説明

工事車両支援システム

【課題】小規模な工事現場においても工事車両による巻き込み事故を防止可能な工事車両支援システムの提供。
【解決手段】工事現場の作業者150に持たせる無線信号発信手段となるRFIDタグ140と、工事車両となる油圧ショベル100に取り付けられ、RFIDタグ140より信号を受信する無線信号受信手段となるRFIDアンテナ190と、RFIDアンテナ190により得られた信号に関する情報を用いて、作業者150の位置を割り出す計算手段となるパソコン180と、パソコン180から作業者150の位置を取得して、油圧ショベル100の運転者10に作業者150の位置を伝える位置表示手段となるメガネ型ディスプレイ170を有することで、工事車両支援システムを実現。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工事車両を用いた工事をする際に発生する事故を低減する技術に関するものであり、具体的にはAR(Augmented Reality)技術を用いて工事車両の運転者に対して死角にいる人間や障害物の様子を伝える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場における重機運用にあたっては十分に周囲の状況に注意して安全に運用する必要がある。しかしながら、比較的に小規模な建設現場では、往々にして作業可能範囲が狭く十分にセーフティゾーンを設けられないようなケースがある。具体的には重機の死角に作業者が通りかかり、重機のオペレータがそれを知らずに重機を動作させることで作業者を巻き込んでしまうといった事故が起こっている。安全面から考えれば、重機の作動範囲内に作業者が入ることを禁止するか、それができない場合には重機を用いないことが望ましい。しかし、重機を用いての作業が可能であれば、作業効率を考えれば重機を用いて作業する方が好ましいのも事実である。そこでこのような問題を解決する方法が色々と検討されている。
【0003】
特許文献1には、飛び出し警告装置に関する技術が開示されている。特許文献1に開示される技術は、工事現場ではなく一般道路における車両と歩行者に対する接触事故回避のための技術である。具体的には車両に複数のセンサを備え、歩道からの歩行者の近接を複数のセンサによって検出した場合に、車両の運転者に歩行者の近接を他の車両に対して警告することで、他の車両と歩行者との接触事故を回避する技術である。
【0004】
特許文献2には、周辺車両監視装置及び周辺車両監視方法に関する技術が開示されている。車載した監視カメラ及びレーダーから得られる情報によって、割り込みの可能性のある周辺車両等を検出し、警報及び危険回避自動制御を行うことが可能となっている。
【0005】
特許文献3には、死角画像表示装置及び死角が相表示方法に関する技術が開示されている。車両の先端に取り付けた監視カメラによって自車両の前方左右を撮影し、その画像を車両室内に用意したモニタに表示することで、運転者からは死角になっている部分の映像を運転者に伝えることを可能としている。
【0006】
特許文献4には、死角表示装置に関する技術が開示されている。車両に取り付けた監視カメラによってピラーの陰などの運転者から死角になる部分の映像を撮影し、ピラーに埋め込んだディスプレイで死角になる部分の映像を表示することで、運転者からは死角になっている部分の映像を運転者に伝えることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−154933号公報
【特許文献2】特開2010−072969号公報
【特許文献3】特開2010−087861号公報
【特許文献4】特開2010−184534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1乃至特許文献4に開示される技術で小規模な工事現場での事故防止を考える場合には、以下に説明する課題があると考えられる。
【0009】
上記に示した一般車両用の事故防止技術を工事現場においても利用することは考えられるが、油圧ショベルなどの工事車両は一般乗用車とは異なる形状をしており、異なる特徴を有するために単純にこれらの発明を適用することはできない。例えば油圧ショベルであれば、アームに取り付けられた先端ツールの操作も目視で行う必要があるため、運転者の視界を可能な限り広くとる等の事情がある。また、アームや車両本体そのものが死角を作る事が多く、工事現場には障害物となる物や構造物が多いという事情もある。
【0010】
したがって、特許文献1には具体的な警報手段が明示されておらず、特許文献2には、音声又は文字をモニタに表示しての警報手段によって運転者に情報を伝えると記されているが、工事車両はその作業の特性から固定モニタに文字情報などの把握に時間を要する方法で表示しても、作業中に確認することは困難であると考えられる。また、工事現場の騒音レベルはかなり高いので、音声による警報手段も時として有効でない場合が考えられる。よって、特許文献1及び特許文献2に記載される技術を適用したとしても、有効な対策になる可能性は低い。
【0011】
また、特許文献3及び特許文献4に示すような技術を応用することは工事車両の死角を減らすと言う点では利点があるが、工事車両に多数の監視カメラを付ける必要がある為コスト的に問題となる。また、モニタを取り付けることで新たな死角を作りかねないという問題もある。また、監視カメラの死角になる部分に関する情報を得ることはできない為、障害物が多い工事現場にあっては得られるメリットが薄いと考えられる。
【0012】
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、小規模な工事現場においても工事車両による巻き込み事故を防止可能な工事車両支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明の一態様による工事車両支援システムは以下のような特徴を有する。
【0014】
(1)工事現場の作業者に持たせる無線信号発信手段と、工事車両に取り付けられ、前記無線信号発信手段より信号を受信する無線信号受信手段と、前記無線信号受信手段により得られた前記信号に関する情報を用いて、前記作業者の位置を割り出す計算手段と、前記計算手段から前記作業者の位置を取得して、前記工事車両の運転者に前記作業者の位置を伝える位置表示手段を有することを特徴とする。
【0015】
(2)(1)に記載の工事車両支援システムにおいて、前記位置表示手段が前記工事車両の運転者が装着するゴーグル型網膜走査ディスプレイであることを特徴とする。
【0016】
(3)(1)または(2)に記載の工事車両支援システムにおいて、前記無線信号発信手段がRFIDタグであり、前記無線信号受信手段がRFIDアンテナであることを特徴する。
【発明の効果】
【0017】
このような特徴を有する本発明の一態様による工事車両支援システムにより、以下のような作用、効果が得られる。
【0018】
上記(1)に記載される発明の態様は、工事現場の作業者に持たせる無線信号発信手段と、工事車両に取り付けられ、無線信号発信手段より信号を受信する無線信号受信手段と、無線信号受信手段により得られた信号に関する情報を用いて、作業者の位置を割り出す計算手段と、計算手段から作業者の位置を取得して、工事車両の運転者に作業者の位置を伝える位置表示手段を有するものである。
【0019】
工事現場で働く作業者は、大抵の場合は特定の者が同じエリアで働くことになるので、同じ現場の作業者に無線信号発信手段を持たせておくことで、作業者側から無線信号を発信させることが可能である。一方、工事車両には無線信号受信手段と計算手段と位置表示手段を備えることで、無線信号が作業者側から発信され、それを受信した無線信号受信手段のデータを元に位置表示手段で作業者の位置を特定することが可能となり、工事車両の死角にいる作業者の位置情報を、工事車両の運転者が特定できるので、事故の低減に効果がある。
【0020】
また、上記(2)に記載の発明の態様は、(1)に記載の工事車両支援システムにおいて、位置表示手段が工事車両の運転者が装着するゴーグル型網膜走査ディスプレイであるので、工事車両の運転者の視界を殆ど遮ることなく、運転者に他の作業者の位置情報を伝達することが可能となる。ゴーグル型網膜走査ディスプレイならば、AR(拡張現実)技術を用いることで運転者の視界に作業者の位置情報を重ねることが可能である。したがって、死角にいる作業者の情報を随時運転者は確認することができ、事故の低減に効果が得られる。
【0021】
また、上記(3)に記載に発明の態様は、(1)または(2)に記載の工事車両支援システムにおいて、無線信号発信手段がRFIDタグであり、無線信号受信手段がRFIDアンテナであるので、比較的容易に運用が可能である。RFIDタグは小型化がされているので、作業者の邪魔になりにくく、RFIDアンテナでの受信距離はアクティブタグを用いれば半径数十m以上、装置によっては半径100m以上の受信エリアを確保できるので、小規模な工事現場であれば十分利用可能である。また、電波の回り込みによって死角にいる作業者を確認でき、汚れなどに強いという点も工事現場での運用に向いていると言える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態の、油圧ショベルの概略平面図である。
【図2】本実施形態の、油圧ショベルの斜視図である。
【図3】本実施形態の、油圧ショベルの運転席の様子を表す模式図である。
【図4】本実施形態の、システム略図である。
【図5】本実施形態の、運転者が装着するメガネ型ディスプレイのイメージ図である。
【図6】本実施形態の、油圧ショベルの周囲を模式的に表した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
図1に、本実施形態の油圧ショベル100の概略平面図を示す。図2に、油圧ショベル100の斜視図を示す。工事車両として用いられる油圧ショベル100は、前方にアーム101を備え、クローラ102を備えて旋回及び移動が可能である。エンジン106は運転者の後部に取り付けられている。工事現場では、油圧ショベル100は配管の交換作業等を行う際に道路の舗装を剥がし、バケット105をアーム101に取り付けて、土砂を掘削して取り除く作業に用いられる。油圧ショベル100はアーム101を旋回しながら振り回すことがあるので、中心とする半径数mは作業範囲となり、他の作業者が立ち入ることは安全管理上望ましくない。
【0025】
図3に、油圧ショベル100の運転席104の様子を表す模式図を示す。油圧ショベル100の運転者10は、図3に示される運転席104に座って油圧ショベル100の操作を行う。油圧ショベル100の屋根103には、RFID(Radio Frequency IDentificatio)アンテナ190が3つ設けられている。都合上、RFIDアンテナ190は第1アンテナ190a、第2アンテナ190b及び第3アンテナ190cと称する。
【0026】
図4に、システム略図を示す。RFIDアンテナ190は油圧ショベル100に搭載されるパソコン180と接続されている。そして、パソコン180は運転者10が装備するメガネ型ディスプレイ170と無線又は有線で通信する。また、RFIDアンテナ190は、工事現場で一緒に働く作業者150が携帯するRFIDタグ140の発する電波を受信するように備えられている。パソコン180はRFIDアンテナ190から得た情報をRFIDタグ140の情報を計算処理して作業者150の油圧ショベル100に対する相対位置を特定するのに用いられる。
【0027】
図5に、運転者10が装着するメガネ型ディスプレイ170のイメージを示す。運転者10が装着するメガネ型ディスプレイ170は、メガネ型網膜走査ディスプレイを採用しており、ゴーグルの脇に網膜に対して光を当てることで運転者10の視野に映像が存在しているように感じさせることができる。パソコン180と接続していることで、パソコン180からの情報による映像をメガネ型ディスプレイ170によって運転者10の視界内に結像することが可能である。拡張現実(AR)の技術を用いれば、映像をメガネ型ディスプレイ170越しに見る風景とマッチさせて情報を運転者10に伝えることが可能である。また、メガネ型ディスプレイ170は視界をほとんど遮ること無く映像を運転者10に伝えることができ、メガネ型であるため両手での操作を妨げない。
【0028】
採用したRFIDタグ140はパッシブ型で、RFIDアンテナ190との通信距離は数十m程度と、工事現場をカバーする程度の通信範囲を有している。RFIDタグ140は固有の信号を発信し、作業者150の個体識別が可能である。便宜的に図4では第1作業者150a、第2作業者150bと表記している。RFIDタグ140は作業者150が被るヘルメットにバンドで取り付けられるか、作業者150の着る服に作業を阻害しないように取り付けられている。
【0029】
本実施形態の工事車両支援システムは上記構成であるので、以下に説明するような作用を示す。
【0030】
まず、同じ工事現場内の作業者150が携帯するRFIDタグ140の発信する信号を、油圧ショベル100に取り付けられるRFIDアンテナ190が捉える。第1アンテナ190a、第2アンテナ190b及び第3アンテナ190cの3つのRFIDアンテナ190で得られたデータは、パソコン180に伝えられて計算処理される。パソコン180でデータが処理されることで、油圧ショベル100の位置に対して相対的な作業者150の位置を、パソコン180が特定する。
【0031】
RFIDアンテナ190は3つ設けられていることで、RFIDタグ140からの信号の時間的遅延を計算して作業者150の位置を計測している。このデータをパソコン180で計算処理した後に、メガネ型ディスプレイ170に画像として伝達する。
【0032】
図6に、油圧ショベル100の周囲を模式的に表した平面図を示す。メガネ型ディスプレイ170によって運転者10に伝達される情報は、図6に示したように、油圧ショベル100を中心とした作業者150の位置を相対的に表示される。表示範囲200の中に居る第1作業者150a、第2作業者150b、及び第3作業者150cが図6には示されている。油圧ショベル100の旋回半径210も示されており、第3作業者150cが旋回半径210に入っているので、強調して示されている。
【0033】
本実施形態の工事車両支援システムは上記構成により上記作用を示すので、以下に説明するような効果を奏する。
【0034】
まず、油圧ショベル100による巻き込み事故防止に効果がある点が挙げられる。本実施形態の工事車両支援システムは、工事現場の作業者150に持たせる無線信号発信手段となるRFIDタグ140と、工事車両となる油圧ショベル100に取り付けられ、RFIDタグ140より信号を受信する無線信号受信手段となるRFIDアンテナ190と、RFIDアンテナ190により得られた信号に関する情報を用いて、作業者150の位置を割り出す計算手段となるパソコン180と、パソコン180から作業者150の位置を取得して、油圧ショベル100の運転者10に作業者150の位置を伝える位置表示手段となるメガネ型ディスプレイ170を有するものである。
【0035】
油圧ショベル100は、図2に示されるような形状であるため、運転席104から見てアーム101やバケット105は視界の妨げになる。また、油圧ショベル100の機種によってはエンジン106が大きく、後方視界も妨げられる可能性がある。また、油圧ショベル100が運用される工事現場は設置物や構造物が多いなどの事情もあり、そうした部分にも死角はできやすい。そして、工事現場によっては工事のために確保するスペースが少なく、油圧ショベル100の作業範囲内で作業者150が作業する必要がある場合がある。こうした事情から工事現場での巻き込み事故を防止したいというニーズは常にある。
【0036】
本実施形態によれば、作業者150は工事現場ではほぼ固定され入れ替わることが少ないため、予め各作業者150にRFIDタグ140を持たせ、RFIDアンテナ190で信号を受信し、パソコン180でデータ処理を行ってメガネ型ディスプレイ170で油圧ショベル100の運転者10に作業者150の位置を伝えることで、運転者10はその情報を把握することができる。よって、例え作業者150が運転席104より死角になる位置に居たとしても、その状況を把握して事故防止に繋げることができる。
【0037】
具体的には図6に示すような映像を運転者10が表示範囲200によって得られることになる。図6では第3作業者150cが旋回半径210に入っている状況が、前方を見ていても分かる。実際には目視して確認することが望ましいが、こうして事前に情報が確認できるだけで、不注意による旋回やバックを行うことで第3作業者150cを巻き込んだ事故を防止できることになる。もちろん、RFIDタグ140の発する電波は回り込み効果が期待できるので、ある程度の遮蔽物があっても作業者150の位置を把握することが可能である。従って、建物の陰から出てこようとしている作業者150が居たとしても注意して油圧ショベル100を操作することが可能であるし、アーム101やバケット105の陰にいる作業者150を見落とす危険性も減らすことが可能である。
【0038】
また、音声での警告よりも的確に運転者10に情報を伝えることが可能となるものと考えられる。前述した通り、警告音や音声での警告では工事現場の騒音に邪魔されて、判断が遅れる可能性が考えられる。特に交通量の多い道路での作業や、掘削作業中は音による警告では不十分であると考えられる。また、例えば図6に示されるように旋回半径210に第3作業者150cが侵入しているとして、これを警告音だけで警告すると、瞬時にはどの位置に第3作業者150cが居るのか把握することが難しい。これは、第3作業者150cが運転者10の視界内に入っていないためである。しかし、表示範囲200からの画像による情報は、音声情報よりも情報量が多く、瞬時に運転者10は第3作業者150cの位置を把握出来る可能性が高い。このため、例えば複数の作業者150が旋回半径210に侵入していたとしても、複数の作業者150をそれぞれ把握し易くなる。
【0039】
狭い工事現場では、特に作業中に油圧ショベル100の旋回半径210に作業者150が侵入してしまうケースも多い。これは故意に旋回半径210に入る場合もあるが、作業者150が作業している最中に油圧ショベル100が移動することで、旋回半径210に作業者150が侵入するケースも考えられ、不注意での侵入よりも作業の必要性上侵入せざるを得ない場合も発生する。このような場合にも油圧ショベル100の運転者10が瞬時に作業者150の侵入を把握できることは、事故防止に繋がりメリットが高い。
【0040】
また、運転者10が図5に示すようにメガネ型ディスプレイ170を装着することで、パソコン180からの画像情報を得ることができ、油圧ショベル100の操作性を犠牲にせずに情報を得ることが可能になる。前述したように、油圧ショベル100の運転席104に別途モニタを設けて表示することも可能であるが、この場合は、そのモニタの背部が死角になるなどの問題がある。また、死角にならない位置にモニタを付けたのでは、視線の移動が多くなり、作業に支障が出ることが考えられる。メガネ型ディスプレイ170を用いた場合はこの点、作業を阻害することなく、又視界への影響も最小限に抑えることが可能である。
【0041】
また、RFIDタグ140及びRFIDアンテナ190を用いていることで、比較的広範囲の作業者150の位置を特定することが可能である。RFIDタグ140にパッシブ型のアクティブタグを用いることで、検出距離は半径数十m程度までカバーが可能である。油圧ショベル100の作業エリアはその程度の距離があれば十分にカバー可能であるため、危険回避に有用である。また、遮蔽物があっても電波が回り込みを起こすので、例えば建物の陰にいる作業者150の検出を行うことも可能となる。
【0042】
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
【0043】
例えば、本実施形態では工事車両に油圧ショベル100を例示しているが、ホイールローダーであってもアスファルトフィニッシャーであってもその他の重機であっても、それぞれ特有の死角が存在するため、これらの工事車両にこの発明を適用することを妨げない。また、必ずしもメガネ型ディスプレイ170に表示させる必要は無く、例えば油圧ショベル100の前面に透過性の高いディスプレイを配置するなどの方法も考えられるし、装着する方法に関してもメガネ型に限定される必要も無い。また、メガネ型ディスプレイ170に表示させるデータについても、図6に示した状態はあくまでも例示であるので、例えば死角に作業者150が居た場合、その場所に人影を合成するなどの手法を用いても良い。また、パソコン180から通信する情報は、作業者150の位置情報だけに限らず、例えば工事の日程や緊急連絡事項などを含んでも良い。
【符号の説明】
【0044】
10 運転者
100 油圧ショベル
101 アーム
102 クローラ
103 屋根
104 運転席
105 バケット
106 エンジン
140 RFIDタグ
150 作業者
170 メガネ型ディスプレイ
180 パソコン
190 RFIDアンテナ
200 表示範囲
210 旋回半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事現場の作業者に持たせる無線信号発信手段と、
工事車両に取り付けられ、前記無線信号発信手段より信号を受信する無線信号受信手段と、
前記無線信号受信手段により得られた前記信号に関する情報を用いて、前記作業者の位置を割り出す計算手段と、
前記計算手段から前記作業者の位置を取得して、前記工事車両の運転者に前記作業者の位置を伝える位置表示手段を有することを特徴とする工事車両支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の工事車両支援システムにおいて、
前記位置表示手段が前記工事車両の運転者が装着するゴーグル型網膜走査ディスプレイであることを特徴とする工事車両支援システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の工事車両支援システムにおいて、
前記無線信号発信手段がRFIDタグであり、前記無線信号受信手段がRFIDアンテナであることを特徴する工事車両支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−127059(P2012−127059A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277143(P2010−277143)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】