説明

平坦化加工方法、平坦化加工量算出方法およびその算出プログラム

【課題】被加工物に対する加工後に得られる平坦度を所望の平坦度に制御でき、加工量を抑制することができる平坦化加工方法を提供する。
【解決手段】被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する凹凸情報取得ステップと、凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求めるシミュレーションステップと、加工量に基づいて被加工物の表面の局所加工を行う加工ステップとを備え、シミュレーションステップでは、複数のセルに分割された被加工物表面を多平面最適化し、各平面が目標とする平坦度を満たすまでシミュレーションを繰り返すことにより加工量を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦化加工技術に係り、平坦化加工方法、特に被加工物表面の加工量を好適に得ることができる平坦化加工量算出方法およびその算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハを平坦化する技術として、ラッピングやポリッシングなどの機械的または化学的機械的に、表面または裏面の被加工面を研磨する方法が知られている。
【0003】
近年、LSIなどの配線の高密度化や多層化に伴い、更なる配線幅の微細化が必須となっている。このため、半導体ウェーハのさらに高い平坦度が要求されるようになっている。しかし、上述した研磨方法による平坦化技術では、得られる平坦度に限界があった。
【0004】
そこで、従来、半導体ウェーハ表面形状の測定結果から、SFQR(Site Front Least sQuares Range;サイトベストフィット基準面での各サイト表面高さの最大値と最小値との差)の目標値を満たさない領域のみを除去する半導体ウェーハの平坦化加工方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
また、被加工面の凹凸を、周期を予め設定した境界周波数に基づいて高周波成分と低周波成分とに分解し、高周波成分の凹凸のみに応じて加工する高平坦度半導体ウェーハの製造方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−149923号公報
【特許文献2】特開2001−176845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の半導体ウェーハの平坦化加工方法は、SFQR目標値を満たさない領域のみを除去することにより、ウェーハ全体におけるSFQRmax(全サイトのSFQRの最大値)を改善するものであった。しかし、この半導体ウェーハの加工方法は、半導体ウェーハ全域においてSFQR目標値を満たさない領域を単に除去するのみで、加工量の増大や加工時の作業の効率化については考慮されていなかった。
【0008】
また、特許文献2の高平坦度半導体ウェーハの製造方法は、サイト毎の平坦度に影響する高周波成分の凹凸のみを平坦化することで、加工による取り代が小さくてすみ、スループットを向上させることができるものであった。しかし、加工後のSFQR値を制御することについては考慮されていなかった。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、被加工物に対する加工後に得られる平坦度を所望の平坦度に制御でき、加工量を抑制することができる平坦化加工方法、平坦化加工量算出方法およびその算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る半導体ウェーハの平坦化加工方法は、被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する凹凸情報取得ステップと、前記凹凸情報取得ステップにおいて取得した前記凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、前記被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求めるシミュレーションステップと、前記シミュレーションステップにおいて求めた前記加工量に基づいて前記被加工物の表面の局所加工を行う加工ステップとを備え、前記シミュレーションステップは、前記被加工物の表面を、直交する複数の分割線で複数のセルに分割するセル分割ステップと、統計的手法を用いることにより前記凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した近似平面情報を求める近似平面情報取得ステップと、各前記セルの前記近似平面情報と前記凹凸情報とを比較し、前記凹凸情報において前記近似平面情報よりも凸である部位がある場合には、前記凸である部位を取り除いた前記被加工物の表面の凹凸情報を、前記凸である部位がない場合には、前記凹凸情報を比較後凹凸データとして求める比較後凹凸情報取得ステップと、前記比較後凹凸情報に基づき、前記被加工物の表面が前記所定の平坦度を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記平坦度を満たさないと判定した場合、前記判定ステップにおいて前記所定の平坦度を満たすと判定するまで、前記凹凸情報に代えて前記比較後凹凸情報に基づいた前記近似平面情報取得ステップ以降の処理を繰り返し行い、前記所定の平坦度を満たすと判定した場合、前記凹凸情報と前記比較後凹凸情報との差分を前記加工量として求める加工量取得ステップとを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る平坦化加工量算出方法は、被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する凹凸情報取得ステップと、前記凹凸情報取得ステップにおいて取得した前記凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、前記被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求めるシミュレーションステップとを備え、前記シミュレーションステップは、前記被加工物の表面を、直交する複数の分割線で複数のセルに分割するセル分割ステップと、統計的手法を用いることにより前記凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した近似平面情報を求める近似平面情報取得ステップと、各前記セルの前記近似平面情報と前記凹凸情報とを比較し、前記凹凸情報において前記近似平面情報よりも凸である部位がある場合には、前記凸である部位を取り除いた前記被加工物の表面の凹凸情報を、前記凸である部位がない場合には、前記凹凸情報を比較後凹凸データとして求める比較後凹凸情報取得ステップと、前記比較後凹凸情報に基づき、前記被加工物の表面が前記所定の平坦度を満たすか否かを判定する判定ステップと、前記平坦度を満たさないと判定した場合、前記判定ステップにおいて前記所定の平坦度を満たすと判定するまで、前記凹凸情報に代えて前記比較後凹凸情報に基づいた前記近似平面情報取得ステップ以降の処理を繰り返し行い、前記所定の平坦度を満たすと判定した場合、前記凹凸情報と前記比較後凹凸情報との差分を前記加工量として求める加工量取得ステップとを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る平坦化加工量算出プログラムは、被加工物の表面を平坦化するために局所加工を行う際の加工量を算出するための処理をコンピュータに実行させる平坦化加工量算出プログラムであって、前記コンピュータに、前記被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する処理を実行させる凹凸情報取得手順と、前記凹凸情報取得手順において取得した前記凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、前記被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求める処理を実行させるシミュレーション手順とを備え、前記シミュレーション手順は、前記被加工物の表面を、直交する複数の分割線で複数のセルに分割する処理を実行させるセル分割手順と、統計的手法を用いることにより前記凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した近似平面情報を求める処理を実行させる近似平面情報取得手順と、各前記セルの前記近似平面情報と前記凹凸情報とを比較し、前記凹凸情報において前記近似平面情報よりも凸である部位がある場合には、前記凸である部位を取り除いた前記被加工物の表面の凹凸情報を、前記凸である部位がない場合には、前記凹凸情報を比較後凹凸データとして求める処理を実行させる比較後凹凸情報取得手順と、前記比較後凹凸情報に基づき、前記被加工物の表面が前記所定の平坦度を満たすか否かを判定する処理を実行させる判定手順と、前記平坦度を満たさないと判定した場合、前記判定手順において前記所定の平坦度を満たすと判定するまで、前記凹凸情報に代えて前記比較後凹凸情報に基づいた前記近似平面情報取得手順以降の処理を繰り返し行い、前記所定の平坦度を満たすと判定した場合、前記凹凸情報と前記比較後凹凸情報との差分を前記加工量として求める処理を実行させる加工量取得手順とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る平坦化加工方法、平坦化加工量算出方法およびその算出プログラムによれば、被加工物に対する加工後に得られる平坦度を所望の平坦度に制御でき、加工量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態における平坦化加工方法が実施される工程を含む半導体ウェーハの製造工程を説明するフローチャート。
【図2】本実施形態における加工量算出シミュレーション(平坦化加工量算出方法)を説明するフローチャート。
【図3】半導体ウェーハの表面をサイトに分割する処理を概念的に説明する図。
【図4】図3の半導体ウェーハWのIV−IV間の概念的な断面図。
【図5】加工量算出シミュレーションにおける多平面最適化処理方法を説明するフローチャート。
【図6】分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さを求める場合を概念的に説明するため、半導体ウェーハWを示す図。
【図7】分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さ情報を基準値としてサイトの近似平面を求める場合を概念的に説明するため、半導体ウェーハWの一部を示す図。
【図8】本実施形態における平坦化加工方法を用いた半導体ウェーハの加工前、加工量、加工後の凹凸情報の一例を示す図。
【図9】本実施形態における平坦化加工量算出方法を用いた半導体ウェーハの加工時間とその比較例としての平坦化加工量算出方法を用いた半導体ウェーハの加工時間との比較を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る平坦化加工方法、平坦化加工量算出方法およびその算出プログラムの実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
本実施形態においては、本発明に係る平坦化加工方法、平坦化加工量算出方法およびその算出プログラムを、例えば、単結晶シリコンのインゴットから半導体ウェーハをスライスして、高い平坦度(超平坦度)を有する半導体ウェーハにまで加工する工程で実施される場合に適用して説明する。
【0017】
まず、超平坦度を有する半導体ウェーハの製造過程について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態における平坦化加工方法が実施される工程を含む半導体ウェーハの製造工程を説明するフローチャートである。
【0019】
ステップS1において、シリコンインゴットを所定厚さにスライスし、複数枚の半導体ウェーハを得るスライス工程が実施される。
【0020】
ステップS2において、スライスされた半導体ウェーハの周縁に面取り加工を施すことにより、面取り面を形成する面取り工程が実施される。
【0021】
ステップS3において、半導体ウェーハをラップ加工し、スライシングにより生じた凹凸層を削除するラッピング工程が実施される。このラッピング工程は、既知のラッピング装置を用いて行われるもので、砥粒と加工液とを混ぜたスラリーをラップ定盤と半導体ウェーハとの間に入れて両方に圧力を加えながら相対運動させて、機械的な研磨を行うものである。
【0022】
ステップS4において、ラッピングされた半導体ウェーハをエッチング液によりエッチング処理し、機械研磨(ラッピング加工および面取り加工)によるダメージを除去するエッチング工程が実施される。
【0023】
ステップS5において、エッチング処理された半導体ウェーハの表面に対して、予め決めた厚さだけ化学的機械的研磨を施し、鏡面研磨する鏡面研磨工程が実施される。
【0024】
ステップS6において、研磨された半導体ウェーハの表面の凹凸形状を測定し、凹凸情報を取得する凹凸測定工程が実施される。凹凸形状は、例えば、半導体ウェーハの静電容量を測定する方法、レーザの反射により変位を測定する方法などを採用することができる。また、凹凸形状の測定は、上述したものに限らずナノメータレベルの変位を精度よく測定できれば他の方法を採用してもよい。
【0025】
ステップS7において、得られた凹凸情報に基づいて、シミュレーションを行い、半導体ウェーハの表面が目標値とする所定の平坦度を満たすための加工量を求める加工量算出工程が実施される。この加工量算出工程S7の詳細については、後述する。
【0026】
ステップS8において、算出された加工量に基づいて、半導体ウェーハ表面に加工を施して平坦化を行う加工工程が実施される。加工工程S8で用いられる手法には、加工量、加工位置を局所的に制御可能な手法、例えばプラズマエッチング加工を適用することができる。
【0027】
次に、加工量算出工程S7において実施される、半導体ウェーハの表面各部の加工量を算出するシミュレーションの手順(平坦化加工量算出方法)について具体的に説明する。
【0028】
図2は、本実施形態における加工量算出シミュレーション(平坦化加工量算出方法)を説明するフローチャートである。このシミュレーションを用いた平坦化加工量算出方法は、例えば図1の凹凸測定工程S6で取得された凹凸情報を読み込み、以下に説明する種々の処理を実行可能なコンピュータにおいて実行される。
【0029】
ステップS11において、図1の凹凸測定工程S6で取得した、被加工物としての半導体ウェーハの表面の凹凸に関する凹凸情報Fを参照し、この凹凸情報Fを処理対象としての半導体ウェーハ表面の凹凸情報Fとする処理が行われる。
【0030】
ステップS12において、凹凸情報Fに基づいて、半導体ウェーハの表面に対する多平面最適化処理を行う。この多平面最適化処理では、まず、半導体ウェーハの表面を、互いに直交する複数の分割線Lで複数のサイト(チップサイズなどで複数に分割されたときの一区画)に分割する処理が行われる。
【0031】
図3は、半導体ウェーハの表面をサイトに分割する処理を概念的に説明する図である。なお、以下に説明する半導体ウェーハWは、シミュレーション上で再現されるデータ上の半導体ウェーハであって、実物の半導体ウェーハではない。
【0032】
分割線Lにより分割されるサイトの領域は、半導体ウェーハが使用されるデバイスプロセスから要求される形状・寸法に応じて決定される。例えば、一つのサイトが、チップサイズに応じて矩形状の25mm×25mmや8mm×15mmの寸法となるように分割される。
【0033】
分割された各サイトは、統計的手法を用いることにより凹凸情報Fに基づいて平面に近似される。また、各サイトの複数の近似平面を用いて、半導体ウェーハWの表面を多平面で近似した近似平面情報Gが求められる。なお、統計的手法としては、例えば最小二乗法を用いることができる。
【0034】
図4は、図3の半導体ウェーハWのIV−IV間の概念的な断面図である。
【0035】
図4(A)は、図3のサイトの一部であるサイトS、Sの凹凸情報Fおよび近似平面情報Gが示された半導体ウェーハWの断面図である。図4(A)には、計測により取得されたサイトS、Sの実際の形状である凹凸情報Fが波形状に、近似平面情報Gが直線的に示されている。
【0036】
半導体ウェーハWの各サイトの近似平面は、隣接するサイト同士の領域境界が連続するという条件が与えられている。また、各サイトの近似平面は、半導体ウェーハWの表面の凹凸方向への射影が、分割線Lで形成された領域と一致するようになっている。
【0037】
すなわち、図4(A)に示すように、隣接するサイトSとSの領域境界Aが連続するように近似平面情報Gが求められる。また、サイトSとSのサイト領域の近似平面は、凹凸方向(図示矢印Z方向)への射影が、分割線Lで形成された領域と一致している。
【0038】
なお、この多平面最適化処理の詳細については、後述する。
【0039】
ステップS13において、近似平面情報Gと凹凸情報Fとを比較し、凹凸情報Fにおいて近似平面情報Gよりも凸である部位が存在するか否かの判定が行われる。凸である部位が存在しないと判定された場合(ステップS13のNO)、ステップS14において、凹凸情報Fを比較後凹凸情報Fnewとする。
【0040】
一方、凸である部位が存在すると判定された場合(ステップS13のYES)、ステップS15において、凹凸情報Fから凸である部位が取り除かれた半導体ウェーハWの表面の凹凸情報を求める処理が行われる。また、凸である部位が取り除かれた凹凸情報を、比較後凹凸情報Fnewとする処理が行われる。
【0041】
図4(B)は、図3のサイトの一部であるサイトS、Sの凹凸情報Fnewおよび近似平面情報Gを示す半導体ウェーハWの断面図である。図4(B)には、凹凸情報Fから近似平面情報Gよりも凸である部位が取り除かれた半導体ウェーハWの表面の凹凸情報、すなわち比較後凹凸情報Fnewが示されている。
【0042】
ステップS16において、Fnew取得ステップS14および15において取得された比較後凹凸情報Fnewを用いて、半導体ウェーハWの表面のSFQR(Site Front Least sQuares Range)max値が求められる。ここで、SFQR値は、サイト毎のベストフィット基準面での、表面高さの最大値と最小値との差である。SFQRmax値は、全サイトのSFQR値の最大値である。なお、本実施形態においては、平坦度を示す値としてSFQR値を適用して説明する。
【0043】
ステップS17において、比較後凹凸情報Fnewに基づく半導体ウェーハWの表面が、目標値とする所定の平坦度を満たすか否かの判定が行われる。例えば、各サイトが目標値として設定されたSFQR値maxδ(例えば10nm)を満たすか否かの判定が行われる。
【0044】
比較後凹凸情報Fnewが目標値とするSFQRmax値δを満たすと判定された場合(ステップS17のYES)、ステップS18において、凹凸情報F(図1の凹凸測定工程S6で取得した、被加工物としての半導体ウェーハの表面の凹凸に関する情報)と比較後凹凸情報Fnewとの差分が求められ、求められた差分が加工量Rとして取得される処理が行われる。以上で加工量算出シミュレーションは終了する。
【0045】
一方、比較後凹凸情報FnewがSFQRmax値δを満たさないと判定された場合(ステップS17のNO)、ステップS19において、直前の比較後凹凸情報取得ステップS14またはS15において取得された比較後凹凸情報Fnewを、処理対象としての半導体ウェーハ表面の凹凸情報Fとする処理が行われる。その後、処理は、平坦度判定ステップS17において目標値とするSFQRmax値δを満たすと判定されるまで、多平面最適化ステップS12〜平坦度判定ステップS17が繰り返される。
【0046】
図4(C)は、図3のサイトの一部であるサイトSi、Sjの比較後凹凸情報F(Fnew)および近似平面情報G(Gnew)を示す半導体ウェーハWの断面図である。例えば、図4(B)に示す比較後凹凸情報Fnewに対して行われた平坦度判定ステップS17において、比較後凹凸情報Fnewが目標値とするSFQRmax値δを満たさないと判定された場合(ステップS17のNO)、再度、凹凸情報取得ステップS19を経て多平面最適化ステップS12に戻る。すなわち、比較後凹凸情報Fnewに基づいて多平面最適化ステップS12が実行される。このため、新たな近似平面情報G(Gnew)が近似平面情報として取得され、以降の処理が実行される。
【0047】
以上で、加工量算出シミュレーション方法の説明を終了する。
【0048】
次に、図2の加工量算出シミュレーションのステップS12における多平面最適化処理について具体的に説明する。
【0049】
図5は、加工量算出シミュレーションにおける多平面最適化処理方法を説明するフローチャートである。
【0050】
ステップS21において、上述した図3に示すように、半導体ウェーハの表面を直交する複数の分割線Lで複数のサイトに分割する処理が行われる。
【0051】
ステップS22において、統計的手法を用いることにより、凹凸情報に基づいて各サイトの近似平面を求める処理が行われる。なお、各サイトの近似平面を求めるためには、サイト内の凹凸情報が少なくとも三点存在する必要がある。また、各サイトの近似平面を求めるためには、統計的手法、例えば最小二乗法が用いられる。最小二乗法を用いた場合には、各凹凸方向の高さ情報(凹凸方向の位置情報)との二乗誤差が最小になるような近似平面(ベストフィット平面)が求められる。
【0052】
また、求められた各サイトの近似平面を用いて、被加工物としての半導体ウェーハの表面を近似した第一近似平面情報を取得する。このとき求められる第一近似平面情報においては、隣接する各サイトの領域境界は不連続となっている。
【0053】
ステップS23において、半導体ウェーハの表面を複数のサイトに分割した分割線Lの中から、異なる複数組のクロスラインCを選択する。クロスラインCは、分割線Lの中から選択された直交する二本の線である。このとき選択されるクロスラインCは、複数組、例えば5組以上選択されるのが好ましい。後述する近似平面情報Gを取得する際、実際の凹凸情報Fと近似平面情報Gとの誤差を低減させるためである。
【0054】
ステップS24において、分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さ情報を求める。ここで、高さ情報とは、凹凸情報Fの凹凸方向の位置情報をいう。
【0055】
図6は、分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さを求める場合を概念的に説明するため、半導体ウェーハWを示す図である。
【0056】
一の交点Bの高さ情報は、この交点Bを共通の頂点に有する四つのサイトであるサイトS、S、S、Sの第一近似平面情報より求められる。具体的には、交点Bの高さ情報は、四つのサイトの第一近似平面情報から得られる、交点Bの四つの高さ情報の平均値より求められる。同様にして、全ての分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さ情報が求められる。
【0057】
ステップS25において、分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さ情報を基準値として、新たに各サイトの近似平面を求める。
【0058】
図7は、分割線Lの各交点のうちクロスラインC上にあるものの高さ情報を基準値としてサイトの近似平面を求める場合を概念的に説明するため、半導体ウェーハWの一部を示す図である。
【0059】
例えば図7に示すように、クロスラインCの交点Oを頂点として有するサイトSは、サイト領域の四つの頂点のうち3つの頂点V、V、VがクロスラインC上にあるものとなっている。すなわち、高さ情報取得ステップS24において、既に3つの頂点V、V、Vの高さ情報が基準値として確定された値となっている。サイトSは、矩形状の平面であるため、残りの頂点Vの高さ情報については必然的に求まるようになっている。
【0060】
サイトSの各頂点が確定し近似平面が定義されると、サイトSに隣接するサイトS、Sについても同様に3つの頂点が確定する。このため、残りの頂点の高さ情報についても必然的に求まり、サイトS、Sの近似平面を定義することができる。
【0061】
このように、連鎖的に確定された高さ情報に基づいて、クロスラインCの交点Oを頂点として有するサイトから順に各サイトの近似平面を求めることで、半導体ウェーハWの全てのサイトの近似平面を求めることができる。
【0062】
最終的には、半導体ウェーハWは、隣接するサイト同士の頂点が共有されることで、隣接するサイト同士の領域境界が連続した多平面からなる近似平面で表わされる。そして、この各サイトの近似平面を用いて、半導体ウェーハWの表面を近似した近似平面に関する情報である、第二近似平面情報gを求めることができる。
【0063】
なお、この第二近似平面情報gは、クロスライン選択ステップS23において選択された全てのクロスラインCに対してそれぞれ求められる。例えば、クロスラインCが5組選択された場合、クロスラインC、C、C、C、Cに対応する第二近似平面情報g、g、g、g、gがそれぞれ求められる。
【0064】
ステップS26において、第二近似平面情報取得ステップS25において求められた複数の第二近似平面情報g、g、g、・・・・gを用いて、半導体ウェーハWの最適近似平面となる近似平面情報Gを求める。
【0065】
具体的には、求められた第二近似平面情報g、g、g、・・・・g、を線形結合で表現する。そして、この線形結合で表わされたものを、近似平面情報Gとする。
[数1]
G=a+a+a+・・・+a
【0066】
さらに、[数1]の線形結合係数a、a、a、・・・aを、統計的手法を用いて求める。例えば、統計的手法として、最小二乗法を用いて、近似平面情報Gと凹凸情報Fとの二乗誤差Jが最小になるように線形結合係数を選択する。
[数2]
J=(a+a+a+・・・+a−F)
【0067】
また、[数2]の二乗誤差Jに対して、線形結合係数a(k=1、2、3、・・・i)について偏微分して求められた式から、線形結合係数aを求めることができる。
[数3]
∂J/∂a=0
【0068】
このようにして、半導体ウェーハWの多平面を近似した最適解となる近似平面情報Gが求められる。
【0069】
以上で多平面最適化処理の方法の説明を終了する。
【0070】
図8は、本実施形態における平坦化加工方法を用いた半導体ウェーハの加工前、加工量、加工後の凹凸情報の一例を示す図である。図8においては、色が濃い部分ほど凹となっており、薄い部分ほど凸となっていることを示している。
【0071】
図8(A)は、平坦化加工方法を適用する半導体ウェーハwの凹凸情報を示す図である。図8(A)からは、半導体ウェーハwの周縁近傍が凸となっていることがわかる。
【0072】
図8(B)は、シミュレーションによる平坦化加工量算出方法を用いて算出された加工量の凹凸情報を示す図である。図8(B)より、半導体ウェーハwの中心部および一部の周縁部(色が薄い部分)が加工量として得られたことがわかる。
【0073】
図8(C)は、平坦化加工方法が適用された加工後の半導体ウェーハwの凹凸情報を示す図である。図8(C)に示すように、目標値とするSFQRmax値を満たすために得られた加工量に基づいて加工された半導体ウェーハwは、凹凸の変化が緩やかであり、所望の平坦度が得られていることがわかる。
【0074】
図9は、本実施形態における平坦化加工量算出方法を用いた半導体ウェーハの加工時間とその比較例としての平坦化加工量算出方法を用いた半導体ウェーハの加工時間との比較を示す表である。
【0075】
図9の表に示す加工処理時間(秒)は、一般的な局所加工装置を用いて、サンプル1およびサンプル2としての2枚の12インチ半導体ウェーハに対して、局所的な加工処理を行う場合の所要時間をシミュレーションで求めたものを示した。また、加工処理の所要時間は、局所加工装置のスキャン速度(ノズルの最大移動速度)を所定の速度(スキャン速度=1)で加工処理を実施した場合と、このスキャン速度の10倍のスキャン速度(スキャン速度=10)で加工処理を実施した場合とで、シミュレーションを行った。
【0076】
図9に示す「実施例」は、本実施形態における平坦化加工量算出方法を用いて算出した平坦化加工量を元に行われた、半導体ウェーハの加工処理(図1の加工ステップS8)の所要時間の一例を示す。
【0077】
図9に示す「比較例」は、図2の加工量算出シミュレーションを行わずに算出した平坦化加工量を元に行われた、半導体ウェーハの加工処理の所要時間の一例を示す。具体的には、比較例では、半導体ウェーハ表面の凹凸に関する情報に基づいて、半導体ウェーハ表面全体の最大凹凸値が目標値とするSFQRmax値を満たすための加工量を求めた。
【0078】
図9に示すように、比較例としての、半導体ウェーハの最大凹凸値から目標値とするSFQRmax値を満たすための加工量を算出した場合では、局所加工装置の最大スキャン速度を1とした場合、サンプル1では94.4秒、サンプル2では98.6秒という結果が得られた。また、最大スキャン速度を10とした場合、サンプル1では56.6秒、サンプル2では60.9秒という結果が得られた。
【0079】
また、実施例としての本実施形態における図2の加工量シミュレーションを実施して目標値としてのSFQRmax値を満たすための加工量を算出した場合では、局所加工装置の最大スキャン速度を1とした場合、サンプル1では52.0秒、サンプル2では51.0秒という結果が得られた。また、最大スキャン速度を10とした場合、サンプル1では14.2秒、サンプル2では13.2秒という結果が得られた。
【0080】
また、このようにシミュレーションで求められた加工処理時間の短縮率を図9の表に示した。短縮率は、各サンプルに対して得られた加工処理時間の平均値((サンプル1処理時間(秒)+サンプル2処理時間(秒))/2)から、実施例と比較例とにおける加工処理時間の比を求め、100をかけたものである。
【0081】
局所加工装置の最大スキャン速度が1である場合、図2の加工量算出シミュレーションを用いて加工量を算出した実施例では、比較例の53.4%の時間で加工処理を行うことができることがわかった。また、局所加工装置の最大スキャン速度が10である場合、図2の加工量算出シミュレーションを用いて加工量を算出した実施例では、比較例の23.3%の時間で加工処理を行うことができることがわかった。
【0082】
このことから、本実施形態における加工量算出シミュレーションを用いることにより、最終的に取得できる加工量を可能な限り最小化することができるため、その後の加工処理時間を短縮することができる。
【0083】
この平坦化加工方法によれば、被加工物としての半導体ウェーハに対する加工後に得られる平坦度を所望の平坦度に制御でき、加工量を抑制することができる。すなわち、目標値とするSFQRmax値を任意に設定して平坦化加工量を算出するシミュレーションを実施することで、所望の平坦度を得られる加工量を求めることができる。
【0084】
また、実際の凹凸情報に基づき表面を多平面最適化し、この最適化された各サイトの平面を基準として凸となる部位のみを取り除き、所望の平坦度を満たしているか否かを判別するため、最終的に取得できる加工量を可能な限り最小化することができる。
【0085】
また、被加工物の表面を多平面最適化する際には、隣接するサイト同士の領域境界を連続させるようにしたため、隣接するサイト間で段差をなくすことができる。このため、加工量を取得した後の実際の加工工程(図1の加工工程S8)において、作業性を向上することができる。具体的には、加工工程で実施される加工作業においては、サイト間の高さ方向の段差を表現することが技術的に困難である。このため、本実施形態における平坦化加工方法算出方法では、予めサイト間の高さ方向の段差が生じないように被加工物表面の近似平面を求めることで、作業性を向上させることができる。
【0086】
さらに、平坦化加工量を算出する際に必要となる多平面最適化処理を、本実施形態において説明した方法(図5)で実施することにより、計算時間の大幅な短縮化と、求まる解の安定性を得ることができる点で効果的である。この結果、平坦化加工量を取得するために繰り返されるシミュレーション時間を短縮化し、正確な加工量を取得することができる。
【0087】
また、本実施形態における平坦化加工方法を用いることにより、超平坦化された半導体ウェーハなどを得ることができ、半導体デバイスの更なる高密度化や多層化を実現することができる。
【0088】
なお、本実施形態においては、被加工物を単結晶シリコンのインゴットから加工されて得られる半導体ウェーハに適用して説明したが、これに限らず化合物半導体のウェーハ(ガリウム・ヒ素のウェーハなど)や、半導体ウェーハ以外であっても高い平坦化が求められる表面を備えた物について適用してもよい。
【0089】
また、本実施形態においては、被加工物の表面をチップサイズに応じた寸法・形状で分割したが、これに限らず他の形状・寸法で分割してもよい。
【0090】
さらに、平坦度を示す基準値にSFQR値を用いたが、SFQR値の他にも所定領域毎に基準面を設定し、この基準面に対する平坦度を定義することができる基準値(例えば、SFQD(Site Front Least sQuares Deviation))を目標値に設定してもよい。
【0091】
また、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【符号の説明】
【0092】
W 半導体ウェーハ
L 分割線
S サイト
F、F 凹凸情報
new 比較後凹凸情報
G 近似平面情報
C クロスライン
V1、V2、V3、V4 頂点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する凹凸情報取得ステップと、
前記凹凸情報取得ステップにおいて取得した前記凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、前記被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求めるシミュレーションステップと、
前記シミュレーションステップにおいて求めた前記加工量に基づいて前記被加工物の表面の局所加工を行う加工ステップとを備え、
前記シミュレーションステップは、
前記被加工物の表面を、直交する複数の分割線で複数のセルに分割するセル分割ステップと、
統計的手法を用いることにより前記凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した近似平面情報を求める近似平面情報取得ステップと、
各前記セルの前記近似平面情報と前記凹凸情報とを比較し、前記凹凸情報において前記近似平面情報よりも凸である部位がある場合には、前記凸である部位を取り除いた前記被加工物の表面の凹凸情報を、前記凸である部位がない場合には、前記凹凸情報を比較後凹凸データとして求める比較後凹凸情報取得ステップと、
前記比較後凹凸情報に基づき、前記被加工物の表面が前記所定の平坦度を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記平坦度を満たさないと判定した場合、前記判定ステップにおいて前記所定の平坦度を満たすと判定するまで、前記凹凸情報に代えて前記比較後凹凸情報に基づいた前記近似平面情報取得ステップ以降の処理を繰り返し行い、前記所定の平坦度を満たすと判定した場合、前記凹凸情報と前記比較後凹凸情報との差分を前記加工量として求める加工量取得ステップとを備えたことを特徴とする平坦化加工方法。
【請求項2】
前記近似平面情報取得ステップは、前記近似平面情報を、隣接する各前記セル同士の領域境界を連続させて求める請求項1記載の平坦化加工方法。
【請求項3】
前記近似平面情報取得ステップは、
統計的手法を用いることにより前記凹凸情報または前記比較後凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した第一近似平面情報を求める第一近似平面情報取得ステップと、
前記分割線の中から直交する二本の線であるクロスラインを、異なる複数組選択するクロスライン選択ステップと、
凹凸方向の位置情報を高さ情報とし、前記分割線の交点のうち前記クロスライン上にあるものの前記高さ情報を、前記交点を頂点に有する複数の前記セルの前記第一近似平面情報より得られる前記頂点の前記高さ情報の平均値より求める高さ情報取得ステップと、
前記交点の高さ情報を基準値として前記頂点が決定された各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した第二近似平面情報を求める第二近似平面情報取得ステップと、
前記クロスライン毎に求められた複数の前記第二近似平面情報を線形結合で表現し、前記線形結合の複数の線形結合係数を統計的手法を用いて求めることにより、前記近似平面情報を求める近似平面情報取得ステップとを備えた請求項1記載の平坦化加工方法。
【請求項4】
前記統計的手法は、最小二乗法である請求項1または3記載の平坦化加工方法。
【請求項5】
前記被加工物は、半導体ウェーハであり、
前記セル分割ステップは、前記セルの領域を前記半導体ウェーハのサイトサイズに応じて決定する請求項1記載の平坦化加工方法。
【請求項6】
被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する凹凸情報取得ステップと、
前記凹凸情報取得ステップにおいて取得した前記凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、前記被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求めるシミュレーションステップとを備え、
前記シミュレーションステップは、
前記被加工物の表面を、直交する複数の分割線で複数のセルに分割するセル分割ステップと、
統計的手法を用いることにより前記凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した近似平面情報を求める近似平面情報取得ステップと、
各前記セルの前記近似平面情報と前記凹凸情報とを比較し、前記凹凸情報において前記近似平面情報よりも凸である部位がある場合には、前記凸である部位を取り除いた前記被加工物の表面の凹凸情報を、前記凸である部位がない場合には、前記凹凸情報を比較後凹凸データとして求める比較後凹凸情報取得ステップと、
前記比較後凹凸情報に基づき、前記被加工物の表面が前記所定の平坦度を満たすか否かを判定する判定ステップと、
前記平坦度を満たさないと判定した場合、前記判定ステップにおいて前記所定の平坦度を満たすと判定するまで、前記凹凸情報に代えて前記比較後凹凸情報に基づいた前記近似平面情報取得ステップ以降の処理を繰り返し行い、前記所定の平坦度を満たすと判定した場合、前記凹凸情報と前記比較後凹凸情報との差分を前記加工量として求める加工量取得ステップとを備えたことを特徴とする平坦化加工量算出方法。
【請求項7】
被加工物の表面を平坦化するために局所加工を行う際の加工量を算出するための処理をコンピュータに実行させる平坦化加工量算出プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記被加工物の表面の凹凸に関する凹凸情報を取得する処理を実行させる凹凸情報取得手順と、
前記凹凸情報取得手順において取得した前記凹凸情報に基づいてシミュレーションを行い、前記被加工物の表面が所定の平坦度を満たすための加工量を求める処理を実行させるシミュレーション手順とを備え、
前記シミュレーション手順は、
前記被加工物の表面を、直交する複数の分割線で複数のセルに分割する処理を実行させるセル分割手順と、
統計的手法を用いることにより前記凹凸情報に基づいて求められた各前記セルの近似平面を用いて、前記被加工物の表面を近似した近似平面情報を求める処理を実行させる近似平面情報取得手順と、
各前記セルの前記近似平面情報と前記凹凸情報とを比較し、前記凹凸情報において前記近似平面情報よりも凸である部位がある場合には、前記凸である部位を取り除いた前記被加工物の表面の凹凸情報を、前記凸である部位がない場合には、前記凹凸情報を比較後凹凸データとして求める処理を実行させる比較後凹凸情報取得手順と、
前記比較後凹凸情報に基づき、前記被加工物の表面が前記所定の平坦度を満たすか否かを判定する処理を実行させる判定手順と、
前記平坦度を満たさないと判定した場合、前記判定手順において前記所定の平坦度を満たすと判定するまで、前記凹凸情報に代えて前記比較後凹凸情報に基づいた前記近似平面情報取得手順以降の処理を繰り返し行い、前記所定の平坦度を満たすと判定した場合、前記凹凸情報と前記比較後凹凸情報との差分を前記加工量として求める処理を実行させる加工量取得手順とを備えたことを特徴とする平坦化加工量算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−247284(P2010−247284A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−100012(P2009−100012)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(507182807)コバレントマテリアル株式会社 (506)
【Fターム(参考)】