説明

履物の緊締構造

【課題】幼児や、肢体が不自由な者、高齢者などであっても(介助者なしに)一人で容易に装着することのできる履物の緊締構造を提供する。
【解決手段】ベルト2と、第1側部11とに結合された引付具3を有し、ベルト2が第2側部12に固定された固定端部22とは反対側の自由端部21に引付具3の第1端部が固定され、自由端部21よりも固定端部22に近い第1開口23において開口する貫通孔50を通って、該第1開口23の部位において引付具3が折り返され、引付具3の第2端部において該引付具3が第1側部11に固定され、ベルト2の自由端部21と引付具3との間に指を挿入して引付具3を引張ることで、ベルト2を介して第2側部12が第1側部側11に引き付けられると共に、引付具3を介して第1側部11が第2側部12側に引き付けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物の緊締構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、足の甲の側面をそれぞれ覆う側部を有する履物に関して、一方の側部にベルトを設け、当該ベルトを他方の側部に面ファスナ等を用いて締結させることで、履物を足にフィットさせる構造が提案されている(特許文献1〜4参照)。
【特許文献1】実開平5−60304号(要約書)
【特許文献2】実開昭63−95808号(第2図)
【特許文献3】実用新案登録第3062527号(要約書)
【特許文献4】特開2006−212134(要約書)
【0003】
前記特許文献1〜4によれば、前記両側部を前記ベルトを用いて足にフィットさせるので、履物の脱着が容易となる。
【発明の開示】
【0004】
ここで、前記履物を装着するには、一方の手の指でベルトの端部を摘まみ、かつ、ベルトを引き、別の手で他方の側部を押さえ込みながら該ベルトを他方の側部に固定する必要がある。
しかし、この動作は、幼児や、肢体が不自由な者、高齢者などにとって負担を伴い、一人で履物の装着を行うことが困難な場合がある。
【0005】
したがって、本発明の目的は、幼児や、肢体が不自由な者、高齢者などであっても、(介助者なしに)一人で容易に装着することのできる履物の緊締構造を提供することである。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の履物の緊締構造は、足の甲の第1側面を覆い表面に第1止具を持つ第1側部と、足の甲の第2側面を覆う第2側部と、前記第2側部に固定され、裏面に前記第1止具に止められる第2止具を有し、前記2つの側部を足の甲にフィットさせるためのベルトとを備えた履物の緊締構造において、前記ベルトと前記第1側部とに結合された帯状および/または紐状の引付具を有し、前記ベルトにおける前記第2側部に固定された固定端部とは反対側の自由端部に前記引付具の第1端部が固定され、前記ベルトにおける前記自由端部よりも前記固定端部に近い第1開口において開口する貫通孔を通って、かつ、該第1開口の部位において前記引付具が折り返され、前記引付具の第2端部において該引付具が前記第1側部に固定され、前記ベルトの自由端部と前記引付具との間に指を挿入して前記引付具を前記第1側部側に引張ることで、前記ベルトを介して前記第2側部が前記第1側部側に引き付けられると共に、前記引付具を介して前記第1側部が前記第2側部側に引き付けられることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、前記ベルトの自由端部と前記引付具との間に指を挿入して前記引付具を前記第1側部側に引張ることで、前記ベルトを介して前記第2側部が前記第1側部側に引き付けられると共に、前記引付具を介して前記第1側部が前記第2側部側に引き付けられる。そのため、片手で前記履物を足に十分フィットさせるように装着することができるので、幼児や、肢体が不自由な者、高齢者などであっても、介助者なしに一人で容易に当該履物を足に装着することができる。
特に、ベルトの端を指で摘む必要がなく、ベルトの自由端部と引付具との間に指を挿入して引っ張るだけで、前記両側面を均等に足の甲にフィットさせることができるので至便である。
【0008】
本発明において、前記引付具は、前記ベルトよりも伸縮性の大きい素材、つまり、容易に伸び、かつ、元の状態に縮む素材で形成されているのが好ましい。
本態様によれば、引付具を前記ベルトよりも伸縮性の大きい素材で形成することにより、履物装着後にベルトが縮み、引付具の第1端部側の輪状の飛び出し部分が不必要に大きくなるのを抑制することができる。そのため、前記輪状の飛び出し部分が、遊具や自転車のペダルなど種々の外的要素に引っ掛かるのを防止することができる。
【0009】
本発明において、前記ベルトは表面を形成する表部材と裏面を形成する裏部材とを更に備え、前記表部材が前記引付具における前記第1端部と前記第2端部との間の中間部の一部を覆っているのが好ましい。
本態様によれば、前記引付具が外部に剥き出しにならないので、該引付具が引っ掛かったり、邪魔になるおそれが少なくなる。
【0010】
本発明において、前記表部材と裏部材とが互いに縫合されて前記表部材と裏部材との間で前記貫通孔が形成され、前記引付具は前記第2端部から前記第1開口、前記貫通孔、第2開口を通って前記第1端部に至るように配置されているのが好ましい。
本態様によれば、ベルトの表部材と裏部材とを互いに縫合することにより貫通孔を形成し、当該貫通孔に引付具を通すことで、引付具の大半の部分が外部に剥き出しになることがない上、体裁も良くなる。
【0011】
本発明において、前記ベルトの自由端部と前記引付具との間に指を挿入するための指かけ孔が形成され易いように、前記引付具が前記自由端部から半月状に浮いた状態を形成する孔形成手段を更に備えているのが好ましい。
本態様によれば、かかる孔形成手段により、指かけ孔が形成されていると、ベルトと引付具との間に指を挿入し易くなる。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の一実施例が図面にしたがって説明される。
なお、以下の説明では、履物の一例として幼児用の靴(スニーカー)を例示して説明する。
全体構成:
図1に示すように、本実施例の靴のアッパー1には、足の甲の第1側面を覆う第1側部11と、足の甲の第2側面を覆う第2側部12が一体に形成されている。前記両側部11,12の間には、舌片4が設けられている。
【0013】
図2に示すように、前記第1側部11の表面には、たとえば、鉤状の雄面ファスナからなる第1止具10が固着されている。
【0014】
図8に示すように、前記第2側部12には、前記2つの側部11,12を足の甲にフィットさせるためのベルト2の一方の端部(固定端部)22が固定されている。
図2に示すように、前記ベルト2の裏面には、たとえば、ループ状の雌面ファスナからなり前記第1止具10に係合することでベルト2を第1側部11に固定するための第2止具20が形成されている。
前記ベルト2は、該ベルト2の前記固定端部22とは反対側の自由端部21の裏面を第1側部11に固定することで、前記2つの側部11,12を足の甲にフィットさせる。
【0015】
引付具3:
本靴は、ベルト2と第1側部11とに結合された、帯状の引付具3を有している。
前記引付具3は、たとえば、平ゴムなどのベルト2よりも伸縮性が大きい素材、つまり、容易に伸び、かつ、元の状態に縮む素材で形成されている。
図2に示すように、前記引付具3の一方の端部(第1端部)31は、前記自由端部21に結合されている。引付具3の両端部31,32を除く中間部33は、前記ベルト2における固定端部22の近傍の第1開口23において開口する貫通孔50を通っている。前記第1開口23の部位において前記引付具3は折り返され、引付具3の他方の端部(第2端部)32において、前記第1側部11に結合されている。
【0016】
ベルト2:
図6の分解斜視図に示すように、前記ベルト2は、表部材5、裏部材2aおよび補強部材25を備えている。
前記ベルト2の固定端部22側の近傍には、引付具3の中間部33を通すための第1開口23が形成されている。
【0017】
図7に示すように、前記表部材5と裏部材2aとは、糸Tにより互いに縫合されている。図7および図8に示すように、前記ベルト2の裏部材2aと表部材5との間には、前記引付具3の中間部33が挿通される貫通孔50が形成されている。図7に示すように、表部材5の自由端部21側には、前記貫通孔50の幅方向Dに沿って縫合されていない第2開口24が形成されている。
したがって、図8に示すように、前記引付具3は、裏部材2aの第1開口23からベルト2内に形成された貫通孔50を通り、第2開口24から外部に露出しており、該引付具3は、貫通孔50内を移動可能に設けられている。
【0018】
前記引付具3は、第1側部11に結合された第2端部32から、第1開口23により折り返され、貫通孔50、第2開口24を通って、ベルト2の自由端部21に結合された第1端部31に至るように配置されている。
したがって、ベルト2の自由端部21側と引付具3との隙間に生じた指かけ孔7に指を挿入して引っ張ると、第1開口23を介して、貫通孔50内に引付具3が引っ張られ、該第2端部32が結合された第1側部11が第2側部12側に引き付けられる。
一方、前記指かけ孔7に指を挿入した状態で、ベルト2を第1側部11に向って引っ張ると、該ベルト2によって第2側部12が第1側部11側に引き付けられる。
【0019】
ここで、前記第1開口23の位置は、図2に示す第2側部12の上方端12eの付近が好ましい。また、足の骨との関係における第1開口23の位置は、足の外側でベルト2を止める場合、図16Aおよび図16Bに示す内側楔状骨B5の上端B5e近傍が好ましく、一方、足の内側でベルト2を止める場合、図16Aおよび図16Cに示す第4中足骨B4の骨底B4bの近傍が好ましい。前記第1開口23がベルト2の自由端部21に近すぎると引付具3で第1側部11を引っ張る力が作用しにくくなり、十分なフィット性が得られなくなる。一方、第1開口23がベルト2の固定端部22に近すぎると靴に足を挿入する際に両側部11,12間が開きにくくなるためである。
【0020】
着用方法:
まず、図2および図3に示すように、ベルト2を開いた状態で靴に足を挿入する。
つぎに、図8に示す指かけ孔7に指を挿入し、引付具3を引っ張りながら、図4に示すように、第1側部11に向ってベルト2を倒す。かかる動作によって、貫通孔50を通って中間部33が移動して、該引付具3の第2端部32(図2)が第2側部12側に引っ張られ、該第2端部32が結合された第1側部11が第2側部12に向って引き付けられると共に、ベルト2によって第2側部12が第1側部11側に引き付けられる。したがって、両側部11,12が足の甲の両側面にそれぞれフィットする。
【0021】
続いて、前記指かけ孔7に指を挿入したまま、図5に示すように、ベルト2を第1側部11に密着させると、第1側部11の第1止具10(図4)とベルト2の第2止具20とが係合し、ベルト2の自由端部21が第1側部11に固定される。
その後、指かけ孔7から指を抜くと、引付具3が縮み、該引付具3の指かけ孔7を構成する部分が、ベルト2の貫通孔50内に向って移動することで、図1に示すように、前記指かけ孔7が適度に小さくなり、外部の障害物などに引っ掛かりにくくなる。
【0022】
なお、左右の靴のベルト2が固定される第2側部12は、歩行中に左右のベルト2が互いに接触するのを防止するためにそれぞれ両足の内側に形成してもよいが、両足の外側に形成してもよい。
また、左右の靴の前記第2側部12を両足の同一方向に形成してもよい。たとえば、着用者の右手が不自由な場合には、左右の靴の第2側部12をそれぞれ右側に設けてもよいし、着用者の左手が不自由な場合には、左右の靴の第2側部12をそれぞれ左側に設けてもよい。
さらに、前述の実施例では、履物の一例として幼児用の運動靴(スニーカー)を例示したが、本発明の適用される履物としては、たとえば、大人用のスニーカーであってもよいし、紳士靴や婦人靴等の正装用や通勤用の靴であってもよいし、サンダル等であってもよい。また、引付具3を有するベルト2を2本以上設けてもよい。
【0023】
また、第1止具10をループ状の雌面ファスナとすると共に、第2止具20を鉤状の雄面ファスナとしてもよい。
また、第1止具10および第2止具20は互いに係合し得るものであればよく、面ファスナの他に、たとえば、ボタンやホックなどであってもよい。
【0024】
なお、履物の着用後、表部材5と裏部材2aとの間の引付具3の中間部33が第1開口23側に向ってスムースに移動し、指かけ孔7が適度に小さくなるように、引付具3の表面は、ベルト2との摩擦が小さい素材で構成するのが好ましい。
また、引付具3は必ずしも伸縮性を有する部材で構成する必要はない。
また、引付具3は紐状であってもよい。また、引付具3は指を挿入する指かけ孔7に相当する部分を帯状に形成し、他の部分を紐状に形成してもよい。
【0025】
さらに、貫通孔50は、必ずしも表部材5と裏部材2aとの間に形成する必要はなく、第2開口24を設けないで、第1開口23自体で貫通孔50を形成し、引付具3の中間部33をベルト2の表面に沿って配置するようにしてもよい。
【0026】
変形例:
図9〜図14は変形例を示す。
図9の変形例では、舌片4がアッパー1と一体に形成されている。
【0027】
図10A〜図10Cに示す変形例では、引付具3の中間部33の折り返し部分の摩擦を少なくするために、第1開口23に前記中間部33が挿通されるD環6が設けられている。また、表部材5と中間部33との摩擦を少なくするために、該表部材5にも別の開口が形成されている。
さらに、図10Aおよび図10Bに示すように、表部材5と裏部材2aとの間には、貫通孔50のスペースを確保するために、引付具3の厚みに応じた厚さのスペーサ25aが設けられている。
【0028】
したがって、本履物を装着すると、引付具3が第1側部11側に向ってスムースに移動し、指かけ孔7の隙間を適度に小さくすることができるので、指かけ孔7が大きく突出して邪魔になるのを防止することもできる。
なお、前記D環6はローラ付きのD環を用いてもよい。該ローラ部分に引付具3の中間部33が接触するようにすれば、よりスムースに引付具3の移動を行うことができる。
【0029】
また、図10Dおよび図10Eに示すように、第2止具20の第1開口23の部分を平面「コ」字状にカットした後、折り返して互いに重ねると共に、該折り返し部分に樹脂コーティング26を施してもよい。樹脂コーティング26を施すことにより、第1開口23の部分と引付具3との摩擦が小さくなるので、引付具3の中間部33が第1開口23をスムースに移動される。また、第1開口23の強度も向上し、繰り返し使用によるベルト2の第1開口23部分の損傷を防止することができる。
【0030】
ここで、指かけ孔7となるベルト2の自由端部21の近傍部分と引付具3との隙間が小さくなりすぎると、履物装着時に指かけ孔7に指を挿入しずらくなる。そのため、以下の変形例では、指かけ孔7となる前記隙間を邪魔にならない程度の大きさに確保している。
【0031】
図11〜図15は、指かけ孔7が形成され易いように、孔形成手段8を備えている。該孔形成手段8は、引付具3が自由端部21から半月状に上方に膨らんだように浮いた状態を保持する。
【0032】
図11Aの変形例では、引付具3の足先側Fよりも、踵側Bの後方部分3aの方が膨らむように、引付具3をベルト2に結合している。すなわち、図11Bに示すように、引付具3の第1端部31を斜めにカットし、該斜めにカットされた第1端部31をベルト2の幅方向Dと略平行になるように該第1端部31をベルト2に結合している。そのため、引付具3の第1端部31近傍は、足先側Fよりも、踵側Bの後方部分3aの方が弛みが生じて上方に浮き上がり、着用時に指を挿入するための適度な膨らみ7が形成される。この例の場合、引付具3自体が孔形成手段8を構成する。
なお、前記膨らみ7は、外部の障害物などの外的要素に引っ掛かるのを防止するため、踵側Bが若干膨らむように設定するのが好ましい。
【0033】
図12Aおよび図12Bに示す変形例では、前記図11の変形例に加えて、表部材5の自由端部21側の端51が斜めにカットされている。すなわち、図12Bに示すように、表部材5の前記端51は、該表部材5の幅方向Dにおいて、足先側Fの長さL3よりも踵側Bの長さL4の方が短くなるようにカットされている。
そのため、指かけ孔7となる浮き上がり部分の範囲が大きくなり装着時に指を入れ易くなる。
【0034】
図13の変形例では、引付具3の指かけ孔7に棒状のスペーサからなる形成手段8が挿入されている。
【0035】
図14の変形例では、表部材5の貫通孔50の幅(幅方向Dの長さ)よりも幅広のストッパからなる孔形成手段8を引付具3に貼付することにより指かけ孔7が形成されている。
図15の変形例では、引付具3の露出部分(孔形成手段)8を、表部材5の貫通孔50の幅よりも幅広に形成することにより指かけ孔7が形成されている。
図11〜図15の例では、引付具3における露出部分の長さが、対応するベルト2の長さよりも長くなっており、これにより、引付具3で指かけ孔7が形成される。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は履物の緊締構造に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施例にかかる履物(靴)を示す概略斜視図である。
【図2】同靴の緊締前の構造を示す概略斜視図である。
【図3】同靴の緊締方法を示す概略斜視図である。
【図4】同靴の緊締方法を示す概略斜視図である。
【図5】同靴を緊締後の状態で示す概略斜視図である。
【図6】引付具およびベルトを示す分解斜視図である。
【図7】引付具およびベルトを示す概略平面図である。
【図8】同靴の緊締構造を示す一部破断した概略斜視図である。
【図9】変形例を示す靴の概略斜視図である。
【図10】図10Aは変形例を示す引付具、ベルトおよび引付具の概略平面図、図10Bは図10AにおけるXB−XB線概略端面図、図10Cは図10AにおけるXC−XC線概略端面図、図10Dは別の変形例を示すベルトおよび引付具の概略平面図、図10Eは図10DにおけるXE−XE線概略端面図である。
【図11】変形例を示す靴の概略斜視図および引付具の平面図である。
【図12】変形例を示す靴の概略斜視図および表部材の平面図である。
【図13】変形例を示す靴の概略斜視図である。
【図14】変形例を示す靴の概略斜視図である。
【図15】変形例を示す靴の概略斜視図である。
【図16】足の骨の位置を示す概略平面図および概略側面図である。
【符号の説明】
【0038】
2:ベルト
2a:裏部材
3:引付具
5:表部材
8:孔形成手段
10:第1止具
11:第1側部
12:第2側部
12e:上方端
20:第2止具
21:自由端部
22:固定端部
23:第1開口
31:第1端部
32:第2端部
33:中間部
50:貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の甲の第1側面を覆い表面に第1止具を持つ第1側部と、
足の甲の第2側面を覆う第2側部と、
前記第2側部に固定され、裏面に前記第1止具に止められる第2止具を有し、前記2つの側部を足の甲にフィットさせるためのベルトとを備えた履物の緊締構造において、
前記ベルトと前記第1側部とに結合された帯状および/または紐状の引付具を有し、
前記ベルトにおける前記第2側部に固定された固定端部とは反対側の自由端部に前記引付具の第1端部が固定され、
前記ベルトにおける前記自由端部よりも前記固定端部に近い第1開口において開口する貫通孔を通って、かつ、該第1開口の部位において前記引付具が折り返され、前記引付具の第2端部において該引付具が前記第1側部に固定され、
前記ベルトの自由端部と前記引付具との間に指を挿入して前記引付具を前記第1側部側に引張ることで、前記ベルトを介して前記第2側部が前記第1側部側に引き付けられると共に、前記引付具を介して前記第1側部が前記第2側部側に引き付けられることを特徴とする履物の緊締構造。
【請求項2】
請求項1において、前記引付具は、前記ベルトよりも伸縮性が大きい素材で形成されている履物の緊締構造。
【請求項3】
請求項1において、前記ベルトは表面を形成する表部材と裏面を形成する裏部材とを更に備え、前記表部材が前記引付具における前記第1端部と前記第2端部との間の中間部の一部を覆っている履物の緊締構造。
【請求項4】
請求項3において、前記表部材と裏部材とが互いに縫合されて前記表部材と裏部材との間で前記貫通孔が形成され、
前記引付具は前記第2端部から前記第1開口、前記貫通孔、第2開口を通って前記第1端部に至るように配置されている履物の緊締構造。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ベルトの自由端部と前記引付具との間に指を挿入するための指かけ孔が形成され易いように、前記引付具が前記自由端部から半月状に浮いた状態を形成する孔形成手段を更に備えた履物の緊締構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−295489(P2008−295489A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−141443(P2007−141443)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】