材に固定されている、ことを特徴とする請求項4記載の家具調コタツ。
【請求項6】
前記収容部は、一対の縦部材及び一対の横部材を有する4角形状の側壁枠部を備え、前記側壁枠部内には、縦補強部材及び横補強部材のいずれか一方の補強部材のみが2本設けられている、ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の家具調コタツ。
【請求項7】
前記一方の補強部材は、L型金具を用いて前記側壁枠部に固定されている、ことを特徴とする請求項6記載の家具調コタツ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−247431(P2011−247431A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117623(P2010−117623)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(300078338)静和YBJ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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