説明

引き戸の案内構造

【課題】鴨居や横桟等が存在せず開口部の全てを開放し得る引き戸の案内構造。
【解決手段】壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸A、又は、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、住宅等の建築物における各開口部の開け閉めに用いられる引き戸の案内構造、より具体的には、床部から天井部までが一連に開口部されている鴨居等を備えていない開口部の開け閉めに用いられる引き戸の案内構造の提供に関する。
【背景技術】
【0002】
通例、居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間の仕切り部分の開口部に備えられるドアは、当該開口部の意匠性を高める目的や採光、換気等の目的で、当該ドアの上方に欄間を備えつける構成とすることがある。
【0003】
かかるドアを備える開口部は、このドアの備え付けられる開口枠の上方に欄間用の開口枠を設け、この欄間用の開口枠に欄間を備え付けるようにしてあった。
【0004】
かかるドアの上方に欄間を備える開口部にあっては、当該ドアと欄間との間に横桟材が露出しており、ドアと欄間とが明確に区分された意匠的外観を呈する不具合があり、また、当該ドア及び欄間を開き出した際にも、この各開き出されたドアと欄間との間を前記横桟材が仕切って上下に二分された態様の開口部とされる不具合があった。
【0005】
また、通例、居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間の仕切り部分の開口部に備えられる引き戸は、当該開口部の意匠性を高める目的や採光、換気等の目的で、当該引き戸の上方に欄間を備えつける構成とすることがある。
【0006】
かかる引き戸の上方に備えられる欄間は、通例、引き戸の鴨居上に当該引き戸に対応するように備え付けるようにしてあった。
【0007】
かかる引き戸の上方に備えられる鴨居は、当該引き戸及び欄間を意匠的に一連に構成しようとする際に、これを阻害することがあり、また、当該引き戸と欄間とを共に開きだした際にあっても、当該開口部を上下に二分し、一連に連続する開口部の構成を困難にしていた。
【0008】
かかる点から、建屋の躯体に設けられる縦長門状の枠体と、この枠体内に開閉可能に設けられたドアと、このドアの上部に位置して前記枠体内に形成される欄間と、前記枠体に取付金具を介して俯仰動可能に設けられ、前記欄間を開閉する欄間板とを備えるドア一体型の欄間構造が提案されている(特許文献1)。
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第3070818号登録実用新案公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
かかる特許文献1に開示されたドア一体型の欄間構造にあっては、ドアと欄間との間に仕切材が存在せず、前記従来の欄間付ドアや欄間付引き戸における不具合を解消し、ドアと共に欄間板を開放した際に、床面から天井近くまで開口した一体の空間を構成することができ、室内に特有の開放感をもたらすと共に、当該開口を通して比較的大きな物品の移動を可能とする特長を備えている。
【0011】
しかしながら、この特許文献1に記載のドア一体型欄間構造は、ドアの備え付けに伴う不具合、例えば、ドアを都合よく開閉し得る大きさの空間等の、ドア設置のための各種条件を備えている必要があり、比較的狭い操作スペースで開口部の開閉をなす必要のある場合や、車椅子等によって開口部を出入りする必要のある場合等には不向きであった。
【0012】
また、この特許文献1に記載のドア一体型欄間構造にあっては、欄間板の下端側を矢示方向に押し出すことにより、連結アーム片は一端側を支点にして回転され、同時に連結スライド駒が固定ガイド片を摺勤しながら降下する繕果、欄間板は上端側が降下し、下端側が上昇して、当該欄間空間の途中において、当該欄間空間を開き出すように構成されており、当該ドア及び欄間板を備える枠体内の全てを解放し得ないものであった。
【0013】
この発明は、かかる従来の開口部の開け閉め構造における不具合を解消し、開口部を動作スペースの少ない引き戸で開閉するようになすと共に、鴨居や横桟等が存在せず、必要に応じて、開口部の全てを開放し得るようにした引き戸の案内構造の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、前記課題を解決するために、壁に沿って引き込まれるように備えられて開口部の開け閉めをする引き戸、又は、壁内に引き込まれるように備えられて開口部の開け閉めをする引き戸の案内構造であって、
前記引き込まれる引き戸の側方にある前記開口部側の壁部に、当該引き戸を開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部を備える固定ガイド部材が設けてあると共に、
前記引き戸に、溝向きを当該引き戸における開け閉め動作方向にした溝状ガイド部が設けてあり、
この溝状ガイド部に固定ガイド部材のガイド部を受け入れて当該引き戸により前記開口部の開け閉めをなし得るようにしてあることを特徴とする引き戸の案内構造としてある。
【0015】
かかる引き戸の案内構造によれば、開口部に鴨居等を設けること無く、円滑に、かつ、確実に、引き戸を当該開口部を開け閉めするように、ぶれなく動作させることができる。
【0016】
また、かかる引き戸の案内構造によれば、引き戸を引き込んで開口部を開き出した際に、当該開口部を仕切る鴨居等が一切無いことから、当該開口部で連続されている居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間が一連に連続した態様に構成することができ、住宅等の内部空間を広い内部空間として認識させることができる。
【0017】
また、前記構成に係る引き戸の案内構造にあって、前記溝状ガイド部が、溝向きを当該引き戸における開け閉め動作方向にしたガイド溝と、このガイド溝に、前記ガイド部を受け入れる支承溝を備えるスライダーを移動可能に組み付けた可動ガイド部材を備えており、
この可動ガイド部材のスライダーが、前記固定ガイド部材におけるガイド部をがたなく受け入れる支承溝を長さ方向に備える樋状ガイド部と、当該樋状ガイド部の一端側に当該樋状ガイド部から側方に張り出す張出部を備える頭部とを有していると共に、
前記可動ガイド部材のガイド溝が、前記引き戸の前記開口部に向けた引き出しに際して引き出し頭側となる側から、引き出し尻側に向けて備えられている当該引き出し頭側で塞がれた幅広ガイド溝部と、当該幅広ガイド溝部に連通して該幅広ガイド溝部の引き出し尻側から、当該引き戸における引き出し尻側に向けて備えられている幅狭ガイド溝部とを備えており、
前記スライダーにおける前記頭部を幅広ガイド溝部に当該幅広ガイド溝部における幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部内にある前記頭部の移動に伴って移動される当該スライダーの前記樋状ガイド部が前記幅狭ガイド溝部にほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸が、前記スライダーの樋状ガイド部を前記幅狭ガイド溝部に支承状態で前記開口部を開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材のガイド部を樋状ガイド部の支承溝に受け入れた状態で当該開口部を閉じ込み得るようにしてあることを特徴とする引き戸の案内構造では、さらに、開口部に鴨居等を設けること無く、円滑に、かつ、確実に、引き戸を当該開口部を開け閉めするように、ぶれなく動作させることができる。また、引き戸を引き込んで開口部を開き出した際に、当該開口部を仕切る鴨居等が一切無いことから、当該開口部で連続されている居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間が一連に連続した態様に構成することができ、住宅等の内部空間を広い内部空間として認識させることができる。
【0018】
また、前記構成に係る引き戸の案内構造にあって、前記開口部が床部と天井側とにわたるように設けてあり、当該開口部を、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸と、床部に備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸の下方に備えられて当該上側引き戸と共に当該開口部を閉じ込む下側引き戸とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部が上側引き戸で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸の下方が通路用開口部をなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸における下部側と、下側引き戸における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部が設けてあり、
当該各引き戸の側方にある前記開口部側の壁部にそれぞれ固定ガイド部材が設けてあって、
当該各固定ガイド部材におけるガイド部が、当該各固定ガイド部材に対応して備えられている引き戸における溝状ガイド部に受け入れられて前記各引き戸を前記開口部の開け閉め方向に移動し得るようにしてあることを特徴とする引き戸の案内構造にあっては、前記特長に併せて、前記開口部を上側引き戸と下側引き戸とで閉じ込み得ると共に、下側引き戸及び上側引き戸を引き込むことで鴨居等の存在しない一連に連続して開き出された開口部を構成することができる。また、下側引き戸のみを引き込んで開口部の下部側のみを開きだし、又は、上側引き戸のみを引き込んで開口部の上部側のみを開き出し状態にして用いることができる。
【0019】
また、前記構成に係る引き戸の案内構造にあって、前記上側引き戸の下側端面部及び下側引き戸の上側端面部の互いに向き合っている面部の一方に、他方面部に備えられている溝に入り込む遮光板が、当該引き戸の横幅のほぼ全幅にわたるように備えてあることを特徴とする引き戸の案内構造では、開口部を閉じ込むように引き出された下側引き戸と上側引き戸との間からの光り漏れを効果的に防ぐことができ、下側引き戸と上側引き戸間における気密性を高めることができる。
【0020】
また、前記構成に係る引き戸の案内構造にあって、前記上側引き戸の下側端部及び下側引き戸の上側端部に、当該引き戸の厚幅方向で互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部が、当該各引き戸の横幅のほぼ全幅にわたるように備えられていることを特徴とする引き戸の案内構造では、開口部を閉じ込むように引き出された下側引き戸と上側引き戸との間からの光り漏れを効果的に防ぐことができ、下側引き戸と上側引き戸間における気密性を高めることができる。
【0021】
また、前記構成に係る引き戸の案内構造にあって、前記開口部を閉じる向きに引き出される引き戸の引き出し頭側と、当該引き出し頭側の接する開口部の枠部の互いに向き合う面部の一方に永久磁石を備える吸着具が、他方に当該吸着具に吸着される被吸着具が備えられていることを特徴とする引き戸の案内構造では、
開口部を閉じ込んだ引き戸が当該閉じ込み状態を安定に維持することができる。
【発明の効果】
【0022】
かかる構成からなる引き戸の案内構造によって、居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間を連通させる開口部を、鴨居や横桟等を備えない態様で、引き戸で開け閉めでき、これらの各空間を連通させる開口部において、連通される各空間が一連に連続した状態の開口状態とすることができ、住宅等の内部空間を広く感じさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1〜図39にもとづいて、この発明を実施するための最良の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0024】
なお、ここで図1〜図7は当該発明を実施するための最良の形態に係る第1の引き戸Aの案内構造を、図8は当該発明を実施するための最良の形態に係る第2の引き戸Aの案内構造を、図9〜図18は当該発明を実施するための最良の形態に係る第3の引き戸Aの案内構造を、図19〜図25は当該発明を実施するために最良の形態に係る第4の引き戸Aの案内構造を、図26〜図32は当該発明を実施するための最良の形態に係る第5の引き戸Aの案内構造を、図33〜図39は当該発明を実施するための最良の形態に係る第6の引き戸Aの案内構造を示している。
【0025】
図1〜図7は、第1の典型的な引き戸Aの案内構造を示すものであって、図1は、開口部Cを開いている状態における当該引き戸Aを正面側から見て、図2では、これを上側引き戸A’を取り外した状態で水平向きで断面して下方を見て、図3では、下側引き戸A”を開口部Cを閉じ込む向きに移動仕切った状態を同様に断面して下方を見て示している。図4では、上側引き戸A’及び下側引き戸A”で開口部Cを閉じている状態を壁B位置で縦向きに断面して各引き戸A側を見て示している。図5は、壁Bに備えられている固定ガイド部材10のガイド部11を、上側引き戸A’及び下側引き戸A”における溝状ガイド部Hに案内させている状態の要部を縦向きに断面して側方から見て、図6は、当該開口部Cの開け閉めに用いられる下側引き戸A”における上部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め上方から、図7では、この下側引き戸A”と共に開口部Cを閉じ込む上側引き戸A’の下部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め下方から見て示している。図8は、第2の典型的な引き戸Aの案内構造を示すものであって、壁Bに備えられている固定ガイド部材10のガイド部11を、上側引き戸A’及び下側引き戸A”における溝状ガイド部Hに案内させている状態の要部を縦向きに断面して側方から見て示している。
【0026】
図9〜図18は、第3の典型的な引き戸Aの案内構造を示すものであって、図9は、開口部Cを開いている状態における当該引き戸Aを正面側から見て、図10では、これを上側引き戸A’を取り外した状態で水平向きで断面して下方を見て、図11では、下側引き戸A”を開口部Cを閉じ込む向きに移動仕切った状態を同様に断面して下方を見て、図12では、この下側引き戸A”を壁Bに沿って引き込むように当該開口部Cを開きだしている状態を同様に断面して下方を見て示している。図13では、上側引き戸A’及び下側引き戸A”で開口部Cを閉じている状態を壁B位置で縦向きに断面して各引き戸A側を見て示している。図14は、壁Bに備えられている固定ガイド部材10のガイド部11を、上側引き戸A’及び下側引き戸A”における溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20におけるスライダー22の支承溝22cに案内させている状態の要部を縦向きに断面して側方から見て、図15は、上側引き戸A’における吊り構造の要部を縦向きに断面して側方から見て示している。また、図16では当該開口部Cの開け閉めに用いられる下側引き戸A”における上部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め上方から、図17では、この下側引き戸A”と共に開口部Cを閉じ込む上側引き戸A’の下部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め下方から見て示している。図18は、典型的な吸着手段50の部品の要部を斜め上方から見て示している。
【0027】
図19〜図25は、第4の典型的な引き戸Aの案内構造を示すものであって、図19では、当該引き戸Aの案内構造要部を壁B部分で縦向きに断面して各引き戸Aを側方から見て、また、図20では、上側引き戸A’の下端側の要部と下側引き戸A”の上端側の要部とを当該各引き戸Aの案内構造の要部と共に断面して示している。図21は、かかる引き戸Aの案内構造にあって、開口部Cを開ききった状態を上側引き戸A’を取り除いた状態で水平向きに断面して下方を見て、図22では、下側引き戸A”で開口部Cを閉じ込んだ状態を水平向きに断面して下方を見て、図23では、開口部Cを開き出す向きに当該下側引き戸A”を開きだしている状態を水平向きで断面して下方を見て示している。また、図24では当該開口部Cの開け閉めに用いられる下側引き戸A”における上部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め上方から、図25では、この下側引き戸A”と共に開口部Cを閉じ込む上側引き戸A’の下部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め下方から見て示している。
【0028】
図26〜図32は、第5の典型的な引き戸Aの案内構造を示すものであって、図26では、開口部Cを開き出すように壁B内に各引き戸Aを押し入れた状態の要部を手前側で一部破断して斜め上方から見て、また、図27は、かかる引き戸Aの案内構造にあって、開口部Cを開ききった状態を上側引き戸A’を取り除いた状態で水平向きに断面して下方を見て、図28では、下側引き戸A”で開口部Cを閉じ込んだ状態を水平向きに断面して下方を見て、図29では、開口部Cを開き出す向きに当該下側引き戸A”を開きだしている状態を水平向きで断面して下方を見て示している。また、図30では、上側引き戸A’の下端側の要部と下側引き戸A”の上端側の要部とを当該各引き戸Aの案内構造の要部と共に断面して示している。また、図31では当該開口部Cの開け閉めに用いられる下側引き戸A”における上部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め上方から、図32では、この下側引き戸A”と共に開口部Cを閉じ込む上側引き戸A’の下部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め下方から見て示している。
【0029】
図33〜図39は、第6の典型的な引き戸Aの案内構造を示すものであって、図33では、開口部Cを開き出すように壁B内に各引き戸Aを押し入れた状態の要部を手前側で一部破断して斜め上方から見て、また、図34は、かかる引き戸Aの案内構造にあって、開口部Cを開ききった状態を上側引き戸A’を取り除いた状態で水平向きに断面して下方を見て、図35では、下側引き戸A”で開口部Cを閉じ込んだ状態を水平向きに断面して下方を見て、図36では、開口部Cを開き出す向きに当該下側引き戸A”を開きだしている状態を水平向きで断面して下方を見て示している。また、図37では、上側引き戸A’の下端側の要部と下側引き戸A”の上端側の要部とを当該各引き戸Aの案内構造の要部と共に断面して示している。また、図38では当該開口部Cの開け閉めに用いられる下側引き戸A”における上部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め上方から、図39では、この下側引き戸A”と共に開口部Cを閉じ込む上側引き戸A’の下部側部材の要部部品を分離して、その主要部を斜め下方から見て示している。
【0030】
この発明を実施するための最良の形態に係る引き戸Aの案内構造は、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸A、又は、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0031】
なお、ここで溝状ガイド部Hは、当該引き戸Aの閉め方向に長いガイド部11を受け入れる溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにしたものであれば、いかなる形態に構成してあってもよく、当該引き戸A自体で構成してあっても、当該引き戸Aに溝状ガイド部Hを構成する部材を備え付け構成してあっても、また、引き戸Aと当該引き戸Aに備え付けられる部材とで構成するようにしてあってもよい。
【0032】
かかる引き戸Aの案内構造によれば、開口部Cに鴨居等を設けること無く、円滑に、かつ、確実に、引き戸Aを当該開口部Cを開け閉めするように、ぶれなく動作させることができる。
【0033】
また、かかる引き戸Aの案内構造によれば、引き戸Aを引き込んで開口部Cを開き出した際に、当該開口部Cを仕切る鴨居等が一切無いことから、当該開口部Cで連続されている居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間が一連に連続した態様に構成することができ、住宅等の内部空間を広い内部空間として認識させることができる。
【0034】
また、前記引き戸の案内構造を、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸A、又は、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、前記ガイド部11を受け入れる溝状ガイド部Hを備えており、
この溝状ガイド部Hが、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21に、前記ガイド部11を受け入れる支承溝22cを備えるスライダー22を移動可能に組み付けた可動ガイド部材20を備えており、
この可動ガイド部材20のスライダー22が、前記固定ガイド部材10におけるガイド部11をがたなく受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、当該樋状ガイド部22aの一端側に当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える頭部22bとを有していると共に、
前記可動ガイド部材20のガイド溝21が、前記引き戸Aの前記開口部Cに向けた引き出しに際して引き出し頭側Aaとなる側から、引き出し尻側Abに向けて備えられている当該引き出し頭側Aaで塞がれた幅広ガイド溝部21aと、当該幅広ガイド溝部21aに連通して該幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側から、当該引き戸Aにおける引き出し尻側Abに向けて備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、
前記スライダー22における前記頭部22bを幅広ガイド溝部21aに当該幅広ガイド溝部21aにおける幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部21a内にある前記頭部22bの移動に伴って移動される当該スライダー22の前記樋状ガイド部22aが前記幅狭ガイド溝部21bにほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸Aが、前記スライダー22の樋状ガイド部22aを前記幅狭ガイド溝部21bに支承状態で前記開口部Cを開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材10のガイド部11を樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れた状態で当該開口部Cを閉じ込み得るように構成することができる。
【0035】
なお、ここで開口部Cとは、壁Bに、例えば、開口枠等を備えて構成されると共に、引き戸Aによって開閉される主として出入り口等の口を意味している。
【0036】
また、ここで開口部Cを開け閉めするように案内される引き戸Aは、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸A、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aであれば、いかなる形態の引き戸Aであってもよく、例えば、開口部Cに連続している壁部B”に、当該開口部Cを開け閉めする引き戸Aの引き込み用の引き込む空間Eを当該開口部Cに連通して備えるように当該壁部を半幅の厚さからなる壁部とし、この半幅に構成される壁部に備えられる引き込み空間Eと開口部C間とを往復動し得るように備えられている引き戸、開口部Cのいずれか一方の開口面に沿って当該開口部Cを塞ぐ位置と当該開口部Cに連続する壁部B”に沿った位置との間を往復動するように備えられている引き戸、開口部Cに連続する壁部B”に当該開口部Cに連続するように備えられている引き戸の引き込み空間Eと当該開口部Cとの間を往復動するように備えられている引き戸等、いかなる引き込み構造に備えられている引き戸であってもよい。
【0037】
また、かかる引き戸Aは、当該開口部Cを、一枚の引き戸によって開け閉めし得るようにしてあっても、当該開口部Cを複数枚の引き戸によって開け閉めし得るようにしてあってもよい。
【0038】
また、かかる引き戸Aは、開口部Cの全部を、一枚又は複数枚の引き戸によって、開け閉めするように備えられている場合であっても、当該開口部Cの全てを塞ぐこと無く、部分的に開け閉めするように備えられていてもよい。
【0039】
また、かかる引き戸Aは、いかなる素材によって構成してあってもよく、単一素材によって構成してあっても、複数素材の組み合わせによって構成してあってもよく、また、単板構造、戸枠構造、フラッシュタイプ、プレスタイプ等、いかなる構造のものであってもよく、ガラス戸等の透明部分を備えているもの等、いかなる形態からなる戸であってもよい。また、ここで用いられる引き戸Aは、上側引き戸A’と下側引き戸A”とを同一の素材、構成のものとして用意してあっても、両者を異なる素材、構成のものとして用意してあってもよい。
【0040】
また、引き戸Aに備えられる可動ガイド部材20は、壁部B”に備えられる固定ガイド部材10と対応して、引き戸Aを都合よく前記開口部Cの開け閉め方向に案内し得るものであれば、いかなる位置に設けてあってもよく、例えば、当該引き戸Aの上端部に備え付けて、床部Dに案内される引き戸Aの上部側を案内させるようにしてあってもよい。また、当該引き戸Aの下端部に備え付けて、天井側に吊支状態に備えられる引き戸Aの下部側を案内するようにしてあってもよい。また、当該引き戸Aにおける任意の高さ位置で当該引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に案内し得るようにしてあってもよい。
【0041】
また、かかる可動ガイド部材20と当該可動ガイド部材20に対応する固定ガイド部材10は、引き戸Aの複数箇所に設け、より安定に、当該引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に案内するようにしてあってもよい。
【0042】
また、かかる引き戸Aに備えられる可動ガイド部材20を、引き戸Aの両側方にある壁部B”から延設される複数の固定ガイド部材10によって案内するようにしてあってもよい。
【0043】
また、例えば、引き戸Aの複数の高さ位置に可動ガイド部材20を設け、これに対応するように備えられている壁部B”における固定ガイド部材10とで、レール等の下端側支承手段や吊支手段等を備えること無く、開口部Cの開け閉めをなすように構成される引き戸Aであってもよく、例えば、開口部Cの上下方向における中間部分を目隠し的に塞ぐように備えられる引き戸Aであってもよい。
【0044】
また、前記固定ガイド部材10におけるガイド部11は、このガイド部11を稼働ガイド部材における支承溝22cに納め入れられて、引き戸Aを開口部Cの開け閉め方向に安定に案内し得る長さを備えておればよく、いかなる形態に構成してあっても、また、いかなる素材によって構成してあってもよい。
【0045】
また、前記固定ガイド部におけるガイド部11の長さ、可動ガイド部材20のガイド溝21における幅広ガイド溝部21aの溝長さ、幅狭ガイド溝部21bの溝長さ、スライダー22の長さ、と等は、引き戸Aの戸幅、開口部Cの開口幅、引き戸Aの移動幅等から、前記引き戸Aが、前記スライダー22の樋状ガイド部22aを前記幅狭ガイド溝部21bに支承し、かつ、当該樋状ガイド部22aを当該引き戸A内に納めいれた状態で前記開口部Cを開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材10のガイド部11を樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れた状態で当該開口部Cを閉じ込み得るように構成してあれば、いかなる態様に構成してあってもよい。
【0046】
なお、前記ガイド溝21は引き戸Aに直接、彫り込み状態に設けてあっても、当該引き戸Aに一本又は複数本からなる溝付き金物を埋め込み状にして設けてあってもよく、また、これらの複合形態として構成してあってもよい。
【0047】
また、前記ガイド溝21に案内されるスライダー22は、当該ガイド溝21に沿って、固定ガイド部材10におけるガイド部11を受け入れながら都合よく移動し、頭部22bを幅広ガイド部に樋状ガイド部22aを幅狭ガイド部にがた無く案内される構成としてあれば、いかなる素材によって構成してあっても、また、いかなる態様に構成してあってもよい。
【0048】
かかる引き戸Aの案内構造によれば、開口部Cに鴨居等を設けること無く、円滑に、かつ、確実に、引き戸Aを当該開口部Cを開け閉めするように、ぶれなく動作させることができる。
【0049】
また、かかる引き戸Aの案内構造によれば、引き戸Aを引き込んで開口部Cを開き出した際に、当該開口部Cを仕切る鴨居等が一切無いことから、当該開口部Cで連続されている居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間が一連に連続した態様に構成することができ、住宅等の内部空間を広い内部空間として認識させることができる。
【0050】
また、前記構成に係る引き戸Aの案内構造にあって、前記開口部Cが床部Dと、天井又は天井に近接している天井側とにわたるように壁Bに設けてあり、当該開口部Cを、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸A’と、床部Dに備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸A’の下方に備えられて当該上側引き戸A’と共に当該開口部Cを閉じ込む下側引き戸A”とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部Cが上側引き戸A’で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸A’の下方が通路用開口部Cをなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸A’における下部側と、下側引き戸A”における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部Hが設けてあり、
当該各引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”にそれぞれ固定ガイド部材10が設けてあって、
当該各固定ガイド部材10におけるガイド部11が、当該各固定ガイド部材10に対応して備えられている引き戸Aにおける溝状ガイド部Hに受け入れられて前記各引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に移動し得るようにしてある引き戸Aの案内構造にあっては、前記特長に併せて、前記開口部Cを上側引き戸A’と下側引き戸A”とで閉じ込み得ると共に、下側引き戸A”及び上側引き戸A’を引き込むことで鴨居等の存在しない一連に連続して開き出された開口部Cを構成することができる。また、下側引き戸A”のみを引き込んで開口部Cの下部側のみを開きだし、又は、上側引き戸A’のみを引き込んで開口部Cの上部側のみを開き出し状態にして用いることができる。
【0051】
また、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記上側引き戸A’の下側端面部及び下側引き戸A”の上側端面部の互いに向き合っている面部の一方に、他方面部に備えられている溝に入り込む遮光板40が、当該引き戸Aの横幅のほぼ全幅にわたるように備えてある引き戸Aの案内構造にあっては、開口部Cを閉じ込むように引き出された下側引き戸A”と上側引き戸A’との間からの光り漏れを効果的に防ぐことができ、下側引き戸A”と上側引き戸A’間における気密性を高めることができる。
【0052】
また、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記上側引き戸A’の下側端部及び下側引き戸A”の上側端部に、当該引き戸Aの厚幅方向で互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部42が、当該各引き戸Aの横幅のほぼ全幅にわたるように備えられている引き戸Aの案内構造にあっては、開口部Cを閉じ込むように引き出された下側引き戸A”と上側引き戸A’との間からの光り漏れを効果的に防ぐことができ、下側引き戸A”と上側引き戸A’間における気密性を高めることができる。
【0053】
また、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記開口部Cを閉じる向きに引き出される引き戸Aの引き出し頭側Aaと、当該引き出し頭側Aaの接する開口部Cの枠部の互いに向き合う面部の一方に永久磁石を備える吸着具51が、他方に当該吸着具51に吸着される被吸着具52が備えられている引き戸Aの案内構造にあっては、開口部Cを閉じ込んだ引き戸Aが当該閉じ込み状態を安定に維持することができる。
【0054】
まず、図1〜図7に示される第1の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0055】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0056】
そして、この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記開口部Cが床部Dと、天井又は天井に近接している天井側とにわたるように壁Bに設けてあり、当該開口部Cを、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸A’と、床部Dに備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸A’の下方に備えられて当該上側引き戸A’と共に当該開口部Cを閉じ込む下側引き戸A”とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部Cが上側引き戸A’で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸A’の下方が通路用開口部Cをなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸A’における下部側と、下側引き戸A”における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部Hを設けてあり、
当該各引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”にそれぞれ固定ガイド部材10が設けてあって、
当該各固定ガイド部材10におけるガイド部11が、当該各固定ガイド部材10に対応して備えられている引き戸Aにおける前記溝状ガイド部Hに受け入れられて前記各引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に移動し得るようにしてある。
【0057】
かかる構成からなる引き戸Aの案内構造にあっては、前記開口部Cを上側引き戸A’と下側引き戸A”とで閉じ込み得ると共に、下側引き戸A”及び上側引き戸A’を引き込むことで鴨居等の存在しない一連に連続して開き出された開口部Cを構成することができ、また、下側引き戸A”のみを引き込んで開口部Cの下部側のみを開きだし、又は、上側引き戸A’のみを引き込んで開口部Cの上部側のみを開き出し状態にして用いることができるようにしてある。
【0058】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、間仕切り壁Bに備えられる開口部Cの開け閉めに用いられる引き戸Aを案内するものであって、当該開口部Cは、間仕切り壁Bの開口に備えられている下枠Gaと、当該下枠Gaに向き合って備えられる上枠Gbと、この下枠Ga及び上枠Gbの各側端部間を接続するように備えられている一対の縦枠Gcとで構成される枠体Gの左右方向における一方側内を薄厚の引き込み部壁B’で塞ぎ、この引き込み部壁B’端と、当該引き込み部壁B’で塞がれていない上枠Gb、下枠Ga、縦枠Gcとで囲まれる通し空間として構成してあり、この開口部Cに連通するように前記引き込み部壁B’に沿って引き戸Aの引き込み空間Eが前記上枠Gb、下枠Ga及び縦枠Gc間に構成してある。
【0059】
この枠体G内を部分的に塞ぐ引き込み部壁B’は、前記開口部Cを開け閉めし得る引き戸Aを引き込んで、開口部Cを開口し得る横幅を備えた構成としてあり、より典型的には、開口部Cの開口横幅よりもやや幅広に構成されて、当該開口部Cを閉め込んだ際に引き込み部壁B’との重なり部を有するように構成されている引き戸Aを、当該引き込み部壁B’に沿って構成されている引き込み空間Eに納め入れ得る横幅を備える構成としてある。
【0060】
この図示例にあっては、床部Dに下枠Gaを天井側に上枠Gbを備えるようにして開口部Cを構成してあり、当該開口部Cによって連通される各建物内空間、例えば、居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間が、その床面から天井面にいたる開口部Cによって連続するようにしてある。
【0061】
かかる枠体Gにおける前記引き込み部壁B’に沿って移動されて前記開口部Cを開け閉めする引き戸Aを当該引き込み部壁B’に沿って備えられている引き込み空間Eに引き込み自在に備え付けてある。
【0062】
かかる枠体Gに備えられる引き戸Aは、この図示例にあっては、当該開口部Cにおける出入りの妨げとならない上部側を開け閉めする上側引き戸A’と、この上側引き戸A’によって開け閉めされる開口部Cの上部側を除く当該開口部Cの下部側の開け閉めに用いられる下側引き戸A”とで構成してある。
【0063】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”は、当該上側引き戸A’の下端と、下側引き戸A”の上端とが互いに近接し、かつ、互いの戸面が、ほぼ同面となって、前記開口部Cを閉じ込んだ際に、両者が意匠的に一体となって、開口部Cを一連に塞ぎ得るように枠体Gに備え付けてある。
【0064】
この図示例に係る下側引き戸A”は、当該下側引き戸A”を引き込み空間E内に押し入れた際に、上側引き戸A’の下方に、通路に都合の良い高さの開口を構成しうる高さ寸法を備え、また、開口部Cを閉じ込んだ際に、前記引き込み空間Eから全てが引き出されること無く、その一部が当該引き込み部壁B’に沿ったままに残される重なり部を備える横幅寸法を備える矩形の構成としてあり、この図示例にあっては、各縦枠Gc間にわたるように床部Dに備えられているレール30に当該下側引き戸A”の下端部の戸車32を乗せかけ案内するように組み付けてある。
【0065】
また、この図示例に係る上側引き戸A’は、前記下側引き戸A”を引き込み空間E内に押し入れて、当該上側引き戸A’で開口部Cを閉じた際に、この上側引き戸A’の下方に通路に都合の良い高さの開口を構成しうるようにしてあり、また、この開口部Cを閉じ込んだ際に、前記引き込み空間Eから全てが引き出されること無く、その一部が当該引き込み部壁B’に沿ったままに残される重なり部を備える横幅寸法を備える矩形の構成としてあり、この図示例にあっては、各縦枠Gc間をわたるように天井側に備えられたレール31に当該上側引き戸A’の上端部の吊り戸車33を乗せかけて吊り下げ案内するように組み付けてあって、いわゆる欄間として機能するように構成してある。
【0066】
かかる下側引き戸A”と上側引き戸A’は、その横幅寸法が同一に構成してあると共に、厚さ寸法をほぼ同一としてあり、同一のの仮想面内に、下側引き戸A”の上端と上側引き戸A’の下端とを近接させるようにして位置づけ設置されており、各引き戸Aの面が、ほぼ同面となるようにしてある。
【0067】
この図示例に係る下側引き戸A”は、いわゆる、フラッシュパネルタイプの下側引き戸A”の引き出し頭側Aa、すなわち、建て込まれている引き戸A”における開口部C側に引き手34を、当該引き戸A”における開け閉め動作方向Y−Yに直交する向きの軸で回転される一対の戸車32を当該引き戸A”の左右方向の各側端側の下端部に設けてある。また、当該下側引き戸A”における引き出し頭側Aaにある縦向きの側端面部と、この下側引き戸A”によって閉じ込まれる開口部Cにおける当該側端面部の当接する縦枠Gc面部に吸着具51と被吸着具52とからなる吸着手段が設けてあり、当該下側引き戸A”を前記開口部Cを閉め込んだ状態に維持しうるようにしてある。この図示例にあっては、永久磁石を備える、いわゆる、マグネットキャッチ等と称される吸着具51を、下側引き戸A”における引き出し頭側Aaの比較的上部の前記縦枠Gc面に向き合う側端面に埋設してあり、縦枠Gcの当該下側引き戸A”の突き当たる面部に鉄板等の被吸着具52を備え付けて下側引き戸A”の吸着手段を構成してある。
【0068】
また、この図示例に係る上側引き戸A’は、前記下側引き戸A”と意匠的に一体性を生ずる形態に構成してあり、いわゆる、フラッシュパネルタイプの上吊り式引き戸として構成してあって、天井側に備えられているレール31の溝を走行する一対のロールで吊り下げられる吊り戸車33を当該上側引き戸A’の上端部に備え、その引き出し頭側Aaに引き手34を設けて、前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0069】
また、当該上側引き戸A’における引き出し頭側Aaにある縦向きの側端面部と、この引き戸A’によって閉じ込まれる開口部Cにおける当該側端面部の当接する縦枠Gc面部に吸着具51と被吸着具52とからなる吸着手段が設けてあり、当該上側引き戸A’を前記開口部Cを閉め込んだ状態に維持しうるようにしてある。この図示例にあっては、永久磁石を備える、いわゆる、マグネットキャッチ等と称される吸着具51を、上側引き戸A’における引き出し頭側Aaの比較的下部の前記縦枠Gc面に向き合う側端面に埋設してあり、縦枠Gcの当該上側引き戸A’の突き当たる面部に鉄板等の被吸着具52を備え付けて上側引き戸A’の吸着手段を構成してある。
【0070】
かかる上側引き戸A’の下端部と、下側引き戸A”の上端部とに、それぞれ溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに前記引き込み部壁B’に備えられている固定ガイド部材10が係合してあって、前記開口部Cの開け閉め方向に向けて当該上側引き戸A’、下側引き戸A”が、ぶれなく移動するようにしてある。
【0071】
この下側引き戸A”の上端部に備えられる溝状ガイド部Hは、この下側引き戸A”の上端面の長手方向、すなわち、当該下側引き戸A”の横幅方向にわたって備えられている溝向きを当該引き戸A”の開け閉め動作方向Y−Yにした取付溝60にガイド溝体63を、ほぼ密に納め入れ状態に組み付け、これを、ビス64で当該引き戸A”に止着し、かつ、当該引き戸A”の引き出し頭側の取付溝60部に、この溝60端を塞ぐように塞ぎ具61を嵌め入れて、ビス62で止着することで構成してある。なお、このガイド溝体63は、溝底板63aと当該溝底板63aの両側に起立されている側板63bとを備えた断面がコ字状をなす構成としてあり、側板63bの上端が当該引き戸A”の上端面と、ほぼ面一状態になるように構成してある。
【0072】
また、上側引き戸A’の下端部に備えられる溝状ガイド部Hは、この上側引き戸A’の下端面の長手方向、すなわち、当該上側引き戸A’の横幅方向にわたって備えられている溝向きを当該引き戸A’の開け閉め動作方向Y−Yにした取付溝60にガイド溝体63を、ほぼ密に納め入れ状態に組み付け、これを、ビス64で当該引き戸A’に止着し、かつ、当該引き戸A’の引き出し頭側の取付溝60部に、この溝60端を塞ぐように塞ぎ具61を嵌め入れて、ビス62で止着することで構成してある。なお、このガイド溝体63は、溝底板63aと当該溝底板63aの両側に起立されている側板63bとを備えた断面がコ字状をなす構成としてあり、側板63bの上端が当該引き戸A’の上端面と、ほぼ面一状態になるように構成してある。
【0073】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”を案内する固定ガイド部材10は、当該各引き戸Aにおけるガイド溝体63の溝内に納め入れられて、当該各引き戸Aを、この固定ガイド部材10で支承して、開口部Cの開け閉め方向に、ぶれなく案内されるするものであって、この図示例にあっては、前記引き込み部壁B’における開口部C側の当該壁部B”に設けてある。
【0074】
この固定ガイド部材10は、上側引き戸A’及び下側引き戸A”の側方にある前記引き込み部壁B’の開口部C側の壁部B”に、上側引き戸A’のガイド溝体63、及び下側引き戸A”のガイド溝体63に対応する位置とに設けるようにしてあり、この図示例にあっては、上側引き戸A’の溝状ガイド部Hをなすガイド溝体63と下側引き戸A”の溝状ガイド部Hを構成するガイド溝体63の両者に対応するように一体化された固定ガイド部材10が当該壁部B”に止着してある。
【0075】
この図示例に係る固定ガイド部材10は、上側引き戸A’のガイド溝体63の溝に受け入れられる上側ガイド部11と、下側引き戸A”のガイド溝体63の溝に受け入れられる下側ガイド部11とを一体に備えた構成としてあり、当該各引き戸における開け閉め方向に長い垂直向きの厚板状のガイド部11として構成してあり、その上部側を上側引き戸A’におけるガイド溝体63の溝内に、また、下部側を下側引き戸A”におけるガイド溝体63の溝内に受け入れられるように備え付けてある。
【0076】
かかる固定ガイド部材10は、より具体的には、前記各引き戸Aにおける開け閉め方向に長いL字状の取付板12と、この取付板12に一体的に備えられて当該各引き戸Aの開け閉め方向に長いガイド部11とを備える構成としてある。すなわち、L字状に屈曲されて壁面に添装、ビス14着されている垂直板部12bと、この垂直板部12bから直角に屈曲されて先端部に垂直の補強板部12cをT字状に備える取付板12を、その長手側を当該各引き戸Aにおける開け閉め方向に向けて設けてあり、この水平状をなして当該各引き戸Aの開け閉め方向に長い横向き板部12aの先端部及び補強板部12cを含んで上下方向に向けてガイド部11を、当該取付板12に一体的に設けてある。
【0077】
かかるガイド部11は、壁部B”に備えられる固定ガイド部材10における当該ガイド部11が都合よく、前記上側引き戸A’におけるガイド溝体63の溝内に受け入れられ、かつ、下側引き戸A”におけるガイド溝体63の溝内に受け入れられる位置に備えられる。
【0078】
かかるガイド部11は、前記上側引き戸A’におけるガイド溝体63の溝と、下側引き戸A”におけるガイド溝体63の溝向きに長く、かつ、この各ガイド溝体63の溝内に、がた無く受け入れられる形状、寸法に構成してある。
【0079】
かかるガイド部11は、例えば、耐摩耗性に優れ、かつ、すべり特性の良好な各種のプラスチック材によって構成することができる。
【0080】
かかるガイド部11は、例えば、前記取付板12を型内に位置づけてなされるモールデングによるプラスチック製とすることができる。また、例えば、別段に成形用意されたプラスチック製ガイド部11を取付板12に一体的に接着することで構成することができる。
【0081】
かかる上側引き戸A’の案内構造にあっても、下側引き戸A”の案内構造にあっても、前記ガイド部11は、当該引き戸Aによる開口部Cの開け閉め操作に際して、各ガイド溝体63の溝内に位置づけられるようにしてある。
【0082】
なお、前記下側引き戸A”の上端面に、当該引き戸A”の開け閉め方向に向けて、すなわち、当該引き戸A”の横幅にわたるように遮光板40を起立状態に設けてあり、この下側引き戸A”における遮光板40に向き合う位置の上側引き戸A’の下端面に、当該上側引き戸A’の開け閉め方向に溝向きを向けた受け溝41が、当該上側引き戸A’の横幅にわたるように、すなわち、当該受け溝41の両端を開口するように設けてある。
【0083】
かかる遮光板40は、この図示例にあっては、前記固定ガイド部材10による支承側と反対側にあって、当該固定ガイド部材10におけるガイド部11によるガイド溝体63の支承の妨げとならないように当該下側引き戸A”の上端面に、この下側引き戸A”の横幅、すなわち、当該下側引き戸A”の開け閉め動作方向Y−Yの全幅にわたるように設けてあり、同様に、上側引き戸A’の下端面における固定ガイド部材10による支承側と反対側にあって、当該固定ガイド部材10におけるガイド部11によるガイド溝体63の支承の妨げとならないように当該上側引き戸A’の下端面に、この上側引き戸A’の横幅、すなわち、当該上側引き戸A’の開け閉め動作方向Y−Yの全幅にわたるように、前記遮光板40が都合よく入れ込まれる受け溝41が、前記遮光板40に向き合うように設けてある。
【0084】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”を、前記開口部Cを閉め込むように移動した際に、この受け溝41に遮光板40が受け入れられて、上側引き戸A’と下側引き戸A”間における隙間が遮断され、光線漏れが防がれると共に、当該開口部Cを気密性よく閉じ込むことができる。
【0085】
ついで、図8に示される第2の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0086】
この図8に示される引き戸Aの案内構造にあっては、前記上側引き戸A’の下側端部、下側引き戸A”の上側端部とに備えられる溝状ガイド部Hを構成するガイド溝体63における溝底板63aの両側に備えられる各側板63bの起立寸法に差をもたせ、引き戸の一方側にある側板の一方を他方の引き戸における取付溝60内に入り込ませ得るようにしてあり、上側引き戸A’と、下側引き戸A”とを共に開口部Cを閉じ込む向きに移動した際に、この上下にある各引き戸Aの近接される部分から、光り漏れ等を生じないようにした以外の構成を前記図1〜図7に示される第1の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造と同一、又は、実質的に同一の構成としてあり、同一態様で開口部Cの開け閉めに用いることができる。
【0087】
従って、前記図1〜図7に示される第1の典型的な実施の形態に係る引き戸Aにおける案内構造と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0088】
かかる上側引き戸A’の下側端部と、下側引き戸A”の上側端部に備えられるガイド溝体63は、前記取付溝60内に密に納め入れ状態で組み付けられる断面が、ほぼコ字状をなす長尺溝体としてある。そして、この図示例にあっては、下側引き戸A”の取付溝60に備えられるガイド溝体63における一方の側板63bであって、固定ガイド部材10の組み付け側にある側板63bを当該取付溝60の溝深さと同一として、その上端面が下側引き戸A”の上端面と同面をなすように構成してあり、他方側板63bを、この取付溝60から、さらに、上方に突き出し延設板部を備える側板63b’としてある。また、これに対応する上側引き戸A’の取付溝60に備えられるガイド溝体63における前記側板63b’の直上に位置づけられる側板63bを、前記側板63b’を、当該上側引き戸A’の取付溝60内に受け入れ得るように短寸の立ち上がり幅、すなわち、当該取付溝60の開口端に到らない立ち上がりの側板63b”としてあり、他方の側板63b、すなわち、固定ガイド部材10による支承側にある側板63bを当該上側引き戸A’の下端面と同面をなすように構成してある。
【0089】
なお、この上側引き戸A’における取付溝60に備えられる塞ぎ具61には、この下側引き戸A”の側板63b’の移動可能な溝を設けるようにして、上下の引き戸Aが、個別に開け閉めし得るようにしてある。
【0090】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”を、前記開口部Cを閉め込むように移動した際に、前記ガイド溝体63の側板63b’が取付溝60内に位置づけられ、上側引き戸A’と下側引き戸A”の互いに向きあう端面間の空間を遮るように機能し、上側引き戸A’と下側引き戸A”間における隙間からの光線漏れを防ぐと共に、当該開口部Cを気密性よく閉じ込むことができる。
【0091】
ついで、図9〜図18に示される第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0092】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0093】
より、具体的には、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、前記ガイド部11を受け入れる溝状ガイド部Hを備えており、
この溝状ガイド部Hが、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21に、前記ガイド部11を受け入れる支承溝22cを備えるスライダー22を移動可能に組み付けた可動ガイド部材20を備えており、
この可動ガイド部材20のスライダー22が、前記固定ガイド部材10におけるガイド部11をがたなく受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、当該樋状ガイド部22aの一端側に当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える頭部22bとを有していると共に、
前記可動ガイド部材20のガイド溝21が、前記引き戸Aの前記開口部Cに向けた引き出しに際して引き出し頭側Aaとなる側から、引き出し尻側Abに向けて備えられている当該引き出し頭側Aaで塞がれた幅広ガイド溝部21aと、当該幅広ガイド溝部21aに連通して該幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側から、当該引き戸Aにおける引き出し尻側Abに向けて備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、
前記スライダー22における前記頭部22bを幅広ガイド溝部21aに当該幅広ガイド溝部21aにおける幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部21a内にある前記頭部22bの移動に伴って移動される当該スライダー22の前記樋状ガイド部22aが前記幅狭ガイド溝部21bにほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸Aが、前記スライダー22の樋状ガイド部22aを前記幅狭ガイド溝部21bに支承状態で前記開口部Cを開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材10のガイド部11を樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れた状態で当該開口部Cを閉じ込み得るように構成してある。
【0094】
そして、この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記開口部Cが床部Dと、天井又は天井に近接している天井側とにわたるように壁Bに設けてあり、当該開口部Cを、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸A’と、床部Dに備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸A’の下方に備えられて当該上側引き戸A’と共に当該開口部Cを閉じ込む下側引き戸A”とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部Cが上側引き戸A’で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸A’の下方が通路用開口部Cをなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸A’における下部側と、下側引き戸A”における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20が設けてあり、
当該各引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”にそれぞれ固定ガイド部材10が設けてあって、
当該各固定ガイド部材10におけるガイド部11が、当該各固定ガイド部材10に対応して備えられている引き戸Aにおける前記溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20のスライダー22の支承溝22cに受け入れられて前記各引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に移動し得るようにしてある。
【0095】
かかる構成からなる引き戸Aの案内構造にあっては、前記開口部Cを上側引き戸A’と下側引き戸A”とで閉じ込み得ると共に、下側引き戸A”及び上側引き戸A’を引き込むことで鴨居等の存在しない一連に連続して開き出された開口部Cを構成することができ、また、下側引き戸A”のみを引き込んで開口部Cの下部側のみを開きだし、又は、上側引き戸A’のみを引き込んで開口部Cの上部側のみを開き出し状態にして用いることができるようにしてある。
【0096】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、間仕切り壁Bに備えられる開口部Cの開け閉めに用いられる引き戸Aを案内するものであって、当該開口部Cは、間仕切り壁Bの開口に備えられている下枠Gaと、当該下枠Gaに向き合って備えられる上枠Gbと、この下枠Ga及び上枠Gbの各側端部間を接続するように備えられている一対の縦枠Gcとで構成される枠体Gの左右方向における一方側内を薄厚の引き込み部壁B’で塞ぎ、この引き込み部壁B’端と、当該引き込み部壁B’で塞がれていない上枠Gb、下枠Ga、縦枠Gcとで囲まれる通し空間として構成してあり、この開口部Cに連通するように前記引き込み部壁B’に沿って引き戸Aの引き込み空間Eが前記上枠Gb、下枠Ga及び縦枠Gc間に構成してある。
【0097】
この枠体G内を部分的に塞ぐ引き込み部壁B’は、前記開口部Cを開け閉めし得る引き戸Aを引き込んで、開口部Cを開口し得る横幅を備えた構成としてあり、より典型的には、開口部Cの開口横幅よりもやや幅広に構成されて、当該開口部Cを閉め込んだ際に引き込み部壁B’との重なり部を有するように構成されている引き戸Aを、当該引き込み部壁B’に沿って構成されている引き込み空間Eに納め入れ得る横幅を備える構成としてある。
【0098】
この図示例にあっては、床部Dに下枠Gaを天井側に上枠Gbを備えるようにして開口部Cを構成してあり、当該開口部Cによって連通される各建物内空間、例えば、居室、リビングルーム、ダイニングルーム、チッキン、サニタリールーム、玄関フロアー、廊下等の住宅等における各空間が、その床面から天井面にいたる開口部Cによって連続するようにしてある。
【0099】
かかる枠体Gにおける前記引き込み部壁B’に沿って移動されて前記開口部Cを開け閉めする引き戸Aを当該引き込み部壁B’に沿って備えられている引き込み空間Eに引き込み自在に備え付けてある。
【0100】
かかる枠体Gに備えられる引き戸Aは、この図示例にあっては、当該開口部Cにおける出入りの妨げとならない上部側を開け閉めする上側引き戸A’と、この上側引き戸A’によって開け閉めされる開口部Cの上部側を除く当該開口部Cの下部側の開け閉めに用いられる下側引き戸A”とで構成してある。
【0101】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”は、当該上側引き戸A’の下端と、下側引き戸A”の上端とが互いに近接し、かつ、互いの戸面が、ほぼ同面となって、前記開口部Cを閉じ込んだ際に、両者が意匠的に一体となって、開口部Cを一連に塞ぎ得るように枠体Gに備え付けてある。
【0102】
この図示例に係る下側引き戸A”は、当該下側引き戸A”を引き込み空間E内に押し入れた際に、上側引き戸A’の下方に、通路に都合の良い高さの開口を構成しうる高さ寸法を備え、また、開口部Cを閉じ込んだ際に、前記引き込み空間Eから全てが引き出されること無く、その一部が当該引き込み部壁B’に沿ったままに残される重なり部を備える横幅寸法を備える矩形の構成としてあり、この図示例にあっては、各縦枠Gc間にわたるように床部Dに備えられているレール30に当該下側引き戸A”の下端部の戸車32を乗せかけ案内するように組み付けてある。
【0103】
また、この図示例に係る上側引き戸A’は、前記下側引き戸A”を引き込み空間E内に押し入れて、当該上側引き戸A’で開口部Cを閉じた際に、この上側引き戸A’の下方に通路に都合の良い高さの開口を構成しうるようにしてあり、また、この開口部Cを閉じ込んだ際に、前記引き込み空間Eから全てが引き出されること無く、その一部が当該引き込み部壁B’に沿ったままに残される重なり部を備える横幅寸法を備える矩形の構成としてあり、この図示例にあっては、各縦枠Gc間をわたるように天井側にビス31bで止着されているレール31に当該上側引き戸A’の上端部の吊り戸車33を乗せかけて吊り下げ案内するように組み付けてあって、いわゆる欄間として機能するように構成してある。
【0104】
かかる下側引き戸A”と上側引き戸A’は、その横幅寸法が同一に構成してあると共に、厚さ寸法をほぼ同一としてあり、同一のの仮想面内に、下側引き戸A”の上端と上側引き戸A’の下端とを近接させるようにして位置づけ設置されており、各引き戸Aの面が、ほぼ同面となるようにしてある。
【0105】
この図示例に係る下側引き戸A”は、いわゆる、フラッシュパネルタイプの下側引き戸A”の引き出し頭側Aa、すなわち、建て込まれている引き戸A”における開口部C側に引き手34を、当該引き戸A”における開け閉め動作方向Y−Yに直交する向きの軸で回転される一対の戸車32を当該引き戸A”の左右方向の各側端側の下端部に設けてある。また、当該下側引き戸A”における引き出し頭側Aaにある縦向きの側端面部と、この下側引き戸A”によって閉じ込まれる開口部Cにおける当該側端面部の当接する縦枠Gc面部に吸着具51と被吸着具52とからなる吸着手段50が設けてあり、当該下側引き戸A”を前記開口部Cを閉め込んだ状態に維持しうるようにしてある。この図示例にあっては、永久磁石を備える、いわゆる、マグネットキャッチ等と称される吸着具51を、下側引き戸A”における引き出し頭側Aaの比較的上部の前記縦枠Gc面に向き合う側端面に埋設してあり、縦枠Gcの当該下側引き戸A”の突き当たる面部に鉄板等の被吸着具52を備え付けて下側引き戸A”の吸着手段50を構成してある。
【0106】
また、この図示例に係る上側引き戸A’は、前記下側引き戸A”と意匠的に一体性を生ずる形態に構成してあり、いわゆる、フラッシュパネルタイプの上吊り式引き戸として構成してあって、天井側に備えられている一対のレール溝31aを走行する一対のロール33aを備える吊り戸車33を当該上側引き戸A’の上端部に備え、その引き出し頭側Aaに引き手34を設けて、前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。かかる上側引き戸A’における吊り戸車33は、当該上側引き戸A’における開け閉め動作方向Y−Yに直交する軸で回転される一対のロール33aを起立脚部33bに備える吊り戸車33を、当該上側引き戸A’における左右方向の各側端側の上端部に当該起立脚部33bが上方に突き出すようにビス33cで当該上側引き戸A’に止着してあり、この上方に突き出されている起立脚部33bにおける各ロール33aを、レール31に平行に備えられている一対の各レール溝31aに回転可能に納め入れて、当該レール31に対して吊り下げ状態で走行し得るようにしてある。
【0107】
また、当該上側引き戸A’における引き出し頭側Aaにある縦向きの側端面部と、この引き戸A’によって閉じ込まれる開口部Cにおける当該側端面部の当接する縦枠Gc面部に吸着具51と被吸着具52とからなる吸着手段50が設けてあり、当該上側引き戸A’を前記開口部Cを閉め込んだ状態に維持しうるようにしてある。この図示例にあっては、永久磁石を備える、いわゆる、マグネットキャッチ等と称される吸着具51を、上側引き戸A’における引き出し頭側Aaの比較的下部の前記縦枠Gc面に向き合う側端面に埋設してあり、縦枠Gcの当該上側引き戸A’の突き当たる面部に鉄板等の被吸着具52を備え付けて上側引き戸A’の吸着手段50を構成してある。
【0108】
かかる上側引き戸A’の下端部と、下側引き戸A”の上端部とに、それぞれ可動ガイド部材20が設けてあり、この各可動ガイド部材20に前記引き込み部壁B’に備えられている固定ガイド部材10が係合してあって、前記開口部Cの開け閉め方向に向けて当該上側引き戸A’、下側引き戸A”が、ぶれなく移動するようにしてある。
【0109】
この下側引き戸A”の上端部に備えられる溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20は、この下側引き戸A”の上端面の長手方向、すなわち、当該下側引き戸A”の横幅方向にわたって備えられている溝向きを当該引き戸A”の開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21内を摺動されるスライダー22を備えて構成してある。
【0110】
この下側引き戸A”に備えられるガイド溝21は、当該引き戸A”における開け閉め動作方向Y−Yの引き出し頭側Aaから引き出し尻側Abに向けて備えられ、かつ、当該引き出し頭側Aaで塞がれている幅広ガイド溝部21aと、この幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側Abから当該引き戸A”の引き出し尻側Ab端に向けて、当該引き出し尻側Ab端で開放するように備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、この図示例にあっては、下側引き戸A”の上端面に穿設されている幅狭ガイド溝部21bに鍔付長尺溝材21b’を納め入れて、これをビス21eで引き戸に止着することで、幅広ガイド溝部21aに連通する幅狭ガイド溝部21bを構成してある。
【0111】
この幅狭ガイド溝部21bに組み付けられる鍔付長尺溝材21b’は、断面形状が矩形の溝を備えており、かつ、当該溝材の両側板21dの上端部が、互いに近づく向きに直角に屈曲された鍔部21cとしてあり、この各鍔部21c間に固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れ得るようにしてある。この図示例にあっては、溝材における各側板21dから内側に向けて突き出し備えられる当該鍔部21cの前記側板21dからの突き出し寸法を、この鍔付長尺溝材21b’に摺動可能に差し入れられるスライダー22における樋状ガイド部22aの長尺溝部材の材厚寸法と同一と同一に構成してある。
【0112】
また、前記ガイド溝21は、引き戸A”の開け閉め動作方向Y−Y、すなわち、引き戸A”の横幅にわたって、引き出し頭側Aaと引き出し尻側Abとをそれぞれ開放した状態に設けた後、幅広ガイド溝部21aの引き出し頭側Aa端に塞ぎ具21fをビス21gで止着することで、当該引き出し頭側Aaの塞がれたガイド溝21として構成することができる。
【0113】
かかるガイド溝21に移動可能に組み付けられるスライダー22は、固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、この樋状ガイド部22aの一端側に備えられて当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える長方体状の頭部22bを備えて構成してあり、支承溝22cにおける頭部22bと反対側にある溝端を側板22dで塞いだ構成としてある。
【0114】
このスライダー22を構成する樋状ガイド部22aは、固定ガイド部材10におけるガイド部11を受け入れる支承溝22cをなす上面開口の長尺溝部材で構成してあって、前記鍔付長尺溝材21b’に対して、がた無く、摺動可能に差し入れ得る断面形状が矩形の樋状ガイド部22aとしてあり、かつ、この長尺溝部材における両側板の板厚寸法を前記鍔付長尺溝材21b’における鍔部21cの突き出し寸法と同一に構成してあって、当該幅狭ガイド溝部21bを構成する鍔付長尺溝材21b’に差し入れ組み付けられている当該スライダー22における樋状ガイド部22aにおける支承溝22cが常に上面を開放状態に維持して、鍔付長尺溝材21b’に組み付け得るようにしてある。
【0115】
また、このスライダー22を構成する頭部22bは、前記幅広ガイド溝部21aの溝幅に対応する幅寸法を備え、かつ、該幅広ガイド溝部21aの溝深さの縦寸法を備えて、当該幅広ガイド溝部21a内にがた無く納め入れられて、この幅広ガイド溝内を移動可能とされる長方体状に構成してある。かかる構成の頭部22bを備えるスライダー22は、当該幅広ガイド溝部21aにおける引き出し頭側Aaの端面と尻側Abにある端面とに当接される当該頭部22bによって、その移動を規制され、かつ、前記幅狭ガイド溝部21bに支承されている樋状ガイド部22aと共に水平状態に維持される。
【0116】
かかる可動ガイド部材20は、より具体的には、引き戸A”の上端面に、両端を開放状態で設けられた溝に対して鍔付長尺溝材21b’を止着し、これに前記幅広ガイド溝部21aの側からスライダー22の樋状ガイド部22aを差し入れると共に、塞ぎ具21fをビス21gで止着して当該幅広ガイド溝部21aにおける引き出し頭側Aaを塞ぐことによって構成される。
【0117】
ついで、上側引き戸A’の下端部に備えられる溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20は、この上側引き戸A’の下端面の長手方向、すなわち、当該上側引き戸A’の横幅方向にわたって備えられている溝向きを当該引き戸A’の開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21内を摺動されるスライダー22を備えて構成してある。
【0118】
この上側引き戸A’に備えられるガイド溝21は、当該引き戸A’における開け閉め動作方向Y−Yの引き出し頭側Aaから引き出し尻側Abに向けて備えられ、かつ、当該引き出し頭側Aaで塞がれている幅広ガイド溝部21aと、この幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側Abから当該引き戸の引き出し尻側Ab端に向けて、当該引き出し尻側Ab端で開放するように備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、この図示例にあっては、上側引き戸A’の下端面に穿設されている幅狭ガイド溝部21bに鍔付長尺溝材21b’を納め入れて、これをビス21eで引き戸に止着することで、幅広ガイド溝部21aに連通する幅狭ガイド溝部21bを構成してある。
【0119】
この幅狭ガイド溝部21bに組み付けられる鍔付長尺溝材21b’は、断面形状が矩形の溝を備えており、かつ、当該溝材の両側板21dの上端部が、互いに近づく向きに直角に屈曲された鍔部21cとしてあり、この各鍔部21c間に固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れ得るようにしてある。この図示例にあっては、溝材における各側板21dから内側に向けて突き出し備えられる当該鍔部21cの前記側板21dからの突き出し寸法を、この鍔付長尺溝材21b’に摺動可能に差し入れられるスライダー22における樋状ガイド部22aの長尺溝部材の材厚寸法と同一と同一に構成してある。
【0120】
また、前記ガイド溝21は、引き戸A’の開け閉め動作方向Y−Y、すなわち、A’の横幅にわたって、引き出し頭側Aaと引き出し尻側Abとをそれぞれ開放した状態に設けた後、幅広ガイド溝部21aの引き出し頭側Aa端に塞ぎ具21fをビス21gで止着することで、当該引き出し頭側Aaの塞がれたガイド溝21として構成することができる。
【0121】
かかるガイド溝21に移動可能に組み付けられるスライダー22は、固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、この樋状ガイド部22aの一端側に備えられて当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える長方体状の頭部22bを備えて構成してあり、支承溝22cにおける頭部22bと反対側の溝端が側板22dで塞がれた構成としてある。
【0122】
このスライダー22を構成する樋状ガイド部22aは、固定ガイド部材10におけるガイド部11を受け入れる支承溝22cをなす上面開口の長尺溝部材で構成してあって、前記鍔付長尺溝材21b’に対して、がた無く、摺動可能に差し入れ得る断面形状が矩形の樋状ガイド部22aとしてあり、かつ、この長尺溝部材における両側板の板厚寸法を前記鍔付長尺溝材21b’における鍔部21cの突き出し寸法と同一に構成してあって、当該幅狭ガイド溝部21bを構成する鍔付長尺溝材21b’に差し入れ組み付けられている当該スライダー22における樋状ガイド部22aにおける支承溝22cが常に上面を開放状態に維持して、鍔付長尺溝材21b’に組み付け得るようにしてある。
【0123】
また、このスライダー22を構成する頭部22bは、前記幅広ガイド溝部21aの溝幅に対応する幅寸法を備え、かつ、該幅広ガイド溝部21aの溝深さの縦寸法を備えて、当該幅広ガイド溝部21a内にがた無く納め入れられて、この幅広ガイド溝内を移動可能とされる長方体状に構成してある。かかる構成の頭部22bを備えるスライダー22は、当該幅広ガイド溝部21aにおける引き出し頭側Aaの端面と尻側Abにある端面とに当接される当該頭部22bによって、その移動を規制され、かつ、前記幅狭ガイド溝部21bに支承されている樋状ガイド部22aと共に水平状態に維持される。
【0124】
かかる可動ガイド部材20は、より具体的には、引き戸A’の下端面に、両端を開放状態で設けられた溝に対して鍔付長尺溝材21b’を止着し、これに前記幅広ガイド溝部21aの側からスライダー22の樋状ガイド部22aを差し入れると共に、塞ぎ具21fをビス21gで止着して当該幅広ガイド溝部21aにおける引き出し頭側Aaを塞ぐことによって構成される。
【0125】
かかる上側引き戸A’の可動ガイド部材20と、下側引き戸A”の可動ガイド部材20を支承する固定ガイド部材10は、前記各可動ガイド部材20におけるスライダー22の支承溝22cで受け入れられて、当該固定ガイド部材10に支承されて当該上側引き戸A’、下側引き戸A”を開口部Cの開け閉め方向に、ぶれなく案内するものであって、この図示例にあっては、前記引き込み部壁B’における開口部C側の当該壁部B”に設けてある。
【0126】
この固定ガイド部材10は、上側引き戸A’及び下側引き戸A”の側方にある前記引き込み部壁B’の開口部C側の壁部B”に、上側引き戸A’の可動ガイド部材20に対応する位置と、下側引き戸A”に対応する位置とに設けるようにしてあり、この図示例にあっては、上側引き戸A’の溝状ガイド部Hをなす可動ガイド部材20と下側引き戸A”の溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20の両者に対応するように一体化された固定ガイド部材10が当該壁部B”に止着してある。
【0127】
この図示例に係る固定ガイド部材10は、上側引き戸A’の可動ガイド部材20の支承溝22cに受け入れられる上側ガイド部11と、下側引き戸A”の可動ガイド部材20の支承溝22cに受け入れられる下側ガイド部11とを一体に備えた構成としてあり、当該各引き戸における開け閉め方向に長い垂直板状のガイド部11として構成してあり、その上部側を上側引き戸A’における可動ガイド部材20の前記支承溝22cに、また、下部側を下側引き戸A”における可動ガイド部材20の前記支承溝22cに受け入れられるように備え付けてある。
【0128】
かかる固定ガイド部材10は、より具体的には、前記各引き戸Aにおける開け閉め方向に長いL字状の取付板12と、この取付板12に一体的に備えられて当該各引き戸Aの開け閉め方向に長いガイド部11とを備える構成としてある。すなわち、L字状に屈曲されて壁面に添装、ビス14着されている垂直板部12bと、この垂直板部12bから直角に屈曲されて先端部にガイド部11の設けられる横向き板部12aとを備える取付板12を、その長手側を当該各引き戸Aにおける開け閉め方向に向けて設けてあり、この水平状をなして当該各引き戸Aの開け閉め方向に長い横向き板部12aの先端部を含んで上下方向にガイド部11を、当該取付板12に一体的に設けてある。
【0129】
かかるガイド部11は、壁部B”に備えられる固定ガイド部材10における当該ガイド部11が都合よく、前記上側引き戸A’における可動ガイド部材20の支承溝22cに受け入れられ、かつ、下側引き戸A”における可動ガイド部材20の支承溝22cに受け入れられる位置に備えられる。
【0130】
かかるガイド部11は、前記上側引き戸A’における可動ガイド部材20の支承溝22cと、下側引き戸A”における可動ガイド部材20の支承溝22cの溝向きに長く、かつ、この各支承溝22cに、がた無く受け入れられる形状、寸法に構成してある。
【0131】
かかるガイド部11は、例えば、耐摩耗性に優れ、かつ、すべり特性の良好な各種のプラスチック材によって構成することができる。
【0132】
かかるガイド部11は、例えば、前記取付板12を型内に位置づけてなされるモールデングによるプラスチック製とすることができる。また、例えば、別段に成形用意されたプラスチック製ガイド部11を取付板12に一体的に接着することで構成することができる。
【0133】
かかる上側引き戸A’の案内構造にあっても、下側引き戸A”の案内構造にあっても、前記各可動ガイド部材20と、これに対応する各ガイド部11とは、概ね、以下の条件を満たすように設置する。
【0134】
すなわち、前記各スライダー22における頭部22bを各幅広ガイド溝部21aに当該幅広ガイド溝部21aにおける幅側においてほぼがた無く納め入れてある状態で、当該幅広ガイド溝部21a内にある前記頭部22bの移動に伴って移動される当該スライダー22の前記樋状ガイド部22aが前記幅狭ガイド溝部21bにほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記開口部Cを開きだした際に、すなわち、引き戸Aを引き込み空間Eに納め入れた際に、スライダー22の樋状ガイド部22aが幅狭ガイド溝部21bに支承されており、
開口部Cを閉じ込むように引き戸Aを移動した際に、固定ガイド部材10のガイド部11が樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れられているように設置してある。
【0135】
なお、前記下側引き戸A”の上端面に、当該引き戸A”の開け閉め方向に向けて、すなわち、当該引き戸A”の横幅にわたるように遮光板40を起立状態に設けてあり、この下側引き戸A”における遮光板40に向き合う位置の上側引き戸A’の下端面に、当該上側引き戸A’の開け閉め方向に溝向きを向けた受け溝41が、当該上側引き戸A’の横幅にわたるように、すなわち、当該受け溝41の両端を開口するように設けてある。
【0136】
かかる遮光板40は、この図示例にあっては、前記固定ガイド部材10による可動ガイド部材20の支承側と反対側にあって、当該固定ガイド部材10におけるガイド部11による可動ガイド部材20の支承の妨げとならないように当該下側引き戸A”の上端面に、この下側引き戸A”の横幅、すなわち、当該下側引き戸A”の開け閉め動作方向Y−Yの全幅にわたるように設けてあり、同様に、上側引き戸A’の下端面における固定ガイド部材10による可動ガイド部材20の支承側と反対側にあって、当該固定ガイド部材10におけるガイド部11による可動ガイド部材20の支承の妨げとならないように当該上側引き戸A’の下端面に、この上側引き戸A’の横幅、すなわち、当該上側引き戸A’の開け閉め動作方向Y−Yの全幅にわたるように、前記遮光板40が都合よく入れ込まれる受け溝41が、前記遮光板40に向き合うように設けてある。
【0137】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”を、前記開口部Cを閉め込むように移動した際に、この受け溝41に遮光板40が受け入れられて、上側引き戸A’と下側引き戸A”間における隙間が遮断され、光線漏れが防がれると共に、当該開口部Cを気密性よく閉じ込むことができる。
【0138】
ついで、図19〜図25に示される第4の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0139】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0140】
より、具体的には、壁Bに沿って引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、前記ガイド部11を受け入れる溝状ガイド部Hを備えており、
この溝状ガイド部Hが、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21に、前記ガイド部11を受け入れる支承溝22cを備えるスライダー22を移動可能に組み付けた可動ガイド部材20を備えており、
この可動ガイド部材20のスライダー22が、前記固定ガイド部材10におけるガイド部11をがたなく受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、当該樋状ガイド部22aの一端側に当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える頭部22bとを有していると共に、
前記可動ガイド部材20のガイド溝21が、前記引き戸Aの前記開口部Cに向けた引き出しに際して引き出し頭側Aaとなる側から、引き出し尻側Abに向けて備えられている当該引き出し頭側Aaで塞がれた幅広ガイド溝部21aと、当該幅広ガイド溝部21aに連通して該幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側から、当該引き戸Aにおける引き出し尻側Abに向けて備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、
前記スライダー22における前記頭部22bを幅広ガイド溝部21aに当該幅広ガイド溝部21aにおける幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部21a内にある前記頭部22bの移動に伴って移動される当該スライダー22の前記樋状ガイド部22aが前記幅狭ガイド溝部21bにほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸Aが、前記スライダー22の樋状ガイド部22aを前記幅狭ガイド溝部21bに支承状態で前記開口部Cを開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材10のガイド部11を樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れた状態で当該開口部Cを閉じ込み得るように構成してある。
【0141】
そして、この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記開口部Cが床部Dと天井側とにわたるように設けてあり、当該開口部Cを、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸A’と、床部Dに備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸A’の下方に備えられて当該上側引き戸A’と共に当該開口部Cを閉じ込む下側引き戸A”とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部Cが上側引き戸A’で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸A’の下方が通路用開口部Cをなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸A’における下部側と、下側引き戸A”における上部側とに、それぞれ前記可動ガイド部材20が設けてあり、
当該各引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”にそれぞれ固定ガイド部材10が設けてあって、
当該各固定ガイド部材10におけるガイド部11が、当該各固定ガイド部材10に対応して備えられている引き戸Aにおける溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20のスライダー22の支承溝22cに受け入れられて前記各引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に移動し得るようにしてあると共に、上側引き戸A’の下側端部、下側引き戸A”の上側端部とに、当該各引き戸Aの厚幅方向で、互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部42を、当該引き戸Aの横幅の、ほぼ全幅にわたるよう設けてある。
【0142】
この図19〜図25に示される引き戸Aの案内構造にあっては、前記上側引き戸A’の下側端部、下側引き戸A”の上側端部とに、当該各引き戸Aの厚幅方向で、互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部42を、当該引き戸Aの横幅の、ほぼ全幅にわたるよう設けた以外の構成を前記図9〜図18に示される第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造と同一、又は、実質的に同一の構成としてあり、同一態様で開口部Cの開け閉めに用いることができる。
【0143】
従って、前記図9〜図18に示される第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aにおける案内構造と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0144】
かかる上側引き戸A’の下側端部と、下側引き戸A”の上側端部に備えられる突き出し縁部42は、当該各引き戸Aにおける厚幅方向で、互いに、向き合うように備えられており、この図示例にあっては、各固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて支承される可動ガイド部材20の移動の妨げとならないように、当該各引き戸Aにおける厚幅方向において各可動ガイド部材20を挟むようにして、当該下側引き戸A”の上端面に、その開け閉め方向に向けて、すなわち、当該引き戸A”の横幅にわたるように一方の突き出し縁部42を設けてあり、また、この下側引き戸A”の突き出し縁部42に向き合う他方の突き出し縁部42を、上側引き戸A’の下端面に、その開け閉め方向、すなわち、当該上側引き戸A’の横幅にわたるように設けてある。
【0145】
かかる突き出し縁部42は、この図示例にあっては、前記固定ガイド部材10による下側引き戸A”の可動ガイド部材20の支承側と反対側にある当該下側引き戸A”の上側端部の当該可動ガイド部材20に沿った当該可動ガイド部材20の側方部分と、前記固定ガイド部材10による上側引き戸A’の可動ガイド部材20の支承側にある当該上側引き戸A’の下側端部の当該可動ガイド部材20に沿った当該可動ガイド部材20の側方部分とに、当該固定ガイド部材10におけるガイド部11による可動ガイド部材20の支承の妨げとならないように設けてある。
【0146】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”を、前記開口部Cを閉め込むように移動した際に、この互いに可動ガイド部材20を挟んで向きあうように備えられている各突き出し縁部42が、上側引き戸A’と下側引き戸A”間の互いに向きあう端面間の空間を遮るように機能し、上側引き戸A’と下側引き戸A”間における隙間からの光線漏れを防ぐと共に、当該開口部Cを気密性よく閉じ込むことができる。
【0147】
ついで、図26〜図32に示される第5の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0148】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0149】
より、具体的には、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、前記ガイド部11を受け入れる溝状ガイド部Hを備えており、
この溝状ガイド部Hが、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21に、前記ガイド部11を受け入れる支承溝22cを備えるスライダー22を移動可能に組み付けた可動ガイド部材20を備えており、
この可動ガイド部材20のスライダー22が、前記固定ガイド部材10におけるガイド部11をがたなく受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、当該樋状ガイド部22aの一端側に当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える頭部22bとを有していると共に、
前記可動ガイド部材20のガイド溝21が、前記引き戸Aの前記開口部Cに向けた引き出しに際して引き出し頭側Aaとなる側から、引き出し尻側Abに向けて備えられている当該引き出し頭側Aaで塞がれた幅広ガイド溝部21aと、当該幅広ガイド溝部21aに連通して該幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側から、当該引き戸Aにおける引き出し尻側Abに向けて備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、
前記スライダー22における前記頭部22bを幅広ガイド溝部21aに当該幅広ガイド溝部21aにおける幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部21a内にある前記頭部22bの移動に伴って移動される当該スライダー22の前記樋状ガイド部22aが前記幅狭ガイド溝部21bにほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸Aが、前記スライダー22の樋状ガイド部22aを前記幅狭ガイド溝部21bに支承状態で前記開口部Cを開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材10のガイド部11を樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れた状態で当該開口部Cを閉じ込み得るように構成してある。
【0150】
そして、この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記開口部Cが床部Dと天井側とにわたるように設けてあり、当該開口部Cを、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸A’と、床部Dに備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸A’の下方に備えられて当該上側引き戸A’と共に当該開口部Cを閉じ込む下側引き戸A”とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部Cが上側引き戸A’で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸A’の下方が通路用開口部Cをなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸A’における下部側と、下側引き戸A”における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20が設けてあり、
当該各引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”にそれぞれ固定ガイド部材10が設けてあって、
当該各固定ガイド部材10におけるガイド部11が、当該各固定ガイド部材10に対応して備えられている引き戸Aにおける前記溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20のスライダー22の支承溝22cに受け入れられて前記各引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に移動し得るようにしてある。
【0151】
この図26〜図32に示される引き戸Aの案内構造にあっては、前記上側引き戸A’と下側引き戸A”とが、薄厚の引き込み部壁B’間に備えられる凹部状の引き込み空間Eに納め入れの状態から、開口部Cを開け閉めするように引き出し可能に設けてある以外の構成を前記図9〜図18に示される第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造と同一、又は、実質的に同一の構成としてあり、同一態様で開口部Cの開け閉めに用いることができる。
【0152】
従って、前記図9〜図18に示される第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aにおける案内構造と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0153】
この図26〜図32に示される第5の典型的な実施の形態に係る引き戸Aは、間仕切り壁Bに備えられている凹状の引き込み空間Eに上側引き戸A’と下側引き戸A”とを前記第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aと同様に引き込み、かつ、開口部Cの開け閉めをなすようにしてあり、開口部Cに連続する当該引き戸Aの引き込み空間Eを間仕切り壁B内に備え得るように、当該間仕切り壁Bを一対の向き合った薄厚の引き込み部壁B’とし、この互いに向きあっている引き込み部壁B’間に、前記開口部Cに連通する凹状の引き込み空間Eを設けてある。
【0154】
また、この引き込み空間E内に上側引き戸A’を引き込み得るレール31を開口部Cから当該引き込み空間Eの内奥間にわたる天井側に設けてあり、下側引き戸A”を案内するレール30を開口部Cから当該引き込み空間Eの内奥間にわたるように設けてあって、固定ガイド部材10で支承される可動ガイド部材20を備える上側引き戸A’と下側引き戸A”とを前記第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aと同様に備え付けてある。
【0155】
かかる引き込み部壁B’内の凹状引き込み空間Eに納め入れられる引き戸Aは、当該引き戸Aにおける引き出し頭側Aaの側端面に、当該側端面に同面状態に納め入れうる引き手34を設けてあり、必要に応じて、この引き手34を引き出し用い得るように構成してある。
【0156】
また、この図示例に係る引き戸Aを案内する固定ガイド部材10は、引き戸Aの開け閉め方向に長いガイド部11を備えて構成してあると共に、引き戸Aを挟む各引き込み部壁B’における開口部C側に設けてあり、上側引き戸A’の開け閉め動作の支承をなす固定ガイド部材10と、下側引き戸A”の開け閉め動作の支承をなす固定ガイド部材10とを一体に構成してある。
【0157】
この図示例に係る固定ガイド部材10は、凹状をなす引き込み空間Eの奥行き方向に長い平板状取付板部13aを備える取付板13と、この取付板13の平板状取付板部13aに直交する向きに当該平板状取付板部13aの上下に突き出すガイド部11とを備えており、このガイド部11が各引き戸Aにおける可動ガイド部材20の支承溝22cに受け入れられるように、当該固定ガイド部材10を各引き戸Aの側方にある壁部B”に取り付けてある。
【0158】
かかる固定ガイド部材10は、その取り付け部分が凹状の引き込み空間Eであることから、引き込み部壁B’における互いに向きあっている面部に上側奥部が直角に屈曲される断面形状が直角三角形をなす取付溝15を前もって設けておき、この取付溝15に固定ガイド部材10における取付片部を叩き込むように組み付けてある。
【0159】
かかる固定ガイド部材10を構成する取付板13は、例えば、平板状取付板部13aの長手縁、すなわち、叩き込み方向に沿った縁を下方に直角に屈曲し、かつ、この垂設片部13bの下端から平板状取付板部13aに向けて折り返される屈曲折返部13cとで、当該平板状取付板部13aの各長手縁に断面形状が、ほぼ直角三角形状の掛合部を設けてあり、また、この、平板状取付板部13aにおける叩き込み方向、すなわち、引き戸Aの引き込み内外方向に向けて備えられるガイド部11を当該平板状取付板部13aに一体に設けてある。
【0160】
かかるガイド部11は、前記第3の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造のガイド部11と同様の素材で、同様に構成することができる。
【0161】
ついで、図33〜図39に示される第6の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造について説明する。
【0162】
この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにした溝状ガイド部Hが設けてあり、この溝状ガイド部Hに固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて当該引き戸Aにより前記開口部Cの開け閉めをなし得るように構成してある。
【0163】
より、具体的には、壁B内に引き込まれるように備えられて開口部Cの開け閉めをする引き戸Aの案内構造であって、前記引き込まれる引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”に、当該引き戸Aを開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部11を備える固定ガイド部材10が設けてあると共に、前記引き戸Aに、前記ガイド部11を受け入れる溝状ガイド部Hを備えており、
この溝状ガイド部Hが、溝向きを当該引き戸Aにおける開け閉め動作方向Y−Yにしたガイド溝21と、このガイド溝21に、前記ガイド部11を受け入れる支承溝22cを備えるスライダー22を移動可能に組み付けた可動ガイド部材20を備えており、
この可動ガイド部材20のスライダー22が、前記固定ガイド部材10におけるガイド部11をがたなく受け入れる支承溝22cを長さ方向に備える樋状ガイド部22aと、当該樋状ガイド部22aの一端側に当該樋状ガイド部22aから側方に張り出す張出部22b’を備える頭部22bとを有していると共に、
前記可動ガイド部材20のガイド溝21が、前記引き戸Aの前記開口部Cに向けた引き出しに際して引き出し頭側Aaとなる側から、引き出し尻側Abに向けて備えられている当該引き出し頭側Aaで塞がれた幅広ガイド溝部21aと、当該幅広ガイド溝部21aに連通して該幅広ガイド溝部21aの引き出し尻側から、当該引き戸Aにおける引き出し尻側Abに向けて備えられている幅狭ガイド溝部21bとを備えており、
前記スライダー22における前記頭部22bを幅広ガイド溝部21aに当該幅広ガイド溝部21aにおける幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部21a内にある前記頭部22bの移動に伴って移動される当該スライダー22の前記樋状ガイド部22aが前記幅狭ガイド溝部21bにほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸Aが、前記スライダー22の樋状ガイド部22aを前記幅狭ガイド溝部21bに支承状態で前記開口部Cを開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材10のガイド部11を樋状ガイド部22aの支承溝22cに受け入れた状態で当該開口部Cを閉じ込み得るように構成してある。
【0164】
そして、この図示例に係る引き戸Aの案内構造は、前記構成に係る引き戸Aの案内構造において、前記開口部Cが床部Dと天井側とにわたるように設けてあり、当該開口部Cを、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸AA’と、床部Dに備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸A’の下方に備えられて当該上側引き戸A’と共に当該開口部Cを閉じ込む下側引き戸A”とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部Cが上側引き戸A’で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸A’の下方が通路用開口部Cをなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸A’における下部側と、下側引き戸A”における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20が設けてあり、
当該各引き戸Aの側方にある前記開口部C側の壁部B”にそれぞれ固定ガイド部材10が設けてあって、
当該各固定ガイド部材10におけるガイド部11が、当該各固定ガイド部材10に対応して備えられている引き戸Aにおける溝状ガイド部Hを構成する可動ガイド部材20のスライダー22の支承溝22cに受け入れられて前記各引き戸Aを前記開口部Cの開け閉め方向に移動し得るようにしてあると共に、上側引き戸A’の下側端部、下側引き戸A”の上側端部とに、当該各引き戸Aの厚幅方向で、互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部42を、当該引き戸Aの横幅の、ほぼ全幅にわたるよう設けてある。
【0165】
この図33〜図39に示される引き戸Aの案内構造にあっては、前記上側引き戸A’の下側端部、下側引き戸A”の上側端部とに、当該各引き戸Aの厚幅方向で、互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部42を、当該引き戸Aの横幅の、ほぼ全幅にわたるよう設けた以外の構成を前記図26〜図32に示される第5の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造と同一、又は、実質的に同一の構成としてあり、同一態様で開口部Cの開け閉めに用いることができる。
【0166】
従って、前記図26図〜図32に示される第5の典型的な実施の形態に係る引き戸Aにおける案内構造と同一又は実質的に同一の構成部分には、同一の番号を付して、その説明を省略する。
【0167】
かかる上側引き戸A’の下側端部と、下側引き戸A”の上側端部に備えられる突き出し縁部42は、当該各引き戸Aにおける厚幅方向で、互いに、向き合うように備えられており、この図示例にあっては、各固定ガイド部材10のガイド部11を受け入れて支承される可動ガイド部材20の移動の妨げとならないように、当該各引き戸Aにおける厚幅方向において各可動ガイド部材20を挟むようにして、当該下側引き戸A”の上端面に、その開け閉め方向に向けて、すなわち、当該引き戸A”の横幅にわたるように一方の突き出し縁部42を設けてあり、また、この下側引き戸A”の突き出し縁部42に向き合う他方の突き出し縁部42を、上側引き戸A’の下端面に、その開け閉め方向、すなわち、当該上側引き戸A’の横幅にわたるように設けてある。
【0168】
かかる上側引き戸A’の下側端部と、下側引き戸A”の上側端部とに、互いに向き合うように突き出し縁部42を備える構成の各引き戸Aの可動ガイド部材20を案内する固定ガイド部材10は、この各突き出し縁部42における突き出し寸法に相当する段差を前記平板状取付板部13aが備えるように構成してある。
【0169】
すなわち、この図示例に係る固定ガイド部材10は、前記第5の典型的な実施の形態に係る引き戸Aの案内構造の取付板13の平板状取付板部13aを幅方向、すなわち、各壁部B”間にわたる向きで、一方側の平板状取付板部13a’を、他方側の平板状取付板部13a”よりも、前記突き出し縁部42の突き出し寸法に対応して、一段低くなるように前記平板状取付板部13aに平行に設けてあり、かつ、この平板状取付板部13aにおけるほぼ中央部に、当該平板状取付板部13aの長手方向、すなわち、引き戸Aの開け閉め方向に向けてガイド部11を前記第5の典型的な実施の形態に係る固定ガイド部材10と同様に設けてある。
【0170】
かかる上側引き戸A’と下側引き戸A”を、前記開口部Cを閉め込むように移動した際に、この互いに可動ガイド部材20を挟んで向きあうように備えられている各突き出し縁部42が、上側引き戸A’と下側引き戸A”間の互いに向きあう端面間の空間を遮るように機能し、上側引き戸A’と下側引き戸A”間における隙間からの光線漏れを防ぐと共に、当該開口部Cを気密性よく閉じ込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】第1の典型的な引き戸の案内構造の要部の正面図
【図2】同開口部を開いた状態の要部の平断面図
【図3】同開口部を閉じた状態の要部の平断面図
【図4】同要部の縦断面図
【図5】同要部の拡大縦断面図
【図6】同下側引き戸の要部部品を分離し、固定ガイド部材と共に示した要部の斜視図
【図7】同上側引き戸の要部部品を分離した要部の斜視図
【図8】第2の典型的な引き戸の案内構造の要部拡大縦断面図
【図9】第3の典型的な引き戸の案内構造の要部の正面図
【図10】同開口部を開いた状態の要部の平断面図
【図11】同開口部を閉じた状態の要部の平断面図
【図12】同開口部を開きつつある状態の平断面図
【図13】同要部の縦断面図
【図14】同要部の拡大縦断面図
【図15】同他の要部部分の拡大縦断面図
【図16】同下側引き戸の要部部品を分離し、固定ガイド部材と共に示した要部の斜視図
【図17】同上側引き戸の要部部品を分離した要部の斜視図
【図18】同吸着手段の要部を示す斜視図
【図19】第4の典型的な引き戸の案内構造の要部の縦断面図
【図20】同要部の拡大縦断面図
【図21】同開口部を開いた状態の要部の平断面図
【図22】同開口部を閉じた状態の要部の平断面図
【図23】同開口部を開きつつある状態の平断面図
【図24】同下側引き戸の要部部品を分離し、固定ガイド部材と共に示した要部の斜視図
【図25】同上側引き戸の要部部品を分離した要部の斜視図
【図26】第5の典型的な引き戸の案内構造の一部を破断して示す要部の斜視図
【図27】同開口部を開いた状態の要部の平断面図
【図28】同開口部を閉じた状態の要部の平断面図
【図29】同開口部を開きつつある状態の平断面図
【図30】同要部の拡大縦断面図
【図31】同下側引き戸の要部部品を分離し、固定ガイド部材と共に示した要部の斜視図
【図32】同上側引き戸の要部部品を分離した要部の斜視図
【図33】第6の典型的な引き戸の案内構造の一部を破断して示す要部の斜視図
【図34】同開口部を開いた状態の要部の平断面図
【図35】同開口部を閉じた状態の要部の平断面図
【図36】同開口部を開きつつある状態の平断面図
【図37】同要部の拡大縦断面図
【図38】同下側引き戸の要部部品を分離し、固定ガイド部材と共に示した要部の斜視図
【図39】同上側引き戸の要部部品を分離した要部の斜視図
【符号の説明】
【0172】
A 引き戸
B 壁
C 開口部
D 床部
H 溝状ガイド部
10 固定ガイド部材
11 ガイド部
20 可動ガイド部材
21 ガイド溝
21a 幅広ガイド溝部
21b 幅狭ガイド溝部
22 スライダー
22a 樋状ガイド部
22b 頭部
22c 支承溝
40 遮光板
41 受け溝
42 突き出し縁部
50 吸着手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁に沿って引き込まれるように備えられて開口部の開け閉めをする引き戸、又は、壁内に引き込まれるように備えられて開口部の開け閉めをする引き戸の案内構造であって、
前記引き込まれる引き戸の側方にある前記開口部側の壁部に、当該引き戸を開け閉め方向に案内する当該開け閉め方向に長いガイド部を備える固定ガイド部材が設けてあると共に、
前記引き戸に、溝向きを当該引き戸における開け閉め動作方向にした溝状ガイド部が設けてあり、
この溝状ガイド部に固定ガイド部材のガイド部を受け入れて当該引き戸により前記開口部の開け閉めをなし得るようにしてあることを特徴とする引き戸の案内構造。
【請求項2】
前記溝状ガイド部が、溝向きを当該引き戸における開け閉め動作方向にしたガイド溝と、このガイド溝に、前記ガイド部を受け入れる支承溝を備えるスライダーを移動可能に組み付けた可動ガイド部材を備えており、
この可動ガイド部材のスライダーが、前記固定ガイド部材におけるガイド部をがたなく受け入れる支承溝を長さ方向に備える樋状ガイド部と、当該樋状ガイド部の一端側に当該樋状ガイド部から側方に張り出す張出部を備える頭部とを有していると共に、
前記可動ガイド部材のガイド溝が、前記引き戸の前記開口部に向けた引き出しに際して引き出し頭側となる側から、引き出し尻側に向けて備えられている当該引き出し頭側で塞がれた幅広ガイド溝部と、当該幅広ガイド溝部に連通して該幅広ガイド溝部の引き出し尻側から、当該引き戸における引き出し尻側に向けて備えられている幅狭ガイド溝部とを備えており、
前記スライダーにおける前記頭部を幅広ガイド溝部に当該幅広ガイド溝部における幅側においてほぼがた無く納め入れてあると共に、当該幅広ガイド溝部内にある前記頭部の移動に伴って移動される当該スライダーの前記樋状ガイド部が前記幅狭ガイド溝部にほぼがた無く納め入れ状態に支承されており、
前記引き戸が、前記スライダーの樋状ガイド部を前記幅狭ガイド溝部に支承状態で前記開口部を開き出し得ると共に、前記固定ガイド部材のガイド部を樋状ガイド部の支承溝に受け入れた状態で当該開口部を閉じ込み得るようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の引き戸の案内構造。
【請求項3】
前記開口部が床部と天井側とにわたるように設けてあり、当該開口部を、天井側に移動可能に吊り下げ設置されている上側引き戸と、床部に備えられる案内手段で案内されるように当該上側引き戸の下方に備えられて当該上側引き戸と共に当該開口部を閉じ込む下側引き戸とで閉じ込み得るようにしてあると共に、当該開口部が上側引き戸で閉じ込まれた際に、当該上側引き戸の下方が通路用開口部をなすようにしてあり、
しかも、前記上側引き戸における下部側と、下側引き戸における上部側とに、それぞれ前記溝状ガイド部が設けてあり、
当該各引き戸の側方にある前記開口部側の壁部にそれぞれ固定ガイド部材が設けてあって、
当該各固定ガイド部材におけるガイド部が、当該各固定ガイド部材に対応して備えられている引き戸における溝状ガイド部に受け入れられて前記各引き戸を前記開口部の開け閉め方向に移動し得るようにしてあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の引き戸の案内構造。
【請求項4】
前記上側引き戸の下側端面部及び下側引き戸の上側端面部の互いに向き合っている面部の一方に、他方面部に備えられている溝に入り込む遮光板が、当該引き戸の横幅のほぼ全幅にわたるように備えてあることを特徴とする請求項3に記載の引き戸の案内構造。
【請求項5】
前記上側引き戸の下側端部及び下側引き戸の上側端部に、当該引き戸の厚幅方向で互いに向き合うように重なりあう突き出し縁部が、当該各引き戸の横幅のほぼ全幅にわたるように備えられていることを特徴とする請求項3に記載の引き戸の案内構造。
【請求項6】
前記開口部を閉じる向きに引き出される引き戸の引き出し頭側と、当該引き出し頭側の接する開口部の枠部の互いに向き合う面部の一方に永久磁石を備える吸着具が、他方に当該吸着具に吸着される被吸着具が備えられていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載の引き戸の案内構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2008−208683(P2008−208683A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49015(P2007−49015)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(501195625)住友林業クレスト株式会社 (43)
【Fターム(参考)】