説明

対面型キッチン

【課題】対面型キッチン1におけるキッチンカウンターとレンジフード間に配設される矩形連結板の取付構造に関し、設置が容易で、取替えができるとともに、閉塞感を与えず見栄えの良い対面型キッチンを提供する。
【解決手段】対面型キッチンにおけるキッチンカウンター(2)とレンジフード(5)間に配設される連結板(10)が、周囲に枠を有さない平板状の透明又は透光性を通する矩形部材であって、前記キッチンカウンター(2)と前記レンジフード(5)のそれぞれに横フレーム(11)を取り付け、該横フレーム(11)の溝(1121)内に断面コ字状のガスケット(13)を嵌入して、前記ガスケット(13)の断面コ字状の狭持片(131)間で前記連結板(10)を挟み込んで固定し、前記横フレーム(11)の端部にはサイドキャップ(12)を設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンカウンターとレンジフードとの間に配設される連結板(仕切り板)を有する対面型キッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アイランド型とかペニンシュラ型等と呼ばれるオープン型の対面型キッチンでは、調理中に加熱器の周辺から発生する油煙がダイニング側に流れ込むのを防ぐために、キッチンカウンターとレンジフードとの間に仕切り用の連結板が設けられている。
例えば、特許文献1には、キッチンのコンロ(加熱器)の奥方においてワークトップ(キッチンカウンター)とレンジフードとの間に取り付けられる仕切りが矩形状の仕切り板(連結板)を囲むように保持する枠フレームと、枠フレームとワークトップとの間に介在して枠フレームの高さ位置を調整するための高さ調整部材と、高さ調整部材を覆うためのカバー部材と、枠フレームをワークトップに取り付けるための取付け具と、枠フレームをレンジフードに連結するための連結具とを備えたコンロ前の仕切りが開示され、ワークトップとレンジフードとの高さ方向の間隔が設計通りに施工されていなくても、レンジフードとの間の隙間を生じさせることがなく取り付けることができる技術が紹介されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−275221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のコンロ前仕切りを有する対面型キッチンにあっては、レンジフードとの間に隙間を生じさせないものの、キッチンカウンターとの間にアジャスタやカバー部材が必要であり構造が複雑で更なる改善が望まれると共に、仕切り板を囲むように保持する枠フレームが設けてあり、枠に嵌め殺しされた仕切り板であるため、該仕切り板が透明であっても縦フレームによりキッチンとダイニング間のオープン性が損なわれ、また、仕切り板に疵が付いた場合の仕切り板の交換やイラスト入りの仕切り板に取り替えることが困難であった。
【0005】
この発明は、このような問題点に着目してなされたもので、対面型キッチンにおけるキッチンカウンターとレンジフードとの間に配設される矩形連結板の取り付けが容易で、取替えが出来ると共に、キッチン作業者に与える閉塞感を極力少なくして、開放感に優れ見栄えの良い対面型キッチンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、対面型キッチンにおけるキッチンカウンターとレンジフード間に配設される連結板が、周囲に枠を有さない平板状の透明又は透光性を有する矩形部材であって、前記キッチンカウンターと前記レンジフードのそれぞれに横フレームを取り付け、該横フレームの溝内に断面コ字状のガスケットを嵌入して、前記ガスケットの断面コ字状の挟持片間で前記連結板を挟み込んで固定し、前記横フレームの端部にはサイドキャップを設けていることを特徴とするものである。
この発明によれば、幅方向に不透明な縦枠が存在しないため、開放感が増し圧迫感を低減できる。また、連結板を側方から挿入して配置することが容易あり、またサイドキャップで連結フレームの端部を覆い隠すことができ見栄えがよい。また、連結板フレームの溝深さを深くしクリアランスを大きくしてやると、レンジフードとキッチンカウンターとの高さ方向の間隔が設計通りに施工されていなくても、レンジフードとの間の隙間をレンジフード側の連結フレームの起立片で隠すことができ、更にクリアランスが大きいことで連結板の設置や取替えが容易に行なうことができる。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明を技術的前提とし、前記横フレームは、基体固定枠と連結板フレームからなり、前記基体固定枠は断面L字状で端部に段部を有し、前記連結板フレームは溝の一方の起立片の先端部が断面鉤状の係止部を有しており、前記段部に前記係止部を係止させて基体固定枠に連結板フレームを取付具にて固定することを特徴とするものである。
この発明によれば、請求項1の効果に加え、ネジ等の取付具で螺着固定するため、連結板の取り付けが容易で、また取り付けた後に取り替えることができるとともに、段部と係止部の係合構造によりガタが無く頑丈に取り付けることができる。
【0008】
更に、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明を技術的前提とし、前記基体固定枠のレンジフード又はキッチンカウンターへの取り付けは、前記基体固定枠とレンジフード又はキッチンカウンター間に軟質素材からなる板状パッキンを配設し、該基体固定枠の反対側に基体裏板を配設して、固定具にてレンジフードまたはキッチンカウンターに螺着固定する構造であって、前記固定具を挿通する基体裏板の裏板穴は該固定具の頭部外径より小さく軸部が挿通可能な内径であり、基体固定枠に設けた固定穴は基体裏板を介して前記固定具が係止可能な内径で軸部との間に位置調整可能な大きさの隙間を有する。
この発明によれば、請求項1および2に記載の効果に加え、基体固定枠とレンジフード又はキッチンカウンターの間に軟質素材からなる板状パッキンを配設したので、木ネジ等の固定具で螺着固定する場合に板状パッキンの弾性で確実に固定できキッチンカウンター又はレンジフードの被取付け面に疵を付けることを防止するとともに、固定具を介してキッチンカウンター内に水滴が侵入することを防止でき、更に、基体固定枠に設けた固定穴が固定具の軸部との間に位置調整可能な隙間を有するため、基体固定枠の平面方向位置合わせが容易となる効果を有する。
【0009】
また、更に請求項4に記載の発明は、請求項2乃至3に記載の発明を技術的前提とし、前記基体固定枠、連結板フレーム、ガスケットは、レンジフード側とキッチンカウンター側で兼用でき、基体固定枠及び連結板フレームは長尺の金属製押出成形材であり、前記ガスケットは挟持片の先端側が軟質樹脂で奥側が硬質樹脂よりなる。
この発明によれば、請求項1乃至3の効果に加え、レンジフード側とキッチンカウンター側で諸部材が兼用でき連結板を取付ける部材点数を減らし標準化ができる。また、ガスケットの先端が軟質樹脂で奥側が硬質樹脂で構成しているため、硬質樹脂の摺動性により連結板を側方から押込み設置しやすく、先端部が軟質素材で連結板を挟持できるため連結板との密着性に優れゴミなどが侵入し難い効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施例である対面型キッチンを示す斜視図である。
【図2】図1における連結板取付部材の分解斜視図である。
【図3】図1における連結板取付け部の縦断面模式図である。
【図4】横フレームの他の実施例を示す連結板取付け部の縦断面模式図である。
【図5】図1における要部正面模式図とサイドキャップ説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る対面型キッチンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る対面型キッチン1につき、図1から図5を参照して説明する。以下、図1の紙面右上側、図2の紙面左上側、及び図3、図4の紙面左側をキッチンの正面側(手前側)とし、キッチンの正面側に使用者が立って左右側をキッチンの左右側とし、キッチンを挟んで向こう側がダインング側として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明における対面型キッチン1である。図1に示すように、この対面型キッチン1は、シンク3や加熱器4を備えており、使用者が調理等を行なうために加熱器レベルと略同じ高さに調理作業面であるキッチンカウンター2を備えている。本実施例では対面型キッチン1の奥側のダイニング側にもキッチンカウンター2が設けてあり、加熱器レベルよりも一段高く補助カウンタとして使用され、両方とも本発明のキッチンカウンター2に相当する。
【0014】
この対面型キッチン1は、キッチン側の使用者の左端部を室内の壁面に当接させて配置し、壁面から水平方向に突き出たペニンシュラ型のレイアウトを構成したり、室内に単独で配置されるアイランド型のレイアウト等に構成させて設置される。
【0015】
本実施例の対面型キッチン1には、図1に示す如く、加熱器4で煮炊きした時に発生する蒸気や油分などが混入した排気を室外に吸引除去するために、加熱器4の上部にはレンジフード5が設置されている。そして、加熱器4からの排気がダイニング側に流れるのを防ぎ、排気を効率的に吸引排気させるための仕切り板としての連結板10が、加熱器4奥側の一段高いキッチンカウンター2とレンジフード5との間に設けられている。
【0016】
連結板10は、周囲に枠を有さない平板状の透明または透光性の矩形部材で、透明ガラス、擦りガラスやポリカーボネート等の樹脂で、耐火または耐熱性能を有する材質が使用され、連結板10表面にはイラスト等の図柄があってもよい。連結板10は、キッチンカウンター2側とレンジフード5側の上下にそれぞれ横フレーム11を取付け、横フレーム11の溝1121内に断面コ字状のガスケット13を嵌入して、そのガスケット13の断面コ字状の狭持片131の間に連結板10の上下の両端を挟み込んで固定される。また、横フレーム11の左右端部には横フレーム11の端部を隠すようにサイドキャップ12が設けられる。
【0017】
図2、図3を用いて連結板10の取付構造を更に詳細に説明する。連結板10のキッチンカウンター2側とレンジフード5側では略対称な構造であるため、連結板10の下端でキッチンカウンター側の構造にて説明する。図2に示す如く、連結板10の連結部材は、板状パッキン15、基体固定枠111、基体裏板14、連結板フレーム112、ガスケット13と両側のサイドキャップ12により構成される。基体固定枠111と連結板フレーム112は一体成形されたものでもよく、一体化されたものを横フレーム11と呼び、その詳細は後述し、ここでは個別の連結部材として扱った場合で説明する。
【0018】
板状パッキン15は、ゴム、樹脂等の軟質材料でキッチンカウンター2と基体固定枠111のとの間に配置される細長い平板形状をしており、基体固定枠111をキッチンカウンター2に固定具1112にて螺着固定した場合に、基体固定枠111とキッチンカウンター2間を軟質材料の弾性で水密固定させて、固定具1112を伝って水滴などがキッチンカウンター2内部に侵入しないようにしている。そのため、板状パッキン15は無孔の平板で、固定具1112である木ネジの先端を突き刺して貫通させ基体固定枠111とキッチンカウンター2を固定する。
【0019】
基体固定枠111は、縦断面形状がL字状のアルミニウム押出し成形品で、キッチンカウンター面には、キッチンカウンター2に固定するための固定穴1111を複数設けており、起立側にも連結板フレーム112を取り付けるための取付穴1128と、連結板10を止めねじ1126で締め付け固定するための締付穴1127が設けてあり、起立側の先端端部にはキッチン側面から一段奥まるように段部1114を設け、連結板フレーム112の起立片1122の先端の断面鉤状の係止部1124を係止させる構造としている。
この場合、基体固定枠111の起立側がキッチン側に来るように設置され、キッチン側面を平らにするべく、段部1114に係止させた連結板フレーム112の係止部1124の鉤状厚みは該段部1114の奥行厚みと略同じ厚みとし、キッチン側面がほぼ面一になるようにしている。また、取付穴1128は、座ぐり穴であり、取付具1113である皿ネジで連結板フレーム112を取り付けた場合に取付具1113の頭部がキッチン側面から突出させないようにしている。また、締付穴1127は締付具1126である止ねじ用であるため内面はねじ山がタップされている。
【0020】
また、キッチンカウンター2に基体固定枠111を固定するための固定穴1111は、固定具1112の軸径に対して十分大きくして、基体固定枠111が左右前後に位置調整可能な内径としており、実施例では3箇所に設けている。そして、基体固定枠111のキッチンカウンター2への固定は、基体固定枠111の下面に板状パッキン15を配置し、上面に基体裏板14を配して、基体裏板14の裏板穴141から固定具1112である木ねじを挿通させて基体固定枠111をキッチンカウンター2に螺着する。この場合に基体裏板14の裏板穴141は木ねじの頭部外径より小さく木ねじの軸部が挿通可能な内径であるため、木ねじの頭部が基体裏板14に係止した状態で基体固定枠111をキッチンカウンター2に押圧固定させることができる。また、固定穴1111は固定具1112の軸径よりも大きくしているため、螺着途中において基体固定枠111を所定位置に位置調整させながら位置決めすることが容易である。
【0021】
次いで、連結板フレーム112について説明する。連結板フレーム112は、縦断面形状が非対称なH字状のアルミニウム押出し成形品で、前後に起立片1122と垂下片1123を有し、起立片1122と垂下片1123の中間部位で前後に連結されている。前後の起立片1122の間には溝1121が形成され、キッチン側の起立片1122の先端は、断面鉤状の係止部1124を有し、基体固定枠111の段部1114に係止できる構造となっている。また、キッチン側面の起立片1122には内部にねじ山がタップされた締付穴1127と、基体固定枠111に螺着して取り付けるためのねじ山がタップされた取付穴1128が、連結板フレーム112の長手方向に複数個設けられている。また、起立片1122と垂下片1123の中間部位には一部が開口した円形状のキャップ被取付部1125が形成されている。
【0022】
垂下片1123は、キッチン側が短くてダイニング側が長くなっており、ダイニング側の垂下片1123の長さは、基体固定枠111のキッチンカウンター2取付面の端部を隠す程度に長くキッチンカウンター2にほぼ当接する長さとなっている。さらに、ダイニング側に面する起立片1122と垂下片1123は見栄えをよくするために面一で平坦面を構成し、取付穴1128や締付穴1127は全てキッチン側面に配置している。
【0023】
上記の説明では、基体固定枠111と連結板フレーム112を個々に構成する場合について説明したが、基体固定枠111と連結板フレーム112とが一体成形された横フレーム11とすることが部品点数を減らすためには有効である。図4にその横フレーム11を用いた場合の連結板取付け部の縦断面模式図を示す。横フレーム11は、縦断面がコ字状の形状であり、内部の中間部にはキャップ被取付部1125が内側に向けて突設されとおり、キャップ取付機能とともに該キャップ被取付部1125の上面は後述のガスケット13の挿入位置規制機能を兼ね備え、キャップ被取付部1125の上部と前後の起立片1122で溝1121を構成している。前述の基体固定枠111と連結板フレーム112とを分離した構成に比べると、当然のことであるが一体化されているため取付穴が不要となっており、締付穴1127と固定穴1111が横フレーム11の長手方向に複数箇所に穿孔されている。固定穴1111は横フレーム11の上部開口部分に向けて開放されており、基体裏板14や固定具1112を上部開口部分から挿入して、キッチンカウンター2に横フレーム11を螺着固定する。横フレーム11の固定穴1111も前述の如く、固定穴1111は固定具1112の軸径よりも大きくしているため、螺着途中において横フレーム11を所定位置に位置調整させながら位置決めすることが容易である。
【0024】
次に、ガスケット13について説明する。図3、図4に示すように、ガスケット13も縦断面コ字状の形状であり、前後の狭持片131が底部で連結された樹脂成形品で、狭持片131の先端部が軟質樹脂131bで底部を含むその他部分が硬質樹脂131aを注入して製造される長尺の2種材一体成形品である。底部分の前後幅は横フレーム11又は連結板フレーム112の溝1121の前後長さにほぼ等しく、該溝1121に押込み装着するように構成されている。狭持片131の軟質樹脂131b部分は先端部分が前後方向に若干膨らんだ形状でガスケット13の外側下方に向けて傾斜させており、横フレーム11又は連結板フレーム112の起立片1122の先端を覆い連結板10の前後両面に密着させて連結板10と軟質樹脂131bの接触面にゴミなどが付着または侵入しないように考慮されている。このように構成することで、ガスケット13の横フレーム11又は連結板フレーム112への取り付けは、ガスケット13の底部が硬質樹脂131aであるため滑りやすく、また、このガスケット13で挟持させる連結板10の横からの挿入も摺動性に富んでいるため、連結板10を押し込み易い。
【0025】
図5には、レンジフード5とキッチンカウンター2間に取り付けられた連結板10の要部正面模式図とサイドキャップ説明図を示している。サイドキャップ12は硬質樹脂製の板状成形体であり、キャップ取付穴122が穿孔されており、キャップ取付穴122にキャップ取付具121を挿通して、横フレーム11又は連結板フレーム112のキャップ被取付部1125に螺着固定する構造としている。板状成形体であるサイドキャップ12は横フレーム11に連結板10を挿入して設置した後に、その横フレーム11端部を覆い隠すものであり、取り付け修了後のガスケット13、横フレーム11(又は連結板フレーム112と基体固定枠111)の端部を隠す大きさの形状である。
【0026】
以上、横フレーム11(基体固定枠111、連結フレーム)、ガスケット13等について説明してきたが、横フレーム11(基体固定枠111、連結フレーム)はキッチンカウンター2側にもレンジフード側にも兼用できる金属製押出成形材であり、ガスケット13も両方に兼用できる樹脂成形品である。
次いで、連結板10の取付け方法の一例について以下説明する。
【0027】
まず、本発明の対面型キッチン1を設置するにあたり、レンジフード5を所定箇所に室内の天井から吊下げ固定するとともに、レンジフード5の下方に加熱器4が位置するように対面型キッチン1を設置する。
基体固定枠111の裏面に板状パッキン15を両面テープ等で部分的に貼り付け、その基体固定枠111を取付穴1128のある面をキッチン側に向けてレンジフード5のダイニング側の下面に配置し、基体裏板14の裏板穴141に固定具1112の軸部を相通した状態で、基体固定枠111の固定穴1111に固定具1112を挿通して複数箇所に螺着固定して、レンジフード5下面に基体固定枠111を取り付ける。
次いで、基体固定枠111の段部1114に連結板フレーム112の係止部1124を係止させ、取付具1113にて基体固定枠111に連結板フレーム112を螺着固定し、その連結板フレーム112の溝1121内にガスケット13を押込みセットする。
【0028】
一方、キッチンカウンター2側には、先に取り付けたレンジフード5側の基体固定枠111に対向させて、レンジフード5側の取付け手順と同様にキッチンカウンター面に基体固定枠111を螺着固定する。この場合に、レンジフード側と下げ振り具等で位置合わせしながら螺着固定するが、固定穴1111が固定具1112の軸径よりも大きく成形されているため、左右前後の微小位置合わせが容易にできる。基体固定枠111、連結板フレーム112、そして、ガスケット13を順次取り付けキッチンカウンター2側の部材取り付けを終了させる。
【0029】
次いで、レンジフード5側とキッチンカウンター2側のガスケット13の狭持片131間に、側方から連結板10を挿入し左右端を一致させた後に、キッチン側からキッチンカウンター2側の複数の締付穴1127に止めねじ1126を締め付けて連結板10の下端を固定し、同様にレンジフード5側も複数の止めねじ1126で連結板10を締め付け固定する。このように側方から連結板10を挿入固定するため、レンジフード5とキッチンカウンター2の間の距離が設計図よりも長くなって施工されていても、レンジフード5側のガスケット13の狭持片131の長さの余裕代、すなわち間隙16で、その誤差を吸収することができる。
【0030】
そして、最後にレンジフード5側及びキッチンカウンター2側の基体固定枠111の端部の上下左右の四箇所にキャップ固定具1112にてサイドキャップ12を取り付け、端部を覆い隠して連結板10をレンジフード5とキッチンカウンター2間に容易に且つ取替え可能に取り付けることができる。
【0031】
次に連結板10の別の取付け方法について以下説明する。
レンジフード5を所定箇所に室内の天井から吊下げ固定するとともに、レンジフード5の下方に加熱器4が位置するように対面型キッチン1を設置する。
基体固定枠111の裏面に板状パッキン15を両面テープ等で部分的に貼り付け、その基体固定枠111を取付穴1128のある面をキッチン側に向けてレンジフード5のダイニング側の下面に配置し、基体裏板14の裏板穴141に固定具1112の軸部を挿入した状態で、基体固定枠111の固定穴1111に固定具1112を挿通して複数箇所に螺着固定して、レンジフード5の下面に基体固定枠111を取り付ける。また、キッチンカウンター2側には、先に取り付けたレンジフード5側の基体固定枠111に対向させて、レンジフード5側の取り付け手順と同様にキッチンカウンター面に基体固定枠111を螺着固定する。までは前記取り付け方法と同様である。
【0032】
次いで、連結板10の上下端部に間隙16がない状態、即ち最も高さ寸法が小さい状態でガスケット13で連結板10を挟み込み、更に連結板フレーム112をガスケット13が装着された上から嵌入する。そして、連結板フレーム112までが装着された連結板10をダイニング側から、先ずキッチンカウンター2側の基体固定枠111の段部1114と連結板フレーム112の係止部1124とを係合させ、次にレンジフード5側の基体固定枠111の段部1114と連結板フレーム112の係止部1124とを係合させる。このときガスケット13を間隙がない状態で装着しているため、係止部1124は段部1114を乗り越えることができ、乗り越えた後にレンジフード5側のガスケット13と連結板フレーム112を一緒に上方に持ち上げれば係止部1124と段部1114を係合できる。
【0033】
レンジフード5及びキッチンカウンター2側において、取付具1113にて基体固定枠111に連結板フレーム112を螺着固定ののち、締付穴1127に止めねじ1126を締め付けて連結板10を固定する。
【0034】
最後にレンジフード5側及びキッチンカウンター2側の基体固定枠111の端部の上下左右の四箇所にキャップ固定具1112にてサイドキャップ12を取り付け、端部を覆い隠す。
【0035】
このように、連結板10を側面から差し入れるスペースが十分取れない場合でも、ダイニング側から取り付け、または交換作業をおこなうことができる。
【0036】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発
明に含まれる。
【符号の説明】
【0037】
1 対面型キッチン
2 キッチンカウンター
3 シンク
4 加熱器
5 レンジフード
10 連結板
11 横フレーム
111 基体固定枠
1111 固定穴
1112 固定具
1113 取付具
1114 段部
112 連結板フレーム
1121 溝
1122 起立片
1123 垂下片
1124 係止部
1125 キャップ被取付部
1126 締付具(止めねじ)
1127 締付穴
1128 取付穴
12 サイドキャップ
121 キャップ取付具
122 キャップ取付穴
13 ガスケット
131 挟持片
131a 硬質樹脂
131b 軟質樹脂
14 基体裏板
141 裏板穴
15 板状パッキン
16 間隙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対面型キッチンにおけるキッチンカウンター(2)とレンジフード(5)間に配設される連結板(10)が、周囲に枠を有さない平板状の透明又は透光性を有する矩形部材であって、前記キッチンカウンター(2)と前記レンジフード(5)のそれぞれに横フレーム(11)を取り付け、該横フレーム(11)の溝(1121)内に断面コ字状のガスケット(13)を嵌入して、前記ガスケット(13)の断面コ字状の狭持片(131)間で前記連結板(10)を挟み込んで固定し、前記横フレーム(11)の端部にはサイドキャップ(12)を設けていることを特徴とする対面型キッチン。
【請求項2】
前記横フレーム(11)は、基体固定枠(111)と連結板フレーム(112)からなり、前記基体固定枠(111)は断面L字状で端部に段部(1114)を有し、前記連結板フレーム(112)は溝(1121)の一方の起立片(1122)の先端部が断面鉤状の係止部(1124)を有しており、前記段部(1114)に前記係止部(1124)を係止させて基体固定枠(111)に連結板フレーム(112)を取付具(1113)にて固定することを特徴とする請求項1に記載の対面型キッチン。
【請求項3】
前記基体固定枠(111)のレンジフード(5)又はキッチンカウンター(2)への取り付けは、前記基体固定枠(111)とレンジフード(5)又はキッチンカウンター(2)間に軟質素材からなる板状パッキン(15)を配設し、該基体固定枠(111)の反対側に基体裏板(14)を配設して、固定具(1112)にてレンジフード(5)またはキッチンカウンター(2)に螺着固定する構造であって、前記固定具(1112)を挿通する基体裏板(14)の裏板穴(141)は該固定具(1112)の頭部外径より小さく軸部が挿通可能な内径であり、基体固定枠(111)に設けた固定穴(1111)は基体裏板を(14)介して前記固定具(1112)が係止可能な内径で軸部との間に位置調整可能な大きさの隙間を有することを特徴とする請求項2に記載の対面型キッチン。
【請求項4】
前記基体固定枠(111)、連結板フレーム(112)、ガスケット(13)は、レンジフード(5)側とキッチンカウンター(2)側で兼用でき、基体固定枠(111)及び連結板フレーム(112)は長尺の金属製押出成形材であり、前記ガスケット(13)は狭持片(131)の先端側が軟質樹脂(131b)で奥側が硬質樹脂(131a)よりなることを特徴とする請求項2乃至3のいずれかに記載の対面型キッチン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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