説明

建具付属装置の制御装置

【課題】建具の施錠状態に応じて建具に係る付属装置の状態を柔軟に制御することのできる建具付属装置の制御装置を提供する。
【解決手段】窓サッシ10は、建物の外周壁に設けられており、クレセント錠14及びサブロック16を有している。制御装置は、窓サッシ10の屋外側に設けられている電動式シャッタ20を制御する。制御装置は、クレセント錠14及びサブロック16の状態をそれぞれ検出するクレセントセンサ33及びサブロックセンサ34と、センサ33,34によって検出されるクレセント錠14,サブロック16の状態に基づいて、電動式シャッタ20を開閉する制御部40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に係る付属装置を制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
窓サッシが備えるクレセント錠の状態を検出してブザーを鳴らすものがある(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のものは、クレセント錠を施錠状態と解錠状態とに切り替えるハンドルを有するクレセント本体と、施錠状態側に操作されたクレセント本体をロックするスライドボタンと、スライドボタンの位置を検出するスイッチとを備えている。そして、サッシ戸が開いている状態でスライドボタンがロック位置に移動したとき(空錠状態のとき)や、正常な操作によらずスライドボタンがロック解除位置に移動したときに、ブザーを鳴らすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−232293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のものは、スライドボタンの位置を検出することにより窓サッシの空錠状態や異常発生を報知することはできるものの、窓サッシの施錠状態に対して窓サッシに係る付属装置の状態を柔軟に制御するという点で未だ改善の余地を残すものとなっている。
【0005】
なお、窓サッシに限らずドア等も含めて、建物の外周壁に設けられた建具においては、こうした実情は概ね共通したものとなっている。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、建具の施錠状態に応じて建具に係る付属装置の状態を柔軟に制御することのできる建具付属装置の制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0008】
第1の発明は、建物の外周壁に設けられ複数の施錠機構を有する建具に係る付属装置を制御する制御装置であって、前記複数の施錠機構の状態をそれぞれ検出する検出手段と、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて、前記付属装置の状態を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第1の発明によれば、建物の外周壁に設けられた建具は複数の施錠機構を有し、複数の施錠機構の状態がそれぞれ検出されるため、建具の施錠状態を詳細に把握することができる。そして、検出される複数の施錠機構の状態に基づいて、建具に係る付属装置の状態が制御されるため、建具の詳細な施錠状態に応じて付属装置の状態を柔軟に制御することができる。
【0010】
なお、複数の施錠機構は、それぞれ建具を施錠する複数の機構であってもよいし、例えばクレセント錠においてクレセント本体及びクレセント受けを含む機構と、クレセント本体を規制する機構との組み合わせのように、建具を施錠する一方の機構とその一方の機構の状態を制御する他方の機構との組み合わせであってもよい。また、建具に係る付属装置は、シャッタのように建具に設けられる装置の他、防犯装置のように建具を管理するために建具又はその周辺に設けられる装置を含むものとする。
【0011】
例えば、第1の発明において、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が所定状態であることに連動して、前記付属装置の状態を変更することにより、使用者が付属装置の状態を変更する操作を行う手間を省くことができるとともに、使用者による付属装置の操作忘れに対処することができる。
【0012】
また、第1の発明において、第2の発明のように、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が施錠状態である施錠機構の組み合わせに基づいて、前記付属装置の状態を変更するといった構成や、第3の発明のように、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が、所定の順序で前記複数の施錠機構が施錠状態となることに基づいて、前記付属装置の状態を変更するといった構成や、第4の発明のように、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態のうち、各施錠機構の状態に対応させて前記付属装置の状態を制御するといった構成を採用することにより、建具の詳細な施錠状態に応じて付属装置の状態をより柔軟に制御することができる。さらに、第5の発明のように、第1〜第4のいずれかの発明において、前記建具に係る付属装置が複数設けられ、前記制御手段は、各施錠機構に割り当てられた各付属装置の状態を制御するといった構成を採用することもできる。
【0013】
また、第2の発明において、前記施錠状態である施錠機構の組み合わせが変更可能であるといった構成や、第3の発明において、前記所定の順序が変更可能であるといった構成を採用することも有効である。
【0014】
第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明において、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が所定状態であることを条件として、前記付属装置の状態を変更することを許可するため、複数の施錠機構の状態が所定状態になるまでは付属装置の状態を変更することが許可されないようになる。その結果、複数の施錠機構の状態を所定状態にすることを使用者に促すことができるとともに、複数の施錠機構の状態が所定状態にされた上で付属装置の状態が変更されるようにすることができる。
【0015】
第7の発明は、第1〜第6の発明において、前記付属装置は前記建具の屋外側に設けられた電動式シャッタであり、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて前記電動式シャッタを開閉するため、建具の施錠とシャッタの開閉とをまとめて管理することができる。
【0016】
第8の発明は、第1〜第7の発明において、前記付属装置は、前記建具の屋外側に設けられ、複数のスラットを有するシャッタカーテンが閉じられた状態で前記スラットの開閉状態を制御可能な可変スラット電動式シャッタであり、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて、前記可変スラット電動式シャッタの前記スラットの開閉状態を制御するため、建具の施錠状態と可変スラット電動式シャッタのスラットの開閉状態とを関連付けることができる。
【0017】
第9の発明は、第1の発明において、前記建具は、サッシ戸と、前記複数の施錠機構として前記サッシ戸を施錠・解錠する第1錠と、前記第1錠とは異なる位置に設けられて前記サッシ戸を施錠・解錠する第2錠とを有する窓サッシであり、前記付属装置は前記窓サッシの屋外側に設けられた電動式シャッタであり、前記第1錠は、前記サッシ戸を施錠状態と解錠状態とに切り替える施錠切替部と、前記施錠切替部を規制状態と規制解除状態とに切り替える規制切替部とを有し、前記検出手段は、前記第1錠の施錠切替部と、前記第1錠の規制切替部と、前記第2錠との状態をそれぞれ検出し、前記制御手段は、前記第1錠の前記施錠切替部が施錠状態であること、前記第1錠の前記規制切替部が規制状態であること、及び前記第2錠が施錠状態であることの全てが前記検出手段によって検出された場合に前記電動式シャッタを閉じることを特徴とする。
【0018】
第9の発明によれば、前記第1錠の前記施錠切替部が施錠状態であること、前記第1錠の前記規制切替部が規制状態であること、前記第2錠が施錠状態であることの全てが検出された場合に、窓サッシの屋外側に設けられた電動式シャッタが閉じられるため、使用者がシャッタを閉じることを意図している可能性が高い場合にシャッタを閉じることができる。
【0019】
なお、第9の発明において、前記制御手段は、前記第1錠の前記規制切替部が規制解除状態であること、前記第2錠が解錠状態であることのいずれかが前記検出手段によって検出された場合に、前記電動式シャッタを開くようにすることにより、使用者がシャッタを開くことを意図している可能性が高い場合にシャッタを開くことができる。こうした構成によれば、1つの操作によって電動式シャッタを開くことができるため、電動式シャッタを開く際の利便性を向上させることができる。
【0020】
第10の発明は、第1〜第6の発明において、前記付属装置は、前記建具又は前記建具の周辺に設けられた防犯装置であり、前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて前記防犯装置の状態を制御するため、建具の施錠状態に応じて防犯装置の状態を柔軟に制御することができる。
【0021】
特に、第6の発明と第10の発明とを組み合わせた場合には、複数の施錠機構の状態が所定状態であることを条件として防犯装置の状態を変更することを許可するため、複数の施錠機構の状態を所定状態にすることを使用者に促すことができるとともに、複数の施錠機構の状態が所定状態にされた上で防犯装置の状態が変更されるようにすることができる。
【0022】
なお、防犯装置は、不審者を検出する人感センサやカメラ、警報音を発する警報装置、それらにより構成される防犯システム等を含むものとする。
【0023】
第11の発明は、第1の発明において、前記建具は、ドア本体と、前記ドア本体を施錠・解錠するドア錠と、前記ドア本体を半開きまでの規制状態と規制解除状態とに切り替える規制機構とを有する玄関ドアであり、前記付属装置は、前記玄関ドア又は前記玄関ドアの周辺に設けられた防犯装置であり、前記検出手段は、前記ドア錠および前記規制機構の状態をそれぞれ検出し、前記制御手段は、前記ドア錠が施錠状態であること及び前記規制機構が前記規制状態であることが前記検出手段によって検出された場合に前記防犯装置を有効にすることを特徴とする。
【0024】
ドア本体の規制機構が規制解除状態である場合には玄関ドアから使用者が入ることを想定しており、防犯装置を有効にすることを意図していない可能性が高い。一方、ドア錠が施錠状態であり且つドア本体を半開きまでに規制する規制機構が規制状態である場合には、玄関ドアから使用者が入ることを想定しておらず、防犯装置を有効にすることを意図している可能性が高い。
【0025】
したがって、第11の発明によれば、ドア錠が施錠状態であること及びドア本体を半開きまでに規制する規制機構が規制状態であることが検出された場合に防犯装置を有効にするため、使用者が防犯装置を有効にすることを意図している可能性が高い場合に防犯装置を有効にすることができる。
【0026】
第12の発明は、第1〜第11のいずれかの発明において、前記制御手段により前記付属装置の状態を制御する機能を作動・停止させる切替スイッチを備えるため、使用者の希望に応じて付属装置の状態を柔軟に制御することができる。
【0027】
なお、第12の発明において、前記切替スイッチは、前記付属装置の状態を変更する操作盤の近傍に設けられているといった構成を採用することにより、制御手段により付属装置の状態を制御する機能を切替スイッチで停止させた場合に、操作盤によって付属装置の状態を変更することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態において電動式シャッタの制御装置の概略を示す模式図。
【図2】クレセント錠およびサブロックを示す斜視図。
【図3】シャッタ開閉制御の処理手順を示すフローチャート。
【図4】第2実施形態において監視装置および警報装置の制御装置の概略を示す模式図。
【図5】防犯制御の処理手順を示すフローチャート。
【図6】第3実施形態において監視装置および警報装置の制御装置の概略を示す模式図。
【図7】防犯制御の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、窓サッシの屋外側に電動式シャッタが設けられた建物に具体化している。
【0030】
図1に示すように、この建物は、外周壁に窓サッシ10(建具)が設けられている。窓サッシ10の屋外側には、電動式シャッタ20(付属装置)が設けられている。そして、建物には、シャッタ20を手動操作により開閉させる操作盤31と、シャッタ20を制御信号により開閉させる制御部40(制御手段)とが設けられている。
【0031】
窓サッシ10は、サッシ戸12a,12bと、これらのサッシ戸12a,12bを施錠状態と解錠状態とに切り替える複数の施錠機構とを有している。施錠機構は、クレセント錠14(第1錠)とサブロック16(第2錠)とを含んでいる。クレセント錠14及びサブロック16には、それぞれの状態を検出するクレセントセンサ33(検出手段)及びサブロックセンサ34(検出手段)が設けられている。
【0032】
クレセント錠14及びサブロック16の構成について、図2を参照して説明する。
【0033】
図2に示すように、クレセント錠14は、サッシ戸12aの中間高さに設けられており、サッシ戸12aに取り付けられた基台14aを有している。基台14aには、クレセント本体14c(施錠切替部)が回動可能に取り付けられている。また、クレセント錠14は、サッシ戸12bに取り付けられたクレセント受け14bを有している。そして、クレセント本体14cの回動に基づいて、クレセント本体14cとクレセント受け14bとが係合することによりサッシ戸12a,12bが施錠状態に切り替えられ、これらの係合が解除されることによりサッシ戸12a,12bが解錠状態に切り替えられる。すなわち、クレセント本体14cとクレセント受け14bとが係合する位置がクレセント本体14cの施錠位置であり、これらの係合が解除される位置がクレセント本体14cの解錠位置である。
【0034】
クレセント錠14は、サッシ戸12a,12bを施錠状態に切り替えたクレセント本体14cをロック状態とロック解除状態とに切り替えるスライドボタン14d(規制切替部)を有している。スライドボタン14dは、一方(上方)へスライドされた位置(ロック位置)でクレセント本体14cをロック状態に維持し、他方(下方)へスライドされた位置(ロック解除位置)でクレセント本体14cをロック解除状態に維持する。すなわち、スライドボタン14dが上方にスライドされた状態では、クレセント本体14cを回動させることができなくなる。
【0035】
サブロック16は、サッシ戸12aの下部に設けられており、サブロック本体16aと、サブロック本体16aを回動可能に支持する部分とを有している。そして、サブロック本体16aの回動に基づいて、サブロック本体16aがサッシ戸12bから突出すること(施錠位置に移動すること)によりサッシ戸12a,12bが施錠状態に切り替えられ(図2に示す状態)、サブロック本体16aがサッシ戸12b内に収められること(解錠位置に移動すること)によりサッシ戸12a,12bが解錠状態に切り替えられる。なお、サブロック16をサッシ戸12aの上部に設けることもできる。
【0036】
また、上記クレセント本体14c(施錠切替部)を含む機構、上記スライドボタン14d(規制切替部)を含む機構、及びサブロック16は、それぞれ施錠機構を構成する。
【0037】
上記クレセントセンサ33は、クレセント本体14cの状態(位置)とスライドボタン14dの状態(位置)とをそれぞれ検出する。すなわち、クレセントセンサ33は、サッシ戸12a,12bをクレセント本体14cが施錠状態・解錠状態のいずれの状態に維持しているか、及びクレセント本体14cをスライドボタン14dがロック状態・ロック解除状態のいずれの状態に維持しているかを検出する。そして、クレセントセンサ33は、その検出結果を無線通信により制御部40に出力する。
【0038】
上記サブロックセンサ34は、サブロック16の状態(位置)を検出する、すなわちサッシ戸12a,12bをサブロック16が施錠状態・解錠状態のいずれの状態に維持しているかを検出する。そして、サブロックセンサ34は、その検出結果を無線通信により制御部40に出力する。
【0039】
図1に示すように、電動式シャッタ20は、窓サッシ10の屋外側の上部に設けられている。そして、シャッタ20は、閉じられた状態において窓サッシ10の屋外側の面を覆う。窓サッシ10近辺の屋内壁には、シャッタ20を手動操作により開閉させる操作盤31が設けられている。操作盤31は、シャッタ20を開くボタンと閉じるボタンとを有している。そして、操作盤31が手動操作されることによりシャッタ20が開閉される。
【0040】
電動式シャッタ20は、制御部40からの制御信号によっても開閉される。制御部40は、マイコン,受信回路,受信アンテナ,送信回路等を含んで構成されている。マイコンは、具体的にはCPU,ROM,RAMからなるCPUユニットである。制御部40は、クレセントセンサ33の検出結果およびサブロックセンサ34の検出結果に基づいて、シャッタ20の開閉状態を制御する。
【0041】
制御部40によりシャッタ20の開閉状態を制御する機能を作動・停止させる切替スイッチ32が、シャッタ20の操作盤31近傍に設けられている。この切替スイッチ32が作動位置に切り替えられることにより制御部40によるシャッタ20の開閉制御が実行され、切替スイッチ32が停止位置に切り替えられることにより制御部40によるシャッタ20の開閉制御が停止される。
【0042】
次に、電動式シャッタ20の開閉状態を制御する処理手順について、図3のフローチャートを参照して説明する。本処理は、制御部40によって、所定の周期をもって繰り返し実行される。
【0043】
まず、シャッタ20の開閉制御を作動・停止させる切替スイッチ32が停止位置にあるか否か判定される(S11)。そして、切替スイッチ32が停止位置にあると判定された場合には(S11:YES)、建物の使用者がシャッタ20の開閉制御を実行することを希望していないと判断されて、本処理は一旦終了される。
【0044】
一方、この判定において、切替スイッチ32が停止位置にないと判定された場合には(S11:NO)、クレセント本体14cがサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあるか否か(S12)、スライドボタン14dがクレセント本体14cをロック状態に維持するロック位置にあるか否か(S13)、サブロック16がサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあるか否か(S14)が判定される。
【0045】
これらの全てが肯定された場合には(S12,S13,S14:YES)、制御部40の制御信号に基づいて電動式シャッタ20が閉じられる(S15)。すなわち、使用者によって、クレセント本体14cが施錠位置に操作された後にスライドボタン14dがロック位置に操作され、且つサブロック16が施錠位置に操作された時に、これに連動して電動式シャッタ20が閉じられる。ここで、スライドボタン14dがロック位置に操作されることと、サブロック16が施錠位置に操作されることとは、いずれが先に行われてもよく、スライドボタン14dがロック位置にある状態かつサブロック16が施錠位置にある状態であることに連動して、電動式シャッタ20が閉じられればよい。換言すれば、クレセント本体14c,スライドボタン14d,サブロック16のうち、施錠状態である施錠機構の組み合わせに応じて電動式シャッタ20が閉じられる。なお、電動式シャッタ20が閉じられる前に、既に電動式シャッタ20が閉じられていた場合にはその状態で維持される。その後、本処理は一旦終了される。
【0046】
一方、上記のいずれかが否定された場合には(S12:NO、又はS13:NO、又はS14:NO)、制御部40の制御信号に基づいて電動式シャッタ20が開かれる(S15)。すなわち、使用者によって、スライドボタン14dがロック解除位置に操作された時、又はサブロック16が解錠位置に操作された時に、これに連動して電動式シャッタ20が開かれる。したがって、1つの操作によって電動式シャッタ20を開くことができるため、電動式シャッタ20を開く際の利便性を向上させることができる。なお、電動式シャッタ20が開かれる前に、既に電動式シャッタ20が開かれていた場合にはその状態で維持される。その後、本処理は一旦終了される。
【0047】
なお、S12〜S14の処理が検出手段としての処理に相当し、S12〜S15の処理が制御手段としての処理に相当する。
【0048】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。
【0049】
建物の外周壁に設けられた窓サッシ10は、クレセント本体14c(施錠切替部)、スライドボタン14d(規制切替部)及びサブロック16を有し、クレセント本体14c及びスライドボタン14dの状態(位置)がそれぞれクレセントセンサ33によって検出され、サブロック16の状態(位置)がサブロックセンサ34によって検出される。このため、窓サッシ10の施錠状態を詳細に把握することができる。そして、検出されるこれらの施錠機構の状態に基づいて、窓サッシ10の屋外側に設けられた電動式シャッタ20が開閉されるため、窓サッシ10の詳細な施錠状態に応じて電動式シャッタ20の開閉状態を柔軟に制御することができる。
【0050】
制御部40は、クレセントセンサ33及びサブロックセンサ34によって検出されるクレセント本体14c、スライドボタン14d及びサブロック16の状態に基づいて電動式シャッタ20を開閉するため、窓サッシ10の施錠状態と電動式シャッタ20の開閉とを関連付けることができる。その結果、窓サッシ10の施錠とシャッタ20の開閉とをまとめて管理することができる。
【0051】
制御部40は、クレセントセンサ33によって検出されるスライドボタン14dの状態がロック位置にある状態、且つサブロックセンサ34によって検出されるサブロック16の状態が施錠位置にある状態であることに連動して、電動式シャッタ20を閉じるため、使用者がシャッタ20を閉じる操作を行う手間を省くことができるとともに、使用者によるシャッタ20の操作忘れに対処することができる。
【0052】
クレセント錠14のクレセント本体14cが施錠位置にあること、クレセント錠14のスライドボタン14dがロック位置にあること、サブロック16が施錠位置にあることの全てが検出された場合に、窓サッシ10の屋外側に設けられた電動式シャッタ20が閉じられるため、使用者がシャッタ20を閉じることを意図している可能性が高い場合にシャッタ20を閉じることができる。
【0053】
制御部40は、クレセント錠14のスライドボタン14dがロック位置にあること、サブロック16が解錠位置にあることのいずれかが検出された場合に、電動式シャッタ20を開くため、使用者がシャッタ20を開くことを意図している可能性が高い場合にシャッタ20を開くことができる。
【0054】
制御部40により電動式シャッタ20の開閉状態を制御する機能を作動・停止させる切替スイッチ32を備えるため、使用者の希望に応じてシャッタ20の状態を柔軟に制御することができる。
【0055】
切替スイッチ32は、シャッタ20の開閉を操作する操作盤31の近傍に設けられているため、制御部40によりシャッタ20の開閉状態を制御する機能を切替スイッチ32で停止させた場合に、操作盤31によってシャッタ20の状態を変更することが容易となる。
【0056】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、窓サッシの周辺に防犯装置が設けられた建物に具体化している。すなわち、本実施形態では、窓サッシの有する複数の施錠機構の状態に基づいて、防犯装置の状態が制御されるようにしている。なお、第1実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0057】
図4に示すように、窓サッシ10の周辺には、監視装置35(付属装置)及び警報装置36(付属装置)が設けられている。そして、建物には、監視装置35及び警報装置36の状態を制御する制御部140(制御手段)と、制御部140による防犯制御を作動・停止させる切替スイッチ132とが設けられている。
【0058】
監視装置35は、人感センサからなり、窓サッシ10の屋外側周辺を含む検出エリア内の人の存否を検出し、その検出結果を無線通信により制御部140に出力する。なお、監視装置35は、人感センサに限らず、カメラやマイク等により不審者を検出するものであってもよい。
【0059】
警報装置36は、スピーカ等を含み、制御部140からの制御信号に基づいて、警報音や威嚇音を鳴らす。
【0060】
制御部140は、第1実施形態の制御部40と同様の構成を有し、クレセントセンサ33の検出結果およびサブロックセンサ34の検出結果に基づいて、監視装置35の検出結果に基づく異常検出の実行の有無と、警報装置36による警報動作の実行の有無とを切り替える。
【0061】
次に、監視装置35及び警報装置36の状態を制御する処理手順について、図5のフローチャートを参照して説明する。本処理は、制御部140によって、所定の周期をもって繰り返し実行される。
【0062】
まず、防犯制御を作動・停止させる切替スイッチ132が停止位置にあるか否か判定される(S21)。そして、切替スイッチ132が停止位置にあると判定された場合には(S21:YES)、建物の使用者が防犯制御を実行することを希望していないと判断されて、本処理は一旦終了される。
【0063】
一方、この判定において、切替スイッチ32が停止位置にないと判定された場合には(S21:NO)、クレセント本体14cがサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあるか否か判定される(S22)。すなわち、建物の使用者が窓サッシ10を施錠して、建物の防犯を行う意図があるか否か判定する。
【0064】
この判定において、クレセント本体14cがサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあると判定された場合には(S22:YES)、監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされる(S23)。具体的には、監視装置35の検出結果に基づいて、窓サッシ10の屋外側周辺に不審者が存在すると判断された場合には、その旨を建物の使用者に報知する処理等が実行される。例えば、不審者の存在がモニタに表示されたり、建物の使用者に対して報知音が鳴らされたりする。
【0065】
一方、クレセント本体14cがサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあると判定されなかった場合には(S22:NO)、使用者が建物の防犯を行うことを意図していないと判断されて、本処理は一旦終了される。
【0066】
監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされた後(S23)、スライドボタン14dがクレセント本体14cをロック状態に維持するロック位置にあるか否か判定される(S24)。すなわち、建物の使用者が窓サッシ10をより確実に施錠して、防犯をより確実に行う意図があるか否か判定する。
【0067】
この判定において、スライドボタン14dがクレセント本体14cをロック状態に維持するロック位置にあると判定された場合には(S24:YES)、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされる(S25)。すなわち、監視装置35の検出結果に基づいて窓サッシ10の屋外側周辺に不審者が存在していると判断された場合には、警報装置36による警報音や威嚇音の発生がなされるようになる。ここで、スライドボタン14dがクレセント本体14cをロック状態に維持するロック位置に操作される前に、サブロック16がサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置に操作された場合には、その時点では監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされない。換言すれば、サブロック16よりも先にスライドボタン14dがロック位置に操作されることによって、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされる。すなわち、警報装置36の作動が有効にされるためには、複数の施錠機構を施錠する順序が定められている。
【0068】
一方、スライドボタン14dがクレセント本体14cをロック状態に維持するロック位置にあると判定されなかった場合には(S24:NO)、監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされた状態のまま、本処理は一旦終了される。
【0069】
監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされた後(S25)、サブロック16がサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあるか否か判定される(S26)。すなわち、建物の使用者が窓サッシ10を更に確実に施錠して、防犯を行うことを強く意図しているか否か判定する。
【0070】
この判定において、サブロック16がサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にあると判定された場合には(S26:YES)、制御部140の制御信号に基づいて電動式シャッタ20が閉じられる(S27)。すなわち、使用者によって、クレセント本体14cが施錠位置に操作された後にスライドボタン14dがロック位置に操作され、且つサブロック16が施錠位置に操作された時に、これに連動して電動式シャッタ20が閉じられる。このため、窓サッシ10の防犯性が高くなる。なお、スライドボタン14dがクレセント本体14cをロック状態に維持するロック位置に操作される前に、サブロック16がサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置に操作された場合には、スライドボタン14dがロック位置に操作された時点で(S24:YES)、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされ(S25)、更に制御部140の制御信号に基づいて電動式シャッタ20が閉じられる(S27)。その後、本処理は一旦終了される。
【0071】
一方、サブロック16がサッシ戸12a,12bを施錠状態に維持する施錠位置にないと判定された場合には(S26:NO)、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされた状態のまま、本処理は一旦終了される。
【0072】
上記のように、クレセント本体14cの施錠状態に対応して監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされ、スライドボタン14dの施錠状態(ロック状態)に対応して監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされ、サブロック16の施錠状態に対応して制御部140の制御信号に基づいて電動式シャッタ20が閉じられる。すなわち、各施錠機構に制御の対象となる各付属装置が割り当てられているとともに、各施錠機構の状態に対応させて各付属装置の状態が制御される。
【0073】
なお、S22,S24,S26の処理が検出手段としての処理に相当し、S22〜S27の処理が制御手段としての処理に相当する。
【0074】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。なお、第1実施形態と同様の利点については省略する。
【0075】
建物の外周壁に設けられた窓サッシ10は、クレセント本体14c、スライドボタン14d及びサブロック16を有し、クレセント本体14c及びスライドボタン14dの状態がそれぞれクレセントセンサ33によって検出され、サブロック16の状態がサブロックセンサ34によって検出される。このため、窓サッシ10の施錠状態を詳細に把握することができる。そして、検出されるこれらの施錠機構の状態に基づいて、窓サッシ10の周辺に設けられた監視装置35および警報装置36による防犯制御の実行の有無が変更されるため、窓サッシ10の詳細な施錠状態に応じて監視装置35および警報装置36による防犯状態を柔軟に制御することができる。また、窓サッシ10の施錠と、監視装置35および警報装置36による防犯状態とをまとめて管理することができる。
【0076】
制御部140は、クレセントセンサ33によって検出されるクレセント本体14cの状態が施錠位置にある状態であることに連動して、監視装置35の検出に基づく異常検出を有効にし、スライドボタン14dの状態がロック位置にある状態であることに連動して、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動を有効にする。このため、使用者が監視装置35及び警報装置36を有効にする手間を省くことができるとともに、使用者によるこれらの作動忘れに対処することができる。
【0077】
制御部140による防犯制御を作動・停止させる切替スイッチ132を備えるため、使用者の希望に応じて防犯装置の状態を柔軟に制御することができる。
【0078】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、ドアの周辺に防犯装置が設けられた建物に具体化している。すなわち、本実施形態では、ドアの有する複数の施錠機構の状態に基づいて、防犯装置の状態が制御されるようにしている。なお、第2実施形態と同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0079】
図6に示すように、玄関ドア210の周辺には、監視装置35(付属装置)及び警報装置36(付属装置)が設けられている。そして、建物には、監視装置35及び警報装置36の状態を制御する制御部240(制御手段)が設けられている。なお、ドアは玄関ドア210に限らず、勝手口に設けられるドアであってもよいし、建物が工場等である場合にはその入り口に設けられるドアであってもよい。
【0080】
玄関ドア210は、ドア本体212と、ドア本体212を施錠状態と解錠状態とに切り替える複数の施錠機構とを有している。施錠機構は、サムターン214(ドア錠)とドアロックレバー216とを含んでいる。ドアロックレバー216(規制機構)は、ドア本体212を半開きまでの規制状態と規制解除状態とに切り替える。ドアロックレバー216がドア本体212に掛けられること(規制位置に移動すること)により、ドア本体212は半開きまでの規制状態とされ、ドアロックレバー216がドア本体212から外されること(規制解除位置に移動すること)により、ドア本体212は開閉可能な規制解除状態とされる。なお、施錠機構はサムターン214に限らず、他の種類の錠でもよく、規制機構はドアロックレバー216に限らず、ドアチェーンであってもよい。
【0081】
サムターン214及びドアロックレバー216には、それぞれの状態を検出するサムターンセンサ233(検出手段)及びレバーセンサ234(検出手段)が設けられている。サムターンセンサ233は、サムターン214の状態(位置)を検出する。すなわち、サムターンセンサ233は、ドア本体212をサムターン214が施錠状態・解錠状態のいずれの状態に維持しているかを検出する。そして、サムターンセンサ233は、その検出結果を無線通信により制御部240に出力する。レバーセンサ234は、ドアロックレバー216の状態(位置)を検出する。すなわち、ドア本体212をドアロックレバー216が規制状態・規制解除状態のいずれの状態に維持しているかを検出する。そして、レバーセンサ234は、その検出結果を無線通信により制御部240に出力する。
【0082】
監視装置35は、人感センサからなり、玄関ドア210の屋内側周辺を含む検出エリア内の人の存否を検出し、その検出結果を無線通信により制御部240に出力する。なお、監視装置35は、人感センサに限らず、カメラやマイク等により不審者を検出するものであってもよい。
【0083】
警報装置36は、スピーカ等を含み、制御部240からの制御信号に基づいて、警報音や威嚇音を鳴らす。
【0084】
制御部240は、第1実施形態の制御部40と同様の構成を有し、サムターンセンサ233の検出結果およびレバーセンサ234の検出結果に基づいて、監視装置35の検出結果に基づく異常検出の実行の有無と、警報装置36による警報動作の実行の有無とを切り替える。
【0085】
次に、監視装置35及び警報装置36の状態を制御する処理手順について、図7のフローチャートを参照して説明する。本処理は、制御部240によって、所定の周期をもって繰り返し実行される。
【0086】
まず、サムターン214がドア本体212を施錠状態に維持する施錠位置にあるか否か判定される(S31)。すなわち、建物の使用者が玄関ドア210を施錠して、建物の防犯を行う意図があるか否か判定する。
【0087】
この判定において、サムターン214がドア本体212を施錠状態に維持する施錠位置にあると判定された場合には(S31:YES)、監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされる(S32)。
【0088】
一方、サムターン214がドア本体212を施錠状態に維持する施錠位置にあると判定されなかった場合には(S31:NO)、使用者が建物の防犯を行うことを意図していないと判断されて、本処理は一旦終了される。
【0089】
監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされた後(S32)、ドアロックレバー216がドア本体212を規制状態に維持する規制位置にあるか否か判定される(S33)。すなわち、建物の使用者が玄関ドア210をより確実に施錠して、防犯をより確実に行う意図があるか否か判定する。
【0090】
この判定において、ドアロックレバー216がドア本体212を規制状態に維持する規制位置にあると判定された場合には(S33:YES)、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされる(S34)。ここで、ドア本体212のドアロックレバー216が規制解除位置にある場合には玄関ドア210から使用者が入ることを想定しており、警報装置36を有効にすることを意図していない可能性が高い。一方、サムターン214が施錠状態であり且つドアロックレバー216が規制位置にある場合には、玄関ドア210から使用者が入ることを想定しておらず、警報装置36を有効にすることを意図している可能性が高い。こうした判断に基づいて、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされる(S34)。そして、本処理は一旦終了される。
【0091】
一方、ドアロックレバー216がドア本体212を規制状態に維持する規制位置にあると判定されなかった場合には(S33:NO)、監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされた状態のまま、本処理は一旦終了される。
【0092】
上記のように、サムターン214の施錠状態に対応して監視装置35の検出に基づく異常検出が有効にされ、ドアロックレバー216の施錠状態(規制状態)に対応して監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動が有効にされる。すなわち、各施錠機構に制御の対象となる各付属装置が割り当てられているとともに、各施錠機構の状態に対応させて各付属装置の状態が制御される。
【0093】
なお、S31,S33の処理が検出手段としての処理に相当し、S31〜S34の処理が制御手段としての処理に相当する。
【0094】
以上詳述した本実施形態は以下の利点を有する。なお、第1実施形態および第2実施形態と同様の利点については省略する。
【0095】
建物に設けられた玄関ドア210は、サムターン214、ドアロックレバー216を有し、サムターン214及びドアロックレバー216の状態がそれぞれサムターンセンサ233及びレバーセンサ234によって検出される。このため、玄関ドア210の施錠状態を詳細に把握することができる。そして、検出されるこれらの施錠機構の状態に基づいて、玄関ドア210の周辺に設けられた監視装置35および警報装置36による防犯制御の実行の有無が変更されるため、玄関ドア210の詳細な施錠状態に応じて監視装置35および警報装置36による防犯状態を柔軟に制御することができる。また、玄関ドア210の施錠と、監視装置35および警報装置36による防犯状態とをまとめて管理することができる。
【0096】
制御部240は、サムターンセンサ233によって検出されるサムターン214の状態が施錠位置にある状態であることに連動して、監視装置35の検出に基づく異常検出を有効にし、レバーセンサ234によって検出されるドアロックレバー216の状態が規制位置にある状態であることに連動して、監視装置35の検出結果に基づく警報装置36の作動を有効にする。このため、使用者が監視装置35及び警報装置36を有効にする手間を省くことができるとともに、使用者によるこれらの作動忘れに対処することができる。
【0097】
サムターン214が施錠状態であること及びドア本体212を半開きまでに規制するドアロックレバー216が規制状態であることが検出された場合に警報装置36を有効にするため、使用者が警報装置36を有効にすることを意図している可能性が高い場合に警報装置36を有効にすることができる。
【0098】
上記実施形態に限定されず、例えば次のように実施することもできる。
【0099】
第1および第2実施形態では、電動式シャッタ20の開閉状態を制御する機能を作動・停止させる切替スイッチ32及び防犯制御を作動・停止させる切替スイッチ132をそれぞれ備えるようにしたが、これらの切替スイッチ32,132を省略することもできる。
【0100】
第1実施形態では、クレセント本体14c,スライドボタン14d,サブロック16のうち、施錠状態である施錠機構の組み合わせに応じて電動式シャッタ20が閉じられるようにしたが、これらの組み合わせを変更可能にすることもできる。
【0101】
第2実施形態では、警報装置36の作動が有効にされるためには、複数の施錠機構を施錠する順序が定められていたが、この順序を変更可能にすることもできる。
【0102】
第1および第2実施形態では、窓サッシ10にクレセント錠14が設けられるようにしたが、その他の錠と錠の状態を検出するセンサとを採用することもできる。図1,2に示すように、屋内外方向から見てクレセント錠14がサッシ戸12aのサッシ障子の側方に設けられているのに対して、屋内方向から見てサッシ戸12aのサッシ障子の正面に、すなわち図1のクレセントセンサ33の位置にその他の錠が設けられていてもよい。
【0103】
第1および第2実施形態では、複数の施錠機構の状態に基づいて電動式シャッタ20を開閉するようにしたが、付属装置が、窓サッシ10の屋外側に設けられ、複数のスラットを有するシャッタカーテンが閉じられた状態でスラットの開閉状態を制御可能な可変スラット電動式シャッタである場合には、複数の施錠機構の状態に基づいて可変スラット電動式シャッタのスラットの開閉状態を制御するようにすることもできる。こうした構成によれば、窓サッシ10の施錠状態と可変スラット電動式シャッタのスラットの開閉状態とを関連付けることができる。
【0104】
第1および第2実施形態では、クレセント本体14c、スライドボタン14d、及びサブロック16の状態が所定状態であることに連動して、電動式シャッタ20又は警報装置36の状態を変更し、第3実施形態では、サムターン214及びドアロックレバー216の状態が所定状態であることに連動して警報装置36の状態を変更するようにした。これに対して、クレセント本体14c、スライドボタン14d、及びサブロック16の状態が所定状態であることを条件として、電動式シャッタ20又は警報装置36の状態を変更することを許可したり、サムターン214及びドアロックレバー216の状態が所定状態であることを条件として警報装置36の状態を変更することを許可したりしてもよい。すなわち、図3のS15の処理および図5のS27の処理を「電動式シャッタを閉じることを許可する」という処理に変更し、図3のS16の処理を「電動式シャッタを閉じることを許可しない」という処理に変更してもよい。また、図7のS34の処理を「警報装置を有効にすることを許可する」という処理に変更してもよい。
【0105】
こうした構成によれば、複数の施錠機構の状態が所定状態になるまでは電動式シャッタ20や警報装置36等の付属装置の状態を変更することが許可されないようになる。その結果、複数の施錠機構の状態を所定状態にすることを使用者に促すことができるとともに、複数の施錠機構の状態が所定状態にされた上で電動式シャッタ20や警報装置36等の付属装置の状態が変更されるようにすることができる。特に、複数の施錠機構の状態が所定状態であることに連動して電動式シャッタ20や警報装置36の状態が変更される場合の所定状態と、複数の施錠機構の状態が所定状態であることを条件として電動式シャッタ20や警報装置36の状態を変更することを許可する場合の所定状態とを異ならせることにより、窓サッシ10や玄関ドア210の施錠状態に応じて電動式シャッタ20や警報装置36の状態を更に柔軟に制御することができる。
【符号の説明】
【0106】
10…建具としての窓サッシ、14…施錠機構としてのクレセント錠、16…施錠機構としてのサブロック、20…付属装置としての電動式シャッタ、33…検出手段としてのクレセントセンサ、34…検出手段としてのサブロックセンサ、40…制御手段としての制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外周壁に設けられ複数の施錠機構を有する建具に係る付属装置を制御する制御装置であって、
前記複数の施錠機構の状態をそれぞれ検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて、前記付属装置の状態を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする建具付属装置の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が施錠状態である施錠機構の組み合わせに基づいて、前記付属装置の状態を変更することを特徴とする請求項1に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が、所定の順序で前記複数の施錠機構が施錠状態となることに基づいて、前記付属装置の状態を変更することを特徴とする請求項1に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態のうち、各施錠機構の状態に対応させて前記付属装置の状態を制御することを特徴とする請求項1に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項5】
前記建具に係る付属装置が複数設けられ、
前記制御手段は、各施錠機構に割り当てられた各付属装置の状態を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態が所定状態であることを条件として、前記付属装置の状態を変更することを許可することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項7】
前記付属装置は前記建具の屋外側に設けられた電動式シャッタであり、
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて前記電動式シャッタを開閉することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項8】
前記付属装置は、前記建具の屋外側に設けられ、複数のスラットを有するシャッタカーテンが閉じられた状態で前記スラットの開閉状態を制御可能な可変スラット電動式シャッタであり、
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて、前記可変スラット電動式シャッタの前記スラットの開閉状態を制御することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項9】
前記建具は、サッシ戸と、前記複数の施錠機構として前記サッシ戸を施錠・解錠する第1錠と、前記第1錠とは異なる位置に設けられて前記サッシ戸を施錠・解錠する第2錠とを有する窓サッシであり、
前記付属装置は前記窓サッシの屋外側に設けられた電動式シャッタであり、
前記第1錠は、前記サッシ戸を施錠状態と解錠状態とに切り替える施錠切替部と、前記施錠切替部を規制状態と規制解除状態とに切り替える規制切替部とを有し、
前記検出手段は、前記第1錠の施錠切替部と、前記第1錠の規制切替部と、前記第2錠との状態をそれぞれ検出し、
前記制御手段は、前記第1錠の前記施錠切替部が施錠状態であること、前記第1錠の前記規制切替部が規制状態であること、及び前記第2錠が施錠状態であることの全てが前記検出手段によって検出された場合に前記電動式シャッタを閉じることを特徴とする請求項1に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項10】
前記付属装置は、前記建具又は前記建具の周辺に設けられた防犯装置であり、
前記制御手段は、前記検出手段によって検出される前記複数の施錠機構の状態に基づいて前記防犯装置の状態を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項11】
前記建具は、ドア本体と、前記ドア本体を施錠・解錠するドア錠と、前記ドア本体を半開きまでの規制状態と規制解除状態とに切り替える規制機構とを有する玄関ドアであり、
前記付属装置は、前記玄関ドア又は前記玄関ドアの周辺に設けられた防犯装置であり、
前記検出手段は、前記ドア錠および前記規制機構の状態をそれぞれ検出し、
前記制御手段は、前記ドア錠が施錠状態であること及び前記規制機構が前記規制状態であることが前記検出手段によって検出された場合に前記防犯装置を有効にすることを特徴とする請求項1に記載の建具付属装置の制御装置。
【請求項12】
前記制御手段により前記付属装置の状態を制御する機能を作動・停止させる切替スイッチを備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の建具付属装置の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−265586(P2010−265586A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−115220(P2009−115220)
【出願日】平成21年5月12日(2009.5.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】