説明

建物

【課題】車庫スペースを有効活用することができる建物を提供する。
【解決手段】建物10には、ガレージ11が設けられている。ガレージ11には、移動可能なシャッタ装置30が設けられている。シャッタ装置30は、昇降可能なシャッタカーテン31とシャッタカーテン31を収納するシャッタボックス32とを備えている。ガレージ天井面26には、ガレージ11奥行き方向に延びる案内レール27が設けられている。シャッタ装置30は、案内レール27に吊り下げ支持されるとともにその吊り下げ状態で案内レール27に沿って移動することができる。これにより、シャッタ装置30をガレージ開口部19よりも奥方に移動させ、シャッタカーテン31を下降させることにより車庫スペース16を複数のスペース45,46に仕切ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両が入庫されるスペースが確保された車庫スペースを有する付属車庫を備えており、又は車両が入庫されるスペースが確保された車庫スペースを有する車庫からなる建物に関する。
【背景技術】
【0002】
車庫付き建物では、防犯等の観点から車庫の車両出入口にシャッタ装置を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。シャッタ装置には、昇降することにより車両出入口を開閉するシャッタカーテンが備えられている。
【0003】
シャッタ装置を備える車庫付き建物においては、シャッタカーテンを下降させることにより車両出入口を閉鎖することができるとともに車庫スペースを1つの閉空間とすることができる。また、シャッタカーテンを上昇させることにより車両出入口を開放することができ、これにより、車両を車庫スペースに入庫させたり車庫スペースから出庫させたりすることができる。
【特許文献1】特開2000−27313号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、付属車庫の車庫スペースは様々な車両の大きさに対応可能なように比較的広く確保されている場合がある。かかる事情の下で、居住者が小型車を使用している場合には、車両の駐車に必要なスペースが車庫スペースに対して小さいものとなることがある。このような場合、車庫スペースの一部は居住者にとって利用価値のない単なる空きスペースとなる。また、車庫スペースから車両が出庫した場合には、車庫スペース全体が空きスペースとなる。
【0005】
なお、このように車庫スペースに空きスペースが生じることは付属車庫以外の車庫においても同様である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、車庫スペースを有効活用することができる建物を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明の建物は、車両が入庫されるスペースが確保された車庫スペースを有する付属車庫を備えており、又は車両が入庫されるスペースが確保された車庫スペースを有する車庫からなる建物であって、前記車庫スペースと屋外とを連通する車両出入口と、前記車両出入口の開口幅方向に延びるとともに昇降可能なシャッタカーテンを有してなるシャッタ装置と、前記シャッタカーテンの下降位置を前記車庫スペースの奥行き方向に調整する下降位置調整手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、シャッタカーテンの下降位置を車庫スペースの奥行き方向に調整することができるため、シャッタカーテンを車庫スペースにおける車両出入口よりも奥方で下降させることにより車庫スペースを複数のスペースに仕切ることができる。したがって、車庫スペースに空きスペースが生じた場合にはその空きスペースをシャッタカーテンによりその他のスペースと仕切れば、空きスペースを車両の駐車以外の用途で使用し易くすることができ、空きスペースの有効利用を図ることができる。
【0009】
また、本発明のシャッタカーテンは車両出入口の開口幅方向に延びているため、シャッタカーテンを車庫スペースにおける車両出入口よりも奥方で下降させると、屋外に繋がる車両出入口側のスペース(以下、出入口側スペースという)と、屋外とは離隔された車庫の奥側のスペース(以下、奥側スペースという)とに仕切ることができる。これにより、屋外と連続した出入口側スペースを車両の出入口として使用すれば車両の入出庫をし易くすることができるし、また、一般に出入口を介して居室と連通されている奥側スペースを作業場や洗濯物を干すスペースとして使用すれば使い勝手よく使用することができる。
【0010】
第2の発明の建物は、第1の発明において、前記下降位置調整手段により調整される前記奥行き方向の下降位置として前記車両出入口を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、シャッタカーテンの下降位置を車両出入口に設定することもできるため、シャッタカーテンを車両出入口において下降させることにより車両出入口を閉鎖することができる。これにより、1のシャッタ装置だけで従来と同様の車両出入口の開閉を行ったり、その他の奥側での間仕切りを行ったりすることができる。
【0012】
第3の発明の建物は、第1又は第2の発明において、前記シャッタ装置は、前記シャッタカーテンを上昇位置にて収納するシャッタボックスを備え、前記下降位置調整手段は、前記シャッタボックスを前記車庫スペースの奥行き方向に移動調整するものであることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、シャッタカーテンを上昇位置にてシャッタボックスに収納することができるとともに、シャッタボックスを車庫スペースの奥行き方向に移動調整することができる。これにより、シャッタカーテンの下降位置を車庫スペースの奥行き方向に調整することができるため、出入口側スペースを広くしたり奥側スペースを広くしたりする等、車両の大きさや居住者の使用用途に応じた車庫スペースの仕切り方をすることができる。
【0014】
第4の発明の建物は、第1又は第2の発明において、前記車庫スペースの天井側には、前記シャッタカーテンの上昇位置において当該シャッタカーテンを前記奥行き方向へ延びるように支持する支持手段が設けられ、前記下降位置調整手段は、前記支持手段によって支持されているシャッタカーテンの端部の降下開始位置を前記車庫スペースの奥行き方向において調整するものであることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、車庫スペースの天井側に設けられた支持手段によりシャッタカーテンを上昇位置において奥行き方向へ延びるように支持することができ、また、支持手段によって支持されているシャッタカーテンの端部の降下開始位置を車庫スペースの奥行き方向において調整することができる。これにより、出入口側スペースを広くしたり奥側スペースを広くしたりする等、車両の大きさや居住者の使用用途に応じた車庫スペースの仕切り方をすることができる。
【0016】
なお、この場合、支持手段にはシャッタカーテンを下方に誘導するための誘導部を設けるとよい。そうすれば、支持手段により支持されているシャッタカーテンを、誘導部を介して下方に誘導することにより下降させることができる。
【0017】
第5の発明の建物は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記シャッタカーテンは、複数のスラットが上下方向に連結されてなるとともに、各スラット間において折り曲げ可能に構成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、シャッタカーテンは複数のスラットが上下方向に連結されて構成されており、各スラット間において折り曲げることができるため、シャッタカーテンを巻き取ることができる。したがって、第3の発明において本発明のシャッタカーテンを利用すれば、シャッタカーテンを上昇位置にて巻き取ることができ、その巻き取り状態でシャッタカーテンをシャッタボックスに収納することができる。これにより、シャッタカーテンをコンパクトにシャッタボックスに収納することができるため、シャッタボックスの小型化、軽量化を実現することができる。
【0019】
また、本発明のシャッタカーテンを第4の発明に適用すれば、支持手段により支持されているシャッタカーテンを下方に折り曲げることができる。これにより、シャッタカーテンを円滑に下降させることができる。
【0020】
第6の発明の建物は、第5の発明において、前記各スラットは前記スラットの長手方向に延びる回動軸を有しており、前記回動軸を回動中心として前記各スラットが回動されることによりスラット間が開閉されることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、各スラットに設けられた回動軸を回動中心として各スラットを回動させることにより各スラット間を開閉させることができる。これにより、シャッタカーテンの下降時(車庫スペースの仕切り時)に各スラット間を開放すれば通風性の良いスペースを得ることができる。それに対し、シャッタカーテンの下降時に各スラット間を閉鎖すれば、シャッタカーテンを介しての排気ガスの流出入を抑えることができ、また、スペース外部から視界を遮る効果を得ることもできる。
【0022】
第7の発明の建物は、第1乃至第6のいずれかの発明において、前記車庫スペースへの前記車両の入庫を検知する入庫検知手段と、前記入庫する車両の少なくとも長さ又は位置を含む車両情報を取得する情報取得手段と、前記入庫検知手段が前記車両の入庫を検知した場合に、前記情報取得手段によって取得された車両の長さ又は位置に応じて前記車両に干渉しない下降位置となるように前記下降位置調整手段を制御する入庫制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、車両が車庫スペースへ入庫した場合、情報取得手段によって入庫した車両の長さ又は位置に関する車両情報を取得することができる。そして、その取得された車両の長さ又は位置に応じてその車両に干渉しない位置にシャッタカーテンを下降させることができる。これにより、車両が車庫スペースに入庫すると、自動的に車庫スペースを車両の駐車スペースと空きスペースとに仕切ることができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0024】
第8の発明の建物は、第1乃至第7のいずれかの発明において、前記シャッタカーテンの下方に障害物があることを検知する障害物検知手段と、前記障害物検知手段が前記シャッタカーテンの下方に障害物があることを検知した場合に、当該シャッタカーテンの下降位置を当該シャッタカーテンの下方に障害物がない位置に変更するように前記下降位置調整手段を制御する障害物回避制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、シャッタカーテンの下方に障害物がある場合には障害物検知手段により障害物を検知することができ、その検知結果に基づいて障害物回避制御手段によりシャッタカーテンの下降位置をシャッタカーテンの下方に障害物がない位置に変更することができる。これにより、車庫スペースに障害物がある場合でも、その障害物を回避してシャッタカーテンを下降させることができるため、シャッタカーテンと障害物との衝突を未然に回避することができ、ひいてはシャッタカーテン及び障害物の損傷を防止することができる。
【0026】
また、シャッタカーテンの下方に障害物がある場合にシャッタカーテンの下降を停止させたりシャッタカーテンを上方に退避させたりしても同様の効果が得られるが、これらの場合にはシャッタカーテンが一部開放若しくは全開放状態となるため防犯上の観点からは好ましくない。その点、本発明によれば、シャッタカーテンの下方にある障害物を回避してシャッタカーテンを下降させることができるため、車庫の奥側への不審者等の侵入を防止することができ、防犯上好ましい。
【0027】
第9の発明の建物は、第1乃至第8のいずれかの発明において、前記シャッタカーテンの下降時における下端部の高さ位置を前記車庫スペースの車両設置面の高さ位置に応じて調整するように前記シャッタ装置を制御する下降高さ位置制御手段を更に備えていることを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、シャッタカーテンが下降した場合におけるシャッタカーテンの下端部の高さ位置を車庫スペースの車両設置面の高さ位置に応じて調整することができる。これにより、車両設置面に水勾配等の傾斜面が形成されている場合であっても、シャッタカーテンをその傾斜に基づく車両設置面の高さ位置の変動に追従させて下降させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
[第1の実施形態]
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。最初に、本実施形態の建物の間取りを図1に基づいて説明する。なお、図1は、ガレージ付き建物の部屋の間取りを示す図である。
【0030】
図1に示すように、本実施形態の建物10には、リビング14やキッチン15等の居住空間が備えられているとともに、居住空間に隣接するようにして車庫としてのガレージ11が備えられている。ガレージ11は、建物10に一体的に設けられた所謂インナガレージ(付属車庫)となっており、ガレージ11には自動車等の車両18の駐車が可能な車庫スペース16が形成されている。
【0031】
ガレージ11には、リビング14との間を仕切るリビング側内部壁21と、屋外空間との間を仕切る外部壁23とがそれぞれ側方に立設されており、キッチン15との間を仕切るダイニング側内部壁22が奥方に立設されている。車庫スペース16は、リビング側内部壁21、ダイニング側内部壁22及び外部壁23により囲まれるとともにガレージ床面13とガレージ天井面26(図2参照)との間に形成された空間によって構成されている。また、ガレージ11の一側面にはガレージ開口部19が形成されており、そのガレージ開口部19を通じて人や車両18の出入りが可能となっている。
【0032】
ダイニング側内部壁22の一部には、出入口24が設けられており、キッチン15とガレージ11とが連通されている。ダイニング側内部壁22には、出入口24に対してスライド可能な引き戸25が設けられている。この引き戸25がスライドされることにより出入口24が開放及び閉鎖されるようになっている。なお、引き戸25は、スライド式ではなく回動式の扉であってもよい。
【0033】
引き戸25が開放されると、住人等は出入口24を介してキッチン15とガレージ11とを行き来することが可能となる。換言すれば、引き戸25は、住人等が居室からキッチン15を介してガレージ11にアクセスするためのものである。
【0034】
次に、ガレージ11内の構成について、図2及び図3に基づいて説明する。なお、図2はガレージ11の構成を示す縦断面図であり、図3はシャッタカーテンの要部縦断面図である。
【0035】
図2に示すように、ガレージ11には、移動可能なシャッタ装置30が設けられている。シャッタ装置30は、昇降可能なシャッタカーテン31と、シャッタカーテン31を巻き取り状態で収納する横長箱状のシャッタボックス32とを備えている。
【0036】
シャッタカーテン31は、図3に示すように、複数のスラット33を上下に連結して構成されるスラットシャッタである。シャッタカーテン31は、これら各スラット33が上下に隣接するスラット33とその一部を互いに係合することにより連結される周知の構成からなる。また、各スラット33の上端部には、スラット33の長手方向に延びる回動軸34が設けられている。各スラット33はこの回動軸34の軸線を回動中心として回動可能とされており、各スラット33がそのように回動されることで各スラット33間が開閉されるようになっている。
【0037】
ガレージ天井面26には、シャッタ装置30(詳細には、シャッタボックス32)を支持する案内レール27が複数(例えば、2本)設けられている。案内レール27は、ガレージ11奥行き方向に沿って延びる長尺状のレールである。シャッタ装置30は、この案内レール27に吊り下げ支持されることができるとともに、その吊り下げ状態で案内レール27に沿って移動することが可能となっている。具体的には、シャッタ装置30にはタイヤ等の回転体(図示略)が取り付けられており、この回転体が案内レール27に支持されることによりシャッタ装置30は回転体を介して案内レール27に吊り下げられている。そして、回転体は、この案内レール27内を転がることができるため、シャッタ装置30は、案内レール27に吊り下げられた状態で案内レール27に沿って移動することができる。
【0038】
また、シャッタ装置30には、回転体を正逆いずれの方向にも回転させることができる移動用駆動部35がシャッタボックス32内に備えられている。移動用駆動部35は、電動モータ等の電動式の駆動機構からなる駆動手段である。回転体は、移動用駆動部35が回転することにより案内レール27に沿って転がり、その結果、シャッタ装置30が案内レール27に沿って移動するようになっている。
【0039】
本実施形態では、案内レール27はガレージ開口部19近傍からガレージ11とキッチン15との境界部まで延びている。したがって、シャッタ装置30は、車庫スペース16においてガレージ11奥行き方向全域に渡って移動することが可能となっている。シャッタ装置30がガレージ開口部19近傍に移動した場合には、シャッタ装置30はシャッタカーテン31を昇降させることによりガレージ開口部19を開閉することができる。また、シャッタ装置30がガレージ開口部19よりも奥方に移動した場合には、シャッタ装置30はシャッタカーテン31を下降することにより車庫スペース16を2つのスペース45,46に仕切ることができる。
【0040】
以下、これらのスペース45,46のうち、ガレージ開口部19を介して屋外と連続するスペースを出入口側スペース45といい、キッチン15と隣接するガレージ11奥側のスペースを奥側スペース46という。
【0041】
また、シャッタ装置30には、シャッタカーテン31を巻き取り又は引き出す巻き取りドラム36と、巻き取りドラム36を正逆いずれの方向にも回転させることができる巻き取り駆動部37とがシャッタボックス32内に備えられている。巻き取り駆動部37は、電動モータ等の電動式の駆動機構からなる駆動手段である。シャッタカーテン31は、この巻き取り駆動部37が正逆いずれかの方向に回転することによりシャッタボックス32内に巻き取られ、また、それとは異なる方向に回転することによりシャッタボックス32から引き出される。
【0042】
さらに、シャッタボックス32内には、各スラット33を回動させる駆動装置(図示略)が備えられている。この駆動装置は例えば、電動モータ等からなる。この駆動装置を駆動させることにより各スラット33が周知の連動機構によって回動軸34を回動中心として回動するようになっている。
【0043】
シャッタ装置30には、案内手段を構成するガイドレール38がシャッタカーテン31の幅方向両側端部にそれぞれ備えられている。ガイドレール38は、上下方向に延びる金属製のレールであり、その上端においてシャッタボックス32と連結されて一体となっている。これにより、ガイドレール38は、シャッタボックス32と一体となって移動するようになっている。
【0044】
なお、本実施形態では、ガレージ床面13に水勾配が形成されており、ガレージ床面13はガレージ11奥側からガレージ開口部19に向かって緩やかに下方傾斜している。したがって、ガイドレール38の下端部は、ガレージ床面13において床面高さが最も高いガレージ11奥側端部における床面高さとほぼ同じ高さ位置に設定されている。これにより、ガイドレール38の下端部をガレージ床面13に干渉させることなく、シャッタ装置30をガレージ11奥行き方向に移動させることができる。
【0045】
次に、シャッタ装置30(シャッタボックス32)の移動及びシャッタカーテン31の昇降を制御する制御システムの電気的構成について、図4に基づいて説明する。
【0046】
建物10には、シャッタ装置30の移動及びシャッタカーテン31の昇降を制御するシャッタコントローラ50が備えられている。シャッタコントローラ50は、例えばガレージ11と屋外とを区画する外部壁23に設けられた後述の操作装置53と一体的に設けられている。シャッタコントローラ50は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されている。
【0047】
シャッタコントローラ50は、ROMやRAM等からなる記憶装置51を備えている。記憶装置51は、シャッタコントローラ50によって実行される本制御処理の動作プログラムをあらかじめ記憶している。シャッタコントローラ50は、この動作プログラムに基づいてシャッタ装置30の移動及びシャッタカーテン31の昇降を制御している。
【0048】
また、シャッタコントローラ50は、車両18側から送信される車両入庫信号を受信する無線通信装置52を備えている。車両入庫信号は、車両18の運転者により携帯されるスマートキー等の携帯型送信機54を操作することにより送信される。シャッタコントローラ50は、無線通信装置52が車両入庫信号を受信することにより車両18がガレージ11に入庫しようとしていることを認識する。
【0049】
シャッタコントローラ50の入力側には各種センサが接続されており、それら各種センサより検知信号が適宜入力されるようになっている。以下、それら各種センサについて順に説明する。
【0050】
入庫検知センサ41は、ガレージ11内に車両18が入庫して停止したことを検知するセンサであり、例えばガレージ11奥側のダイニング側内部壁22に設けられている。入庫検知センサ41は、例えば距離センサにより構成されており、車両18の入庫を検知するだけでなく、入庫した車両18の最後部とダイニング側内部壁22との距離を検出することもできるようになっている。これにより、ガレージ11内における車両18の入庫位置を判別することが可能となっており、車両18が入庫した場合には入庫位置の情報を含めた検知信号をシャッタコントローラ50に出力する。
【0051】
障害物検知センサ42は、シャッタカーテン31の下方に人や車両18等の障害物があることを検知するセンサであり、例えばシャッタボックス32の下面に設けられている。障害物検知センサ42は、例えば超音波センサであり、シャッタカーテン31の下方に障害物がある場合にシャッタコントローラ50に検知信号を出力する。
【0052】
シャッタ下降検知センサ43は、シャッタカーテン31が下降したことを検知するセンサであり、例えばシャッタカーテン31の下端部より突出して設けられている。シャッタ下降検知センサ43は、例えば接触センサであり、シャッタカーテン31が所定の位置まで下降した場合に、具体的にはシャッタカーテン31の下端部がガレージ床面13に近接する位置まで下降した場合にガレージ床面13に接触し、シャッタコントローラ50に検知信号を出力する。
【0053】
これらの各種センサ以外に、シャッタコントローラ50の入力側には、居住者が操作するための操作装置53が接続されている。操作装置53には、各種ボタンが設けられており、各ボタンが操作されることにより操作信号が適宜シャッタコントローラ50に入力される。前記各ボタンとしては、シャッタ装置30を移動させる移動ボタン、シャッタカーテン31を昇降させる昇降ボタン等が備えられている。
【0054】
一方、シャッタコントローラ50の出力側には移動用駆動部35及び巻き取り駆動部37が接続されている。シャッタコントローラ50は、上記各種センサから送られてくる検知信号に基づいて制御を実行し、その制御結果に基づいて移動用駆動部35及び巻き取り駆動部37に対して駆動信号を出力する。
【0055】
次に、シャッタコントローラ50によって実行されるシャッタ装置30の制御処理について図5に示すフローチャートに基づいて説明する。ここでは、車両18の入庫時における制御処理について説明する。なお、図5に示す制御処理は所定の周期で繰り返し実行される。
【0056】
最初にステップS11においてガレージ11に入庫する車両18を検知したか否かを判定する(入庫検知手段)。具体的には、車両18の運転者が携帯する携帯型送信機54から送信される車両入庫信号を受信したか否かに基づいて判定する。車両18側から車両入庫信号を受信していない場合は、そのまま本処理を終了し、車両18側から車両入庫信号を受信している場合はステップS12に進む。
【0057】
ステップS12では、巻き取り駆動部37に駆動信号を出力し、シャッタカーテン31を上昇させる。これにより、車両18の入庫が可能となる(ステップS13)。
【0058】
続くステップS14では、入庫検知センサ41からの検知信号に基づいて車両18の入庫が完了したか否か、すなわち車両18が入庫して停止したか否かを判定する。車両18の入庫が完了した場合には、ステップS15に進み、車両18の入庫が完了していない場合には入庫検知センサ41からの検知信号を受信するまで繰り返し車両18の入庫が完了したか否かの判定を行う。なお、検知信号の受信によりガレージ11における車両18の入庫位置情報が取得される(情報取得手段)。
【0059】
ステップS15では、ステップS14において取得された車両18の入庫位置情報に基づいて、移動用駆動部35に駆動信号を出力し、シャッタ装置30を移動させる。具体的には、入庫位置情報から入庫車両の最後部(ガレージ11奥側端部)位置を特定し、その特定された位置からガレージ11奥側へ所定の距離離れた位置にシャッタカーテン31を下降させるようにシャッタ装置30を移動させる(入庫制御手段)。ここで、所定の距離は、車両18のバックドアを下降させたシャッタカーテン31に干渉させないで開閉するために必要十分な距離をいう。
【0060】
続くステップS16では、障害物検知センサ42からの検知信号に基づいて、シャッタカーテン31の下方に障害物があるか否かの判定をする。シャッタカーテン31の下方に障害物がない場合には後述するステップS19に進み、シャッタカーテン31の下方に障害物がある場合にはステップS17に進む。
【0061】
ステップS17では、移動用駆動部35に駆動信号を出力し、シャッタ装置30をガレージ11奥側に所定の距離(例えば20cm)、移動させる。
【0062】
続くステップS18では、障害物検知センサ42からの検知信号に基づいて、シャッタカーテン31の下方に障害物があるか否かの判定をする。シャッタカーテン31の下方に障害物がない場合にはステップS19に進み、シャッタカーテン31の下方に障害物がある場合には、シャッタ装置30がシャッタカーテン31の下方に障害物がない位置に移動するまでステップS17,S18を繰り返す(障害物回避制御手段)。
【0063】
ステップS19では、巻き取り駆動部37に駆動信号を出力し、シャッタカーテン31を下降(動作)させる。続くステップS20では、シャッタ下降検知センサ43からの検知結果に基づいて、シャッタカーテン31が所定の位置まで下降したか否か、すなわちシャッタカーテン31の下端部がガレージ床面13に近接する位置まで下降したか否かの判定をする。シャッタカーテン31が所定の位置まで下降した場合には、ステップS21に進み、巻き取り駆動部37への駆動信号の出力を停止してシャッタカーテン31の下降(動作)を停止させる(下降高さ位置制御手段)。その後、本処理は終了する。一方、シャッタカーテン31が所定の位置まで下降していない場合には、シャッタ下降検知センサ43からの検知信号を受信するまで繰り返しシャッタカーテン31が所定の位置まで下降したか否かの判定を行う。
【0064】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0065】
シャッタ装置30(シャッタボックス32)を車庫スペース16においてガレージ11奥行き方向に移動させることができるため、シャッタカーテン31をガレージ開口部19よりも奥方で下降させることができる。これにより、車庫スペース16を複数のスペース45,46に仕切ることができる。したがって、車庫スペース16に空きスペースが生じた場合にはその空きスペースをシャッタカーテン31によりその他のスペース(例えば駐車スペース)と仕切れば、空きスペースを車両18の駐車以外の用途で使用し易くすることができ、空きスペースの有効利用を図ることができる。
【0066】
また、シャッタ装置30は、車庫スペース16においてガレージ11奥行き方向全域に渡って移動させることができるため、ガレージ11奥行き方向における任意の位置でシャッタカーテン31を下降させることができる。これにより、出入口側スペース45を広くしたり、奥側スペース46を広くしたりする等、車両18の大きさや居住者の使用用途に応じた広さに車庫スペース16を仕切ることができる。
【0067】
さらに、シャッタ装置30は、ガレージ開口部19まで移動させることができるため、ガレージ開口部19においてシャッタカーテン31を下降させることによりガレージ開口部19を閉鎖することができる。したがって、車両18がガレージ11から出庫した後にガレージ開口部19を閉鎖すれば、空きスペースとなった車庫スペース16を閉空間として広く使用することができる。
【0068】
シャッタカーテン31の各スラット33は回動軸34を回動中心として回動可能とされているため、各スラット33を回動させることにより各スラット33間を開口させることができる。これにより、奥側スペース46の通風性をよくすることができる。
【0069】
また、各スラット33を90°以上回動させることにより各スラット33を屋外側へ向かって上方傾斜(水平状態を含む)させれば、各スラット33間の開口を上方(詳細には水平より上向き)又は水平に向けることができるため積極的に日光を車庫スペース16に採り入れることができる。この場合、車庫スペース16は洗濯物を干すスペースとして使用するのに適している。
【0070】
車両18がガレージ11に入庫すると、入庫した車両18の最後部位置からガレージ11奥側に所定の距離離れた位置にシャッタカーテン31を下降させることができる。これにより、車両18がガレージ11に入庫した場合、自動的に車庫スペース16を出入口側スペース45と奥側スペース46とに仕切ることができるためユーザの利便性を向上させることができる。
【0071】
また、車両18の後ろ側(ガレージ11奥側)にシャッタカーテン31を下降させることにより出入口側スペース45が車両18の駐車スペースとして設定されるため、車両18の入出庫をし易くすることができる。そして、出入口24を介してキッチン15と連通されている奥側スペース46が空きスペースとなるため、居住者がその空きスペースを活用する場合には使い勝手がよい。
【0072】
シャッタカーテン31の下方に障害物がある場合には、シャッタ装置30をシャッタカーテン31の下方に障害物がない位置まで移動させ、その位置でシャッタカーテン31を下降させるようにした。これにより、シャッタカーテン31と障害物との衝突を未然に回避してシャッタカーテン31及び障害物の損傷を防止することができる。また、シャッタカーテン31の下方に障害物がある場合にシャッタカーテン31の下降を停止させるようにしても同様の効果を得ることができるが、この場合、シャッタカーテン31が上昇状態になるため防犯上の観点から好ましくない。その点、本構成とすれば、障害物がある場合でも障害物を回避してシャッタカーテン31を下降させることができるためガレージ11の奥側への不審者等の侵入を防止することができ、防犯上の効果が得られる。
【0073】
シャッタカーテン31が所定の位置まで下降した場合に、すなわちシャッタカーテン31の下端部がガレージ床面13に近接する位置まで下降した場合に、シャッタカーテン31の下降を停止させることができる。これにより、ガレージ床面13に水勾配が形成されているためにガレージ11奥行き方向に沿って変動するガレージ床面13の高さ位置に応じてシャッタカーテン31を下降させることができる。
【0074】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、シャッタボックス32を移動させることによりシャッタカーテン31の下降位置を変更する構成としたが、シャッタカーテン31の下降位置を変更する手段はかかる構成に限定されるものではない。そこで、以下に、第2の実施形態について図6及び図7に基づいて、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0075】
なお、図6は、ガレージ11の構成を示す縦断面図である。図7は、スラットの動作を示す図であり、(a)がスラットの折り曲げ動作を示す図、(b)がスラットの回動動作を示す図である。
【0076】
図6に示すように、ガレージ11には、折り曲げ可能に構成されたシャッタカーテン61が設けられている。シャッタカーテン61は、複数のスラット62が上下に連結されることにより構成されている。スラット62は、シャッタカーテン61の幅方向に延びており、その短手方向における両端には係合部としてのカール部65が一対形成されている。シャッタカーテン61は、これら各スラット62が隣接するスラット62と互いのカール部65を係合させることにより連結されている。
【0077】
また、換言すると、シャッタカーテン61は、一対のスラット62が連結されてなるスラットユニット67が複数、上下に連結されることにより構成されている。スラットユニット67は、一対のスラット62がスラット62の長手方向に沿って延びる支軸66を介して互いのカール部65を係合させることにより連結されている。シャッタカーテン61は、これら各スラットユニット67が隣接するスラットユニット67とその短手方向における両端のカール部65を互いに係合させることにより連結されている。
【0078】
支軸66は、その軸線を回動中心として回動可能とされている。スラットユニット67は、支軸66を一方に回動させることによりスラット62間において折り曲げられるようになっている。これは、例えば支軸66に突起状のガイド部を、また、支軸66を介して係合されている一対のカール部65のうち一方のカール部65の内側に突起部を設けることにより具体的に実現することができる。このようにすれば、支軸66のガイド部をカール部65の突起部に係合させた状態で支軸66を回動させることによりカール部65をその回動方向に回動させることができ、ひいてはそのカール部65を有するスラット62を回動させることができる。これにより、スラットユニット67をスラット62間において折り曲げることができる。
【0079】
また、スラットユニット67は、支軸66を他方に回動させることにより支軸66を回動中心として回動されるようになっている。この場合も、前述したガイド部と突起部による同様の構成により具体的に実現することが可能である。
【0080】
以上のように変形可能なスラットユニット67が複数連結されることにより構成されている本実施形態のシャッタカーテン61は、図7に示すように、変形可能とされている。
【0081】
本実施形態のシャッタカーテン61は、図7(a)に示すように、水平状態にすることができるとともにその水平状態の一部を下方へ折り曲げて垂直状態にすることができるようになっている。水平状態にあるシャッタカーテン61の一部を下方に折り曲げる場合には、複数の支軸66のうちの1つを所定の方向(これを以下、正方向という)に回動させる。そうすると、その支軸66を有するスラットユニット67が前述したように各スラット62間で折り曲げられる。これにより、水平状態にあるシャッタカーテン61はそのスラット62間でその一部が下方に折り曲げられ、その折り曲げられた部分が垂直状態となる。なお、本実施形態では、シャッタカーテン61が上方に折り曲げられないように支軸66に規制部が設けられている。
【0082】
また、図7(b)に示すように、シャッタカーテン61は、下降時においてすべての支軸66を正方向とは逆の方向(これを以下、逆方向という)に回動させることにより開口部を形成することができるようになっている。すべての支軸66を逆方向に回動させると、各スラットユニット67は前述したように支軸66を回動中心として回動される。これにより、スラットユニット67同士を連結しているカール部65の係合が外れ、各スラットユニット67は傾斜状態(水平状態も含む)となるため、各スラットユニット67間が開口される。
【0083】
なお、ガレージ11には、各支軸66を正逆いずれの方向にも回動させることができる駆動装置(図示略)が備えられている。この駆動装置は例えば、電動モータ等からなる。この駆動装置を駆動させることにより各スラットユニット67が支軸66を回動中心として正逆方向に回動するようになっており、ひいてはシャッタカーテン61が前述したように下方に折り曲げられたり、開口されたりするようになっている。
【0084】
ガレージ11のガレージ天井面26には、シャッタカーテン61を水平状態で支持する支持レール63が設けられている。支持レール63は、ガレージ11奥行き方向に沿って延びる長尺状のレールである。シャッタカーテン61は、この支持レール63に水平支持されることができるとともに、その水平状態で支持レール63に沿って移動することが可能となっている。
【0085】
支持レール63には、水平状態にあるシャッタカーテン61を下方へ誘導するための誘導口64が形成されている。誘導口64は、シャッタカーテン61の幅方向に沿って形成されたスリットであり、シャッタカーテン61が挿通可能なスリット幅で形成されている。また、誘導口64は、ガレージ11奥行き方向に沿って所定の間隔で複数形成されている。これにより、水平支持されているシャッタカーテン61の一部を下方に折り曲げ、その折り曲げた部分をいずれかの誘導口64を介して支持レール63よりも下方に導くことができるため、シャッタカーテン61を複数の位置で下降させることができる。
【0086】
ガレージ11にはシャッタカーテン61を移動させる駆動装置(図示略)が設けられている。この駆動装置が駆動することにより支持レール63に支持されたシャッタカーテン61は支持レール63に沿って移動することができ、また、支持レール63に支持されたシャッタカーテン61から下方に折り曲げられた部分は昇降することができるようになっている。
【0087】
また、水平状態にあるシャッタカーテン61の幅方向両端部には、シャッタカーテン61を支持する支持機構(図示略)が備えられている。この支持機構には、各誘導口64に対応する位置にそれぞれ支軸66を回動させる回動機構(図示略)が設けられている。シャッタカーテン61を所定の誘導口64を介して下降させる際には、シャッタカーテン61の各支軸66を順次所定の誘導口64まで移動させ、所定の誘導口64に対応する回動機構により逆方向に回動させる。そうすると、シャッタカーテン61は各支軸66が所定の誘導口64まで移動する度にその支軸66に沿って下方に折り曲げられ、ひいては所定の誘導口64を介して下降させることができる。
【0088】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0089】
支持レール63には、ガレージ11奥行き方向に沿って複数の誘導口64が形成されている。これにより、ガレージ開口部19よりも奥方にある誘導口64を介してシャッタカーテン61を下降させれば、車庫スペース16を複数のスペース45,46に仕切ることができる。したがって、車庫スペース16に空きスペースが生じた場合に、その空きスペースをその他のスペースと仕切れば、空きスペースの有効利用を図ることができる。
【0090】
また、誘導口64が複数設けられているため、シャッタカーテン61の下降位置を調整することができる。これにより、出入口側スペース45を広くしたり奥側スペース46を広くしたりする等、居住者のニーズに応じて車庫スペース16を仕切ることができる。
【0091】
シャッタカーテン61は、スラットユニット67を構成する一対のスラット62間において折り曲げ可能とされている。これにより、水平状態にあるシャッタカーテン61の一部を下方に折り曲げることができるため、シャッタカーテン61を下降させることができる。
【0092】
すべての支軸66を逆方向に回動させることにより、各スラットユニット67間を開口させることができる。これにより、奥側スペース46を通風性のよいスペースとすることができる。
【0093】
また、すべての支軸66を逆方向に90°以上回動させることにより各スラットユニット67を屋外側へ向かって上方傾斜(水平状態を含む)させれば、各スラットユニット67間の開口を上方(詳細には水平より上向き)又は水平に向けることができるため積極的に日光を奥側スペース46に採り入れることができる。この場合、奥側スペース46は洗濯物を干すスペースとして使用するのに適している。
【0094】
[他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0095】
(1)上記実施形態では、1つのシャッタカーテン31,61により車庫スペース16を2つのスペース45,46に仕切る構成としたが、複数のシャッタカーテン31,61により車庫スペース16を3以上のスペースに仕切る構成としてもよい。そうすれば、車庫スペース16を多様に仕切ることが可能となるため、車庫スペース16をより一層有効利用することができる。
【0096】
(2)第1の実施形態では、シャッタ装置30の制御処理を車両18の入庫時において行ったが、車両18の出庫時において行ってもよい。例えば、車両18の出庫時に車両18がガレージ11から出庫したことを出庫センサ等により検知した後、シャッタ装置30をガレージ開口部19(詳細にはガレージ開口部19近傍)に移動させ、ガレージ開口部19においてシャッタカーテン31を下降させるように制御してもよい。そうすれば、車両18の出庫後、ガレージ開口部19を自動的に閉鎖することができるため、ガレージ11への不審者等の侵入を防止することができ、防犯上好ましい。また、車両18の出庫後は空きスペースとなる車庫スペース16を閉空間として最大限の広さに拡張させることができるため、居住者にとってはその空きスペースを広く活用することができる。
【0097】
(3)第1の実施形態では、車両18がガレージ11に入庫した場合に、シャッタカーテン31を車両18の最後部位置からガレージ11奥側に所定の距離離れた位置にシャッタカーテン31を下降させるようにしたが、これを変更してもよい。例えば、車両18がガレージ11に入庫した場合に、車両18がガレージ11奥行き方向においてガレージ開口部19寄りの位置に入庫した場合には、シャッタカーテン31を車両18よりも後ろ側(ガレージ11奥側)に下降させ、また、車両18がガレージ11奥行き方向におけるガレージ11奥寄りの位置に入庫した場合には、シャッタカーテン31を車両18の前側(ガレージ開口部19側)に下降させるようにしてもよい。そうすれば、車両18の入庫位置に応じて空きスペース(車両18の入庫に使用しない側のスペース)が広くとれるように車庫スペース16を仕切ることができる。
【0098】
(4)第2の実施形態では、支持レール63に複数の誘導口64を設けたが、これを変更してもよい。例えば、支持レール63に誘導口64を1つだけ設け、支持レール63の一部又は全部を移動させることにより誘導口64の位置を移動させるようにしてもよい。そうすれば、誘導口64の移動範囲においてシャッタカーテン61を下降させることができる。
【0099】
(5)第2の実施形態では、水平状態にあるシャッタカーテン61の一部が下方に折り曲げられることにより鉛直状態とされた部分(以下、鉛直部分という)の昇降移動を案内するガイドレールを設けなかったが、シャッタカーテン61の鉛直部分の幅方向両側端部にガイドレールを設け、そのガイドレールによりその垂直部分の昇降移動を案内する構成としてもよい。この場合、ガイドレールをすべての誘導口64に対応させて設けてもよいし、一部の誘導口64に対応させて設けてもよい。
【0100】
(6)上記実施形態では、シャッタカーテン31,61としてスラットシャッタを使用したが、これをパイプシャッタ等に変更してもよい。但し、パイプシャッタは開放型のシャッタであるため、シャッタカーテン31,61を介して車両18からの排気ガスが流出入するおそれがあることを考慮すると、スラット33,62の開閉が可能なスラットシャッタを使用するのが望ましい。
【0101】
(7)シャッタカーテン31,61のスラット33,62を透明にしてもよい。これにより、スラット33,62の閉鎖時においても奥側スペース46の視認性を確保することができるため、奥側スペース46を例えばギャラリとして使用することができる。
【0102】
(8)上記実施形態では、建物10に一体的に設けられたインナガレージ(付属車庫)に対し適用したが、居室を有する建物とは別の独立した車庫に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】ガレージ付き建物の間取り図。
【図2】ガレージの構成を示す縦断面図。
【図3】シャッタカーテンの要部縦断面図。
【図4】制御システム示すブロック図。
【図5】入庫時の制御処理を示すフローチャート
【図6】別例におけるガレージの構成を示す縦断面図。
【図7】(a)はスラットの折り曲げ動作を示す正面図、(b)はスラットの回動動作を示す正面図。
【符号の説明】
【0104】
10…建物、11…ガレージ、13…車両設置面としてのガレージ床面、16…車庫スペース、19…車両出入口としてのガレージ開口部、26…ガレージ天井面、27…案内レール、30…シャッタ装置、31…シャッタカーテン、32…シャッタボックス、33…スラット、34…回動軸、35…移動用駆動部、37…巻き取り駆動部、41…入庫検知手段としての入庫検知センサ、42…障害物検知手段としての障害物検知センサ、43…シャッタ下降検知センサ、45…出入口側スペース、46…奥側スペース、50…制御手段としてのシャッタコントローラ、62…スラット、63…支持レール、64…誘導口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が入庫されるスペースが確保された車庫スペースを有する付属車庫を備えており、又は車両が入庫されるスペースが確保された車庫スペースを有する車庫からなる建物であって、
前記車庫スペースと屋外とを連通する車両出入口と、
前記車両出入口の開口幅方向に延びるとともに昇降可能なシャッタカーテンを有してなるシャッタ装置と、
前記シャッタカーテンの下降位置を前記車庫スペースの奥行き方向に調整する下降位置調整手段とを備えていることを特徴とする建物。
【請求項2】
前記下降位置調整手段により調整される前記奥行き方向の下降位置として前記車両出入口を含む請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記シャッタ装置は、前記シャッタカーテンを上昇位置にて収納するシャッタボックスを備え、
前記下降位置調整手段は、前記シャッタボックスを前記車庫スペースの奥行き方向に移動調整するものである請求項1又は2に記載の建物。
【請求項4】
前記車庫スペースの天井側には、前記シャッタカーテンの上昇位置において当該シャッタカーテンを前記奥行き方向へ延びるように支持する支持手段が設けられ、
前記下降位置調整手段は、前記支持手段によって支持されているシャッタカーテンの端部の降下開始位置を前記車庫スペースの奥行き方向において調整するものである請求項1又は2に記載の建物。
【請求項5】
前記シャッタカーテンは、複数のスラットが上下方向に連結されてなるとともに、各スラット間において折り曲げ可能に構成されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の建物。
【請求項6】
前記各スラットは前記スラットの長手方向に延びる回動軸を有しており、前記回動軸を回動中心として前記各スラットが回動されることによりスラット間が開閉される請求項5に記載の建物。
【請求項7】
前記車庫スペースへの前記車両の入庫を検知する入庫検知手段と、
前記入庫する車両の少なくとも長さ又は位置を含む車両情報を取得する情報取得手段と、
前記入庫検知手段が前記車両の入庫を検知した場合に、前記情報取得手段によって取得された車両の長さ又は位置に応じて前記車両に干渉しない下降位置となるように前記下降位置調整手段を制御する入庫制御手段と、
を備えている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物。
【請求項8】
前記シャッタカーテンの下方に障害物があることを検知する障害物検知手段と、
前記障害物検知手段が前記シャッタカーテンの下方に障害物があることを検知した場合に、当該シャッタカーテンの下降位置を当該シャッタカーテンの下方に障害物がない位置に変更するように前記下降位置調整手段を制御する障害物回避制御手段と、
を備えている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の建物。
【請求項9】
前記シャッタカーテンの下降時における下端部の高さ位置を前記車庫スペースの車両設置面の高さ位置に応じて調整するように前記シャッタ装置を制御する下降高さ位置制御手段を更に備えている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−215747(P2009−215747A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59059(P2008−59059)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】