説明

少なくとも1つの共通の領域を含むそれぞれの作業スペースを有する少なくとも2台のロボットを制御する方法

【課題】2台のロボットを制御する方法であって、共通作業領域におけるロボット間の干渉を防止する。
【解決手段】作業スペースは、存在する物体を考慮して単純な形状によって構成された、禁止干渉領域、監視干渉領域、ハイブリッド干渉領域に分類される干渉領域を規定することによってモデル化される。各ロボット3,4は、ハイブリッド干渉領域に進入するときに、進入予約の第1出力信号、および進入/存在の警告の第2出力信号を中央電子制御ユニット7に送信するように構成され、ハイブリッド干渉領域のステータスは、ハイブリッド干渉領域に他のロボット3,4が存在するか否かに応じて、ハイブリッド干渉領域をロボット3,4に対して監視または禁止された状態にするロボット3,4への入力信号を、中央電子制御ユニット7から送信することによって、ロボット3,4の動作中に、各ロボット3,4に対して動的に変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの共通の領域を含むそれぞれの作業スペースを有する少なくとも2台のロボットを制御する方法であって、前記ロボットを制御するための中央電子制御ユニットが予め配置され、この中央電子制御ユニットは前記種々のロボットと通信してそれらのロボットの動作を管理するために設けられ、共通作業領域における前記ロボット間の干渉を防止するものに関する。
【背景技術】
【0002】
共有スペースで作業する複数のロボットを有する工業用の部屋の標準的なプログラミングでは、ロボットが以下の操作を連続して実行するために、各ロボットプログラムの中に指示を規定することが必要である。
1.共有領域への進入の予約をリクエストする(制御ユニットへの出力信号)。
2.共有領域に進入するために、制御ユニットからの承認を待つ(制御ユニットからロボットへの入力信号)。
3.共有領域の内部に存在する(出力信号)。
4.共有領域から退出する。
【0003】
これらの連続したコマンドは、いわゆる「インターブロック」プログラミングが(共有領域での作業ステップに対応して)想定されるプログラムの個々の部分でそれぞれ繰り返されなければならない。1つ以上の共有領域へのアクセスを規制するルールの処理は、前記領域へのアクセスを得ることができるロボットの優先権を管理するタスクを担う制御ユニット(PLC)に委ねられている。2つのロボットのみが共通作業領域を共有する簡単なプログラムの例では、ロボットRからアクセスのリクエストが送信されると、制御ユニットは、ロボットRからの保留中のリクエストがなく、かつ、ロボットRが共有領域で作業していないことをチェックする。ロボットRからの保留中のリクエストがなく、かつ、ロボットRが共有領域で作業していない場合、ロボットRに対してアクセスが許可される。同様に、ロボットRのアクセスに対するルールを再構築することが可能である。前記システムの制御ユニットのアクセスは、添付した図1に見られるように概略的に表すことができる。
【0004】
ロボットプログラムは、ロボットプログラムの一部分で、共有領域へのアクセスのルールを処理し、共有領域から適切に退出できるように、(アクセスに対する)入力信号および(予約や共有領域の内部に存在するか否かについて制御ユニットと通信するための)出力信号を処理できなければならない。ロボットプログラムの例を以下に示す。
【0005】
【表1】

【0006】
見られるように、インターブロック領域I2へのアクセスのリクエストを表す信号req I2を送ることが規定されている。この信号の送信後、システムは、インターブロック領域へのアクセスを可能にするために、制御ユニットによって送信されなければならない信号cons_I2を待っている状態である。開始の許可が制御ユニットから得られると、ロボットは、干渉領域の占有の信号interf_I2を送信し、予約信号req I2がゼロとなるように送信する。最後に、移動を実行した後、ロボットは、インターブロック領域の占有の信号interf_I2がゼロとなるように送信する。
【0007】
上述の種類のアーキテクチャが与えられた場合、主な限界は以下の通りである。
もし、ロボットプログラムのフローが変更されるならば、システムを不適合の状況に置く可能性が高い。例えば、もし、(作動中に、)ロボットが共有領域に手動で動かされるならば、制御ユニットは、ロボットが存在することについて「警告され」ず、結果として生じるロボット間の起こり得る衝突によって、インターブロックからなるシステムの全体的な誤作動を引き起こすかもしれない。
単一のインターブロックのそれぞれに対して、共有領域について、予約、待機、存在すること、および中止の指示を入力することが必要である限り、ロボットプログラムの複雑度は、特に高い。
共有領域にロボットが存在することを確認するために、ロボットの位置について、リアルタイムの制御は行われていない。ロボットの移動についてのプログラムの停止は、プログラミングにおいて、ロボット間の衝突を回避するいかなるタイプの制御も存在しないということを意味する。
ロボットの作業プログラムの考えられる修正は、プログラムの各部分やプログラムでのインターブロックに関する指示の一貫した修正を意味する。
別の限界は、ユーザーが、作業プログラムにおいて、いくつかの指示を飛ばす(ロボットの作業プログラムをテストするために、プログラミングの初期のステップで普及するように作成されたバイパス)、またはユーザーが、例えばインターブロック領域のアクセスや占有のリクエストの操作を飛ばしてプログラムの内部で誤ってカーソルを動かすという極めて頻繁に起こる偶発性であると考えられる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、前記欠点を克服することである。
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の主題は、
少なくとも1つの共通の領域を含むそれぞれの作業スペースを有する少なくとも2台のロボットを制御する方法であって、前記ロボットを制御するための中央電子制御ユニットが予め配置され、この中央電子制御ユニットは前記種々のロボットと通信してそれらのロボットの動作を管理するために設けられ、共通作業領域における前記ロボット間のあらゆる干渉を防止するものにおいて、
前記方法は、
前記各ロボットの作業スペースが、前記ロボットの作業スペースに存在する物体を考慮して、それぞれが単純な幾何学的形状によって構成された1つ以上の干渉領域(IRs)を規定することによってモデル化され、
前記干渉領域は、次の3つの異なるカテゴリーに分類され、
禁止干渉領域(PIRs)は、例えば、前記ロボットが干渉してはならない1つ以上の前記物体が恒久的に存在するために、前記ロボットが存在することが常に確実に阻止されなければならないスペースの領域として規定され、
監視干渉領域(MIRs)は、前記ロボットが存在することが容認されているが制御されるスペースの領域として規定され、前記ロボットは、前記監視干渉領域に進入するとき、および前記監視干渉領域から退出するときに、前記中央電子制御ユニットに信号を送信するように予め構成され、
ハイブリッド干渉領域(HIRs)は、前記中央電子制御ユニットによって送信された前記ロボットへの入力信号に応じて、前記監視干渉領域のステータスと前記禁止干渉領域のステータスとを変更可能なスペースの領域として規定され、
前記各ロボットは、前記ハイブリッド干渉領域に進入するときに、進入予約として出力される第1出力信号、および進入すること/存在することの警告として出力される第2出力信号を前記中央電子制御ユニットに送信するように予め構成され、
前記各ハイブリッド干渉領域のステータスは、前記ハイブリッド干渉領域に他の前記ロボットが存在するか否かに応じて、前記ハイブリッド干渉領域を前記ロボットに対して監視または禁止された状態にする前記ロボットへの入力信号を、前記中央電子制御ユニットから送信することによって、前記ロボットの動作中に、前記各ロボットに対して動的に変更されることを特徴とするロボットを制御する方法である。
【0010】
別の特徴によれば、前記ハイブリッド干渉領域が、前記中央電子制御ユニットから前記ロボットに前記入力信号を送ることによって、前記ロボットに対して前記禁止干渉領域のステータスに切り替えられるとき、前記ロボットは、前記ハイブリッド干渉領域に向かって移動している場合、前記ロボットの速度がゼロになる前記ハイブリッド干渉領域の境界に至るまで制御された方法で減速され、
前記ハイブリッド干渉領域が前記ロボットに対して前記監視干渉領域のステータスになるように送信する前記ロボットへの新しい入力信号によって、前記ハイブリッド干渉領域が再設定されるとき、システムは、作動中である場合、保留中の前記ロボットの移動を阻止することなく、前記ロボットの移動を自動的に復活させる。
【0011】
見られるように、本発明にかかる方法は、基本的に、公知技術の連続的な動作モードを採用する代わりに、ロボットを並列に制御することを特徴としている。特に、本発明にかかる方法は、ロボットからの出力信号によって、各ロボットの作業スペースの制御を想定することに加えて、制御ユニットからのロボットへの入力によって、ハイブリッド干渉領域への進入に対する阻止の実行/停止を処理することも想定し、さらに、ハイブリッド干渉領域への進入を予約するための、制御ユニットへの別の出力信号を規定することを想定している。本発明にかかる方法は、さらに、阻止された干渉領域の境界付近での急停止を回避し、できるだけ速くロボットの移動を再開する方法で、停止の速度および再開を規制してロボットの自動停止および移動の再開を処理する。
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、限定されない例として単に提供された添付図面を参照して、以下の説明から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】公知技術による方法に対応する、上で既に説明したブロック図を示す図。
【図2】共有領域を含むそれぞれの作業スペースを有する2つの工業用ロボットが設けられた部屋を示す概略斜視図。
【図3】各ロボットの作業スペースの干渉領域を規定するために使用される異なる幾何学的形状を示す図。
【図4】各ロボットの作業スペースの干渉領域を規定するために使用される異なる幾何学的形状を示す図。
【図5】各ロボットの作業スペースの干渉領域を規定するために使用される異なる幾何学的形状を示す図。
【図6】各ロボットの作業スペースの干渉領域を規定するために使用される異なる幾何学的形状を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2を参照すると、部屋1は、2つのロボット3,4が、例えば構成要素の組み立ておよび/または溶接の作業を実行する作業台2を有するワークステーションを想定している。2つのロボット3,4は、各電子制御ユニット5,6によって制御される。各中央制御ユニット5,6は、共に、本発明にかかる方法を実行するために使用される中央電子制御ユニット7に接続されている。中央ユニット7は、例えば、部屋1の制御用の制御ユニットによって構成できる。しかしながら、中央制御の機能は、個々のロボットを制御する2つのユニット5,6のうちの1つに設けることもできる。加えて、互いに干渉する少なくとも2つのロボットに対して参照がなされる本願発明の明細書および特許請求の範囲には、少なくとも2つのアームが独立して制御され互いに干渉する複数のアームを有するロボットの場合も含まれている。この場合、単一のロボットは、本発明の方法が実行される単一の制御ユニットを有している。
【0015】
ロボット3,4は、2つのロボット間の干渉のおそれがある共通領域を含むそれぞれの作業スペースを有している。ロボットの作業スペースには、対応領域をロボットが全くアクセスできない状態にする物体(例えば、固定された作業台2)も存在している。
【0016】
各ロボット間の干渉およびその回りの環境の問題に対処するために、本発明に従って、単純な幾何学的形状が、例えば、実質的には、円筒(図3)、平行6面体(図4)、平面(図5)、または球(図6)の形で、干渉領域(IRs)として参照され、規定されている。それらは、ロボットの作業スペースの内部に存在する物体と調和した空間的広がりのある容積空間を形成するようにして、ロボットの作業領域に入れられる。図3,4および6では、干渉領域は、実線で表された大きい方の容積空間の内部に収容された、点線で表された容積空間によって構成されている。この点線で表された容積空間は、ロボットの移動可能な部分が干渉領域の境界へ接近したときに信号で伝えられる「警告」領域として機能する。図5の場合、干渉領域は、垂直面Aによって構成されている。垂直面Aに面する面Bは、警告信号が作動する境界を画定している。
【0017】
本発明にかかる方法では、多数(例えば16まで)の干渉領域であっても規定することが可能である。本発明によれば、干渉領域は、次の3つの異なるカテゴリーに分類される。
監視干渉領域(MIRs)
禁止干渉領域(PIRs)
ハイブリッド干渉領域(HIRs)
【0018】
監視干渉領域は、ロボットが存在することが制御される容積空間である。そして、ロボットが監視干渉領域に接近する場合、外側(例えば制御ユニット)に向かって、出力信号が上げられるだろう。同様に、監視干渉領域から退出する場合、前記信号は、下げられるだろう(出力のロジックを選択することも可能である。)。
【0019】
禁止干渉領域は、ロボットが存在することが確実に阻止されなければならない容積空間である。ロボットの作業領域におけるこのタイプの容積空間の規定は、ロボットが領域に到達することを回避するように、ロボットの位置を連続的に制御することを必要とする。この制御は、ロボットの状態がどうであれ行われる(ロボットのプログラミング、すなわちロボットの自動運転のプログラミング)。この処理により、禁止干渉領域それ自身からのロボットの距離に基づいてロボットの速度を自動的に規制することによって、ロボットの宣言した禁止干渉領域との接触が回避される。ロボットが禁止干渉領域に到達した場合、制御ユニットに出力信号は送信されないが、システムは、エラーを発生させてロボットを停止させる。
【0020】
最後に、ハイブリッド干渉領域は、入力信号のロジックの状態に基づいて、監視された状態から禁止された状態へ、およびその逆へ、ステータスを変更できる容積空間である。同時に、ハイブリッド干渉領域に進入するための予約として機能する出力信号、およびハイブリッド干渉領域へのアクセスのための別の出力信号を規定することが可能である。このように、(従来技術と比較すると、)多目的かつ革新的な方法で、前段落で説明したようなインターブロックを扱うことが可能である。ハイブリッド干渉領域は、入力によって禁止された状態にされると、ロボットの速度がゼロになる領域の境界に至るまで、ロボットにおいて制御された減速が行われるという特徴を有する。ハイブリッド干渉領域が、監視された状態になるように、入力によって再設定されると、システムは、保留中の移動を阻止することなく、ロボットの移動を自動的に復活させる。領域が監視されている場合、この時点で、システムは、予約している領域の内部、すなわち干渉領域の内部にロボットが存在するか否かを出力を介して外側と通信する。
【0021】
前記構成によって、本発明は、高度なインターブロックのプログラミングを可能にする。
【0022】
監視された状態から禁止された状態へステータスを変更できるハイブリッド干渉領域を規定することによって、実際の自動化された部屋で使用される「古典的な」インターブロックの高度な処理を行うことができる。本発明の基本的な態様は、本質的には、入力によって動的に作動/停止することができ、2つのタイプの出力、すなわち、共有領域への進入を予約する出力、および共有領域それ自身の内部に存在することを示す出力の設定を自動的に処理する異なる形状/配置を有する領域を規定することにある。これらの3つの信号により、ロボットプログラムの内部のインターブロックの処理を大幅に簡略化し、(現行のシステムと互換性がある態様に関しては、格別の利点を提供して、)図1に表された制御ユニットのアクセスのルールの処理を変更しないように維持することは可能である。実際、(2つ以上のロボット間で共有された作業スペースを表す)ハイブリッド干渉領域を規定した後、入力および出力を制御ユニットによって処理できるようにして、プログラムにおいて宣言された干渉領域に正しい入力および出力を関連付けるには十分である。球のハイブリッド干渉領域のプログラミングの例が以下に再作成されている。
【0023】
【表2】

【0024】
上で示した最初の3つの指示は、干渉領域がハイブリッドタイプであることを宣言し、アクセスの予約、存在すること、およびアクセスのリクエストのためのポートの出力および入力がマップ(map)され、それを規定するために出される。指示IR_CreateSphere(...)は、ロボットの作業スペースにおいて、前に宣言した出力および入力に関連付けて球のハイブリッド干渉領域を規定する目的を有する。領域の宣言は、プログラムそれ自身のフローに関係なく、プログラムの開始時に一度のみ実行され、インターブロックを全体的に自動処理される状態にすることに留意すべきである。プログラムには、(公知技術による解決策とは違って、)信号の送信や信号を待つことに関する明確な指示は存在しない。
【0025】
いかなる動作状態においても、(ロボットのプログラミングのステップ、またはロボットの自動運転のステップのいずれにおいても、)システムは、入力によって設定されたハイブリッド干渉領域のステータスを自動的に確認するだろう。このようにして、もし、干渉領域へのアクセスが、(例えば入力を0に設定することによって)ロボットに対して阻止されるならば、例えば、移動のプログラムがロボット上で実行される場合、ロボットは、自発的に干渉領域に進入することができないだろう。そして、ロボットをプログラミングする人間のオペレータが阻止された領域の内部にロボットを持ってくるように試みるときも、同様に、ロボットの進入が阻止されるだろう。いずれの場合であっても、ロボットの動作は、ロボットの工具中心点と禁止干渉領域の間の最も近い点から禁止干渉領域への距離に比例した全体的なオーバーライド(override)の減少によって、ロボットが禁止干渉領域に接近するにつれて、ロボットの速度をゼロにするように、制御された減速を実行することである。
【0026】
ハイブリッド干渉領域によって導入された技術革新は、主に、ハイブリッド干渉領域のステータスの制御のための入力が変更されると、ロボットの移動を自動的に復活させることであると考えられる。換言すると、ロボットは、入力信号が、0(進入が阻止された状態)から1(進入ができる状態)へ変更された場合、阻止された干渉領域付近での停止に先行した(オーバーライドがスムーズに増加する)移動を自発的に再開することができる。
【0027】
前の説明から明らかなように、本発明にかかる方法は、基本的に、公知技術の連続的な動作モードを採用する代わりに、ロボットを並列に制御することを特徴としている。特に、本発明にかかる方法は、ロボットからの出力信号によって、各ロボットの作業スペースの制御を想定することに加えて、制御ユニットからのロボットへの入力によって、ハイブリッド干渉領域への進入に対する阻止の実行/停止を処理することも想定し、さらに、ハイブリッド干渉領域への進入を予約するための制御ユニットへの別の出力信号を規定することを想定している。本発明にかかる方法は、さらに、阻止された干渉領域の境界付近での急停止を回避し、できるだけ速くロボットの移動を再開する方法で、停止の速度および再開を規制してロボットの自動停止および移動の再開を処理する。
【0028】
もちろん、本発明の原理に対して先入観なしに、構造の細部および実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなく、説明したものおよび単に例によってここで図示したものに関して広く変更してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 部屋
2 作業台
3,4 ロボット
5,6 電子制御ユニット
7 中央電子制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの共通の領域を含むそれぞれの作業スペースを有する少なくとも2台のロボット(3,4)を制御する方法であって、前記ロボットを制御するための中央電子制御ユニット(7)が予め配置され、この中央電子制御ユニット(7)は前記種々のロボット(3,4)と通信してそれらのロボットの動作を管理するために設けられ、共通作業領域における前記ロボット間のあらゆる干渉を防止するものにおいて、
前記方法は、
前記各ロボットの作業スペースが、前記ロボットの作業スペースに存在する物体を考慮して、それぞれが単純な幾何学的形状によって構成された1つ以上の干渉領域(IRs)を規定することによってモデル化され、
前記干渉領域は、次の3つの異なるカテゴリーに分類され、
禁止干渉領域(PIRs)は、例えば、前記ロボットが干渉してはならない1つ以上の前記物体が恒久的に存在するために、前記ロボットが存在することが常に確実に阻止されなければならないスペースの領域として規定され、
監視干渉領域(MIRs)は、前記ロボットが存在することが容認されているが制御されるスペースの領域として規定され、前記ロボットは、前記監視干渉領域に進入するとき、および前記監視干渉領域から退出するときに、前記中央電子制御ユニットに信号を送信するように予め構成され、
ハイブリッド干渉領域(HIRs)は、前記中央電子制御ユニットによって送信された前記ロボットへの入力信号に応じて、前記監視干渉領域のステータスと前記禁止干渉領域のステータスとを変更可能なスペースの領域として規定され、
前記各ロボット(3,4)は、前記ハイブリッド干渉領域に進入するときに、進入予約として出力される第1出力信号、および進入すること/存在することの警告として出力される第2出力信号を前記中央電子制御ユニット(7)に送信するように予め構成され、
前記各ハイブリッド干渉領域のステータスは、前記ハイブリッド干渉領域に他の前記ロボットが存在するか否かに応じて、前記ハイブリッド干渉領域を前記ロボットに対して監視または禁止された状態にする前記ロボットへの入力信号を、前記中央電子制御ユニット(7)から送信することによって、前記ロボットの動作中に、前記各ロボット(3,4)に対して動的に変更されることを特徴とするロボットを制御する方法。
【請求項2】
前記ハイブリッド干渉領域が、前記中央電子制御ユニット(7)から前記ロボットに前記入力信号を送ることによって、前記ロボット(3,4)に対して前記禁止干渉領域のステータスに切り替えられるとき、前記ロボットは、前記ハイブリッド干渉領域に向かって移動している場合、前記ロボットの速度がゼロになる前記ハイブリッド干渉領域の境界に至るまで制御された方法で減速され、
前記ハイブリッド干渉領域が前記ロボットに対して前記監視干渉領域のステータスになるように送信する前記ロボットへの新しい入力信号によって、前記ハイブリッド干渉領域が再設定されるとき、システムは、作動中である場合、保留中の前記ロボットの移動を阻止することなく、前記ロボットの移動を自動的に復活させることを特徴とする請求項1に記載のロボットを制御する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−94956(P2013−94956A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−122936(P2012−122936)
【出願日】平成24年5月30日(2012.5.30)
【出願人】(590003342)コマウ・ソシエタ・ペル・アチオニ (10)
【氏名又は名称原語表記】COMAU SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】