説明

引戸ユニット

【課題】簡単な構造で、引戸が戸口の戸当り面にパッキンを介して確実に密着して高い防音性、気密性あるいは断熱性を達成しながら、引戸の開閉動作が行いやすい引戸ユニットを提供すること。
【解決手段】防音引戸ユニット2は、戸当り面に当接する引戸38の当接面38cが閉位置側にわずかに向くように、引戸38の動線に対して所定の角度傾けて設けられているとともに、戸当り面も所定の角度とほぼ同様に傾けて設けられており、ガイドレール16によるガイドにより、引戸38の上部の動線が閉位置直前では閉位置に近づくに従って戸口に近づくように形成され、また、戸車レール25によるガイドにより、引戸38の下部の動線が壁部Wにほぼ平行且つ直線状に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の部屋や建物に利用される引戸ユニットであって、戸口の戸当り面にパッキンを介して当接して戸口を塞ぐ閉位置と、戸口を開放する開位置との間を往復動可能な引戸を備えた引戸ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の部屋や建物を、楽器を演奏する場所、あるいはカラオケ等で歌う場所として使用する場合は、他の部屋や他の建物に対して騒音とならないようにするために、部屋や建物を構成する壁には防音壁を使用して、音声が外部に漏れないようにしていた。
【0003】
さらに、その部屋や建物の出入口も、音声が漏れないようにするために、ドアの周りあるいは壁部の戸口の周りに、パッキンを設けて、ドアと壁部とを密着させる必要があった。しかし、ドアは、本来、開閉させるためのデッドスペースが必要であり、スペース効率が極めて低い。特に、住宅事情の悪い地域では、このことは大きな問題となる。
【0004】
開閉に無駄なスペースが生じないものとして、引戸が知られている。この引戸は戸口および壁部に平行に移動させるため、ドアのような移動のためだけのデッドスペースがなく、スペース効率が高い(例えば、特許文献1,2参照。)
【特許文献1】特開平09−279956号公報
【特許文献2】特開平08−284554号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この引戸を防音引戸として利用しようとした場合、次のような問題が生じた。すなわち、引戸の移動には、壁部に向かって移動する成分がなく、開口部分の壁部に密着させる力を加えることができない。防音を完全にするために必要なパッキンを開口の周りに設けると、引戸を壁部に平行に移動させる場合に、引戸はパッキンの表面を横に摩擦するように移動する。したがってパッキンと引戸との摩擦が非常に大きくなることから、極めて開閉動作が困難となり、実用的ではない。
【0006】
なお、戸当り面に当接する引戸の当接面が閉位置側にわずかに向くように、引戸の動線に対して所定の角度傾けて設けられているとともに、戸当り面も所定の角度とほぼ同様に傾けて設けられた引戸ユニットが提案されているが(例えば、特許文献1参照。)、この場合、パッキンと引戸との摩擦がある程度は低減されるが、パッキンと引戸との摩擦が原因で引戸の開閉動作が困難であることに変わりはない。
【0007】
また、引戸と戸口とを磁力で密着させる磁着手段を備えるとともに、ガイドレールの内、閉位置直前の部分が、戸口に対して近づく方向に曲げられていることにより、引戸を閉位置直前の部分で移動させる際に、引戸が戸口に対して垂直方向の移動成分を生じるように構成された引戸ユニットが提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、この場合、高い防音性、気密性および断熱性を実現するために上述のような磁着手段を備える必要があり、構造が複雑となって製造コストも高価となっていた。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で、引戸が戸口の戸当り面にパッキンを介して確実に密着して高い防音性、気密性あるいは断熱性を達成しながら、引戸の開閉動作が行いやすい引戸ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る引戸ユニットは、引戸が上下のガイドレールに誘導されて、戸口の戸当り面にパッキンを介して当接して前記戸口を塞ぐ閉位置と前記戸口が開口する壁部にほぼ平行に対面する開位置との間を往復可能な引戸ユニットであって、前記戸当り面に当接する前記引戸の当接面が前記閉位置側にわずかに向くように、前記引戸の動線に対して所定の角度傾けて設けられているとともに、前記戸当り面も前記所定の角度とほぼ同様に傾けて設けられており、前記下側のガイドレールが、前記引戸を移動させる際に、前記引戸の下部を前記壁部にほぼ平行に案内し、前記上側のガイドレールのうちの少なくとも前記閉位置直前の部分には、前記引戸の上部を前記閉位置に近づくに従って前記戸口に近づくよう案内する案内部が形成され、前記引戸を前記閉位置直前の部分で移動させる際に、前記案内部が前記引戸の上部に前記戸口に対して垂直方向の移動成分を生じさせることを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明の引戸ユニットによれば、戸当り面に当接する引戸の当接面が閉位置側にわずかに向くように、引戸の動線に対して所定の角度傾けて設けられているとともに、戸当り面も所定の角度とほぼ同様に傾けて設けられており、引戸を閉位置へ向けて移動させる際に、閉位置直前の部分では、下側のガイドレールが引戸の下部を壁部にほぼ平行且つ直線状に案内しながら、上側のガイドレールの案内部が引戸の上部を閉位置に近づくに従って戸口に近づくよう案内し、引戸の上部に戸口に対して垂直方向の移動成分を生じさせる。このことにより、従来構成のような引戸がパッキンの表面を横に摩擦するように移動するといった現象が発生せず、引戸の開閉動作が行いやすい。また、従来構成のような高い防音性、気密性および断熱性を実現するためにパッキンを押しつぶすための構成を有さなくても、引戸を閉位置へ向けて移動させる際に、引戸が傾斜した状態から垂直な姿勢へと変化することで、引戸と戸口とが離れた状態から両者がパッキンを介して密着した状態となる。
【0011】
したがって、引戸ユニットにおいて、簡単な構造で、引戸が戸口の戸当り面にパッキンを介して確実に密着して高い防音性、気密性あるいは断熱性を達成しながら、引戸の開閉動作を行いやすくすることができる。
【0012】
この場合、上述の案内部が、少なくとも引戸の左側を案内する部分と右側を案内する部分との二つ以上設けられていることが考えられる(請求項2)。このように構成すれば、上述のような案内部が一つ設けられている場合に比べて上方から見て時計回りや反時計回りに回転しにくくなり、引戸の移動がより滑らかとなる。したがって、引戸の開閉動作を行いやすくすることができる。
【0013】
また、上側のガイドレールについては、平行にずらした複数のレールから構成されるようにしてもよい。具体的には、請求項3のように、上側のガイドレールが、平行にずらした複数のレールから構成され、引戸の上部が複数のレールに案内されて閉位置と開位置との間を往復動可能であり、案内部が複数のレールそれぞれに設けられていることが考えられる。
【0014】
このように構成すれば、上側のガイドレールを一本のレールで構成する場合に案内部を形成するために必要なレールへの曲げ加工などの加工を行わなくても、上側のガイドレールを構成する平行にずらした複数のレールそれぞれに案内部を設けることができる。また、上述のような案内部が一つ設けられている場合に比べて上方から見て時計回りや反時計回りに回転しにくくなり、引戸の移動がより滑らかとなる。したがって、引戸の開閉動作を行いやすくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
【0016】
[実施形態]
図1は防音引戸ユニット2の室内側から見た正面図である。また、図2は防音引戸ユニット2の背面図である。また、図3は図1におけるA−A断面の要部拡大図である。また、図4は図1におけるB−B断面の要部拡大図である。また、図5は開位置にある引戸38を示す説明図である。また、図6(a)はガイドレール16を上方から見た平面図である。
【0017】
[1.防音引戸ユニット2の構成の説明]
防音引戸ユニット2は、室内の壁部Wに設けられた戸口Eと、その戸口Eに隣接する壁部Wにわたって設けられ、上枠4、下枠6、左右の縦枠8,10および中央の方立12を備えている。戸口Eの内周は、上枠4および下枠6の一部と、縦枠10および方立12とにより覆われている。なお、上枠4は、L型金具15により、上方の壁部Wにビス止めされている。壁部Wはスペーサを介して内装化粧板にて覆われているが、L型金具15は内装化粧板の下の壁部Wの本体に取り付けられている。したがって、外観上、L型金具15は、ほとんど見えない。
【0018】
また、上枠4の下面側に設けられた溝4aには、ガイドレール16が嵌合されてビス止めされ、更に上枠4の下面側には、ガイドレール16を挟んで、室内側には内側ガイドレールカバー18、室外側には戸当横部材26が設けられている。下枠6には、防音室の内側と外側との床Fの段差分の厚さの敷板22が設けられ、下枠6の上面側には、溝部24が形成されている。この溝部24の内部には、直線状且つ略U字状の戸車レール25がはめ込まれ、ビスにて固定されている。下枠6の上面側には、戸車レール25の室外側に戸当横部材28が設けられている。
【0019】
ガイドレール16は、図6(a)に示すように、平行にずらした二本のレール16a,16bから構成されている。これら二本のレール16a,16bは直線状であり、上方から見て反時計回りにわずかに回転し、引戸38の動線Mに対して所定の角度に傾いた状態となっている。
【0020】
また、縦枠10の表面に戸当縦部材32が固定されている。このことにより、戸口Eの全体が、戸当横部材26,28、方立12および戸当縦部材32にて、囲まれている状態となっている。更に、戸当横部材26,28、方立12および戸当縦部材32の室内側の側面26a,28a,12a,32aには、連続する溝部26b,28b,12b,32bが設けられ、その溝部26b,28b,12b,32b内に、ゴム製のパッキン34が全周にわたって取り付けられている。
【0021】
戸当横部材28は、図4に示すごとく、室内側の側面28aが方立12から戸当縦部材32にかけて次第に幅が広くなるように傾斜して形成されている。もう一つの戸当横部材26についても同じである。したがって、戸当横部材26,28、方立12および戸当縦部材32の室内側の側面26a,28a,12a,32a(以下、「戸当り面」と称する。)は、長方形の引戸38が進行して来る方向にわずかに傾いている。なお、方立12および戸当縦部材32の室内側の側面12a,32aは、共に幅が狭いので特に傾斜させなくてもパッキン34が存在するので後述する当接面38cとの密着度は問題はない。
【0022】
引戸38の上端面38aの左右両端付近には、それぞれガイドシャフト40,41が設けられ、ガイドレール16のレール16a,16bにそれぞれ挿入されている。このことにより、引戸38の上部が、移動時にガイドレール16の内面により、閉位置に近づくに従って戸口Eに近づくよう案内される。なお、レール16a,16bそれぞれの閉位置直前の部分が特許請求の範囲の案内部に該当する。
【0023】
また、引戸38の下端面38bの左右両端付近には、それぞれ戸車42,43が取り付けられている。図3に示すごとく戸車42,43は、戸車レール25内に配置されている。戸車42,43はそれぞれ回転可能であるため、戸車レール25内を滑らかに移動することが可能である。この結果、引戸38の下部が、移動時に戸車レール25により、壁部Wにほぼ平行且つ直線状に案内される。
【0024】
つまり、ガイドレール16によるガイドにより、引戸38の上部の動線が閉位置に近づくに従って戸口に近づくように形成され、また、戸車レール25によるガイドにより、引戸38の下部の動線が壁部Wにほぼ平行且つ直線状に形成される。
【0025】
なお、これらガイドシャフト40,41と戸車42,43とは、引戸38の左右で引戸38の厚み方向の取り付け位置が異なる。引戸38を閉じる場合の進行方向先頭に当たる戸先DH側では、ガイドシャフト40および戸車42は共に室外側に偏在して取り付けられ、引戸38を閉じる場合の進行方向末尾に当たる戸尻DT側では、ガイドシャフト41および戸車43は共に室内側に偏在して取り付けられている。
【0026】
このため、厚さが一定の引戸38は、室外側の面である当接面38cが、上方から見て時計回りにわずかに回転し、引戸38の動線Mに対して所定の角度に傾いた状態となっている。すなわち、当接面38cは閉位置側、すなわち戸口Eにわずかに向くようにわずかに回転された状態となっている。この角度は、前述した戸当り面26a,28a,12a,32aが全体として引戸38の進行して来る方向にわずかに傾いている角度と同じである。例えばこの角度としては、好ましくは0.5度〜4度に設定することが好ましく、この中でも特に1度〜2.5度に設定することが好ましい。なお、本実施形態では、この角度が2.175度に設定されている。
【0027】
[2.実施形態の効果]
(1)このように本実施形態の防音引戸ユニット2によれば、戸当り面に当接する引戸38の当接面38cが閉位置側にわずかに向くように、引戸38の動線に対して所定の角度傾けて設けられているとともに、戸当り面も所定の角度とほぼ同様に傾けて設けられており、ガイドレール16によるガイドにより、引戸38の上部の動線が閉位置直前では閉位置に近づくに従って戸口に近づくように形成され、また、戸車レール25によるガイドにより、引戸38の下部の動線が壁部Wにほぼ平行且つ直線状に形成される。
【0028】
このことにより、従来構成のような引戸がパッキンの表面を横に摩擦するように移動するといった現象が発生せず、引戸38の開閉動作が行いやすい。また、従来構成のような高い防音性、気密性および断熱性を実現するためにパッキンを押しつぶすための構成を有さなくても、引戸38を閉位置へ向けて移動させる際に、引戸38が傾斜した状態から垂直な姿勢へと変化することで、引戸38と戸口Eとが距離S分離れた状態から両者がパッキン34を介して密着した状態となる。すなわち、引戸38の閉じ方向の進行に応じて、次第に引戸38の当接面38cが戸当り面26a,28a,12a,32aに上方(室内側)から近づき、パッキン34に上(室内側)から衝突するようにして接触する。このため、引戸38を閉じる際には、戸口E側に向かって移動する成分が生じ、戸口Eに密着させる力を引戸38に加えることができ、しっかりと引戸38を戸当り面26a,28a,12a,32aのパッキン34に密着させて閉じることができ、室内を完全に密閉でき音のもれを防止できる。勿論、同時に高い気密性あるいは断熱性を達成できる。
【0029】
また、引戸38を閉じる際に、引戸38の当接面38cがパッキン34に接触するのは最後であり、当接面38cがパッキン34に接触した状態で摺動しながら移動することはなく、当接面38cとパッキン34との間の大きな摩擦力が閉操作に支障を来すことはない。このことは、引戸38を開く際にも、最初に当接面38cがパッキン34から離脱するので、その後の引戸38の移動に支障を来すことはない。
【0030】
また、引戸38自体の動線Mに対する傾きは、わずかなものであるので、引戸38の開閉時の移動に際して大きな移動スペースを必要とせず、通常の引戸に比較してスペース効率もほとんど低下しない。また機構も簡単であるので製造コストも安価である。
【0031】
したがって、防音引戸ユニット2において、簡単な構造で、引戸38が戸口Eの戸当り面26a,28a,12a,32aにパッキン34を介して確実に密着して高い防音性、気密性あるいは断熱性を達成しながら、引戸38の開閉動作を行いやすくすることができる。
【0032】
(2)また、本実施形態の防音引戸ユニット2によれば、ガイドレール16が、平行にずらした二本のレール16a,16bから構成され、これら二本のレール16a,16bが直線状であり、上方から見て反時計回りにわずかに回転し、引戸38の動線Mに対して所定の角度に傾いた状態となっている。そして、引戸38の上端面38aの左右両端付近には、それぞれガイドシャフト40,41が設けられ、ガイドレール16のレール16a,16bにそれぞれ挿入されている。
【0033】
このように引戸38の左側を案内する部分と右側を案内する部分との二つ設けることにより、引戸38が上方から見て時計回りや反時計回りに回転しにくくなり、引戸38の移動がより滑らかとなる。したがって、引戸38の開閉動作を行いやすくすることができる。また、二本のレール16a,16bが直線状に構成されることにより、ガイドレール16を一本のレールで構成する場合に案内部を形成するために必要なレールへの曲げ加工などの加工を行わなくても、ガイドレール16を構成する二本のレール16a,16bそれぞれに案内部を設けることができる
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0034】
(1)上記実施形態では、図6(a)に示すように、ガイドレール16が平行にずらした二本のレール16a,16bから構成されているが、これには限られず、ガイドレール16を三本以上のレールで構成してもよい。
【0035】
(2)上記実施形態では、図6(a)に示すように、ガイドレール16が平行にずらした二本のレール16a,16bから構成されているが、これには限られず、図6(b)に例示するように、ガイドレール116のうち閉位置直前の部分116a,116bを、戸口Eに対して近づく方向に曲げ、引戸38の上端面38aの左右両端付近それぞれに設けられたガイドシャフト40,41を、ガイドレール116の閉位置直前の部分116a,116bにそれぞれ挿入するようにしてもよい。また、図6(c)に例示するように、ガイドレール216の内部に形成された溝のうち閉位置直前の部分216a,216bを、閉位置に近づくに従って戸口Eに対して近づくように形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】防音引戸ユニットの室内側から見た正面図である。
【図2】防音引戸ユニットの背面図である。
【図3】図1におけるA−A断面の要部拡大図であり、閉位置にある引戸を示す。
【図4】図1におけるB−B断面の要部拡大図である。
【図5】開位置にある引戸を示す説明図である。
【図6】(a)はガイドレールを上方から見た平面図であり、(b)は他の実施形態のガイドレールを上方から見た平面図(1)であり、(c)は他の実施形態のガイドレールを上方から見た平面図(2)である。
【符号の説明】
【0037】
2…防音引戸ユニット、4…上枠、4a…上枠の溝、6…下枠、8…縦枠、10…縦枠、12…方立、12a…方立の側面、15…L型金具、16,116,216…ガイドレール、16a,16b…レール、18…内側ガイドレールカバー、22…敷板、24…溝部、25…戸車レール、26,28…戸当横部材、26a…戸当り面、26a,28a…戸当横部材の側面、26b…戸当横部材の溝部、32…戸当縦部材、34…パッキン、38…引戸、38a…引戸の上端面、38b…引戸の下端面、38c…引戸の当接面、40,41…ガイドシャフト、42,43…戸車、116a,116b…ガイドレール116のうち閉位置直前の部分、216a,216b…ガイドレール216の内部に形成された溝のうち閉位置直前の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸が上下のガイドレールに誘導されて、戸口の戸当り面にパッキンを介して当接して前記戸口を塞ぐ閉位置と前記戸口が開口する壁部にほぼ平行に対面する開位置との間を往復可能な引戸ユニットであって、
前記戸当り面に当接する前記引戸の当接面が前記閉位置側にわずかに向くように、前記引戸の動線に対して所定の角度傾けて設けられているとともに、前記戸当り面も前記所定の角度とほぼ同様に傾けて設けられており、
前記下側のガイドレールが、前記引戸を移動させる際に、前記引戸の下部を前記壁部にほぼ平行且つ直線状に案内し、
前記上側のガイドレールのうちの少なくとも前記閉位置直前の部分には、前記引戸の上部を前記閉位置に近づくに従って前記戸口に近づくよう案内する案内部が形成され、前記引戸を前記閉位置直前の部分で移動させる際に、前記案内部が前記引戸の上部に前記戸口に対して垂直方向の移動成分を生じさせること
を特徴とする引戸ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の引戸ユニットにおいて、
前記案内部が、少なくとも前記引戸の左側を案内する部分と右側を案内する部分との二つ以上設けられていることを特徴とする引戸ユニット。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の引戸ユニットにおいて、
前記上側のガイドレールは、平行にずらした複数のレールから構成され、前記引戸の上部が前記複数のレールに案内されて前記閉位置と前記開位置との間を往復動可能であり、前記案内部が前記複数のレールそれぞれに設けられていることを特徴とする引戸ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−126980(P2010−126980A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302403(P2008−302403)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(000001410)株式会社河合楽器製作所 (563)
【Fターム(参考)】