説明

履物

【課題】
本発明は、位置検出が容易な履物を提供することを目的とする。
【解決手段】
履物Aは、GPS携帯端末4と、このGPS携帯端末4を収納する開閉自在な蓋51を有する箱5と、底1のかかと部分に空所11を設け、この空所11は上部を開口した開口部を有し、この開口部を開閉するように中敷き2が位置し、GPS携帯端末4を収納した箱5が空所11に収められているものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に係り、特に、位置検出が容易な履物に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、徘徊老人が社会問題化しつつあり、家庭、病院等において、注意をしていても何らかの理由により、抜け出し、周囲に迷惑をかけるという問題が生じている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題を除去するようにした履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の履物は、底のかかと部分にGPS携帯端末を内蔵するものである。
【0005】
また、請求項2記載の履物は、GPS携帯端末と、このGPS携帯端末を収納する開閉自在な蓋を有する箱と、底のかかと部分に空所を設け、この空所は上部を開口した開口部を有し、この開口部を開閉するように中敷きが位置し、前記GPS携帯端末を収納した箱が前記空所に収められているものである。
【0006】
また、請求項3記載の履物は、請求項1又は2記載の履物において、足の甲部を覆うアッパーと、底の上方の外周全体に亘って設けられた立ち上がり壁と、この立ち上がり壁の外周と前記アッパーの端部の外周に全体に亘って対向すると共に、対向した前記立ち上がり壁及び前記アッパーの端部に縫い付けられ、夜間、車両のライトを反射する反射テープとを備えているものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の履物によれば、GPS携帯端末を底のかかと部分に内蔵しているため、
内蔵部位に場所をとらず、しかも、位置を容易に検出することができ、特に、痴呆老人の履物に使用すれば、その効果は顕著である。
【0008】
また、請求項2記載の履物によれば、前述した請求項1記載の発明の効果に加え、底のかかと部分に位置するGPS携帯端末は箱により保護され、GPS携帯端末に充電した
いときには、開口部が外方に臨むように中敷きを取り除ければ、GPS携帯端末を収納する開閉自在な箱を取り出し、GPS携帯端末に充電をすることができる。
【0009】
また、請求項3記載の履物によれば、前述した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、立ち上がり壁、アッパーの下縁周囲を反射テープを介して縫製により一体化するため、特に、接着剤による接着が困難な反射テープを取り付けることができ、しかも、アッパーの下縁周囲全体に亘って設けた反射テープが夜間、車両のライトに反射して、危険防止をも図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施例を図面を参照して説明する。Aは履物で、履物Aは、概略的に、底1と、中敷き2と、アッパー(履物の底より上方の、足の甲部を覆う部分の総称)3とから構成されている。
底1は、例えば、中敷き2に比べ硬く、厚みが約25mmのウレタン樹脂で形成されている。また、中敷き2は、例えば、底1に比べ柔らかく、厚みが約7mm〜10mmのウレタンで形成されている。また、アッパー3に形成された履き口には、図2に示すように、舌部がなく、履き口を広くして履きやすいようにしてある。履き口の内側に内羽根31が、外側に外羽根32が、内羽根31の裏面には、係止用の第1の面状ファスナー33が、外羽根32の表面には、係止用の第2の面状ファスナー34が、それぞれ設けられ、第1の面状ファスナー33と第2の面状ファスナー34が係止するようになっている。35は指を掛かける指掛け部で、指掛け部35は、内羽根31の表面に設けられている。
【0011】
4はGPS携帯端末で、GPS携帯端末4は、例えば、GPSアンテナ(図示せず)と、GPS受信部(図示せず)と、電池、整流回路等を制御する制御部(図示せず)と、データ通信送信部(図示せず)と、データ通信用アンテナ(図示せず)とから構成され、底1のかかと部分に内蔵され、GPSアンテナ(図示せず)によって受信した衛星位置情報は、GPS携帯端末4の制御部(図示せず)によって徘徊者の位置である徘徊者位置情報が計算され、データ通信送信部(図示せず)、データ通信用アンテナ(図示せず)を介して送信されるようになっている。
このように、本発明の履物Aは、GPS携帯端末4を底1のかかと部分に内蔵しているため、内蔵部位に場所をとらず、しかも、位置を容易に検出することができ、特に、痴呆老人の履物に使用すれば、その効果は顕著である。なお、このGPS携帯端末4は、開閉自在な箱5内に収納されている。
【0012】
11は底1のかかと部分に設けられた空所で、この空所11は上部を開口した開口部11aを有し、この開口部11aを開閉するように中敷き2が位置するようになっている(図6及び図7参照)。空所11には箱5が収められるようになっており、51は開閉自在な蓋である。
従って、箱5はGPS携帯端末4を保護すると共に、空所11により強度的に弱くなった底1のかかと部分を補強するものであり、GPS携帯端末4に充電したいときには、開口部11aが外方に臨むように中敷き2を取り除き、蓋51をあけて、GPS携帯端末4を取り出し、GPS携帯端末4に充電をすることができる。なお、中敷き2は、比較的厚く、また、底1に比べ柔らかいため、歩行サイクルで加わる箱5への衝撃を和らげることができる。
【0013】
12は、底1の上方の外周全体に亘って設けられた立ち上がり壁で(図4及び図5参照)、6は夜間、車両のライトを反射する反射テープで、この反射テープ6は、立ち上がり壁12の外周とアッパー3の端部の外周に全体に亘って対向すると共に、対向した立ち上がり壁12及びアッパー3の端部に縫い付けられている(図1により隠れている部分にも反射テープ6は設けられている。)。
なお、「アッパーの下縁をボール紙芯の中底 と本底の間に接着剤を使って接着する」所謂セメント式においては、接着剤による接着が困難な反射テープを底部材とアッパーとの間に介在させることは、困難であるが、本実施例のように、反射テープ6の長手方向の一端を該長手方向の全体に亘って立ち上がり壁12に縫い付けると共に、反射テープ6の長手方向の他端を該長手方向の全体に亘ってアッパー3の端部に縫い付けて、反射テープ6を介して底1にアッパー3を取り付けることができる。
その結果、特に、接着剤による接着が困難な反射テープ6を取り付けることができ、しかも、アッパー3の下縁周囲全体に亘って設けた反射テープ6が夜間、車両のライトに反射して、危険防止をも図ることができることとなる。更に、空所11を形成する際、履物が上記したセメント式の場合、ボール紙芯の中底をも切除しなければならないが、本実施例の履物Aにあっては、底1のかかと部分の一部を空所とすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施例の履物の概略的斜視図である。
【図2】図2は、図1の履物の外羽根と内羽根とを広げた状態の概略的斜視図である。
【図3】図3は、図1の履物の概略的側面図である。
【図4】図4は、図3のX−X線による概略的断面図である。
【図5】図5は、図3のY−Y線による概略的断面図である。
【図6】図6は、図1の履物の概略的断面図である。
【図7】図7は、図6の履物を分解的に示す概略的分解断面図である。
【符号の説明】
【0015】
A 履物
1 底
2 中敷き
4 GPS携帯端末
5 箱
11 空所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底のかかと部分にGPS携帯端末を内蔵することを特徴とする履物。
【請求項2】
GPS携帯端末と、
このGPS携帯端末を収納する開閉自在な蓋を有する箱と、
底のかかと部分に空所を設け、この空所は上部を開口した開口部を有し、この開口部を開閉するように中敷きが位置し、
前記GPS携帯端末を収納した箱が前記空所に収められていることを特徴とする履物。
【請求項3】
足の甲部を覆うアッパーと、
底の上方の外周全体に亘って設けられた立ち上がり壁と、
この立ち上がり壁の外周と前記アッパーの端部の外周に全体に亘って対向すると共に、対向した前記立ち上がり壁及び前記アッパーの端部に縫い付けられ、夜間、車両のライトを反射する反射テープと、
を備えていることを特徴とする請求項1又は 請求項2記載の履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−223480(P2006−223480A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39582(P2005−39582)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(594091972)
【Fターム(参考)】