説明

建具

【課題】製造および施工コストの増大を招くことなくかつ取付精度が確保でき、障子開閉時にける振動や音の発生を確実に防止することができる建具を提供すること。
【解決手段】片持ち状のレール支持部125によって室内側下レール121を支持するとともに、室内側下レール121の共振周波数が建物躯体2等の共振周波数から外れるようにレール支持部125の弾性が設定されているので、室内側障子20Aの開閉に伴う室内側下レール121の振動を鉛直面部123や固定片部124等の枠本体部、および建物躯体2や床材3に伝達しにくくでき、室内空間における振動や音鳴りの発生を確実に防止することができる。下枠12と建物躯体2との間の防振材等が不要になるので、下枠12を建物躯体2等に直接固定することができ、下枠12の取付精度が確保できるとともに、製造および施工コストの増大を防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関し、詳しくは、建物の開口部に固定された枠体内部に左右スライド開閉自在に支持された障子を備えた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引違い窓や片引き窓等の建具として、下枠レール上を転動する戸車によって障子がスライド開閉可能に構成されたものが一般的である。また、このような建具において、障子の開閉に伴って振動や音が発生することが希にあり、その発生を防止するために防振材を用いた建具の取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたサッシ(建具)では、窓枠がサッシ取付材に固定されるようになっており、下枠と、これに沿ったサッシ取付材(横材)との間に、ゴムやスポンジ等から形成された長尺の防振材が介挿されている。すなわち、下枠は、防振材の上に載置されるとともに、防振材を介して横材にビス止め固定されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−82957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のような防振材を用いた建具の取付構造によって、振動や音の発生を確実に防止するためには、防振材の厚さ寸法が大きくなってしまい、窓枠の取付精度が低下するという問題がある。さらに、窓枠の構成材料(例えば、アルミ形材等の金属製)とは異なる材料からなる防振材を用いるため、製造コストが増大するとともに、取付施工時の手間が掛かり施工コストも増大してしまうという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、製造および施工コストの増大を招くことなくかつ取付精度が確保でき、障子開閉時にける振動や音の発生を確実に防止することができる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、建物の開口部に固定される枠体と、この枠体内部に左右スライド開閉自在に支持される少なくとも1枚の障子とを備えた建具であって、前記枠体は、前記開口部に固定される枠本体部と、前記障子を案内するレール部とを有して構成され、このレール部の上を転動する戸車を有して前記障子が構成され、前記レール部は、所定の弾性を有した弾性支持部を介して前記枠本体部に連結され、この弾性支持部の弾性は、前記開口部周辺における建物構成体と前記レール部との共振周波数が相違するように設定されていることを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明の建具におけるレール部としては、枠体の下枠に形成された下レールでもよく、枠体の上枠に形成された上レールでもよい。そして、レール部が上レールの場合には、障子が上レールに吊り下げ支持されるタイプの建具となる。また、レール部および弾性支持部は、枠本体部と一体で形成されていてもよく、各々別体で形成されたものを枠本体部に取り付けて構成されていてもよい。
また、振動や音鳴りの原因の一つとしては、広く一般的に用いられているポリアセタール(POM)製の戸車において、閉状態(または開状態)のままで長時間障子の荷重を支持させ続けた場合に生じるクリープ変形が例示でき、クリープ変形が生じた戸車を転動させるとガタゴトという周期的な音鳴りが発生することがある。
【0008】
以上の本発明によれば、弾性支持部を介してレール部を枠本体部に連結するとともに弾性支持部の弾性を適宜設定し、レール部の共振周波数(固有振動数)を建物構成体(建物躯体や壁材、床材)の共振周波数から外すことで、障子の開閉に伴うレール部の振動を枠本体部および壁材や床材への伝達を抑制でき、振動や音の発生を確実に防止することができる。このような構成による防振構造では、レール部が形成された枠材(例えば、上枠や下枠)を、従来のような防振材を介挿することなく直接建物開口部の躯体に取り付けることができ、取付精度が確保できるとともに、防振材が不要になることから、製造および施工コストの増大を防止することができる。
【0009】
この際、本発明の建具では、前記弾性支持部の弾性は、前記レール部の共振周波数fr と前記建物構成体の共振周波数fs との関係が、fr ≦fs /20.5 を満足するように設定されている、あるいは、前記弾性支持部の弾性は、前記レール部の共振周波数fr が35Hz 以下となるように設定されていることが好ましい。
ここで、建物構成体である躯体や壁材、床材の共振周波数は、一般的な木造建物の場合で50〜60Hz 程度であり、この共振周波数よりも所定比率以下になるように、レール部の共振周波数fr を設定することが有効である。
このような構成によれば、レール部の共振周波数fr が躯体や壁材、床材の共振周波数よりも適切な比率だけ小さくなるように、弾性支持部の弾性(剛性、ばね定数)を設定したことで、振動や音の伝達をより確実に抑制することができる。
【0010】
また、本発明の建具では、前記弾性支持部は、前記枠本体部から片持ち状に突出して形成され、この弾性支持部の先端から立ち上がって前記レール部が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、枠本体部から突出した片持ち状に弾性支持部を形成するとともに、この弾性支持部の先端から立ち上げてレール部を形成する、すなわち、レール部および弾性支持部をL字形に形成することで、レール部に作用した障子の荷重で弾性支持部が下方に撓み、障子を弾性支持することができる。そして、この障子の荷重と弾性支持部の変形量との関係、すなわち弾性支持部の弾性(=荷重/変形量)からレール部の共振周波数を設定することができるため、弾性支持部の板厚や突出寸法などを調節するだけで、比較的容易にレール部の共振周波数を最適なものにすることができる。
さらに、L字形のレール部および弾性支持部と枠本体部とをアルミ形材等から一体に形成することで、異種の材料を用いなくてもよくなって、簡単な構造で確実に振動や音鳴りを防止することができる。
【0011】
一方、本発明の建具では、前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠を四周枠組みして形成され、この枠体内部に前記障子が室内外一対で支持されており、前記下枠は、前記開口部に固定される下枠本体と、前記室内外の各障子を案内する室内外のレール部とを有して構成され、前記室内外のレール部のうち、少なくとも室内側のレール部は、前記下枠本体から片持ち状に突出して形成された前記弾性支持部を介して当該下枠本体に連結され、前記室内外の障子の召合せ部における前記弾性支持部の下側と前記下枠本体との間には、前記レール部に作用する荷重を支持する補強部材が設けられていることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、室内外一対の障子を備える引違い窓の下枠において、片持ち状の弾性支持部でレール部を弾性支持した構造とすることで、前述と同様に、レール部の共振周波数を容易に設定可能で、かつ簡単な構造で下枠が形成できる。そして、比較的長さ寸法が長く、その中央部である召合せ部の下枠に閉鎖状態の障子の荷重や風圧力が作用する引違い窓の下枠において、召合せ部の弾性支持部を下方から補強部材で支持することで、補強部材を介して下枠本体に荷重が確実に伝達でき、レール部の強度を確保することができる。ここで、補強部材としては、レール部からの振動を下枠本体に伝達しにくくできるゴムや軟質樹脂等の非金属材料から形成されたものが望ましい。そして、このような非金属材料から形成したとしても、補強部材は召合せ部という限定された位置のみに設けられるものであって、下枠の長さ全体に渡って設けられるものではないため、製造コストや取付施工性に及ぼす影響を最小限にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る建具である引違い窓1を示す縦断面図である。図2は、引違い窓1を示す横断面図である。図3は、引違い窓1における下枠12を拡大して示す縦断面図である。図4は、引違い窓1の召合せ部における下枠12を示す平面図である。図5は、召合せ部における下枠12を示す縦断面図である。
図1および図2において、引違い窓1は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠(枠体)10と、この窓枠10の内部に左右スライド開閉自在に支持された室内外一対の障子20(室内側障子20Aおよび室外側障子20B)と、室外側障子20Bの室外側に設けられた網戸30とを有して構成されている。
窓枠10の上枠11、下枠12、および縦枠13は、それぞれ外壁開口部を構成する建物躯体2にビス止め固定されるとともに、下枠12の室内側には床材3が固定され、上枠11および縦枠13の室内側には額縁材4が固定されている。
【0014】
障子20は、それぞれアルミ形材製の上框21、下框22、および左右の縦框23と、これらを四周框組みした内部に嵌め込んだガラスパネル24とを有して構成されている。そして、室内側障子20Aは、上枠11に形成された室内側上レール111に上框21および縦框23の上端部が案内されるとともに、下枠12に形成された室内側下レール121に戸車221が案内されることで、左右にスライド開閉されるようになっている。一方、室外側障子20Bは、上枠11に形成された室外側上レール112に上框21および縦框23の上端部が案内されるとともに、下枠12に形成された室外側下レール122に戸車221が案内されることで、左右にスライド開閉されるようになっている。これらの室内側障子20Aおよび室外側障子20Bは、互いの召合せ框23A,23B同士が見込み方向に重なって閉じるようになっている。また、戸車221は、障子20の下框22あるいは縦框23の下端部に回転自在に取り付けられ、下レール121,122上を転動するとともに、左右2個の戸車221で1枚の障子20を支持して障子20の重量を下枠12に伝達できるようになっている。
【0015】
窓枠10の下枠12は、図3に示すように、それぞれアルミ形材製の室内部材12Aおよび室外部材12Bと、これらの室内部材12Aと室外部材12Bとを連結する樹脂製の断熱部材12Cとを有して構成されている。また、室内側下レール121の下端部と断熱部材12Cの上面部との間には、樹脂製のカバー材12Dが取り付けられている。
下枠12の室内部材12Aは、上下に延びて建物躯体2に載置される鉛直面部123と、この鉛直面部123の上端から室内側に折れ曲がった固定片部124と、鉛直面部123から室外側に突出して室内側下レール121を支持するレール支持部125と、このレール支持部125の下方で鉛直面部123の室外側に形成された中空状のホロー部126と、このホロー部126の室外側から下方に延びて建物躯体2に載置される載置片部127とを有して形成されている。一方、室外部材12Bは、上下に延びて建物躯体2にビス止め固定される固定面部128と、この固定面部128の室外側側面から室外側に突出した一対の突出片部129A,129Bとを有して形成され、上側の突出片部129Aの上面から上方に突出して室外側下レール122が形成されている。
【0016】
以上のような下枠12において、室内側下レール121は、室内部材12Aの鉛直面部123から片持ち状に略水平方向に突出したレール支持部125の室外側先端部から上方に立ち上がって形成されている。そして、レール支持部125は、戸車221を介して室内側下レール121に作用する室内側障子20Aの荷重によって下方に撓むことで、室内側下レール121および室内側障子20Aを弾性支持することができるようになっている。すなわち、レール支持部125によって本発明の弾性支持部が構成されている。また、レール支持部125の基端部を支持する鉛直面部123や、固定片部124、ホロー部126、載置片部127によって、下枠本体が構成されている。そして、室内側下レール121およびレール支持部125の下側にホロー部126を有することで、下枠本体の強度および剛性が確保されるようになっている。
【0017】
以上のようなレール支持部125の弾性(剛性=荷重/変形量)は、室内側下レール121の上下方向の振動数である共振周波数(fr )が、建物構成体としての建物躯体2および床材3の共振周波数(fs )よりも小さくなるように設定されている。具体的には、1つの戸車221当たりの室内側障子20Aの鉛直加重として20kgが作用した場合に、レール支持部125の先端が約0.35mm下方に変位する程度にレール支持部125の剛性が設定されている。そして、この場合に、室内側下レール121の共振周波数(fr )は、26.6Hz 程度となり、35Hz よりも小さく、かつ建物躯体2および床材3の共振周波数(fs )に対してfs /20.5 よりも小さくなるように設定されている。ここで、建物躯体2および床材3の共振周波数(fs )は、一般的な木造建物において、50〜60Hz 程度であることから、fs を50Hz とすると、fs/20.5 が35.4Hz となり、室内側下レール121の共振周波数(fr =26.6Hz )の方が小さくなっている。なお、以上の設定は、樹脂製のカバー材12Dを取り付けた場合のものであり、樹脂製のカバー材12Dを取り外した場合には、室内側下レール121の共振周波数(fr )がカバー材12Dのある場合よりもさらに小さくなることが確認されている。
【0018】
また、図4および図5に示すように、下枠12における召合せ部、すなわち室内側障子20Aおよび室外側障子20Bを閉じた際に互いの召合せ框23A,23B同士が重なる位置において、レール支持部125の下側と下枠本体のホロー部126との間には、補強部材としてのゴムブロック40が圧入されている。このゴムブロック40は、召合せ框23A,23Bの見付け幅寸法と略同一の長さ寸法を有し、室内側障子20Aの召合せ框23A直下に位置して設けられたもので、召合せ部において室内側下レール121に作用する室内側障子20Aの鉛直荷重を、ホロー部126を介して建物躯体2に伝達することができるようになっている。さらに、閉じた状態の室内側障子20Aおよび室外側障子20Bに室外側から風圧力が作用した場合に、召合せ框23A,23Bを介して室内側下レール121に横方向の荷重が作用することになるが、ゴムブロック40は、この荷重による室内側下レール121の見込み方向への変形を防止することもできるようになっている。
【0019】
一方、室外側下レール122は、固定面部128から片持ち状に突出した突出片部129A,129Bによって支持されており、これらの突出片部129A,129Bが建物躯体2よりも室外側に位置し、床材3にも直接固定されていないため、室外側下レール122における振動が建物躯体2や床材3に伝達されにくくなっている。
【0020】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、片持ち状のレール支持部125によって室内側下レール121を支持するとともに、室内側下レール121の共振周波数が建物躯体2等の共振周波数から外れるようにレール支持部125の弾性が設定されているので、室内側障子20Aの開閉に伴う室内側下レール121の振動を鉛直面部123や固定片部124等の枠本体部、および建物躯体2や床材3に伝達しにくくでき、室内空間における振動や音鳴りの発生を確実に防止することができる。
【0021】
(2)また、レール支持部125の弾性によって振動の伝達が抑制されることで、従来の防振材等を介した固定構造によらなくても、下枠12を建物躯体2や床材3に直接ビス止めや載置によって固定することができ、下枠12の取付精度が確保できるとともに、防振材が不要になることから、製造および施工コストの増大を防止することができる。
【0022】
(3)さらに、室内側下レール121およびレール支持部125がL字形で下枠12の室内部材12Aと一体に形成されているので、簡単な構造で確実に振動や音鳴りを防止することができる。また、レール支持部125の突出寸法や板厚などを調節して弾性を適宜設定するだけで、比較的容易に室内側下レール121の共振周波数(fs )を最適なものにすることができる。
【0023】
(4)また、下枠12の召合せ部におけるレール支持部125の下側とホロー部126との間にゴムブロック40が圧入されているので、室内側障子20Aの鉛直荷重や風圧力による水平荷重などの室内側下レール121に作用する荷重を、建物躯体2等に確実に伝達でき、室内側下レール121の強度を確保することができる。
【0024】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態においては、引違い窓1における下枠12の室内側下レール121を弾性支持部であるレール支持部125で支持する構成としたが、これに限らず、片引き窓等の下レールを弾性支持部によって支持した構成でもよい。さらに、弾性支持部で支持するレールとしては、下レールに限らず、上枠に設けられた上レールであってもよく、この場合には、障子が上レールに吊り下げ支持されるタイプの引き戸等に採用可能である。さらに、前記実施形態の引違い窓1において、室内外両方の下レール121,122を弾性支持部で支持するような構成を採用することも可能である。
【0025】
また、前記実施形態では、下枠本体(鉛直面部123)から片持ち状に突出したレール支持部125の弾性を利用して、室内側下レール121の共振周波数(fs )を設定する構成であったが、これに限らず、弾性支持部の形状をU字形やC字形等にしてもよい。さらに、弾性支持部としては、レールや枠本体部と同一材料から一体に形成されたものに限らず、レール部と枠本体部との間に別体からなる弾性体を介在配置して弾性支持部を構成してもよい。
また、前記実施形態では、下枠12の召合せ部にゴムブロック40を取り付けたが、このゴムブロック40は、下枠12の長さ寸法や障子の重量等の設計条件に応じて適宜省略することも可能である。
【0026】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施形態に係る建具を示す縦断面図である。
【図2】前記建具を示す横断面図である。
【図3】前記建具における下枠を拡大して示す縦断面図である。
【図4】前記建具の召合せ部における下枠を示す平面図である。
【図5】前記召合せ部における下枠を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1…建具である引違い窓、2…建物構成体である建物躯体、3…建物構成体である床材、10…枠体である窓枠、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、20,20A,20B…障子、40…補強部材であるゴムブロック、121…室内側下レール、122…室外側下レール、125…弾性支持部であるレール支持部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に固定される枠体と、この枠体内部に左右スライド開閉自在に支持される少なくとも1枚の障子とを備えた建具であって、
前記枠体は、前記開口部に固定される枠本体部と、前記障子を案内するレール部とを有して構成され、このレール部の上を転動する戸車を有して前記障子が構成され、
前記レール部は、所定の弾性を有した弾性支持部を介して前記枠本体部に連結され、この弾性支持部の弾性は、前記開口部周辺における建物構成体と前記レール部との共振周波数が相違するように設定されている建具。
【請求項2】
前記弾性支持部の弾性は、前記レール部の共振周波数fr と前記建物構成体の共振周波数fs との関係が、fr ≦fs /20.5 を満足するように設定されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記弾性支持部の弾性は、前記レール部の共振周波数fr が35Hz 以下となるように設定されている請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記弾性支持部は、前記枠本体部から片持ち状に突出して形成され、この弾性支持部の先端から立ち上がって前記レール部が形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
【請求項5】
前記枠体は、上枠、下枠、および左右の縦枠を四周枠組みして形成され、この枠体内部に前記障子が室内外一対で支持されており、
前記下枠は、前記開口部に固定される下枠本体と、前記室内外の各障子を案内する室内外のレール部とを有して構成され、
前記室内外のレール部のうち、少なくとも室内側のレール部は、前記下枠本体から片持ち状に突出して形成された前記弾性支持部を介して当該下枠本体に連結され、
前記室内外の障子の召合せ部における前記弾性支持部の下側と前記下枠本体との間には、前記レール部に作用する荷重を支持する補強部材が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−211568(P2007−211568A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35833(P2006−35833)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】