説明

家庭用消火栓

【課題】 一般住宅や個人商店等へも簡単に設置することができ、しかも迅速且つ円滑に初期消火活動を行えると共に高い初期消火効力を備えた家庭用小容量消火栓を提供する。
【解決手段】水道水供給口1aを有する貯水タンク1と,貯水タンク1内の水を圧送する加圧ポンプ2と,通路面積切換機構3を管路内に具備すると共に先端部にホースカップリング金具4aを有し、前記加圧ポンプ2からの水を導出する消火栓管路4と,基端部に前記ホースカップリング金具4aに着脱自在に嵌合するカップリング金具5aを有し、先端部にホースノズル5bを備えた所定長さの保形ホース5と,前記加圧ポンプ2の運転を制御する制御盤6とから成り、前記消火栓管路4の通路面積切換機構3により、放水開始から一定時間の間は抑制水量で放水を行うと共に、一定時間経過後は鎮火水量で放水を長時間行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋内消火栓の改良に関するものであり、貯水タンク等の小型・軽量化により一般住宅や事務所内に容易に設置することができると共に、高い操作性と優れた初期消火機能を発揮できるようにした家庭用消火栓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスビルディングや各種工場等に設置されている屋内消火栓は、防災活動の重要な一面を担うものであり、高い公益性を有するものである。
そのため、屋内消火栓の機能や構造については消防法により厳格に規制されており、例えば1号消火栓では、放水量130リットル/分(以下L/分と表す)以上及び貯水量5.2立方メートル以上の容量を、また、2号消火栓では、放水量60L/分以上及び貯水量2.4立方メートル以上の容量を、夫々具備した加圧ポンプ設備及び貯水設備の設置が求められている。
尚、上記貯水タンクの容量は、消火栓2基を20分間以上連続運転するものとして算定されている。
【0003】
図3は、公知の屋内消火栓の一例を示すものであり、箱状の本体12及び蓋体13からなる消火栓箱11と、消火栓箱11の内部に設けたバルブ14と、バルブ14に接続された長尺の保形ホース15等から屋内消火栓が構成されており、別途に設けた水槽から加圧ポンプ(図示省略)により消火水が放水ノズル16へ圧送されて来る。
【0004】
ところで、この種の従前の屋内消火栓は、消火栓箱11自体が比較的大型であるうえ、2号消火栓(60L/分・20分以上放水)であっても容量2.4立方メートル以上の貯水タンクを必要とし、一般住宅や小売商店、事務所等に簡単に設置することができず、仮に2号消火栓を設置するとしても大掛りな建物の改修が必要となる。
そのため、一般の個人用住宅や個人商店に屋内消火栓が設置されることは殆ど無く、所謂、初期消火は家庭用消火器の利用や水道ホースによる放水により多く行われている。
【0005】
しかし、家庭用消火器や水道ホースによる放水では,可燃材の多い一般住宅等の火災に於いて十分な初期消火効果を挙げることが困難であり、初期消火の失敗から広域火災へ移行すると云う事例が多数存在する。
【0006】
一方、本願出願人等は、上記一般住宅等に於ける初期消火に係る問題を解決するため、数年間に亘って水を消火剤として用いた様々な初期消火実験を積み重ねると共に、得られた初期消火実験結果の解析を行って来た。
【0007】
また、本願発明者等は、上記初期消火実験結果の解析から、一般住宅等の火災には下記(イ)及び(ロ)のような共通の事象があることを知得した。
(イ)初期消火に必要な水量は、発火から放水開始までの時間が短いほど、短時間内に小量の放水でもって消火ができること。
(ロ)消火可能な火災状態であれば、消火開始(放水開始)から1分以内に概ね火勢を抑えることができるが、その後の残火処理に時間が掛かること。
【0008】
即ち、水を消火剤とする場合には、可能な限り早期に放水を開始することにより、約60L/分程度の放水量(以下、抑制水量と云う)でもって約1分間放水することにより、概ね火勢の抑制が可能であり、それ以後は、少量の放水(以下、鎮火水量と云う)でもって残火処理を行うことにより、完全消火が可能なことが判明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−236918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願発明は、従前のこの種屋内消火栓に於ける上述のような問題、即ち、消火栓箱が比較的大型なうえ、少なくとも2.4立方メートルトン以上の容量の貯水タンクを必要とするため、一般住宅や個人商店等の小規模建物へは適用が困難で、現実に屋内消火栓の設置が殆ど行われていないこと、ロ.可搬型消火器や家庭用散水ホースによる水道水の放水では、有効な初期消火の達成が困難で、初期消火の失敗により大火災に至るケースが多いこと等の問題を解決せんとするものであり、操作が簡単で、しかも建物に大掛りな改修を必要とせずに簡単に設置できると共に、早期放水と放水開始後一定時間の間の抑制水量の放水を可能とすることにより、小容量の貯水タンクを備えた小型消火栓でもって確実に初期消火を達成できるようにした家庭用消火栓を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、水道水供給口1aを有する貯水タンク1と,貯水タンク1内の水を圧送する加圧ポンプ2と,通路面積切換機構3を管路内に具備すると共に先端部にホースカップリング金具4aを有し、前記加圧ポンプ2からの水を導出する消火栓管路4と,基端部に前記ホースカップリング金具4aに着脱自在に嵌合するカップリング金具5aを有し、先端部にホースノズル5bを備えた所定長さの保形ホース5と,前記加圧ポンプ2の運転を制御する制御盤6とから成り、前記消火栓管路4の通路面積切換機構3により、放水開始から一定時間の間は抑制水量で放水を行うと共に、一定時間経過後は鎮火水量で放水を長時間行うことを発明の基本構成とするものである。
【0012】
通路面積切換機構3は、電磁弁3bを備えた第1分流路3cとこれに並列に連結した同口径の第2分流路3dとから形成し、電磁弁3bの開放により両分流路3c,3dを通して抑制水量の水を流通させると共に、電磁弁3bの閉鎖により第2分流路3dを通して鎮火水量の水を流通させる構成とするのが望ましい。
【0013】
貯水タンク1は、その水道水供給口1aにボールタップバルブ1bを備えたものとし、また前記貯水タンク1からの放水は、流量60L/分以上の抑制水量で1分間以上行うと共に、流量30L/分以上の鎮火水量で長時間行うのが望ましい。
【0014】
貯水タンク1の内容積は、これを40L〜60Lとすると共に、水道水供給口1aから流量30L/分以上の水道水を常時補給するのが望ましい。
【0015】
保形ホース5は、長さ5〜10m及び呼び径20〜25Aの保形ホースとするのが良い。
【0016】
通路面積切換機構3は、消火栓管路4に介設した電磁弁3bによる構成とし、当該電磁弁3bの全開時に抑制水量による放水を、また電磁弁3bの半開時に鎮火水量による放水を行うようにしてもよい。
【0017】
消火栓管路4に設けた電磁弁3bは、貯水タンク1に設けた第2水位センサ1dにより検出した流量切換水位の検出信号若しくは制御盤に設けたタイマからの動作開始信号により、その開閉を制御するのが望ましい。
【0018】
請求項8の発明は、水道水供給口1aを有する貯水タンク1と,貯水タンク1内の水を圧送する加圧ポンプ2と,先端部にホースカップリング金具4aを有し、前記加圧ポンプ2からの水を導出する消火栓管路4と,基端部に前記ホースカップリング金具4aに着脱自在に嵌合するカップリング金具5aを有し、先端部にホースノズル5bを備えた所定長さの保形ホース5と,前記加圧ポンプ2の運転を制御する制御盤6とから成り、前記制御盤6からの制御信号により加圧ポンプ2の回転数を切換えするか、若しくはホースノズル4bの放水量を切換することにより、放水開始から一定時間の間は抑制水量で放水を行うと共に、一定時間の経過後は鎮火水量で放水を長時間行うことを発明の基本構成とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、貯水タンクを小容量とすると共に常時水道水を補給し得る構成とし、消火開始直後は一定時間抑制水量での放水を行い、その後は鎮火水量でもって放水を行うようにしている。そのため、貯水タンクや加圧ポンプの小型化が可能となり、一般住宅の洗面所や台所、風呂場等へ容易に設置することが出来る。
【0020】
また、制御盤を介して加圧ポンプの運転や消火栓管路の通路面積の切換が自動的に行えるため、消火放水の開始に要する時間が大幅に短縮され、しかも放水流量の切換を円滑に行うことができる。その結果、限られた水量の放水でもってより有効な初期消火を達成することができる。
【0021】
更に、消火栓を構成する加圧ポンプや貯水タンクの小容量化及び小型コンパクト化により、消火栓の製造コストや施工コスト、消費電力、消費水量等の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る家庭用消火栓の構成を示す全体系統図である。
【図2】制御盤の正面図である。
【図3】従前の屋内消火栓で用いられている。消火栓箱の斜面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る家庭用消火栓の全体系統図であり、当該家庭用消火栓Aは貯水タンク1と加圧ポンプ2と通路面積切換機構3を有する消火栓管路4と保形ホース5と制御盤6等から形成されている。
【0024】
前記貯水タンク1は水道吸水口1a、ボールタップバルブ1b、第1水位センサ1c、第2水位センサ1d等から構成されており、また、貯水タンク1はステンレス鋼やエンジニアリングプラスチック等により適宜の形態、例えば四角状や台形状に形成されている。
【0025】
当該貯水タンク1の内容積は、1本の保形ホース5から60L/分の流量で一分間以上放水できるだけの水量を貯水できる容量を備えており、本実施形態においては内容積40L〜60Lの貯水タンク1が使用されている。
【0026】
即ち、水道水の一般的な給水流量は30L/分程度であるため、加圧ポンプ2の起動により放水が始まると、これと同時にボールタップバルブ1bが開放されて、貯水タンク1内へ水道水が補給される。
その結果、いま、貯水タンク1の容量を40Lとして、60L/分で1分間放水されたとすると、60Lの貯留水が抜き出されると共に、その間に30L/の水道水が補給されることになり、1分後には貯水タンク1内に約10Lの水が残留する状態となる。以後、放水量が60L/分から30L/分に切換ることにより、放水量(30L/分)と水道水の補給量(30L/分)とが均衡して貯水タンク1内には10Lの水が常時貯留された状態となる。その結果、貯水タンク1の総内容積は、少なくとも40L以上であれば十分と言える。
【0027】
現実には、第1水位センサ1cでポンプ停止水位LPSを、また、第2水位センサ1dで流量切換水位LWSを検出し、満水位置から流量切換水位LWSまで水位が下降するまでは、放水時間が1分以上であっても流量60L/分の割合で放水をし、その後、流量切換機構3により放水流量を60L/分から30L/分に切換るようにしている。
【0028】
前記加圧ポンプ2は流量60L/分、放水圧0.15〜0.25MPa程度の放水能力を有する電動ポンプ(AC100V、500〜1kw)であり、公知の家庭用電動ポンプが使用されている。
【0029】
前記通路面積切換機構3は、ボール弁3aと電磁弁3bを備えた第1分流路3cと,ボール弁3aを有する第2分流路3dを並列に組み合せたものであり、その入口側は加圧ポンプ2へ、またその出口側は消火栓管路4へ連結されている。
尚、ボール弁3aの代わりに通路面積を一定にするためのオリフィスに換えても良い。
【0030】
即ち、制御盤6からの制御信号により電磁弁3bを開放することにより、第1分流路3cは導通され、加圧ポンプ2からの水は第1分流路3c及びこれと同口径の第2分流路3dを通して消火栓管路へ送られ、合計60L/分以上の流量の消火水が消火栓管路4へ流通する。
【0031】
また、制御盤6からの制御信号により電磁弁3bが閉鎖されると、消火水は第2分流路3eを通して流通され、その流量が約半分(30L/分)に低下する。
【0032】
前記消火栓管路4は加圧ポンプ2からの消火水を通路面積切換機構3を経て保形ホース5へ流通させるものであり、本実施形態では20〜25Aの合成樹脂管が使用されている。尚、当該消火栓管路4の末端には、前記保形ホース5側のカップリング金具5aに着脱自在に嵌合するホースカップリング金具4aが固定されている。尚、7は圧力計である。
【0033】
前記保形ホース5は、所謂公知の保形ホースであり、通常は住居内の適宜の箇所に巻取り状で保管されており、その基端部にはカップリング金具5aが、またその先端部には放水ノズル5bが夫々設けられている。
尚、本実施形態に於いては、長さ5〜10m、呼び径20〜25Aの公知の保形ホースが使用されている。
【0034】
前記制御盤6は加圧ポンプ2の起動・停止や消火水の放水量の切換制御を行うものであり、図2に示す如く電源表示ランプ6a、ポンプ運転表示ランプ6b、高放水量表示ランプ6c、低放水量表示ランプ6d、電源スイッチ6e、ポンプ起動スイッチ6f、ポンプ停止スイッチ6g、電源供給口6h等が設けられている。
また、必要に応じて遠隔操作用の起動・停止スイッチ8を適宜箇所に設けるようにしてもよい。
また、より初期消火開始時間を早める為に、ホース収納部の扉の開放、ホースの取り出し、などの操作と連動して起動する機構を設けてもよい。尚、9はホースの取り出し等と連動するマイクロスイッチである。
【0035】
上記貯水タンク1や加圧ポンプ2、通路面積切換機構3等は、一般住宅の洗面ユニット(図示省略)の格納部に収納したり、或いはバスルーム、台所等に適宜に設置される。
【0036】
また、保形ホース5は、通常は貯水タンク1の近傍に格納、保管されるが、必要に応じて、2階部分にも別途に格納、保管することも可能である。尚、この場合には消火栓管4の末端を分岐し、その一方を2階部分の適宜箇所まで延設しておくと共に、その末端近傍に遠隔操作用の起動・停止スイッチ8を設けておくのが望ましい。
【0037】
次に、本発明に係る家庭用消火栓の作動について説明する。
消火活動に際しては、先ず保形ホース5を取り出す。保形ホース5は、あらかじめ、その基端部のカップリング金具5aを消火栓管路4側のホースカップリング4aへ差し込み、消火栓管4と保形ホース5とを連結してあるものとする。
次に、ポンプ起動スイッチ6fを押し、加圧ポンプ2を起動する。尚、この時、第1分流路3cの電磁弁3bは開放された状態となっており、その結果、通路面積切換機構3の両分流路3c、3dは流通状態にあり、消火栓管路4の通路面積は大面積となっている。
尚、前記ポンプ起動スイッチ6fを押す操作の代わりに、ホース収納部の扉の開放、ホースの取り出し、などの操作と連動して起動してもよい。また、必要に応じて設置された遠隔操作用の起動・停止スイッチ8を操作して起動してもよい。
【0038】
その後、保形ホース5を引き延ばし、ホースノズル5bから消火水を火災地点へ向けて放出する。
【0039】
放水開始から少なくとも1分間以上は、前記両分流路3c、3dが開放されているため、消火水は通路面積が大面積状態にある消火栓管路4を通して60L/分以上の流量(抑制水量)で放出される。放水時間が1分間以上経過すると、貯水タンク1内の水面が流量切換水位LWSまで下降することにより、第2水位をセンサ1dの作動を介して制御盤6からの切換信号が発信され、電磁弁3bが閉鎖される。
その結果、通路面積切換機構3の部分の通路面積が約半分になり、その結果、流量約30L/分の消火水が第分2流路3dを通して保形ホース5へ流入する。
【0040】
尚、放水開始時間を可能な限り早期に行うと、流量60L/分の消火水を約1分間連続放水することにより、殆どの火災は、その火炎若しくは火勢を抑え込まれることになる。
【0041】
また、貯水タンク1へは水道水が約30L/分の流量(鎮火水量)でボールタップバルブ1bを通して流入するため、流量30L/分の鎮火水量放水は長時間連続的に行うことができ、これにより所謂残火処理が行われる。
【0042】
前記図1の実施形態では、二つの分流路3c、3dを組み合せした構成の通路面積切換機構3を用いると共に、その第1分流路3cに介設した電磁弁3bの開閉切換により抑制水量での放水(60L/分)から鎮火水量放水(30L/分)への切換を行う構成としているが、通路面積切換機構3を一つの流路とその中に設けた全開−半開型の電磁弁(図示省略)とから構成し、制御盤6からの切換信号により当該電磁弁を全開状態(抑制水量放水)から半開状態(鎮火水量放水)に切換する構成としてもよい。
【0043】
また、図1の実施形態に於いては、通路面積切換機構3を消火栓管路4内に設け、切換機構3の電磁弁の開閉切換により消火栓管路4の通路面積を変えることにより、放水量を抑制水量から鎮火水量に切換える構成としているが、電磁弁の切換或いは開閉制御に代えて加圧ポンプ2の回転速度を調整したり、或いは加圧ポンプ2の出口側に設けた分岐排水流路を開放して約30L/分に相当する余剰水を貯水タンク1内へ戻すようにした構成とすることも可能である。
【0044】
また、図1に於ける第2水位センサ1dの使用に代えて、制御盤6内にタイマー又はタイマ回路を設け、一定時間(約60秒)経過後に通路面積切換機構3の電磁弁3b等を開閉切換するようにしても良い。
【0045】
更に、保形ホース5のホースノズル5bをタイマ機構付の放水量自動切換型ノズルや電気信号操作型の放水量自動切換型ノズルとすることにより、放水量の自動切換を行う構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は個人住宅や個人商店のみならず、広くビル建築や工場等へも適用可能なものである。
【符号の説明】
【0047】
A 家庭用消火栓
1 貯水タンク
1a 水道水供給口
1b ボールタップバルブ
1c 第1水位センサ
1d 第2水位センサ
2 加圧ポンプ
3 通路面積切換機構
3a ボール弁(又はオリフィス)
3b 電磁弁
3c 第1分流路
3d 第2分流路
4 消火栓管路
4a ホースカップリング金具
5 保形ホース
5a カップリング金具
5b ホースノズル
6 制御盤
6a 電源表示ランプ
6b ポンプ運転表示ランプ
6c 高放水量表示ランプ
6d 低放水量表示ランプ
6e 電源スイッチ
6f ポンプ起動スイッチ
6g ポンプ停止スイッチ
6h 電源供給口
7 圧力計
8 遠隔操作用起動・停止スイッチ
9 ホースの取り出し等と連動するマイクロスイッチ等

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道水供給口を有する貯水タンクと,貯水タンク内の水を圧送する加圧ポンプと,通路面積切換機構を管路内に具備すると共に先端部にホースカップリング金具を有し、前記加圧ポンプからの水を導出する消火栓管路と,基端部に前記ホースカップリング金具に着脱自在に嵌合するカップリング金具を有し、先端部にホースノズルを備えた所定長さの保形ホースと,前記加圧ポンプの運転を制御する制御盤とから成り、前記消火栓管路の通路面積切換機構により、放水開始から一定時間の間は抑制水量でので放水を行うと共に、一定時間経過後は鎮火水量で放水を長時間行う構成としたことを特徴とする家庭用消火栓。
【請求項2】
通路面積切換機構を電磁弁を備えた第1分流路とこれに並列に連結した同口径の第2分流路とから形成し、電磁弁の開放により両分流路を通して抑制水量の水を流通させると共に、電磁弁の閉鎖により第2分流路を通して鎮火水量の水を流通させる構成とした請求項1に記載の家庭用消火栓。
【請求項3】
水道水供給口をボールタップバルブ付きの水道水供給口とし、また前記貯水タンクからの放水を流量60L/分以上の抑制水量で1分間以上行うと共に、流量30L/分以上の鎮火水量で長時間行う構成とした請求項1に記載の家庭用消火栓。
【請求項4】
貯水タンクの内容積を40L〜60Lとすると共に、水道水供給口から流量30L/分以上で水道水を補給する構成とした請求項3に記載の家庭用消火栓。
【請求項5】
保形ホースを、長さ5〜10m及び呼び径20〜25Aの保形ホースとした請求項1に記載の家庭用消火栓。
【請求項6】
通路面積切換機構を消火栓管路に介設した電磁弁とし、当該電磁弁の全開時に抑制水量による放水を、また、電磁弁の半開時に鎮火水量による放水を行うようにした請求項1に記載の家庭用消火栓。
【請求項7】
貯水タンクに設けた第2水位センサにより検出した流量切換水位の検出信号若しくは制御盤に設けたタイマからの動作開始信号により、電磁弁の開閉駆動を制御するようにした請求項3又は請求項6に記載の家庭用消火栓。
【請求項8】
水道水供給口を有する貯水タンクと,貯水タンク内の水を圧送する加圧ポンプと,先端部にホースカップリング金具を有し、前記加圧ポンプからの水を導出する消火栓管路と,基端部に前記ホースカップリング金具に着脱自在に嵌合するカップリング金具を有し、先端部にホースノズルを備えた所定長さの保形ホースと,前記加圧ポンプの運転を制御する制御盤とから成り、前記制御盤からの制御信号により加圧ポンプの回転数を切換えするか、若しくはホースノズルの放水量を切換することにより、放水開始から一定時間の間は抑制水量で放水を行うと共に、一定時間の経過後は鎮火水量で放水を長時間行う構成としたことを特徴とする家庭用消火栓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−22337(P2013−22337A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161584(P2011−161584)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(501238955)社団法人日本消防放水器具工業会 (1)
【Fターム(参考)】